JP3664325B2 - 油圧プレスの高速安全回路 - Google Patents
油圧プレスの高速安全回路 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3664325B2 JP3664325B2 JP18938395A JP18938395A JP3664325B2 JP 3664325 B2 JP3664325 B2 JP 3664325B2 JP 18938395 A JP18938395 A JP 18938395A JP 18938395 A JP18938395 A JP 18938395A JP 3664325 B2 JP3664325 B2 JP 3664325B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- valve
- cylinder
- turned
- conduit
- pressure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B30—PRESSES
- B30B—PRESSES IN GENERAL
- B30B15/00—Details of, or accessories for, presses; Auxiliary measures in connection with pressing
- B30B15/28—Arrangements for preventing distortion of, or damage to, presses or parts thereof
- B30B15/281—Arrangements for preventing distortion of, or damage to, presses or parts thereof overload limiting devices
- B30B15/284—Arrangements for preventing distortion of, or damage to, presses or parts thereof overload limiting devices releasing fluid from a fluid chamber subjected to overload pressure
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Control Of Presses (AREA)
- Press Drives And Press Lines (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は油圧プレスの高速安全回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来油圧シリンダによりスライドを上下駆動する油圧プレスの油圧回路として、例えば実公平2−18801号公報や、実開平6−39285号公報、特開平6−155089号公報に記載されたものが公知である。
実公平2−18801号公報に記載のものは、液圧シリンダへ液圧を供給する回路に、方向制御弁とパイロットチェック弁が設けられていて、方向制御弁を切換えて、上記パイロットチェック弁を介して液圧シリンダへ液圧を供給することにより、液圧シリンダにより負荷を駆動するように構成されている。
【0003】
また実開平6−39285号公報に記載のものは、受圧面積の小さい高速シリンダと、受圧面積の大きい加圧シリンダを同一中心上に配置して、各シリンダのピストンをピストン杆により互に連動した構造で、高速シリンダ側のピストン杆が高速シリンダの上方へ突出した両ロッドシリンダを採用している。
そして高速シリンダ側へ油圧を供給してピストンを高速動作させた後、加圧シリンダへ油圧を供給して、大きな加圧力を得ることにより、高負荷に対応できるように構成されている。
さらに特開平6−155089号公報に記載のものは、高速シリンダと加圧シリンダよりなるシリンダ装置の加圧シリンダのピストン側にパイロット圧により開閉されるシーケンスバルブが設けられており、このシーケンスバルブをオン,オフすることによって高速動作より加圧動作へ移行するようにしたもので、外付けの配管やバルブ類を必要とせずに高速、高負荷に対応できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし実公平2−18801号公報のものでは、方向制御弁のスプールにゴミなどが噛み込んでスプールが下降方向へ移動できない場合、液圧シリンダからの液圧を絞ることができなくなり、負荷が増大して危険であるなどの不具合がある。
また実開平6−39285号公報では、プレス作業中に型の咬み込みなどが発生しても、大きな離脱力が得られないため、型の咬み込みより離脱できない不具合がある。
さらに特開平6−155089号公報では、加圧シリンダのピストン内にシーケンスバルブが内装されているため、シーケンスバルブの整備性が悪いと共に、高速シリンダのピストン杆がシリンダの上方へ突出するため、危険であるなどの不具合がある。
この発明はかかる不具合を改善するためになされたもので油圧シリンダによりスライドを高速かつ安全に動作できる油圧プレスの高速安全回路を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、油圧シリンダ1によりスライド9を上下駆動する油圧プレスにおいて、油圧シリンダ1を同一中心線上に上下に配置された子シリンダ2と、これより受圧面積の大きい親シリンダ3より構成し、かつ子シリンダ2内のピストン2aと親シリンダ3内のピストン3aを親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより接続し、
油圧源4の吐出圧油を第1の管路10 1 と第2の管路10 2 の一方に選択的に供給する位置に切換えられるサーボ弁8を設け、
この第1の管路10 1 を前記親シリンダ3の上室3 1 に接続し、第2の管路10 2 を前記子シリンダ2の下室2 2 に接続し、
前記第1の管路10 1 に、電磁弁13でオン,オフされて前記親シリンダ3の下室3 2 を第1の管路10 1 に連通・遮断する第1のロジック弁15を設け、
前記第2の管路10 2 に、電磁弁16でオン,オフされて前記親シリンダ3の下室3 2 を第2の管路10 2 に連通・遮断する第2のロジック弁17を設け、
前記サーボ弁8は、第1・第2の管路10 1 ,10 2 と圧油源4、タンク18を遮断する中立ポジション8 3 を有し、圧油源4と第1の管路10 1 を連通し、かつ第2の管路10 2 をタンク18に連通する下降ポジション8 1 と、圧油源4と第2の管路10 2 を連通し、かつ第1の管路10 1 をタンク18に連通する上昇ポジション8 2 に切換えるものとし、
上記油圧源4とサーボ弁8を接続する管路7の途中に電磁弁5によりオン,オフされるパイロットチェック弁6を設けたことを特徴とする油圧プレスの高速安全回路である。
第2の発明は、第1の発明において、親シリンダ3の上室3 1 と子シリンダ2の上室2 1 の間を、電磁弁25を介して接続し、また子シリンダ2の上室2 1 とタンク18の間を電磁弁27によりオン、オフされるパイロットチェック弁28を介して接続してなる油圧プレスの高速安全回路である。
第3の発明は、第1の発明において、第1の管路10 1 に、第1のロジック弁15がオン、オフした際に発生する親シリンダ3の上室3 1 内の体積変化による圧力上昇を防止する第3のロジック弁14を、上記第1のロジック弁15と同期してオフ、オンするように設けた油圧プレスの高速安全回路である。
第4の発明は、第1の発明において、第1のロジック弁15に、親シリンダ3の上室3 1 と下室3 2 における高圧側の圧油をシャトル弁30を介して背圧として印加することにより、圧力補償を行うようにしてなる油圧プレスの高速安全回路である。
【0006】
【作用】
第1の発明によればサーボ弁8を下降ポジション8 1 、第1のロジック弁15をオン、第2のロジック弁17をオフとすることで、第1の管路10 1 を介して親シリンダ3の上室3 1 と下室3 2 へ圧油を供給することにより、両室の受圧面積差により親シリンダ3によってスライド9を高速で下降させることができる。
また、加圧中は第1のロジック弁15をオフ、第2のロジック弁17をオンすることで、下室3 2 が第2の管路10 2 からタンク18に流れるから、親シリンダ3の受圧面積の大きい上室3 1 へ圧油を供給することにより大きな加圧力か得られる。
また、サーボ弁8を上昇ポジション8 2 、第1のロジック弁15をオフ、第2のロジック弁17をオンとすることで、第2の管路10 2 を介して子シリンダ2の下室2 2 に圧油が供給し、かつ第2の管路10 2 、第2のロジック弁17を経て親シリンダ3の下室3 2 に圧油が供給されることにより、スライド9の上昇時は親シリンダ3と子シリンダ2のそれぞれ下室3 2 ,2 2 、へ供給された圧油により大きな上昇力が得られるため、上型がワークに咬み込んでも上型を容易に離脱することができる。
また、前述の状態で第2のロジック弁17をオフ、第1のロジック弁15をオンすることで、子シリンダ2の下室2 2 にのみ圧油が供給されるため、スライド9は高速で上昇する。
さらに各管路に設けられた電磁弁が独立しているため、一方が故障しても他方の電磁弁とサーボ弁により安全にプレスを停止することができる。
また、サーボ弁8が故障した場合には、第1・第2のロジック弁15,17をオフとすると共に、パイロットチェック弁6をオフすることでシリンダ1が作動しないようになるので、スライド9を停止させることができる。
第2の発明によれば、スライド9を下降する時に、パイロットチェック弁28をオフして子シリンダ2の上室2 1 とタンク18を遮断し、電磁弁25で親シリンダ3の上室3 1 と子シリンダ2の上室2 1 を連通すれば、両方の上室2 1 ,3 1 に圧油が供給されるから、大きな加圧力が得られる。
第3の発明によれば、第1のロジック弁15がオン・オフする際に発生する体積の変化を、第1のロジック弁15と交互にオン、オフする第3のロジック弁14で吸収して圧力が変動を補償するから、その第1のロジック弁15が動作した際に発生するシリンダ内の体積変化により圧力が急に高くなるのを防止することができる。
第4の発明によれば、親シリンダ3の上室3 1 と下室3 2 の間を接続する第1のロジック弁15に、その上室3 1 と下室3 2 の高圧側の圧油を背圧として印加して、第1のロジック弁15の動作時の圧力変動を補償して、圧力が急に高くなることを防止できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明の第1実施例を図1ないし図5に示す図面を参照して詳述する。
図1において1はシリンダ本体で、受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3よりなる。
上記子シリンダ2と親シリンダ3は同一中心上に上下2段に設けられていて、これらシリンダ2,3内にピストン2a,3aがそれぞれ収容されている。
子シリンダ2に収容されたピストン2aの下面には、ピストン杆2bが突設されていて、このピストン杆2bの先端は親シリンダ3内に収容されたピストン3aの上面に接続されており、親シリンダ3側のピストン3a下面には、上記ピストン2bより径の大きな外径のピストン杆3bが突設されていて、このピストン杆3bの先端側は、親シリンダ3の端板3cを貫通して外方へ突出され、先端にプレスのスライド9が接続されている。
【0008】
また4は可変流量ポンプよりなる油圧源で、この油圧源4より吐出された圧油は、途中に電磁弁5によりオン,オフされるパイロットチェック弁6の設けられた管路7よりサーボ弁8へ供給されている。
上記サーボ弁8はメインスプール8aと、このメインスプール8aをパイロット圧により切換える電磁弁よりなるパイロット切換え弁8bと、パイロット回路8cの途中に設けられた電磁弁よりなるオン,オフ弁8dよりなる。
そして上記サーボ弁8と親シリンダ3の間を接続する2路の管路10のうち、親シリンダ3の上室31 側に接続された管路101 と親シリンダ3の下室32 の間は電磁弁13により交互に開閉自在な2個のロジック弁14,15を介して接続され、また一方のロジック弁15と子シリンダ2の下室22 に接続された管路102 の間は、電磁弁16により開閉自在なロジック弁17を介して接続されていると共に、子シリンダ2の上室21 は大気に開放されている。
【0009】
一方上記親シリンダ3の上室31 と下室32 には、各室31 ,32 内の圧力より加圧力Pを検出する圧力センサよりなる加圧力検出手段19,20が、そしてスライド9の近傍にはスライド9の位置を検出するスライド位置検出手段21が設けられていて、これら検出手段19,20,21により検出された圧力及び位置信号がコントローラ22へ入力されている。
【0010】
次に上記構成された高速安全回路の作用を説明する(なおオンは開、オフは閉の状態を示す)。上死点よりスライド9を下降させてプレス加工を開始する場合、まずサーボ弁8のパイロット切換え弁8b及びオン、オフ弁8dをオンにしてスプール8aを中立ポジション83 より下降ポジション81 へ切換え、同時に電磁弁5によりパイロットチェック弁6をオン、電磁弁13によりロジック弁14をオフ、ロジック弁15をオン、そして電磁弁16によりロジック弁17をオフにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図2の(イ)に示すように管路101 よりロジック弁15,14を介して親シリンダ3の上室31 へ流入し、また上室31 と下室32 の間がロジック弁14,15を介して連通されるため、親シリンダ3の上室31 と下室32 の受圧面積差でスライド9が図2の(ロ)の太線で示すように高速で下降し、子シリンダ2の下室22 の油は、管路102 よりサーボ弁8を経てタンク18へドレンされる。
【0011】
次にスライド9が所定位置まで下降して、ワークを成形するための加圧力を必要とする場合は、サーボ弁8のメインスプール8aを下降ポジション81 に保持したまま電磁弁13によりロジック弁14をオン、ロジック弁15をオフ、そして電磁弁16によりロジック弁17をオンにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図3の(イ)に示すようにロジック弁15,14を経て親シリンダ3の上室31 へのみ供給され、親シリンダ3の下室32 の油はロジック弁17より管路102 へ排出されて、子シリンダ2の下室22 の油とともにタンク18へドレンされるため、親シリンダ3の上室31 の受圧面積によりピストン3aが下方へ押圧されて、スライド9は図3の(ロ)の太線で示すように減速下降され、このとき大きな加圧力が発生して、上型と下型の間でワーク(ともに図示せず)の成形が行えるようになる。
また成形中加圧保持を行う場合は、サーボ弁8のパイロット切換え弁8bによりメインスプール8aを中立ポジション83 に切換えると、スライド9がその位置で停止されるため、ワークを加圧状態に保持することができる。
【0012】
一方ワークの成形が完了してスライド9を下死点より上昇させる場合は、サーボ弁8のパイロット切換え弁8bによりメインスプール8aを上昇ポジション82 へ切換え、電磁弁16によりロジック弁17をオン、そして電磁弁13によりロジック弁14をオン、ロジック弁15をオフにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図4の(イ)に示すように管路102 より子シリンダ2の下室22 と、ロジック弁17より親シリンダ3の下室32 へ供給され、親シリンダ3の上室31 の油は管路101 を経てタンク18へドレンされる。
これによってスライド9は図4の(ロ)の太線で示すように低速で上昇され、このとき子シリンダ2の引上げ力に親シリンダ3の引上げ力が加わるため、成形中ワークの上型が咬み込んだ場合でも、咬み込んだ上型をワークより強力に離脱させることができる。
【0013】
その後サーボ弁8のメインスプール8aを上昇ポジション82 に保持した状態で、電磁弁13によりロジック弁14をオフ、ロジック弁15をオンに、そして電磁弁16によりロジック弁17をオフにすると、図5の(イ)に示すように油圧源4の吐出圧は管路102 より子シリンダ2の下室22 へ供給され、親シリンダ3の上室31 の圧油はロジック弁14,15を経て下室32 へ流入し、両室31 ,32 の受圧面積差により生じる余剰油は管路101 を経てタンク18へドレンされるため、スライド9は図5の(ロ)の太線で示すように急速に上死点まで上昇される。
【0014】
以上は正常動作時の作用であるが、上記実施例ではメータイン側とメータアウト側回路の制御を独立させ、メータイン側にパイロットチェック弁6とサーボ弁8を、そしてメータアウト側にカウンタバランス弁として機能するロジック弁15,17とサーボ弁8を配置している。
またサーボ弁8のメインスプール8aとパイロット切換え弁8bの間に電磁弁よりなるオン,オフ弁8dを介在させている。
これによって動作中に電磁弁13,16の一方が故障しても、他方の電磁弁13,16とサーボ弁8によりスライド9を安全に停止させることができると共に、油圧圧油の異常時、オン,オフ弁8dをオフにすることによりサーボ弁8のメインスプール8aを確実に中立に戻すことができるため、安全が2重に働くようになると共に、上記メインスプール8aが故障した場合、電磁弁5,13,16をオフにすることによりスライド9を停止させることかできる。
【0015】
なお、上記実施例では図示していないが、ロジック弁14,15,17はシリンダ本体1に直付けされたマニホールドブロック内に設けられているため、外付け配管が不要となって圧力損失が少なくなると共に、ロジック弁のメンテナンスも簡単に行えるようになっている。
また、同じサイズのロジック弁14,15を直列接続して、一方のロジック弁14を圧力補償用として使用している。
すなわち、PVn =CONSTの状態からロジック弁14のエレメントが動くことにより変動する体積を△Vとし、エレメントが動く前と後の圧力Pと体積VをそれぞれP1 ,V1 ,P2 ,V2 とすると、
P1 V1 n =P2 V2 n
V2 =V1 −△V
∴ P2 =P 1 V1 n /(V1 −△V)n (>P1 )
となる。
これによって、ロジック弁15がオン・オフする際に発生する体積の変化を、ロジック弁15と交互にオン・オフするロジック弁14が圧力補償するため、圧力の急激な変化による衝撃などの発生を防止することができるようになる。
【0016】
一方図6ないし図10はこの発明の第2実施例を示すもので、次にこれを説明する。
なお前記第1記実施例と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。
前記第1実施例では子シリンダ2の上室21 は大気に開放していたが、この第2実施例では子シリンダ2の上室21 と下室22 の間が、途中に電磁弁25が設けられた管路26で接続されており、上室21 側に接続された管路26はさらに分岐されていて、この分岐管路26aは電磁弁27によりオン,オフされるパイロットチェック弁28を介してタンク18へ接続されている。
【0017】
次に上記第2実施例の作用を図7ないし図10を参照して説明すると、上死点よりスライド9を下降させてプレス加工を開始する場合、まずサーボ弁8のパイロット切換え弁8b及びオン、オフ弁8dをオンにしてスプール8aを中立ポジション83 より下降ポジション81 へ切換え、同時に電磁弁5によりパイロットチェック弁6をオン、電磁弁13によりロジック弁14をオフ、ロジック弁15をオン、電磁弁16によりロジック弁17をオフ、電磁弁25をオフ、そして電磁弁27によりパイロットチェック弁28をオンにする。
【0018】
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図7の(イ)に示すように管路101 よりロジック弁15,14を介して親シリンダ3の上室31 へ流入し、また上室31 と下室32 の間がロジック弁14,15を介して連通されるため、親シリンダ3の上室31 と下室32 の受圧面積差でスライド9が図7の(ロ)の太線で示すように高速で下降し、子シリンダ2の下室22 の油は、管路102 よりサーボ弁8を経てタンク18へドレンされ、また子シリンダ2の上室21 へは、パイロットチェック弁28を介してタンク18の油が吸入される。
【0019】
次にスライド9が所定位置まで下降して、ワークを成形するための加圧力を必要とする場合は、サーボ弁8のメインスプール8aを下降ポジション81 に保持したまま電磁弁13によりロジック弁14をオン、ロジック弁15をオフ、そして電磁弁16によりロジック弁17をオン、電磁弁25をオン、そして電磁弁27によりパイロットチェック弁28をオフにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図8の(イ)に示すようにロジック弁15,14を経て親シリンダ3の上室31 と、電磁弁25より子シリンダ2の上室21 へ供給され、親シリンダ3の下室32 の油はロジック弁17より管路102 へ排出されて、子シリンダ2の下室22 の油とともにタンク18へドレンされるため、親シリンダ3の上室31 及び子シリンダ2の上室21 の受圧面積差によりピストン3aが下方へ押圧されて、スライド9は図8の(ロ)の太線で示すように減速下降され、このとき大きな加圧力が発生して、上型と下型の間でワーク(ともに図示せず)の成形が行えるようになる。
【0020】
また成形中加圧保持を行う場合は、サーボ弁8のパイロット切換え弁8bによりメインスプール8aを中立ポジション83 に切換えると、スライド9がその位置で停止されるため、ワークを加圧状態に保持することができる。
【0021】
一方ワークの成形が完了してスライド9を下死点より上昇させる場合は、サーボ弁8のパイロット切換え弁8bによりメインスプール8aを上昇ポジション82 へ切換え、電磁弁25をオン、パイロットチェック弁28をオフに保持したまま電磁弁16によりロジック弁17をオン、そして電磁弁13によりロジック弁14をオン、ロジック弁15をオフにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図9の(イ)に示すように管路102 より子シリンダ2の下室22 と、ロジック弁17より親シリンダ3の下室32 へ供給され、子シリンダ2の上室21 と親シリンダ3の上室31 の油は管路101 を経てタンク18へドレンされる。
これによってスライド9は図9の(ロ)の太線で示すように低速で上昇され、このとき子シリンダ2の引上げ力に親シリンダ3の引上げ力が加わるため、成形中ワークに上型が咬み込んだ場合でも、咬み込んだ上型をワークより強力に離脱させることができる。
【0022】
その後サーボ弁8のメインスプール8aを上昇ポジション82 に保持した状態で、電磁弁13によりロジック弁14をオフ、ロジック弁15をオン、電磁弁25をオフ、パイロットチェック弁28をオンに、そして電磁弁16によりロジック弁17をオフにすると、図10の(イ)に示すように油圧源4の吐出圧は管路102 より子シリンダ2の下室22 へ供給され、親シリンダ3の上室31 の圧油はロジック弁14,15を経て下室32 へ流入し、両室31 ,32 の受圧面積差により生じる余剰油は管路101 を経てタンク18へドレンされ、そして子シリンダ2の上室21 の油はパイロットチェック弁28を経てタンク18へドレンされるため、スライド9は図10の(ロ)の太線で示すように急速に上死点まで上昇される。
【0023】
なお上記第1、第2実施例においては、同サイズのロジック弁14,15を直列接続して、これらロジック弁14,15を交互にオン、オフすることにより、一方のロジック弁15がオン、オフした際に発生する圧力変動を他方のロジック弁14で圧力補償するようにしたが、ロジック弁14を使用せずにロジック弁15の圧力補償を可能にした回路を次の第3実施例により説明する。
【0024】
図11ないし図15はこの発明の第3実施例を示すもので、圧力補償用のロジック弁14を省略した代りに、シャトル弁30を介してロジック弁15に高圧側の圧油を背圧として導入したものである。
すなわち親シリンダ3の上室31 に通じる管路101 に設けられたロジック弁15は電磁弁13によりオン、オフされると共に、ロジック弁15のばね室15aには、管路101 及びロジック弁15と親シリンダ3の下室32 を接続する管路103 に接続されたシャトル弁30により、管路101 ,103 を流れる高圧側の圧油が上記電磁弁13を介して背圧として導入されている。
なおその他の回路は上記第1実施例と同一なので、同一符号を付してその説明は省略する。
【0025】
次に上記構成された第3実施例の作用を図12ないし図15を参照し説明すると、上死点よりスライド9を下降させてプレス加工を開始する場合、まずサーボ弁8のパイロット切換え弁8b及びオン、オフ弁8dをオンにしてスプール8aを中立ポジション83 より下降ポジション81 へ切換え、同時に電磁弁5によりパイロットチェック弁6をオン、電磁弁13によりロジック弁15をオン、そして電磁弁16によりロジック弁17をオフにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図12の(イ)に示すように管路101 よりロジック弁15を介して親シリンダ3の上室31 へ流入し、また上室31 と下室32 の間がロジック弁15を介して連通されるため、親シリンダ3の上室31 と下室32 の受圧面積差でスライド9が図12の(ロ)の太線で示すように高速で下降し、子シリンダ2の下室22 の油は、管路102 よりサーボ弁8を経てタンク18へドレンされる。
【0026】
次にスライド9が所定位置まで下降して、ワークを成形するための加圧力を必要とする場合は、サーボ弁8のメインスプール8aを下降ポジション81 に保持したまま電磁弁13によりロジック弁15をオフ、そして電磁弁16によりロジック弁17をオンにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図13の(イ)に示すようにロジック弁15を経て親シリンダ3の上室31 へのみ供給され、親シリンダ3の下室32 の油は管路103 よりロジック弁17を経て管路102 へ排出されて、子シリンダ2の下室22 の油とともにタンク18へドレンされるため、親シリンダ3の上室31 の受圧面積によりピストン3aが下方へ押圧されて、スライド9は図13の(ロ)の太線で示すように減速下降され、このとき大きな加圧力が発生して、上型と下型の間でワーク(ともに図示せず)の成形が行えるようになる。また成形中加圧保持を行う場合は、サーボ弁8のパイロット切換え弁8bによりメインスプール8aを中立ポジション83 に切換えると、スライド9がその位置で停止されるため、ワークを加圧状態に保持することができる。
【0027】
一方ワークの成形が完了してスライド9を下死点より上昇させる場合は、サーボ弁8のパイロット切換え弁8bによりメインスプール8aを上昇ポジション82 へ切換え、電磁弁16によりロジック弁17をオン、そして電磁弁13によりロジック弁15をオフにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図14の(イ)に示すように管路102 より子シリンダ2の下室22 と、ロジック弁17より管路103 を経て親シリンダ3の下室32 へ供給され、親シリンダ3の上室31 の油は管路101 を経てタンク18へドレンされる。
これによってスライド9は図14の(ロ)の太線で示すように低速で上昇され、このとき子シリンダ2の引上げ力に親シリンダ3の引上げ力が加わるため、成形中ワークに上型が咬み込んだ場合でも、咬み込んだ上型をワークより強力に離脱させることができる。
【0028】
その後サーボ弁8のメインスプール8aを上昇ポジション82 に保持した状態で、電磁弁13によりロジック弁15をオンに、そして電磁弁16によりロジック弁17をオフにすると、図15の(イ)に示すように油圧源4の吐出圧は管路102 より子シリンダ2の下室22 へ供給され、親シリンダ3の上室31 の圧油はロジック弁15及び管路103 を経て下室32 へ流入し、両室31 ,32 の受圧面積差により生じる余剰油は管路101 を経てタンク18へドレンされるため、スライド9は図15の(ロ)の太線で示すように急速に上死点まで上昇される。
【0029】
以上のように圧力補償用のロジック弁14を省略した場合でも、第1実施例と同様な機能が得られると共に、ロジック弁15のばね室15aに、管路101 、103 を流れる油の高圧側の圧油が背圧としてシャトル弁30を介して印加されているため、ロジック弁15が動作する際に生じる圧力変動を補償することができる。
【0030】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によればサーボ弁8を下降ポジション8 1 、第1のロジック弁15をオン、第2のロジック弁17をオフとすることで、第1の管路10 1 を介して親シリンダ3の上室3 1 と下室3 2 へ圧油を供給することにより、両室の受圧面積差により親シリンダ3によってスライド9を高速で下降させることができる。
また、加圧中は第1のロジック弁15をオフ、第2のロジック弁17をオンすることで、下室3 2 が第2の管路10 2 からタンク18に流れるから、親シリンダ3の受圧面積の大きい上室3 1 へ圧油を供給することにより大きな加圧力か得られる。
また、サーボ弁8を上昇ポジション8 2 、第1のロジック弁15をオフ、第2のロジック弁17をオンとすることで、第2の管路10 2 を介して子シリンダ2の下室2 2 に圧油が供給し、かつ第2の管路10 2 、第2のロジック弁17を経て親シリンダ3の下室3 2 に圧油が供給されることにより、スライド9の上昇時は親シリンダ3と子シリンダ2のそれぞれ下室3 2 ,2 2 、へ供給された圧油により大きな上昇力が得られるため、上型がワークに咬み込んでも上型を容易に離脱することができる。
また、前述の状態で第2のロジック弁17をオフ、第1のロジック弁15をオンすることで、子シリンダ2の下室2 2 にのみ圧油が供給されるため、スライド9は高速で上昇する。
さらに各管路に設けられた電磁弁が独立しているため、一方が故障しても他方の電磁弁とサーボ弁により安全にプレスを停止することができる。
また、サーボ弁8が故障した場合には、第1・第2のロジック弁15,17をオフとすると共に、パイロットチェック弁6をオフすることでシリンダ1が作動しないようになるので、スライド9を停止させることができる。
請求項2に係る発明によれば、スライド9を下降する時に、パイロットチェック弁28をオフして子シリンダ2の上室2 1 とタンク18を遮断し、電磁弁25で親シリンダ3の上室3 1 と子シリンダ2の上室2 1 を連通すれば、両方の上室2 1 ,3 1 に圧油が供給されるから、大きな加圧力が得られる。
請求項3に係る発明によれば、第1のロジック弁15がオン・オフする際に発生する体積の変化を、第1のロジック弁15と交互にオン、オフする第3のロジック弁14で吸収して圧力が変動を補償するから、その第1のロジック弁15が動作した際に発生するシリンダ内の体積変化により圧力が急に高くなるのを防止することができる。
請求項4に係るの発明によれば、親シリンダ3の上室3 1 と下室3 2 の間を接続する第1のロジック弁15に、その上室3 1 と下室3 2 の高圧側の圧油を背圧として印加して、第1のロジック弁15の動作時の圧力変動を補償して、圧力が急に高くなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例になる油圧プレスの高速安全回路を示す回路図である。
【図2】(イ)及び(ロ)はこの発明の第1実施例になる高速安全回路によりスライドを高速下降させる際の作用説明図である。
【図3】(イ)及び(ロ)はこの発明の第1実施例になる高速安全回路によりスライドを低速下降させる際の作用説明図である。
【図4】(イ)及び(ロ)はこの発明の第1実施例になる高速安全回路によりスライドを低速上昇させる際の作用説明図である。
【図5】(イ)及び(ロ)はこの発明の第1実施例になる高速安全回路によりスライドを高速上昇させる際の作用説明図である。
【図6】この発明の第2実施例になる油圧プレスの高速安全回路を示す回路図である。
【図7】(イ)及び(ロ)はこの発明の第2実施例になる高速安全回路によりスライドを高速下降させる際の作用説明図である。
【図8】(イ)及び(ロ)はこの発明の第2実施例になる高速安全回路によりスライドを低速下降させる際の作用説明図である。
【図9】(イ)及び(ロ)はこの発明の第2実施例になる高速安全回路によりスライドを低速上昇させる際の作用説明図である。
【図10】(イ)及び(ロ)はこの発明の第2実施例になる高速安全回路によりスライドを高速上昇させる際の作用説明図である。
【図11】この発明の第3実施例になる油圧プレスの高速安全回路を示す回路図である。
【図12】(イ)及び(ロ)はこの発明の第3実施例になる高速安全回路によりスライドを高速下降させる際の作用説明図である。
【図13】(イ)及び(ロ)はこの発明の第3実施例になる高速安全回路によりスライドを低速下降させる際の作用説明図である。
【図14】(イ)及び(ロ)はこの発明の第3実施例になる高速安全回路によりスライドを低速上昇させる際の作用説明図である。
【図15】(イ)及び(ロ)はこの発明の第3実施例になる高速安全回路によりスライドを高速上昇させる際の作用説明図である。
【符号の説明】
1…油圧シリンダ
2…子シリンダ
2a…ピストン
2b…ピストン杆
3…親シリンダ
3a…ピストン
3b…ピストン杆
31 …上室
32 …下室
4…油圧源
5…電磁弁
6…パイロットチェック弁
8…サーボ弁
101 …管路
102 …管路
13,16…電磁弁
14,15,17…ロジック弁
30…シャトル弁
【発明の属する技術分野】
この発明は油圧プレスの高速安全回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来油圧シリンダによりスライドを上下駆動する油圧プレスの油圧回路として、例えば実公平2−18801号公報や、実開平6−39285号公報、特開平6−155089号公報に記載されたものが公知である。
実公平2−18801号公報に記載のものは、液圧シリンダへ液圧を供給する回路に、方向制御弁とパイロットチェック弁が設けられていて、方向制御弁を切換えて、上記パイロットチェック弁を介して液圧シリンダへ液圧を供給することにより、液圧シリンダにより負荷を駆動するように構成されている。
【0003】
また実開平6−39285号公報に記載のものは、受圧面積の小さい高速シリンダと、受圧面積の大きい加圧シリンダを同一中心上に配置して、各シリンダのピストンをピストン杆により互に連動した構造で、高速シリンダ側のピストン杆が高速シリンダの上方へ突出した両ロッドシリンダを採用している。
そして高速シリンダ側へ油圧を供給してピストンを高速動作させた後、加圧シリンダへ油圧を供給して、大きな加圧力を得ることにより、高負荷に対応できるように構成されている。
さらに特開平6−155089号公報に記載のものは、高速シリンダと加圧シリンダよりなるシリンダ装置の加圧シリンダのピストン側にパイロット圧により開閉されるシーケンスバルブが設けられており、このシーケンスバルブをオン,オフすることによって高速動作より加圧動作へ移行するようにしたもので、外付けの配管やバルブ類を必要とせずに高速、高負荷に対応できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし実公平2−18801号公報のものでは、方向制御弁のスプールにゴミなどが噛み込んでスプールが下降方向へ移動できない場合、液圧シリンダからの液圧を絞ることができなくなり、負荷が増大して危険であるなどの不具合がある。
また実開平6−39285号公報では、プレス作業中に型の咬み込みなどが発生しても、大きな離脱力が得られないため、型の咬み込みより離脱できない不具合がある。
さらに特開平6−155089号公報では、加圧シリンダのピストン内にシーケンスバルブが内装されているため、シーケンスバルブの整備性が悪いと共に、高速シリンダのピストン杆がシリンダの上方へ突出するため、危険であるなどの不具合がある。
この発明はかかる不具合を改善するためになされたもので油圧シリンダによりスライドを高速かつ安全に動作できる油圧プレスの高速安全回路を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、油圧シリンダ1によりスライド9を上下駆動する油圧プレスにおいて、油圧シリンダ1を同一中心線上に上下に配置された子シリンダ2と、これより受圧面積の大きい親シリンダ3より構成し、かつ子シリンダ2内のピストン2aと親シリンダ3内のピストン3aを親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより接続し、
油圧源4の吐出圧油を第1の管路10 1 と第2の管路10 2 の一方に選択的に供給する位置に切換えられるサーボ弁8を設け、
この第1の管路10 1 を前記親シリンダ3の上室3 1 に接続し、第2の管路10 2 を前記子シリンダ2の下室2 2 に接続し、
前記第1の管路10 1 に、電磁弁13でオン,オフされて前記親シリンダ3の下室3 2 を第1の管路10 1 に連通・遮断する第1のロジック弁15を設け、
前記第2の管路10 2 に、電磁弁16でオン,オフされて前記親シリンダ3の下室3 2 を第2の管路10 2 に連通・遮断する第2のロジック弁17を設け、
前記サーボ弁8は、第1・第2の管路10 1 ,10 2 と圧油源4、タンク18を遮断する中立ポジション8 3 を有し、圧油源4と第1の管路10 1 を連通し、かつ第2の管路10 2 をタンク18に連通する下降ポジション8 1 と、圧油源4と第2の管路10 2 を連通し、かつ第1の管路10 1 をタンク18に連通する上昇ポジション8 2 に切換えるものとし、
上記油圧源4とサーボ弁8を接続する管路7の途中に電磁弁5によりオン,オフされるパイロットチェック弁6を設けたことを特徴とする油圧プレスの高速安全回路である。
第2の発明は、第1の発明において、親シリンダ3の上室3 1 と子シリンダ2の上室2 1 の間を、電磁弁25を介して接続し、また子シリンダ2の上室2 1 とタンク18の間を電磁弁27によりオン、オフされるパイロットチェック弁28を介して接続してなる油圧プレスの高速安全回路である。
第3の発明は、第1の発明において、第1の管路10 1 に、第1のロジック弁15がオン、オフした際に発生する親シリンダ3の上室3 1 内の体積変化による圧力上昇を防止する第3のロジック弁14を、上記第1のロジック弁15と同期してオフ、オンするように設けた油圧プレスの高速安全回路である。
第4の発明は、第1の発明において、第1のロジック弁15に、親シリンダ3の上室3 1 と下室3 2 における高圧側の圧油をシャトル弁30を介して背圧として印加することにより、圧力補償を行うようにしてなる油圧プレスの高速安全回路である。
【0006】
【作用】
第1の発明によればサーボ弁8を下降ポジション8 1 、第1のロジック弁15をオン、第2のロジック弁17をオフとすることで、第1の管路10 1 を介して親シリンダ3の上室3 1 と下室3 2 へ圧油を供給することにより、両室の受圧面積差により親シリンダ3によってスライド9を高速で下降させることができる。
また、加圧中は第1のロジック弁15をオフ、第2のロジック弁17をオンすることで、下室3 2 が第2の管路10 2 からタンク18に流れるから、親シリンダ3の受圧面積の大きい上室3 1 へ圧油を供給することにより大きな加圧力か得られる。
また、サーボ弁8を上昇ポジション8 2 、第1のロジック弁15をオフ、第2のロジック弁17をオンとすることで、第2の管路10 2 を介して子シリンダ2の下室2 2 に圧油が供給し、かつ第2の管路10 2 、第2のロジック弁17を経て親シリンダ3の下室3 2 に圧油が供給されることにより、スライド9の上昇時は親シリンダ3と子シリンダ2のそれぞれ下室3 2 ,2 2 、へ供給された圧油により大きな上昇力が得られるため、上型がワークに咬み込んでも上型を容易に離脱することができる。
また、前述の状態で第2のロジック弁17をオフ、第1のロジック弁15をオンすることで、子シリンダ2の下室2 2 にのみ圧油が供給されるため、スライド9は高速で上昇する。
さらに各管路に設けられた電磁弁が独立しているため、一方が故障しても他方の電磁弁とサーボ弁により安全にプレスを停止することができる。
また、サーボ弁8が故障した場合には、第1・第2のロジック弁15,17をオフとすると共に、パイロットチェック弁6をオフすることでシリンダ1が作動しないようになるので、スライド9を停止させることができる。
第2の発明によれば、スライド9を下降する時に、パイロットチェック弁28をオフして子シリンダ2の上室2 1 とタンク18を遮断し、電磁弁25で親シリンダ3の上室3 1 と子シリンダ2の上室2 1 を連通すれば、両方の上室2 1 ,3 1 に圧油が供給されるから、大きな加圧力が得られる。
第3の発明によれば、第1のロジック弁15がオン・オフする際に発生する体積の変化を、第1のロジック弁15と交互にオン、オフする第3のロジック弁14で吸収して圧力が変動を補償するから、その第1のロジック弁15が動作した際に発生するシリンダ内の体積変化により圧力が急に高くなるのを防止することができる。
第4の発明によれば、親シリンダ3の上室3 1 と下室3 2 の間を接続する第1のロジック弁15に、その上室3 1 と下室3 2 の高圧側の圧油を背圧として印加して、第1のロジック弁15の動作時の圧力変動を補償して、圧力が急に高くなることを防止できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明の第1実施例を図1ないし図5に示す図面を参照して詳述する。
図1において1はシリンダ本体で、受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3よりなる。
上記子シリンダ2と親シリンダ3は同一中心上に上下2段に設けられていて、これらシリンダ2,3内にピストン2a,3aがそれぞれ収容されている。
子シリンダ2に収容されたピストン2aの下面には、ピストン杆2bが突設されていて、このピストン杆2bの先端は親シリンダ3内に収容されたピストン3aの上面に接続されており、親シリンダ3側のピストン3a下面には、上記ピストン2bより径の大きな外径のピストン杆3bが突設されていて、このピストン杆3bの先端側は、親シリンダ3の端板3cを貫通して外方へ突出され、先端にプレスのスライド9が接続されている。
【0008】
また4は可変流量ポンプよりなる油圧源で、この油圧源4より吐出された圧油は、途中に電磁弁5によりオン,オフされるパイロットチェック弁6の設けられた管路7よりサーボ弁8へ供給されている。
上記サーボ弁8はメインスプール8aと、このメインスプール8aをパイロット圧により切換える電磁弁よりなるパイロット切換え弁8bと、パイロット回路8cの途中に設けられた電磁弁よりなるオン,オフ弁8dよりなる。
そして上記サーボ弁8と親シリンダ3の間を接続する2路の管路10のうち、親シリンダ3の上室31 側に接続された管路101 と親シリンダ3の下室32 の間は電磁弁13により交互に開閉自在な2個のロジック弁14,15を介して接続され、また一方のロジック弁15と子シリンダ2の下室22 に接続された管路102 の間は、電磁弁16により開閉自在なロジック弁17を介して接続されていると共に、子シリンダ2の上室21 は大気に開放されている。
【0009】
一方上記親シリンダ3の上室31 と下室32 には、各室31 ,32 内の圧力より加圧力Pを検出する圧力センサよりなる加圧力検出手段19,20が、そしてスライド9の近傍にはスライド9の位置を検出するスライド位置検出手段21が設けられていて、これら検出手段19,20,21により検出された圧力及び位置信号がコントローラ22へ入力されている。
【0010】
次に上記構成された高速安全回路の作用を説明する(なおオンは開、オフは閉の状態を示す)。上死点よりスライド9を下降させてプレス加工を開始する場合、まずサーボ弁8のパイロット切換え弁8b及びオン、オフ弁8dをオンにしてスプール8aを中立ポジション83 より下降ポジション81 へ切換え、同時に電磁弁5によりパイロットチェック弁6をオン、電磁弁13によりロジック弁14をオフ、ロジック弁15をオン、そして電磁弁16によりロジック弁17をオフにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図2の(イ)に示すように管路101 よりロジック弁15,14を介して親シリンダ3の上室31 へ流入し、また上室31 と下室32 の間がロジック弁14,15を介して連通されるため、親シリンダ3の上室31 と下室32 の受圧面積差でスライド9が図2の(ロ)の太線で示すように高速で下降し、子シリンダ2の下室22 の油は、管路102 よりサーボ弁8を経てタンク18へドレンされる。
【0011】
次にスライド9が所定位置まで下降して、ワークを成形するための加圧力を必要とする場合は、サーボ弁8のメインスプール8aを下降ポジション81 に保持したまま電磁弁13によりロジック弁14をオン、ロジック弁15をオフ、そして電磁弁16によりロジック弁17をオンにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図3の(イ)に示すようにロジック弁15,14を経て親シリンダ3の上室31 へのみ供給され、親シリンダ3の下室32 の油はロジック弁17より管路102 へ排出されて、子シリンダ2の下室22 の油とともにタンク18へドレンされるため、親シリンダ3の上室31 の受圧面積によりピストン3aが下方へ押圧されて、スライド9は図3の(ロ)の太線で示すように減速下降され、このとき大きな加圧力が発生して、上型と下型の間でワーク(ともに図示せず)の成形が行えるようになる。
また成形中加圧保持を行う場合は、サーボ弁8のパイロット切換え弁8bによりメインスプール8aを中立ポジション83 に切換えると、スライド9がその位置で停止されるため、ワークを加圧状態に保持することができる。
【0012】
一方ワークの成形が完了してスライド9を下死点より上昇させる場合は、サーボ弁8のパイロット切換え弁8bによりメインスプール8aを上昇ポジション82 へ切換え、電磁弁16によりロジック弁17をオン、そして電磁弁13によりロジック弁14をオン、ロジック弁15をオフにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図4の(イ)に示すように管路102 より子シリンダ2の下室22 と、ロジック弁17より親シリンダ3の下室32 へ供給され、親シリンダ3の上室31 の油は管路101 を経てタンク18へドレンされる。
これによってスライド9は図4の(ロ)の太線で示すように低速で上昇され、このとき子シリンダ2の引上げ力に親シリンダ3の引上げ力が加わるため、成形中ワークの上型が咬み込んだ場合でも、咬み込んだ上型をワークより強力に離脱させることができる。
【0013】
その後サーボ弁8のメインスプール8aを上昇ポジション82 に保持した状態で、電磁弁13によりロジック弁14をオフ、ロジック弁15をオンに、そして電磁弁16によりロジック弁17をオフにすると、図5の(イ)に示すように油圧源4の吐出圧は管路102 より子シリンダ2の下室22 へ供給され、親シリンダ3の上室31 の圧油はロジック弁14,15を経て下室32 へ流入し、両室31 ,32 の受圧面積差により生じる余剰油は管路101 を経てタンク18へドレンされるため、スライド9は図5の(ロ)の太線で示すように急速に上死点まで上昇される。
【0014】
以上は正常動作時の作用であるが、上記実施例ではメータイン側とメータアウト側回路の制御を独立させ、メータイン側にパイロットチェック弁6とサーボ弁8を、そしてメータアウト側にカウンタバランス弁として機能するロジック弁15,17とサーボ弁8を配置している。
またサーボ弁8のメインスプール8aとパイロット切換え弁8bの間に電磁弁よりなるオン,オフ弁8dを介在させている。
これによって動作中に電磁弁13,16の一方が故障しても、他方の電磁弁13,16とサーボ弁8によりスライド9を安全に停止させることができると共に、油圧圧油の異常時、オン,オフ弁8dをオフにすることによりサーボ弁8のメインスプール8aを確実に中立に戻すことができるため、安全が2重に働くようになると共に、上記メインスプール8aが故障した場合、電磁弁5,13,16をオフにすることによりスライド9を停止させることかできる。
【0015】
なお、上記実施例では図示していないが、ロジック弁14,15,17はシリンダ本体1に直付けされたマニホールドブロック内に設けられているため、外付け配管が不要となって圧力損失が少なくなると共に、ロジック弁のメンテナンスも簡単に行えるようになっている。
また、同じサイズのロジック弁14,15を直列接続して、一方のロジック弁14を圧力補償用として使用している。
すなわち、PVn =CONSTの状態からロジック弁14のエレメントが動くことにより変動する体積を△Vとし、エレメントが動く前と後の圧力Pと体積VをそれぞれP1 ,V1 ,P2 ,V2 とすると、
P1 V1 n =P2 V2 n
V2 =V1 −△V
∴ P2 =P 1 V1 n /(V1 −△V)n (>P1 )
となる。
これによって、ロジック弁15がオン・オフする際に発生する体積の変化を、ロジック弁15と交互にオン・オフするロジック弁14が圧力補償するため、圧力の急激な変化による衝撃などの発生を防止することができるようになる。
【0016】
一方図6ないし図10はこの発明の第2実施例を示すもので、次にこれを説明する。
なお前記第1記実施例と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。
前記第1実施例では子シリンダ2の上室21 は大気に開放していたが、この第2実施例では子シリンダ2の上室21 と下室22 の間が、途中に電磁弁25が設けられた管路26で接続されており、上室21 側に接続された管路26はさらに分岐されていて、この分岐管路26aは電磁弁27によりオン,オフされるパイロットチェック弁28を介してタンク18へ接続されている。
【0017】
次に上記第2実施例の作用を図7ないし図10を参照して説明すると、上死点よりスライド9を下降させてプレス加工を開始する場合、まずサーボ弁8のパイロット切換え弁8b及びオン、オフ弁8dをオンにしてスプール8aを中立ポジション83 より下降ポジション81 へ切換え、同時に電磁弁5によりパイロットチェック弁6をオン、電磁弁13によりロジック弁14をオフ、ロジック弁15をオン、電磁弁16によりロジック弁17をオフ、電磁弁25をオフ、そして電磁弁27によりパイロットチェック弁28をオンにする。
【0018】
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図7の(イ)に示すように管路101 よりロジック弁15,14を介して親シリンダ3の上室31 へ流入し、また上室31 と下室32 の間がロジック弁14,15を介して連通されるため、親シリンダ3の上室31 と下室32 の受圧面積差でスライド9が図7の(ロ)の太線で示すように高速で下降し、子シリンダ2の下室22 の油は、管路102 よりサーボ弁8を経てタンク18へドレンされ、また子シリンダ2の上室21 へは、パイロットチェック弁28を介してタンク18の油が吸入される。
【0019】
次にスライド9が所定位置まで下降して、ワークを成形するための加圧力を必要とする場合は、サーボ弁8のメインスプール8aを下降ポジション81 に保持したまま電磁弁13によりロジック弁14をオン、ロジック弁15をオフ、そして電磁弁16によりロジック弁17をオン、電磁弁25をオン、そして電磁弁27によりパイロットチェック弁28をオフにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図8の(イ)に示すようにロジック弁15,14を経て親シリンダ3の上室31 と、電磁弁25より子シリンダ2の上室21 へ供給され、親シリンダ3の下室32 の油はロジック弁17より管路102 へ排出されて、子シリンダ2の下室22 の油とともにタンク18へドレンされるため、親シリンダ3の上室31 及び子シリンダ2の上室21 の受圧面積差によりピストン3aが下方へ押圧されて、スライド9は図8の(ロ)の太線で示すように減速下降され、このとき大きな加圧力が発生して、上型と下型の間でワーク(ともに図示せず)の成形が行えるようになる。
【0020】
また成形中加圧保持を行う場合は、サーボ弁8のパイロット切換え弁8bによりメインスプール8aを中立ポジション83 に切換えると、スライド9がその位置で停止されるため、ワークを加圧状態に保持することができる。
【0021】
一方ワークの成形が完了してスライド9を下死点より上昇させる場合は、サーボ弁8のパイロット切換え弁8bによりメインスプール8aを上昇ポジション82 へ切換え、電磁弁25をオン、パイロットチェック弁28をオフに保持したまま電磁弁16によりロジック弁17をオン、そして電磁弁13によりロジック弁14をオン、ロジック弁15をオフにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図9の(イ)に示すように管路102 より子シリンダ2の下室22 と、ロジック弁17より親シリンダ3の下室32 へ供給され、子シリンダ2の上室21 と親シリンダ3の上室31 の油は管路101 を経てタンク18へドレンされる。
これによってスライド9は図9の(ロ)の太線で示すように低速で上昇され、このとき子シリンダ2の引上げ力に親シリンダ3の引上げ力が加わるため、成形中ワークに上型が咬み込んだ場合でも、咬み込んだ上型をワークより強力に離脱させることができる。
【0022】
その後サーボ弁8のメインスプール8aを上昇ポジション82 に保持した状態で、電磁弁13によりロジック弁14をオフ、ロジック弁15をオン、電磁弁25をオフ、パイロットチェック弁28をオンに、そして電磁弁16によりロジック弁17をオフにすると、図10の(イ)に示すように油圧源4の吐出圧は管路102 より子シリンダ2の下室22 へ供給され、親シリンダ3の上室31 の圧油はロジック弁14,15を経て下室32 へ流入し、両室31 ,32 の受圧面積差により生じる余剰油は管路101 を経てタンク18へドレンされ、そして子シリンダ2の上室21 の油はパイロットチェック弁28を経てタンク18へドレンされるため、スライド9は図10の(ロ)の太線で示すように急速に上死点まで上昇される。
【0023】
なお上記第1、第2実施例においては、同サイズのロジック弁14,15を直列接続して、これらロジック弁14,15を交互にオン、オフすることにより、一方のロジック弁15がオン、オフした際に発生する圧力変動を他方のロジック弁14で圧力補償するようにしたが、ロジック弁14を使用せずにロジック弁15の圧力補償を可能にした回路を次の第3実施例により説明する。
【0024】
図11ないし図15はこの発明の第3実施例を示すもので、圧力補償用のロジック弁14を省略した代りに、シャトル弁30を介してロジック弁15に高圧側の圧油を背圧として導入したものである。
すなわち親シリンダ3の上室31 に通じる管路101 に設けられたロジック弁15は電磁弁13によりオン、オフされると共に、ロジック弁15のばね室15aには、管路101 及びロジック弁15と親シリンダ3の下室32 を接続する管路103 に接続されたシャトル弁30により、管路101 ,103 を流れる高圧側の圧油が上記電磁弁13を介して背圧として導入されている。
なおその他の回路は上記第1実施例と同一なので、同一符号を付してその説明は省略する。
【0025】
次に上記構成された第3実施例の作用を図12ないし図15を参照し説明すると、上死点よりスライド9を下降させてプレス加工を開始する場合、まずサーボ弁8のパイロット切換え弁8b及びオン、オフ弁8dをオンにしてスプール8aを中立ポジション83 より下降ポジション81 へ切換え、同時に電磁弁5によりパイロットチェック弁6をオン、電磁弁13によりロジック弁15をオン、そして電磁弁16によりロジック弁17をオフにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図12の(イ)に示すように管路101 よりロジック弁15を介して親シリンダ3の上室31 へ流入し、また上室31 と下室32 の間がロジック弁15を介して連通されるため、親シリンダ3の上室31 と下室32 の受圧面積差でスライド9が図12の(ロ)の太線で示すように高速で下降し、子シリンダ2の下室22 の油は、管路102 よりサーボ弁8を経てタンク18へドレンされる。
【0026】
次にスライド9が所定位置まで下降して、ワークを成形するための加圧力を必要とする場合は、サーボ弁8のメインスプール8aを下降ポジション81 に保持したまま電磁弁13によりロジック弁15をオフ、そして電磁弁16によりロジック弁17をオンにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図13の(イ)に示すようにロジック弁15を経て親シリンダ3の上室31 へのみ供給され、親シリンダ3の下室32 の油は管路103 よりロジック弁17を経て管路102 へ排出されて、子シリンダ2の下室22 の油とともにタンク18へドレンされるため、親シリンダ3の上室31 の受圧面積によりピストン3aが下方へ押圧されて、スライド9は図13の(ロ)の太線で示すように減速下降され、このとき大きな加圧力が発生して、上型と下型の間でワーク(ともに図示せず)の成形が行えるようになる。また成形中加圧保持を行う場合は、サーボ弁8のパイロット切換え弁8bによりメインスプール8aを中立ポジション83 に切換えると、スライド9がその位置で停止されるため、ワークを加圧状態に保持することができる。
【0027】
一方ワークの成形が完了してスライド9を下死点より上昇させる場合は、サーボ弁8のパイロット切換え弁8bによりメインスプール8aを上昇ポジション82 へ切換え、電磁弁16によりロジック弁17をオン、そして電磁弁13によりロジック弁15をオフにする。
これによって油圧源4より吐出された圧油は、図14の(イ)に示すように管路102 より子シリンダ2の下室22 と、ロジック弁17より管路103 を経て親シリンダ3の下室32 へ供給され、親シリンダ3の上室31 の油は管路101 を経てタンク18へドレンされる。
これによってスライド9は図14の(ロ)の太線で示すように低速で上昇され、このとき子シリンダ2の引上げ力に親シリンダ3の引上げ力が加わるため、成形中ワークに上型が咬み込んだ場合でも、咬み込んだ上型をワークより強力に離脱させることができる。
【0028】
その後サーボ弁8のメインスプール8aを上昇ポジション82 に保持した状態で、電磁弁13によりロジック弁15をオンに、そして電磁弁16によりロジック弁17をオフにすると、図15の(イ)に示すように油圧源4の吐出圧は管路102 より子シリンダ2の下室22 へ供給され、親シリンダ3の上室31 の圧油はロジック弁15及び管路103 を経て下室32 へ流入し、両室31 ,32 の受圧面積差により生じる余剰油は管路101 を経てタンク18へドレンされるため、スライド9は図15の(ロ)の太線で示すように急速に上死点まで上昇される。
【0029】
以上のように圧力補償用のロジック弁14を省略した場合でも、第1実施例と同様な機能が得られると共に、ロジック弁15のばね室15aに、管路101 、103 を流れる油の高圧側の圧油が背圧としてシャトル弁30を介して印加されているため、ロジック弁15が動作する際に生じる圧力変動を補償することができる。
【0030】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によればサーボ弁8を下降ポジション8 1 、第1のロジック弁15をオン、第2のロジック弁17をオフとすることで、第1の管路10 1 を介して親シリンダ3の上室3 1 と下室3 2 へ圧油を供給することにより、両室の受圧面積差により親シリンダ3によってスライド9を高速で下降させることができる。
また、加圧中は第1のロジック弁15をオフ、第2のロジック弁17をオンすることで、下室3 2 が第2の管路10 2 からタンク18に流れるから、親シリンダ3の受圧面積の大きい上室3 1 へ圧油を供給することにより大きな加圧力か得られる。
また、サーボ弁8を上昇ポジション8 2 、第1のロジック弁15をオフ、第2のロジック弁17をオンとすることで、第2の管路10 2 を介して子シリンダ2の下室2 2 に圧油が供給し、かつ第2の管路10 2 、第2のロジック弁17を経て親シリンダ3の下室3 2 に圧油が供給されることにより、スライド9の上昇時は親シリンダ3と子シリンダ2のそれぞれ下室3 2 ,2 2 、へ供給された圧油により大きな上昇力が得られるため、上型がワークに咬み込んでも上型を容易に離脱することができる。
また、前述の状態で第2のロジック弁17をオフ、第1のロジック弁15をオンすることで、子シリンダ2の下室2 2 にのみ圧油が供給されるため、スライド9は高速で上昇する。
さらに各管路に設けられた電磁弁が独立しているため、一方が故障しても他方の電磁弁とサーボ弁により安全にプレスを停止することができる。
また、サーボ弁8が故障した場合には、第1・第2のロジック弁15,17をオフとすると共に、パイロットチェック弁6をオフすることでシリンダ1が作動しないようになるので、スライド9を停止させることができる。
請求項2に係る発明によれば、スライド9を下降する時に、パイロットチェック弁28をオフして子シリンダ2の上室2 1 とタンク18を遮断し、電磁弁25で親シリンダ3の上室3 1 と子シリンダ2の上室2 1 を連通すれば、両方の上室2 1 ,3 1 に圧油が供給されるから、大きな加圧力が得られる。
請求項3に係る発明によれば、第1のロジック弁15がオン・オフする際に発生する体積の変化を、第1のロジック弁15と交互にオン、オフする第3のロジック弁14で吸収して圧力が変動を補償するから、その第1のロジック弁15が動作した際に発生するシリンダ内の体積変化により圧力が急に高くなるのを防止することができる。
請求項4に係るの発明によれば、親シリンダ3の上室3 1 と下室3 2 の間を接続する第1のロジック弁15に、その上室3 1 と下室3 2 の高圧側の圧油を背圧として印加して、第1のロジック弁15の動作時の圧力変動を補償して、圧力が急に高くなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例になる油圧プレスの高速安全回路を示す回路図である。
【図2】(イ)及び(ロ)はこの発明の第1実施例になる高速安全回路によりスライドを高速下降させる際の作用説明図である。
【図3】(イ)及び(ロ)はこの発明の第1実施例になる高速安全回路によりスライドを低速下降させる際の作用説明図である。
【図4】(イ)及び(ロ)はこの発明の第1実施例になる高速安全回路によりスライドを低速上昇させる際の作用説明図である。
【図5】(イ)及び(ロ)はこの発明の第1実施例になる高速安全回路によりスライドを高速上昇させる際の作用説明図である。
【図6】この発明の第2実施例になる油圧プレスの高速安全回路を示す回路図である。
【図7】(イ)及び(ロ)はこの発明の第2実施例になる高速安全回路によりスライドを高速下降させる際の作用説明図である。
【図8】(イ)及び(ロ)はこの発明の第2実施例になる高速安全回路によりスライドを低速下降させる際の作用説明図である。
【図9】(イ)及び(ロ)はこの発明の第2実施例になる高速安全回路によりスライドを低速上昇させる際の作用説明図である。
【図10】(イ)及び(ロ)はこの発明の第2実施例になる高速安全回路によりスライドを高速上昇させる際の作用説明図である。
【図11】この発明の第3実施例になる油圧プレスの高速安全回路を示す回路図である。
【図12】(イ)及び(ロ)はこの発明の第3実施例になる高速安全回路によりスライドを高速下降させる際の作用説明図である。
【図13】(イ)及び(ロ)はこの発明の第3実施例になる高速安全回路によりスライドを低速下降させる際の作用説明図である。
【図14】(イ)及び(ロ)はこの発明の第3実施例になる高速安全回路によりスライドを低速上昇させる際の作用説明図である。
【図15】(イ)及び(ロ)はこの発明の第3実施例になる高速安全回路によりスライドを高速上昇させる際の作用説明図である。
【符号の説明】
1…油圧シリンダ
2…子シリンダ
2a…ピストン
2b…ピストン杆
3…親シリンダ
3a…ピストン
3b…ピストン杆
31 …上室
32 …下室
4…油圧源
5…電磁弁
6…パイロットチェック弁
8…サーボ弁
101 …管路
102 …管路
13,16…電磁弁
14,15,17…ロジック弁
30…シャトル弁
Claims (4)
- 油圧シリンダ1によりスライド9を上下駆動する油圧プレスにおいて、油圧シリンダ1を同一中心線上に上下に配置された子シリンダ2と、これより受圧面積の大きい親シリンダ3より構成し、かつ子シリンダ2内のピストン2aと親シリンダ3内のピストン3aを親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより接続し、
油圧源4の吐出圧油を第1の管路10 1 と第2の管路10 2 の一方に選択的に供給する位置に切換えられるサーボ弁8を設け、
この第1の管路10 1 を前記親シリンダ3の上室3 1 に接続し、第2の管路10 2 を前記子シリンダ2の下室2 2 に接続し、
前記第1の管路10 1 に、電磁弁13でオン,オフされて前記親シリンダ3の下室3 2 を第1の管路10 1 に連通・遮断する第1のロジック弁15を設け、
前記第2の管路10 2 に、電磁弁16でオン,オフされて前記親シリンダ3の下室3 2 を第2の管路10 2 に連通・遮断する第2のロジック弁17を設け、
前記サーボ弁8は、第1・第2の管路10 1 ,10 2 と圧油源4、タンク18を遮断する中立ポジション8 3 を有し、圧油源4と第1の管路10 1 を連通し、かつ第2の管路10 2 をタンク18に連通する下降ポジション8 1 と、圧油源4と第2の管路10 2 を連通し、かつ第1の管路10 1 をタンク18に連通する上昇ポジション8 2 に切換えるものとし、
上記油圧源4とサーボ弁8を接続する管路7の途中に電磁弁5によりオン,オフされるパイロットチェック弁6を設けたことを特徴とする油圧プレスの高速安全回路。 - 親シリンダ3の上室3 1 と子シリンダ2の上室2 1 の間を、電磁弁25を介して接続し、また子シリンダ2の上室2 1 とタンク18の間を電磁弁27によりオン、オフされるパイロットチェック弁28を介して接続してなる請求項1記載の油圧プレスの高速安全回路。
- 第1の管路10 1 に、第1のロジック弁15がオン、オフした際に発生する親シリンダ3の上室3 1 内の体積変化による圧力上昇を防止する第3のロジック弁14を、上記第1のロジック弁15と同期してオフ、オンするように設けた請求項1記載の油圧プレスの高速安全回路。
- 第1のロジック弁15に、親シリンダ3の上室3 1 と下室3 2 における高圧側の圧油をシャトル弁30を介して背圧として印加することにより、圧力補償を行うようにしてなる請求項1記載の油圧プレスの高速安全回路。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18938395A JP3664325B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-07-25 | 油圧プレスの高速安全回路 |
KR1019980700455A KR100266339B1 (ko) | 1995-07-25 | 1996-07-18 | 유압 프레스의 고속 안전 회로 |
CN96195685A CN1191507A (zh) | 1995-07-25 | 1996-07-18 | 液压机的高速安全回路 |
US08/981,753 US5865088A (en) | 1995-07-25 | 1996-07-18 | High-speed safety circuit for a hydraulic press |
PCT/JP1996/002009 WO1997004951A1 (fr) | 1995-07-25 | 1996-07-18 | Circuit de securite a haute vitesse pour presse hydraulique |
TW085108954A TW298578B (ja) | 1995-07-25 | 1996-07-23 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-11440 | 1995-01-27 | ||
JP1144095 | 1995-01-27 | ||
JP18938395A JP3664325B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-07-25 | 油圧プレスの高速安全回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08257795A JPH08257795A (ja) | 1996-10-08 |
JP3664325B2 true JP3664325B2 (ja) | 2005-06-22 |
Family
ID=26346865
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18938395A Expired - Fee Related JP3664325B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-07-25 | 油圧プレスの高速安全回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3664325B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10193198A (ja) * | 1996-12-27 | 1998-07-28 | Komatsu Ltd | 油圧プレスのブレークスルーの抑制制御装置 |
JP3565679B2 (ja) * | 1997-03-26 | 2004-09-15 | アイダエンジニアリング株式会社 | 板金成形用油圧プレス機械 |
JP4104390B2 (ja) * | 2002-07-22 | 2008-06-18 | 川崎油工株式会社 | 鍛造等の高面圧加工プレスおよびそのプレス成形方法 |
CN103112196A (zh) * | 2013-03-08 | 2013-05-22 | 严培义 | 粉末压机压力保护装置 |
CN103982474B (zh) * | 2014-05-28 | 2016-05-11 | 苏州艾酷玛赫设备制造有限公司 | 新型气液增力缸 |
-
1995
- 1995-07-25 JP JP18938395A patent/JP3664325B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08257795A (ja) | 1996-10-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5065664A (en) | Control circuit for a cylinder allowing flow between an upper and a lower chamber | |
JPH10507133A (ja) | プレスのための液圧駆動装置 | |
WO1997004951A1 (fr) | Circuit de securite a haute vitesse pour presse hydraulique | |
GB2311822A (en) | Fluid joining device for power construction vehicles | |
US5680759A (en) | Straight travelling apparatus for heavy construction equipment | |
KR100518768B1 (ko) | 부하홀딩용 유압밸브의 제어장치 | |
JP3664325B2 (ja) | 油圧プレスの高速安全回路 | |
JPH08100803A (ja) | 方向制御弁 | |
CN211039191U (zh) | 液压驱动系统 | |
EP0913586A1 (en) | Hydraulic oil supply apparatus | |
JP3065460B2 (ja) | シリンダ作動用油圧回路 | |
KR100692381B1 (ko) | 유압공구용 유압공급장치 | |
JPH0919799A (ja) | 二重油圧シリンダの油圧回路 | |
JPH10259802A (ja) | 静水圧駆動系 | |
JPH06262332A (ja) | 型締機用の油圧回路 | |
JPH09210007A (ja) | 油圧シリンダの油圧回路 | |
CN220037116U (zh) | 一种高低压双泵合流多路阀 | |
JPH066247Y2 (ja) | 作動シリンダ制御装置 | |
JP2577677Y2 (ja) | 高速シリンダ装置 | |
CN116816753A (zh) | 工程机械的液压控制系统和工程机械 | |
JPH0636324Y2 (ja) | 油圧式プレス式機械の油圧回路 | |
JPH10156599A (ja) | プレス機械における油圧作動装置 | |
JP3814038B2 (ja) | 高速自動油圧プレス機 | |
JPH08143292A (ja) | シーケンスバルブ及び荷役装置の油圧装置 | |
JP2560862Y2 (ja) | 油圧操作装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041215 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050214 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050323 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050324 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |