JP2769839B2 - 転写シート - Google Patents

転写シート

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JP2769839B2 JP1057171A JP5717189A JP2769839B2 JP 2769839 B2 JP2769839 B2 JP 2769839B2 JP 1057171 A JP1057171 A JP 1057171A JP 5717189 A JP5717189 A JP 5717189A JP 2769839 B2 JP2769839 B2 JP 2769839B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は転写シートに関する。
〔従来の技術〕
各種成形品等の被転写体に少なくとも保護層を転写し
て表面物性の向上を図るための転写シートとして例え
ば、基材シートの表面に電離放射線硬化性樹脂からなる
保護層と、接着剤層を順次設けて構成してなり、転写後
に電離放射線を照射して転写された上記保護層を硬化さ
せるものがある。
この種の転写シートとしては、従来、保護層を反応性
希釈剤が含有された紫外線硬化性樹脂にて形成したもの
(特開昭56−144994号公報)や、保護層を溶剤希釈タイ
プの電離放射線硬化性樹脂からなる塗料にて形成したも
のが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、これらの転写シートは巻き取り状態に
して保管等した場合、前者のものでは保護層に含まれる
未反応の反応性希釈剤が接着剤層表面側に析出し、これ
により当接する転写シート面(具体的には基材シート
面)との間において、ブロッキング等の問題が発生した
り、後者のものでは保護層に含まれる残留溶剤が多い場
合に上記と同様にブロッキングが発生し易い欠点があっ
た。尚、上記ブロッキングとは、転写層が基材シートに
貼りついて巻戻し不能になったり、無理に巻戻すと転写
層が基材シート側に取られてしまうことを言う。保護層
を未硬化状態として被転写体に転写し、而る後に電離放
射線照射によって硬化させて用いる転写シートは、転写
時の転写シートにかかる応力による保護層の亀裂、破断
防止と転写後の保護層の表面硬化とを両立せしめること
ができる。このような転写シートは、特に立体形状や曲
面形状に転写する場合に最適なものである。しかし、未
硬化状態の保護層として電離放射線硬化性樹脂を用いた
場合には、保護層の電離放射線硬化性樹脂層にラジカル
重合性不飽和単量体等の反応性希釈剤を含有せしめる必
要があるが、これらは低分子量の為、接着剤層を貫通し
てブリードし易く、揮発性溶剤のように乾燥除去が不可
能であり、ブロッキングを避けることができなかった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであ
り、巻き取り状態等にした場合においても転写シートど
うしのブロッキングが発生することがなく、しかも転写
により被転写体に優れた表面物性を付与することができ
る転写シートを提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、(1)基材シートの表面側に、未硬化状態
において常温で非流動性である電離放射線硬化性樹脂よ
りなる保護層を少なくとも有する転写層、接着剤層を順
次積層してなる転写シートにおいて、上記基材シートの
裏面側に背面離型処理層を設けてなり、上記保護層が未
硬化状態であることを特徴とする転写シート、(2)保
護層がラジカル重合性不飽和単量体を含有する上記
(1)記載の転写シート、(3)背面離型処理層がシリ
カル系樹脂もしくはフッ素系樹脂の単独樹脂からなる上
記(1)又は(2)記載の転写シート、(4)上記電離
放射線硬化性樹脂が、未硬化状態において常温で固体で
あり且つ熱可塑性である紫外線または電子線硬化性樹脂
である上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の転写シ
ート。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基き説明する。
第1図は本発明の一実施例を示すもので、本発明転写
シート1は基材シート3と、該基材シート3の表面側に
形成される少なくとも保護層5からなる転写層2及び接
着剤層7と、基材シート3の裏面側に形成される背面離
型処理層4から構成される。
上記基材シート3としては、ポリエステル、ナイロ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等からなるシ
ートがあげられ、これらのシートは単体で用いることも
できるし、複合体で用いることもできる。シート3の厚
さは5〜200μ程度が好ましく、更に好ましくは12〜50
μmである。
本発明における背面離型処理層4は、特に転写シート
どうしの間で発生するブロッキングを防止させる役割を
果たすものである。上記背面離型処理層4を形成するた
めの材質としては、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ブチ
ラール樹脂、ゴム系樹脂からなるビヒクルに、必要に応
じてシリコン、ワックス等の離型剤を添加したものを用
いることができる。背面離型処理層4は上記材質をグラ
ビアコート等のコーティング法やシルクスクリーン印
刷、グラビア印刷等の印刷法により基材シート裏面側に
塗布して形成される。その塗布の厚みは0.1〜5μ程度
が好ましい。また、背面処理層4は安定した良好な離型
性能を確保させる点を考慮した場合、シリコン系樹脂、
もしくはポリフッ化エチレン等のフッ素系樹脂の単独樹
脂により形成することが好ましい。
上記保護層5は被転写体に転写されて該被転写体の表
面保護層として機能するものであり、該保護層5は電離
放射線硬化性樹脂にて形成されるが、本発明において上
記硬化性樹脂は塗布後、その上に接着剤層、更に必要に
応じて絵柄インキ層等を設けて巻き取って使用するた
め、常温では流動性を有さないものであることが必須で
ある。
上記電離放射線硬化性樹脂の一例として、分子中にエ
チレン性不飽和結合を有するプレポリマーまたはオリゴ
マー、例えば、不飽和ポリエステル類、ポリエステルア
クリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレ
ート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート
等の各種アクリレート類、ポリエステルメタクリレー
ト、エポキシメタクリレート、ウレタンメタクリレー
ト、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレー
ト等の各種メタクリレート類等の一種もしくは二種以上
と、分子中にエチレン性不飽和結合を有するモノマー、
例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン
系モノマー類、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸
ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキ
シブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル
類、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリ
ル酸エトキシエチル、メタクリル酸フェニル、メタルリ
ル酸ラウリル等のメタルリル酸エステル類、アクリルア
ミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド
類、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)エチ
ル、メタクリル酸、−2−(N,N−ジメチルアミノ)エ
チル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)エ
チル、メタクリル酸(N,N−ジメチルアミノ)メチル、
アクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル等
の不飽和酸の置換アミノアルコールエステル類;エチレ
ングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレン
グリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジ
メタクリレート等の多官能性化合物、及び/又は分子中
に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、
例えばトリメチロールプロパントリチオグリコレート、
トリメチロールプロパンリチオプロピオネート、ペンタ
エリスリトールテトラチオグリコレート等を使用するこ
とができる。以上の化合物は任意に混合して塗布用の組
成物とすることができるが、通常のコーティング適性を
持たせるために、前記プレポリマーまたはオリゴマーを
5重量%以上、同じく前記モノマー及び/又はポリチオ
ールを95重量%以下とすることが好ましい。
塗布用の組成物には、上記の化合物が紫外線照射前も
しくは電子線照射前に硬化するのを防止するために、ハ
イドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベ
ンゾキノン等の重量禁止剤として添加するとよい。
塗布用の組成物を紫外線硬化性塗料とするには、この
中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフ
ェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミ
ロキシエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイ
ド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルア
ミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン
等を混合して用いることができる。
更に、硬化後、高い可撓性や耐収縮性が要求される場
合には、上記の硬化性塗料中に適当量の熱可塑性樹脂、
例えば、非反応性のアクリル樹脂や各種ワックス等を添
加することによってそれらの要求に応えることができ
る。
上述したこれら樹脂のうち未硬化状態において常温で
も非流動性であるタイプのものを選択したり、或いは、
他の非流動性タイプの樹脂を添加して使用することがで
きるが、特に好ましくは、以下に述べる電離放射線硬化
型粘着剤である。
電離放射線硬化型粘着剤とは、電離線照射前には被着
体に対して粘着性を有する共に、照射後は硬化して被着
体と強固に密着するが、基材シート3に対しては剥離性
となる性質を有するものである。具体的には、分子中に
重合性二重結合、好ましくはアクリロイル基又はメタク
リロイル基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有す
る化合物を含有し、例えば、1,4−ブチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)ア
クリレートなどの単量体、及びエポキシアクリレート、
ウレタン変性アクリレート、オリゴエステルアクリレー
トなどのオリゴマーなどを含有する。これらは必要に応
じて2種以上を併用してもよい。
粘着性を付与する為に混合するポリマーとしては、そ
れ自体が粘着性を有するものと、上記電離放射線硬化型
化合物を配合することにより必要な粘着性を発揮するも
のとにわけられる。前者の例としては、アルキル基の炭
素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル重
合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)
アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、スチ
レン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリルなどの不
飽和化合物との共重合体(架橋剤を用いて架橋した重合
物を含む)、或いはスチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリ
ルブタジエンゴムなどのゴム類を主体とするゴム系粘着
物質などが挙げられる。また後者の例としては、飽和又
は不飽和ポリエステル樹脂、ポリブチラール樹脂などが
挙げられる。
上記電離放射線硬化型化合物と上記粘着性ポリマーと
の配合割合は、80:20〜10:90、好ましくは70:30〜30:70
(いずれも重量比)である。前記電離放射線硬化型化合
物が80%を越えると塗工(粘着)層の電離放射線照射前
の凝集性が劣り、側面へのはみ出しなどが起生するため
に好ましくなく、また10%未満では充分な硬化が得られ
ないために好ましくない。
特に粘着剤が紫外線硬化型である場合、光増感剤を添
加するのが好ましい。光増感剤としては、上記化合物の
光重合反応を促進させるものであれば特に制限されない
が、例えば、ベンゾイル、ベンゾイルメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイルイソプピルエー
テル、α−メチルベンゾインなどのベンゾイン類、1−
クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノンなど
のアントラキノン類、ベンゾフェノン、p−クロロベン
ゾフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノンなどの
ベンゾフェノン類、ジフェニルジスルフィド、テトラメ
チルチウラムジスルフィドなどの含イオウ化合物類など
を挙げることができる。上記光増感剤は上記電離放射線
硬化型化合物と粘着性ポリマーとの合計量に対して0.05
〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲で添加さ
れる。
更に、電離放射線硬化型粘着剤は必要に応じて適宜顔
料もしくは染料で着色してもよい。但し、電離放射線を
透過させて、被着体上の電離放射線硬化型粘着剤層を硬
化させる必要があるので、電離放射線透過性の顔料又は
染料を使用する必要がある。電離放射線として紫外線を
使用するときは、紫外線透過性を確保するために、紫外
線透過性を妨げる顔料や充填剤の多用は避けた方がよ
く、染料により着色するか、粒子径の極く小さい顔料を
使用するとよい。上記電離放射線硬化型粘着剤の塗工厚
さは一般に約3μm〜1mmであり、好ましくは10μm〜2
00μmである。
又、保護層5は上述の電離放射線硬化性樹脂の他に、
例えば、未硬化状態において常温で非粘着性の固体であ
り、熱可塑性である電離放射線硬化性樹脂にて形成する
ことができる。上記樹脂とは未硬化の状態では常温で固
体であり、且つ、熱可塑性、溶剤溶解性を有していなが
ら、塗装および乾燥によって見かけ上、あるいは、手で
触った時にも非流動性であり、かつ非粘着性である塗膜
を与える紫外線硬化性樹脂または電子線硬化性樹脂を材
料として形成され、且つ、紫外線もしくは電子線の照射
により硬化するものである。
このような樹脂としてはラジカル重合性不飽和基を有
する熱可塑性の次の二種類の樹脂がある。
(1) ガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラ
ジカル重合性不飽和基を有するもの。
更に具体的には以下の化合物〜を重合、もしくは
共重合させたものに対し後述する方法(a)〜(d)に
よりラジカル重合性不飽和基を導入したものを用いるこ
とができる。
水酸基を有する単量体;N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシピロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート
等。
カルボキシル基を有する単量体:(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネー
ト等。
エポキシ基を有する単量体:グリシジル(メタ)アク
リレート等。
アジリジニル基を有する単量体:2−アジリジニルエチ
ル(メタ)アクリレート、2−アジニリジルプロピオン
酸アリル等。
アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミド、
ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレード、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート等。
スルフォン基を有する単量体:2−(メタ)アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等。
イソシアネート基を有する単量体:2,4−トルエンジイ
ソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートの1モル対1モル付加物等のジイソシアネート重合
性単量体の付加物等。
更に、上記の共重合体のガラス転移点を調節したり、
硬化膜の物性を調節したりするために、上記の化合物
と、この化合物と共重合可能な以下のような単量体とを
共重合させることができる。このような共重合可能な単
量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。
次に、上述のようにして得られた重合体を以下に述べ
る方法(a)〜(d)により反応させ、ラジカル重合体
不飽和基を導入することによって、紫外線もしくは電子
線硬化性樹脂が得られる。
(a)水酸基を有する単量体の重合体または、共重合体
の場合には、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を
有する単量体等を縮合反応させる。
(b)カルボキシル基、スルフォン基を有する単量体の
重合体の場合には、前述の水酸基を有する単量体を縮合
反応させる。
(c)エポキシ基、イソシアネート基あるいはアジリジ
ニル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合に
は、前述の水酸基を有する単量体もしくはカルボキシル
基を有する単量体を付加させる。
(d)水酸基あるいはカルボキシル基を有する単量体の
重合体または共重合体の場合には、エポキテ基を有する
単量体あるいはジイソシアネート化合物と水酸基含有ア
クリル酸エステル単量体の1対1モルの付加物を付加反
応させる。
上記反応を行うには、微量のハイドロキノンなどの重
合禁止剤を加え乾燥空気を送りながら行うことが望まし
い。
(2) 融点が常温(20℃)〜250℃であり、ラジカル
重合性不飽和基を有する化合物。具体的にはステアリル
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリ
アクリルイソシアヌネート、シクロヘキサンジオールジ
アクリレート、シクロヘキサンンジオールジ(メタ)ア
クリレート、スピログリコールジアクリレート、スピロ
グリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
又、この発明においては前記(1)および(2)を混
合して用いることもでき、さらにそれらに対してラジカ
ル重合性不飽和単量体は電離性放射線照射の際、架橋密
度を向上させ、耐熱性を向上させるものであって、前述
の単量体の他にエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリ
シジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジグリシジエーテルジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジグリシジルエーテルジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジグリシ
ジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ソルビトールテ
トラグリシジルエーテルテトラ(メタ)アクリレート等
を用いることができ前記した共重合体混合物の固形分10
0重量部に対して、0.1〜100重量部で用いることが好ま
しい。又、上記のものは電子線により充分に硬化可能で
あるが、紫外線照射で硬化させる場合には、増感剤とし
てベンゾキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、等のベンゾインエーテル類、ハロゲン化アセトフェ
ノン類、ビアセチル類、等の紫外線照射によりラジカル
を発生するものも用いることができる。
保護層5は上記電離放射線硬化性樹脂を塗布すること
により形成され、被転写体に転写させた後、電離放射線
を照射して硬化される。電離放射線としては代表的には
紫外線と電子線がある。
電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグ
ラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダ
イナミトロン型高周波型などの各種電子線加速器から放
出された50〜100KeV、好ましくは100〜300KeVの範囲の
エネルギーを持つ電子線を用いることができ、又、紫外
線としては超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カ
ーボンアーク、クセノンアーク、メタルハライドラン
プ、ブラックライトランプ等の光源を用いた紫外線源か
ら発するものを用いることができる。
上記保護層5以外の転写層2として、被転写体に高意
匠性等を付与するために従来この種転写シートに設けら
れている通常の絵柄層6や金属蒸着層等を併設すること
ができる。
接着剤層7は、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ゴム
系樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂
等の熱可塑性樹脂単独或いはそれらの混合樹脂等をグラ
ビアコート、シルクスクリーン印刷等の方法により形成
するか、或いはハケ塗り、スプレー塗装、フローコート
等により塗布して形成される。
尚、本発明転写シートは、第1図に示すように必要に
応じて基材シート3と転写層2の間に離型層8を設ける
ことができる。この離型層8を設けることにより、転写
時に基材シート3を転写層2から容易に且つ確実に剥離
することが可能となる(但し、剥離は離型層8と転写層
2の間でなされる)。離型層8は従来の転写シートに設
けられているこの種の離型層と同様のものでよく、特に
基材シートと保護層との剥離を容易とする材質にて形成
することが好ましい。
以下、具体的実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
する。
実施例 基材シートとして厚さ38μのポリエステルフィルム
(東レ製:T−60)を用い、その基材シート片面にシリコ
ン系塗料(信越シリコーン製:X−62)をグラビアコート
で塗布し、120℃で1分間乾燥して厚さ0.5μの背面離型
処理層を形成した。
次いで基材シートのコート面と反対面にアクリル樹脂
/メラミン樹脂系の塗料をグラビアコートで塗布し、16
0℃で30秒間乾燥して厚さ0.5μの離型層を形成した。
次いで、上記で形成した離型層の表面に紫外線硬化性
樹脂(三菱油化製:ユピマーLZ)を6μの塗布厚で塗布
し、その上にウレタン系プライマー用インキ(昭和イン
ク製)を0.7μの塗布厚で塗布し、更に塩化ビニル系イ
ンキ(昭和インク製:FVA)で絵柄を印刷し、最後にアク
リル系接着剤を全面に塗布して、転写シートを作成し
た。
得られた転写シートを巻き取り状態で常温保管及び高
温高湿(50℃×95%RH)保管したところ、いずれの保管
状態においてもシート間のブロッキングの発生はなかっ
た。
比較例 背面離型処理層を設けない他は実施例と同様にして転
写シートを作成し、その転写シートを巻き取り状態で高
温高湿(50℃×95%RH)で保管したところ、一ケ月経過
で一部にブロッキングが発生した。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の転写シートは上述の如
き構成を有するものであり、特に基材の裏面側に背面離
型処理層を形成しているため、巻き取り状態で保管した
場合でも保護層形成に用いる電離放射線硬化性樹脂中の
未反応の反応性希釈剤(ラジカル重合性不飽和単量体ま
たは共重合可能な単量体)や残留溶剤の析出によるブロ
ッキング問題がなくなる。又、本発明によれば背面離型
処理層によりブロッキングが確実に防止されるため、従
来品の如き保護層を形成するための塗料における配合制
約(保護層を高温状態でも非流動性とすることによりブ
ロッキングを防止するため、例えば、保護層形成用樹脂
に非架橋ポリマーを添加する配合手段が採られていた。
しかしこのように配合を工夫しても、非流動性になる代
わりに耐擦傷性等の表面物性が低下する等の問題があっ
た。)が少なくなる。また本発明は、転写時の転写シー
トにかかる応力による保護層の亀裂、破断の防止と転写
後の表面硬度を両立させるため、電離放射線硬化性樹脂
からなる保護層に、ラジカル重合性不飽和単量体を含有
せしめた場合でも、背面離型処理層により、転写シート
を巻き取り状態とした際、転写層が基材シートに貼りつ
いて巻戻し不能となったり、巻戻した際に転写層が基材
シート側に取られてしまうことがない。本発明は、この
ように低分子量の為、接着剤層を貫通してブリード(滲
出)し易く、揮発性溶剤のように乾燥除去不能であるラ
ジカル重合性不飽和単量体を含有せざるを得ない転写シ
ートにとって特に効果的である。
また背面離型処理層をシリコン系樹脂もしくはフッ素
系樹脂の単独樹脂にて形成することにより、背面離型処
理表面の活性度を下げられる等の理由によって安定した
離型性が得られ、その結果上記ブロッキング防止効果を
より一層高めることができる。
更に、保護層を未硬化状態において常温で固体であり
且つ熱可塑性である紫外線または電子線硬化性樹脂にて
構成した場合、前記した電離放射線硬化型粘着剤等を用
いた場合に比べ、塗工・乾燥後は未硬化状態でもその表
面が完全に固体化するため、巻き取って保存するような
場合におけるブロッキング防止効果がより一層向上して
完全なものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明転写シートの一実施例を示す縦断面図で
ある。 1……転写シート、2……転写層、3……基材シート 4……背面離型処理層、5……保護層 7……接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/004 G03F 7/09 G03F 7/11

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シートの表面側に、未硬化状態におい
    て常温で非流動性である電離放射線硬化性樹脂よりなる
    保護層を少なくとも有する転写層、接着剤層を順次積層
    してなる転写シートにおいて、上記基材シートの裏面側
    に背面離型処理層を設けてなり、上記保護層が未硬化状
    態であることを特徴とする転写シート。
  2. 【請求項2】保護層がラジカル重合性不飽和単量体を含
    有する請求項1記載の転写シート。
  3. 【請求項3】背面離型処理層がシリコン系樹脂もしくは
    フッ素系樹脂の単独樹脂からなる請求項1又は請求項2
    記載の転写シート。
  4. 【請求項4】上記電離放射線硬化性樹脂が、未硬化状態
    において常温で固体であり且つ熱可塑性である紫外線ま
    たは電子線硬化性樹脂である請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の転写シート。
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