JP2770696B2 - ユニットルームの吊上装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はユニットバスルーム、ユ
ニットシャワールーム、ユニットトイレルームなどのユ
ニットルームを施工現場に搬入する際に使用するユニッ
トルームの吊上装置に関する。詳しくは、ユニットルー
ムを土台上に設置施工する場合に好適に使用されるユニ
ットルームの吊上装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ユニットルームを木造住宅に設置する場
合などには、第４図に示すように据付架台１０が用いら
れている。この据付架台１０は、方形枠状の枠体１２
と、該枠体１２の４隅部から立設された吊支杆１４と、
該吊支杆１４の上端から枠体１２の外方に延設された係
止杆１６とを備えている。この係止杵１６にはレベル調
節用のボルト（図示略）が設けられている。

【０００３】この据付架台１０は、係止杆１６を土台１
８に載せるようにして架設される。そして、この据付架
台１０の上側にユニットルーム２０が載置される。２２
はユニットルーム２０の床面部分を構成する防水パン、
２４は壁パネル、２６は天井パネルである。２８は基礎
である。

【０００４】第４図は木造住宅の１階の施工構造を示し
ているが、同様の据付架台を用いて第５図の如く木造住
宅の２階にユニットルーム２０を設置することもでき
る。

【０００５】ところで、この種のユニットルームを設置
施工する場合、従来はまず据付架台１０を現場に搬入し
て土台１８に仮固定し、次いで防水パン２２を該据付架
台１０上に設置する。そして、据付架台１０のレベル出
し（水平調節及び高さ調節）及び本固定を行なう。しか
る後、壁パネル２４を立設し、その後天井パネル２６を
架設する。

【０００６】この搬入及び施工の手間を軽減するための
ものとして、特開平４−６２２６６号公報に、予め組み
立てたバスユニットを吊り上げて現場に搬入する施工方
法が記載されている。

【０００７】この特開平４−６２２６６号公報の方法
は、壁パネルを囲壁状に組み立てておくと共に、防水パ
ンをこの囲壁状の壁パネルの内側（ユニットルームの室
内）を上下動しうるように内嵌させておくものである。
搬入時には、この防水パンを囲壁状の壁パネルの内側に
入り込ませ、仮留め部材に係止させておく。搬入後に、
防水パンを下降させて据え付ける。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】特開平４−６２２６６
号公報の方法により構築されたユニットルームでは、壁
パネルが防水パンの上に載っておらず、壁パネルと防水
パンとの継目から水が漏れ易いというかなり重大な欠点
がある。

【０００９】また、施工方法としてみても、現場におい
て防水パンを静かに下降させて据え付ける作業が必要で
あり、現場作業数が多いという欠点がある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明のユニットルーム
の吊上装置は、ユニットルーム設置用の基礎に対し上方
から嵌合しうるように下向きコ字形断面形状を有した複
数個のベース金物と、各ベース金物から立設された支柱
と、該支柱の上部間に架設された梁部材と、該梁部材に
設けられたユニットルーム吊上機とを備えてなるもので
ある。

【００１１】

【作用】本発明のユニットルームの吊上装置は、前述の
課題を解決する為に、工場にて予め組み付けの終了した
ユニットルームを施工現場へ搬入設置する際に使用す
る。予め組み付けの終了した該ユニットルームは防水パ
ン該防水パンの周縁に立設された壁パネル該壁パネルの
上部に架設された天井パネル及び該防水パンを下側から
支承する据付架台を有するユニットルームであり当初よ
り接着材等により防水パンと壁パネルが密着固定されて
いるので防水性が良い。

【００１２】該ユニットルームを施工現場への搬入する
には、予めユニットルーム設置用土台が設けられている
施工現場へ、該ユニットルームを台盤に載せ該台盤ごと
ローラコンベアにより前記土台の上まで移動させたり、
同様に該ユニットルームを台車に載せて該台車ごと前記
土台の上まで移動させる方法などを採用できる。

【００１３】施工現場へユニットルームを移動させた
後、本発明のユニットルーム吊上装置を用いて該ユニッ
トルームを持ち上げ、該ユニットルームの下の前記台盤
若しくは前記台車等を撤去する。次いで、該吊上装置を
荷降し作動させて該ユニットルームを前記土台上へ降下
設置させる。

【００１４】このように、本発明の吊上装置を使用すれ
ば、設置場所まで移動の完了した完全に又はほぼ完成さ
れたユニットルームを取付架台ごと吊上げ、しかる後該
ユニットルームの下の前記台盤、若しくは前記台車を撤
去してから該ユニットルームを前記土台上へ下降設置す
るだけでユニットルームの据付を行なえるため、ユニッ
トルームの設置作業の能率が著しく向上する。

【００１５】

【実施例】以下図面を参照して実施例について説明す
る。第１図は本発明の実施例を説明する斜視図、第２、
３図は本発明のユニットルーム吊上装置の構成の概要を
示す分解斜視図である。

【００１６】第１図において、チェーンブロック３０は
フック３２を介して水平ビーム３４に吊設されている。
該ビーム３４は、１対の横杆３４ａ，３４ｂと、これら
を結ぶ縦杆３４ｃとを有したＨ型形状をしており、ユニ
ットルーム２０の外周に立設されている４本の支柱３６
の上端同志の間に架設されている、支柱３６の下端はベ
ース金物３８に嵌合支持されている。

【００１７】該チェーンブロック３０から巻き出される
チェーンの先端にフック４０が設けられている。該フッ
ク４０は、ユニットルーム２０に外嵌された方形枠状の
枠体４２の４隅部上側に螺着されたアイボルト４４、４
４間に架け渡されたチェーン４６に引掛けられており、
該枠体４２を水平に吊支している。該枠体４２の下側か
らはそれぞれ等長の吊支用チェーン４８が下方に伸びて
いる。該チェーン４８の下端がループ状になっており、
据付架台１０の係止杆１６に引掛けられている。なお、
本実施例で使用しているチェーン４６とチェーン４８の
代わりに、十分な引張強度を有するロープを用いても良
い。

【００１８】次に、第２図を参照して本発明のユニット
ルーム吊上装置の外側枠体の構成と組立手順を説明す
る。

【００１９】ユニットルーム設置用基礎２８上の土台１
８に対し、下向きコ字形断面形状を有した４個のベース
金物３８を上方から嵌合させる。該ベース金物３８の対
向する２面のうち、１面には雌ネジ孔５０を螺設してあ
る。（なお、貫通孔を穿設し、ナットを溶接しても良
い。）該雌ネジ５０に螺嵌しているボルト５２を均等に
締め込むことにより、該ベース金物３８を前述土台１８
に固定する。

【００２０】土台１８に固定された該ベース金物３８の
上面には垂直上方向にピン３８Ｄが突設されている。両
端に孔３６Ｈを有する支柱３６を該ピン３８Ｄに嵌合
し、立設する。同様にして、合計４本の支柱３６を立設
し、該支柱３６の上端の孔３６Ｈに水平ビーム３４の下
面のピン３４Ｄを嵌合する。（なお、ピン３４Ｄは、水
平ビーム３４の横杆３４ａ，３４ｂの各端部下面のみに
突設されている。）以上により本発明のユニットルーム
吊上装置の外側枠体の構築が終了する。

【００２１】この様に構成された本発明のユニットルー
ム吊上装置を用いてユニットルーム２０の設置を行なう
場合、まず台車もしくはローラコンベア等を用いて、取
付架台１０の付属した該ユニットルーム２０を設置土台
１８位置まで移動させる。次に、第２図で説明した如く
して該吊上装置の外側枠体を構築する。しかる後、第１
図で説明した如く、チェーンブロック３０、方形枠体４
２及びチェーン４６、４８を使用してユニットルーム２
０を取付架台１０ごと吊り上げる。次いで、該ユニット
ルーム２０の下の前記台車もしくはローラコンベアを撤
去し、該ユニットルーム２０をゆっくりと吊り降ろし、
前記土台の所定の位置へ載せる。最後に、吊上装置の外
側枠体の解体、据付架台１０のレベル出し、土台１８へ
のボルト等による固定を行ない、該ユニットルーム２０
の搬入設置に伴う全ての作業が完了する。

【００２２】第３図に本発明の別の実施例を示す。第３
図の実施例においてはベース金物３８の対向する２面
が、土台１８及びユニットルーム設置用基礎２８に同時
に嵌合されるように下方に延長されている。なお、上記
を除く他の構成は第２図に示されるものと同様で、同一
符号は同一部材を示す。

【００２３】本実施例ではＨ型形状をした水平ビーム３
４を使用する事によって該ベース金物３８及び支柱３６
を４組使用しているが、作業上支障がなければこの数量
の変更は可能である。

【００２４】本実施例ではユニットルーム２０の吊上機
構としてチェーンブロック３０を使用しているが、該チ
ェーンブロック３０と同様に前記ユニットルーム２０を
吊り上げる能力を有する他の機構を使用しても差し支え
ない。

【００２５】

【発明の効果】以上の通り、本発明のユニットルームの
吊上装置によると、ユニットルームの吊り上げ、吊り下
しをきわめて容易に行なえる。即ち、例えばローラコン
ベアと台盤を併せて用いるユニットルームの移動方法
や、台車を用いるユニットルームの移動方法によって設
置場所までの移動が完了したユニットルームについて本
発明装置で吊り上げ、吊り下しを行なうと、施工現場で
の作業が極めて簡単となり、ユニットルームの構築作業
を著しく短時間で効率的に行なうことができる。また、
本発明のユニットルーム吊上装置は、分解、組立て式に
構成できるものであるので、作業現場への搬出入や保管
にも便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る吊上装置の使用方法を説明する斜
視図である。

【図２】実施例に係る吊上装置の外側枠体の構成を説明
する分解斜視図である。

【図３】別の実施例に係る吊上装置の外側枠体の構成を
説明する分解斜視図である。

【図４】ユニットルームの設置構造を説明する分解斜視
図である。

【図５】ユニットルームの設置構造を説明する側面図で
ある。

【符号の説明】

１０ 据付架台 １６ 係止杆 １８ 土台 ２０ ユニットルーム ２２ 防水パン ２８ 基礎 ３０ チェーンブロック ３４ 水平ビーム ３６ 支柱 ３８ ベース金物 ４２ 枠体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−96013（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−203077（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭48−25465（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−79657（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) E04G 21/16 E04B 1/348

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ユニットルーム設置用の基礎に対し上方
   から嵌合しうるように下向きコ字形断面形状を有した複
   数個のベース金物と、 各ベース金物から立設された支柱と、 該支柱の上部間に架設された梁部材と、 該梁部材に設けられたユニットルーム吊上機とを備えて
   なるユニットルームの吊上装置。