JP2769039B2 - シリコーン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂及び製法 - Google Patents

シリコーン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂及び製法

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JP2769039B2 JP32544590A JP32544590A JP2769039B2 JP 2769039 B2 JP2769039 B2 JP 2769039B2 JP 32544590 A JP32544590 A JP 32544590A JP 32544590 A JP32544590 A JP 32544590A JP 2769039 B2 JP2769039 B2 JP 2769039B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は半導体等の電子部品封止等に使用されるエポ
キシ樹脂、特に内部応力が低減し耐ヒートショック性に
優れた半導体封止用に有用なエポキシ樹脂、その原料と
して使用できるシリコーン樹脂及びその製法に関するも
のである。
〔従来の技術〕
エポキシ樹脂は、誘電特性、体積抵抗率等の電気特
性、曲げ強度、衝撃強度等の機械特性に優れているた
め、各種の電気、電子部品の封止材料として使用され、
現在では半導体にエポキシ樹脂が広く使用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕 半導体の特性を維持するため封止用樹脂に対して種々
の性質が要求されているが、近年半導体の高集積化によ
る素子の大型化や新しい実装方式が取入れられるように
なった為、硬化時の内部応力や熱衝撃時の内部応力によ
る樹脂のクラックの発生は大きな問題となっている。内
部応力を低減させる方法として、弾性率を低下させる方
法が種々考案されており、特に可とう性樹脂を添加する
方法が検討され、可とう性樹脂としてシリコーン樹脂を
用いてエポキシ樹脂を変性する方法が試みられている。
しかし、シリコーン樹脂をエポキシ樹脂に添加しただけ
ではシリコーン樹脂とエポキシ樹脂が非相溶なため、シ
リコーン樹脂とエポキシ樹脂との相分離が起こり、混
練、加工時のロール付着性の低下、成型時の金型汚れ等
の作業性に支障を生じ、さらに冷熱サイクルを加えた場
合樹脂にクラックが発生しやすいという問題があり、目
的とする低応力化を満足しているとは言えない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、低応力性樹脂の開発を鋭意検討した結
果、エポキシ樹脂と特定のシリコーン樹脂を充分反応さ
せる事、即ちエポキシ基と反応しやすい官能基を有する
シリコーン樹脂とエポキシ樹脂を反応させて得られる樹
脂は、金型汚れがなく、その硬化物は弾性率が低減し
(弾性率の低下が大きいほど低応力化の効果が大きい事
を意味する。)、耐ヒートショック性に優れている事を
見出し本発明を完成させるに至った。
本発明は、エポキシ基と反応しやすい官能基としてフ
ェノール性水酸基を有するシリコーン樹脂、およびその
製造法、と該シリコーン樹脂と一分子中少なくとも二個
以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とを反応して得
られるシリコーン変性エポキシ樹脂に関する。
即ち、本発明は、 (1) 式[I] (式中R1を示し、R2はフェニル基、ベンジル基又はフェネチオ
基を示し、R3又はメチル基を示し、Xは2〜4の値をとり、n及びm
は平均重合度を示す数であり、n+m=5〜500,m/n=
0〜100である。) で示されるエポキシシリコーン化合物と、 式〔II〕 HO−A−OH 〔II〕 (式中Aは を示し、R4、R5、R6、R7はそれぞれ水素原子又は炭
素数5以下のアルキル基であり、お互いに同一であって
も異なっていてもよく、Xは −SO2−,−S−又は−CO−であり、R8およびR9はそ
れぞれ独立して水平原子又は炭素数5以下のアルキル基
を示す。) で示されるフェノール類とを反応させて得られる式〔II
I〕及び〔IV〕で表わされる構造部分を有するシリコー
ン樹脂であって、 (式中A及びXは前記と同じ意味を有する。) シリコーン樹脂のNMR分析によるピークにおいて、式
〔III〕の構造部分に由来するピークの強度/式〔IV〕
の構造部分に由来するピークの強度が1以上、好ましく
は2以上であることを特徴とするシリコーン樹脂。
(2) 上記(1)記載のシリコーン樹脂と一分子中少
なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と
を反応させて得られる。式〔V〕で表わされる構造部分
を有するシリコーン変性エポキシ樹脂、 (式中A及びXは前記と同じ意味を示し、Eはエポキシ
樹脂残基を示す) (3) 上記(1)記載の式〔I〕化合物と式〔II〕の
化合物を反応させてシリコーン樹脂を製造する際に、反
応生成混合物中の残存の未反応フェノール類をメタノー
ル水溶液(メタノール重量部:水重量部=10〜80:90〜2
0)を用いて実質的に全て除去することを特徴とするシ
リコーン樹脂の製造法、に関する。
本発明のシリコーン樹脂は、式〔I〕で示されるエポ
キシシリコーン化合物に式〔II〕で示されるフェノール
性水酸基を二個有するフェノール類を反応させる事によ
って得られる。
エポキシシリコーン化合物の分子量は、小さすぎると
充分な効果が発揮されず、大きすぎるとフェノール類と
の反応性が低下するため、500〜40000(平均重合度n+
m=5〜500)が好ましく、より好ましくは1000〜20000
(n+m=10〜300)である。
フェノール類としては、例えばビスフェノールF、ビ
スフェノールA、ビスフェノールS等の二核体フェノー
ル類および4,4′−{1,4−フェニレンビス(1−メチル
エチリデン)}ビスフェノール、4,4′−{1,4−フェニ
レンビス(1−メチルエチリデン)}ビス−2,6−キシ
レノール等の三核体のフェノール類、ビフェノール、ビ
キシレノール等のフェノール二量体類等が用いられる。
その使用量はエポキシシリコーン化合物のエポキシ基
1当量に対して、1〜5モルが好ましくより好ましくは
1.5〜3.0である。1モル未満では、前記式〔III〕の構
造部分に由来するピークの強度/式〔IV〕の構造部分に
由来するピークの強度(以下、〔III〕/〔IV〕ピーク
強度比という)が1未満となり、5モルを越えると反応
後の未反応フェノール類の除去が面倒となり経済的にも
不利である。
エポキシシリコーン化合物とフェノール類の反応にお
いて、フェノール性水酸基とエポキシ基の反応に通常用
いられる触媒、例えば、アミン類、ホスフィン類等を用
いることができるが、反応生成物の貯蔵時での安定性を
考慮すればホスフィン類が好ましく、その使用量はエポ
キシシリコーン化合物に対して0.1〜2重量%程度で充
分である。
反応は無溶媒で行なうこともでき、又、メチルイソブ
チルケトン、トルエン、キシレン等反応に関与しない溶
媒を用いる事も出来る。
反応温度は特に限定されないが、反応速度との関係か
ら比較的高温が好ましく、通常100〜180度が好ましく、
より好ましくは120〜150℃である。反応時間は5〜10時
間で十分である。
このようにして得られた反応生成混合物中にフェノー
ル類が未反応で残存したまま、次にエポキシ樹脂と反応
させると粘度上昇およびゲル化を起こしやすいため、上
記反応後未反応フェノール類を除去するのが好ましい。
除去する方法としては、式〔I〕で示されるエポキシシ
リコーン化合物と式〔II〕で示されるフェノール類とを
反応させ、溶媒を用いた場合はこれを除去した後、n−
ヘキサン等の溶媒に溶解し、メタノール水溶液(メタノ
ール重量部:水重量部=10〜80:20)でフェノール類を
抽出除去する。抽出を行う際の油相に対する水相(メタ
ノール水溶液)の割合は特に限定されず、未反応フェノ
ール類を除去できる量使用すれば十分である。
このようにして得られたシリコーン樹脂とエポキシ樹
脂の反応は、エポキシ樹脂溶融物に攪拌下にシリコーン
樹脂を滴下することにより行なうことができる。
また、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン
等反応に直接関与しない溶媒を用いても良い。
反応温度は、50〜180℃で好ましく、100〜150℃がよ
り好ましいが特に限定されない。反応は3〜5時間行な
えば十分である。
エポキシ樹脂とシリコーン樹脂の使用割合は、シリコ
ーン樹脂が少ないと目的とする低反応化が充分達成しに
くくなり、たた多すぎると得られる樹脂が均一となりに
くく、更に硬化後の強度の低下の問題もあり、エポキシ
樹脂100重量部に対して、シリコーン樹脂を5〜40重量
部用いるのが好ましく、より好ましくは10〜30重量部で
ある。
触媒は、フェノール類とエポキシシリコーン化合物と
の反応時に添加した触媒がそのまま持込まれるので、特
に追加する必要はないが、目的に応じて更に該触媒を添
加しても良い。
使用するエポキシ樹脂としては、一分子中に二個以上
のエポキシ基を有する化合物であれば液状のものでも固
体状のものでいずれでもよく、フェノール系硬化剤又は
アミン系、酸無水物系硬化剤によって硬化させる事が可
能な限り、分子構造、分子量に特に制限はなく、従来か
ら知られている種々のものが使用できる。例えば、ビス
フェノールA、ビスフェノールF、等から合成されるビ
スフェノール型エポキシ樹脂、レゾルシン等から合成さ
れ液状エポキシ樹脂、各種ノボラックから合成されるノ
ボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等)、
トリスフェノールメタン型多官能エポキシ樹脂(例え
ば、日本化薬(株)製EPPN-502等)、上記エポキシ樹脂
を二種以上混合したエポキシ樹脂混合物等が挙げられ
る。
かくして得られたシリコーン変性エポキシ樹脂は、通
常電子部品用に使用される硬化剤、例えば、フェノール
ノボラックや置換フェノールノボラックのようなフェノ
ール類、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルスルホン、メタフェニレンジアミン等のアミン類、無
水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルナ
ジック酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸等の酸無水物類、テトラグアニジン等の
グリアニジン類、ジシアンジアミド等で常法により硬化
させる事が出来る。
その硬化物は、曲げ弾性率が低減され、特に、成型時
のシリコーンオイルのブリードによる金型汚れが無く、
低応力性であり、従って、本発明のシリコーン変性エポ
キシ樹脂は、成形材料、粉体塗装用材料、およびIC、LS
L、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード等の半導体
装置の封止剤、プリント回路基板製造用樹脂の成分とし
て極めて有用である。
本発明において最も重要な事は、エポキシ樹脂とシリ
コーン樹脂とを反応させる場合、〔III〕/〔IV〕ピー
ク強度比が1以上のシリコーン樹脂を用いることであ
る。
〔III〕/〔IV〕ピーク強度比が1未満であると、エ
ポキシ樹脂と容易に反応しないシリコーン樹脂が多くな
り、これらがエポキシ樹脂中に単に分散している状態と
なる。
その結果、相分離を起こしやすく、シリコーン樹脂が
ブリードし、特に作業性および金型汚れ等の問題を生ず
るとともに耐ヒートショック性に充分な効果が得られな
い。
〔III〕/〔IV〕ピーク強度比が1以上であると、エ
ポキシ樹脂との反応生成物が多くなり、微細な海島構造
となり相分離を起こしにいく。
シリコーン樹脂とエポキシ樹脂との反応生成物である
本発明のシリコーン変性エポキシ樹脂は、構造中に可と
う性およびシリコーン樹脂との親和性を有するシロキサ
ン部分とエポキシ樹脂との相溶性を有する部分を併せ持
っている。この反応生成物が、シリコーン樹脂とエポキ
シ樹脂との相分離を抑制するため、混練時あるいは成型
時のシリコーン樹脂のブリードが抑制され、作業性、耐
ヒートショック性の向上が達成される。
〔実施例〕
以下実施例を挙げて説明するが、本発明の範囲はこれ
らの実施例に限定されるものではない。
実施例 1 温度計、冷却管、窒素吹き込み等、および攪拌機を付
けたガラス容器に、シリコーンオイル(イ){式〔I〕
1及びR3n=45、m=o、信越シリコーン(株)製、X−22-163
B、MW:3600、エポキシ当量(g/eq):1800}1000g、ビス
フェノールA(式〔II〕でA: 4、R5、R6253.3g、トリ−n−ヘキシルホスフィン20g、メチルイ
ソブチルケトン1を仕込み、窒素を吹き込みながら還
流下8時間反応させた。反応後メチルイソブチルケトン
を留去し、n−ヘキサン3lに溶解させ、70重量%メタノ
ール水溶液1を用いて、n−ヘキサン層中の未反応ビ
スフェノールAが消失するまで抽出操作を行なった。n
−ヘキサン層からn−ヘキサンを減圧下除去し淡褐色液
体1100g(生成物A)を得た。
生成物AのNMR分析を行なった結果、〔III〕/〔IV〕
ピーク強度比=2.20であった。
NMR分析結果を第1図及びその部分拡大図である第2
図に示した。
NMR分析条件 装置:日本電子(株)JNM-GX 270 溶媒:CDCl3:DMSO−d6−2:1 濃度:0.5mg/1ml 周波数領域:4000Hz パルス間隔:2.0sec 積算回数:15000回 測定温度:室温 帰属 第1図及び第2図に示されるピークを帰属させると、 aブロトン:0.5ppm bプロトン:6.70〜6.74ppm cプロトン:7.02〜7.04ppm dプロトン:6.91〜6.93ppm eプロトン:6.58〜6.62ppm fプロトン:8.74ppm に検出される。
〔III〕/〔IV〕ピーク強度比の計算方法 第1図及び第2図から〔III〕/〔IV〕ピーク強度比
を求める方法は以下のとおりである。eプロトンのケミ
カルシフト6.58〜6.62ppm(ピーク1)とhプロトンの
ケミカルシフト6.70〜6.74ppm(ピーク2)に着目し計
算により求めた。また、dプロトンのケミカルシフト6.
91〜6.93ppm(ピーク3)とcプロトンのケミカルシフ
ト(ピーク4)からも同様にして求められる。ピーク1
にはeプロトンも持っている未反応Bis−Aと式〔III〕
で示される構造部分が検出される。また、ピーク2には
bプロトンを持っている式〔III〕と式〔IV〕で示され
る構造部分が検出される。
生成物A中の未反応Bis−Aは除去したので、ピーク
1には式〔III〕で示される構造部分だけが検出される
ことになる。
したがって、式〔III〕のeプロトンの積分値とbプ
ロトンの積分値の和をαで表し式〔IV〕のbプロトンの
積分値をβで表し、eプロトンとbプロトンの全積分値
をSで表すと、 S=ピーク1+ピーク2 ピーク1=α/2、ピーク2=α/2+βとなり、故にS
=α+βとなる。
従って〔III〕/〔IV〕ピーク強度化α/βは、 α/β=α/S−α これに第2図の積分値を代入すると、 5.10×2/14.85−5.10×2=2.20となる。
以下の実施例においても、同様にして〔III〕/〔I
V〕ピーク強度比を求めた。
実施例 2 実施例1においてビスフェノールAの代わりに、4,
4′−ビフェノール(MW:186、式〔III〕でA: 4、R5、R6、R7=H、)206.6gを用いた以外は実施
例1と同様に反応、処理し、淡褐色液体1030g(生成物
B)を得た。生成物BのNMR分析を行った結果、〔III〕
/〔IV〕ピーク強度比=3.2であった。
実施例 3 実施例1においてビスフェノールAの代わりに、ビス
フェノールP(三井石油化学工業(株)、MW:346、式
〔II〕でA: 4、R5、R6、R7=H, 384.4gを用いた以外は実施例1と同様に反応、処理し、
淡褐色液体1130g(生成物C)を得た。生成物CのNMR分
析を行なった結果、〔III〕/〔IV〕ピーク強度比=3.0
であった。
実施例 4 実施例1においてビスフェノールAの代わりに、ビス
−2,6−キシレノールP(三井石油化学工業(株)、MW:
402、式〔II〕でA: 4、R5、R6、R7=CH3446.7gを用いた以外は実施例1と同様に反応、処理し、
淡褐色液体1175g(生成物D)を得た。生成物DのNMR分
析を行なった結果、〔III〕/〔IV〕ピーク強度比=2.7
0であった。
実施例 5 実施例1において、シリコーンオイル(イ)の代りに
シリコーンオイル(ロ){式〔I〕でR1及びR3n=104、m=0、信越シリコーン(株)製、X−22-16
3E、MW:8000、エポキシ当量(g/eq)4000}10000g、ビ
スフェノールA114.0gを用いた以外は実施例1と同様に
反応、処理し、淡褐色液体1005g(生成物E)を得た。
生成物EのNMR分析を行なった結果、〔III〕/〔IV〕ピ
ーク強度比=4.0であった。
実施例 6 実施例1において、シリコーンオイル(イ)の代りに
シリコーンオイル(ハ){式〔I〕でR1及びR3n=160、m=0、信越シリコーン(株)製、X−22-16
3F、MW:12200、エポキシ当量(g/eq)6100}1000g、ビ
スフェノールA74.8gを用いた以外は実施例1と同様に反
応、処理し、淡褐色液体1003g(生成物F)を得た。生
成物FのNMR分析を行なった結果、〔III〕/〔IV〕ピー
ク強度比=5.67であった。
実施例 7 実施例1において、シリコーンオイル(イ)の代りに
シリコーンオイル(ニ){式〔I〕でR13:メチル、n=50、m=0、チッソ(株)製、FM−0
521、MW:3800、エポキシ当量(g/eq)3800}1000g、ビ
スフェノールA120.0gを用いた以外は実施例1と同様に
反応、処理し、淡褐色液体1003g(生成物G)を得た。
生成物GのNMR分析を行なった結果、〔III〕/〔IV〕ピ
ーク強度比=15.67であった。
NMR分析結果を第3図及びその部分拡大図である第4
図に示した。
なお、〔III〕/〔IV〕ピーク強度比は実施例1と同
様にして求めた。
実施例 8 実施例1において、シリコーンオイル(イ)の代りに
シリコーンオイル(ホ){式〔I〕でR13:メチル、n=96、m=0、チッソ(株)製、FM−0
525、MW:7300、エポキシ当量(g/eq)7300}1000g、ビ
スフェノールA62.5gを用いた以外は実施例1と同様に反
応、処理し、淡褐色液体1000g(生成物H)を得た。生
成物HのNMR分析を行なった結果、〔III〕/〔IV〕ピー
ク強度比=3.55あった。
実施例 9 実施例1において、シリコーンオイル(イ)の代りに
シリコーンオイル(へ){式〔I〕でR2はフェネチル
基、R1及びR3n=56、m=3、MW:5000、エポキシ当量(g/eq)250
0}1000g、ビスフェノールA230.4gを用いた以外は実施
例1と同様に反応、処理し、淡褐色液体1100g(生成物
I)を得た。生成物IのNMR分析を行なった結果、〔II
I〕/〔IV〕ピーク強度化=4.56であった。
実施例 10 温度計、冷却管、窒素吹き込み管及び攪拌機を付けた
2lのガラス容器にEOCN-1020(日本化薬(株)製、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量(g/e
q)200、軟化温度65℃)500g、メチルイソブチルケトン
500ml、を仕込み窒素を吹き込みながら還流下で攪拌さ
せ、実施例1で得たシリコーン樹脂生成物A100g/メチル
イソブチルケトン100ml溶液を30分間で滴下した。滴下
終了後更に還流下で5時間反応後減圧下で溶媒を除去
し、淡黄色固体595g(生成物A1)を得た。
生成物A1のNMR分析(分析条件は実施例1と同じ)を
行なった結果、フェノール性の水酸基は消失し、完全に
反応している事を確認した。生成物A1の軟化温度(環球
法)は62.8℃でエポキシ当量(g/eq)は243であった。
実施例 11 実施例10においてシリコーン樹脂生成物Aの溶液の代
りに、実施例2で得たシリコーン樹脂生成物B100g/メチ
ルイソブチルケトン100ml溶液を用いた以外は、実施例1
0と同様に反応、処理し淡黄色固体594g(生成物B1)を
得た。
生成物B1のNMR分析を行なった結果、フェノール性の
水酸基は消失し、完全に反応している事を確認した。生
成物B1の軟化温度(環球法)は66.4℃でエポキシ当量
(g/eq)は242であった。
実施例 12 実施例10においてシリコーン樹脂生成物Aの溶液の代
りに、実施例3で得たシリコーン樹脂生成物C100g/メチ
ルイソブチルケトン100ml溶液を用いた以外は、実施例1
0と同様に反応、処理し淡黄色固体590g(生成物C1)を
得た。
生成物C1のNMR分析を行なった結果、フェノール性の
水酸基は消失し、完全に反応している事を確認した。生
成物C1の軟化温度(環球法)は63.0℃エポキシ当量(g/
eq)は242であった。
実施例 13〜23 第1表に示す原料を用い、その他は実施例10と同様に
反応して、生成物D1〜生成物G2を得た。結果を第1表に
示した。
実施例 24 温度計、冷却管、窒素吹き込み管及び攪拌機を付けた
1のガラス容器にビスフェノールAジグリシジルエー
テル(ビスフェノール型エポキシ樹脂)RE-310S{日本
化薬(株)製、エポキシ当量(g/eq)185、粘度(B
型、25℃)150 Poise)300g、メチルイソブチルケトン3
00ml、を仕込み窒素を吹き込みながら還流下で攪拌さ
せ、実施例1で得たシリコーン樹脂生成物A60g/メチル
イソブチルケトン60ml溶液を3分間で滴下した。滴下終
了後更に還流下で5時間反応後減圧下で溶媒を除去し、
淡黄色液体358g(生成物A3)を得た。生成物A3のNMR分
析(分析条件は実施例1と同じ)を行なった結果、フェ
ノール性の水酸基は消失し、完全に反応している事を確
認した。生成物A3のエポキシ当量(g/eq)は223で粘度
(B型、25℃)は303Poiseであった。
実施例 25〜35 第2表に示す原料を用い、その他は実施例24と同様に
反応して、生成物D3〜生成物G4を得た。結果を第2表に
示した。
なお、実施例10〜35で得られた生成物は、いずれも式
〔V〕で表わされる構造部分を有している。
参考例1〜14、比較例1〜2 第3表に示す割合で、フェノールノボラック(日本化
薬(株)製、軟化温度83℃)に、実施例10〜23で得られ
たシリコーン変性エポキシ樹脂(生成物A1〜G2)を配合
し、トリフェニルホスフィンを触媒に用いて、ロールで
加熱混練した後粉砕した。粉砕して得た材料を用い、15
0℃3分間の条件でトランスファー成型した後、160℃で
2時間更に180℃で8時間加熱硬化して、ガラス転移温
度、及び曲げ弾性率測定用試験片を作成し、この試験片
を用いて、第3表の脚注に示した装置及び方法により、
各物性を測定し、その結果を第3表に示した。
比較例として第3表に示したエポキシ樹脂を用い、前
記と同様にして物性を測定し、その結果を第3表に示し
た。
また、第3表に示す割合で配合して加熱硬化させる
際、鋼製のワッシャーを埋め込んだ硬化物の熱衝撃テス
トを行ないその結果を第4表に示した。
参考例15〜26、比較例3〜4 第5表に示す割合で、無水メチルナジック酸(日本化
薬(株)製、商標:カヤハードMCD)に、実施例24〜35
で得られた液状シリコーン変性エポキシ樹脂(生成物A3
〜G4)及び触媒として2−エチル−4−メチルイミダゾ
ールを用いて、溶融混合後注型して、120℃で2時間更
に150℃で8時間加熱硬化して、ガラス転移温度及び曲
げ弾性率測定用試験片を作成し、この試験片を用いて、
参考例1〜14と同様にして各物性を測定し、その結果を
第5表に示した。
比較例として第5表に示したエポキシ樹脂を用い、前
記と同様にして物性を測定し、その結果を第5表に示し
た。
また、第5表に示す割合で配合して加熱硬化させる
際、鋼製のワッシャーを埋め込んだ硬化物の熱衝撃テス
トを行ないその結果を第6表に示した。
硬化物形状 :φ150mm 厚さ:15mm ワッシャー :平座金(JIS M5) 熱衝撃テスト:硬化物を180℃で30分放置後−75℃のド
ライアイス−メタノール中に浸す。
硬化物形状 :φ150mm 厚さ15mm ワッシャー :平座金(JIS M5) 熱衝撃テスト:硬化物を180℃で30分放置後−75℃のド
ライアイス−メタノール中に浸す。
第3表及び第5表から明らかなように、本発明のシリ
コーン変性エポキシ樹脂を用いた場合の硬化物のガラス
転移温度は、比較例とほぼ同じ水準を示し、耐熱性を保
持しながら弾性率は大幅に減少し低応力化されている。
また、第4表及び第6表から明らかなように、熱衝撃
性に非常に優れている。
〔発明の効果〕
本発明のシリコーン変性エポキシ樹脂を用いて得た硬
化物は、低応力性を示し、熱衝撃性に優れており電子部
品の封止材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図はシリコーン樹脂生成物A(実施例1)の1H−N
MRチャートで、第2図は第1図の拡大図である。また第
3図はシリコーン樹脂生成物G(実施例7)1H−NMRチ
ャートで、第4図は第3図の拡大図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 23/31 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 59/14 C08G 59/30 C08G 77/14 C08G 77/38 H01L 23/29

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式〔I〕 (式中R1を示し、R2はフェニル基、ベンジル基又はフェネチル
    基を示し、R3又はメチル基を示し、Xは2〜4の値をとり、n及びm
    は平均重合度を示す数であり、n+m=5〜500,m/n=
    0〜100である。) で示されるエポキシシリコーン化合物と、 式〔II〕 HO−A−OH 〔II〕 (式中Aは を示し、R4,R5,R6,R7はそれぞれ水素原子又は炭素数5
    以下のアルキル基であり、お互いに同一であっても異な
    っていてもよく、Xは −SO2−,S又は−CO−であり、R8及びR9はそれぞれ独
    立して水素原子又は炭素数5以下のアルキル基を示
    す。) で示されるフェノール類とを反応させて得られる〔II
    I〕及び〔IV〕で表わされる構造部分を有するシリコー
    ン樹脂であって、 (式中A及びXは前記と同じ意味を有する。) シリコーン樹脂のNMR分析によるピークにおいて、式〔I
    II〕の構造部分に由来するピークの強度/式〔IV〕の構
    造部分に由来するピークの強度が1以上であることを特
    徴とするシリコーン樹脂。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載のシリコーン樹
    脂と一分子中少なくとも2個以上のエポキシ基を有する
    エポキシ樹脂とを反応させて得られる式〔V〕で表わさ
    れる構造部分を有するシリコーン変性エポキシ樹脂。 (式中A及びXは前記と同じ意味を示し、Eはエポキシ
    樹脂残基を示す)
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項記載の式〔I〕の化
    合物と式〔II〕の化合物を反応させてシリコーン樹脂を
    製造する際に、反応生成混合物中の残存の未反応フェノ
    ール類をメタノール水溶液(メタノール重量部:水重量
    部=10〜80:90〜20)を用いて実質的に全て除去するこ
    とを特徴とするシリコーン樹脂の製造法。
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