JP2775785B2 - ニードルコークスの製造方法 - Google Patents
ニードルコークスの製造方法Info
- Publication number
- JP2775785B2 JP2775785B2 JP29742588A JP29742588A JP2775785B2 JP 2775785 B2 JP2775785 B2 JP 2775785B2 JP 29742588 A JP29742588 A JP 29742588A JP 29742588 A JP29742588 A JP 29742588A JP 2775785 B2 JP2775785 B2 JP 2775785B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- coke
- calcined
- puffing
- needle coke
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Coke Industry (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はニードルコークスの製造法に関し、詳しくは
仮焼方法を改良し、パッフィングの減少をはかる方法に
関するものである。
仮焼方法を改良し、パッフィングの減少をはかる方法に
関するものである。
(従来の技術) ニードルコークスは一般に5〜12%の揮発分を含む生
コークスとロータリーキルン等の仮焼炉のいずれかによ
り揮発分の除去と炭化度を高めるため1100〜1500℃での
温度領域で仮焼して製造される。
コークスとロータリーキルン等の仮焼炉のいずれかによ
り揮発分の除去と炭化度を高めるため1100〜1500℃での
温度領域で仮焼して製造される。
しかし、この仮焼工程をうまく使いこなし低パッフィ
ングニードルコークスを得ようという提案は多くなく、
例えば、酸化性ガス雰囲気下での仮焼、一段を800℃で
仮焼し一旦冷却し再度1300℃で仮焼する2段仮焼(特公
昭53−35801号公報)、長時間仮焼(特開昭58−183789
号公報)、高温仮焼(特開昭60−208392号公報)等が見
出される程度である。
ングニードルコークスを得ようという提案は多くなく、
例えば、酸化性ガス雰囲気下での仮焼、一段を800℃で
仮焼し一旦冷却し再度1300℃で仮焼する2段仮焼(特公
昭53−35801号公報)、長時間仮焼(特開昭58−183789
号公報)、高温仮焼(特開昭60−208392号公報)等が見
出される程度である。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記提案のほとんどが、経済性、品質面から
顕著な効果をもたらすものではない。
顕著な効果をもたらすものではない。
例えば、酸化性ガス雰囲気下の仮焼はコークスを燃や
しパッフィングを抑制する穴を増やそうというもので仮
焼収率は、はなはだしく低下する。長時間仮焼は生産量
が落ち好ましくない。また、コークスの段階でパッフィ
ングを起こし、電極の時にそれをなくそうと意図する高
温仮焼(特開昭60−208392号公報)はパッフィングは低
くなるもののパインダーピッチとの“ぬれ”がわるくな
り低密度となりパッフィングをなくした目的にそぐわな
い結果となる。
しパッフィングを抑制する穴を増やそうというもので仮
焼収率は、はなはだしく低下する。長時間仮焼は生産量
が落ち好ましくない。また、コークスの段階でパッフィ
ングを起こし、電極の時にそれをなくそうと意図する高
温仮焼(特開昭60−208392号公報)はパッフィングは低
くなるもののパインダーピッチとの“ぬれ”がわるくな
り低密度となりパッフィングをなくした目的にそぐわな
い結果となる。
一段を800℃で仮焼し一旦冷却し再度仮焼する2段仮
焼は粒強度が低下し粉が多く発生し、また2回仮焼する
ため、経済性に難がある。
焼は粒強度が低下し粉が多く発生し、また2回仮焼する
ため、経済性に難がある。
そこで本発明者らは、上記実情に鑑み、さらに改良さ
れた方法を見出すべく鋭意検討した結果、生コークスを
500〜900℃でゆるやかに仮焼し、一旦冷却することなく
急速に昇温することによりパッフィングの低下を成しと
げ得る仮焼方法を見つけ完成に到った。
れた方法を見出すべく鋭意検討した結果、生コークスを
500〜900℃でゆるやかに仮焼し、一旦冷却することなく
急速に昇温することによりパッフィングの低下を成しと
げ得る仮焼方法を見つけ完成に到った。
詳しくは、生コークスを仮焼する際の昇温速度を25℃
/min以上にすることにより、仮焼コークス内に微細なき
れつを入れ、パッフィングを低減しようというものであ
るが、この操作により生コークス中の揮発分がコークス
の回りにコークス化し、熱膨張係数が悪化してしまうと
いう欠点がある。そのため、前もってゆるやかに昇温し
て500〜900℃の温度に生コークスをさらし、生コークス
中の揮発分を除去し、その後25℃/min以上の速度で最終
仮焼温度まで昇温し、熱膨張係数を悪化させることなし
に低パッフィングのコークスを得ようというものであ
る。
/min以上にすることにより、仮焼コークス内に微細なき
れつを入れ、パッフィングを低減しようというものであ
るが、この操作により生コークス中の揮発分がコークス
の回りにコークス化し、熱膨張係数が悪化してしまうと
いう欠点がある。そのため、前もってゆるやかに昇温し
て500〜900℃の温度に生コークスをさらし、生コークス
中の揮発分を除去し、その後25℃/min以上の速度で最終
仮焼温度まで昇温し、熱膨張係数を悪化させることなし
に低パッフィングのコークスを得ようというものであ
る。
すなわち、本発明の要旨は、 炭素質原料を450〜500℃でディレードコーキングして
得られた生ニードルコークスを仮焼するに際し、20℃/m
in以下の平均速度で昇温させて500〜900℃で仮焼し、一
旦冷却することなく、引続いて該仮焼温度より最終仮焼
温度の1200〜1500℃までの昇温を25〜200℃/minの平均
速度とすることを特徴とするニードルコークスの製造方
法にある。
得られた生ニードルコークスを仮焼するに際し、20℃/m
in以下の平均速度で昇温させて500〜900℃で仮焼し、一
旦冷却することなく、引続いて該仮焼温度より最終仮焼
温度の1200〜1500℃までの昇温を25〜200℃/minの平均
速度とすることを特徴とするニードルコークスの製造方
法にある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法において使用される炭素質原料はコールタ
ール、コールタールピッチ、減圧蒸留残渣油流動接触分
解油、熱分解残油等通常のディレードコーカー原料油と
して知られている重質油類を指称する。また本発明にお
けるコーキング条件は特に限定はなく、通常のディレー
ドコーキング方法でよい。生コークスは高圧水でコーク
ドラムより切り出して得られたもの、あるいはそれらが
移送中に破壊されあるいはクラッシャー等で破壊したあ
る粒度構成を持つものである。
ール、コールタールピッチ、減圧蒸留残渣油流動接触分
解油、熱分解残油等通常のディレードコーカー原料油と
して知られている重質油類を指称する。また本発明にお
けるコーキング条件は特に限定はなく、通常のディレー
ドコーキング方法でよい。生コークスは高圧水でコーク
ドラムより切り出して得られたもの、あるいはそれらが
移送中に破壊されあるいはクラッシャー等で破壊したあ
る粒度構成を持つものである。
この生コークスをロータリーキルン等の仮焼炉により
揮発分の除去と炭化度を高めるため1200〜1500℃の最終
温度領域で仮焼するが、この途中に20℃/min以下、好ま
しくは5℃/min以下の平均速度で昇温し、500〜900℃の
範囲内の温度で揮発分を2%以下、好ましくは実質的に
0%になる時間仮焼する。500℃未満では揮発分の除去
は不可能で900℃を超えるとパッフィングの低減が不十
分となる。
揮発分の除去と炭化度を高めるため1200〜1500℃の最終
温度領域で仮焼するが、この途中に20℃/min以下、好ま
しくは5℃/min以下の平均速度で昇温し、500〜900℃の
範囲内の温度で揮発分を2%以下、好ましくは実質的に
0%になる時間仮焼する。500℃未満では揮発分の除去
は不可能で900℃を超えるとパッフィングの低減が不十
分となる。
次に一旦冷却することなく、引続いて25℃/min以上の
昇温速度で仮焼温度1200〜1500℃まで加熱するが昇温速
度を上げすぎると生成したコークスの粒強度が低下する
ので昇温速度は25℃/min〜200℃/minから選定され、好
ましくは30〜50℃/minである。この昇温速度の保持のた
めの方法としては、ロータリーキルンの回転数を上げる
方法、ロータリーキルンを2台設置し実施する方法等が
挙げられる。
昇温速度で仮焼温度1200〜1500℃まで加熱するが昇温速
度を上げすぎると生成したコークスの粒強度が低下する
ので昇温速度は25℃/min〜200℃/minから選定され、好
ましくは30〜50℃/minである。この昇温速度の保持のた
めの方法としては、ロータリーキルンの回転数を上げる
方法、ロータリーキルンを2台設置し実施する方法等が
挙げられる。
上記仮焼の雰囲気は、特に限定はないが不活性雰囲気
が好ましい。
が好ましい。
(実施例) 以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、
本発明は後記する実施例に限定されるものではない。
本発明は後記する実施例に限定されるものではない。
実施例1 キノリン不溶分が0%のコールタールピッチを480℃
でディレードコーキングして揮発分6%の生ニードルコ
ークスを得た。そのコークスを昇温温度4℃/minで不活
性雰囲気中で700℃で1時間仮焼し、次に昇温速度30℃/
minで1300℃まで加熱して仮焼コークスを得た。この仮
焼ニードルコークスを粉砕・篩別し、適宜に粒度配合を
行い、このもの100部に対し、32部のバインダーピッチ
を加えた。
でディレードコーキングして揮発分6%の生ニードルコ
ークスを得た。そのコークスを昇温温度4℃/minで不活
性雰囲気中で700℃で1時間仮焼し、次に昇温速度30℃/
minで1300℃まで加熱して仮焼コークスを得た。この仮
焼ニードルコークスを粉砕・篩別し、適宜に粒度配合を
行い、このもの100部に対し、32部のバインダーピッチ
を加えた。
混ねつ後、押出し成形加工し、25mmφ×120mmLのラス
トピースを作り、1000℃で焼成後20℃/minの昇温速度で
2800℃迄昇温し、30分間保持した。黒鉛化前後の直径の
測定を行ないパッフィングを計算した。さらに黒鉛化後
のテストピースを20mmφ×100mmLに削り、これを用いて
25〜125℃間の熱膨張係数を測定した。その結果、熱膨
張係数は3×10-7/℃、パッフィングは1.0%であった。
トピースを作り、1000℃で焼成後20℃/minの昇温速度で
2800℃迄昇温し、30分間保持した。黒鉛化前後の直径の
測定を行ないパッフィングを計算した。さらに黒鉛化後
のテストピースを20mmφ×100mmLに削り、これを用いて
25〜125℃間の熱膨張係数を測定した。その結果、熱膨
張係数は3×10-7/℃、パッフィングは1.0%であった。
比較例1 実施例1において、生コークスを4℃/minの速度で昇
温し1300℃で仮焼し、実施例1と同様の評価を行なっ
た。
温し1300℃で仮焼し、実施例1と同様の評価を行なっ
た。
熱膨張係数 3.0×10-7/℃ パッフィング 2.0% であった。
比較例2 実施例1において、生コークスを昇温速度30℃/minの
速度で一気に昇温し1300℃で仮焼した。
速度で一気に昇温し1300℃で仮焼した。
実施例1と同様の評価を行なった。
熱膨張係数 5×10-7/℃ パッフィング 1.0% であった。
本発明は、仮焼の昇温速度を制御するという非常に簡
単な方法により低パッフィングを実現でき、その効果は
すこぶる大である。
単な方法により低パッフィングを実現でき、その効果は
すこぶる大である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10B 57/02,57/04,57/10
Claims (1)
- 【請求項1】炭素質原料を450〜500℃でディレードコー
キングして得られた生ニードルコークスを仮焼するに際
し、20℃/min以下の平均速度で昇温させて500〜900℃で
仮焼し、一旦冷却することなく引続いて該仮焼温度より
最終仮焼温度の1200〜1500℃までの昇温を25〜200℃/mi
nの平均速度とすることを特徴とするニードルコークス
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29742588A JP2775785B2 (ja) | 1988-11-25 | 1988-11-25 | ニードルコークスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29742588A JP2775785B2 (ja) | 1988-11-25 | 1988-11-25 | ニードルコークスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02145688A JPH02145688A (ja) | 1990-06-05 |
JP2775785B2 true JP2775785B2 (ja) | 1998-07-16 |
Family
ID=17846347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29742588A Expired - Fee Related JP2775785B2 (ja) | 1988-11-25 | 1988-11-25 | ニードルコークスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2775785B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4673136B2 (ja) | 2005-06-09 | 2011-04-20 | 株式会社日立産機システム | スクリュー圧縮機 |
CN101760221A (zh) * | 2010-01-20 | 2010-06-30 | 中国科学院山西煤炭化学研究所 | 一种非延迟焦化生产针状焦的方法 |
JP2012012488A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Jx Nippon Oil & Energy Corp | 石油生コークス及びその製造方法 |
CN111961483B (zh) * | 2020-08-13 | 2021-11-26 | 北京旭阳科技有限公司 | 针状焦、其制备方法以及其制备装置 |
-
1988
- 1988-11-25 JP JP29742588A patent/JP2775785B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02145688A (ja) | 1990-06-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3751020B2 (ja) | 黒鉛電極用ニードルコークス及びその製造方法 | |
JP3093015B2 (ja) | ニードルコークスの製造方法 | |
JP2775785B2 (ja) | ニードルコークスの製造方法 | |
JP2008156376A (ja) | 石油コークス及びその製造方法 | |
JP2008150399A (ja) | 石油コークス及びその製造方法 | |
JP2910002B2 (ja) | 特殊炭素材の混練方法 | |
US4061600A (en) | Graphite electrode and method of making | |
JPH073267A (ja) | ニードルコークスの製造方法 | |
JP3296011B2 (ja) | ニードルコークスの製造方法 | |
JP2920974B2 (ja) | ニードルコークスの製造方法 | |
JPH0288414A (ja) | 弾性黒鉛体の製造方法 | |
JPH0132162B2 (ja) | ||
JPS5978914A (ja) | 特殊炭素材の製造方法 | |
JP2538563B2 (ja) | 高品位コ−クスの製造方法 | |
JPS6114112A (ja) | 黒鉛成形体用コ−クスの製造方法 | |
JP4140233B2 (ja) | ニードルコークスの製造方法 | |
JP2008179829A (ja) | ニードルコークス製造用石油系重質油の製造方法 | |
JPH02296894A (ja) | ニードルコークスの製造法 | |
JPS63108095A (ja) | 高品位電極用コ−クスの製造法 | |
JPH086092B2 (ja) | 高配向性ニ−ドルコ−クスの製造方法 | |
JPS62179590A (ja) | ニ−ドルコ−クスの製造法 | |
JP2024056498A (ja) | 黒鉛電極用生コークス及びその製造方法、黒鉛電極用ニードルコークス及びその製造方法、黒鉛電極の製造方法 | |
JPH06104833B2 (ja) | 高品位電極用コ−クスの製造方法 | |
JP2024056497A (ja) | ニードルコークス用原料組成物、生コークスおよびその製造方法、黒鉛電極用ニードルコークスおよびその製造方法、黒鉛電極の製造方法 | |
JPH066510B2 (ja) | 人造黒鉛電極の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |