JP2767724B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2767724B2 JP3262513A JP26251391A JP2767724B2 JP 2767724 B2 JP2767724 B2 JP 2767724B2 JP 3262513 A JP3262513 A JP 3262513A JP 26251391 A JP26251391 A JP 26251391A JP 2767724 B2 JP2767724 B2 JP 2767724B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗布型または強磁性金属
薄膜型の磁性層を非磁性支持体上に設けた磁気記録媒体
に関し、特に防黴効果の優れた磁気記録媒体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】主として強磁性粉末と結合剤樹脂からな
る磁性層を有する塗布型磁気記録媒体、蒸着等の真空成
膜法により強磁性金属を非磁性支持体上に設けた強磁性
金属薄膜型磁気記録媒体においては、その高密度記録化
と電磁変換特性の改良が行われる一方、近年使用環境が
広がって温湿度に関して幅広い環境条件で使用、保存さ
れるようになってきた。
【0003】それにともない、使用中もしくは保存中に
磁性層上にしばしば異物が析出してそれがドロップアウ
トを発生するようなトラブルを発生するような事が起こ
っている。この現象は、特に高湿度下において使用・保
存したときに顕著となり実用上の大きな問題となってい
る。このような異物は主として黴であり、磁性層中に含
まれる各種結合剤や添加剤は上記異物(黴)の栄養源に
なっている化合物が存在するためと考えられる。
【0004】これらの物質は、高湿度下に於いて、黴を
磁性層表面に発生させ、表面に析出し、ドロップアウト
を引き起こすようなトラブルを発生する原因となるよう
なことがある。このような磁気記録媒体での黴の発生を
防止するために磁性層中に防黴剤を含有する例が、例え
ば、特開昭61−214212号、同平2−49217
号公報等に提案されているが、高湿下における黴の発生
の防止は満足すべきものではない。
【0005】従来の方法においては、防黴剤を磁性層中
に含有させる場合、ある一定以上含有させないと効果が
現れず、また効果がみられたとしてもその効果が長期間
持続しないという問題があった。また、防黴剤の量を多
量に含有することで、黴の発生を抑えることができる反
面、走行特性が劣ることも確認されている。
【0006】このように高湿度下における黴の析出の問
題に関しては、有効な手段は殆ど提案されていない。即
ち、従来技術の最大の問題点は、特に、高温高湿下にお
いて、磁性層の走行耐久性と黴発生によるドロップアウ
トの防止等を共に満足できる技術が確立されてないこと
にある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点に鑑みなされたものであり、前記黴に関する
種々の問題を解決することにより、保存安定性及び高湿
度下におけるドロップアウトが防止し、走行耐久性に優
、かつ自己減磁や厚み損失が軽減された高密度記録に
最適な磁気記録媒体を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高湿度下
における磁気記録媒体を用いる場合の黴の発生と析出及
びこれに基づく走行耐久性の劣化の問題を解決するため
に種々の観点から検討を重ねた結果、上記目的を達成で
きる本発明に至った。即ち、本発明は、非磁性支持体上
に磁性層を有する磁気記録媒体において、前記磁性層と
前記非磁性支持体の間に防黴剤含有層があり、前記磁性
層の厚さが1μm以下であることを特徴とする磁気記録
媒体である。
【0009】本発明における磁気記録媒体は、前記塗布
型磁気記録媒体及び強磁性金属薄膜型磁気記録媒体を含
むものである。又、その使用形態も任意であり、テー
プ、ディスク等が包含される。即ち、本発明は、防黴剤
含有層を非磁性支持体上に設けた後に強磁性粉末を結合
剤樹脂に分散した磁性層または金属薄膜からなる磁性層
を防黴剤含有層上に設けた構成であればよい。
【0010】このように防黴剤含有層を設けたことによ
り、従来のように磁性層中に予め添加するのではなく防
黴剤を大量に磁性層下部の層に貯蔵することができるた
めに磁性層の機械的強度を確保すると共に防黴剤含有層
から長期的に徐々に磁性層へ防黴剤を供給することがで
きるために磁性層の耐久性を低減させることなく黴の発
生を防止し、ドロップアウトを効果的に防止することが
できる。
【0011】即ち、本発明では、従来のように防黴剤が
磁性層表面に析出して走行耐久性を悪化させることがな
く、優れた特性を維持しながら黴の発生を防ぐことが可
能である。また、塗布型磁気記録媒体において、導電性
粒子を添加した防黴剤含有層を選択使用することにより
帯電を防止し、帯電による塵埃の付着が防止できるので
ドロップアウトの問題の発生を軽減でき、かつ走行耐久
性を改善することができる。
【0012】また、本発明において、強磁性金属薄膜を
磁性層とした場合に潤滑剤を含有させた防黴剤含有層を
選択することにより潤滑剤を磁性層へ防黴剤と共に徐放
せしめることにより、従来磁性層に含ませたためその過
剰な潤滑剤による磁気ヘッドの汚れを防止すると共に黴
の発生を効果的に防止し、ドロップアウトを防止し、か
つ走行耐久性を確保することができる。
【0013】本発明の磁気記録媒体に使用される防黴剤
含有層について以下詳述する。防黴剤含有層は、防黴剤
を含有でき磁性層へ防黴剤を徐放できる構成であれば、
その詳細な構造、素材等の制限はない。例示すれば、以
下の構成が挙げられる。 防黴剤を非磁性および/または磁性粉末と結合剤と
共に有機溶剤により分散して塗料を形成し、これを非磁
性支持体上に塗布して形成する。
【0014】 上記において防黴剤を非磁性および
/または磁性粉末に吸着保持させたものを使用して塗料
を形成する。 上記において粉末を使用することなく防黴剤を結
合剤中に分散させた塗料を使用する。 上記〜を併用した複層構成とする。
【0015】において、非磁性粉体としては、後述す
るα−アルミナ、酸化クロム等の非磁性金属粉末、カー
ボンブラック、グラファイト、銅等の導電性非磁性粒子
等が例示され、磁性粉末としては、磁性層を構成する強
磁性粉末と同じかあるいは異なる強磁性粉末等が例示で
きる。即ち、防黴剤含有層は、非磁性層として構成して
も磁性層として構成してもよい。ただし、磁性層として
構成した場合は厚味減磁による電磁変換特性の低下をも
たらすため好ましくは非磁性層として構成する。
【0016】特に、本発明において、防黴剤含有層が非
磁性層であっても磁性層の厚さを1μm以下と、非常に
薄くすることによって自己減磁や厚み損失が軽減されて
高密度記録に最適な磁気記録媒体を得ることができる。
防黴剤含有層は、防黴剤、上記粉末の他、潤滑剤等磁気
記録媒体用として公知の化合物を含むことができる。
【0017】防黴剤の含有量は、防黴剤含有層重量に対
し、0.5〜10重量%、望ましくは2〜5重量%であ
る。この範囲より少ないと防黴効果が充分でなく、また
多すぎると強磁性粉末の分散を阻害したり、また防黴剤
による表面粗さが大きくなって磁性層表面の平滑性を低
下させ、ひいては電磁変換特性を悪化させる等の問題を
発生させる。
【0018】上記非磁性金属粉末やカーボンブラック等
は、防黴剤の徐放を制御する機能、塗布型磁気記録媒体
においては磁性層を1μm以下と薄層化するための塗布
性を確保する機能、帯電防止機能等種々の機能を発揮さ
せることができ、そのための最適な配合割合を選定する
ことができる。また、特に塗布型磁気記録媒体の場合、
配合割合と共に各粉末の粒子形状、粒子サイズを選定す
ることが特に塗布性、磁性層表面性を向上させる上で好
ましい。
【0019】防黴剤含有層中におけるカーボンブラック
等の導電性粉末を含めた非磁性粉体の含有量は、一般的
には、60〜90重量%、好ましくは70〜80重量%
である。その粉末粒子の形態には、特に限定はなく、球
状、針状、板状等いずれの形態のものでも使用できる。
その粒子サイズは、各粒子の最大径で1μm以下、望ま
しくは0.005〜0.5μm、特に望ましくは0.2
〜0.3μm程度の大きさである。粒子サイズが余り大
きくなると上層の磁性層の表面性を低下させるので望ま
しくなく、また余り小さくなると分散性が悪くなってこ
れまた磁性層の表面性を低下させるので好ましくない。
【0020】防黴剤含有層中に導電性粉末を含有させる
場合の防黴剤含有層中におけるその含有量は、5〜60
重量%であれば防黴剤含有層に充分な導電性を付与する
ことができる。また、防黴剤含有層中に磁性層に使用さ
れるような潤滑剤を含有させておいて、防黴剤含有層か
ら磁性層に潤滑剤を供給できるようにすることもでき
る。磁性層が強磁性金属薄膜である場合は、充分な量の
潤滑剤を磁性層中に保持しにくいので、防黴剤含有層中
に潤滑剤を含有させる方法は特に有効である。また、塗
布型の磁性層であっても、前記の出力損失が軽減された
1μm以下の薄層磁性層である場合にも効果的である。
【0021】防黴剤含有層中における潤滑剤の含有量
は、5〜30重量%、望ましくは10〜20重量%であ
る。本発明における磁性層の厚さは、塗布型磁気記録媒
体においては、0.1〜μm、望ましくは0.5〜1
μmの範囲である。この場合の磁性層の形成法は、防黴
剤含有層と同時でも逐次でもかまわないが、磁性層を薄
層化する場合は防黴剤含有層が湿潤状態の内に磁性層を
塗布する方法が最も好ましい。
【0022】特に、磁性層の厚さを1μm以下とする場
合は、防黴剤含有層形成用塗料の粘弾性特性を磁性層形
成用塗料の特性とできるだけ近いことが均一な塗布を行
う上で好ましい。すなわち、下層にくる防黴剤含有層の
分散塗布液と上層に塗布される磁性層用の磁性分散塗布
液とが互いにできるだけ近似したチキソトロピー性を有
することにより、Wet on Wetで両塗料を塗布
した際に界面が乱れず、ピンホールやハジキも発生せ
ず、ヘッド当たりも共に改良できることを見出したもの
である。このように塗布することにより非磁性支持体上
に形成された層として重層でありながら境界のないより
一体化した層とすることができ、防黴剤含有層の機能を
より効果的に発揮することができる。
【0023】厚さが1μm以下で均一な磁性層を防黴剤
含有層上に形成することによって、出力の厚み損失の点
で有利となりかつノイズを低減することができるので、
特にビデオS/Nを大きくすることができる。一方、下
層となる防黴剤含有層を塗布した後に磁性層を塗布する
場合、磁性層の厚さが1μm以下にもなると磁性層の均
一な塗布が極めて難しく、出力変動が大きくなったりす
る。
【0024】強磁性金属薄膜型磁気記録媒体において
は、磁性層の厚みは、通常、0.02〜1.0μmの範
囲であり、特に0.05〜1.0μmの範囲が望まし
い。磁性層である強磁性金属薄膜は真空蒸着法やイオン
プレーティング法、スパッタリング法等の真空成膜技術
または電界鍍金、無電解鍍金技術により連続膜として防
黴剤含有層上に形成される。磁性層の表面形状は特に規
定されないが、1〜100nmの高さの突起を有してい
る場合特に走行性、耐久性に優れる。
【0025】また、磁性層上に保護層を形成することが
好ましい。保護層の厚みは、0.5nm〜20nmが好
ましく、より好ましくは1〜10nmである。厚みが
0.5nm以下だと均一な膜として形成するのが困難で
あり、走行性、耐久性が十分でない。また、厚みが20
nm以上の場合は、ヘッドテープ間のスペーシング損失
のため電磁変換特性が劣化する問題がある。
【0026】この保護層としては、気相または液相で形
成された酸化珪素等の酸化物、スパッタ、プラズマ重合
等で形成された有機重合物、ダイヤモンドライクカーボ
ンのほか熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等があるが、好ま
しくは酸化物保護層、スパッタ法で設けられたカーボン
系保護層である。また、潤滑剤は、防黴剤含有層に添加
されることが好ましいが、保護層にも潤滑剤を予め適用
することが好ましい。
【0027】保護層用潤滑剤素材は、磁気記録媒体の潤
滑剤として知られている各種の有機化合物が使用できる
が、中でも弗素含有化合物を使用することが望ましい。
前記保護層と強磁性金属薄膜との密着性を向上させるた
めに、保護層を形成する前に強磁性金属薄膜表面をグロ
ー放電やエネルギービームで活性化したり脂肪酸等の界
面活性剤や各種カップリング剤で改質しておくこともで
きる。
【0028】また、磁性層には防黴剤を磁性層形成時に
添加することもできるが、その初期投入量は50ppm
以下、望ましくは20ppm以下に止めるべきである。
また、磁性層は、複数の層からなる重層構成であっても
良い。例えば、上層の方が抗高磁力の層である場合、上
層の磁性層の方が微粒子である場合等、従来から知られ
ている層の組合せからなる重層が例示できる。
【0029】本発明の磁気記録媒体に使用できる防黴剤
は次の要件を満たすものが好ましい。 (1)少量で防黴効果が大きいこと (2)人間に対する安全性が高いこと (3)効果性が持続すること (4)臭気が強くないこと (5)水、有機溶剤に溶けること 更に、防黴剤含有層から磁性層に徐放供給された時、磁
性層の膜物性を低下させる事がないことが望まれる。
【0030】以上の要件を満たして、本発明に於いて好
ましく用いられる防黴剤の具体例としては、以下の化合
物が挙げられる。上段に上位概念の化合物を下段に具体
例を挙げる。 (化合物1) 尿素化合物 N−(3,4−ジクロロフェニル)−N′−(4−クロ
ロフェニル)尿素 (化合物2) アニリド系化合物 3,5−ジブロモサリチル−4−ブロモアニリド (化合物3) 環状アミド化合物 1,2−ベンゾイソチアゾン−3−オン (化合物4) アミン塩化合物 3−アミノ−1−プロパノール (化合物5) 第4級アンモニウム化合物 ドデシルジメチル塩化アンモニウム (化合物6) ベンズイミダゾール系化合物 メチルベンズイミダゾールカーバメイト (化合物7) カーバメイト化合物 2−セカンダリーブチルフェニル−N−カーバメイト (化合物8) α,β−不飽和カルボニル化合物 α−ブロムシンナムアルデヒド (化合物9) グアニジン誘導体 ドデシルグアニジン塩酸塩 (化合物10) 有機ハロゲン化合物 クロロナフタレン (化合物11) ヨードプロパギル系化合物 4−クロロフェノキシメチル−3−ヨード−2−プロピ
ニルエーテル (化合物12) 有機金属化合物 10,10 ′−オキシビスフェノキシアルジン (化合物13) フェノール類 オルトフェニルフェノール (化合物14) ピリジン系化合物 2−ピリジンチオールナトリウム−1−オキシド (化合物15) N−ハロアルキルチオ系化合物 N−トリクロロメチルチオテトラヒドロフタルイミド (化合物16) チオシアノ系化合物 2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール (化合物17) ジチオカルバミン酸系化合物 ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム (化合物18) トリアゾール系化合物 ベンゾトリアゾール (化合物19) チアジアジン系化合物 3,3′−エチレンビス(テトラヒドロ−4,6−ジメ
チル−2H−1,3,5−チアジアジン−2−チオン (化合物20) チオファネートメチル系化合物 1,2−ビス(β−メトキシカルボニル−2−チオウレ
イド) ベンゼン (化合物21) アミノ酸系化合物 N−ラウリル−β−アラニン 本発明の防黴剤含有層に使用できる非磁性金属粉末とし
ては、具体的には金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸
塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機質
化合物粉末が挙げられる。具体的には、α化率90%以
上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、酸化
クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化
珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、ZuOなどが単
独または組合せで使用される。タップ密度は、0.3〜
2g/cc、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、
比表面積は1〜30m2 /gが好ましい。非磁性粉末の
形状は、針状、球状、サイコロ状の何れでも良い。
【0031】非磁性粉末の具体的な例としては、住友化
学製:AKP−20、AKP−30、AKP−50、H
IT−50、日本化学工業社製:G5、G7、S−1、
戸田工業社製:TF−100、TF−120、TF−1
40などがあげられる。本発明の防黴剤含有層び使用さ
れる導電性粒子としては、カーボンブラック、グラファ
イト、各種の金属粒子(例えば、アルミニウム、銅、亜
鉛、銀等)が挙げられる。中でも、カーボンブラックが
特に好ましい。
【0032】本発明の防黴剤含有層に用いられるカーボ
ンブラックとしてはゴム用ファーネス、ゴム用サーマ
ル、カラー用ブラック、アセチレンブラック、等を用い
ることができる。比表面積は100〜600m2 /g、
DBP吸油量は、30〜290ml/100g、粒子径
は20mμ以下、好ましくは10〜20mμ、更に好ま
しくは12〜18μmである。pHは2〜10、含水率
は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/ccが
好ましい。本発明に用いられるカーボンブラックの具体
的な例としてはキャボット社製:BLACKPEARL
S 2000、1300、1000、900、800、
880、700、三菱化成工業社製:♯950B、♯8
50B、コンロンビアカーボン社製:CONDUCTE
X SC、RAVEN 8800、8000、700
0、5750、5250、3500、2100、200
0、1800、1500、1250などが挙げられる。
カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂
でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイ
ト化したものを使用してもかまわない。また、カーボン
ブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で
分散してもかまわない。これらカーボンブラックは、磁
性層にも使用できる。
【0033】本発明の塗布型磁気記録媒体で使用する強
磁性粉末としてはγ−FeOx(x=1.33〜1.
5)、Co変性γ−FeOx(x=1.33〜1.
5)、FeまたはNiまたはCoを主成分(75%以
上)とする強磁性合金微粉末、バリウムフエライト、ス
トロンチウムフエライトなど公知の強磁性粉末が使用で
きる。これらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、
Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、R
h、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、
Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、N
d、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子
を含んでもかまわない。
【0034】これらの強磁性体粉末の表面に後述する分
散剤、潤滑剤、帯電防止剤などをそれぞれの目的のため
に分散に先立って溶剤中で含浸させて吸着させてもよ
い。本発明の強磁性金属薄膜型磁気記録媒体における磁
性層の強磁性金属材料としてはFe、Co、Niその他の強磁
性金属、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Rh、Co−P、Co−B、Co
−Y、Co−La、Co−Ce、Co−Pt、Co−Sm、Co−Mn、Co−
Cr、Fe−Co−Ni、Co−Ni−P、Fe−Co−B、Co−Ni−A
g、Fe−Co−Nd、Co−Ni−Ce、Co−Ni−Zn、Fe−Co−C
u、Co−Ni−W、Co−Ni−Re等の強磁性合金が挙げら
れ、前記方法により強磁性金属薄膜が防黴剤含有層上に
形成される。上記強磁性金属薄膜は、他にO、N、Cr、
Ga、As、Sr、Zr、Nb、Mo、Rh、Pd、Sn、Sb、Te、Pm、R
e、Os、Ir、Au、Hg、Pb、Bi等を含んでもよい。
【0035】本発明の強磁性金属薄膜型磁気記録媒体を
真空蒸着法で製造する場合を例示すると、10-4〜10
-2Torrの真空下で、強磁性金属材料を抵抗加熱、高
周波加熱、電子ビーム加熱等により蒸発させ、支持体上
に形成した防黴剤含有層上に沈着させる方法が挙げら
れ、一般に高い抗磁力を得るために支持体に対して強磁
性金属材料を斜めに蒸着する斜方蒸着を採用することが
できる。あるいは、より高い抗磁力を得るために、雰囲
気として、酸素あるいは酸素とアルゴンを導入しながら
上記蒸着を行ったものが好ましく用いられる。
【0036】また、強磁性金属薄膜への酸素導入法とし
ては前記の酸素の存在下での蒸着の他に、酸素の存在し
ない真空蒸着での蒸着膜を、例えば、60℃、30%R
H等の雰囲気中で強制酸化し、そのベースと反対側の表
面を酸化することもできる。より具体的には、強磁性金
属薄膜磁性層はCo-Ni を好ましくは酸素気流中で斜め蒸
着して形成したもの、Coを好ましくは酸素気流中で斜め
蒸着して形成したもの、Co-Cr を好ましくはCo、Cr2 つ
の蒸発源を用いて垂直蒸着して形成したもの、Co-Cr を
スパッタ法(DCスパッタ、RFスパッタ等)で成膜し
たもの等が挙げられる。
【0037】磁性層表面は磁性層形成中に導入された酸
素、あるいは磁性層形成後の酸化処理等によって酸化さ
れている場合が多いが、好ましくは磁性層表面に保護層
を設けることができる。本発明に使用される樹脂、例え
ば、防黴剤含有層、塗布型磁性層、前記保護層等に使用
される樹脂については、特に制限はなく、従来公知のも
のを使用すればよい。
【0038】特に防黴剤含有層、塗布型磁性層に使用さ
れる結合剤樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用でき
る。例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、その
他の塩化ビニル系共重合体、アクリル酸エステル系共重
合体、メタクリル酸エステル系共重合体、ウレタンエラ
ストマー、セルロース誘導体、エポキシ−ポリアミド樹
脂等であり、硬化剤として各種のポリイソシアネートも
使用される。そして、前記結合剤の使用量は磁性層にあ
っては、強磁性粉末100重量部当たり5乃至300重
量部の範囲で、防黴剤含有層にあっては、非磁性粉末を
使用する場合はその非磁性粉末100重量部に対し5〜
500重量部、好ましくは200〜350重量部の範囲
であることが望ましい。また、各種粉末の分散性を高め
るために分子中に適当量のカルボキシル基、スルフォン
酸基、水酸基、アミノ基、エポキシ基等の極性官能基を
導入することが望ましい。
【0039】防黴剤含有層、磁性層に使用できる分散剤
としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール
酸等の酸素数10〜22個の脂肪酸(R1 COOH、R
1 は炭素数9〜21個のアルキル基)、前記の脂肪酸のア
ルカリ金属(Li、Na、K等)またはアルカリ土類金
属(Mg、Ca、Ba等)、Cu、Pb等から成る金属
石鹸;レシチン等が使用される。この他に炭素数4以上
の高級アルコール(ブタノール、オクチルアルコール、
ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール)及びこ
れらの硫酸エステル、燐酸エステル等も使用可能であ
る。これらの分散剤は結合剤100重量部に対して0.
005〜20重量部の範囲で添加される。これら分散剤
の使用方法は、強磁性微粉末や非磁性微粉末の表面に予
め被着させても良く、また分散途中で添加してもよい。
【0040】帯電防止剤としてはグラファイト、カーボ
ンブラック、カーボンブラックグラフトポリマー等の導
電性粉末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキレンオ
キサイド系、グリセリン系、グリシドール系、多価アル
コール、多価アルコールエステル、アルキルフェノール
EO付加体等のノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン
類、環状アミン、ヒダントイン誘導体、アミドアミン、
エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ピリジンそ
のほかの複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム
類、等のカチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホン
酸、燐酸、硫酸エステル基、硫酸エステル基などの酸性
基を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸類;アミノスル
ホン酸類、アミノアルコールの硫酸または硫酸エステル
類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤が使用され
る。
【0041】本発明に使用される潤滑剤としては、脂肪
酸エステル、シリコンオイル、グラファイト、二硫化モ
リブテン、チッ化硼素、フッ化黒鉛、フッ素アルコー
ル、ポリオレフィン(ポリエチレンワックス等)、ポリ
グリコール(ポリエチレンオキシドワックス等)、アル
キル燐酸エステル、二硫化タングステン等が挙げられ
る。
【0042】本発明の塗布型磁性層に用いられる研磨剤
としてはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミ
ナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化
鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪
素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化
ホウ素、など主としてモース硬度6以上の公知の材料が
単独または組合せで使用される。また、これらの研磨剤
どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したも
の)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外
の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が9
0%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の
粒子サイズは0.01〜2μmが好ましいが、必要に応
じて粒子サイズの異なる研磨剤を組合せたり、単独の研
磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせること
もできる。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は
0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m
2 /g、が好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状
は針状、球状、サイコロ状、のいずれでも良いが、形状
の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。
【0043】本発明に用いられる研磨剤の具体的な例と
しては、住友化学社製:AKP−20,AKP−30,
AKP−50,HIT−50、日本化学工業社製:G
5,G7,S−1、戸田工業社製:100ED,140
ED、などがあげられる。本発明に用いられる研磨剤は
防黴剤含有層にも使用でき、磁性層とその種類、量およ
び組合せを変え、目的に応じて使い分けることはもちろ
ん可能である。これらの研磨剤はあらかじめ結合剤で分
散処理したのち磁性塗料中に添加してもかまわない。本
発明の磁気記録媒体の磁性層表面および磁性層端面に存
在する研磨剤は5個/100μm2 以上が好ましい。
【0044】非磁性支持体としては、ポリエチレンテレ
フタレートやホリエチレン−2,6−ナフタレートのご
ときポリエステル、ホリプロピレンのごときポリオレフ
ィン樹脂、三酢酸セルローズや二酢酸セルローズのごと
きセルローズ誘導体、ポリ塩化ビニルのごときビニル系
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、
ポリスルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂などの各
種プラスチックあるいはプラスチック組成物のフィルム
状体、板状体などがある。これらの非磁性支持体の形状
はあらかじめ所望の形状に形成したものでもよく、また
磁性層や所望により設けられるバック層を形成させた後
に例えば裁断などにより成形してもよい。これらの非磁
性支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処
理、下塗処理、熱処理、金属蒸着処理、アルカリ処理な
ど各種の前処理が施されていてもよい。
【0045】塗布型磁性層を非磁性支持体上に設けるに
は、以上の成分に有機溶剤を加えて分散混練し、磁性塗
液を調製し、これを非磁性支持体上に塗布、乾燥してつ
くる。防黴剤含有層形成用塗布液、磁性塗液等の調製に
用いる有機溶剤としては、任意の比率でアセトン、メチ
ルエチルケトン、メチレイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン
系;メタノール、エタノール、プロパノール、ブダノー
ル、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、
メチルシクロヘキサノールなどのアルコール系;酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸
イソプロピル、乳剤エチル、酢酸グリコール、モノエチ
ルエーテル等のエステル系;エーテル、グリコールジメ
チルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキ
サンなどのグリコールエーテル系:ベンゼン:トルエ
ン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、スチレン
などのタール系(芳香族炭化水素);メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
エチレンカロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化
炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデヒド、ヘキサ
ン等が使用できる。
【0046】混練、分散の方法は制限なく任意の方法が
採用でき、例えば、強磁性粉末、非磁性粉体及び上述の
各成分を全て同時に、あるいは個々順次に混練機に投入
する方法等、分散剤を含む溶剤中に強磁性粉末を加え所
定の時間混練をつづけて磁性塗料とする方法などがあ
る。磁性塗料、防黴剤含有層用塗料の混練分散にあたっ
ては各種の混練機が使用される。例えば二本ロールミ
ル、三本ロールミル、ボールミル、ペプルミル、トロン
ミル、サンドグラインダー、ゼグバリ(Szegvari)、ア
トライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミ
ル、高速度衝撃ミル、ディスパー、ニーダー、高速ミキ
サー、ホモジナイザー、超音波分散機などである。
【0047】本発明における塗布型磁気記録媒体は、上
記防黴剤含有層形成塗料と磁性塗料を使用して同時また
は逐次に非磁性支持体上に設けられる。各乾燥厚味は磁
気記録媒体の用途、形状、規格などにより決められる。
また、必要により強磁性粉末を配向させる処理を施した
のち、形成した磁性層を乾燥する。又、表面平滑化加工
を施したり、所望の形状に裁断したりして、本発明の塗
布型磁気記録媒体を製造する。特に磁性層に表面平滑化
処理を施すと、表面が平滑で、且つ耐摩耗性に優れた磁
気記録媒体が得られる。この表面平滑化処理は乾燥前の
スムーズニング処理、あるいは乾燥後のカレンダリング
処理によって行なうことができる。
【0048】本発明における強磁性金属薄膜型磁気記録
媒体は、非磁性支持体上に防黴剤含有層を形成した後、
防黴剤含有層上に前記方法等により強磁性金属薄膜磁性
層を形成する。その後、所望の処理を施した後、用途、
規格等に従ってその形状をテープ、ディスク状等所望に
裁断し、本発明の強磁性金属薄膜型磁気記録媒体を得る
ことができる。
【0049】
【実施例】以上の本発明の新規な特徴を以下の実施例及
び比較例によって具体的に説明する。尚、「部」は特に
断らない限り「重量部」を示す。 実施例−1 防黴剤含有層 酸化チタン(平均粒子サイズ:0.03μm) 100部 結合剤樹脂 10部 極性基含有塩化ビニル共重合体(−SO3 Na基:8×10-5当量/g) 研磨剤粒子:Al2 3 (平均粒子サイズ:0.3μm) 7部 カーボンブラック(ケッチェンブラックEC) 5部 溶媒 トルエン 36部 メチルエチルケトン 36部 上記組成からなる混練分散物に以下の組成物を加えて、
更にサンドグラインダーで2000rpmの条件で約2
hr微分散処理を施した。
【0050】 結合剤樹脂: 200部 極性基含有ポリウレタン樹脂(−SO3 Na基:8×10-4当量/g、重量平 均分子量:35,000) 溶媒 トルエン 250部 メチルエチルケトン 250部 この分散物に防黴剤として尿素系化合物〔N−(3,4
−ジクロロフェニル)−N′−(4−クロロフェニル)
尿素を1部、ポリイソシアネート(コロネートL,日本
ポリウレタン社製)を6部と脂肪酸エステルとしてトリ
シルステアレート6部を添加して、均一に混合して、均
一に分散された防黴剤含有層形成用塗布液を得た。
【0051】磁性層 以下の組成物をニーダーで約2時間混練し、均一な混練
分散液を得た。 イ)磁性層 強磁性粉末 100部 Co置換Baフェライト(比表面積:35m2 /g、粒子長:0.06μm 、板状比:5) 結合剤樹脂 10部 極性基含有塩化ビニル共重合体(−SO3 Na基:8×10-4当量/g、重 量平均分子量:75,000) 研磨剤粒子:Al2 3 (平均粒子サイズ:0.3μm) 7部 カーボンブラック(ケッチェンブラックEC) 5部 ライオンアクゾ社製、平均粒子サイズ:30mμ カーボンブラック(サーマックスMT) 2部 カンカルプ社製、平均粒子サイズ:280mμ 溶媒: トルエン 36部 メチルエチルケトン 36部 得られた混練分散物に以下の組成物を加えて、更に、サ
ンドグラインダーで2000rpmの条件で約2時間微
分散処理を施した。
【0052】 結合剤樹脂: 5部 極性基含有ポリエステルポリウレタン樹脂 (−SO3 Na基:8×10-4当量/g、重量平均分子量:35,000) 溶媒: トルエン 250部 メチルエチルケトン 250部 この分散物に、更に又、ポリイソシアネート(コロネー
トL,日本ポリウレタン社製)を6部と脂肪酸エステル
としてトリデシルステアレート6部を添加して、均一に
混合して、強磁性粉末が均一に分散された磁性塗布液を
得た。
【0053】更に、防黴剤含有層形成用塗布液を厚さ7
5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に約2
μm塗布し、同時に磁性塗布液を防黴剤含有層が湿潤状
態のうちに塗布し、磁気ディスク用サンプルを作成し
た。その際、磁性層厚味は、0.3μmとした。 実施例−2 実施例−1の防黴剤含有層中に含まれる防黴剤の量を2
部とした以外は同組成の磁気記録媒体を実施例−1と同
様に作成した。
【0054】実施例−3 実施例−1の磁性層厚味を0.8μmとした以外は、全
て同一の磁気記録媒体を実施例−1と同様に作成した。 実施例−4 実施例−1の防黴剤含有層中に含まれる防黴剤を1,2
−ベンゾイソチアゾリン−3−オン1部とした以外は同
組成の磁気記録媒体を実施例−1と同様に作成した。
【0055】比較例−1 実施例−1の防黴剤含有層中に含有している防黴剤を除
いた他は実施例−1と同様に磁気記録媒体を作成した。 比較例−2 実施例−1の防黴剤含有層中に含有している防黴剤量を
12部とした他は実施例−1と同様に磁気記録媒体を作
成した。
【0056】比較例−3 実施例−1の防黴剤含有層中に含有している防黴剤を磁
性層にも同一量添加した他は実施例−1と同様に磁気記
録媒体を作成した。 実施例−5 実施例1において、防黴剤含有層に分散するカーボンブ
ラックの量を10重量部とした以外は、実施例1と同一
の条件で磁気記録媒体の試料を作成した。
【0057】実施例−6 実施例1において、防黴剤含有層に分散するカーボンブ
ラックの量を2重量部とした以外は、実施例1と同一の
条件で磁気記録媒体の試料を作成した。 実施例−7 実施例1において、磁性層の厚さを1.2μmとした以
外は、実施例1と同一の条件で磁気記録媒体の試料を作
成した。
【0058】以上のようにして得られた磁気ディスクの
各試料について、磁性層面への異物の発生状況、高湿度
下でのトルクの上昇率、初期2F出力、表面電気抵抗を
以下の条件で評価した。この結果を表1に示した。湿度
によるトルクの変化は、3.5インチフロッピーディス
クドライブPD211(東芝社製)を使用して、23
℃、50%RHの環境下で走行させて、ヘッドオフの状
態で回転させたときのモーターの負荷トルクを測定し、
次いで23℃、80%RHの環境下で同様の測定をし、
負荷トルクの上昇率を求め、同時に異物の発生状況も調
べた。
【0059】また、初期2F出力は、同フロッピーディ
スクドライブを使用して実施例−1のサンプルを100
とし、相対値として算出した。表面電気抵抗(Ω/s
q)は、タケダ理研製、TR−8611A(デジタル超
絶縁抵抗計に求めた。尚、3.5吋フロッピーディスク
の磁性層表面上に異物の発生の見られた比較例1の磁性
層面の異物を回収して、寒天培養地に移植して25℃、
95%RHの環境下に放置して培養した。その結果、黴
の増殖が確認でき、磁性層表面の異物は、黴によるもの
であることが確認できた。
【0060】
【表1】
【0061】表1の結果より、本発明の実施例では、異
物、即ち黴の発生は見られず、また、トルク上昇率も防
黴剤を含有しない比較例1と同様に低く走行耐久性に優
れていることがわかる。また、防黴剤を所定量より多く
含む比較例2では、異物の発生は見られなかったが、ト
ルク上昇率、初期2F出力が悪化している。また、防黴
剤を磁性層にも添加すると異物の発生は抑制できるが、
トルクが上昇し、走行耐久性が劣ることが分かる。ま
た、実施例7は、磁性層厚味を1.2μmとしたため、
初期2F出力は低下したが、トルク上昇率、帯電特性は
良好であった。
【0062】
【発明の効果】本発明は、防黴剤含有層を非磁性支持体
と磁性層の間に設け、磁性層の厚さを1μm以下とする
ことにより、防黴剤含有層から防黴剤を磁性層へ徐々に
供して、黴の発生を防止し、磁性層の機械的強度を確保
して走行耐久性を維持すると共に、自己減磁や厚み損失
が軽減し高密度記録に最適な磁気記録媒体とすることが
できる。また、防黴剤含有層に潤滑剤、導電性粒子等の
各種機能を有する添加剤を使用することにより、より走
行耐久性の優れた薄層化塗布型磁気記録媒体、強磁性金
属薄膜型磁気記録媒体を製造できる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に磁性層を有する磁気記
    録媒体において、前記磁性層と前記非磁性支持体の間に
    防黴剤含有層があり、前記磁性層の厚さが1μm以下で
    あることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記防黴剤含有層中に含有される防黴剤
    の含有量が0.5〜10重量%である請求項1記載の磁
    気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記磁性層が強磁性粉末と結合剤樹脂を
    主体とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記非磁性支持体が可撓性であって前記
    磁気記録媒体がディスク状である請求項1記載の磁気記
    録媒体。
  5. 【請求項5】 前記防黴剤含有層中に導電性粒子が分散
    されている請求項3記載の磁気記録媒体。
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