JP2775646B2 - 高靭性サーメット合金 - Google Patents

高靭性サーメット合金

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JP2775646B2 JP27386089A JP27386089A JP2775646B2 JP 2775646 B2 JP2775646 B2 JP 2775646B2 JP 27386089 A JP27386089 A JP 27386089A JP 27386089 A JP27386089 A JP 27386089A JP 2775646 B2 JP2775646 B2 JP 2775646B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、切削工具部材、耐摩耗性工具部材等に適す
る靱性と硬度とともに機械的性能や、切削強度の改良さ
れたサーメット合金に関するものである。
〔従来の技術〕 〔発明が解決しようとする課題〕 耐摩耗性工具用又は切削工具用合金としてWC基焼結合
金が知られているが、鉄鋼の切削においてクレータ摩耗
が大きいという欠点があり、これを改善するためサーメ
ット合金が開発されている。現在その主流をなすもの
は、TiCを主成分とするTiC基サーメット合金であるが、
靱性が不充分であるとしてTiNを添加した窒素含有サー
メット合金が多く提案されている。(特公昭56−51201
号公報、特開昭61−195950号公報、特開昭63−964242号
公報、特開昭61−84350号公報等参照)。
これらの提案の多くは、硬質分散相に着目し、2重も
しくは3重構造とすることにより、硬度及び靱性を向上
したものであるが、機械的特性や切削性能の改良は、こ
れのみでは限界があり、更に改良が望まれている。
本発明はこのような従来の技術で解決し得なかった課
題を解決することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は高硬度と高靱性を有し、かつ性質が均一で、
切削性能に優れたサーメット合金について研究の結果、
サーメット合金の破壊形態を詳細に検討すると以下のよ
うな現象が認められた。すなわち合金組織中を亀裂が伝
播する場合、硬質粒子の脆弱な周辺部を伝播するだけで
なく、多くの硬質粒子は中心部を亀裂が伝播しているこ
とが判った。この亀裂は、硬質粒子が均質単一粒の場合
は勿論多重構造粒でも同様に伝播している。
本発明はこの点に着目してなされたもので、分散硬質
相として周期律表の4a,5a,6a族の遷移金属の複炭窒化物
を重量比70〜95%と、残部をCo及び/又はNiを主成分と
する結合相とし、かつ分散硬質相の10容量%以上が粒内
に金属相を独立して含有している硬質粒子からなるサー
メット合金であって、機械的特性、特に切削性能を改善
したサーメット合金である。
本発明においては、硬質粒子が均質単一粒のもの、及
び焼成条件により靱性の強化された2重有芯構造を有し
たもので、かつ結合相と同一組成(近似質を含む)の金
属相を芯部に独立して存在するものを含む。
又更に2重有芯構造の芯部を構成する遷移金属の炭窒
化物において該遷移金属の90重量%以上がTiであるサー
メット合金を含むものである。
〔作用〕
本発明に於て分散硬質相を形成する周期律表の4a,5a,
6a族の遷移金属の複炭窒化物の量を70〜95重量%とした
理由は、硬質相である前記複炭窒化物はサーメットの硬
さを向上させ、耐摩耗性を著しく改善する作用がある
が、硬質相の割合が95重量%を越えて含有されると、相
対的に結合相の割合が5重量%未満となり、靱性の劣化
が激しく、耐欠損性が著しく低下するためである。又硬
質相の割合が70重量%未満では相対的に結合相の割合が
30重量%を越えるものとなり多くなり過ぎ、サーメット
の耐摩耗性を著しく低下し、結局所望の耐熱性、耐摩耗
性のものが得られないためである。
又、分散硬質相の10容量%以上が金属相を独立して含
有する硬質粒子からなることとした理由は、硬質分散粒
子は多い程よいが、10容量%以上あれば所定の効果が得
られるからである。
又、前記硬質粒子内の金属相は結合相と同一のもので
形成されることを含み、これにより硬質粒子内でも周囲
とのぬれ性を向上したものが得られる。
硬質相としては出発原料の粉末の粒径や焼結条件を制
御することにより2重有芯構造がうまれるが、2重有芯
構造を構成している場合は、然らざるものより合金全体
が強化されている。すなわち2重有芯構造では粒成長制
御効果を有し、微細で均一な組織を得られるとともに、
結合相のぬれ性には優れるが脆弱な周辺組織(硬質粒子
周辺部)を最小限にすることが出来るためである。
本発明では結合相と同一組成の金属相が芯部に独立し
て存在することにより、通常の2重有芯構造より強化さ
れたものとなる。
この2重有芯構造の芯部を構成する遷移金属の複炭窒
化物において、その遷移金属の90重量%以上をTiとする
ときは、耐摩耗性が低下することなく硬質粒が補強され
る。しかし硬質分散粒の残部の粒子は如何なるタイプの
粒でもよく、逆に使用目的によっては種々のタイプの粒
を組合せて用いることにより特性の異なるものが得られ
る。このような粒がどのようにして作られるかについて
は不詳であるが、組成との関連が大きいものと思われ
る。すなわち窒素が多く、6a族特にMoが少ない場合に多
く作ることができる。ただし5a族の量は余り影響しな
い。
又、サーメットの各原料は単独配合でもよいし、固溶
体原料を用いてもよい。なお結合相は強靱である程よい
のでAl等の微量添加による強化は好ましい。
〔実施例〕
市販の原料である下記を用意した。
TiC 1.24μm TiN 1.48μm TaC 1.33μm NbC 1.64μm ZrC 1.82μm TiB2 2.11μm Mo2C 1.02μm WC 1.14μm Ni 2.44μm Co 1.86μm WC/TiC=1/1 1.90μm これを用いて第1表に示すような成分組成に配合し、
これをステンレス製ボールミルと超硬ボールを用いて、
アセトンにて湿式混合した。
その後混合粉末を真空乾燥して更にパラフィンを2重
量%添加した。
この粉末を2t/cm2で成型し、10〜200TorrのAr又はN2
雰囲気中で温度1400〜1550℃で1時間焼成した。
こうして得た本発明品と比較品のそれぞれの焼結体を
ダイヤモンド砥石によってSNGN432形状、表面粗度3S以
下に研磨し、表2に示す条件で、それぞれ切削テストI
及びIIを行なった。その結果を表1に示してある。
これによれば本発明の実施例がいずれも比較例より強
靱性が向上したものであることが判る。
(注)切削テスト 本発明品と比較品のそれぞれについて下記の(A)及
び(B)の被削材を用いて衝撃回数とフランク摩耗VB
測定した。Aは20mmの鋼の板を3本並べたものでこれを
フライスにより切削し、欠損までの衝撃回数を調べた。
Bは200φmmの被削材で連続旋削することにより、5
分後の摩耗量を調べた。
本発明の実施例2の組織を走査型電子顕微鏡(TEM)
観察したものが第1図で、2重構造を持った硬質粒子の
芯部に多数の黒点(強化金属)が見られる。
その他POS.1,2及び3はそれぞれ矢印した分析箇所で
あり、第2図、第3図及び第4図にEDXの結果を示す。P
OS.1はTi≒100%で圧倒的に多く、POS2.はNi≒25%、Mo
≒28%、Co≒35%であり、POS3はNi≒27%、Mo≒30%、
Co≒37%であり硬質粒子内の金属相が結合相と同一組成
であることがわかる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、分散硬質相と結合相の比率を特定す
るとともに、硬質粒子の粒内を金属相で強化したことに
より芯部が強靱となり、結局サーメット合金自体の切削
特性を向上させ、機械的強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による高靱性サーメット合金の結晶構造
の一例を示す走査型電子顕微鏡写真で、第2図、第3図
及び第4図はPOS.1、2及び3のEDXの分析結果を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 29/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分散硬質相として周期律表の4a,5a,6a族の
    遷移金属の複炭窒化物を重量比で70〜95%、残部がCo及
    び/又はNiを主成分とする結合相からなり、分散硬質相
    の10容量%以上が粒内に金属相を独立して含有している
    硬質粒子からなることを特徴とする高靱性サーメット合
    金。
  2. 【請求項2】硬質粒子内の金属相が結合相と同一組成で
    ある請求項1記載の高靱性サーメット合金。
  3. 【請求項3】硬質粒子が2重有芯構造を形成し、かつ結
    合相と同一組成の金属相が芯部に独立して存在しいるこ
    とを特徴とする請求項2記載の高靱性サーメット合金。
  4. 【請求項4】2重有芯構造の芯部を構成する遷移金属の
    複炭窒化物において、該遷移金属の90重量%以上がTiで
    あることを特徴とする請求項3記載の高靱性サーメット
    合金。
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1989 SME INTERNATIONAL CONFERRENCEAND EXPOSITION TECHNICAL PAPER TE89−345

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