JP2775489B2 - 海藻類の加圧処理物の製造方法 - Google Patents
海藻類の加圧処理物の製造方法Info
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Description
を容易に得る方法に関する。
り、食用の他にも肥料や家畜の飼料、織物の糊料、民間
薬として用いられてきた。また、海藻類から抽出される
アルギン酸、カラギーナン、寒天等の粘性多糖類は糊
料、安定剤、ゲル化剤等、多彩な用途に用いられてい
る。また、海藻類をアルコールあるいは熱水抽出したエ
キス分は飲料や調味料、化粧品等に利用されている。こ
れらの粘質多糖類やエキス分等の有効成分を抽出する場
合は、加熱処理したり、エタノール等の有機溶媒で処理
したり、あるいは酸、アルカリ溶液で処理したりする。
また、破砕等の物理的手段あるいは繊維分解酵素等の酵
素を作用させて分解したい海藻類の分解物は、そのまま
で、飲料や調味料の原料にも用いられるし、上記のよう
な、粘質多糖類やエキス分等の海藻類の有効成分の抽出
原料としても用いられる。
あり、処理条件も過激なものとなる場合が多く、処理時
間も長時間となる。更に、加熱や酵素の作用に伴って香
気成分や呈味成分が変化し風味が損なわれたり、加えて
pHの調整等によっても風味が損なわれてしまい海藻類本
来の豊かな風味がなくなってしまう。また、破砕等の物
理的手段によって得られた分解物は静置すると沈降して
しまうという問題もある。
の製造方法を提供することにある。
製造方法に関する発明であって、海藻類に500〜10000気
圧の静水圧を加えて組織を軟化及び/又は分解すること
を特徴とする。
結果、海藻類を静水圧を加えて処理することによってそ
の組織が軟化及び/又は分解し、その結果として、例え
ば従来困難であった海藻類の分解が容易にでき、過激な
条件下で行われていた抽出処理も穏和な条件下でできる
ことが判明した。そのようにして得られた海藻類の分解
物は粘性が高く静置しても沈降しない、また、味や香り
も生の風味を長く残しているものである。更に、従来は
酵素処理を必要とした対照品も酵素を使用せずに、分
解、抽出が可能となるものであり、その場合は酵素等は
使用しないので加熱などの後処理も不要である。また、
静水圧処理は単独で行うよりも酵素反応や加熱あるいは
酸、アルカリ処理等との併用によって処理条件を緩和す
ることができ、穏和な条件下で海藻類の分解や抽出等が
できるようになる。また、それらの処理は静水圧処理の
前あるいは後に行うことによっても処理条件を緩和する
ことができる。
水を一緒にビニールパックに密閉するか、あるいは、加
水容器内に海藻と液体、例えば水を直接入れて一定時間
行う。
〜4000気圧である。加圧時間は数分以上、好ましくは5
〜30分である。わかめのような比較的組織が柔らかいも
のは、静水圧処理を行うだけで組織がバラバラにほぐれ
て高粘性物になる。昆布のような比較的組織が強固なも
のは静水圧処理後に、数分間、粉砕機にかけるだけで粘
性の高い分解物が容易に得られる。
物、あるいはその加工物は調味料の原料や増粘剤として
使用できるし、粉末化して使用してもよい。また、香気
成分やエキス類の抽出、その他の有効成分抽出を効率的
に行う原料としても有効である。
品、また、エキス分を抽出した残渣を使用してもよい。
そして、海藻類は、原形のまま使用してもよいし、細か
く切断したものを使用してもよい。
り、ひじき、天草などの食用あるいは、工業的に利用さ
れる海藻類であるが、これらに限定されない。
本発明はこれら実施例に限定されない。
密閉して25℃、1000〜6000気圧で10分間加圧し取出し
て、粉砕機(日本精機製作所製エクセルオートホモゲナ
イザー)で15000rpm、2分間処理した後、0.5mmのフィ
ルターで残渣を取除き液部の粘度を測定した。粘度の測
定はB型粘度計(東京計器製造所製)を用いた。高圧処
理装置は山本水圧工業所製高圧実験カプセルを使用し
た。その結果を、表−1に示した。
粘度は大きくなったが、3000気圧以下では昆布はほとん
ど粉砕されなかった。4000気圧以上でよく粉砕された粘
性の高い昆布分解物が得られた。この昆布分解物は、香
り、味、共に生の風味をよく保っていた。
ックに密閉して25℃、1000〜4000気圧で10分間加圧し取
出して外観を比較した。その結果を表−2に示した。
ると手でちぎれるぐらいの軟らかさだが、高圧処理する
と2000気圧程度で組織はほぐれているのが観察された。
4000気圧では組織はバラバラになり粘性の高いわかめ分
解物が得られた。このわかめ分解物は、香り、味共に生
の風味をよく保っていた。
て25℃、4000気圧で30分間加圧し、粉砕機で15000rpm、
2分間処理した昆布分解物を用いて作った調味料と、乾
燥昆布を酵素処理して作った昆布分解物を用いた以外は
同じ配合で作った調味料とを比較した。この2種類の調
味料について、パネラー10名、5点法(1点良〜5点
悪)で色、香り、味、及び総合の官能評価を行い、その
結果を表−3に10名の合計点で示した。
物を用いて作った調味料は、通常の酵素処理した昆布分
解物を用いて作った調味料に比べて昆布の風味が非常に
強く、また、旨みも強い品質の良好なものであった。更
に、静水圧処理した昆布分解物は非常に粘性が高く増粘
剤を加える必要は無かった。
類を静水圧処理することによって、その組織が軟化及び
/又は分解し、粘性の高い海藻類の分解物を容易に提供
することができる。また、味や香りも損なわれることな
く品質も安定した海藻類の分解物を提供することができ
る。更に、他の処理方法と併用することによって処理条
件の緩和、処理時間の短縮も可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】海藻類に500〜10000気圧の静水圧を加えて
組織を軟化及び/又は分解することを特徴とする海藻類
の加圧処理物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1264863A JP2775489B2 (ja) | 1989-10-16 | 1989-10-16 | 海藻類の加圧処理物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1264863A JP2775489B2 (ja) | 1989-10-16 | 1989-10-16 | 海藻類の加圧処理物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03130054A JPH03130054A (ja) | 1991-06-03 |
JP2775489B2 true JP2775489B2 (ja) | 1998-07-16 |
Family
ID=17409263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1264863A Expired - Lifetime JP2775489B2 (ja) | 1989-10-16 | 1989-10-16 | 海藻類の加圧処理物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2775489B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0767588A (ja) * | 1992-10-01 | 1995-03-14 | Kumamoto Pref Gov | 藻類入り加工食品およびその製造法 |
JP4747305B2 (ja) * | 2008-05-20 | 2011-08-17 | 株式会社丸昌 | ガゴメ昆布食品の製造方法およびガゴメ昆布食品 |
CN109588658B (zh) * | 2018-12-29 | 2022-05-17 | 内蒙古蒙牛乳业(集团)股份有限公司 | 葡萄干的软化方法及其应用 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62248473A (ja) * | 1986-04-23 | 1987-10-29 | Watanabe Kikai Kogyo Kk | 生海苔の品質改善方法 |
-
1989
- 1989-10-16 JP JP1264863A patent/JP2775489B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03130054A (ja) | 1991-06-03 |
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