JP2768364B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 半導体装置の製造方法に係り、特に反応性スパッタリ
ング法を用いた化合物形成において、該化合物の組成を
変化させる半導体装置の製造方法に関し、 反応性スパッタリング法で、良質の化合物を基板上に
形成することを目的とし、 また反応性スパッタリング法で1チャンバーで多層膜
を形成することを目的とし、 反応性スパッタリングによる化合物形成において、ス
パッタパワーを変化させて組成の異なる化合物を1つの
ターゲットから形成すること構成とする。
〔産業上の利用分野〕
本発明は半導体装置の製造方法に係り、特に反応性ス
パッタリング法を用いた化合物形成において、該化合物
の組成を変化させる半導体装置の製造方法に関する。
近年のLSIの高集積化に伴い反応性スパッタリングに
よる化合物の多層膜形成が提供されている。
〔従来の技術〕
従来の多層膜形成においてはスパッタチャンバーを多
層膜の数に応じて用意していた。このように多層膜形成
はスパッタチャンバーの装置数を増大させることにな
り、設備投資の額が増大し、またチャンバーとチャンバ
ー間でのウェハー搬送中に基板表面又は生成膜表面に不
純物が吸着する。
また従来の反応性スパッタリング法による化合物形成
はスパッタパワーと反応ガス流量分圧を一定にして行わ
れていた。
ところが長時間にわたり、反応ガス中で化合物を堆積
するとターゲット表面にも目的の化合物が厚く形成され
放電が不確実となり、堆積された薄膜の組成が変化す
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記説明したように反応性スパッタリング法により化
合物を形成する際に良質な膜を得ることが出来ず、多層
膜形成にコストがかかった。しかもターゲット表面に化
合物が形成された場合、該ターゲット表面のクリーニン
グを定期的に行う必要があった。
そこで本発明は反応性スパッタリング法で良質の化合
物を基板上に形成することを目的とする。
本発明はまた反応性スパッタリング法で1チャンバー
で多層膜を形成することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記した目的は、本発明によれば、反応スパッタリン
グによる化合物形成において、スパッタパワーを変化さ
せて、組成の異なる化合物を1つのターゲットから形成
することを特徴とする半導体装置の製造方法によって達
成することができる。
本発明方法において、スパッタパワーの変化は、好ま
しくは、スパッタパワーをパルス的に変化させることに
よって行うことができる。
〔作用〕
すなわち本発明によれば反応性スパッタリング法のス
パッタ出力を変化させることによって反応律速、及び非
反応律速の領域を見出し、化合物組成変化を安定して得
るようにできる。
〔実施例〕
以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は反応性スパッタリング法を1つのチャンバー
で行なう第1の原理説明図である。
第1図中縦軸は非反応律速(Non Reactive Mode)に
おける堆積速度(Deposition Rates)で規格化した化合
物の堆積速度である。横軸はスパッタ反応ガス流量を示
している。
非反応律速の領域ではターゲットと同じ元素(Ti)が
堆積せしめられ、反応律速領域では反応ガスとターゲッ
トと同じ元素が反応し、化合物が形成される。
第1図において反応ガス流量を5としてスパッタ出力
(パワー)を高出力とすると非反応律速でTiの生成
(A)がなされ、低出力とすると反応律速でTiNの生成
(B)がなされる。このように第1の原理説明図に示す
ようにある反応ガス流量に対してスパッタ出力を高出
力、低出力を選択せしめるようにすると、同じ流量に対
して化合物(例えばTiN)と化合物でない層(Ti)を形
成することができる。
第2図は第1の原理図に対応する一実施例であり、
(Ti Nx/Ti)の堆積速度とN2ガス流量の関係を示す図で
ある。
本実施例ではスパッタリングのターゲットをTiとしN2
を反応ガスとした場合である。
N2流量を25SCCMとしスパッタ出力を70KWとし約4秒間
スパッタとすると基板上にTi(100Å)が堆積される。
一方スパッタ出力を2.0KWと低出力にし約100秒間スパッ
タを行なうとTiN(1500Å)が形成される。得られた多
層膜を第3図に示す。なおTi生成、TiN生成は連続シー
ケンスでなされた。
第4図は本発明の第2の原理説明図である。
第4図において、縦軸は堆積速度を示し、横軸はスパ
ッタ出力を示す。反応律速領域では化合物(例えばTi
N)が形成され、非反応律速領域では化合物は形成され
ない。この堆積速度とスパッタ出力との関係は第4図に
示すようにヒステリシスを描く。
第4図に示した第2の原理ではスパッタ出力より化合
物が形成される反応律速と化合物が形成されない非反応
律速を利用してターゲット表面の化合物形成膜が薄い一
定の膜厚を保持するようにする。
すなわち反応律速とは基板(ターゲット)表面に形成
された化合物成長速度がターゲット表面を削るスパッタ
速度よりも速いことであり、非反応律速とは化合物成長
速度よりスパッタ速度が速いことである。
ところでターゲット表面に一度化合物が成長するとた
とえスパッタ速度が化合物成長速度より速くとも化合物
がスパッタされてなくなる迄は基板上には化合物が形成
されている。これがヒステリシスのメカニズムである
(第6図)。
従って一度ターゲット表面の化合物の膜厚を薄膜化で
きる。これによりターゲット表面の定期的クリーニング
は不必要となり、化合物の組成も安定する。
第5図は上記本発明の第2の原理図に対応する一実施
例であり、TiN形成のためのスパッタ条件を示してい
る。
第5図の縦軸、横軸は第4図と同様にそれぞれ堆積速
度(Deposition Rate)及びスパッタ出力(Sputter Pow
er)を示す。
反応律速ではTiNが堆積され、非反応律速ではTiが堆
積される。
第5図に示されたシステリシスは4.5KW〜5.0KWのスパ
ッタ出力範囲で観測される。
ここでターゲット表面のTiNの薄膜性を保持するため
にまず4.0KWの反応性律速領域でTiNを形成し、その後5.
0KWの非反応律速領域でTiをスパッタする。このそれぞ
れTiN及びTi形成プロセスを2秒間隔でパルス的に50秒
間くり返し、1500Åの厚さのTiNを形成する。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば1チャンバーで多
層膜を形成することができるので大気との接触もなく膜
質の向上及びコストダウン(チャンバーの数を減らせ
る)が図れる。
しかも本発明によればターゲット表面に形成される化
合物が厚く成長することがなく基板(ターゲット)表面
の化合物をクリーニングすることなく、良質の化合物を
時間効率よく形成できる。更に又ウェハー面の化合物の
組成が一定となり良質の化合物形成の信頼性に寄与す
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は反応性スパッタリング法を1つのチャンバーで
行なう第1の原理説明図であり、 第2図は第1図の原理図に対応する一実施例であり、
(Ti Nx/Ti)の堆積速度とN2ガス流量の関係を示す図で
あり、 第3図は第1の原理に基づく実施例により得られた多層
膜を示す断面図であり、 第4図は本発明の第2の原理説明図であり、 第5図は第2の原理図に対応する一実施例を示す図であ
り、堆積速度とスパッタ出力との関係を示し、 第6図は第2の原理図に基づく化合物形成の状況を示す
図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応性スパッタリングによる化合物形成に
    おいて、スパッタパワーを変化させて、組成の異なる化
    合物を1つのターゲットから形成することを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】前記スパッタパワーの変化は、スパッタパ
    ワーをパルス的に変化させることによって行うことを特
    徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
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JPH10125627A (ja) 1996-10-24 1998-05-15 Fujitsu Ltd 半導体装置の製造方法および高融点金属ナイトライド膜の形成方法
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