JP5191699B2 - 切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、Tスロットカッター等の切削工具、当該切削工具を有する工作機械及び切削方法に関する。
切削工具の刃部だけでなく、切削工具の柄部までが挿入されるような形状や深さの加工穴(溝状のものも含む。また、貫通するもの及び貫通しないもの双方を含む。以下同じ。)を形成する切削方法や当該切削方法に用いられる切削工具及び工作機械が種々知られている。
例えば、特許文献1では、いわゆるTスロットカッターによりT溝を形成する方法が開示されている。図10は、T溝の形成方法の例を説明する模式図である。T溝の形成においては、まず、図10(a)に示すように、エンドミル等により被加工物が切削され、断面が概ね矩形の溝(幅が深さ方向に概ね一定の溝)が形成される。次に、図10(b)に示すように、Tスロットカッター901により被加工物が溝の深部において切削され、溝の深部に拡径部が形成される。これにより、T溝が形成される。T溝の拡径部の形成の際には、柄部903は、T溝の縮径部(浅部)に挿入されている。
特開平9−183007号公報
切削工具の刃部だけでなく、切削工具の柄部までが挿入されるような形状や深さの加工穴を形成している場合、加工穴に切り屑が溜まり易い。これは、刃部は、切り屑を加工穴の開口側へ移送する力を切れ刃のねじ作用等により切り屑に加えるが、柄部は、そのような力を切り屑に加えないことからである。特に、TスロットカッターによりT溝を形成しているときは、T溝は浅部が深部よりも径が小さいことから切り屑が排出されにくい。切り屑が加工穴に溜まると噛み込みに起因して工具が破損する等の問題が生じる。また、作業者がエアーを吹き付けて手作業で切り屑を排出すると、工作機械の無人運転が出来ず、工作機械のランニングコストが増大する。
本発明の目的は、切り屑を好適に排出可能な切削工具、工作機械及び切削方法を提供することにある。
本発明の切削工具は、柄部と、前記柄部の先端に設けられた刃部とを有し、軸心回りに回転駆動され、前記刃部により被加工物を切削する切削工具であって、前記柄部の外周面には、前記刃部側から前記刃部とは反対側へ、軸心に対して回転方向とは逆方向へ傾斜するように延びる溝部が形成されている。
好適には、前記溝部は、前記軸心回りの周回数が半周未満になるように形成されている。
好適には、前記溝部は、ねじれ角が20°以上60°以下になるように形成されている。
好適には、前記刃部は、前記柄部の前記溝部が形成された外周面よりも外周側に突出する切れ刃を有する。
好適には、Tスロットカッターである。
好適には、前記刃部は、軸回りに複数の切れ刃を有し、前記溝部は、前記複数の切れ刃の間から延びている。
好適には、前記溝部は、前記刃部の刃数と同数設けられている。
本発明の工作機械は、柄部と、前記柄部の先端に設けられた刃部とを有する切削工具と、前記切削工具が同軸的に着脱される主軸と、前記主軸を当該主軸及び前記切削工具の軸心回りに回転駆動する主軸モータと、前記主軸を被加工物に対して平行移動させる移動機構と、前記主軸モータ及び前記移動機構の動作を制御するNC装置と、を有し、前記柄部の外周面には、前記刃部側から前記刃部とは反対側へ、軸心に対して回転方向とは逆方向へ傾斜するように延びる溝部が形成されている。
本発明の切削方法は、柄部と、前記柄部の先端に設けられた刃部とを有する切削工具を軸心回りに回転駆動して前記刃部により被加工物を切削する切削方法であって、前記柄部の外周面には、前記刃部側から前記刃部とは反対側へ、軸心に対して回転方向とは逆方向へ傾斜するように延びる溝部が形成されており、前記被加工物に前記刃部の長さよりも深い加工穴を形成する。
本発明によれば、切り屑を好適に排出できる。
図1は、本発明の実施形態に係る工作機械1を示す模式図である。
工作機械1は、例えば、門型マシニングセンタにより構成されている。工作機械1は、被加工物Obを切削する切削工具としてのTスロットカッター3と、Tスロットカッター3が同軸的に着脱される主軸5と、主軸5を主軸5及びTスロットカッター3の軸心回りに回転駆動する主軸モータ7と、主軸5を被加工物Obに対して平行移動させる移動機構9と、主軸モータ7及び移動機構9の動作を制御するNC装置11とを有している。
移動機構9は、例えば、被加工物Obを保持するテーブル、並びに、主軸5を保持するラム、サドル、クロスレール及びコラム等を有している。これらの各部材は、モータや送りねじにより駆動され、互いに相対移動する。これにより、主軸5に保持されたTスロットカッター3及び被加工物Obは相対的に平行移動する。NC装置11は、予め記憶したプログラムに従って制御信号を主軸モータ7及び移動機構9のモータに出力する。これにより、Tスロットカッター3は、被加工物Obに対して平行移動しつつ回転駆動され、被加工物を所望の形状に形成する。被加工物Obは、例えば、金属や木材により構成されている。
図2は、Tスロットカッター3の斜視図である。図3(a)は、Tスロットカッター3の側面図である。図3(b)は、Tスロットカッター3の底面図である。
Tスロットカッター3は、例えば、4枚刃のスローアウェイ式のTスロットカッターにより構成されている。Tスロットカッター3は、柄部21と、柄部21の先端に設けられた刃部23とを有している。
柄部21は、例えば、後端側のシャンク25と先端側のネック27とを有している。シャンク25は、例えば、ストレートシャンクにより構成されており、軸方向において同一径である。ネック27は、シャンク25よりも小径に形成されている。刃部23は、ネック27の先端に固定されている。
刃部23は、軸回りに4枚の切れ刃35を有している。上述のように、Tスロットカッター3はスローアウェイ式であり、切れ刃35はチップにより構成されている。切れ刃35は、1枚の外周刃29、及び、1枚の底刃31又は上刃33を構成しており、刃部23には、4枚の外周刃29、2枚の底刃31、2枚の上刃33が設けられている。底刃31と上刃33とは軸回りに交互に配置されている。
切れ刃35は、図10(b)を参照して説明したように、柄部21をT溝の小径部に挿入した状態でT溝の拡径部を形成可能に、一部が柄部21よりも外周側に突出している。具体的には、切れ刃35のうち、外周刃29全体が柄部21よりも外周側に位置するとともに、底刃31及び上刃33の一部が柄部21よりも外周側に位置している。
切れ刃35は、いわゆる右刃となるように形成されており、Tスロットカッター3は、矢印y1で示す方向が回転方向である。すなわち、Tスロットカッター3は、主軸5から被加工物Obの方向に見て、軸心CL回りに右回転するように、主軸5により駆動される。これにより、切れ刃により被加工物Obが切削される。具体的には、図10(b)に示したように、外周刃29によりT溝の拡径部の外周面が、底刃31によりT溝の拡径部の底面が、上刃33によりT溝の拡径部の上面が切削される。
なお、本願において、柄部は、切削工具の軸方向において各部を区分したときに、切れ刃が構成されていない部分をいうものとし、本実施形態のように、ネックが形成されている場合には、シャンクだけでなく、シャンク及びネック全体を柄部というものとする。また、本願において、刃部は、切削工具の軸方向において各部を区分したときに、切れ刃が設けられている部分をいうものとする。
柄部21の外周面には、柄部21の先端側(刃部23側)から後端側(刃部23とは反対側)へ、軸心CLに対して回転方向(矢印y1の方向)とは逆方向へ傾斜するように延びる複数の溝部37が形成されている。なお、本実施形態においては、Tスロットカッターが右刃であることから、溝部37は右ねじれに形成されている。
溝部37は、例えば、柄部21のうちネック27に設けられている。溝部37は、例えば、刃数と同数、すなわち、4本設けられている。溝部37は、例えば、複数の切れ刃35の間から延びている。すなわち、溝部37の刃部23側の端部は刃部23に到達しており、複数の切れ刃35の間に位置している。また、溝部37の刃部23とは反対側の端部は、シャンク25近傍まで延びている。従って、溝部37は、切削時には、T溝の外部まで延びる。溝部37は、例えば、ねじれ角β(軸心に対する傾斜角)が5°になるように設定されている。
以上の実施形態によれば、Tスロットカッター3は、柄部21の外周面に、刃部23側から刃部23とは反対側へ、軸心に対して回転方向とは逆方向へ傾斜するように延びる溝部37が形成されていることから、切削時には、溝部37のねじ作用により、切り屑は刃部23側から柄部21側へ移送される。従って、切り屑を好適に排出できる。
刃部23は、軸回りに複数の切れ刃を有し、溝部37は、複数の切れ刃の間から延びていることから、切れ刃により削り取られた切り屑は、刃部23から溝部37に円滑に移送されやすくなり、溝部37のねじ作用を受けやすくなる。従って、切り屑がより好適にT溝から排出される。
特に、溝部37が刃部23の刃数と同数設けられている場合には、各切れ刃35により削り取られた切り屑が、それぞれ、各溝部37に移送されやすくなるから、切り屑の排出がより好適に行われる。
本願発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
図4及び図5は、本願発明の変形例に係るTスロットカッター103を示している。図6及び図7は、本願発明の他の変形例に係るTスロットカッター203を示している。図8は、本願発明の更に他の変形例に係るエンドミル303を示している。以下では、これらの図を適宜に参照して、種々の実施態様を説明する。
本願発明の切削工具は、Tスロットカッターに限定されない。切削時に、刃部(23、123、223、323)だけでなく、柄部(21、121、221、321)まで加工穴に挿入されるものであればよい。例えば、切削工具は、エンドミルやドリルであってもよい。また、例えば、切削工具は、切れ刃として底刃のみを有するものや、外周刃のみを有するものであってもよい。
図8に例示するエンドミル303は、いわゆる深堀用のエンドミルである。エンドミル303は、2点鎖線で示すように、切削時には、刃部323だけでなく、柄部321まで加工穴に挿入される。そして、柄部321には、切り屑排出用の溝部337が形成されている。なお、図8では、スクウェアエンドミルを例示しているが、エンドミルは、ボールエンドミル、ラジアスエンドミル、外周刃に特定の形状を有するエンドミル(総形エンドミル)であってもよい。
なお、この他にも、例えば、Tスロットカッターのように、切れ刃の少なくとも一部が柄部よりも外周側へ突出している切削工具(例えば総形フライス)においては、柄部が加工穴に挿入された状態で切削が行われる可能性が高い。すなわち、柄部の溝部が切り屑の排出に有効に寄与する可能性が高い。
切削工具は、超硬合金等により形成されたチップがネジ止めされたスローアウェイ式のものに限定されない。例えば、切削工具は、切削工具全体が超硬合金等により形成されたいわゆるソリッド式のものや、超硬合金等により形成された切れ刃がろう付けされたいわゆるろう付け式のものであってもよい。
刃部は、4枚刃のものに限定されない。2枚刃、3枚刃、6枚刃、8枚刃等、刃数は適宜に設定されてよい。なお、図4及び図5は、刃数が2枚の場合を例示している。また、切れ刃は、溝が形成された、いわゆるラフィング式のものであってもよい。
柄部は、ネックを有するものに限定されない。シャンクのみにより構成されていてもよい。なお、図8は、ネックが無く、シャンクに溝部337が形成されている場合を例示している。柄部には、適宜な部材や部位が設けられていてもよい。例えば、柄部には、自動工具交換用の把持部が設けられていてもよいし、工作機械に着脱するためのタング、引きねじ又はロック用の凹部が設けられていてもよいし、切削工具の刃部から切削油剤やエアーを噴出するための貫通孔が設けられていてもよい。シャンクは、ストレートシャンクに限定されない。例えば、シャンクは、テーパシャンクであってもよい。
溝部37のねじれ角βは、5°に限定されず、適宜に設定されてよい。ここで、好適なねじれ角について説明する。
図9は、切削工具の溝部のねじ作用を説明する図である。
切り屑は、切削工具を基準として考えると、切削工具の回転により切削工具の回転方向とは逆方向の力F0を受けていることになる。力F0は、溝部37等の傾斜面38に直交する分力F1=F0×cosβと、傾斜面38に沿う柄部側(図9の紙面上方側)への分力F2=F0×sinβとからなる。そして、理論上は、分力F2が、切り屑が傾斜面38から受ける摩擦力(μ×F1、μは摩擦係数)を上回れば、切り屑は柄部側へ移動することになる。すなわち、理論上は、tanβ>μであれば、切り屑は、柄部の溝のねじ作用により排出されることになる。
摩擦係数μは、切削工具の材質及び被加工物の材質により変化する。例えば、乾燥した金属間の摩擦係数μは、概ね0.35以上と考えられる。具体的な摩擦係数μの値は、書籍等によって若干異なるが、例えば、乾燥した鉄(Fe)同士の摩擦係数μは0.51、タングステン(W)と鉄との間の摩擦係数μは0.47、タングステンとアルミニウム(Al)との間の摩擦係数μは0.56、チタン(Ti)と鉄との摩擦係数μは0.49、チタンとアルミとの摩擦係数μは0.54、軟鋼同士又は硬鋼同士の摩擦係数は0.35〜0.40である。
また、摩擦係数μは、切削工具と被加工物との間に切削油剤(潤滑剤)が存在するか否かにより変化する。潤滑剤が存在する場合の摩擦係数μは、ストライベック曲線により示されるようにゾンマーフェルト数=粘度×速度/荷重の変化に応じて変化する。潤滑状態は、ゾンマーフェルト数が小さいほうから、境界潤滑、混合潤滑、流体潤滑に区分される。具体的な摩擦係数μの値は、書籍等によって若干異なるが、境界潤滑においてはμ>0.1程度、混合潤滑においてはμ=0.1〜0.01、流体潤滑においてはμ<0.01程度である。切削工具の溝部と切り屑との潤滑状態が、ある程度の潤滑効果を得られる状態になっていると仮定すると、例えば、潤滑状態が境界潤滑を脱して混合潤滑になっていると仮定すると、μは0.1程度となる。
従って、理論上は、切削油剤が用いられることを想定すると、溝部(37等)のねじれ角βは、tanβ>0.1であればよい。すなわち、ねじれ角βは、概ね5°以上あればよい。なお、tan5°=0.09、tan6°=0.11である。また、理論上は、切削油剤が用いられずに金属の乾式切削が行われることを想定すると、ねじれ角βは、tanβ>0.35〜0.40であればよい。すなわち、ねじれ角βは、概ね20°以上あればよい。なお、tan19°=0.34、tan20°=0.36、tan21°=0.38、tan22°=0.40である。
ただし、実際には、切り屑には、溝部のねじ作用による力だけでなく、刃部のねじ作用等による力が加わるから、上述した大きさよりも小さいねじれ角であっても、切り屑は溝部により排出される。すなわち、溝部のねじれ角βは、5°未満であってもよい。
エンドミルやドリル等の切削工具の外周刃は、基本的には、ねじれ角が大きいほど切り屑の排出がよいことが知られている。ただし、加工穴が深い場合などにおいては、ねじれ角が大きすぎると、排出の経路が長くなり、排出が困難になることがあることも知られている。切削工具の外周刃のねじれ角は、切り屑の排出だけでなく、ねじれ角が、すくい角、切削トルク、切れ刃の欠損等に及ぼす影響も考慮して設定されている。
切削工具は、外周刃のねじれ角が20°〜40°のものが標準的に使用されている。また、被加工物が硬いか(もろいか)軟らかいか、加工の種類(例えば、側面削り、正面削り)、加工の精度等に応じて、外周刃のねじれ角が20°以下のいわゆる弱ねじれの切削工具や、外周刃のねじれ角が40°以上のいわゆる強ねじれの切削工具も使用されている。ただし、外周刃のねじれ角が大きくなると、切削抵抗の増大や切れ刃の剛性低下等を招くことから、強ねじれの切削工具であっても、外周刃のねじれ角は60°以下とされているようである。例えば、特許庁の標準技術集では、複数刃エンドミルのねじれ角依存性を、ねじれ角が60°以下のエンドミルにより示している。
切削工具の溝部は、その形成の容易性という観点からは、ねじれ角が小さいことが好ましい。例えば、切削工具の溝部を工作機械により切削して形成する場合には、ねじれ角が大きいほど工作機械の主軸の移動の自由度等が高くなければならない。なお、切削工具が鋳造により形成される場合にも、金型に溝部に対応する突部が形成されなければならないから、同様の問題が生じる。
例えば、図3(a)に示すように、一つの溝部37が一側面図内に収まっている場合には、すなわち、溝部37の軸心回りの周回数が半周未満である場合には、Tスロットカッター3の溝部37を切削する工作機械の主軸は、Tスロットカッター3に対して、図3(a)の紙面貫通方向、紙面上下方向、紙面左右方向の3軸方向に切り込み及び切削送りが可能であれば、一つの溝部37を形成可能である。しかし、図5(a)や図7(a)に示すように、一つの溝部137等が一側面図内に収まっていない場合には、すなわち、溝部137等の軸心回りの周回数が半周以上である場合には、主軸は、さらに、Tスロットカッター103等に対して、その軸心回りに切削送り可能でなければならない。なお、溝部の周回数は、ねじれ角、柄部の径、溝部の長さ(溝部が形成される柄部の長さ)によって決定される。
以上より、切削工具の溝部の形成の容易性という観点からは、溝部のねじれ角βは小さいほうが好ましい。特に、ねじれ角βは、溝部の軸心回りの周回数が半周未満となる大きさであることが好ましい。ただし、溝部によるねじ作用を得るのであれば、ねじれ角βは、5°以上であることが好ましい。なお、図3(a)の溝部37は、軸心回りの周回数が半周未満であり、且つ、ねじれ角βが5°である。すなわち、図3(a)は、溝部の形成の容易性を優先させつつ、溝部がある程度のねじ作用を奏する切削工具を例示している。
また、ねじ作用を得るという観点からは、溝部のねじれ角βは大きいほうが好ましい。ただし、ねじれ角βが大きすぎると、加工穴の深さ等によっては、排出が困難になる場合もある。従って、溝部37のねじれ角βは、外周刃のねじれ角として実績があり、且つ、金属の乾式切削でも理論的にねじ作用が期待できる20°〜60°の範囲であることが汎用性の観点から好ましい。なお、図5(a)の溝部137のねじれ角βは、60°である。すなわち、図5(a)は、外周刃のねじれ角として使用実績のある範囲内で最も理論的にねじれ作用が期待される大きさのねじれ角βの溝部を有する切削工具を例示している。
ただし、切削工具の溝部(37等)は、60°超のねじれ角に設定されることが好ましい場合もある。切削工具の溝部(37等)は、外周刃のねじれ角として使用実績のない強ねじれであっても、外周刃のように、すくい角や切削抵抗等に悪影響を及ぼすことはない。一方、上述のように、理論上はねじれ角が大きいほどねじ作用は強くなる。従って、加工穴の深さ、被加工物の材質、切り屑の大きさ、切削速度等によっては、強いねじ作用を得ることを優先させ、60°超のねじれ角とすることが好ましい場合が考えられる。なお、図7(a)の溝部237は、ねじれ角βが約75°に設定されている。すなわち、図7(a)は、大きなねじ作用を優先した切削工具を例示している。
切削工具の溝部は、切れ刃の間から延びていなくてもよい。溝部の刃部側の端部は、刃部に到達していなくてもよい。刃部とは反対側の端部は、加工穴の外部に位置していなくてもよい。刃数と溝部との数は、同数でなくてもよい。いずれにせよ、溝部のねじ作用により、柄部の周囲に溜まった切り屑には、排出方向への力が加えられ、従来よりも排出が好適になされる。なお、図4及び図5では、刃数(2枚)と同数(2本)の溝部137が設けられ、図6及び図7では、刃数(4枚)と異なる数(2本)の溝部237が設けられ、図8では、刃数(4枚)と同数(4枚)の溝部337が設けられている。
溝部の断面形状、幅及び深さは適宜に設定されてよい。実施形態や変形例では、溝部の断面形状が概ね半円状(弧状)である場合を例示したが、溝部の断面形状は、矩形や矩形以外の多角形であってもよい。また、実施形態や変形例では、溝部の幅や深さが、外周刃や底刃の長さよりも小さい場合を例示したが、外周刃や底刃の長さよりも大きくてもよい。
実施形態や変形例では、溝部の幅が、溝部同士の間隔よりも小さい場合を例示したが、溝部の幅が溝部同士の間隔よりも大きくてもよい。換言すれば、柄部に突条部や羽部が形成されているように見えるように溝部が形成されていてもよい。溝部の幅や深さが大きい場合には、切り屑が通過する断面積が大きくなるから、排出効率が向上することが期待され、溝部の幅や深さが小さい場合には、柄部の断面積が大きく確保されるから、柄部の強度を保つ観点において有利である。また、複数本の溝は、互いに繋がっていてもよい。
Tスロットカッターは、T溝を形成可能であれば、刃部の形状等は適宜に設定されてよい。図6及び図7のTスロットカッター203の刃部223は、軸方向端面において外周側に突出する鍔部224A、224Bを有している。鍔部224A及び224Bは、刃部223の強度補強や切り屑の破砕に寄与する。鍔部224Aは、切り屑の溝部237への移送を妨げてしまうが、柄部221の周囲に溜まった切り屑は、溝部237のねじ作用により柄部221の後端側へ排出され、溝部237がない場合よりも好適に排出される。
本発明の実施形態に係る工作機械の構成を示す図。 図1の工作機械のTスロットカッターを示す斜視図。 図2のTスロットカッターの側面図及び底面図。 本発明の変形例に係るTスロットカッターの斜視図。 図4のTスロットカッターの側面図及び底面図。 本発明の他の変形例に係るTスロットカッターの斜視図。 図6のTスロットカッターの側面図及び底面図。 本発明の更に他の変形例に係るエンドミルの側面図。 切削工具の溝部のねじ作用を説明する模式図。 Tスロットカッターによる切削方法を説明する模式図。
符号の説明
1…工作機械、3…Tスロットカッター(切削工具)、21…柄部、23…刃部、37…溝部、Ob…被加工物。

Claims (5)

  1. 柄部と、前記柄部の先端に設けられた刃部とを有し、軸心回りに回転駆動され、前記刃部により被加工物を切削するTスロットカッターであって、
    前記柄部の外周面には、前記刃部側から前記刃部とは反対側へ、軸心に対して回転方向とは逆方向へ傾斜するように延びる、軸心回りの周回数が半周未満の溝部が形成され
    前記刃部は、前記柄部の前記溝部が形成された外周面よりも外周側に突出する切れ刃を有し、
    前記切れ刃は、前記被加工物のうち前記刃部に対して軸方向の柄部側に位置する部分を切削するための上刃を構成し、
    前記上刃は、軸方向の柄部側に面する逃げ面と、前記上刃の進行方向前方に面するすくい面との稜線により形成されており、
    前記すくい面は、軸方向の前記刃部の先端側へ向くように傾斜している
    切削工具。
  2. 前記刃部は、軸回りに、前記上刃を構成する切れ刃を含む複数の切れ刃を有し、
    前記溝部は、前記上刃を構成する切れ刃と、この切れ刃に対して進行方向前方に位置する切れ刃との間から延びている
    請求項に記載の切削工具。
  3. 柄部と、前記柄部の先端に設けられた刃部とを有し、軸心回りに回転駆動され、前記刃部により被加工物を切削するTスロットカッターであって、
    前記柄部の外周面には、前記刃部側から前記刃部とは反対側へ、軸心に対して回転方向とは逆方向へ傾斜するように延びる、軸心回りの周回数が半周未満の溝部が形成され、
    前記刃部は、前記柄部の前記溝部が形成された外周面よりも外周側に突出する切れ刃を有し、
    前記切れ刃は、前記被加工物のうち前記刃部に対して軸方向の先端側に位置する部分を切削するための底刃を構成し、
    前記刃部は、更に、外周側に突出し、前記底刃のその進行方向前方の空間を柄部側において塞ぐ鍔部を有する
    切削工具。
  4. 柄部と、前記柄部の先端に設けられた刃部とを有し、軸心回りに回転駆動され、前記刃部により被加工物を切削するTスロットカッターであって、
    前記柄部の外周面には、前記刃部側から前記刃部とは反対側へ、軸心に対して回転方向とは逆方向へ傾斜するように延びる、軸心回りの周回数が半周未満の溝部が形成され、
    前記刃部は、前記柄部の前記溝部が形成された外周面よりも外周側に突出する切れ刃を有し、
    前記溝部の前記刃部側の端部は、前記刃部に到達していない
    切削工具。
  5. 柄部と、前記柄部の先端に設けられた刃部とを有し、軸心回りに回転駆動され、前記刃部により被加工物を切削するTスロットカッターであって、
    前記柄部の外周面には、前記刃部側から前記刃部とは反対側へ、軸心に対して回転方向とは逆方向へ傾斜するように延びる、軸心回りの周回数が半周未満の溝部が形成され、
    前記刃部は、前記柄部の前記溝部が形成された外周面よりも外周側に突出する切れ刃を軸回りに複数有し、
    前記溝部は、前記複数の切れ刃の間以外の位置から延びている
    切削工具。
JP2007180704A 2007-07-10 2007-07-10 切削工具 Active JP5191699B2 (ja)

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