JP2771511B2 - 吊り荷の昇降・宙吊り用油圧装置 - Google Patents

吊り荷の昇降・宙吊り用油圧装置

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JP2771511B2 JP12569196A JP12569196A JP2771511B2 JP 2771511 B2 JP2771511 B2 JP 2771511B2 JP 12569196 A JP12569196 A JP 12569196A JP 12569196 A JP12569196 A JP 12569196A JP 2771511 B2 JP2771511 B2 JP 2771511B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧アクチュエー
タによって鉛直成分を含む方向に吊り荷を移動する機械
(例えばウインチを用いた昇降機構)の油圧装置に係
り、特に吊り荷を移動経路の途中で停止させる際に、油
圧アクチュエータに供給される油圧に応じて発生するパ
イロット油圧が所定の低圧になることで作動する機械的
な保持手段を用いて吊り荷を所定位置に保持するように
構成した吊り荷の昇降・宙吊り用油圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の吊り荷の昇降・宙吊り用油圧装
置の例として、図3に従来公知の油圧式ウィンチ装置の
油圧回路の基本例を示す。
【0003】この油圧回路は、流量制御バルブ(制御バ
ルブ)1、シャトルバルブ2、カウンタバランスバルブ
3、油圧モータ(油圧アクチュエータ)4、チェックバ
ルブ5、ネガティブ作動式のメカニカルブレーキ(機械
的な保持手段)6、ウィンチドラム7、及び油圧ポンプ
16から主に構成されている。ここでは、吊り荷(吊り
荷)Wを特定の位置で宙吊りするときに、メカニカルブ
レーキ6が使用される。なお、カウンタバランスバルブ
3はチェックバルブ5と組合わされ、一方向の流れ(油
圧モータ4側からの流れ)に対しては設定された油圧ま
で背圧を与え、他の方向の流れ(油圧モータ4側への流
れ)に対しては自由流を確保するいわゆるカウンタバラ
ンスバルブ機能を果している。
【0004】他の構成の説明を兼ねながら、この油圧回
路の作用を簡単に説明する。
【0005】吊り荷Wを地上から持ち上げる(巻き上げ
る)場合、流量制御バルブ1を符号A側(作動位置)に
切り換え、油圧ポンプ16の吐出するオイルを管路11
に流す。管路11に入ったオイルは、チェックバルブ5
を通って管路12に入り、吊り荷Wの負荷に応じた圧力
P1まで昇圧した後、油圧モータ4に作用する。その結
果、ウィンチドラム7が回転し、吊り荷Wが持ち上げら
れる。
【0006】このときシャトルバルブ2を介して発生す
る高圧のパイロット油圧Ppがメカニカルブレーキ6に
作用し、該メカニカルブレーキ6が解放状態となって、
吊り荷Wが円滑に上昇できるようになっている。
【0007】吊り荷Wを特定の位置でいわゆる宙吊り状
態にする(移動経路の途中て停止する)には、流量制御
バルブ1を図3に示すB位置(中立位置)に切り換え
る。この切換により、メカニカルブレーキ6に高圧のパ
イロット油圧Ppが作用しなくなり、リターンスプリン
グ6Aの付勢力により、メカニカルブレーキ6が作動状
態(ブレーキが効いた状態)となる。
【0008】このとき油圧モータ4とカウンタバランス
バルブ3との間の管路12の保持圧力P1は、諸所から
の洩れによりドレン圧力Pd、若しくは油圧ポンプ16
の吐出オイル等の戻り管路14の圧力Prに等しくなる
まで低下する。即ち、宙吊り状態のときは油圧モータ4
の出力軸に生じるトルクTは(油圧によってではなく)
メカニカルブレーキ6によって支持されることになる。
【0009】吊り荷Wを宙吊りの状態から更に巻き上
げ、若しくは巻き下げる場合は、流量制御バルブ1をA
の位置、又はCの位置に切り換える。この切換により管
路11又は10にオイルが流れ、圧力Pa又はPbが発
生する。この圧力Pa、Pbのうちいずれか高い方の圧
力がシャトルバルブ2を通じてパイロット管路13に導
かれ、メカニカルブレーキ6にパイロット油圧Ppとし
て作用する。
【0010】パイロット油圧Ppがメカニカルブレーキ
6の解放圧力に達すると、メカニカルブレーキ6が解除
される。この状態で巻き上げの場合はチェックバルブ5
が、巻き下げの場合はカウンタバランスバルブ3がクラ
ッキングした後、巻き上げ若しくは巻き下げが開始され
る。
【0011】ここにおいて、メカニカルブレーキ6が解
放された瞬間、該メカニカルブレーキ6により支持され
ていたトルクTはカウンタバランスバルブ3及びチェッ
クバルブ5により支持されることになり、管路12内の
オイルはトルクTを支持できる圧力が生じるまで圧縮さ
れる。従ってこの圧縮量だけ吊り荷Wは一時的に落下
し、その後巻き上げあるいは巻き下げ作業が始まるとい
う現象が発生する。即ち、この落下現象は巻き上げ、巻
き下げいずれの場合にも発生する。
【0012】この落下現象を防止するためには、基本的
には上述した原因を取り除いてやればよい。即ち、吊り
荷Wを宙吊り状態から巻き上げ、あるいは巻き下げする
場合に、メカニカルブレーキ6が解放するより前に、管
路12内の圧力P1をトルクTに見合う圧力にまで予め
高めておき、その後にメカニカルブレーキ6を解放する
ようにすれば管路12内の圧縮による吊り荷Wの落下は
生じない。
【0013】そこで、メカニカルブレーキが解除される
より前に管路12内に十分高い保持圧力を発生させる技
術として、特開平7−323994号に以下のような提
案がなされている。
【0014】この技術では、流量制御バルブの切換えに
伴って発生するメカニカルブレーキのパイロット油圧に
着目している。以下、図4、図5を用いて説明する。
【0015】この油圧回路では、大径及び小径の2つの
ランド106、108を有するピストン102を内包す
る増圧シリンダ104を、図3の油圧回路に新たに付設
している。即ち、増圧シリンダ104の大径ランド10
6側を、メカニカルブレーキ66を解放させるためのパ
イロット油圧Ppが供給される管路13の分岐点X1に
接続すると共に、小径ランド108側を、油圧モータ4
を上昇方向に作動させ得る油圧が供給される管路12の
分岐点X2に接続している。
【0016】図5の符号110は大径ランド106側の
圧力室、112は小径ランド108側の圧力室、114
はピストン102が増圧シリンダ104内を摺動する際
にその大径ランド106が支障なく移動できるように確
保した背圧室、116は当該背圧室114内に配置され
ピストン102を図中左方向に付勢するためのリターン
スプリング(付勢手段)をそれぞれ示している。
【0017】背圧室114は、大径ランド106を挟ん
で圧力室110と対向しており、管路115を介して、
無負荷時の油圧ポンプ16の吐出オイルのタンク17へ
の戻り管路14に接続されている。又、符号118は圧
力室112から油室114へのオイルの流入を阻止する
チェックバルブ、120は分岐点X2側からシリンダ1
04の圧力室112側にオイルが流入するのを阻止する
チェックバルブである。
【0018】又、分岐点X1とメカニカルブレーキ66
との間にチェックバルブ122付きの流量可変オリフィ
ス124が設けられている。更に、メカニカルブレーキ
66はそのリターンスプリング66Aの付勢力変更によ
り解放油圧を変更可能なタイプに、カウンタバランスバ
ルブ33はそのリターンスプリング33Aの付勢力変更
により開口圧力を変更可能なタイプにそれぞれ置き換え
られている。
【0019】次にこの油圧回路の作用を説明する。
【0020】吊り荷Wを宙吊りの状態から巻き上げもし
くは巻き下げようとして、流量制御バルブ1を符号Bの
位置からA、あるいはCの位置に切り換えると、管路1
1又は10にオイルが流れ、圧力Pa又はPbが発生す
る。この圧力Pa、Pbのうちいずれか高い方の圧力が
シャトルバルブ2を通じてパイロット管路13に導か
れ、メカニカルブレーキ66及び増圧シリンダ104に
パイロット油圧Ppとして作用する。
【0021】増圧シリンダ104側では、パイロット管
路13から(大径ランド106側の)圧力室110にオ
イルが導かれ、面積差を有するピストン102に作用す
る。このためピストン102は図4、図5において右方
向に移動し、(小径ランド108側の)圧力室112を
圧縮する。なお、この際ピストン102の大径ランド1
06の背圧室114内のオイルは、管路115、戻り管
路14を介してタンク17に戻される。
【0022】このピストン102の移動により、圧力室
112では、該ピストン102の大径ランド106及び
小径ランド108の面積比に応じてパイロット油圧Pp
を増幅した圧力が発生し、この増幅された圧力はチェッ
クバルブ120を介して分岐点X2より管路12に導か
れ圧力P1を上昇させる。
【0023】このようにして増圧シリンダ104によっ
て巻き上げ時は勿論、巻き下げ時のような油圧ポンプ1
6の油圧が高くないようなときでも、そのときに発生す
るパイロット油圧Ppを利用して圧力P1が十分に昇圧
されるため、その後にメカニカルブレーキ66が解放さ
れても吊り荷Wの落下は発生せず、直ちに巻き上げ、あ
るいは巻き下げ動作を開始することができる。
【0024】巻き上げ、あるいは巻き下げ動作が終了
し、流量制御バルブ1を中立位置(符号Bの位置)に切
り換えると、圧力Pa、Pb、及びPpが降下し、戻り
管路圧力Prと等しくなる。このためピストン102は
スプリング116の付勢力により大径ランド106側の
初期位置まで復帰し、ブレーキが効いた状態とされる。
このとき圧力室110内のオイルは管路13、シャトル
バルブ2、及び流量制御バルブ1を通ってタンク17に
戻される。又、ピストン102の背圧室114へは管路
14、115を通じてオイルが補充され、更にチェック
バルブ118を介して圧力室112へも補充される。
【0025】ここで、吊り荷Wは、パイロット油圧Pp
が所定の低圧(=Pr)まで低下することから、メカニ
カルブレーキ66によって再び保持されるようになる
が、管路12と圧力室112とがチェックバルブ120
によって絶縁されるため、管路12から圧力室120側
へのオイルの逆流が阻止され、吊り荷Wが余分に降下す
ることが確実に防止される。
【0026】ここにおいて、増圧シリンダ104による
増圧速度、メカニカルブレーキ66の解放時期、及びカ
ウンタバランスバルブ33の開口時期の調整を、チェッ
クバルブ122付の流量可変オリフィス124の絞り量
の変更・設定、メカニカルブレーキ66のリターンスプ
リング66Aの付勢力変更による解放圧力の変更・設
定、及びカウンタバランスバルブ33のリターンスプリ
ング33Aの付勢力変更による開口圧力の変更・設定に
よりきめ細かく行うことができる。
【0027】具体的には、チェックバルブ122付の流
量可変オリフィス124の絞り量を大きくしてオイルを
流れ難くした場合は、パイロット油圧Ppの昇圧を増圧
シリンダ104の方により速く反映させることができる
ため、メカニカルブレーキ66を管路12が確実に昇圧
した後に解放できるようになり、落下をそれだけ確実に
防止できる。逆に、流量可変オリフィス124の絞り量
を少なくしてオイルを流れ易くした場合は、それだけ早
くメカニカルブレーキ66を解放できるようになるた
め、より応答性を重視した作業を行おうとする場合に適
切である。
【0028】又、メカニカルブレーキ66の解放圧力を
高めに設定した場合はオリフィス124の絞り量を大き
くして流れ難くした場合と同様の傾向となる。カウンタ
バランスバルブ33の開口圧力を高めに設定した場合も
同様の傾向となるが、特に巻き下げ時においてその効果
が顕著となる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図4、図5
に示した従来の油圧回路を有効に作動させ前記の落下現
象を確実に防止するためには、メカニカルブレーキ66
が解放されるより前に、増圧シリンダ104による加圧
を完了させるようにしなければならない。そのために
は、増圧シリンダ104のピストン102を極力低いパ
イロット油圧で速やかに作動させることが有効である。
【0030】しかし、従来の油圧回路では、増圧シリン
ダ104の背圧室114を、吐出オイルの戻り管路14
に接続していたため、戻り管路14の圧力Prがピスト
ン102を動かす抵抗として背圧室114に作用してい
た。特に、大流量時や低温時には戻り管路14の圧力P
rがかなり高くなることがあり、又、ピストン102の
動きが速い場合(急速巻き上げ時など)には、背圧室1
14から排出されるオイルの流通抵抗により背圧室11
4の圧力が高くなる傾向があるので、ピストン102を
低い圧力で敏速に動かすことができなかった。
【0031】このような場合、増圧シリンダ104を作
動させるためには、ピストン102の大径ランド106
側の圧力室110に、背圧室114に作用する圧力(P
r等)以上の高い圧力を加えればよいが、通常メカニカ
ルブレーキ66の解放圧力が低圧(10kg/cm2
に設定されているため、圧力室110に高い圧力を加え
ると、増圧シリンダ104が作動する前にメカニカルブ
レーキ66が解放されてしまい、十分な増圧効果が得ら
れないことがあった。
【0032】又、巻き上げ、巻き下げ完了後、流量制御
バルブ1を中立位置に戻したときには、圧力室110内
のオイルが速やかに外部に排出され、ピストン102が
初期位置に復帰することが要求される。
【0033】しかし、従来の回路では、圧力室110内
のオイルがパイロット管路13、シャトルバルブ2、流
量制御バルブ1、戻り管路14を通ってタンク17に戻
されるようになっているため、管路の通過抵抗がかなり
大きく、オイルの流れが阻害されて、ピストン102の
復帰時間が長くなっていた。従って、次の巻き上げ、巻
き下げ動作を行うまでにしばらく待たねばならず、巻き
上げ→中立→巻き下げ→中立→巻き上げ→・・・といっ
た連続作業を短時間で行うことができないという問題が
あった。
【0034】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであって、増圧シリンダのピストンをより
低い圧力で速やかに作動するようにし、かつ作動後に初
期位置に速やかに復帰するようにし、それにより落下防
止の効果を確実に得られるようにすると共に、短時間内
での繰り返し動作を可能とする吊り荷の昇降・宙吊り用
油圧装置を提供することをその目的としている。
【0035】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、供給
される油圧によって吊り荷を鉛直成分を含む方向に移動
する油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータと油
圧ポンプとの間に配置され、中立位置に操作されたとき
油圧アクチュエータへの油圧の供給を停止し、作動位置
に操作されたとき油圧アクチュエータへの油圧の供給を
行う制御バルブと、該制御バルブを中立位置に操作した
ときに、油圧アクチュエータに供給される油圧に応じて
発生するパイロット油圧が所定の低圧になることで作動
して前記吊り荷を所定位置に保持する機械的な保持手段
と、大径及び小径の2つのランドを有したピストンを内
包し、大径ランド側の圧力室と大径ランドを挟んで対向
する位置に背圧室を有する増圧シリンダとを備え、前記
増圧シリンダの大径ランド側の圧力室が、前記機械的な
保持手段を解放させるための前記パイロット油圧が供給
される管路に接続され、小径ランド側の圧力室が、前記
油圧アクチュエータを上昇方向に作動させ得る油圧が供
給される管路に接続された吊り荷の昇降・宙吊り用油圧
装置において、前記増圧シリンダの背圧室をタンクに接
続し、前記制御バルブが中立位置に操作されたときに前
記大径ランド側の圧力室をタンクに接続する切換手段を
設けると共に、前記ピストンを大径ランド側の初期位置
に付勢する付勢手段を設けたことにより、上記課題を解
決したものである。
【0036】本発明では、背圧室のオイルを直接タンク
に戻すようにしたので、ピストン移動時に背圧室に圧力
が発生せず、ピストンを低圧のパイロット油圧で敏速に
動かすことができる。又、制御バルブが中立位置にある
とき、大径ランド側の圧力室が直接タンクへ接続される
ので、背圧室と圧力室の油圧がキャンセルされ、付勢手
段の力でピストンが初期位置に復帰する。特に、圧力室
のオイルが直接タンクに流れるので、ピストンが速やか
に初期位置に復帰する。
【0037】請求項2の発明は、請求項1において、前
記切換手段としての切換弁をパイロット油圧が供給され
る管路と圧力室との間に挿入して、前記圧力室を、パイ
ロット油圧が供給される管路とタンクとに択一的に切換
え可能に接続し、前記切換弁によって、パイロット油圧
が所定の低圧のとき圧力室をタンクに接続し、パイロッ
ト油圧が高圧のとき圧力室をパイロット油圧が供給され
る管路に接続するようにしたことにより、上記課題を解
決したものである。
【0038】請求項3の発明は、請求項1又は2におい
て、前記付勢手段をリターンスプリングで構成したこと
により、上記課題を解決したものである。
【0039】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かにおいて、前記付勢手段の少なくとも一部を、前記制
御バルブが中立位置に操作されたときに、前記背圧室と
タンクとの接続を遮断した上で、前記所定の低圧のパイ
ロット油圧を前記背圧室に導入するパイロット油圧導入
手段で構成したことにより、上記課題を解決したもので
ある。
【0040】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の実施
形態を詳細に説明する。
【0041】図1は本発明の第1実施形態が適用された
ウインチ装置の油圧回路図である。なお、この図1で示
した油圧回路は、図4、図5を用いて説明した従来例と
落下防止に係る部分以外の基本構造は略同一であるた
め、図4、図5で既に説明した構成については図1中で
同一の符号を付すに止め、重複説明は適宜省略する。
【0042】この油圧回路では、増圧シリンダ104の
背圧室114を、管路(この場合ドレン配管)115を
介して直接タンク17に接続している。又、増圧シリン
ダ104の大径ランド106側の圧力室110とパイロ
ット管路13との間、即ち分岐点X1とシャトルバルブ
2との間に、切換弁(切換手段)201を挿入してい
る。この切換弁201は、流量制御バルブ1が中立位置
Bにあり、パイロット油圧Ppが所定の低圧(=Pr)
のときに、図1のA位置(中立)に切り換わり、圧力室
110及びメカニカルブレーキ66を直接タンク17に
接続する。又、流量制御バルブ1がA位置あるいはC位
置(作動位置)にあり、パイロット油圧が高圧のときに
B位置に切り換わり、圧力室110及びメカニカルブレ
ーキ66をパイロット管路13に接続する。
【0043】作用を説明すると、この油圧回路において
は、巻き上げ、巻き下げを始めるために流量制御バルブ
1をA位置またはC位置に操作すると、シャトルバルブ
2からのパイロット油圧により切換弁201がB位置に
切り換わり、圧力室110及びメカニカルブレーキ66
がパイロット管路13と連通する。従って、増圧シリン
ダ104のピストン102が図中右に押されて、増圧作
業が行われる。
【0044】このとき、背圧室114は、タンク17に
直接接続されていることで常に大気程度の圧力(低圧)
に保たれているため、ピストン102は背圧による抵抗
をほとんど受けることなく、低い圧力で動く。その結
果、メカニカルブレーキ66が解放されるより前に増圧
作業が終了し、その後、メカニカルブレーキ66が解放
されて、巻き上げ、巻き下げが開始される。
【0045】巻き上げ、巻き下げが終了し、流量制御バ
ルブ1を中立位置Bに戻すと、切換弁201もA位置に
戻り、圧力室110は切換弁201を通して直接タンク
17に接続される。従って、ピストン102は、リター
ンスプリング116の力で左側に押し付けられ、初期位
置に復帰する。このとき、圧力室110は直接タンク1
7に接続されるので、オイルの流通抵抗が少なく、ピス
トン102は迅速に初期位置に復帰する。なお、背圧室
114、圧力室112へは管路115を通してタンク1
7からオイルが補給される。
【0046】以上のように、パイロット油圧が低圧の段
階で増圧シリンダ104のピストン102を敏速に動作
させることができ、又、初期位置へのピストン102の
復帰も敏速に行うことができる。従って、短時間内で連
続して巻き上げ→中立→巻き下げ→・・・動作を繰り返
すことができる。
【0047】図2は本発明の第2実施形態が適用された
ウインチ装置の油圧回路図である。この油圧回路では、
第1実施形態でタンク17に直接接続していた背圧室1
14を、管路115Aを介して切換弁201に接続して
いる。切換弁201は、中立位置Aにあるとき背圧室1
14をパイロット管路13に接続し、作動位置Bにある
とき背圧室114をタンク17に接続する。
【0048】このようにすると、流量制御バルブ1が中
立位置Bにあり、切換弁201がA位置にあるとき、大
径ランド106側の圧力室110は直接タンク17に接
続され、背圧室114はパイロット管路13に接続され
る。従って、ピストン102は、リターンスプリング1
16及びパイロット油圧Pp(所定の低圧=Pr)によ
り左側に押し付けられる。
【0049】この状態で巻き上げあるいは巻き下げを始
めるために流量制御バルブ1をA位置又はC位置に操作
すると、シャトルバルブ2からオイルが導かれ、切換弁
201がB位置に切り換わり、大径ランド106側の圧
力室110及びメカニカルブレーキ66がパイロット管
路13に接続され、増圧シリンダ104のピストン10
2が図中右に押されて、増圧作業が行われる。
【0050】このとき、背圧室114はタンク17に直
接接続されることになり、常に大気程度の圧力(低圧)
に保たれる。よって、ピストン102は背圧による抵抗
をほとんど受けることなく、低い圧力で動き、その結
果、メカニカルブレーキ66が解放されるより前に増圧
作業が終了し、その後、メカニカルブレーキ66が解放
されて、巻き上げ、巻き下げが開始される。
【0051】巻き上げ、巻き下げが終了し、流量制御バ
ルブ1を中立位置Bに戻すと、切換弁201もA位置に
戻り、圧力室110は切換弁201を通して直接タンク
17に接続される。又、背圧室114はパイロット管路
13に接続される。
【0052】従って、ピストン102はリターンスプリ
ング116及びパイロット圧力Ppにより左側に押付け
られ、元の位置に復帰する。このとき、圧力室110は
直接タンク17に接続されているため、管路抵抗が少な
く、迅速にピストン102は初期位置に復帰することに
なる。なお、背圧室114、圧力室112へは、切換弁
201を通してパイロット管路13からオイルが補給さ
れる。この場合、パイロット油圧とリターンスプリング
116の協同により、ピストン102を復帰方向に動か
すので、より迅速にピストン102を元の位置に復帰さ
せることができるし、オイルの補給も確実に行うことが
できる。
【0053】ここでは、流量制御バルブ1の中立時にパ
イロット管路13の低圧のパイロット油圧Ppを背圧室
114に導入する回路(パイロット油圧導入手段)が、
ピストン102を初期位置に復帰させる付勢手段の一部
を構成している。
【0054】なお、本発明は、このような油圧モータを
用いたタイプのみならず油圧シリンダ、揺動モータ等の
全ての油圧アクチュエータを用いた装置に適用可能であ
る。
【0055】更には、ウインチによるエレベータ等の物
体の昇降機構、傾斜地を走行する台車の走行機構、傾斜
地で物体を回転させる旋回機構等の移動対象物を鉛直成
分を含む方向に移動する機構全般に応用可能である。
【0056】
【発明の効果】以上説明したとおり、請求項1の発明に
よれば、増圧シリンダのピストンをより低いパイロット
圧力で速やかに作動させることができ、かつ作動後に初
期位置に速やかに復帰させることができる。従って、機
械的な保持手段の作動が増圧シリンダの加圧動作後に確
実に行われるようにすることができ、落下防止の効果を
確実に得ることができる。又、ピストンの動作の迅速化
が図れるので、短時間内での繰り返し移動操作が可能に
なり、例えばウインチの場合、短時間内での巻き上げ、
停止、巻き下げの繰り返し動作が可能になる。
【0057】又、請求項2の発明によれば、一つの切換
弁で圧力室をパイロット油圧が供給される管路とタンク
とに接続切換えするので構成が簡単である。
【0058】又、請求項3の発明によれば、増圧シリン
ダのピストンをリターンスプリングで初期位置に付勢し
ているので、背圧室をタンクに直接接続しても確実にピ
ストンを初期位置に戻すことができる。
【0059】又、請求項4の発明によれば、制御バルブ
を中立にして移動操作を停止したとき、背圧室に所定の
低圧のパイロット油圧を導入するようにしたので、ピス
トンの戻りをより迅速にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す油圧回路図
【図2】本発明の第2実施形態を示す油圧回路図
【図3】従来の油圧回路図
【図4】別の従来の油圧回路図
【図5】図4の増圧シリンダ付近の具体的な構成を示す
要部拡大油圧回路図
【符号の説明】
1…流量制御バルブ 2…シャトルバルブ 3、33…カウンタバランスバルブ 4…油圧モータ 5…チェックバルブ 6、66…メカニカルブレーキ(機械的な保持手段) 7…ウインチドラム 13…パイロット管路 16…油圧ポンプ 17…タンク 102…ピストン 104…増圧シリンダ 106…大径ランド 108…小径ランド 110…(大径ランド側の)圧力室 112…(小径ランド側の)圧力室 114…背圧室 116…リターンスプリング(付勢手段) 201…切換弁(切換手段)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給される油圧によって吊り荷を鉛直成分
    を含む方向に移動する油圧アクチュエータと、 該油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間に配置され、
    中立位置に操作されたとき油圧アクチュエータへの油圧
    の供給を停止し、作動位置に操作されたとき油圧アクチ
    ュエータへの油圧の供給を行う制御バルブと、 該制御バルブを中立位置に操作したときに、油圧アクチ
    ュエータに供給される油圧に応じて発生するパイロット
    油圧が所定の低圧になることで作動して前記吊り荷を所
    定位置に保持する機械的な保持手段と、 大径及び小径の2つのランドを有したピストンを内包
    し、大径ランド側の圧力室と大径ランドを挟んで対向す
    る位置に背圧室を有する増圧シリンダとを備え、 前記増圧シリンダの大径ランド側の圧力室が、前記機械
    的な保持手段を解放させるための前記パイロット油圧が
    供給される管路に接続され、 小径ランド側の圧力室が、前記油圧アクチュエータを上
    昇方向に作動させ得る油圧が供給される管路に接続され
    た吊り荷の昇降・宙吊り用油圧装置において、 前記増圧シリンダの背圧室をタンクに接続し、 前記制御バルブが中立位置に操作されたときに前記大径
    ランド側の圧力室をタンクに接続する切換手段を設ける
    と共に、 前記ピストンを大径ランド側の初期位置に付勢する付勢
    手段を設けたことを特徴とする吊り荷の昇降・宙吊り用
    油圧装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記切換手段としての
    切換弁をパイロット油圧が供給される管路と圧力室との
    間に挿入して、前記圧力室を、パイロット油圧が供給さ
    れる管路とタンクとに択一的に切換え可能に接続し、前
    記切換弁によって、パイロット油圧が所定の低圧のとき
    圧力室をタンクに接続し、パイロット油圧が高圧のとき
    圧力室をパイロット油圧が供給される管路に接続するよ
    うにしたことを特徴とする吊り荷の昇降・宙吊り用油圧
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記付勢手段を
    リターンスプリングで構成したことを特徴とする吊り荷
    の昇降・宙吊り用油圧装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記付
    勢手段の少なくとも一部を、前記制御バルブが中立位置
    に操作されたときに、前記背圧室とタンクとの接続を遮
    断した上で、前記所定の低圧のパイロット油圧を前記背
    圧室に導入するパイロット油圧導入手段で構成したこと
    を特徴とする吊り荷の昇降・宙吊り用油圧装置。
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