JP2775860B2 - 立体規則性ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

立体規則性ポリオレフィンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、立体規則性ポリオレフィンの製造方法に関
するものである。更に詳しくは、本発明は、炭素数3以
上のα−オレフィンの重合(以下、他のα−オレフィン
共重合も含む)において、特定の触媒を用いることによ
り粒子形状の良好な高立体規則性重合体を高収率で得る
ことができる製造方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、オレフィン重合用触媒としては、四塩化チタン
を水素で還元して得られるα型三塩化チタンや、四塩化
チタンをアルミニウムで還元して得られる紫色のγ型三
塩化チタン、あるいはこれらをボールミルで粉砕して得
られるδ型三塩化チタン等が知られている。また、これ
らの触媒改質方法として種々の改質剤と共に混合粉砕処
理する方法も知られている。しかしながら、これらの触
媒を用いて重合を行った場合、重合活性が低く、得られ
る重合体中の触媒残渣が多く、いわゆる脱灰工程が不可
欠であった。また、近年では、マグネシウム、チタン、
ハロゲンを主成分とする固体触媒成分の製造について数
多く提案がなされている。しかしながら、それらの多く
は、さらに活性や重合体の立体規則性、粉体特性等にお
いて一層の改良が望まれている。
本発明者らは、すでにMg、Ti、ハロゲンを主成分とす
る特定の固体触媒成分を用いて立体規則性ポリオレフィ
ンを高収率で得る方法として、特開昭63−3007、特開昭
63−314210、特開昭63−317502、特願昭62−154556、特
願昭62−322861を提案した。これらの方法では、Mg、T
i,電子供与性化合物を含む均一溶液とハロゲン化アルミ
ニウム化合物との反応生成物をハロゲン化チタン及び電
子供与性化合物と反応させることにより、触媒活性、重
合体の立体規則性及び粒子性状に優れた触媒成分を得て
いる。しかしながら、これらの方法では、Ti化合物を均
一溶液調製の際に使用しているため、均一溶液とハロゲ
ン化アルミニウムとの反応以降において、そのTi化合物
が活性種となり、触媒活性および重合体の立体規則性の
低下の原因となることがある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、従来技術の不十分な点を克服するため
に、均一溶液調製の際、活性種となり得るTi化合物を使
用せずに炭素数3以上のα−オレフィン用重合触媒を調
製する方法を見出すべく鋭意検討を行った。
[課題を解決するための手段] その結果、前述の特開昭63−3007号等に示されている
方法において、チタンの酸素含有有機化合物を使用せず
に、ケイ素の酸素含有有機化合物とホウ素化合物を使用
して得られる均一溶液を用いて製造した固体触媒成分
と、助触媒として有機金属化合物、そして電子供与性化
合物を用いることにより、本発明を完成させるに至っ
た。
すなわち、本発明は、遷移金属化合物及び有機金属化
合物からなる触媒の存在下、立体規則性ポリオレフィン
を製造するにあたって、 成分(A)として、 (i)金属マグネシウムと水酸化有機化合物、マグネシ
ウムの酸素含有有機化合物からなる群より選んだ少なく
とも一員と (ii)ホウ素化合物と (iii)一般式R3 pSi(OR4)qX4-(p+q)(式中、R3、R4は炭
素数1〜20の炭化水素基又は水素原子を表し、p及びq
は0≦p≦3、1≦q≦4、1≦p+q≦4なる数を表
し、Xはハロゲン原子を表す)で表されるケイ素の酸素
含有有機化合物とを含有する均一溶液に (iv)少なくとも一種のハロゲン化アルミニウムを反応
させて得られた固体生成物に更に、 (v)電子供与性化合物と (vi)一般式Ti(OR6)fX4-f(式中、R6は1〜20個の炭素
原子を有する炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表
し、fは0≦f<4なる数を表す)で表されるハロゲン
化チタン化合物を反応させて得られる固体触媒成分と 成分(B)として周期律表の第IA、IIA、IIB、IIIB、及
びIVB族金属の有機金属化合物からなる群より選んだ少
なくとも一種と 成分(C)として電子供与性化合物からなる触媒系を用
いる立体規則性ポリオレフィンの製造方法にある。
[作用] 本発明において使用される固体触媒成分は、 (i)金属マグネシウムと水酸化有機化合物又は、マグ
ネシウムの酸素含有有機化合物と (ii)ホウ素化合物と (iii)ケイ素のアルコキシド等の一般式R3 pSi(OR4)qX
4-(p+q)(式中、R3、R4は炭素数1〜20の炭化水素基又
は水素原子を表し、p及びqは0≦p≦3、1≦q≦
4、1≦p+q≦4なる数を表し、Xはハロゲン原子を
表す)で表されるケイ素の酸素含有有機化合物を反応さ
せて得られた均一溶液に (iv)ハロゲン化アルミニウムを反応させて得られた固
体生成物に(v)電子供与性化合物、 (vi)一般式Ti(OR6)fX4-f(式中、R6は1〜20個の炭素
原子を有する炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表
し、fは0≦f<4なる数を表す)で表されるハロゲン
化チタン化合物を反応させて得ることができる。
前記(i)において、金属マグネシウムと水酸化有機
化合物を用いる場合、金属マグネシウムとしては各種の
形状、すなわち粉末、粒子、箔またはリボンなどいずれ
の形状のものも使用でき、また水酸化有機化合物として
は、アルコール類、フェノール類、有機シラノール類が
適している。アルコール類としては、1〜18個の炭素原
子を有する直鎖または分岐鎖脂肪族アルコール、脂環式
アルコールまたは芳香族アルコールが使用できる。例と
しては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、
i−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノー
ル、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、i−
オクタノール、n−ステアリルアルコール、シクロペン
タノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールな
どが挙げられる。また有機シラノールとしては少なくと
も1個の水酸基を有し、かつ有機基は1〜12個の炭素原
子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル
基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、アリール
基、アルキルアリール基から選ばれる。例えば次の例を
挙げることができる。トリメチルシラノール、トリエチ
ルシラノール、トリフェニルシラノール、t−ブチルジ
メチルシラノール。更に、フェノール類としては、フェ
ノール、クレゾール、キシレノール、ハイドロキノンな
どが挙げられる。これらの水酸化有機化合物は、単独又
は2種以上の混合物として使用される。
加うるに、金属マグネシウムを使用して本発明におけ
る成分(A)の固体触媒成分を得る場合、反応を促進す
る目的から、金属マグネシウムと反応したり、付加化合
物を生成したりするような物質、例えばヨウ素、塩化第
2水銀、ハロゲン化アルキル及び有機酸などのような極
性物質を単独または2種以上添加することが望ましい。
次に、マグネシウムの酸素含有有機化合物に属する化
合物としては、マグネシウムアルコキシド類、例えばメ
チレート、エチレート、イソプロピレート、デカノレー
ト、メトキシエチレート及びシクロヘキサノレート、マ
グネシウムアルキルアルコキシド類、例えばエチルエチ
レート、マグネシウムヒドロアルコキシド類、例えばヒ
ドロキシメチレート、マグネシウムフェノキシド類、例
えばフェネート、ナフテネート、フェナンスレネート及
びクレゾレート、マグネシウムカルボキシレート類、例
えばアセテート、ステアレート、ベンゾエート、フェニ
ルアセテート、アジペート、セバケート、フタレート、
アクリレート、及びオレエート、オキシメート類、例え
ばブチルオキシメート、ジメチルグリオキシメート及び
シクロヘキシルオキシメート、ヒドロキサム酸塩類、ヒ
ドロキシルアミン塩類、例えばN−ニトロソ−N−フェ
ニル−ヒドロキシルアミン誘導体、エノレート類、例え
ばアセチルアセトネート、マグネシウムシラノレート
類、例えばトリフェニルシラノレートなどが挙げられ
る。これらの酸素含有有機マグネシウムは、単独又は2
種以上の混合物として使用される。
前記(ii)の反応剤であるホウ素化合物としては、一
般式R1 mB(OR2)nX3-(m+n)で表されるホウ素化合物が使用
される。ただし、該一般式において、R1、R2は炭素数1
〜20、好ましくは1〜10の直鎖または分岐鎖アルキル
基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、アリール
基及びアルキルアリール基などの炭化水素基並びにハロ
ゲン化炭化水素基、アミノ基置換炭化水素基もしくは水
素原子を表し、m及びnは、0≦m≦3、0≦n≦3、
0≦m+n≦3なる数を表し、Xはハロゲン原子を表
す。
ホウ素化合物の具体例としては、トリメトキシボラ
ン、トリエトキシボラン、トリ−n−プロポキシボラ
ン、トリ−i−プロポキシボラン、トリ−n−ブトキシ
ボラン、トリ−i−ブトキシボラン、トリ−sec−ブト
キシボラン、トリ−tert−ブトキシボラン、トリ(2−
エチルヘキソキシ)ボラン、トリフェノキシボラン、ト
リベンジルオキシボラン、ジ−i−プロポキシメチルボ
ラン、ジ−i−プロポキシフェニルボラン、2−アミノ
エチルジフェニルボラン、トリメチレンボレート、(1,
3−プロパンジオールとホウ酸のエステル)、ブチルホ
ウ酸、トリエチルボラン、トリ−n−ブチルボラン、ト
リ−i−ブチルボラン、トリ−sec−ブチルボラン、ト
リ−sec−イソアミルボラン、トリフェニルボラン、ト
リメシチルボラン、トリス(4−フルオロフェニル)ボ
ラン、B−イソピノカンフェニル−9−ボラビシクロ
(3,3,1)ノナン、9−ボラビシクロ(3,3,1)ノナン、
ジ−sec−イソアミルボラン、クロロジエトキシボラ
ン、ジクロロエトキシボラン、ブロモジエチルボラン、
トリクロロボラン、トリブロモボランなどがあげられ
る。いくつかの異なる置換基を有するホウ素化合物の使
用も本発明の範囲に入る。これらのホウ素化合物は、単
独または2種以上の混合物として使用する。
前記(iii)の反応剤であるケイ素の酸素含有有機化
合物としては、一般式R3 pSi(OR4)qX4-(p+q)で表される
ケイ素の酸素含有有機化合物が使用される。ただし、該
一般式において、R3、R4は炭素数1〜20、好ましくは1
〜10の直鎖又は分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、
アリールアルキル基、アリール基及びアルキルアリール
基などの炭化水素基又は水素原子を表し、p及びqは0
≦p≦3、1≦q≦4、1≦p+q≦4なる数を表し、
Xはハロゲン原子を表す。具体例としては、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロ
ポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ
−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ペントキシシラ
ン、テトラ−n−ヘキソキシシラン、テトラフェノキシ
シラン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)シラン、
テトラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テトラキス
(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルトリメトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、4−クロロフ
ェニルトリメトキシシラン、トリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n
−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、トリエトキシシラン、エチルトリ−i−プロポキシ
シラン、ビニルトリ−i−プロポキシシラン、i−ペン
チルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−i−ペン
トキシシラン、エチルトリ−i−ペントキシシラン、メ
チルトリ−n−ヘキソキシシラン、フェニルトリ−i−
ペントキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、
i−プロピルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニ
ルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メ
チルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ
エチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、メチルドデシルジエトキシシラン、メチルオクタデ
シルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラ
ン、メチルジエトキシシラン、ジベンジルジエトキシシ
シラン、ジエトキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシ
シラン、ジメチルジ−i−ペントキシシラン、ジエチル
ジ−i−ペントキシシラン、ジ−i−ブチルジ−i−ペ
ントキシシラン、ジフェニルジ−i−ペントキシシラ
ン、ジフェニルジ−n−オクトキシシラン、ジイソブチ
ルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリ
メチルエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、トリ
メチル−i−プロポキシシラン、トリメチル−n−プロ
ポキシシラン、トリメチル−t−ブトキシシラン、トリ
メチル−i−ブトキシシラン、トリメチル−n−ブトキ
シシラン、トリメチル−n−ペントキシシラン、トリメ
チルフェノキシシランなどのアルコキシシランもしくは
アリーロキシシラン、ジクロロジエトキシシラン、ジク
ロロジフェノキシシラン、トリブロモエトキシシランな
どのハロアルコキシシラン、もしくはハロアリーロキシ
シランなどが挙げられる。上記ケイ素の酸素含有有機化
合物は、単独で用いてもよく、また2種以上を混合ある
いは反応させて使用することもできる。
前記(iv)の反応剤であるハロゲン化アルミニウム化
合物としては、一般式AlR5 rX3-rで示されるものが使用
される。式中R5は1〜20個の炭素原子を有する炭化水素
基を表し、Xはハロゲン原子を表し、rは0<r≦2な
る数を表す。R5は直鎖または分岐鎖アルキル基、アルコ
キシ基、シクロアルキル基、アリールアルキル基,アリ
ール基及びアルキルアリール基から選ばれることが好ま
しい。上記ハロゲン化アルミニウム化合物は、単独又は
2種以上の混合物として使用する。ハロゲン化アルミニ
ウムの具体例としては、例えば、エチルアルミニウムジ
クロライド、n−プロピルアルミニウムジクロライド、
ブチルアルミニウムジクロライド、i−ブチルアルミニ
ウムジクロライド、セスキエチルアルミニウムクロライ
ド、セスキ−i−ブチルアルミニウムクロライド、セス
キ−i−プロピルアルミニウムクロライド、セスキ−n
−プロピルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニ
ウムクロライド、ジ−i−プロピルアルミニウムクロラ
イド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロライド、ジ−
i−ブチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニ
ウムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオダイドな
どが挙げられる。
前記(v)の反応剤である電子供与性化合物として
は、エーテル、エステル、ケトン、フェノール、アミ
ン、アミド、イミン、ニトリル、ホスフィン、ホスファ
イト、スチビン、アルシン、ホスホリルアミド及びアル
コレートが挙げられる。なかでもエステル類が好まし
く、有機酸エステル類が最も好ましい。有機酸エステル
類としては、芳香族カルボンのモノ又はジエステル、脂
肪族カルボン酸のモノ又はジエステルなどが挙げられ
る。その具体例としては、例えば、ギ酸ブチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、ピバリン酸プ
ロピル、ピバリン酸イソブチル、アクリル酸エチル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
イソブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソブチ
ル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジ
イソブチル、グルタル酸ジエチル、グルタル酸ジブチ
ル、グルタル酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソブチ
ル、セバシン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、マレイ
ン酸ジブチル、マレイン酸ジイソブチル、フマル酸モノ
メチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソブチル、酒
石酸ジエチル、酒石酸ジブチル、酒石酸ジイソブチル、
安息香酸メチル、安息香酸エチル、p−トルイル酸メチ
ル、p−第3級ブチル安息香酸エチル、p−アニス酸エ
チル、α−ナフトエ酸イソブチル、ケイ皮酸エチル、フ
タル酸モノメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソ
ブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、フ
タル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸ジアリル、フタ
ル酸ジフェニル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸
ジイソブチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジ
ブチル、ナフタル酸ジエチル、ナフタル酸ジブチル等が
挙げられる。電子供与性化合物(v)は、単独又は2種
以上の混合物として使用される。
前記(vi)の反応剤であるハロゲン化チタン化合物と
しては、一般式Ti(OR6)fX4-fで表されるチタン化合物が
用いられる。式中R6は、1〜20個の炭素原子を有する炭
化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表し、fは0≦f
<4なる数を表す。R6は直鎖又は分岐鎖アルキル基、ア
ルコキシ基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、
アリール基及びアルキルアリール基から選ばれることが
好ましい。上記ハロゲン化チタン化合物は、単独又は2
種以上の混合物として使用することができる。ハロゲン
化チタン化合物の具体例としては、例えば、四塩化チタ
ン、酸塩化エトキシチタン、三塩化プロポキシチタン、
三塩化ブトキシチタン、三塩化フェノキシチタン、二塩
化ジエトキシチタン、塩化トリエトキシチタンなどが挙
げられる。
本発明で得られる固体触媒成分は、上記の反応剤
(i)、(ii)及び(iii)を反応させて得た均一溶液
に、反応剤(iv)を反応させ、得られた固体生成物に、
次いで反応剤(v)、(vi)を反応させることにより調
製することができる。
これらの反応は、液体媒体中で行うことが好ましい。
そのため特にこれらの反応剤自体が操作条件で液体でな
い場合、または液状反応剤の量が不十分な場合には、不
活性有機溶媒の存在下で行うべきである。不活性有機溶
媒としては、当該技術分野で通常用いられるものはすべ
て使用できるが、脂肪族、脂環族または芳香族炭化水素
類もしくは、それらのハロゲン誘導体もしくは、それら
の混合物が挙げられる。例えばイソブタン、ペンタン、
イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、1,2
−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、塩化ベ
ンジル、二塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,3−
ジクロロプロパン、1,4−ジクロロブタン、1,1,1,−ト
リクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−
テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、
テトラクロロエチレン、四塩化炭素、クロロホルムなど
を挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独で使
用しても、混合物として使用してもよい。因みに、ハロ
ゲン誘導体あるいは、その混合物を使用した場合、重合
活性、重合体の立体規則性に良好な結果をもたらす場合
がある。
本発明で用いられる反応剤(i)、(ii)、(ii
i)、(iv)、(v)、(Vi)の使用量に特に制限はな
いが、マグネシウム原子(i)とホウ素化合物(ii)の
モル比は、1:0.01〜1:20、好ましくは1:0.05〜10、マグ
ネシウム原子(i)とケイ素の酸素含有有機化合物(ii
i)のモル比は1:0.01〜1:20、好ましくは1:0.1〜1:5に
なるように使用量を選ぶことが好ましい。また、マグネ
シウム原子とハロゲン化アルミニウム(iv)中のアルミ
ニウム原子の比は、1:0.1〜1:100、好ましくは1:0.1〜
1:20の範囲になるように反応剤の使用量を選ぶことが好
ましい。特に1:0.4〜1:5の範囲が好適である。この範囲
をはずれてアルミニウム原子の比が大きすぎると触媒活
性が低くなり、小さすぎると良好な粉体特性が望めない
という結果となる。
マグネシウム原子(i)と電子供与性化合物(v)の
モル比は1:0.05〜1:2.0、好ましくは1:0.1〜1:1.0にな
るように使用量を選ぶことが好ましい。これらの範囲を
はずれた場合、重合活性が低かったり、重合体の立体規
則性が低いといった問題を生ずる。更にマグネシウム原
子(i)とハロゲン化チタン化合物(vi)のモル比は、
1:1〜1:100、好ましくは1:3〜1:50の範囲になるように
反応剤の使用量を選ぶことが好ましい。この範囲を外れ
た場合、重合活性が低くなったり、製品が着色するなど
の問題を生ずる。
反応剤(i)、(ii)、(iii)、により均一溶液を
得る際の反応条件は−50〜300℃、好ましくは、0〜200
℃なる範囲の温度で、0.5〜50時間、好ましくは、1〜
6時間、不活性ガス雰囲気中で常圧または加圧下で行わ
れる。更に反応剤(iv)、(v)、(vi)の反応の際に
は、−50〜200℃、好ましくは、−30〜150℃なる範囲の
温度で0.2〜50時間、好ましくは0.5〜5時間、不活性ガ
ス雰囲気中で常圧または加圧下で行われる。反応剤(i
v)の反応条件は重要であり、生成する粒子の粒子形状
に決定的な役割を果たすため極めて重要である。また、
反応剤(vi)の反応は多段階に分割して反応させてもよ
い。この場合、結果的に重合活性及び重合体の立体規則
性の向上をもたらすなどの効果が認められる場合があ
る。かくして、得られた固体触媒成分(A)は、そのま
ま使用してもよいが、一般には濾過または傾斜法により
残存する未反応物及び副生成物を除去してから、不活性
有機溶媒で充分な洗浄後、不活性有機溶媒中に懸濁して
使用する。洗浄後単離し、常圧または減圧下で加熱して
不活性有機溶媒を除去したものも使用できる。
以上のようにして得られた成分(A)の固体触媒成分
は、成分(B)の有機金属化合物、及び成分(C)の電
子供与性化合物と組み合わせることにより、オレフィン
重合に使用する。
成分(B)の有機金属化合物としては、リチウム、マ
グネシウム、亜鉛、スズまたはアルミニウム等の金属と
有機基とからなる有機金属化合物が挙げられる。上記の
有機基としては、アルキル基を代表として挙げられるこ
とができる。このアルキル基としては、直鎖または分岐
鎖の炭素数1〜20のアルキル基が用いられる。具体的に
は、例えば、n−ブチルリチウム、ジエチルマグネシウ
ム、ジエチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリエチ
ルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ
−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニ
ウム、テトラエチルスズあるいは、テトラブチルスズな
どが挙げられる。なかんずく、直鎖または分岐鎖の炭素
数1〜10のアルキル基を有するトリアルキルアルミニウ
ムの使用が好ましい。また、炭素数1〜20のアルキル基
を有するアルキル金属ハライド、例えば、エチルアルミ
ミウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロラ
イド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、もしく
は、アルキル金属アルコキシド、例えばジエチルアルミ
ニウムエトキシドなども使用できる。これらの有機金属
化合物は、単独または2種以上の混合物として使用され
る。
成分(C)の電子供与性化合物としては、有機酸エス
テル、ケイ素の酸素含有有機化合物、窒素含有有機化合
物などが好適である。有機酸エステルとしては、成分
(A)の固体触媒成分の調製の際に用いる反応剤(v)
と同様の化合物が挙げられる。なかでも好ましくは、脂
肪族カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルが
挙げられる。具体的に、脂肪族カルボン酸エステルとし
ては、炭素数2〜18を有する、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸エ
チル及び酪酸エチルなどを挙げることができる。芳香族
カルボン酸エステルとしては、炭素数1〜24を有する、
安息香酸メチル、安息香酸エステル、トルイル酸メチ
ル、トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチ
ル、などを挙げることができる。上記の有機酸エステル
は、単独で用いてもよく、また2種以上を混合あるいは
反応させて使用することもできる。ケイ素の酸素含有有
機化合物としては、前記(iii)の反応剤と同様の化合
物が挙げられる。ケイ素の酸素含有有機化合物は、単独
または2種以上の混合物として使用され、反応剤(ii
i)と同種あるいは異種の化合物を使用することができ
る。窒素含有有機化合物としては、分子内に窒素原子を
有し、ルイス塩基としての機能をもつ化合物を挙げるこ
とができる。具体的には、酢酸N,N−ジメチルアミド、
安息香酸N,N−ジメチルアミド、トルイル酸N,N−ジメチ
ルアミドなどのアミド系化合物、2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、2,6−ジイソプロピルピペリジン、2,6−
ジイソブチルピペリジン、2,6−ジイソブチル−4−メ
チルピペリジン、2,2,6−トリメチルピペリジン、2,2,
6,6−テトラエチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチ
ルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)セバケートなどのピペリジン系化合物、2,
6−ジイソプロピルピリジン、2,6−ジイソブチルピリジ
ン、2−イソプロピル−6−メチルピリジンなどのピリ
ジン系化合物、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン、2,5
−ジイソプロピルピロリジン、2,2,5−トリメチルピロ
リジン、1,2,2,5,5−ペンタメチルピロリジン、2,5−ジ
イソブチルピロリジンなどのピロリジン系化合物、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
トリベンジルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、
ジイソプロピルエチルアミン、tert−ブチルジメチルア
ミン、ジフェニルアミン、ジ−o−トリルアミンなどの
アミン系化合物、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジイソ
プロピルアニリンなどのアニリン系化合物などが挙げら
れる。上記の窒素含有有機化合物は、単独で用いてもよ
く、また2種以上を混合あるいは反応させて使用するこ
ともできる。
これらの電子供与性化合物は併用してもよい。
成分(A)の固体触媒成分の使用量は、反応器1リッ
トル当たり、チタン原子0.001〜2.5ミリモル(mmol)相
当する量で使用することが好ましい。成分(B)の有機
金属化合物は、反応器1リットル当たり、0.02〜50mmo
l、好ましくは0.2〜5mmolの濃度で使用する。成分の
(C)の電子供与性化合物は、反応器1リットル当た
り、0.001〜50mmol、好ましくは、0.01〜5mmolの濃度で
使用する。
本発明における三成分の送入態様は、特に限定される
ものではなく、例えば成分(A)、成分(B)、成分
(C)を各々別個に重合器へ送入する方法、あるいは成
分(A)と成分(B)を接触させた後に成分(C)と接
触させて重合する方法、成分(B)と成分(C)を接触
させた後に成分(A)と接触させて重合する方法、予め
成分(A)と成分(B)と成分(C)とを接触させて重
合する方法などを採用することができる。
オレフィンの重合は、重合体の融点未満の反応温度で
気相中または、液相中で行う。重合を液相中で行う場合
は、オレフィンそれ自身を反応媒体としてもよいが、不
活性溶媒を反応媒体として用いることもできる。この不
活性溶媒は、当該技術分野で通常用いられるものであれ
ばどれでも使用することができるが、特に4〜20個の炭
素原子を有するアルカン、シクロアルカン、例えばイソ
ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどが適
当である。
本発明の立体規則性ポリオレフィンの製造方法におい
て重合させるオレフィンとしては、一般式R−CH=CH2
のα−オレフィン(式中、Rは1〜10個、特に1〜8個
の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の置換・非置換ア
ルキル基を表す)を挙げることができる。具体的には、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−オクテンなどが挙げられる。これら
は、単独重合のみならず、ランダム共重合、ブロック共
重合を行うことができる。共重合に際しては、上記α−
オレフィンの2種以上もしくは、α−オレフィンとブタ
ジエン、イソプレンなどのジエン類を用いて重合を行
う。特にプロピレン、プロピレンとエチレン、プロピレ
ンとプロピレン以外の上記のα−オレフィン、プロピレ
ンとジエン類を用いて重合を行うことが好ましい。
重合反応条件は、重合体の融点未満の反応温度で行わ
れる限り特に限定されないが、通常反応温度20〜100
℃、圧力2〜50kg/cm2Gに選ばれる。
重合工程において使用する反応器は、当該技術分野で
通常用いられるものであれば、適宜使用することができ
る。攪拌槽型反応器、流動床型反応器、または循環式反
応器を用いて、重合操作を連続方式、半回分方式及び回
分方式のいずれかの方式で行うことができる。更に異な
る重合の反応条件で2段階以上に分けて行うことも可能
である。
[発明の効果] 本発明は、均一溶液調製の際、Ti化合物を用いないこ
とを特徴とし、以下に示すような効果がある。
第一の効果は、微粒子が少なく、更に適度な大きさの
平均粒径を有する嵩密度の高い重合体粒子を得ることが
できるなど粉体特性が優れている点にあり、特に気相重
合に適用した場合、効果的である。また、粒度分布が極
めて狭い重合体粒子を得ることも可能である。そのた
め、重合工程においては、重合装置内での付着物の生成
が阻止され、特にスラリー重合法においては、重合体の
分離、乾燥工程で重合体スラリーの分離・濾過の容易と
なり、重合体の微細粒子の系外への飛散が防止され、加
えて流動性の向上により乾燥効率が向上する。また、移
送工程においては、サイロ内でブリッジなどの発生がな
く、移送上のトラブルが解消される。
第二の効果は、重合活性が極めて高く、触媒残渣除去
を目的とする脱灰工程の不要な重合体が得られることで
ある。高活性であるため、製品の着色、着臭等の心配が
なく、ポリマーの精製も不要となり、極めて経済的であ
る。
第三の効果は、重合体の立体規則性が極めて良好な点
にある。従って、反応媒体を使用しない気相重合法によ
る重合体製造に極めて有利である。
[実施例] 以下に本発明を実施例により示すが、本発明は、これ
らの実施例によってなんら限定されるものではない。な
お、実施例及び比較例において、メルトフローレート
(以下MFRと略す)は、ASTM D−1238条件Lにより測定
した。アイソタクチックインデックス(以下IIと略す)
は全生成重合体に対するn−ヘプタン抽出後の不溶性重
合体の割合を重量百分率で示した。活性は、固体触媒成
分(A)1g当たりの重合体生成量(g)を表す。重合体
粒子の粒径分布の広狭は、重合体粒子を篩によって分級
した結果を確立対数紙にプロットし、近似した直線より
公知の方法で幾何標準偏差を求め、その常用対数(以下
σという)で表した。また、平均粒径は前記の近似直線
の重量積算値50%に対応する粒径を読み取った値であ
る。微細粒子含量は、粒径が105μ以下の微細粒子の割
合を重量百分率で示した。
実施例1 (イ)固体触媒成分(A)の調製 攪拌装置を備えた3lのフラスコに、金属マグネシウム
粉体15g(0.62mol)を入れ、これにヨウ素0.75g、2−
エチルヘキサノール401.7g(3.1mol)、ジフェニルジメ
トキシシラン151.5g(0.62mol)、トリブトキシボラン1
14.2g(0.50mol)を加え、90℃まで昇温し、窒素シール
下で1時間攪拌した。引き続き140℃まで昇温して2時
間反応を行い、マグネシウムとケイ素とホウ素を含む均
一溶液(Mg−Si−B溶液)を得た。
内容積500mlのフラスコにMg−Si−B溶液をMg換算で
0.066mol仕込み、0℃に冷却した後、イソブチルアルミ
ニウムジクロライド10.4g(0.067mol)をヘキサン157ml
に希釈した溶液を2時間かけて加えた。全量を加えた
後、1時間かけて70℃まで昇温したところ、白色の固体
生成物を含むスラリーが得られ、その固体生成物を濾過
分離した後、ヘキサンで洗浄した。
かくして得られた白色固体生成物を含むスラリーに四
塩化チタン125g(0.66mol)をクロロベンゼン125gで希
釈した溶液を全量加えた後、フタル酸ジイソブチル7.3g
(0.0264mol)を加え、3時間反応させた。生成物を濾
過することにより、固体部を採取し、再度、四塩化チタ
ン125gをクロロベンゼン125gで希釈した溶液に懸濁し、
100℃で2時間攪拌した。生成物にヘキサンを加え、遊
離するチタン化合物が検出されなくなるまで、充分に洗
浄操作を行った。かくして、ヘキサンに懸濁した固体触
媒成分(A)のスラリーを得た。上澄液を除去して窒素
雰囲気下で乾燥し、元素分析したところ、Tiは3.2wt%
であった。
(ロ)プロピレンの重合 内容積5lのステンレススチール製電磁攪拌式オートク
レーブ内を充分窒素で置換し、触媒成分(B)としてト
リエチルアルミニウム1.3mmol、触媒成分(C)とし
て、ジフェニルジメトキシシラン0.33mmol、及び固体触
媒成分(A)10mgを順次添加し、オートクレーブ内圧を
0.1kg/cm2Gに調節し、水素を0.2kg/cm2G加え、液状プロ
ピレン2000ml加え、攪拌を開始した後、70℃に昇温し、
90分間重合した。重合反応終了後、攪拌を止めると同時
に系内の未反応プロピレンを放出し、生成重合体を回収
した。その結果、生成重合体は374gであり、活性37400g
/gに相当した。重合体粒子の諸特性を調べたところ、MF
R2.9g/10min.、II98.2%、嵩密度0.39g/cm3、平均粒径1
260μ、σ0.19、微細粒子含量0重量%の結果を得た。
実施例2 固体触媒成分(A)を調製する際、実施例1の(イ)
において前記成分(ii)としてトリエトキシボラン18.1
g(0.12mol)、前記成分(iii)としてテトラキス(2
−エチルヘキソキシ)シラン336.4g(0.62mol)を用い
たこと以外、実施例1と同様の方法により固体触媒成分
を得た。
得られた固体触媒成分を用い、実施例1の(ロ)と同
様の条件でプロピレンの重合を行った。結果は、活性16
700g/gであった。また、重合体粒子の諸特性を測定した
ところ、MFR3.5g/10min.、II99.0%、嵩密度0.42g/c
m3、平均粒径820μ、σ0.22、微細粒子含量2.0重量%の
結果を得た。
実施例3 固体触媒成分(A)を調製する際、実施例1の(イ)
において前記成分(ii)としてトリエトキシボラン90.5
g(0.62mol)、前記成分(iii)としてテトラキス(2
−エチルヘキソキシ)シラン336.4g(0.62mol)、前記
成分(iv)としてエチルアルミニウムジクロリド16.9g
(0.133mol)を用いたこと以外、実施例1と同様の方法
により固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分を用い、実施例1と同様の条件
でプロピレンの重合を行った。結果は、活性7400g/gで
あった。また、重合体粒子の諸特性を測定したところ、
MFR3.1g/10min.、II97.7%、嵩密度0.30g/cm3、平均粒
径1020μ、σ0.35、微細粒子含量0重量%の結果を得
た。
実施例4 固体触媒成分(A)を調製する際、前記成分(ii)と
して実施例2の(イ)で用いたトリエトキシボランに変
えて、トリクロロボラン25.5g(0.22mol)を用いること
以外、実施例1と同様の方法により固体触媒成分を得
た。
得られた固体触媒成分を用い、実施例1の(ロ)と同
様の条件でプロピレン重合を行った。結果は活性18500g
/gであった。また、重合体粒子の諸特性を測定したとこ
ろ、MFR10.4g/10min.、II97.4%、嵩密度0.36g/cm3、平
均粒径550μ、σ0.06、微細粒子含量0重量%の結果を
得た。
実施例5 固体触媒成分(A)を調製する際、実施例1の(イ)
において前記成分(ii)としてトリエトキシボラン54.3
g(0.37mol)とトリフェニルボラン30.0(0.12mol)の
混合物、前記成分(iii)としてテトラエトキシシラン1
29.1g(0.62mol)、前記成分(iv)としてイソブチルア
ルミニウムジクロリド20.7g(0.133mol)を用いたこと
以外、実施例1の(イ)と同様の方法により固体触媒成
分を得た。
得られた固体触媒成分を用い、実施例1の(ロ)と同
様の条件でプロピレンの重合を行った。結果は、活性14
600g/gであった。また、重合体粒子の諸特性を測定した
ところ、MFR0.17g/10min.、II97.6%、嵩密度0.35g/c
m3、平均粒径1070μ、σ0.25、微細粒子含量1.1重量%
の結果を得た。
実施例6 固体触媒成分(A)を調製する際、前記成分(ii)と
して実施例5で用いたトリエトキシボランとトリフェニ
ルボランの混合物に変えて、トリエトキシボラン129.1g
(0.62mol)とヒドロキシジ(パラタ−シャリ−ブチル
安息香酸)アルミニウム123.4g(0.31mol)の混合物を
用いたこと以外、実施例1の(イ)と同様の方法で固体
触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分を用い、実施例1の(ロ)と同
様の条件でプロピレンの重合を行った。結果は活性1120
0g/gであった。また、重合体粒子の諸特性を測定したと
ころ、MFR0.10g/10min.、II97.2%、嵩密度0.28g/cm3
平均粒径990μ、σ0.22、微細粒子含量1.5重量%の結果
を得た。
実施例7 固体触媒成分(A)の調製の際、実施例1の(イ)に
おいて、生成した白色の固体生成物を濾過分離後、ヘキ
サン洗浄せず用いたこと以外、実施例1と同様の方法に
より固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分を用い、実施例1の(ロ)と同
様の条件でプロピレンの重合を行った。結果は、活性30
400g/gであった。また、重合体粒子の諸特性を測定した
ところ、MFR3.2g/10min.、II97.8%、嵩密度0.39g/c
m3、平均粒径1010μ、σ0.21、微細粒子含量0重量%の
結果を得た。これは実施例1の固体触媒成分の性能と同
等である。
比較例1 固体触媒成分(A)の調製の際、実施例1の(イ)に
おいて前記成分(ii)として加えたトリブトキシボラン
及び前記成分(iii)として加えたジフェニルジメトキ
シシランを加えず、テトラn−ブトキシチタン211g(0.
62mol)を加えたこと、並びに生成した白色の固体生成
物を濾過分離後、ヘキサン洗浄せず用いたこと以外、実
施例1と同様の方法により固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分を用い、実施例1の(ロ)と同
様の条件でプロピレンの重合を行った。結果は、活性29
500g/gであった。また、重合体粒子諸特性を測定したと
ころ、MFR4.0g/10min.、II94.9%、嵩密度0.45g/cm3
平均粒径320μ、σ0.08、微細粒子含量0重量%の結果
を得た。特に立体規則性の低下が見られた。
比較例2 固体触媒成分(A)の調製の際、実施例2の(イ)に
おいて前記成分(ii)として加えたトリエトキシボラン
を加えず、また、前記成分(iv)として用いたイソブチ
ルアルミニウムジクロリドに変えて、四塩化チタン62.7
g(0.33mol)を用いること以外、実施例1と同様の方法
により固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分を用い、実施例1の(ロ)と同
様の条件でプロピレンの重合を行った。結果は、活性12
600g/gであった。また、重合体粒子の諸特性を測定した
ところ、MFR4.0g/10min.、II97.5%、嵩密度0.23g/cm3
であり、平均粒径は180μと小さく、σ0.44、微細粒子
含量25.5%と極め粒度分布が広く、微細粒子重合体の多
いものであった。
比較例3 Mgの均一溶液を調製する際、実施例1の(イ)におい
て前記成分(ii)として加えたトリブトキシボランを加
えず、同様に反応させたところ、反応液は粘稠となり、
Mg残渣が存在した。
比較例4 固体触媒成分(A)調製の際、実施例2とおけるテト
ラキス(2−エチルヘキソキシ)シラン及びトリエトキ
シボランを加えず、同様に反応させたところ、寒天状の
不均一液となった。この不均一液を用い、実施例1と同
様にイソブチルアルミニウムジクロライドを加え、昇温
したが、固体生成物は生成しなかった。
なお、実施例1〜比較例2のプロピレン重合結果を表
1にまとめて示した。
【図面の簡単な説明】
第1図に本発明に用いる触媒の調製図(フローチャー
ト)を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遷移金属化合物及び有機金属化合物からな
    る触媒の存在下、立体規則性ポリオレフィンを製造する
    にあたって、成分(A)として、 (i)金属マグネシウムと水酸化有機化合物、マグネシ
    ウムの酸素含有有機化合物からなる群より選んだ少なく
    とも一員と (ii)ホウ素化合物と (iii)一般式R3 pSi(OR4)qX4-(p+q)(式中、R3、R4は炭
    素数1〜20の炭化水素基又は水素原子を表し、p及びq
    は0≦p≦3、1≦q≦4、1≦p+q≦4なる数を表
    し、Xはハロゲン原子を表す)で表されるケイ素の酸素
    含有有機化合物と含有する均一溶液に (iv)少なくとも一種のハロゲン化アルミニウムを反応
    させて得られた固体生成物に更に、 (v)電子供与性化合物と (vi)一般式Ti(OR6)fX4-f(式中、R6は1〜20個の炭素
    原子を有する炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表
    し、fは0≦f<4なる数を表す)で表されるハロゲン
    化チタン化合物を反応させて得られる固体触媒成分と 成分(B)として周期律表の第IA、IIA、IIB、IIIB、及
    びIVB族金属の有機金属化合物からなる群より選んだ少
    なくとも一種と 成分(C)として電子供与性化合物からなる触媒系を用
    いる立体規則性ポリオレフィンの製造方法。
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