JP3888539B2 - 新規生物系材料およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、新規生物系材料およびその製造方法に関し、詳しくは、おから等の豆類絞り粕由来の新規生物系材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品産業廃棄物は、その一部が肥料や飼料等として再利用されているが、大部分は、膨大な費用をかけて産業廃棄物として廃棄処分されている。特に、豆腐を製造する際に出る大豆の絞り粕であるおからは、分解し難い食物繊維を多量に含有するため、再利用の途が乏しく、日本国内において年間約70万トンが廃棄処分されている。
【0003】
このため、これらの食品産業廃棄物について、有効な再利用が望まれている。前述のおからについては、例えば、特開平6−303940号公報に、おからを主原料とする調味料の製造方法が開示されている。この方法は、まず、おからを、小麦粉等のデンプン質材料と混合し、この混合物にリゾプス属菌体またはアスペルギルス属菌体を接種することによって、おから麹を調製する。そして、前記おから麹に、米麹または麦麹を添加し、続いてラクトバチルス属菌体を添加して発酵させる。この発酵処理物に、さらに食塩とチゴサッカロマイセス属菌体を添加して、発酵熟成させることによって、味噌風の調味料を製造するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、食品産業廃棄物の中でも、前記おからのような豆類絞り粕は、主に、セルロースから構成される細胞壁を含有しているため、微生物によって処理し難いという問題があった。また、前述のような方法によっても、味噌風調味料のように固形粕が残存した状態の製品となるため、その用途が限られていた。
【0005】
そこで、本発明の目的は、豆類絞り粕を利用した新規生物系材料およびその製造方法の提供である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、豆類絞り粕由来の新規生物系材料の製造方法であって、前記豆類絞り粕を加熱加圧処理し、さらに、セルラーゼ処理、ペクチナーゼ処理を行う方法である。
【0007】
このように、豆類絞り粕を加熱加圧処理すれば、豆類の細胞がばらばらになり、液状化もしくはゲル状化が可能となる。このように液状化またはゲル状化となれば、例えば、後述するような酵素処理を行う場合であっても、酵素が作用し易くなる。また、調味料等の食品材料、化粧品基材、医薬品基材等として、使用することが可能となるため、本発明によって、豆類絞り粕の食品廃棄物を有効に再利用することができる。
【0008】
本発明においてゲル状とは、全体がゲル状であるだけでなく、ゲル状物質が含まれた状態のことも含む。
【0009】
なお、加熱加圧処理によって豆類絞り粕の性状を変化させるという本発明の技術は、例えば、焼酎やビール等の製造において廃棄される、硬い多糖やタンパク質を含む醸造絞り粕等にも利用できる。
【0010】
本発明において、操作が容易になることから、前記加熱加圧処理を、オートクレーブ、エクストルーダーおよび高圧加熱管式反応器を用いて行うことが好ましい。
【0011】
また、本発明の製造方法において、前記加熱加圧処理に加え、さらに酵素処理を行うことが好ましい。これによって、例えば、より一層液状化若しくはゲル化を進行できるからである。
【0012】
前記酵素処理に使用する酵素としては、例えば、セルラーゼ、ペプチダーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ等が使用でき、特に、食物繊維であるセルロースを効率よく分解できることから、セルラーゼが好ましい。前記セルラーゼとしては、具体的に、ヘミセルラーゼ、グルカナーゼおよびグルコシダーゼ等があげられ、前記ヘミセルラーゼとしては、例えば、キシラナーゼ等があげられる。
【0013】
前記ペクチナーゼとしては、例えば、商品名PECTINEX ULTRA(ノボノルディクス社製)、商品名PECTINEX ULTRA SP-L(ノボノルディクス社製)等が使用できる。
【0014】
前記酵素処理は、一種類の酵素による酵素処理でもよいが、効率よく分解できることから、二種類以上の酵素による酵素処理であることが好ましい。二種類以上の酵素によって酵素処理を行う場合は、例えば、同時に行ってもよいし、各酵素ごとに処理を行ってもよい。
【0015】
酵素処理の組合わせとしては、特に制限されず、前記各種酵素によって処理できるが、例えば、セルラーゼ処理、ペクチナーゼ処理、プロテアーゼ処理およびリパーゼ処理のうち、少なくとも2以上の処理の組合わせであることが好ましく、少なくともセルラーゼ処理を含むことがより好ましい。
【0016】
このように二種類以上の酵素処理を行う場合、具体的には、例えば、以下のような組み合わせと処理順序とがあげられる。なお、添加順序は、これらには限定されず、例えば、操作の簡便性等の点から、セルラーゼやペクチナーゼ、さらにプロテアーゼを同時に添加することもできる。
【0017】
本発明の製造方法において、さらに発酵処理を行うことが好ましい。この処理を行うことによって、より一層液状化が進行し、また条件を調整することによって粘性の増加やゲル化が可能になり、旨みや風味もさらに向上するからである。
【0018】
この発酵処理は、前記加熱加圧処理後に行ってもよいし、前記加熱加圧処理および酵素処理を行った後でもよいが、より一層旨みが向上し、かつ液状化が進行し、また条件を調整することによって粘性の増加やゲル化が可能になることから、加熱加圧処理および酵素処理を行った後に行うことが好ましい。
【0019】
前記発酵処理は、特に制限されないが、例えば、酵母、乳酸菌、糸状菌、細菌等の微生物により行うことが好ましい。
【0020】
前記発酵処理は、よりよい風味をだすために、例えば、食品廃棄物を添加してから行ってもよい。
【0021】
また、前記発酵処理は、予め、発酵処理物に塩味をつけるために、例えば、食塩を添加してから行うことが好ましい。
【0022】
前記食塩の添加は、例えば、食塩をそのまま添加してもよいし、食塩を含有する食品廃棄物等の添加により行ってもよい。このように、食塩の添加に食品廃棄物を使用することによって、さらにコストの低減を図ることができ、豆類絞り粕だけでなく、他の廃棄物の有効利用も図れるからである。
【0023】
前記食品廃棄物としては、特に制限されないが、例えば、梅酢廃液、梅調味料廃液、魚煮汁、肉煮汁、佃煮加工廃液等の材料が好ましい。
【0024】
本発明の製造方法において、さらに後処理として、滅菌処理、濃縮処理、膜分離処理、乾燥処理等の処理を行うことが好ましい。前記乾燥処理としては、例えば、凍結乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥等の方法があげられる。
【0025】
前記後処理は、例えば、加熱加圧処理後、酵素処理後または発酵処理後のいずれの段階で行ってもよい。また、これらの後処理は、いずれか一種類でもよいし、複数の処理を施してもよい。
【0026】
本発明の製造方法において、例えば、経済面で低コスト化が可能であり、環境面で廃棄物処理の有効利用が図れることから、豆類絞り粕としては、大豆の絞り粕であるおから等が好ましい。
【0027】
このような製造方法によって得られる新規生物系材料は、例えば、各種アミノ酸、タンパク質、ペプチド、糖、脂肪酸、油脂、有機酸等の無機酸等を含有している。前記アミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、スレオニン、セリン、グリシン、プリン、アラニン、システイン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、リジン、ヒスチジン、トリプトファン、アルギニン、グルタミン酸等があげられる。また、これらの他にイソフラボン等も含まれている。
【0028】
また、前述のような処理を行うことによって得られる前記新規生物系材料は、タンパク質が分解され、旨み成分の素となるグルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン等の遊離アミノ酸、ジペプチド、オリゴペプチドや糖等が相対的に増加した組成となる。
【0029】
前記新規生物系材料は、その形態がゲル状であることが好ましい。ゲル状であれば、前述のように、固形分を多量に含む前記従来のおから由来の物質と異なり、取り扱い性に優れるため、様々な用途に使用できる。
【0030】
前記ゲル状の新規生物系材料は、加熱融解ゲルであり、その融点は、例えば、0〜100℃の範囲であり、好ましくは0〜50℃の範囲であり、より好ましくは0〜37℃の範囲である。
【0031】
つぎに、本発明の調味料は、前記新規生物系材料を含むことを特徴とする。前述のような新規生物系材料は、例えば、取り扱い性に優れることから、様々な形態の調味料成分として使用できる。したがって、このような材料を含む本発明の調味料は、低コストであり、資源の再利用の点からも有用なものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の新規生物系材料の製造方法について、原料としておからを使用する例をあげて説明する。
【0033】
(実施形態1)
本実施形態において、前記新規生物系材料は、例えば、おからに水を添加して、これを加熱加圧処理することによって製造できる。
【0034】
おからは、一般に、水につけた大豆を潰して加熱処理し、これから豆乳成分を絞った後の絞り粕のことを言う。使用するおからの形態としては、特に制限されず、例えば、豆乳を絞った後の生の状態のおからでもよいし、脱水したものや乾燥させたものも使用できる。
【0035】
また、生おからの場合、その割合は、例えば、5〜50重量%の範囲であり、好ましくは7.5〜30重量%の範囲、より好ましくは10〜20重量%の範囲である。
【0036】
加熱加圧処理は、例えば、オートクレーブ、エクストルーダー、パイプリアクター等の高圧加熱管式反応器等の装置を用いて行うことができる。
【0037】
加熱加圧処理の条件は、特に制限されないが、この処理によって豆類の細胞がばらばらになることが必要であるため、例えば、温度105〜300℃の範囲、圧力1KPa〜3MPaの範囲、時間5分〜5時間の範囲であることが好ましく、より好ましくは温度105〜200℃の範囲、圧力0.1〜0.3MPaの範囲、時間5分〜3時間の範囲であり、特に好ましくは温度105〜121℃の範囲、圧力0.1〜0.3MPaの範囲、時間5分〜1時間の範囲である。
【0038】
このようにして得られる新規生物系材料は、以下に示すような特性(色調、透明度、液化状態、粘性)を有している。これらの特性は、全て目視で判断し、粘性は以下の基準で表わした。なお、後述する実施形態2および3における新規生物系材料の特性も、合わせて下記表1に示す。
【0039】
(粘性の基準)
− : 粘性なし
+ : 少し粘性あり
++ : 粘性あり
+++ : 高い粘性あり
【0040】
【0041】
具体的には、約0.5gの乾燥おからに水を7mL添加して、加熱加圧処理した場合、得られる前記新規生物材料は、例えば、その体積が6〜6.5mLの範囲であり、常温での粘度が100〜1000(単位cp)の範囲である。
【0042】
前記加熱加圧処理によって得られた新規生物系材料は、通常、液状化もしくはゲル状化しているため、その後の加工等が容易であり、用途の範囲も固形材料に比べて広いという利点を有している。また、おからが、ほとんど無味無臭であるのに対し、新規生物系材料は、旨みがあり、栄養バランスの点においても優れている。このため、前記新規生物系材料は、例えば、調味料や、健康増進食品材料等として利用することができる。また、このような食品類への適用には限定されず、例えば、カプセル材料、フィルム材料、増粘剤、化粧品基材、医薬品基材、生分解性プラスチック基材等への利用も可能である。
【0043】
本発明の新規生物系材料である前記加熱加圧処理物は、さらに、後処理を行ってもよい。このような後処理の方法としては、前述のような、滅菌処理や、濃縮、乾燥等の加工処理等があげられる。
【0044】
前記滅菌処理の方法としては、例えば、加熱滅菌、ろ過滅菌、紫外線殺菌等の方法があげられる。前記濃縮方法としては、減圧濃縮、半透膜を用いた濃縮方法等があげられ、前記乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、加熱乾燥等の方法があげられる。前記濃縮の程度によって、前記新規生物系材料のゲルの程度等も調製できる。
【0045】
(実施形態2)
本発明の新規生物系材料は、例えば、前記加熱加圧処理物を、さらに酵素処理することによって得られる酵素処理物であってもよい。
【0046】
前記酵素としては、例えば、前述のような各種酵素が使用でき、それらの中でも好ましくはセルラーゼである。セルラーゼとしては、前述のようなものが使用でき、その中でも好ましくはキシラナーゼ等のヘミセルラーゼである。なお、使用する酵素は、一種類でも、二種類以上を併用してもよい。
【0047】
前記酵素の添加量は、特に制限されないが、例えば、前記加熱加圧処理物の固形分重量2.5g当たり、0.001〜0.1gの範囲が好ましく、より好ましくは0.001〜0.05gの範囲であり、特に好ましくは0.001〜0.1gの範囲である。酵素活性としては、前記加熱加圧処理物の固形分重量1g当たり、5〜300Uの範囲が好ましく、より好ましくは5〜100Uの範囲であり、特に好ましくは5〜50Uの範囲である。
【0048】
また、原料おからの固形分重量1gに対しては、例えば、0.001〜0.1gの範囲が好ましく、より好ましくは0.001〜0.05gの範囲であり、特に好ましくは0.001〜0.01gの範囲である。また、酵素量としては、5〜300Uの範囲が好ましく、より好ましくは5〜100Uの範囲であり、特に好ましくは5〜50Uの範囲である。
【0049】
反応条件は、例えば、温度0〜70℃の範囲、時間0.5〜72時間の範囲であり、好ましくは温度20〜50℃の範囲、時間3〜24時間の範囲であり、より好ましく温度30〜40℃の範囲、時間5〜15時間の範囲である。
【0050】
また、前記酵素処理は、例えば、酵素との接触面が増加することによって酵素反応が効率良くなり、分解も促進されることから、攪拌しながら行うことが好ましい。攪拌の条件は、特に制限されないが、例えば、10〜2000rpmの範囲であり、好ましくは、600〜1200rpmの範囲である。
【0051】
このようにして得られる新規生物系材料の特性は、前記表1に示すとおりである。
【0052】
(実施形態3)
本発明の新規生物系材料は、例えば、前記酵素処理物を、さらに発酵処理することによって得られる発酵処理物であってもよい。
【0053】
前記発酵を行う場合、特に制限されないが、例えば、前述のような微生物を使用することが好ましく、それらの中でも好ましくは酵母、糸状菌であり、より好ましくは酵母である。なお、微生物の種類は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0054】
発酵処理の温度条件は、例えば、温度5〜60℃の範囲、好ましくは温度10〜60℃の範囲、より好ましく温度20〜40℃の範囲であり、発酵時間は、例えば、3日〜6ヶ月の範囲であり、好ましくは1週間〜3ヶ月の範囲であり、より好ましくは2週間〜1ヶ月の範囲である。なお、使用する微生物の種類に応じて、空気を吹き込み好気的に発酵させてもよい。
【0055】
前記微生物の摂取量は、特に制限されないが、例えば、前記酵素処理物の固形分重量2.5gに当たり、0.001〜0.1gの範囲が好ましく、より好ましくは0.001〜0.05gの範囲であり、特に好ましくは0.001〜0.01gの範囲である。また、原料おからの固形分重量に対しては、1gに当たり、0.001〜0.1gの範囲が好ましく、より好ましくは0.001〜0.05gの範囲であり、特に好ましくは0.001〜0.01gの範囲である。
【0056】
このようにして得られる新規生物系材料の特性は、前記表1に示すとおりである。
【0057】
また、この発酵処理を行う場合、例えば、塩、塩を含有する食品廃棄物を添加しておくことが好ましい。前記食品廃棄物としては、例えば、前述のようなものが使用できる。
【0058】
原料おからに対する食塩の添加割合は、おからの固形分重量1gに対して、例えば、2〜6gの範囲であり、好ましくは、3〜5gの範囲であり、より好ましくは、3.4〜4gの範囲である。
【0059】
梅酢廃液とは、梅を食塩に漬け込んだ際に浸出してくる溶液であり、その塩分量は、通常、約20重量%程度である。
【0060】
原料おからに対する前記梅酢廃液添加割合は、特に制限されないが、例えば、おから固形分重量1gに対して、20〜30mLの範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜20mLの範囲であり、特に好ましくは5〜15mLの範囲である。
【0061】
前記食品廃棄物は、例えば、発酵工程前に添加してもよいし、加熱加圧処理する前から予め添加しておいてもよい。
【0062】
【実施例】
(実施例1)
この実施例は、おからを原料として、本発明の新規生物系材料を調製した例である。なお、得られた新規生物系材料の物性は、以下に示す方法によって測定した。
【0063】
A.加熱加圧処理
乾燥おから(100メッシュ粉末)5g、食塩18gおよび水77mLを三角フラスコに入れ、この混合物をオートクレーブで加熱加圧処理した。その条件は、121℃、60分間、0.17MPaとした。得られた処理物(以下、「処理物A」という)について、以下の各種性質を調べた。
【0064】
(外観・粘性)
前記処理物について、外観の目視試験、SVの測定、粘性の目視試験、粘度(cp)の測定を行った。これらの結果を下記表2に示す。なお、SVとは、サンプルを30分間静置分離した後のスラッジ容積のことである。
【0065】
また、後述するセルラーゼ処理物および発酵処理物の外観・粘性についても併せて、下記表2に示す。
【0066】
【0067】
(性状)
遠心分離後の上清を室温放置すると、透明な黄色のゲルとなった。
【0068】
(可溶化効果)
前記処理物Aを遠心分離して(2000G、10分間)、沈殿物(不溶化物)の容量を測定し、前記処理物におけるおからの可溶化効果を調べた(以下、同じ)。その結果、加熱加圧処理前における前記混合物の不溶化物量(体積%)が85%であるのに対し、前記処理物の不溶化物量は、65%であった。
【0069】
(含有成分量)
全糖量は、グルコースを標準物質としたフェノール硫酸法、全還元糖の測定は、グルコースを標準物質としたソモギー法、全タンパク質量は、アルブミンを標準試料としたLowry法によって測定した(以下、同じ)。また、全ペプチド量は、チロシンを標準物質とし、サンプル0.5mL、0.55M炭酸ナトリウム2.5mLおよびフォーリン・チオカルトウ試薬1N 0.5mLを混合して、660nmにおける吸光度測定により求めた(以下、同じ)。以下に、その結果を示す。
【0070】
還元糖量 25mg
全糖量 270mg
全タンパク質量 130mg
全ペプチド量 4mg
【0071】
B.セルラーゼ処理
前記加熱加圧処理で得られた処理物Aの固形分(重量)に対し、セルラーゼを0.1重量%となるように添加して、酵素反応を行った。反応条件は、pH7、温度30〜35℃、処理時間12時間であった。得られた酵素処理物(以下、「処理物B」という)について、以下の各種性質を調べた。
【0072】
(外観・粘性)
前記表2に示すとおりである。
【0073】
(可溶化効果)
不溶化物量(体積%) 10体積%
【0074】
(官能試験)
処理物Bを120℃で10分間加熱滅菌処理し、さらに凍結真空乾燥して得られた粉末の官能試験を行った。その結果、原料のおから粉末がほとんど無味、無臭であったのに対して、前記処理物Bの粉末品は、旨みがあり、かすかにおからの匂いがした。
【0075】
(含有成分量)
還元糖量 730mg
全糖量 850mg
全タンパク質量 130mg
全ペプチド量 100mg
【0076】
C.発酵処理
前記処理物Bに対し、味噌酵母菌(商品名 味噌用酵母;株式会社ゼオック製)を100ppmとなるように添加し、30〜35℃で30日間発酵させた。得られた発酵処理物(以下、「処理物C」という)について、以下の各種性質を調べた。
【0077】
(外観・粘性)
前記表2に示すとおりである。
【0078】
(性状)
処理物を、真空蒸発で1/4体積量に濃縮すると褐色のゲル状物が得られた。得られたゲル状物に、さらに水を加え2倍(体積)に希釈してもげる状態が保持された。なお、ここでいう「ゲル状」とは、サンプルを入れた試験管を横にした状態であっても、サンプルが前記試験管から流れ出さずに形態を保持している状態である。
【0079】
(官能試験)
前記真空蒸発により得られた褐色のゲル状物について官能試験を行った。その結果、前記処理物Bの粉末に比べて、さらに濃い味で、旨みが増加しており、また、まろやかな味であった。
【0080】
(実施例2)
A.加熱加圧処理、酵素処理、発酵処理
食塩18gおよび水77mLに代えて、食塩14g、食塩5gを含有する梅調味廃液43g(38mL)および水38g(38mL)を使用し、これらと乾燥おから(100メッシュ粉末)5gとを三角フラスコに入れ、前記実施例1と同様にして加熱加圧処理、酵素処理および発酵処理を行った。そして、処理物A(加熱加圧処理)、処理物B(酵素処理)、処理物C(発酵処理)のそれぞれについて、前記実施例1と同様にして各々の性質を調べた。
【0081】
(1)処理物Aの性質
(外観・性状)
薄い褐色の懸濁液
【0082】
(可溶化効果)
不溶化物量(体積%) 62体積%
【0083】
(2)処理物Bの性質
(可溶化効果)
不溶化物量(体積%) 10体積%
【0084】
(官能試験)
本実施例の処理Bの粉末品は、前記実施例1の処理物Bの粉末品よりも、さらに味が濃いかった。
【0085】
(含有成分量)
還元糖量 180mg
全糖量 300mg
全タンパク質量 380mg
全ペプチド量 350mg
【0086】
(2)処理物Cの性質
(外観・性状)
薄い褐色のゲル状物質
【0087】
(官能試験)
処理物Cは、前記処理物Bの粉末品よりも、さらに味が濃く、わずかに梅の香りがした。
【0088】
(実施例3)
この実施例は、加熱加圧処理したおからを、さらに様々なセルラーゼで処理し、生物系材料を調製した例である。
【0089】
(セルラーゼ)
C1:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)由来粉末酵素
(商品名セルレースナガセ、ナガセナムテックス社製)
C2:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)由来液体酵素
(商品名セルラーゼXL−531、ナガセナムテックス社製)
C3:トリコデルマ ビリデ(Tricoderma viride)由来粉末酵素
(商品名ナガセ セルラーゼXL425、ナガセナムテックス社製)
C4:トリコデルマ ビリデ(Tricoderma viride)由来液状酵素
(商品名セルラーゼダイワ、大和化成社製)
C5:トリコデルマ ビリデ(Tricoderma viride)由来粉末酵素
(商品名セルラーゼダイワ、大和化成社製)
以下、これらの酵素は、C1〜C5と表わす。
【0090】
おから乾燥粉末品0.5gに水5mLを添加して、この混合物をオートクレーブ(イワキ社製;ACV−3167N)を用いて加熱加圧処理した。処理条件は、121℃、60分、0.17MPaとした。
【0091】
前記混合物を冷却した後、前記各セルラーゼを所定の濃度(1重量%、5重量%)となるように添加して、40℃で15時間静置した。これらの処理物について、前述と同様の方法により、全糖量、全還元糖量、全ペプチド量、全タンパク質量、糖鎖長を測定した。なお、糖鎖長は、「全糖量/全還元糖量」とした。これらの結果を下記表3に示す。
【0092】
【0093】
前記表3に示すように、おからを加熱加圧処理した後、セルラーゼ処理することによって、全糖、還元糖、全ペプチド、タンパク質の量が増加した。このことから、例えば、大豆の細胞のセルロースが分解され、不溶性タンパク質が溶解されたといえる。このため、本発明の新規生物系材料は、より一層、旨みや甘みが増加し、優れた調味料として使用できる。また、このように加熱加圧処理およびセルラーゼ処理を施した新規生物系材料であれば、続いて、発酵処理を容易に行うことも可能になる。
【0094】
(実施例4)
この実施例は、加熱加圧処理したおからを、さらにセルラーゼおよびプロテアーゼで処理し、生物系材料を調製した例である。
【0095】
(セルラーゼ)
前記実施例と同様のC3を使用した。
【0096】
(プロテアーゼ)
P1:バチルス サブチリス(Bacillus subtillus)由来プロテアーゼ
(商品名プロテアーゼN「アマノ」、アマノエンザイム社製)
P2:バチルス ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来プロテアーゼ
(商品名プロテアーゼS「アマノ」、アマノエンザイム社製)
P3:ブロメライン
(商品名ブロメラインF、アマノエンザイム社製)
P4:パパイン
(商品名パパインW−40、アマノエンザイム社製)
P5:アスペルギルス メレウス(Aspergillus melleus)由来ペプチダーゼ
(商品名プロテアーゼP「アマノ」3G、アマノエンザイム社製)
P6:アスペルギルス オリゼー(Aspergillus oryzae)由来ペプチダーゼ
(商品名ウマミザイム、アマノエンザイム社製)
P7:アスペルギルス オリゼー(Aspergillus oryzae)由来プロテアーゼ
(商品名プロテアーゼA「アマノ」G、アマノエンザイム社製)
P8:バチルス サブチリス(Bacillus subtillus)由来プロテアーゼ
(商品名プロレザーFG−F、アマノエンザイム社製)
P9:アスペルギルス(Aspergillus)由来メタルプロテアーゼ
(商品名プロチンFN、大和化成社製)
P10:バチルス(Bacillus)属由来メタルプロテアーゼ
(商品名プロチンP、大和化成社製)
P11:バチルス サーモプロテオリティカス(Bacillus thermoproteolytics)由来プロテアーゼ
(商品名 サモアーゼ、大和化成社製)
P12:バチルス(Bacillus)属由来セリンプロテアーゼ
(商品名プロチンA、大和化成社製)
P13:バチルス(Bacillus)由来セリンプロテアーゼ
(商品名プロチンAC10F、大和化成社製)
以下、これらの酵素は、P1〜P12と表わす。
【0097】
おから乾燥粉末品0.5gに水5mLを添加して、この混合物を前記実施例4と同様の条件で加熱加圧処理した。そして、前記混合物を冷却し、前記セルラーゼをおからに対して5重量%、前記プロテアーゼを1重量%となるように添加して、40℃で15時間静置した。これらの処理物について、前述と同様にして全糖量、全還元糖量、全ペプチド量、全タンパク質量を測定した。これらの結果を下記表4に示す。また、各処理物についての官能試験(味、匂い)を行った結果を下記表5に示す。
【0098】
【0099】
【0100】
前記表4に示すように、加熱加圧処理した処理物を、セルラーゼだけでなくプロテアーゼとも反応させることによって、還元糖が増加し、また、タンパク質成分が消化された。これによって、味に甘みが出て、味が強くなり、匂いも強くなった。特に、「C3+P7」、「C3+P9」および「C3+P12」は、官能試験によって、優れた結果が得られた、
【0101】
(実施例5)
この実施例は、おからを加熱加圧処理および酵素処理し、さらに発酵処理することによって生物系材料を調製した例である。
【0102】
おから乾燥粉末品5gに水、または梅酢廃液(塩分20重量%)と水とを添加し、全量100mLとした。なお、前記梅酢廃液は、50体積%となるように添加した。
【0103】
この混合物を前記実施例5と同様の条件で加熱加圧処理した後、前記混合物を冷却し、前記セルラーゼをおからに対して5重量%、前記プロテアーゼを1重量%、酵母を0.1重量%となるように添加して、30℃で7日間静置した。これらの処理物について、前述と同様にして、全糖量、全還元糖量、全ペプチド量、全タンパク質量を測定した。これらの結果を下記表6に示す。また、これらの処理物についての官能試験(味、匂い)についての結果を下記表7に示す。
【0104】
【0105】
【0106】
前記表6に示すように、加熱加圧処理および酵素処理した処理物を、さらに発酵処理することによって、おから特有の匂いがなくなり、わずかに味噌や醤油様の発酵臭がした。さらに、梅酢廃液の存在下で処理することによって、より一層、おからの匂いがなくなり、梅酢の甘酸っぱい、まろやかな味になった。
【0107】
(実施例6および比較例1)
乾燥重量1gのおからに10倍量(重量)の水を加えて加熱加圧処理を行った。処理条件は、121℃、60分間、0.17MPaとした。
【0108】
そして、得られた前記処理物に、さらにセルラーゼ(商品名セルラーゼダイワ;大和化成社製)20μL(20U)を添加して、pH5.0に調整し、40℃で一晩放置した。ここで得られた酵素処理物を、実施例Aとした。
【0109】
一方、比較例としては、加熱加圧処理およびセルラーゼ処理のいずれも行わなずに、水を加えたおからを100℃で熱処理のみ行ったものを比較例Aとした。また、同じ方法により再度処理物を調整し、得られたものを処理物B(比較例B)とした。また、前記比較例Aと同様に熱処理を行った後、実施例Aと同様にセルラーゼを行ったものを比較例Cとした。
【0110】
そして、これらのサンプルについて、おから1g当たりの還元糖量および全糖量および溶解タンパク質量、残存不溶物量を測定した。これらの結果を下記表8に示す。なお、前記還元糖量、全糖量、タンパク質量、残存不溶化物量は、前述と同様にして測定した。
【0111】
また、得られた前記サンプルをPAS染色して、顕微鏡観察を行った(倍率400倍)。
【0112】
これらの顕微鏡写真の結果を、図1〜3に示す。図1は、実施例A、図2は比較例Bおよび図3は比較例Cの結果である。なお、顕微鏡観察において、染色した部分は、多糖類である。
【0113】
【0114】
まず、前記表8に示すように、加熱加圧処理を行っていない比較例に比べて、加熱加圧処理およびセルラーゼ処理した実施例は、還元糖および全糖量および溶解タンパク質の量が増加した。また、熱処理およびセルラーゼ処理した比較例Cに比べても、還元糖および全糖量は増加した。これは、単にセルラーゼを添加しても、おからの繊維質は部分的にしか分解されないが、加熱加圧処理することによって、溶解する繊維質が増加し、さらにセルラーゼで処理することによって、より一層分解が進むためと考えられる。
【0115】
また、顕微鏡観察の結果、比較例Aは、鋭利なカット面を持つ大豆細胞の集合体が観察され、図2の比較例Bは、鋭利なカット面を持つ、膨潤した鋭利なカット面を持つ大豆細胞の集合体が観察され、図3の比較例Cでは、大豆細胞の分解物と鋭利なカットを持つ大豆細胞の集合体が観察された。これに対して、図1の実施例Aにおいては、大豆細胞が分解され、大豆細胞内のオイルボディ、油脂や二次細胞壁が観察された。
【0116】
具体的には、比較例Bは、図2に示すように多糖類が分解せずに塊のまま残っており、セルラーゼ処理した比較例Cにおいても、図3に示すように、染色された多糖類の塊と、染色されていない細胞の塊が残っていた。これに対して、図1に示す実施例Aについては、染色される多糖類部分が分解消去されているだけでなく、比較例において見られた染色されない細胞の塊も分解されていた。
【0117】
(実施例7)
A.加熱加圧処理
生おから2gおよび蒸留水6mlを混合し、121℃、20分間、0.17MPa(1.2気圧)の条件でオートクレーブすることによって加熱加圧処理を行った。この処理物を遠心分離(2000Xg(3000rpm)、10分間)し、上清と沈殿とに分離した。
【0118】
B.セルラーゼ処理
前記回収した沈殿に、水14mlと、前記沈殿の100分の1重量のセルラーゼ(4mg;80U))とを添加し、スターラーで攪拌しながら40℃で一晩(16時間)放置した。そして、再度遠心分離(2000Xg(3000rpm)、10分間)によって、上清と沈殿とを分離し、前記沈殿を水2回洗浄した。なお、セルラーゼとしては、粉末の商品名セルラーゼダイワP(ダイワ化成社製)を使用した。
【0119】
C.ペクチナーゼ処理
前記セルラーゼ処理後に回収した沈殿に水10mlを添加し、この容量の1/100量のペクチナーゼ10μL(26U)とを添加し、スターラーで攪拌しながら40℃で一晩(16時間)放置した。そして、再度遠心分離(2000Xg(3000rpm)、10分間)によって、上清と沈殿とを分離した。なお、ペクチナーゼとしては、液体の商品名PECTINEX ULTRA(ノボノルディクス社製)を使用した。
【0120】
(乾燥重量)
前記ペクチナーゼ処理後の回収した沈殿を乾燥させて、その乾燥重量(Wa)を測定した。一方、未処理の同じ生おから2gを乾燥させて、その乾燥重量(Wb)を測定した。そして、WaからWbを差引いた重量を可溶化分解量とした(Wb−Wa)。その結果、生おからの重量のうち13〜15重量%が未分解残渣として残り、85〜87重量%が酵素処理によって可溶化された。前記実施例6では、ように、加熱加圧処理とセルラーゼ処理とを行った前記実施例6では、前記表7に示すように残存不溶物は、30重量%であったが、本実施例ではさらにペクチナーゼ処理を組合わせたことによって、残存不溶物がより一層軽減できたといえる。
【0121】
(顕微鏡観察)
前記ペクチナーゼ処理後の回収した沈殿を、光学顕微鏡によって観察した。その結果、おから製造時に破壊されずに残った大豆細胞中に存在するオイルボディーが確認された。また、加熱加圧処理およびセルラーゼ処理を行った実施例6の顕微鏡観察で見られた二次細胞壁が、さらにペクチナーゼ処理を組合わせた本実施例においては確認されず、溶解されたことがわかった。
【0122】
(油分重量)
前記ペクチナーゼ処理後の回収した沈殿10mgにヘキサン1mlを添加して常温で油分の抽出を3回行い、さらにヘキサンがなくなるまで減圧濃縮した。そして、この濃縮物を大豆油とし、その重量を測定した結果、3mgであった。一方、抽出後の残渣は7mgであった。このことから、ペクチナーゼ処理後の沈殿における油脂含量は30重量%であることがわかった。
【0123】
(タンパク質測定)
前記ペクチナーゼ処理後の回収した沈殿のうち10mgに1N NaOH 1mlを添加し、沸騰浴中で10分間加熱した。その後、遠心処理(2000Xg、5分間)して上清を回収し、ローリー法によってタンパク質を定量した。その結果、タンパク質量は4.9mg(ウシ血清アルブミン換算)であった。
【0124】
(糖質測定)
同様に、前記ペクチナーゼ処理後の回収した沈殿のうち10mgに2N HCl 1mlを添加し、沸騰浴中で2.5時間加熱した。その後、遠心処理(2000Xg、5分間)して上清を回収し、フェノール硫酸法によって糖質を定量した結果、糖質は14mgであった。
【0125】
(成分分析)
前記セルラーゼ処理後の回収した沈殿(図1参照)に1N NaOHを添加して、100℃で10分間煮沸し、冷却した後、商品名TOYO−PEARL HW−50(東ソー社製)によりゲル濾過を行った。そして、その溶出画分について検討した結果、主成分は、蛋白質、中性糖およびウロン酸から構成される約700KDaの高分子成分であることがわかった。
【0126】
以上のように、前記ペクチナーゼ処理後の回収した沈殿の組成は、油脂30%、タンパク質49%、糖質14%、その他7%であった。そして、残存不溶物の結果や、顕微鏡観察の結果から、加熱加圧処理およびセルラーゼ処理に、さらにペクチナーゼ処理を組合わせることによって、より一層分解が促進されることがわかった。
【0127】
【発明の効果】
以上のように、本発明の製造方法によれば、食品廃棄物である豆類絞り粕を有効に再利用し、様々な用途に適用可能な新規生物系材料を調製できる。前記新規生物系材料は、例えば、加熱加圧処理を施すことによってゲル化が進行するため、例えば、調味料などの食品だけでなく、この他にも増粘剤、フィルム材料、化粧品基材等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の新規生物系材料の一実施例を示す顕微鏡写真である。
【図2】比較例におけるおから処理物の顕微鏡写真である。
【図3】比較例におけるおから処理物の顕微鏡写真である。
Claims (17)
- 豆類絞り粕由来の新規生物系材料の製造方法であって、前記豆類絞り粕を加熱加圧処理し、さらに、セルラーゼ処理、次いでペクチナーゼ処理を行う製造方法。
- さらに、発酵処理を行う請求項1記載の製造方法。
- 加熱温度が、温度105〜300℃の範囲である請求項1または2記載の製造方法。
- 酵素処理を攪拌しながら行う請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- セルラーゼが、ヘミセルラーゼ、グルカナーゼおよびグルコシダーゼからなる群から選択された少なくとも一つを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- ヘミセルラーゼが、キシラナーゼである請求項5記載の製造方法。
- ペクチナーゼ処理の後、さらにプロテアーゼ処理を行う請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
- 酵母、乳酸菌、糸状菌および細菌からなる群から選択された少なくとも一つの微生物により発酵処理を行う請求項2〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 食塩を添加してから、発酵処理を行う請求項2〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
- 食塩を含有する食品廃棄物の添加により、食塩を添加する請求項9記載の製造方法。
- 食塩を含有する食品廃棄物が、梅酢廃液、梅調味廃液、魚煮汁、肉煮汁および佃煮加工廃液からなる群から選択された少なくとも一つの材料である請求項10記載の製造方法。
- さらに後処理として、滅菌処理、濃縮処理、膜分離処理および乾燥処理からなる群から選択された少なくとも一つの処理を行う請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
- 乾燥処理が、凍結乾燥処理、減圧乾燥処理および加熱乾燥処理からなる群から選択された少なくとも一つの処理である請求項12記載の製造方法。
- 豆類絞り粕が、おからである請求項1〜13のいずれか一項に記載の製造方法。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法により製造された豆類絞り粕由来の新規生物系材料。
- その形態がゲル状である請求項15記載の新規生物系材料。
- 請求項15または16記載の新規生物系材料を含む調味料。
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