JPH085931B2 - ポリオレフインの製造方法 - Google Patents

ポリオレフインの製造方法

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JPH085931B2
JPH085931B2 JP26408986A JP26408986A JPH085931B2 JP H085931 B2 JPH085931 B2 JP H085931B2 JP 26408986 A JP26408986 A JP 26408986A JP 26408986 A JP26408986 A JP 26408986A JP H085931 B2 JPH085931 B2 JP H085931B2
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陽三 近藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリオレフィンの製造方法に関するもので
ある。さらに詳しくは、本発明は、炭素数3以上のα−
オレフィンの重合(以下、他のα−オレフィンとの共重
合も含む)において、粒子形状の良好な高立体規則性重
合体を高収率で得ることができる製造方法に関するもの
である。
〔従来の技術〕
従来、オレフィン重合用触媒成分としては、四塩化チ
タンを水素で還元して得られるα型三塩化チタンや、四
塩化チタンをアルミニウムで還元して得られる紫色のγ
型三塩化チタン、あるいはこれらをボールミルで粉砕し
て得られるδ型三塩化チタン等が知られている。また、
これらの触媒の改質方法として種々の改質剤と共に混合
粉砕処理する方法も知られている。しかしながら、これ
らの触媒を用いて重合を行なった場合、重合活性が低
く、得られる重合体中の触媒残渣が多く、いわゆる脱灰
工程が必要不可欠であった。また、近年では、高活性型
触媒として、無機または有機マグネシウム化合物と遷移
金属化合物との反応物を1成分として含有する触媒系も
知られている。さらに、炭素数3以上のα−オレフィン
の重合においては、触媒の活性が高いだけでなく、得ら
れるポリオレフィンの立体規則性を高く保つ必要があ
り、そのために、重合に際しエステル,エーテル,アミ
ド,ケイ酸エステルなどを添加し得られるポリオレフィ
ンの立体規則性を高く保つことも行われている。
それら提案の多くは、触媒成分として、塩化マグネシ
ウムまたは何らかの方法で表面処理を施した塩化マグネ
シウムを担体とし、その表面に四塩化チタンを担持させ
たものを使用する。しかしながら、遷移金属化合物とし
て四塩化チタンを出発原料とする触媒成分の製造方法で
は、工業的な取扱上極めて多くの欠点を有している。四
塩化チタンは、極く微量の水分や空気に触れると大量の
塩化水素を発生して分解するため、装置や配管などを著
しく腐蝕し、加えて該分解生成物が白色結晶の水酸化チ
タン系ないしは酸化チタン系の化合物となり配管の閉塞
を生ずるなどの問題を起こしている。触媒成分の製造に
際し、洗浄によって過度に使用した四塩化チタンを分離
するため、とりわけ分離後の洗浄液を処理する工程にお
いて、この問題が重大である。本発明者らは、上記の欠
点を改善または解消する方法については、既に特公昭56
−50723号などで提案した。特公昭56−50723号では、ア
ルコール又はフェノール類、金属マグネシウム、チタン
テトラアルコールおよび塩化アルミニウム、有機アルミ
ニウム化合物を反応させて得られる触媒成分(A)と有
機金属化合物の触媒成分(B)とからなる極めて活性の
高い触媒系が使用されている。
しかし、この触媒の存在下で得られる重合体粒子は、
平均粒径が小さかったり、粒度分布が広かったりして、
重合体粒子中に含まれる微細粒子の割合が多く、粉体特
性の点ではいまだ不十分なものであった。また、炭素数
3以上のα−オレフィンの重合を行なった場合、立体規
則性重合体の生成比率が低いという不利益を呈するとと
もに、重合活性も不十分なものであった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
そこで本発明者らは、従来技術の係る欠点を克服し、
α−オレフィンの重合、特に炭素数3以上のα−オレフ
ィンの重合において、粉体特性の良好な高立体規則性重
合体を高収率で得ることのできる製造方法を見い出すべ
く鋭意検討を行なった。
〔問題点を解決するための手段〕
その結果、本発明者らは、炭素数3以上のα−オレフ
ィンの重合においてマグネシウムとチタンおよび電子供
与性化合物を含む均一溶液に三ハロゲン化アルミニウム
を加え、さらにハロゲン含有有機アルミニウム化合物を
反応させて得られる固体触媒成分と助触媒として有機金
属化合物、そして電子供与性化合物を用いることによ
り、優れた粉体特性を有する高立体規則性重合体を高収
率で得られることを見い出し、本発明を完成させるに至
った。
すなわち、本発明は、遷移金属化合物および有機金属
化合物からなる触媒の存在下、ポリオレフィンを製造す
るにあたって、(A)成分として、 (i)金属マグネシウムと水酸化有機化合物、マグネシ
ウムの酸素含有有機化合物からなる群より選んだ少なく
とも1員と、 (ii)電子供与性化合物と、 (iii)一般式[TiOa(OR2)b]m(式中、R2は炭素数1〜2
0の炭化水素基を表わし、Tiの原子価は4価、aとbと
は、a≧0でb>0で、mは整数である。)で表わされ
るチタンの酸素含有有機化合物とを含有する均一溶液
に、 (iv)三ハロゲン化アルミニウム化合物を反応させ、さ
らに、 (v)一般式AlR′nX3-n(式中、R′は1〜20個の炭素
原子を有する炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子を
表わし、nは0<n≦2なる数を表わす。)で表わされ
るハロゲン含有有機アルミニウム化合物を反応させて得
られる固体触媒成分と、 (B)成分として、周期律表の第Ia,IIa,IIb,IIIbおよ
びIVb族金属の有機金属化合物の群から選ばれた少なく
とも1種と、 (C)成分として、電子供与性化合物とからなる触媒系
を用いることを特徴とするポリオレフィンの製造方法に
ある。
〔作用〕
本発明において使用される反応剤である前記(i)の
金属マグネシウムと水酸化有機化合物およびマグネシウ
ムの酸素含有有機化合物としては、以下のものがあげら
れる。
まず、金属マグネシウムと水酸化有機化合物とを使用
する場合において、金属マグネシウムとしては各種の形
状、すなわち粉末,粒子,箔またはリボンなどのいずれ
の形状のものも使用でき、また水酸化有機化合物として
は、アルコール類,有機シラノール,フェノール類が適
している。
アルコール類としては、1〜18個の炭素原子を有する
直鎖または分岐鎖脂肪族アルコール,脂環式アルコール
または芳香族アルコールが使用できる。例としては、メ
タノール,エタノール,n−プロパノール,i−プロパノー
ル,n−ブタノール,i−ブタノール,n−ヘキサノール,2−
エチルヘキサノール,n−オクタノール,i−オクタノー
ル,n−ステアリルアルコール,シクロペンタノール,シ
クロヘキサノール,エチレングリコールなどがあげられ
る。また有機シラノールとしては少なくとも1個のヒド
ロキシル基を有し、かつ、有機基は1〜12個の炭素原
子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル
基,シクロアルキル基,アリールアルキル基,アリール
基およびアルキルアリール基から選ばれる。例えば次の
例をあげることができる。トリメチルシラノール,トリ
エチルシラノール,トリフェニルシラノール,t−ブチル
ジメチルシラノール。さらに、フェノール類としてはフ
ェノール,クレゾール,キシレノール,ハイドロキノン
などがあげられる。
これらの水酸化有機化合物は、単独または2種類以上
の混合物として使用される。
加うるに、金属マグネシウムを使用して本発明で述べ
る成分(A)の固体触媒成分をうる場合、反応を促進す
る目的から、金属マグネシウムと反応したり、付加化合
物を生成したりするような物質、例えばヨウ素,塩化第
2水銀,ハロゲン化アルキル,有機酸エステルおよび有
機酸などのような極性物質を、単独または2種以上添加
することが好ましい。
次に、マグネシウムの酸素含有有機化合物に属する化
合物としては、マグネシウムアルコキシド類、例えばメ
チレート,エチレート,イソプロピレート,デカノレー
ト,メトキシエチレートおよびシクロヘキサノレート,
マグネシウムアルキルアルコキシド類、例えばエチルエ
チレート,マグネシウムヒドロアルコキシド類、例えば
ヒドロキシメチレート,マグネシウムフェノキシド類、
例えばフェネート,ナフテネート,フェナンスレネート
およびクレゾレート,マグネシウムカルボキシレート
類、例えばアセテート,ステアレート,ベンゾエート,
フェニルアセテート,アジペート,セバケート,フタレ
ート,アクリレートおよびオレエート,オキシメート
類、例えばブチルオキシメート,ジメチルグリオキシメ
ートおよびシクロヘキシルオキシメート,ヒドロキサム
酸塩類、ヒドロキシルアミン塩類、例えばN−エトロソ
−N−フェニル−ヒドロキシルアミン誘導体,エノレー
ト類、例えばアセチルアセトネート,マグネシウムシラ
ノレート類、例えばトリフェニルシラノレート,マグネ
シウムと他の金属との錯アルコキシド類、例えばMg〔Al
(OC2H5)42があげられる。これらの酸素含有有機マグ
ネシウム化合物は、単独または2種類以上の混合物とし
て使用される。
前記(ii)の反応剤である電子供与性化合物として
は、エーテル,エステル,ケトン,フェノール,アミ
ン,アミド,イミン,ニトリル,ホスフィン,ホスファ
イト,スチビン,アルシン,ホスホルアミド及びアルコ
レート類があげられる。なかでもエステル類が好まし
く、有機酸エステル類が最も好ましい。有機酸エステル
類としては、芳香族カルボン酸のモノ又はジエステル,
脂肪族カルボン酸のモノ又はジエステルなどがあげられ
る。その具体例としては、例えば、ギ酸ブチル,酢酸エ
チル,酢酸ブチル,イソ酢酸イソブチル,ビバリン酸プ
ロピル,ビバリン酸イソブチル,アクリル酸エチル,メ
タクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸
イソブチル,マロン酸ジエチル,マロン酸ジイソブチ
ル,コハク酸ジエチル,コハク酸ジブチル,コハク酸ジ
イソブチル,グルタル酸ジエチル,グルタル酸ジブチ
ル,グルタル酸ジイソブチル,アジピン酸ジイソブチ
ル,セバシン酸ジブチル,マレイン酸ジエチル,マレイ
ン酸ジブチル,マレイン酸ジイソブチル,フマル酸モノ
メチル,フマル酸ジエチル,フマル酸ジイソブチル,酒
石酸ジエチル,酒石酸ジブチル,酒石酸ジイソブチル,
安息香酸メチル,安息香酸エチル,p−トルイル酸メチ
ル,p−第3級ブチル安息香酸エチル,p−アニス酸エチ
ル,α−ナフトエ酸エチル,α−ナフトエ酸イソブチ
ル,ケイ皮酸エチル,フタル酸モノメチル,フタル酸ジ
ブチル,フタル酸ジイソブチル,フタル酸ジヘキシル,
フタル酸ジオクチル,フタル酸ジ2−エチルヘキシル,
フタル酸ジアリル,フタル酸ジフェニル,イソフタル酸
ジエチル,イソフタル酸ジイソブチル,テレフタル酸ジ
エチル,テレフタル酸ジブチル,ナフタル酸ジエチル,
ナフタル酸ジブチル等が挙げられる。電子供与性化合物
(ii)は、単独または2種以上の混合物として使用され
る。
前記(iii)の反応剤であるチタンの酸素含有有機化
合物としては、一般式 [TiOa(OR2)b]mで表わされる化合物が使用される。ただ
し、該一般式において、R2は炭素数1〜20、好ましくは
1〜10の直鎖または分岐鎖アルキル基,シクロアルキル
基,アリールアルキル基,アリール基およびアルキルア
リール基などの炭化水素基を表わし、Tiの原子価は4
価、aとbとは、a≧0でb>0で、mは整数である。
なかんずく、aが0≦a≦1でmが1≦m≦6であるよ
うな酸素含有化合物を使うことが望ましい。
具体的な例としては、チタンテトラエトキシド,チタ
ンテトラ−n−プロポキシド,チタンテトラ−i−プロ
ポキシド,チタンテトラ−n−ブトキシド,ヘキサ−i
−プロポキシジチタネート,などがあげられる。いくつ
かの異なる炭化水素基を有する酸素含有有機化合物の使
用も、本発明の範囲に入る。
これらチタンの酸素含有有機化合物は単独または2種以
上の混合物として使用する。
前記(iv)の反応剤である三ハロゲン化アルミニウム
としては、三塩化アルミニウム,三臭素アルミニウム,
三沃化アルミニウムなどがあげられる。
前記(v)の反応剤であるハロゲン含有有機アルミニ
ウム化合物としては、一般式AlR′nX3-nで示されるもの
が使用される。式中R′は1〜20個の炭素原子を有する
炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子を表わし、nは
0<n≦2なる数を表わす。R′は直鎖または分岐鎖ア
ルキル基,アルコキシ基,シクロアルキル基,アリール
アルキル基,アリール基およびアルキルアリール基から
選ばれることが好ましい。
上記ハロゲン含有有機アルミニウム化合物は、単独ま
たは2種以上の混合物として使用することができる。ハ
ロゲン含有有機アルミニウム化合物の具体例としては、
例えば、エチルアルミニウムジクロライド,n−プロピル
アルミニウムジクロライド,ブチルアルミニウムジクロ
ライド,i−ブチルアルミニウムジクロライド,セスキエ
チルアルミニウムクロライド,セスキイソブチルアルミ
ニウムクロライド,セスキ−i−プロピルアルミニウム
クロライド,セスキ−n−プロピルアルミニウムクロラ
イド,ジエチルアルミニウムクロライド,ジ−i−プロ
ピルアルミニウムクロライド,ジ−n−プロピルアルミ
ニウムクロライド,ジ−i−ブチルアルミニウムクロラ
イド,ジエチルアルミニウムブロマイド,ジエチルアル
ミニウムアイオダイドなどがあげられる。
本発明で得られる固体触媒成分は、上記の反応
(i),(ii)および(iii)を反応させて得た反応生
成物に、反応剤(iv)を反応させ、得られた固体生成物
に、次いで反応剤(v),(vi)を反応させることによ
り調整することができる。
これらの反応は、液体媒体中で行うことが好ましい。
そのため特にこれらの反応剤自体が操作条件下で液状で
ない場合、または液状反応剤の量が不十分な場合には、
不活性有機溶媒の存在下で行うべきである。不活性有機
溶媒としては、当該技術分野で通常用いられるものはす
べて使用できるが、脂肪族,脂環族もしくは芳香族炭化
水素類またはそれらのハロゲン誘導体あるいはそれらの
混合物があげられ、例えば,イソブタン,ヘキサン,ヘ
プタン,シクロヘキサン,ベンゼン,トルエン,キシレ
ン,モノクロロベンゼン,塩化ベンジル,二塩化メチレ
ン,1,2−ジクロロエタン,1,3−ジクロロプロパン,1,4−
ジクロロブタン,トリクロルエタン,テトラクロルエタ
ン,テトラクロルエチレン,四塩化炭素,クロロホルム
などをあげることができる。これらの有機溶媒は、単独
で使用しても、混合物として使用してもよい。また、ハ
ロゲン誘導体あるいは混合物を使用した場合、重合活
性,重合体の立体規則性に良好な結果をもたらす場合が
ある。
本発明で用いられる反応剤(i),(ii),(ii
i),(iv)および(v)の使用量に、特に制限はない
が、マグネシウム原子(i)とチタン原子(iii)の比
は、1:0.01〜1:20、好ましくは1:0.1〜1:5、マグネシウ
ム原子と電子供与性化合物(ii)のモル比は、1:0.05〜
1:1.0、好ましくは1:0.1〜1:0.5になるように使用量を
選ぶことが好ましい。これらの範囲をはずれた場合、重
合活性が低かったり、立体規則性が低いといった問題を
生ずる。また、マグネシウム原子と三ハロゲン化アルミ
ニウム(iv)中のアルミニウム原子、およびマグネシウ
ム原子とハロゲン含有有機アルミニウム化合物(v)中
のアルミニウム原子の比は、各々1:0.1〜1:100、好まし
くは1:1〜1:10の範囲になるように反応剤の使用量を選
ぶことが好ましい。特に1:1〜1:5の範囲が好適である。
この範囲をはずれてアルミニウム原子の比が大きすぎる
と触媒活性が低くなり、小さすぎると良好な粉体特性が
望まれないという結果となる。
反応剤(i),(ii),(iii)により均一溶液を得
る際の反応条件は−50〜300℃、好ましくは0〜200℃な
る範囲の温度で、0.5〜50時間、好ましくは1〜6時
間、不活性ガス雰囲気中で常圧または加圧下で行われ
る。さらに反応剤(iv),(v)の反応の際には−50〜
200℃、好ましくは、−30〜100℃なる範囲の温度で、0.
2〜50時間、好ましくは0.5〜5時間、不活性ガス雰囲気
中で、または加圧下で行われる。反応剤(iv)および
(v)の反応条件は重要であり、特に反応剤(iv)の反
応は、生成する粒子が、固体触媒粒子形成を完結させる
目的で実施される次の反応剤(V)との反応の際に、粒
子形成の核の役割を果たし、粒子形成の良好な固体触媒
成分が得られ、かつ高い活性化が達成されるものと考え
られ、極めて重要である。
かくして得た固体触媒成分(A)は、そのまま使用し
てもよいが、一般には濾過または傾斜法により残存する
未反応物および副生成物を除去してから、不活性有機溶
媒で数回洗浄後、不活性有機溶媒中に懸濁して使用す
る。洗浄後単離し、常圧あるいは減圧下で加熱して不活
性有機溶媒を除去したものも使用できる。
以上のようにして得られた成分(A)の固体触媒成分
は、成分(B)の周期率表の第Ia,IIa,IIb,IIIb,IVb族
金属の有機金属化合物、および成分(C)の電子供与性
化合物と組合せることにより、オレフィン重合に使用す
る。
成分(B)の有機金属化合物としては、リチウム,マ
グネシウム,亜鉛,スズまたはアルミニウムなどの金属
と有機基とからなる有機金属化合物があげられる。
上記の有機基としては、アルキル基を代表としてあげ
ることができる。このアルキル基としては直鎖または分
岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基が用いられる。具体的
には、例えばn−ブチルリチウム,ジエチルマグネシウ
ム,ジエチル亜鉛,トリメチルアルミニウム,トリエチ
ルアルミニウム,トリ−i−ブチルアルミニウム,トリ
−n−ブチルアルミニウム,トリ−n−デシルアルミニ
ウム,テトラエチルスズあるいはテトラブチルスズなど
があげられる。なかんずく、直鎖または分岐鎖の炭素数
1〜10のアルキル基を有するトリアルキルアルミニウム
の使用が好ましい。また炭素数1〜20のアルキル基を有
するアルキル金属ハライド、例えばエチルアルミニウム
セスキクロライド,ジエチルアルミニウムクロライド,
ジイソブチルアルミニウムクロライドあるいはアルキル
金属アルコキシド、例えばジエチルアルミニウムエトキ
シドなども使用できる。
これらの有機金属化合物は、単独または2種類以上の混
合物として使用される。単独で使用することはもちろん
良いが、2種類以上の混合物として使用すると、重合活
性,重合体の立体規則性,粉体特性などに特異な効果を
醸し出すことがある。成分(C)の電子供与性化合物と
しては、有機酸エステル,ケイ素の酸素含有有機化合
物,窒素含有有機化合物などが好適である。
有機酸エステルとしては、成分(A)の固体触媒の調
整に用いる反応剤(ii)と同様の化合物があげられる。
なかでも好ましくは、脂肪族カルボン酸エステル,芳香
族カルボン酸エステルがあげられる。具体的には、脂肪
族カルボン酸エステルとしては、炭素原子数2〜18を有
する、酢酸エチル,酢酸プロピル,酢酸ブチル,プロピ
オン酸エチル,プロピオン酸ブチルおよび酪酸エチルな
どをあげることができる。芳香族カルボン酸エステルと
しては、炭素原子数8〜24を有する、安息香酸メチル,
安息香酸エチル,トルイル酸メチル,トルイル酸エチ
ル,アニス酸メチルおよびアニス酸エチルなどをあげる
ことができる。
上記の有機酸エステルは、単独で用いてもよく、また
2種以上を混合あるいは反応させて使用することもでき
る。
ケイ素の酸素含有有機化合物としては、炭素数1〜12
の炭化水素素が酸素によってケイ素に結合している化合
物をあげることができる。
具体的には、例えば、トリメチルメトキシシラン,ト
リメチルエトキシシラン,ジメチルエトキシシラン,ト
リメチル−i−プロポキシシラン,トリメチル−n−プ
ロポキシシラン,トリメチル−t−ブトキシシラン,ト
リメチル−i−ブトキシシラン,トリメチル−n−ブト
キシシラン,トリメチル−n−ペントキシシラン,トリ
メチルフェノキシシラン,ジメチルジメトキシシラン,
メチルフェニルジメトキシシラン,ジフェニルジメトキ
シシラン,メチルジメトキシシラン,ジメチルジエトキ
シシラン,ジエチルジエトキシシラン,ジフェニルジエ
トキシシラン,メチルドデシルジエトキシシラン,メチ
ルオクダデシルジエトキシシラン,メチルフェニルジエ
トキシシラン,メチルジエトキシシラン,ジベンジルジ
エトキシシラン,ジエトキシシラン,ジメチルジ−n−
ブトキシシラン,ジメチルジ−i−ペントキシシラン,
ジエチルジ−i−ペントキシシラン,ジ−i−ブチルジ
−i−ペントキシシラン,ジフェニルジ−i−ペントキ
シシラン,ジフェニルジ−n−オクトキシシラン,メチ
ルトリメトキシシラン,エチルトリメトキシシラン,n−
ブチルトリメトキシシラン,フェニルトリメトキシシラ
ン,ビニルトリメトキシシラン,クロロメチルトリメト
キシシラン,3−クロロプロピルトリメトキシシラン,4−
クロロフェニルトリメトキシシラン,トリメトキシシラ
ン,メチルトリエトキシシラン,エチルトリエトキシシ
ラン,n−プロピルトリエトキシシラン,n−ブチルトリエ
トキシシラン,フェニルトリエトキシシラン,ビニルト
リエトキシシラン,3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン,トリエトキシシラン,エチルトリ−i−プロポキシ
シラン,ビニルトリ−i−プロポキシシラン,i−ペンチ
ルトリ−n−ブトキシシラン,メチルトリ−i−ペント
キシシラン,エチル−i−ペントキシシラン,メチルト
リ−n−ヘキソキシシラン,フェニルトリ−i−ペント
キシシラン,テトラメトキシシラン,テトラエトキシシ
ラン,テトラ−i−プロポキシシラン,テトラ−n−プ
ロポキシシラン,テトラ−n−ブトキキシシラン,テト
ラ−i−ペントキシシラン,テトラ−n−ヘキソキシシ
ラン,テトラフェノキシシラン,テトラメチルジエトキ
シジシラン,ジメチルテトラエトキシジシランなどのア
ルコキシシランもしくはアリーロキシシラン,ジクロロ
ジエトキシシラン,ジクロロジフェノキシシラン,トリ
ブロモエトキシシランなどのハロ・アルコキシシランも
しくはハロアリーロキシシランなどがあげられる。
上記のケイ素の酸素含有有機化合物は、単独で用いて
もよく、また2種以上を混合あるいは反応させて使用す
ることもできる。
窒素含有有機化合物としては、分子内に窒素原子を有
し、ルイス塩基としての機能をもつ化合物をあげること
ができる。
具体的には、酢酸N,N−ジメチルアミド,安息香酸N,N
−ジエチルアミド,トルイル,N,N−ジメチルアミドなど
のアミド系化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン,
2,6−ジイソプロピルピペリジン,2,6−ジイソブチルピ
ペリジン,2,6−ジイソブチル−4−メチルピペリジン,
2,2,6−トリメチルピペリジン,2,2,6,6−テトラエチル
ピペリジン,1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン,2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート,ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパケ
ートのピペリジン系化合物、2,6−ジイソプロピルピリ
ジン,2,6−ジイソブチルピリジン,2−イソプロピル−6
−メチルピリジンなどのピリジン系化合物、2,2,5,5−
テトラメチルピロリジン,2,5−ジイソプロピルピロリジ
ン,2,2,5−トリメチルピロリジン,1,2,2,5,5−ペンタメ
チルピロリジン,2,5−ジイソブチルピロリジンのピロリ
ジン系化合物、トリメチルアミン,トリエチルアミン,
トリブチルアミン,トリベンジルアミン,テトラメチル
エチレンジアミン,ジイソプロピルエチルアミン,t−ブ
チルジメチルアミン,ジフェニルアミン,ジ−o−トリ
ルアミンなどのアミン系化合物,N,N−ジエチルアニリ
ン,N,N−ジイソプロピルアニリンなどのアニリン系化合
物などがあげられる。
上記の窒素含有有機化合物は、単独で用いてもよく、
また2種以上を混合あるいは反応させて使用することも
できる。
成分(A)の固体触媒成分の使用量は、溶媒1当り
あるいは反応器1当たり、チタン原子0.001〜2.5ミリ
モル(mmol)に相当する量で使用することが好ましい。
成分(B)の有機金属化合物は、溶媒1当りあるい
は反応器1当たり、0.02〜50mmol、好ましくは0.2〜5
mmolの濃度で使用する。
成分(C)の電子供与性化合物は、溶媒1当りある
いは反応器1当たり、0.001〜50mmol、好ましくは0.0
1〜5mmolの濃度で使用する。
本発明における3成分の重合器内への送入態様は、特
に限定されるものではなく、例えば成分(A),成分
(B),成分(C)を各々別個に重合機へ送入する方
法、あるいは成分(A)と成分(C)を接触させた後に
成分(B)と接触させて重合する方法、成分(B)と成
分(C)を接触させた後に成分(A)と接触させて重合
する方法、予め成分(A)と成分(B)と成分(C)と
を接触させて重合する方法などを採用することがきる。
オレフィンの重合は、重合体の融点未満の反応温度で
気相中あるいは液相中で行う。
重合を液相中で行う場合は、オレフィンそれ自身を反
応媒体としてもよいが、不活性溶媒を反応媒体として用
いることもできる。この不活性溶媒は、当該技術分野で
通常用いられるものであればどれでも使用することがで
きるが、特に4〜20個の炭素原子を有するアルカン,シ
クロアルカン,例えばイソブタン,ペンタン,ヘキサ
ン,シクロヘキサンなどが適当である。
本発明のポリオレフィンの製造方法において重合させ
るオレフィンとしては、一般式R−CH=CH2のα−オレ
フィン(式中、Rは1〜10個、特に1〜8個の炭素原子
を有する直鎖または分岐鎖の置換・非置換アルキル基を
表わす)をあげることができる。具体的には、プロピレ
ン,1−ブテン,1−ペンテン,4−メチル−1−ペンテン,1
−オクテンなどがあげられる。これらは、単独重合のみ
ならず、ランダム共重合,ブロック共重合を行うことが
できる。共重合に際しては、上記α−オレフィンの2種
以上もしくはα−オレフィンとブタジエン,イソブレン
などのジエン類を用いて重合を行う。特に、プロピレ
ン,プロピレンとエチレン,プロピレンとプロピレン以
外の上記のα−オレフィン,プロピレンとジエン類を用
いて重合を行うことが好ましい。
重合反応条件は、重合体の融点未満の反応温度で行わ
れる限り特に限定されないが、通常反応温度20〜110
℃,圧力2〜50Kg/cm2・Gに選ばれる。
重合工程において使用する反応器は、当該技術分野で
通常用いられるものであれば適宜使用することができ
る。例えば、攪拌槽型反応器または循環式反応器を用い
て、重合操作を連続方式,半回分方式および回分方式の
いずれかの方式で行うことができる。さらに重合を反応
条件の異なる2段階以上に分けて行うことも可能であ
る。
〔発明の効果〕
本発明の効果は、第1に重合活性が極めて高く、触媒
除去を目的とする脱灰工程の不要な重合体が得られるこ
とである。高活性であるため、製品の着色,着臭等の心
配がなく、ポリマーの精製も不要となり、極めて経済的
である。
本発明の第2の効果は、重合体の立体規則性が極めて
良好な点である。したがって反応触媒を使用しない気相
重合法による重合体製造に極めて有利である。
本発明の第3の効果は、重合体の粉体特性が顕著に良
好な点にある。すなわち、本発明によれば粒度分布が極
めて狭く、かつ微細粒子含量が少なく、さらに適度な大
きさの平均粒径を有する嵩密度の高い重合体を得ること
ができる。これらのことは工業的に極めて大きな意義を
有する。すなわち、重合工程においては、重合装置内で
の付着物の生成が阻止され、重合体の分離,乾燥工程に
おいては、重合体の微細粒子の系外への飛散が防止され
る。加えて流動性の向上により乾燥効率が向上する。ま
た、移送工程においては、サイロ内でブリッジなどの発
生がなく、移送上のトラブルが解消される。さらに、一
定の品質を有するポリマーを供給することが可能とな
る。
また、本発明の第4の効果は、共重合性が良好な点で
ある。すなわち、共重合反応の場合でも、ワックス状重
合体の生成が少なく、さらに、重合体粉体特性の低下が
少ない高品質の共重合体を効率よく製造できる。
さらに、本発明の第5の効果は、触媒成分の製造に四
ハロゲン化チタンを用いないため、触媒製造工程および
触媒洗浄液処理工程におけるトラブルを回避できること
にある。四ハロゲン化チタンは、極少量の空気や水分に
接触しても容易に分解して塩化水素や分解生成物である
固体堆積物を多量に発生させるため、装置や配管を腐蝕
し、また、配管を閉塞するなどの問題を生ずる。本発明
による触媒成分の製造方法に従えば、四ハロゲン化チタ
ンを出発原料とすることに因るこれらの問題を改善もし
くは解消することができる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例により示すが、本発明はこれら
の実施例によってなんら限定されるものではない。な
お、実施例および比較例において、メルトフローレート
(以下MFRと略す)はASTM D−1238条件Lにより測定
した。アイソタクチックインデックス(以下IIと略す)
は全生成重合体に対するn−ヘプタン抽出後の不溶性重
合体の割合を重量百分率で示した。
活性は、固体触媒成分(A)1g当たりの重合体生成量
(g)を表わす。Ti活性は、固体触媒成分(A)中のTi
含量1g当たりの重合体生成量(g)を表わす。重合体粒
子の粒径分布の広狭は重合体粒子を篩によって分級した
結果を確率対数紙にプロットし、近似した直線より公知
の方法で幾何標準偏差を求め、その常用対数(以下σと
いう)で表わした。また、平均粒径は前記の近似直線の
重量積算値50%に対応する粒径を読み取った値である。
微細粒子含量は粒径が105μ以下の微細粒子の割合を重
量百分率で示す。
実施例1 (イ)[固体触媒成分(A)の調整] 攪拌装置を備えた2lのオートクレーブに、金属マグネ
シウム粉末12g(0.49mol)を入れ、これにヨウ素0.6g,2
−エチルヘキサノール334.3g(2.6mol)およびチタンテ
トラブトキシド168.0g(0.49mol),安息香酸エチル14.
8g(0.099mol)を加え、さらにデカン1を加えた後90
℃まで昇温し、発生する水素ガスを排除しながら窒素シ
ール下で1時間攪拌した。引き続き140℃まで昇温して
1時間反応を行い、マグネシウムとチタンを含む均一溶
液(Mg−Ti溶液)を得た。
内容積500mlのフラスコにMg−Ti溶液のMg換算0.050mo
lを加え45℃に昇温し、塩化アルミニウム13.3gを1時間
かけて加えた。すべてを加えたのち、70℃で1時間攪拌
を行なった。室温まで冷却し、白色の固体生成物を含む
スラリーを得た。ついで、45℃で1,2−ジクロロエタン2
9.7gを加え、70℃で1時間攪拌を行なった。さらに、45
℃に冷却後、i−ブチルアルミニウムジクロライド46.5
gをデカンにて50%に希釈した溶液を2時間かけて加え
た。すべてを加えたのち、70℃で1時間攪拌を行った。
生成物にヘキサンを加え傾斜法で15回洗浄を行った。か
くして、ヘキサンに懸濁した固体触媒成分(A)のスラ
リーを得た。その一部を採取し、上済み液を除去して窒
素雰囲気下で乾燥し、元素分析したところTiは4.2重量
%であった。
(ロ)プロピレンの重合 内容積5lのステンレススチール製電磁攪拌式オートク
レーブ内を十分窒素で置換し、触媒成分(B)としてト
リエチルアルミニウム5.3mmol,触媒成分(C)として安
息香酸エチル1.3mmolおよび前記(イ)で得た固体触媒
成分(A)をTi換算で0.026mmol順次添加した。オート
クレーブ内圧を0.1Kg/cm2Gに調節し、水素を0.2Kg/cm2
加えた後、液体プロピレン0.5Kgを圧入した。攪拌を開
始するとともに、オートクレーブ内温を80℃に昇温し、
同温度で1.5時間プロピレンを重合させた。
重合反応終了後、攪拌を止めると同時に系内の未反応プ
ロピレンを放出し、生成重合体を回収した。その結果、
生成重合体は420gであり、活性は14000g/g、Ti活性は33
3Kg/gに相当する。また、重合体粒子の諸性質を測定し
たところ、MFR5.3,II97.2,嵩密度0.38g/cm3,平均粒径3
02μ,σ0.17,微細粒子含量3.0重量%の結果を得た。
実施例2 実施例1の(イ)において用いた安息香酸エチルの代
りに、実施例2ではフタル酸ジイソブチル0.099molを用
いること以外は、実施例1と同様な方法で固体触媒成分
(A)を調整した。
得られた固体触媒成分(A)とトリエチルアルミニウ
ム,安息香酸エチルを実施例1の(ロ)と同様に用い、
プロピレンの重合を行なった。結果を表1に示した。
実施例3 実施例1の(イ)において用いた塩化アルミニウムの
量を変更し26.6g使用すること以外は、実施例1と同様
な方法で固体触媒成分(A)を調整した。
得られた固体触媒成分(A)とトリエチルアルミニウ
ム,安息香酸エチルを実施例1の(ロ)と同様に用い、
プロピレンの重合を行なった。結果を表1に示した。
実施例4 実施例1の(イ)において用いたi−ブチルアルミニ
ウムジクロライドの代りに、エチルアルミニウムジクロ
ライド38.1gをデカンにて50%に希釈した溶液を用いた
事以外は、実施例1と同様な方法で固体触媒成分(A)
を調整した。
得られた各固体触媒成分(A)とトリエチルアルミニ
ウム,安息香酸エチルを実施例1の(ロ)と同様に用
い、プロピレンの重合を行なった。結果を表1に示し
た。
実施例5,6 実施例1の(イ)において用いた2−エチルヘキサノ
ールの代りに、実施例5ではn−ブタノール2.6mmol、
実施例6ではn−オクタノール2.6mmolを使用すること
以外は、実施例1と同様な方法で固体触媒成分(A)を
調整した。
得られた各固体触媒成分(A)とトリエチルアルミニ
ウム,安息香酸エチルを実施例1の(ロ)と同様に用
い、プロピレンの重合を行なった。結果を表1に示し
た。
実施例7〜10 実施例1の(イ)で得られた固体触媒成分(A)触媒
成分(B)として、トリエチルアルミニウム4.7mmol,ジ
エチルアルミニウムクロライド0.53mmolを用い、触媒成
分(C)を実施例7ではp−トリイル酸メチル、実施例
8ではp−アニス酸エチル、実施例9ではフェニルトリ
エトキシシラン、実施例10ではジフェニルジメトキシシ
ランに変更し、各々1.3mmol使用し、実施例1の(ロ)
と同様の方法でプロピレンの重合を行なった。結果を表
1に示した。
比較例1 実施例1の(イ)と同様の装置を用い、反応剤として
安息香酸エチルを用いないこと以外は、実施例1と同様
の条件でMg−Ti溶液を得た。ついで得られたMg−Ti溶液
のMg換算/0.053molを500mlフラスコに入れ、45℃に昇温
して、エチルアルミニウムジクロライド82.2gの50%ヘ
キサン溶液を2時間かけて加えた。すべてを加えた後、
昇温し、70℃で1時間攪拌した。
生成物にヘキサンを加え傾斜法で15回洗浄を行なっ
た。かくしてヘキサンに懸濁した固体触媒成分(A)の
スラリーを得た。元素分析の結果、チタンは18.0重量%
であった。
上記、固体触媒成分とトリエチルアルミニウム,安息
香酸エチルを実施例1の(ロ)と同様に用い、プロピレ
ンの重合を行なった。結果は表1に示した。
比較例2 実施例1の(イ)で得られたMg−Ti溶液のMg換算0.05
0molを用い、i−ブチルアルミニウムジクロライド46.5
gをデカンにて50%に希釈した溶液を45℃に昇温し2時
間かけて加えた。すべてを加えたのち、70℃で1時間攪
拌を行なった。生成物にヘキサンを加え、傾斜法で15回
洗浄を行なった。かくしてヘキサンに懸濁した固体触媒
成分(A)のスラリーを得た。
得られた固体触媒成分(A)とトリエチルアルミニウ
ム,安息香酸エチルを実施例1の(ロ)と同様に用い、
プロピレンの重合を行なった。結果を表1に示した。
比較例3 実施例1の(イ)と同様な装置を用い、反応剤として
安息香酸エチルを用いないこと以外は、実施例1と同様
の条件でMg−Ti溶液を得た。ついで得られたMg−Ti溶液
のMg換算0.050molを用い、塩化アルミニウム,1.2−ジク
ロロエタン及びi−ブチルアルミニウムジクロライドを
実施例1の(イ)と同様の条件で加え、固体触媒成分
(A)を得た。
得られた固体触媒成分(A)とトリエチルアルミニウ
ム,安息香酸エチルを実施例1の(ロ)と同様に用い、
プロピレンの重合を行なった。結果は表1に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における触媒調製図(フローチャート)
を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遷移金属化合物および有機金属化合物から
    なる触媒の存在下、ポリオレフィンを製造するにあたっ
    て、(A)成分として、 (i)金属マグネシウムと水酸化有機化合物、マグネシ
    ウムの酸素含有有機化合物からなる群より選んだ少なく
    とも1員と、 (ii)電子供与性化合物と、 (iii)一般式[TiOa(OR2)b]m(式中、R2は炭素数1〜2
    0の炭化水素基を表わし、Tiの原子価は4価、aとbと
    は、a≧0でb>0で、mは整数である。)で表わされ
    るチタンの酸素含有有機化合物とを含有する均一溶液
    に、 (iv)三ハロゲン化アルミニウムを反応させ、 (v)一般式AlR′nX3-n(式中、R′は1〜20個の炭素
    原子を有する炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子を
    表わし、nは0<n≦2なる数を表わす。)で表わされ
    るハロゲン含有有機アルミニウム化合物を反応させて得
    られる固体触媒成分と (B)成分として、周期律表の第Ia,IIa,IIb,IIIbおよ
    びIVb族金属の有機金属化合物の群から選んだ少なくと
    も1種と、 (C)成分として、電子供与性化合物とからなる触媒系
    を用いることを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
  2. 【請求項2】電子供与性化合物(ii)が、有機酸エステ
    ル類である特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  3. 【請求項3】(C)成分の電子供与性化合物が、有機酸
    エステル類である特許請求の範囲第(1)または(2)
    項記載の方法。
  4. 【請求項4】(C)成分の電子供与性化合物が、アルコ
    キシシラン、アリーロキシシラン、ハロアルコキシシラ
    ン、もしくはハロアリーロキシシランである特許請求の
    範囲第(1)または(2)項記載の方法。
  5. 【請求項5】(C)成分の電子供与性化合物が、アミド
    系化合物、ピペリジン系化合物、ピリジン系化合物、ピ
    ロリジン系化合物、アミン化合物、アニリン化合物であ
    る特許請求の範囲第(1)または(2)項記載の方法。
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