JP2774589B2 - 金属部材の結合方法およびそれに用いる装置 - Google Patents

金属部材の結合方法およびそれに用いる装置

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    • B21K25/00Uniting components to form integral members, e.g. turbine wheels and shafts, caulks with inserts, with or without shaping of the components

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は金属の結合方法およびそれに用いる装置に係
わり、特に、簡便な手段を以て極めて強固な結合を実現
することのできる金属部材の結合方法およびそれに用い
る装置を提供することを目的とするものである。
〔従来の技術〕
金属部材どうしを接合するにあたっては、種々の方法
が既に実施あるいは提案されている。金属部材の結合の
中でも、例えば、駆動系におけるロッド等と、それらロ
ッド等に設けられることにより何等かの運動を与えられ
る部材との結合などは、両部材間に極めて大きな応力を
伝達しなければならず、特に強化な結合が望まれるもの
である。
従来、このような、金属どうしの強化な結合を実現す
るための方法としては、例えば、i)円筒部材と軸との
結合を行うに際し、第17図,第18図に示す如く、円筒部
材1および軸2にそれぞれ嵌め合い部1a,1b,2a,2bを形
成するとともに、一方の嵌め合い部1a,2aを他方の嵌め
合い部1b,2bに対して偏心させ、かつ、双方の嵌め合い
部1a,2a,1b,2bを締まりばめによって結合させる方法
(特開昭63−158306号公報等)、ii)第19図,第20図に
示すように、結合すべき2部材3,4の結合面に凹部3a,4a
を形成するとともに、両部材間3,4に両部材よりも変形
抵抗が小さくかつ所定の機械的強度を有する結合部材5
を介在させ、該結合部材5を加圧変形させることにより
該結合部材5を塑性流動させで前記凹部3a,4a内に流入
させ、この結合部材5のせん断力と緊迫力にて2部材3,
4を結合する方法(特開昭55−141340号公報等)、iii)
被結合材の結合面に凹部を形成し、この被結合材と結合
させる他方の部材を加圧変形させることにより該部材の
一部を前記被結合材の凹部に塑性流動させることにより
結合する方法(特開昭57−146444号公報、特開昭59−14
1341号公報等)などが提供されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記各方法においてはそれぞれ下記の如き
不都合な点を有するものであった。
すなわち、上記i)の方法によれば、確かに通常の単
純な締まりばめよりも強固な結合を可能にすることがで
き、大きなトルクが負荷されるような場合に適用するこ
とができるものの、元来より厳密な寸法設定を要求され
る締まりはめ結合において、円筒部材1および軸2の双
方に偏心した嵌め合い部1a,2aを形成することは極めて
コストの掛かる作業となり不経済となるばかりでなく、
結合後両部材1,2に偏った残留応力が生ずるものとな
り、耐久性等の面での不安が残る。
また、上記ii)の方法では、結合強度の均一性が得ら
れると共に結合工程が単純となり生産性が改善されると
いった利点は得られるが、結合強度が、両部材よりも変
形抵抗を小さくされた結合部材5の材料強度に支配され
強大な結合力は期待できない。
そして、上記iii)の方法では、結合部材自体を塑性
流動させるためii)の方法よりも強固な結合が望めるも
のの、塑性流動を生じさせる際、2部材間に1軸方向の
押圧力しか加えないために部材の流動性が低く、そのた
めに極めて大きな加圧力を必要とする上、塑性流動を起
こした部分が入り込むための前記凹部の形状が限定され
るといった問題があった。すなわち、2部材間に1軸方
向の押圧力しか与えないため該押圧力によって生ずる応
力も一方向的なものとなり、部材の流動は一定方向のみ
に生ずるものとなる。したがって、複雑な形状の凹部
(溝部)に対しては流動部が完全には充満されにくく空
隙を生じるおそれがあり、この空隙部が応力集中を招く
原因となるため、それら凹部の形状としては流動金属が
容易に入り込むことのできる極めて単純なものに限られ
る上に、回転抵抗、引き抜き抵抗等といった所期の結合
強度を得るためには、凹部に特別に加工を施す必要があ
る、等の問題が生ずるものとなる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その
目的とするところは、単純な手段をもって容易に、卓越
した結合力を得ることのできる金属部材の結合方法およ
びそれに用いる装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
請求項1に記載した発明は、嵌合穴を形成してなる第
1の金属部材と前記嵌合穴に挿入される第2の金属部材
とを結合するにあたり、第1の金属部材の前記嵌合穴に
第2の金属部材を挿入した後、これら両金属部材のうち
一方を前記嵌合穴の軸方向に挾圧しながら該挾圧部間に
前記嵌合穴の軸回り方向の相対的なねじり力を与え、こ
れら押圧力およびねじり力によって生ずる複合応力によ
り前記一方の金属部材に塑性流動を生ぜしめて両金属部
材を結合することを特徴とするものである。
また、請求項2に記載した発明は、請求項1記載の金
属部材の結合方法において、前記第1の金属部材および
第2の金属部材のうち塑性流動を生ぜしめる方の金属部
材を該金属部材の温間成形温度に加熱した状態で実施す
ることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載した発明は、請求項1に記載し
た方法を用いて金属部材を結合するための金属部材の結
合装置であって、前記第1または第2の金属部材の少な
くとも一方の金属部材における軸方向両端部にそれぞれ
当接可能とされた当接部材と、これら両当接部材間に押
圧力を付加する挾圧手段と、前記両当接部材の少なくと
も一方を軸周り方向に回動させることによりこれら両当
接部材間にねじり力を付与する回動手段と、を備えてい
ることを特徴とするものである。
さらに、請求項4に記載した発明は、請求項3記載の
結合装置において、第1の金属部材の全外周面に当接し
て該第1の金属部材を拘束するホルダーを設け、かつ該
ホルダーにさらに加熱手段を設けたものである。
〔作用〕 一方の金属部材を押圧しながら両金属部材に相対回転
を与えることにより、押圧された部材にはこの押圧力と
回転力とによる複合応力が生じるものとなる。このた
め、小さな荷重で充分な塑性流動を生じせしめることが
でき、これにより、従来、充填性の点で不可能とされて
いた形状の凹部(溝)内にも流入金属材を充満させるこ
とが可能となる。
その際、塑性流動を生ぜしめる方の金属部材をその温
間成形温度、すなわち該金属部材の再結晶温度近傍まで
加熱すれば、流動性をさらに高めることができ、極めて
良好な結合作業、一層優れた結合力を実現することがで
きる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。
第1図は本発明に係る金属部材の結合装置の一構成例
を示すもので、図中全体として符号50で示すものが金属
部材の結合装置(以下、単に“結合装置”と略称する)
である。符号51は該結合装置50の枠体を形成するフレー
ムで、このフレーム51には、上ダイス61(当接部材)を
主要構成要素として備える上部駆動部60、および下ダイ
ス71(当接部材)を主要構成要素として備える下部駆動
部70がそれぞれ構成されている。
まず前記上部駆動部60について説明する。
この上部駆動部60の前記上ダイス61は、この場合フレ
ーム51から鉛直方向に垂設された油圧シリンダー62のロ
ッド62aの先端部にカップリング63を介して設けられて
いる。油圧シリンダー62は油圧管64,64′を介して油圧
ポンプ65と接続されている。前記上ダイス61は第2図に
拡大して示すように全体として円盤状を呈し、その軸中
心部には後述する棒状部材20を逃がすための貫通孔61a
を有している。同様に前記カップリング63の軸中心部に
も棒状部材20を逃がすための逃がし穴63aが形成されて
いる。また、この上ダイス61は、外周部から中心部に向
かうにしたがって同心円的に片面側に突出する如く形成
されることにより段階的に肉厚となるように構成されて
おり、これにより前記貫通孔61aの下端周縁部には凸リ
ング部61bが形成されている。
次いで第1図の下部駆動部70について説明する。下部
駆動部70の下ダイス71は、前記上ダイス61と同軸的に対
向して、後述する回転シャフト81の上端部のフランジ部
81aに設けられている。この下ダイス71は第2図に示す
如く、上記上ダイス61同様その軸中心部が最も肉厚に形
成され、貫通孔71aの上端周縁部に凸リング部71bを形成
している。ただし、ここで、この下ダイス71における凸
リング部71bのリング部幅は前記上ダイス61における凸
リング部61bのリング部幅よりも狭いもので、かつその
上端面71b′は第3図あるいは第4図に示すようにアー
ル面あるいはテーパ面に形成されたものとなっている。
さらに、前記下ダイス71の外周部には、該下ダイス71
の上方において該下ダイス71と同軸的に形成されるセッ
ト穴72aを構成するホルダー72が設けてある。このホル
ダー72は、その基端部に設けられたダイセット73を締結
することによりしっかりと固定され、外力に対して前記
セット穴72aの形状を保持し得るものとなっている。
また、第1図中符号74は、前記回転シャフト81の駆動
源となるモーターであり、この場合このモーター74の駆
動力は、Vベルト75を介してフライホイール76に、さら
に該フライホイール76の出力軸77に設けられたピニオン
ギヤー78、該ピニオンギヤー78と噛合するメインギヤー
79を介して回転シャフト81に伝達されるものとなってい
る。また、フライホイール76に設けられた前記出力軸77
の一端部には、クラッチ・ブレーキ機構80が構成されて
いる。
以上のように構成された結合装置50では、前記上ダイ
ス61および下ダイス71により本発明に係る当接部が、ま
た、前記油圧シリンダー62等により本発明に係る挾圧手
段が、そして、前記モーター74〜回転シャフト81等によ
り本発明に係る回動手段が構成されたものとなってい
る。
次に、上記結合装置50の作用と共に、本発明に係る金
属部材の結合方法の一実施例について説明する。
第1図ないし第3図において、符号10は嵌合穴11を有
してなる環状部材(第1の金属部材)、符号20は断面円
形を呈し、前記環状部材10と結合される棒状部材(第2
の金属部材)である。
第3図に示すように前記嵌合穴11の長さ方向中央部の
内径は両端部内径より大径とされ、凹部12を形成してい
る。嵌合穴11の両端部における内径d3,d4は共に、そこ
に対応する棒状部材20の外径d1,d2に対して僅かに大き
く(実施例では0.01〜0.03mm)設定し、棒状部材との間
にクリアランスを形成したものとなっている。
前記環状部材10と棒状部材20との結合は下記の操作お
よび作用によりなされる。
まず、第1図に示すように前記結合装置50の油圧シリ
ンダー62のロッド62aは予め退縮させておき、上ダイス6
1と下ダイス71との間隔を確保しておく。下ダイス71の
貫通孔71aに棒状部材20を挿入し、その後該棒状部材20
に環状部材10を外挿させる。嵌合穴11と棒状部材20との
間には上述した如くクリアランスが形成されているため
環状部材20はスムーズに棒状部材10に外挿することがで
きる。このとき環状部材10は、第2図あるいは第3図に
示すように、その下端面10bにおける嵌合穴11周縁部を
下ダイス71の凸リング部上端面71b′に当接した状態で
支持されるとともに、ホルダー72が形成するセット穴72
a内に装填されたものとなる。この状態となったなら
ば、前記ダイセット73の締め操作を行うことによりホル
ダー72を締め付け、セット穴72a内の環状部材10の外周
面10cの全周を強固に拘束する。
上記の如く環状部材10が棒状部材20に対してセットさ
れたならば、油圧シリンダー62のロッド62aを伸長させ
ることにより上ダイス61を降下させ、その凸リング部61
bを第2図に示す如く環状部材10の上端面10aの嵌合穴11
の上端周縁部に当接させる。
そして、この後、油圧シリンダー62をさらに駆動させ
ることにより上ダイス61を介して環状部材10に軸方向の
押圧力を加え、かつそれと同時に、前記モーター74〜回
転シャフト81によって構成される回動手段を駆動させる
ことにより下ダイス71を軸回りの一方向に回転させる。
このとき、下ダイス71はその凸リング部71bの幅を上リ
ング61の凸リング部61bに対して幅狭に形成された上
に、その凸リング部71bの上端面71b′が第3図ないしは
第4図に示したようにアール面等に形成されているの
で、両当接部材間すなわち上ダイス61,下ダイス71間に
は環状部材10に対しての摩擦力の差が生じ、この場合は
下ダイス71が環状部材10に対してスリップしながら回転
するものとなる。
上記操作により環状部材10には、押圧力(挾圧力)と
ねじり力(回転力)との双方の力が付加されるものとな
る。環状部材10はホルダー72のセット穴72aによりその
外周面10cを拘束されているため、環状部材10の内部に
おける嵌合穴11近傍には、軸方向(厚さ方向)の挾圧力
による応力と、ねじり力による応力とが合成された複合
応力が生じ、環状部材10の中心部近傍部つまり嵌合穴11
の近傍部が縮径されてゆき、棒状部材20に強く圧着され
るものとなる。
ここで、押圧力(挾圧力)により上記の如く環状部材
10の中心部近傍が棒状部材20側に縮径されるのは、塑性
理論における“Trescaの降伏条件”より理論付けられ
る。すなわち、Trescaの降伏条件によれば、材料の変形
抵抗をKf、材料に外力が加えられたときのその材料に生
じた最大主応力をσ、最小主応力σとしたとき、次
式で示す条件、 (σ−σ)》Kf が満足されたとき、材料は最小主応力σの方向に変形
するものとなる。したがって、上記の場合、作用子41に
より環状部材10の中央部近傍を押圧(圧縮)すれば環状
部材10の嵌合穴11近傍が軸中心部に向かって塑性流動す
ることが理解できる。
そしてさらに、ここでは、上記挾圧力に加えてねじり
力が付加されるため、環状部材10の内部には該挾圧力に
よる応力とねじり力による応力とが合成された複合応力
が生じ、これにより塑性流動が極めて容易に、すなわち
小さな荷重で充分な塑性流動を生じせしめることができ
るものとなる。したがって、この方法によれば、押圧力
のみにより塑性流動させた場合に比して格段に強固なる
結合力を得ることができるのである。
なお、上記の如く環状部材10にねじり力を付加すべく
前記回動手段により下ダイス71を回転させる際の回転角
としては、特には限定されないが、前記油圧シリンダー
62により軸方向の押圧力が付加されてから該押圧力付加
が終了するまでの間に、約270゜〜300゜の範囲で回転さ
せることが望ましい。
また、上記方法を実施するにあたり第5図または第6
図に示すように、前記棒状部材20の結合部に突条22ある
いはローレット23等によりセレーション部を形成し、結
合力を増強させることは無論任意に行うことができる。
第7図は上記実施例の変形例を示すもので、上記実施
例が、嵌合穴11を有した環状部材10(第1の金属部材)
を塑性流動させたのに対し、本例のものでは、棒状部材
20の方を塑性流動させるものとしている。この場合、環
状部材10の嵌合穴11を形成する内周面11aには、第8図
にも示すような多数の凹溝13,13,…によりセレーション
が形成されている。
上記の如き棒状部材10と環状部材20とを結合するに
は、環状部材10の外周面10cを上記同様に拘束(ただし
環状部材10全体としては軸回り回動自在に支持)した
後、棒状部材20の両端面20a,20aにおける外周部近傍を
棒状部材20の軸回り方向に回転させながら軸方向に挾圧
すればよい。ただしこの場合、図示は省略するが、使用
する結合装置50の当接部材つまり上ダイス61および下ダ
イス71等の形状、あるいはホルダー72の構成等は上記図
示したものと若干異なるものとなる。
上記操作により、本例の場合は棒状部材20の外周部が
塑性流動して環状部材10の前記セレーション部材(凹溝
13)内に充填されるものとなる。
ところで、上記の押圧力のみによって塑性流動を生じ
せしめる方法では、塑性流動性が低いため、前記凹溝13
の如き凹部への充填性を確保するために凹溝13を例えば
第9図に示す如き断面形状に加工する必要があったが、
本方法によれば、充分な塑性流動を容易に生じさせるこ
とができるので、凹溝13を上記第8図に示す如き単純な
形状とすることができ、以て加工費の大幅な削減を図る
こともできる。
第10図は、棒状部材20に凹溝24を螺旋状に形成したも
のを示すものである。この場合は、先の第2図のものと
同様この棒状部材20に結合される環状部材10にねじり押
圧力を加えることにより嵌合穴11の内周面11a近傍を凹
溝24内に塑性流動させることにより双方を結合する。凹
溝24をこのような形状とした場合には環状部材10と棒状
部材20との結合において、ねじりトルクおよび引き抜き
トルクの双方に対して優れた抵抗力を発揮することがで
きる。
本発明によれば、このような形状の凹溝24にも流動金
属を容易かつ充分に充填させることができる。そして、
本例の場合は特に、環状部材10を押圧しながら回転させ
る際、該環状部材10を凹溝24の螺旋形成方向と同一方向
に回転させることにより流動金属の充填性をより一層高
めることができる。
次に本発明の第二実施例について説明する。
本実施例における上記第一実施例との主たる相違点
は、本実施例では、結合すべき2部材のうち塑性流動を
生じせしめる方の金属部材(すなわち第3図における環
状部材10,第7図における棒状部材20,第10図における環
状部材10)を、それぞれそれらの金属部材の温間成形温
度まで加熱する点にある。ここで言う温間成形温度と
は、金属を温間成形加工する際の温度であり、周知のと
おり温間成形温度は金属の再結晶温度近傍(変態温度付
近)に属する温度のことを言う。
特に本第二実施例によれば、押圧・回転力を付加する
金属部材の変形抵抗が常温(冷間成形温度)時に対し大
きく低下するため、塑性流動が極めて生じ易くなり、以
て上記実施例に比してさらなる結合力の増大を望めるも
のとなる。また、本実施例によれば、このように塑性流
動性が大きく向上するため、例えば第11図,第12図に示
すように、従来不可能とされていたアンダーカットを形
成してなる凹溝24等にも充分に流動部を充満させること
が可能となり、極めて高い結合を実現することができ
る。
また、本第二実施例を行う場合、一例として結合装置
50を第13図に示すように構成することができる。なお、
本図において、上記各構成要素には同符号を付してあ
る。すなわち、本第13図に示す結合装置50は、環状部材
10の方を加熱する場合に適用するものであって、ホルダ
ー72の内部に加熱手段82を内臓させたものである。ここ
で、該加熱手段82は電気ヒータとしているが、該加熱手
段82はその他の周知のもの(例えば誘導加熱コイル等)
であっても勿論よい。また、この場合、熱電対等の測温
素子83をホルダー72に埋設し、この検出信号によって温
度制御を行うことが望ましい。
結合装置50をこのように構成した場合には、該結合装
置50の他に加熱装置を別設する必要がなく極めて有機的
な構成を実現することができる。ただし、このように加
熱手段を設ける場合、必ずしも本構成例に限定されるも
のでないことは言うまでもない。例えば、結合装置50を
自動化ライン内に構成して、環状部材10および棒状部材
20は搬送装置によって移送される如くし、かつ自動的に
下ダイス71上にセットされる如き構成とするような場合
において、加熱手段を前記搬送装置内に組み込み、該搬
送工程中において予め加熱するように構成することも可
能である。
なお、ここで、本発明に係る第1の金属部材と第2の
金属部材の材質面での組合せについて説明すれば、本発
明は、第1の金属部材と第2金属部材の材質が異なる場
合に適用し、かつ相対的に硬度の低い方の金属部材を塑
性流動させることが好ましいが、同種金属どうしであっ
ても不可能ではない。一例として、本発明に好適な材質
の組み合わせとしては、鋼系材料(硬質)とアルミニウ
ム系,マグネシウム系,銅系材料(軟質)との組合せ、
あるいは銅系材料(硬質)とアルミニウム系,マグネシ
ウム系材料(軟質)との組合せ等が挙げられる。無論、
これらに限定されないことは言うまでもない。また、特
に第1の金属材料と第2の金属材料が同種であった場合
には、ねじり押圧力により塑性流動を生じせしめる方の
金属を温間成形温度まで加熱して行う本第二実施例を適
用すればより効果的である。
次に、第14図ないし第16図は本発明の第三実施例を示
すものである。
本実施例は、上記第一および第二実施例の変形で、例
えば棒状部材20とこの棒状部材20に嵌合すべき環状部材
10とを結合するにあたり、これら環状部材10と棒状部材
20との間に中間部材30を設け、該中間部材30に押圧ねじ
り力を付加することにより塑性流動を生じさせ、これに
よって棒状部材20と環状部材10とを結合するものであ
る。
すなわち、本発明の概念に基づけば、この場合、棒状
部材20と中間部材30とにおいては中間部材30が第1の金
属部材、棒状部材20が第2の金属部材の関係にあり、一
方、環状部材10と中間部材30とにおいては環状部材10が
第1の金属部材、中間部材30が第2の金属部材の関係に
あるということができる。
本実施例を行うにあたっては、棒状部材20と環状部材
10との双方をそれらの軸回り方向の自由度のみを与えた
状態で拘束した上で、中間部材30をそれら棒状部材20お
よび環状部材10に対して回転させながら軸方向に押圧す
る。これにより第16図に示すように、中間部材30の内周
面30aの近傍部および外周面30bの近傍部がそれぞれ、棒
状部材20の凹部25および環状部材10の凹部14内に流動し
て充填され、棒状部材20と環状部材10とを強固に結合す
ることができる。なお、本例では、棒状部材20の凹部25
と環状部材10の凹部14との双方を図示の如くアンダーカ
ット断面形状とし、中間部材30を介しての棒状部材20と
環状部材10との結合をより強化なものとなっている。
本実施例は、上記における棒状部材20の材料硬度と環
状部材10の材料硬度が大きく異なる場合等に適用し、中
間部材30としてそれら棒状部材20および環状部材10の中
間の硬度を有する材料を用いれば特に効果的である。
本発明の第四実施例は、図示は省略するが、第1の金
属部材および第2の金属部材における結合部の少なくと
も一方に、予め“ろう”またはハンダを被着せしめてお
いてから、上記各実施例の如く一方の金属部材を塑性流
動させるものである。
本実施例によれば、塑性流動させながらのろう付けが
可能となり、塑性流動による圧接(密着)あるいは凹部
内流入による結合力と、ろう接による結合力とによる結
合強度を期待できる。また、塑性流動部を流入させるべ
き凹部形状が特に複雑な場合に適用して効果的である。
また、本第四実施例においてハンダを被着せしめる場合
には、樹脂被覆粉末ハンダを用いることによりハンダの
酸化を防止することができ、本発明に適用する上では極
めて効果的である。
なお、上記各実施例では、嵌合穴11が全て貫通孔とし
て形成されたものについて説明したが、本発明は、一端
が閉塞された嵌合穴にも無論適用可能であり、かつ上述
したものと同様の効果が得られるものである。
さらに、本発明に係る前記結合装置50において、実施
例では、上ダイス61側に油圧シリンダー62等の挾圧手段
を設け、下ダイス71側に回動手段を設けた構成とした
が、回動手段を上ダイス61に接続する、あるいは下ダイ
ス71にも油圧シリンダー等の押圧手段を設け部材の両側
より挾圧する、等の構成としてもよく、要は、塑性流動
を生じせしめる方の金属部材に、その金属部材の軸方向
の挾圧力と軸回り方向のねじり力との双方の力を同時に
付加することのできる構成であればよい。
またさらに、実施例では結合装置50を竪形に構成した
が、本発明に係る金属部材の結合装置50は、これを横形
に(つまり前記棒状部材20等の軸線が水平方向にセット
される如く)構成しても無論よい。なお、挾圧手段を構
成する油圧シリンダー62、あるいは回動手段の機構等が
上記実施例のものに限定されるものでないことは言うま
でもない。
〔発明の効果〕
以上説明したとおり、本発明の請求項1に係る発明に
よれば、押圧力を与えられた金属部材には、該押圧力に
よる応力と結合部材に相対的に与えられたねじり力によ
る応力とが合成された複合応力が生じ、これにより塑性
流動を極めて容易に、すなわち小さな荷重で充分な塑性
流動を生じせしめることができ、単純な手段により極め
て強固なる結合力を得ることができる。さらに、例えば
他方の被結合部材に凹部あるいはセレーション等を形成
し、その凹部等に流動部を充満させる場合においても、
該凹部への充填性に極めて優れるため凹部等の形状に対
する限定が大きく解除され、多重応力に対する抵抗力に
優れた強固な結合を簡単に実現することができるものと
なる。
また、請求項2の発明によれば、押圧・ねじり力を付
加する金属部材の変形抵抗が常温時に対し大きく低下す
るため塑性流動が極めて生じ易くなり、その作用により
さらなる結合力の増大を望めるとともに、このように塑
性流動性が大きく向上することに起因して、従来不可能
とされていたアンダーカットを形成してなる凹部等にも
充分に流動部を充満させることが可能となり、極めて強
固な結合を実現することができる。
また、請求項3に係る金属部材の結合装置によれば、
上記請求項1に係る方法を確実かつ効果的に実現し、上
記請求項1の方法により創出される効果を確実に奏する
ことができる。
さらに、請求項4に係る金属部材の結合装置によれ
ば、加熱手段を別途に設ける必要がなくなり、上記請求
項2に係る方法を確実かつ効果的に実現することができ
る、等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本発明に係る金属部材の結合装置
の一実施例を示すもので第1図はその一部を断面で見る
全体立面図、第2図はその一部を拡大して示す立断面
図、第3図は環状部材および棒状部材を結合装置の一部
と共に示す縦断面図、第4図は下ダイスの他の構成例を
示す部分拡大断面図、第5図および第6図は共に棒状部
材を示す部分正面図、第7図は当実施例の他の構成例を
示すもので棒状部材および環状部材の一部を破断して見
る斜視図、第8図は第7図における環状部材の一部を示
す部分水平断面図、第9図は環状部材の一例を示す部分
水平断面図、第10図は当実施例の別の他の実施例を示す
もので棒状部材および環状部材の一部を破断して見る斜
視図、第11図および第12図は共に棒状部材および環状部
材を示す縦断面図、第13図は結合装置の他の構成例を示
す部分立断面図、第14図ないし第16図は本発明の第三実
施例を示すもので第14図はシャフトおよびローターを中
間部材と共に示す縦断面図、第15図は一部を断面で示す
第14図の平面図、第16図は第14図における中間部材等の
結合状態を示す部分縦断面図、第17図ないし第20図は従
来技術を説明するもので第17図は円筒部材の縦断面図、
第18図は軸の側面図、第19図および第20図は共に2部材
の結合状態を示す縦断面図である。 10……環状部材(第1の金属部材:第一〜第三実施
例)、 10a……上端面、10b……下端面、 10c……外周面、11……嵌合穴、 20……棒状部材(第2の金属部材:第一〜第三実施
例)、 30……中間部材(第1あるいは第2の金属部材:第四実
施例)、 50……金属部材の結合装置、 61……上ダイス(当接部材)、 62……油圧シリンダー(挾圧手段)、 71……下ダイス(当接部材)、 72……ホルダー、 82……加熱手段。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】嵌合穴を形成してなる第1の金属部材と前
    記嵌合穴に挿入される第2の金属部材とを結合するにあ
    たり、第1の金属部材の前記嵌合穴に第2の金属部材を
    挿入した後、これら両金属部材のうち一方を前記嵌合穴
    の軸方向に挾圧しながら該挾圧部間に前記嵌合穴の軸回
    り方向の相対的なねじり力を与え、これら押圧力および
    ねじり力によって生ずる複合応力により前記一方の金属
    部材に塑性流動を生ぜしめて両金属部材を結合すること
    を特徴とする金属部材の結合方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の金属部材の結合方法におい
    て、前記第1の金属部材および第2の金属部材のうち塑
    性流動を生ぜしめる方の金属部材を、該金属部材の温間
    成形温度に加熱した状態で実施することを特徴とする金
    属部材の結合方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載した方法を用いて金属部材
    を結合するための金属部材の結合装置であって、 前記第1または第2の金属部材の少なくとも一方の金属
    部材における軸方向両端部にそれぞれ当接可能とされた
    当接部材と、これら両当接部材間に押圧力を付加する挾
    圧手段と、前記両当接部材の少なくとも一方を軸周り方
    向に回動させることによりこれら両当接部間にねじり力
    を付与する回動手段と、を備えていることを特徴とする
    金属部材の結合装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の金属部材の結合装置におい
    て、前記第1の金属部材の全外周面に当接して該第1の
    金属部材を拘束するホルダーを有し、かつ該ホルダーが
    加熱手段を備えていることを特徴とする金属部材の結合
    装置。
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