JPH10213003A - ピストンリングとシリンダライナの組合せ構造 - Google Patents
ピストンリングとシリンダライナの組合せ構造Info
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- JPH10213003A JPH10213003A JP1402597A JP1402597A JPH10213003A JP H10213003 A JPH10213003 A JP H10213003A JP 1402597 A JP1402597 A JP 1402597A JP 1402597 A JP1402597 A JP 1402597A JP H10213003 A JPH10213003 A JP H10213003A
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- piston ring
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 船舶、自動車等およびその他の内燃機関に使
用される耐摩耗性、耐焼付き性に優れたシリンダライナ
とピストンリングの組合せ構造を提供する。 【解決手段】 内燃機関に用いるピストンリングとシリ
ンダライナにおいて、外周面に硬質セラミックス被覆ま
たは複合クロムメッキの少なくとも１種を施した被覆層
を有するピストンリングと、重量％で、Ｃ：０．２５〜
２．２％、およびＣｒ，Ｍｏ，Ｗ，Ｖの少なくとも１種
以上を合計で０．６〜１８重量％含有し、残部Ｆｅおよ
び不可避的不純物からなる鋼からなるシリンダライナ
と、かつ前記シリンダライナ内周表面に窒化処理により
表面から深さ３０μｍ以上の層が硬度（Hv）：４００以
上の窒化層と、前記窒化処理後のホーニング加工により
前記窒化層の最表面のポーラス層を５μｍ以下としたシ
リンダライナとで構成されるピストンリングとシリンダ
ライナの組合せ構造。
用される耐摩耗性、耐焼付き性に優れたシリンダライナ
とピストンリングの組合せ構造を提供する。 【解決手段】 内燃機関に用いるピストンリングとシリ
ンダライナにおいて、外周面に硬質セラミックス被覆ま
たは複合クロムメッキの少なくとも１種を施した被覆層
を有するピストンリングと、重量％で、Ｃ：０．２５〜
２．２％、およびＣｒ，Ｍｏ，Ｗ，Ｖの少なくとも１種
以上を合計で０．６〜１８重量％含有し、残部Ｆｅおよ
び不可避的不純物からなる鋼からなるシリンダライナ
と、かつ前記シリンダライナ内周表面に窒化処理により
表面から深さ３０μｍ以上の層が硬度（Hv）：４００以
上の窒化層と、前記窒化処理後のホーニング加工により
前記窒化層の最表面のポーラス層を５μｍ以下としたシ
リンダライナとで構成されるピストンリングとシリンダ
ライナの組合せ構造。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶、自動車等お
よびその他の内燃機関に使用されるピストンリングとシ
リンダライナの組合せ構造に関するもので、特にシリン
ダライナの薄肉軽量化が可能であり、耐摩耗性、耐焼付
き性に優れたピストンリングとシリンダライナの組合せ
構造に関するものである。
よびその他の内燃機関に使用されるピストンリングとシ
リンダライナの組合せ構造に関するもので、特にシリン
ダライナの薄肉軽量化が可能であり、耐摩耗性、耐焼付
き性に優れたピストンリングとシリンダライナの組合せ
構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年の内燃機関エンジンの高出力化に伴
いシリンダライナの強度向上および軽量化を目的として
従来のねずみ鋳鉄製シリンダライナに代わり鋼製シリン
ダライナが開発されているが、この鋼製シリンダライナ
は前述の鋳鉄製シリンダライナに比較して摺動特性が悪
いために鋳鉄製シリンダライナほど需要がないのが現状
である。この要求を満たすべく様々な提案がなされてい
る。実公昭５４−２９３６５号公報には、鋼製シリンダ
ライナの内周面に窒化処理を施して摺動特性を改善した
ものも提案されているが、最近の著しいエンジンの高出
力化には対応できるほど摺動特性が改善されていない。
また、特開平７−１８０６０８号公報および特開平７−
１９７８５０号公報においては、鋼製シリンダライナと
表面にＰＶＤ皮膜を形成したピストンリングとの組合せ
構造も提案されているが、依然として耐焼付き性に問題
があった。一方、ピストンリングの表面硬化処理法とし
てＰＶＤまたはＣＶＤによるＣｒＮ，ＴｉＮあるいはＣ
ｒ2 Ｎのような窒化物皮膜を形成する技術もあるが、自
己摩耗の低減には硬化的であるものの鋳鉄製のシリンダ
ライナを過剰に摩耗させてしまう等の問題点があった。
いシリンダライナの強度向上および軽量化を目的として
従来のねずみ鋳鉄製シリンダライナに代わり鋼製シリン
ダライナが開発されているが、この鋼製シリンダライナ
は前述の鋳鉄製シリンダライナに比較して摺動特性が悪
いために鋳鉄製シリンダライナほど需要がないのが現状
である。この要求を満たすべく様々な提案がなされてい
る。実公昭５４−２９３６５号公報には、鋼製シリンダ
ライナの内周面に窒化処理を施して摺動特性を改善した
ものも提案されているが、最近の著しいエンジンの高出
力化には対応できるほど摺動特性が改善されていない。
また、特開平７−１８０６０８号公報および特開平７−
１９７８５０号公報においては、鋼製シリンダライナと
表面にＰＶＤ皮膜を形成したピストンリングとの組合せ
構造も提案されているが、依然として耐焼付き性に問題
があった。一方、ピストンリングの表面硬化処理法とし
てＰＶＤまたはＣＶＤによるＣｒＮ，ＴｉＮあるいはＣ
ｒ2 Ｎのような窒化物皮膜を形成する技術もあるが、自
己摩耗の低減には硬化的であるものの鋳鉄製のシリンダ
ライナを過剰に摩耗させてしまう等の問題点があった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものでエンジンの高出力化に伴う過酷な使用
環境においても十分耐えられ、薄肉軽量化可能のシリン
ダライナを実現する優れたピストンリングとシリンダラ
イナの組合せ構造を提供するものである。
を解決するものでエンジンの高出力化に伴う過酷な使用
環境においても十分耐えられ、薄肉軽量化可能のシリン
ダライナを実現する優れたピストンリングとシリンダラ
イナの組合せ構造を提供するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は上記要求を満足
するものとしてシリンダライナの材質を改善するととも
にシリンダライナ内周表面に窒化層を形成し、更にピス
トンリング外周面に気相法（好ましくは、ＰＶＤ，ＣＶ
Ｄ法）により硬質層または複合クロムメッキ層を形成す
るものであり、その要旨は以下のとおりである。 （１）内燃機関に用いるピストンリングとシリンダライ
ナにおいて、外周面に硬質セラミックス被覆または複合
クロムメッキの少なくとも１種を施した被覆層を有する
ピストンリングと、重量％で、Ｃ：０．２５〜２．２
％、およびＣｒ，Ｍｏ，Ｗ，Ｖの少なくとも１種以上を
合計で０．６〜１８重量％含有し、残部Ｆｅおよび不可
避的不純物からなる鋼からなるシリンダライナと、かつ
前記シリンダライナ内周表面に窒化処理により表面から
深さ３０μｍ以上の層が硬度（Hv）：４００以上の窒化
層であり、かつ前記窒化処理後のホーニング加工により
前記窒化層の最表面のポーラス層を５μｍ以下としたシ
リンダライナとで構成されるピストンリングとシリンダ
ライナの組合せ構造。 （２）前記ピストンリングの外周に３〜２０wt％の酸素
が固溶したＣｒＮ皮膜で被覆した前記（１）記載のピス
トンリングとシリンダライナの組合せ構造。
するものとしてシリンダライナの材質を改善するととも
にシリンダライナ内周表面に窒化層を形成し、更にピス
トンリング外周面に気相法（好ましくは、ＰＶＤ，ＣＶ
Ｄ法）により硬質層または複合クロムメッキ層を形成す
るものであり、その要旨は以下のとおりである。 （１）内燃機関に用いるピストンリングとシリンダライ
ナにおいて、外周面に硬質セラミックス被覆または複合
クロムメッキの少なくとも１種を施した被覆層を有する
ピストンリングと、重量％で、Ｃ：０．２５〜２．２
％、およびＣｒ，Ｍｏ，Ｗ，Ｖの少なくとも１種以上を
合計で０．６〜１８重量％含有し、残部Ｆｅおよび不可
避的不純物からなる鋼からなるシリンダライナと、かつ
前記シリンダライナ内周表面に窒化処理により表面から
深さ３０μｍ以上の層が硬度（Hv）：４００以上の窒化
層であり、かつ前記窒化処理後のホーニング加工により
前記窒化層の最表面のポーラス層を５μｍ以下としたシ
リンダライナとで構成されるピストンリングとシリンダ
ライナの組合せ構造。 （２）前記ピストンリングの外周に３〜２０wt％の酸素
が固溶したＣｒＮ皮膜で被覆した前記（１）記載のピス
トンリングとシリンダライナの組合せ構造。
【０００５】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の特徴の一つは外周
面を硬質セラミックス被覆または複合クロムメッキの少
なくとも１種を施した被覆層を有するピストンリングに
ある。前述の硬質セラミックス被覆は、例えばＣｒＮ，
Ｃｒ2 Ｎ，ＣｒＮ−ＯあるいはＴｉＮ皮膜あるいはＳｉ
3 Ｎ4 粒子、複合Ｃｒメッキを施すことであり、これら
のセラミックス皮膜は気相法、好ましくは、ＰＶＤ，Ｃ
ＶＤ法、最も好ましくはアークイオンプレーテイング法
により処理圧力：１０mTorr 、バイアス：−３０Ｖによ
って得られ、また、複合Ｃｒメッキは、浴温度：５５℃
で正電、逆電の電流密度を周期的に付与することによっ
て得られる。硬質セラミックス被覆のなかでは、好まし
くは、酸素を３〜２０wt％固溶したＣｒＮ皮膜であるこ
とが推奨される。この処理によってピストンリング表層
部においては、Hv硬度で１，２００以上の高硬度を達成
することができる。
面を硬質セラミックス被覆または複合クロムメッキの少
なくとも１種を施した被覆層を有するピストンリングに
ある。前述の硬質セラミックス被覆は、例えばＣｒＮ，
Ｃｒ2 Ｎ，ＣｒＮ−ＯあるいはＴｉＮ皮膜あるいはＳｉ
3 Ｎ4 粒子、複合Ｃｒメッキを施すことであり、これら
のセラミックス皮膜は気相法、好ましくは、ＰＶＤ，Ｃ
ＶＤ法、最も好ましくはアークイオンプレーテイング法
により処理圧力：１０mTorr 、バイアス：−３０Ｖによ
って得られ、また、複合Ｃｒメッキは、浴温度：５５℃
で正電、逆電の電流密度を周期的に付与することによっ
て得られる。硬質セラミックス被覆のなかでは、好まし
くは、酸素を３〜２０wt％固溶したＣｒＮ皮膜であるこ
とが推奨される。この処理によってピストンリング表層
部においては、Hv硬度で１，２００以上の高硬度を達成
することができる。
【０００６】また、本発明においてはシリンダライナに
使用する材質とその表層部に特徴を有している。第一に
シリンダライナの材質であるが、化学成分として、重量
％で、Ｃ：０．２５〜２．２％、およびＣｒ，Ｍｏ，
Ｗ，Ｖの少なくとも１種以上を合計で０．６〜１８重量
％含有する鋼製シリンダライナとすることにある。Ｃ：
０．２５〜２．２％を含有する理由は、この範囲で塑性
加工と切削加工とを組合せて製造性が容易になる。０．
２５％以下では必要とするシリンダライナの強度および
硬度が確保できず、また、２．２％以上では必要な強
度、硬度は確保できるが塑性加工性が低下し、割れが発
生するためにこの上限値とする。更に、必要な耐摩耗
性、耐焼付き性の付与および窒化処理後の窒化層が硬す
ぎて脆くなることがないという点からＣｒ，Ｍｏ，Ｗ，
Ｖの少なくとも１種以上を０．６〜１８wt％添加する。
更に、前記シリンダライナ内周表面に窒化処理により表
面から深さ３０μｍ以上の層が硬度（Hv）：４００以上
の窒化層であり、かつ前記窒化処理後のホーニング加工
により前記窒化層の最表面のポーラス層を５μｍ以下と
したシリンダライナとする。
使用する材質とその表層部に特徴を有している。第一に
シリンダライナの材質であるが、化学成分として、重量
％で、Ｃ：０．２５〜２．２％、およびＣｒ，Ｍｏ，
Ｗ，Ｖの少なくとも１種以上を合計で０．６〜１８重量
％含有する鋼製シリンダライナとすることにある。Ｃ：
０．２５〜２．２％を含有する理由は、この範囲で塑性
加工と切削加工とを組合せて製造性が容易になる。０．
２５％以下では必要とするシリンダライナの強度および
硬度が確保できず、また、２．２％以上では必要な強
度、硬度は確保できるが塑性加工性が低下し、割れが発
生するためにこの上限値とする。更に、必要な耐摩耗
性、耐焼付き性の付与および窒化処理後の窒化層が硬す
ぎて脆くなることがないという点からＣｒ，Ｍｏ，Ｗ，
Ｖの少なくとも１種以上を０．６〜１８wt％添加する。
更に、前記シリンダライナ内周表面に窒化処理により表
面から深さ３０μｍ以上の層が硬度（Hv）：４００以上
の窒化層であり、かつ前記窒化処理後のホーニング加工
により前記窒化層の最表面のポーラス層を５μｍ以下と
したシリンダライナとする。
【０００７】窒化処理は、ガス窒化、タフトライド等の
方法を適用することができる。材質に応じて処理速度又
は時間を調整し、窒化層の硬さと深さを調整する。ガス
窒化処理の場合、反応性ガスとしてＮＨ2 ＋Ｎ2 を使用
し、表２のような温度と時間で窒化処理を行う。本発明
は、前述したピストンリングとシリンダライナとで構成
される組合せ構造とする。このような構成とすることに
より、シリンダライナ全体に窒化層を形成しても使用中
に割れが発生することがなく、また、このような鋼製シ
リンダライナとすることで鋳鉄製のシリンダライナに比
較し引張強度および圧縮強度等の強度特性に優れ、薄
肉、軽量化のシリンダライナとすることが可能となる。
また、前述のようにシリンダライナ表面に窒化処理によ
り表面から深さ３０μｍ以上の層が硬度（Hv）：４００
以上の窒化層を形成し、更にホーニング加工し窒化層の
最表面のポーラス層を５μｍ以下とすることで潤滑性能
を格段に向上させることが可能となる。
方法を適用することができる。材質に応じて処理速度又
は時間を調整し、窒化層の硬さと深さを調整する。ガス
窒化処理の場合、反応性ガスとしてＮＨ2 ＋Ｎ2 を使用
し、表２のような温度と時間で窒化処理を行う。本発明
は、前述したピストンリングとシリンダライナとで構成
される組合せ構造とする。このような構成とすることに
より、シリンダライナ全体に窒化層を形成しても使用中
に割れが発生することがなく、また、このような鋼製シ
リンダライナとすることで鋳鉄製のシリンダライナに比
較し引張強度および圧縮強度等の強度特性に優れ、薄
肉、軽量化のシリンダライナとすることが可能となる。
また、前述のようにシリンダライナ表面に窒化処理によ
り表面から深さ３０μｍ以上の層が硬度（Hv）：４００
以上の窒化層を形成し、更にホーニング加工し窒化層の
最表面のポーラス層を５μｍ以下とすることで潤滑性能
を格段に向上させることが可能となる。
【０００８】上述したピストンリングとシリンダライナ
とで構成される組合せにより、摺動部の焼付き特性の優
れたピストンリングとシリンダライナ組合せ構造とする
ことができる。
とで構成される組合せにより、摺動部の焼付き特性の優
れたピストンリングとシリンダライナ組合せ構造とする
ことができる。
【０００９】
＜実施例１＞表１に示すように成分調整した鋼製シリン
ダライナと比較のための鋳鉄シリンダライナを準備し、
表２に示す窒化処理条件で前記鋼製シリンダライナ表層
部に窒化層を形成した。また、比較のための焼入れ焼戻
しを行ったシリンダライナも準備した。
ダライナと比較のための鋳鉄シリンダライナを準備し、
表２に示す窒化処理条件で前記鋼製シリンダライナ表層
部に窒化層を形成した。また、比較のための焼入れ焼戻
しを行ったシリンダライナも準備した。
【００１０】
【表１】
【００１１】
【表２】
【００１２】上記のシリンダライナから、長さ：７０m
m、幅：１７mmの試験片を切り出して焼付き試験の下試
片とした。次いで、直径：８mmφ、高さ：２５mmの丸棒
の一端に１８Ｒの球面加工を施し、ＣｒＮ，Ｃｒ2 Ｎ，
ＣｒＮ−Ｏ，ＴｉＮおよびＳｉ3 Ｎ4 、複合Ｃｒメッキ
を厚さ：ＴｉＮは５μｍ、その他は約５０μｍの硬質セ
ラミックス層ならびにメッキ層を前記球面上に形成し、
研摩仕上げしたものを焼付き試験および摩耗試験の上試
片とした。焼付き試験機は、往復動摩耗試験機を用い、
初期荷重２０Ｎ、往復速度：０．２ｍ／sec で、１分お
きに２０Ｎづつ荷重し、焼付き発生時の荷重を焼付き荷
重値とした。摩耗試験は、往復動摩耗試験機を用い、荷
重４９Ｎ、摺動速度：１ｍ／sec の条件で、軽油相当の
潤滑油を使用した。
m、幅：１７mmの試験片を切り出して焼付き試験の下試
片とした。次いで、直径：８mmφ、高さ：２５mmの丸棒
の一端に１８Ｒの球面加工を施し、ＣｒＮ，Ｃｒ2 Ｎ，
ＣｒＮ−Ｏ，ＴｉＮおよびＳｉ3 Ｎ4 、複合Ｃｒメッキ
を厚さ：ＴｉＮは５μｍ、その他は約５０μｍの硬質セ
ラミックス層ならびにメッキ層を前記球面上に形成し、
研摩仕上げしたものを焼付き試験および摩耗試験の上試
片とした。焼付き試験機は、往復動摩耗試験機を用い、
初期荷重２０Ｎ、往復速度：０．２ｍ／sec で、１分お
きに２０Ｎづつ荷重し、焼付き発生時の荷重を焼付き荷
重値とした。摩耗試験は、往復動摩耗試験機を用い、荷
重４９Ｎ、摺動速度：１ｍ／sec の条件で、軽油相当の
潤滑油を使用した。
【００１３】焼付き試験および摩耗試験用上試片（ピス
トンリング相当）の表面処理条件としては、アークイオ
ンプレーテイング装置を使用し、処理圧力：１０mTorr
、バイアス：−３０ＶでＣｒＮ，Ｃｒ2 Ｎ，ＣｒＮ−
Ｏ，ＴｉＮ皮膜を形成した。その時の各皮膜硬度は、Ｃ
ｒＮ：Hv＝１，６００，Ｃｒ2 Ｎ：Hv＝１，６００，Ｃ
ｒＮ−Ｏ：Hv＝１，８００，ＴｉＮ：Hv＝２，０００で
あった。また、Ｓｉ3 Ｎ 4 複合Ｃｒメッキ皮膜付与条件
は、メッキ浴組成として、ＣｒＯ3 ：２５０ｇ／ｌ，Ｈ
2 ＳＯ4 ：２．５ｇ／ｌ，Ｈ2 ＳｉＦ6 ：５ｇ／ｌ，Ｓ
ｉ3 Ｎ4 ：適量とし、浴温度：５５℃、電流密度（正電
時、逆電時とも）５０Ａ／dm2 、メッキ１周期は、正
電：６００sec 、逆電：６０sec とした。試験結果を表
３に示す。
トンリング相当）の表面処理条件としては、アークイオ
ンプレーテイング装置を使用し、処理圧力：１０mTorr
、バイアス：−３０ＶでＣｒＮ，Ｃｒ2 Ｎ，ＣｒＮ−
Ｏ，ＴｉＮ皮膜を形成した。その時の各皮膜硬度は、Ｃ
ｒＮ：Hv＝１，６００，Ｃｒ2 Ｎ：Hv＝１，６００，Ｃ
ｒＮ−Ｏ：Hv＝１，８００，ＴｉＮ：Hv＝２，０００で
あった。また、Ｓｉ3 Ｎ 4 複合Ｃｒメッキ皮膜付与条件
は、メッキ浴組成として、ＣｒＯ3 ：２５０ｇ／ｌ，Ｈ
2 ＳＯ4 ：２．５ｇ／ｌ，Ｈ2 ＳｉＦ6 ：５ｇ／ｌ，Ｓ
ｉ3 Ｎ4 ：適量とし、浴温度：５５℃、電流密度（正電
時、逆電時とも）５０Ａ／dm2 、メッキ１周期は、正
電：６００sec 、逆電：６０sec とした。試験結果を表
３に示す。
【００１４】
【表３】
【００１５】表３から分かるように、本発明のピストン
リング材とシリンダライナを組合せた場合では、実施例
１〜６は、比較材１〜１０に比べて約１．５倍以上の焼
付き荷重値を示し、本発明においては耐焼付き性が優れ
ていることが容易に分かる。また、比較材１〜６は、従
来の鋼製シリンダライナとＰＶＤ皮膜を形成したピスト
ンリング材の組合せに相当しており本発明の優位性が理
解できる。さらに、耐摩耗性についても本発明は優れて
いることが分かる。
リング材とシリンダライナを組合せた場合では、実施例
１〜６は、比較材１〜１０に比べて約１．５倍以上の焼
付き荷重値を示し、本発明においては耐焼付き性が優れ
ていることが容易に分かる。また、比較材１〜６は、従
来の鋼製シリンダライナとＰＶＤ皮膜を形成したピスト
ンリング材の組合せに相当しており本発明の優位性が理
解できる。さらに、耐摩耗性についても本発明は優れて
いることが分かる。
【００１６】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による鋼製シ
リンダライナとＰＶＤあるいは複合Ｃｒメッキ処理した
ピストンリングとの組合せ構造は、優れた耐摩耗性およ
び耐焼付き性を有しているため、本発明においてはシリ
ンダライナを従来よりも薄肉・軽量化を図れ、シリンダ
ライナとピストンリングの組合せが十分可能になる。
リンダライナとＰＶＤあるいは複合Ｃｒメッキ処理した
ピストンリングとの組合せ構造は、優れた耐摩耗性およ
び耐焼付き性を有しているため、本発明においてはシリ
ンダライナを従来よりも薄肉・軽量化を図れ、シリンダ
ライナとピストンリングの組合せが十分可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｆ１６Ｊ 10/04 Ｆ１６Ｊ 10/04
Claims (2)
- 【請求項１】 内燃機関に用いるピストンリングとシリ
ンダライナにおいて、外周面に硬質セラミックス被覆ま
たは複合クロムメッキの少なくとも１種を施した被覆層
を有するピストンリングと、重量％で、Ｃ：０．２５〜
２．２％、およびＣｒ，Ｍｏ，Ｗ，Ｖの少なくとも１種
以上を合計で０．６〜１８重量％含有し、残部Ｆｅおよ
び不可避的不純物からなる鋼からなるシリンダライナ
と、かつ前記シリンダライナ内周表面に窒化処理により
表面から深さ３０μｍ以上の層が硬度（Hv）：４００以
上の窒化層であり、かつ前記窒化処理後のホーニング加
工により前記窒化層の最表面に５μｍ以下のポーラス層
を有するシリンダライナとで構成されることを特徴とす
るピストンリングとシリンダライナの組合せ構造。 - 【請求項２】 前記ピストンリングの外周に３〜２０wt
％の酸素が固溶したＣｒＮ皮膜で被覆したことを特徴と
する請求項１記載のピストンリングとシリンダライナの
組合せ構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1402597A JPH10213003A (ja) | 1997-01-28 | 1997-01-28 | ピストンリングとシリンダライナの組合せ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1402597A JPH10213003A (ja) | 1997-01-28 | 1997-01-28 | ピストンリングとシリンダライナの組合せ構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10213003A true JPH10213003A (ja) | 1998-08-11 |
Family
ID=11849647
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1402597A Pending JPH10213003A (ja) | 1997-01-28 | 1997-01-28 | ピストンリングとシリンダライナの組合せ構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10213003A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19940022C2 (de) * | 1998-08-31 | 2003-06-12 | Nippon Piston Ring Co Ltd | Kolbenringkombination für einen Dieselmotor mit Direkteinspritzung |
| JP2012521488A (ja) * | 2009-03-26 | 2012-09-13 | フェデラル−モーグル ブルシェイド ゲーエムベーハー | ピストンリングとシリンダーライナの製造用窒化可能な鋼組成物 |
| US20160084379A1 (en) * | 2013-05-09 | 2016-03-24 | Mahle Metal Leve S/A | Running set, piston bushing and engine block |
-
1997
- 1997-01-28 JP JP1402597A patent/JPH10213003A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19940022C2 (de) * | 1998-08-31 | 2003-06-12 | Nippon Piston Ring Co Ltd | Kolbenringkombination für einen Dieselmotor mit Direkteinspritzung |
| JP2012521488A (ja) * | 2009-03-26 | 2012-09-13 | フェデラル−モーグル ブルシェイド ゲーエムベーハー | ピストンリングとシリンダーライナの製造用窒化可能な鋼組成物 |
| US20160084379A1 (en) * | 2013-05-09 | 2016-03-24 | Mahle Metal Leve S/A | Running set, piston bushing and engine block |
| US10006545B2 (en) * | 2013-05-09 | 2018-06-26 | Mahle International Gmbh | Running set, piston bushing and engine block |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050411 |
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| A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050419 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20050823 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |