JP2775159B2 - 内燃機関用シリンダライナとピストンリングの組合せ - Google Patents

内燃機関用シリンダライナとピストンリングの組合せ

Info

Publication number
JP2775159B2
JP2775159B2 JP63257988A JP25798888A JP2775159B2 JP 2775159 B2 JP2775159 B2 JP 2775159B2 JP 63257988 A JP63257988 A JP 63257988A JP 25798888 A JP25798888 A JP 25798888A JP 2775159 B2 JP2775159 B2 JP 2775159B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder liner
liner
combination
ring
piston ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63257988A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02104653A (ja
Inventor
和彦 城尾
武司 大畑
泰 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Diesel Engine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Diesel Engine Co Ltd filed Critical Yanmar Diesel Engine Co Ltd
Priority to JP63257988A priority Critical patent/JP2775159B2/ja
Publication of JPH02104653A publication Critical patent/JPH02104653A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2775159B2 publication Critical patent/JP2775159B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、内燃機関用のシリンダライナとピストン
リングの組合せに関するものである。
従来の技術 従来、内燃機関用のシリンダライナとしては、P0.2〜
0.5%、Cr0.2〜0.5%程度添加した合金鋳鉄製のライナ
材が広く用いられている。また、その耐摩耗性を改善す
るため、同材料に窒化処理を施すか、或いはP0.2〜0.5
%、Ni0.3〜0.6%、Cr0.2〜0.5%添加した合金鋳鉄に窒
化処理を施したもの等が用いられている。
また、本発明の発明者等は、C2.8〜3.6%を含有し、
残部Feである鋳鉄中に、P0.3〜0.9%、Cr0.6〜0.9%、S
i1.3〜1.8%を添加し、更に、Ca−Cuを接種添加するか
又はCuを添加し、これによって板状ステダイトを安定し
て晶出させるようにした合金鋳鉄製のシリンダライナを
発明し、特願昭59−259696号(特開昭61−136659号)と
して出願した。
また、耐摩耗性を必要とされるピストントップリング
の材料としては、従来、クロームメッキ或いはクローム
インサートを行なった鋳鉄製リング材が主流であり、ま
た、最近ではマルテンサイト系ステンレス鋼の窒化リン
グが使用されつつある。そして、このような材質からな
るトップリング材を、上記のようなP及びCrを少量添加
した低合金鋳鉄のシリンダライナと組み合わせて用いて
いる。
発明が解決しようとする課題 上記従来のシリンダライナにおいて、P0.2〜0.5%、C
r0.2〜0.5%程度添加したものにおいては、窒化処理を
行なった場合でも、いずれ耐摩耗性に著しい改善が見ら
れないという欠点がある。特に、最近の市場ではシリン
ダライナの耐摩耗性向上の要求が強く、より優れたシリ
ンダライナ材が必要とされている。Crを0.6〜0.9%添加
した先出願の発明においては、上記のように板状ステダ
イトを安定して晶出できる利点はあるが、未だ市場の要
求を満たす程の耐摩耗性の改善を得るに至っていない。
また、上記のような材質からなるピストントップリン
グとシリンダライナとの組合せにおいて、クロムメッキ
リングを用いたものでは、リング側の摩耗が大きく、他
方マルテンサイト系ステンレス鋼の窒化リング材では、
逆に低合金鋳鉄ライナ側の摩耗に問題があり、その結果
LOC量(潤滑油消費量)も多くなるという不都合があっ
た。
この発明は、上記従来のものよりもシリンダライナ及
びトップリングの摩耗量の少ないシリンダライナとピス
トンリングとの組合せを提供することを目的としてい
る。
課題を解決するための手段 上記の目的を達成するため、この発明に用いられるシ
リンダライナは、C2.8〜3.6%を含有し、残部Feである
鋳鉄中に、P0.3〜0.6%、Cr0.6〜0.9%、Si1.3〜1.8%
を添加し、更にCa−Cuを接種するか又はCuを添加するか
ライナ材の摺動面に、厚さが10μm以内で硬さがHv440
よりも硬い窒化物層をホーニング加工することにより厚
さが3μm以上になるように生成したものである。
このシリンダライナは、従来の低合金鋳鉄に比較し
て、特にCrが、0.6〜0.9%と多く含まれており、そのた
め、Crと窒化処理の際の窒素とが多く結びつき、窒素化
合物が生成され易いのである。これにより、本発明に用
いられるシリンダライナ材の表面硬さは、従来材に比較
してHv硬さで100以上も高くなり耐摩耗性が向上する。
この発明に使用される窒化処理の方法としては特に限
定されず、例えば、ガス窒化、塩浴窒化またはイオン窒
化等の方法が考えられる。本発明に用いられるシリンダ
ライナ材の製作行程を示すと、次のとおりである。ま
ず、型込めし鋳込みを行なった後、後仕上げ、機械加工
を行なう。次に、ライナ内径部のホーニング加工を行な
い、脱脂した後窒化処理を行い、最終的にホーニング加
工を行なって得られる。
上記窒化処理の場合のホーニング加工は、シングルホ
ーニングでも可能であるが、望ましくはプラトーホーニ
ング(二段ホーニング)を行ない、最終的な仕上げホー
ニングによって窒素化合物層を平滑でかつ厚さが4〜8
μmにしたものを用いる。摺動面の一般的なホーニング
加工はシングルホーニングであり、このようなシングル
ホーニングでは、仕上げホーニング後に残った窒素化合
物層の厚さが、2〜5μm程度であって、非常に薄く、
下地の粗さを反映した厚さにバラツキのある層であっ
て、剥離しやすいという欠点があるのに対し、かかるプ
ラトーホーニングを行なうことにより、表面が平滑で、
剥離のない窒素化合物層を得ることができる。第5図
は、このようなプラトーホーニングを行なった後のライ
ナ表面の断面を示しており、プラトー面の平均粗さは0.
4〜2.4μmであって、最大粗さが4〜10μm程度になる
よう加工される。そして、その表面に窒素化合物層
(A)を生成し(第6図)、最後に第7図のように仕上
げホーニングを行なって、その表面の平均粗さが0.4〜
1.5μm程度のものが得られる。
そして、本発明のシリンダライナとピストンリングと
の組合せとして、上記のシリンダライナに対して、母材
をマルテンサイト系ステンレス鋼とし、表面に窒化処理
を施したピストンリングをトップリングとして使用する
ことを特徴とするものである。
この発明で用いられるピストンリング母材の成分割合
としては、例えば、C0.7〜1.0%、Si1%以下、Mn0.25〜
1.0%、Cr16.0〜18.0%、V0.05〜0.15%、Mo0.7〜1.5
%、残部Feからなるものが考えられる。また、表面の窒
化処理は、前記と同様にガス窒化、塩浴窒化、またはイ
オン窒化処理等が考えられるが、特にガス窒化が望まし
い。そして、この発明によれば、このようなシリンダラ
イナ材とピストントップリング材とを用いることによ
り、ライナ材及びリング材ともに摩耗量の少ない最適の
組合せが得られるものである。
実施例1 第1表の成分割合からなる各種シリンダライナ材に、
それぞれ窒化処理を行なったものを試作した。窒化処理
は、塩浴タフトライドにより570 ℃×90mで行なった。第1表中の硬度は、母材硬度であ
る。また、表中No.1、No.2は従来材、No.3は本発明に使
用される母材である。上記によって得られたシリンダラ
イナ材の各表面から一定深さまでのHv硬度を測定したと
ころ、第1図のとおりであり、本発明のライナ材が最も
硬度が高いことが判る。なお、本発明材の窒化物層の厚
さは8〜10μmであり、No.1の厚さは2〜5μm、No.2
では6〜9μmである。次に、上記各ライナ材の硫酸腐
食試験を行なったところ、その結果は第2図のとおりで
あり、本発明のライナ材が最も腐食量の少ないことが判
る。更に、第3図は、湿式復摩耗試験機による各種ライ
ナ及びリング材の摩耗量を測定したものであり、前記N
o.3の母材に窒化処理を行なった本発明では、いずれの
ピストンリングを用いた場合であっても、ライナ材及び
リング材ともに良好であることが確かめられた。なお、
その時の試験条件は、第2表のとおりであった。
実施例2 次に、前記この発明のシリンダライナ材とピストント
ップリング材との組合せと、従来の組合せとによる実機
試験によるシリンダライナ及びピストントップリングの
摩耗量を測定したところ、第3表のとおりであり、ライ
ナ摩耗量で従来の1/2.5、リング材で同1/12と本発明の
方がはるか に優れていることが判る。また、同じく実機試験におけ
るLOCの経時変化を測定したところ、第4図のとおりで
あり、やはり本発明の方がLOCの経時劣化量が大幅に
(約1/2)少なくなっていることが判る。
発明の効果 以上のように、この発明に用いられるシリンダライナ
によれば、耐摩耗性及び耐硫酸腐食性が良好で、その結
果、LOCの経時劣化量が大巾に低減し、従来材に比較し
てはるかに優れたものが得られる。そして、このシリン
ダライナに対して表面に窒化処理を施したピストントッ
プリングを組合せることにより、ライナ材及びリング材
いずれの摩耗量も低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例における各種ライナ材の表
面からの距離に応じた硬度の測定結果を示すグラフ、第
2図は、同じく、各種ライナ材の硫酸腐食試験の結果を
示す腐食減量のグラフ、第3図は、各種ライナ材とリン
グ材の組合せによるライナ及びリングの摩耗量の測定結
果を示すグラフ、第4図は、本発明ライナ材とピストン
トップリング材との組合せ及び従来材の組合せによる実
機試験のLOCの経時変化を示すグラフ、第5図〜第7図
は、ライナ表面のプラトーホーニング加工から仕上げホ
ーニングまでの各段階の要部拡大断面図である。 (A)……窒素化合物層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16J 9/26 F16J 9/26 C 10/04 10/04 (56)参考文献 特開 昭61−136659(JP,A) 特開 昭57−194241(JP,A) 特開 昭60−174870(JP,A) 実開 昭62−83864(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C2.8〜3.6%を含有し、残部Feである鋳鉄
    中に、P0.3〜0.6%、Cr0.6〜0.9%、Si1.3〜1.8%を添
    加し、更にCa−Cuを接種するか又はCuを添加したライナ
    材の摺動面に、厚さが10μm以内で硬さがHv440よりも
    硬い窒化物層をホーニング加工することにより厚さが3
    μm以上になるように生成したシリンダライナに、母材
    をマルテンサイト系ステンレス鋼とし、表面に窒化処理
    を施したピストンリングをトップリングとして使用する
    ことを特徴とする内燃機関用シリンダライナとピストン
    リングの組合せ。
JP63257988A 1988-10-13 1988-10-13 内燃機関用シリンダライナとピストンリングの組合せ Expired - Lifetime JP2775159B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63257988A JP2775159B2 (ja) 1988-10-13 1988-10-13 内燃機関用シリンダライナとピストンリングの組合せ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63257988A JP2775159B2 (ja) 1988-10-13 1988-10-13 内燃機関用シリンダライナとピストンリングの組合せ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02104653A JPH02104653A (ja) 1990-04-17
JP2775159B2 true JP2775159B2 (ja) 1998-07-16

Family

ID=17313987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63257988A Expired - Lifetime JP2775159B2 (ja) 1988-10-13 1988-10-13 内燃機関用シリンダライナとピストンリングの組合せ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2775159B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0730347U (ja) * 1993-11-01 1995-06-06 帝国ピストンリング株式会社 エンジン
RU2470172C1 (ru) * 2011-09-21 2012-12-20 Федеральное государственное учреждение "Всероссийский научно-исследовательский институт по проблемам гражданской обороны и чрезвычайных ситуаций МЧС России" (федеральный центр науки и высоких технологий) Гильза цилиндра

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57194241A (en) * 1981-05-26 1982-11-29 Yanmar Diesel Engine Co Ltd Wear resistant cast ferroalloy
JPS60174870A (ja) * 1984-02-16 1985-09-09 Teikoku Piston Ring Co Ltd ピストンリング
JPS61136659A (ja) * 1984-12-08 1986-06-24 Yanmar Diesel Engine Co Ltd デイ−ゼル機関用シリンダライナ
JPS6283864U (ja) * 1985-11-15 1987-05-28

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02104653A (ja) 1990-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4557731B2 (ja) 耐食性と耐摩耗性に優れた鋳鉄
JP6096996B1 (ja) 片状黒鉛鋳鉄製円筒部材
JPH11264468A (ja) ピストンリング及びその組合せ
JP2775159B2 (ja) 内燃機関用シリンダライナとピストンリングの組合せ
JP4757685B2 (ja) ピストンリング
US4948556A (en) Piston ring material and piston ring
JPS6113064A (ja) 内燃機関用ピストンリング
JP4267588B2 (ja) ピストンリング
JP2005061389A (ja) 内燃機関用ピストンリング
JP6029790B2 (ja) 組合せオイルコントロールリング
JPH0518316A (ja) 内燃機関用のシリンダ
JPH05186854A (ja) ピストンリング材
JPS58117896A (ja) 摺動部材
JP3143835B2 (ja) ピストンリングの組合せ
JP3484076B2 (ja) 内燃機関用ピストンリング
JPH10213003A (ja) ピストンリングとシリンダライナの組合せ構造
JPS6082654A (ja) 摺動部材
JPH0127145B2 (ja)
JPH11287326A (ja) アルミシリンダ用ピストンリング
JPH03122257A (ja) ピストンリング材
JPH10204678A (ja) 摺動部材およびその製造方法
JP2000097339A (ja) ピストンリングの組合せ
JPH06235096A (ja) 摺動部材
US20220025829A1 (en) Cylinder liner and manufacturing method for same
JPH01208435A (ja) ピストンリング材