JP2767261B2 - カテーテル - Google Patents

カテーテル

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JP2767261B2 JP63299196A JP29919688A JP2767261B2 JP 2767261 B2 JP2767261 B2 JP 2767261B2 JP 63299196 A JP63299196 A JP 63299196A JP 29919688 A JP29919688 A JP 29919688A JP 2767261 B2 JP2767261 B2 JP 2767261B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はカテーテルに関するものである。
〔従来の技術〕
カテーテルは、一般に血管(特に環状動脈)、気官、
卵管、尿管などや各種臓器内に挿入して、液体の注入ま
たは吸入、或いは通路の開存確保などを目的として使用
される。
カテーテルに共通して求められる要件は、本体部が主
に回転などのトルク伝達性に足る程度の剛性を有するこ
とである。
これは、血管や臓器の挿入位置においてカテーテルの
先端部の方向転換をしたい場合などに、カテーテル本体
部の基端を軸芯回りに回転させた時に本体部がその回転
トルクを先端部に効率良く伝達する作用を有している方
が都合が良いからである。
また、本体部に連続する先端部は挿入時の挿入容易性
を確保する上で本体部と同程度の剛性を有するだけでな
く、方向転換時に本体部からの回転トルクによって所望
の方向や角度に変位し易いよう或る程度の可撓性も兼ね
備えていることが好ましい。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の如きカテーテルは、その本体部が剛性を有し、
先端部が剛性及び適度な可撓性を有するものである。
しかしてカテーテルは、適用領域に応じて目的部位ま
で容易に到達するよう、先端部が種々の形状(たとえば
湾曲形状や鉤形状など)をなしている。かかるカテーテ
ルは、挿入途中で方向転換して意図した部位方向に進入
するような形状の先端部を有するものを使用するのが常
である。
しかしながら、先端部を変形させたカテーテルは方向
転換はし易いが、逆に先端部特有の形状故に方向転換以
外の挿入操作は困難になる。これを解決するために、挿
入時に先端部を直線状に強制的に戻してから挿入する試
みもなされているが、挿入途中で先端部が元の変形形状
に復帰してしまい、同様に挿入困難さを伴うことにな
る。
また一方では、当初から直線状の所謂万能形カテーテ
ルもあるが、当該カテーテルにおいては必要な方向転換
時に先端部が所望の角度や方向に容易に変位せず、方向
転換操作に不都合が生じてくる。
従って本発明の目的は、挿入容易性と方向転換容易性
とを併有するカテーテルを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために本発明のカテーテルにおい
ては、少なくとも先端部が、挿入時は該先端部が挿入容
易な程度の剛性を有し且つ体温にて記憶形状に変形復元
する有機高分子材料(以下、該有機高分子材料を単に
「形状記憶材料」と略称する。)からなること、或は先
端部及び本体部共に上記の形状記憶材料からなり、人体
中においても本体部がトルク伝達性を保持するようにせ
しめるための冷却水路を有することを特徴とするもので
ある。
本発明のカテーテルは、少なくとも先端部が上記の形
状記憶材料からなるので人体中への挿入が容易であり、
一旦方向転換部位に達すると先端部が体温にて予め記憶
させておいた形状に変形復元し、方向転換操作を容易に
行うことができる。
先端部及び本体部共に形状記憶材料からなるカテーテ
ルは、先端部のみ形状記憶材料からなるカテーテルと全
く同様の作用を有するが、カテーテル全体が形状記憶材
料からなり、本体部のみ人体中においてもトルク伝達性
を保持するのが好ましいため、本体部が体温によっても
トルク伝達性を保持するようにせしめるための冷却水路
を有する。
このトルク伝達性に関して、先端部が形状記憶材料か
らなるカテーテルにおいても本体部が体温によってもト
ルク伝達性を保持すべく、そのような性質を有する材料
からなることが好ましい。
しかして、少なくとも先端部または本体部及び先端部
の両方に使用する形状記憶材料は、本発明の目的を達成
しえる限り特に制限はなく、たとえば次の(1)、
(2)のようなものが例示される。
(1) 加硫ゴム(A成分)と体温近傍でセット力のな
くなるポリマーと(B成分)との混合物。
が例示される。
A成分用のゴムとしては天然ゴム、ブタジエンゴム、
スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴ
ム、アクリルゴムなどの合成ゴムがあげられる。
B成分としては、その融点が体温近傍(好ましくは32
〜40℃)である結晶性ポリマー、具体的にはポリトリメ
チレングルタレート(融点39℃)、ポリトリメチレンア
ジペート(融点38℃)、ポリトリメチレンピメレート
(融点37℃)、ポリ(オクタデシルメタクリレート)
(融点34℃)、ポリ(ヘキサデシルアクリレート)(融
点33℃)などが例示される。
A成分とB成分との配合割合は、通常前者100重量部
に対して、後者50〜200重量部である。
(2) 熱可塑性エラストマー(C成分)とB成分との
混合物。
C成分としては、たとえばポリスチレン系(例、硬質
セグメントがポリスチレン、軟質セグメントがポリブタ
ジエンまたはポリイソプレンであるコポリマー)、1,2
−ポリブタジエン(例、硬質セグメントがシンジオタク
チック1,2−ポリブタジエン、軟質セグメントが無定形
ポリブタジエンであるコポリマー)、ポリオレフィン系
(例、硬質セグメントがポリプロピレン、軟質セグメン
トがエチレン−プロピレンゴムであるコポリマー)、ポ
リエステル系(例、硬質セグメントがポリエステル、軟
質セグメントがポリエステルであるコポリマー)、ポリ
アミド系(例、軟質セグメントがナイロン12、軟質セグ
メントがポリエーテルであるコポリマー)、塩素化ポリ
エチレン系(例、硬質セグメントがブロック型塩素化ポ
リエチレン、軟質セグメントがランダム型塩素化ポリエ
チレンであるコポリマー)、ポリビニルクロライド
(例、硬質セグメントがポリビニルクロライド、軟質セ
グメントがゴム質であるコポリマー)などが例示され
る。
C成分とB成分との配合割合は、通常前者100重量部
に対して後者50〜200重量部である。
また、本体部に使用される体温によって加熱されても
トルク伝達性を有する材料には特に制限はなく、従来既
知のもので十分である。たとえば、ポリイミド、ポリエ
チレン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、
エチレンテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニルなど
がある。
上記材料にて、カテーテルを製造する場合には、次の
ようにして行われる。
先端部および本体部が共に形状記憶材料からなるカテ
ーテル: A成分(ただし、未加硫のもの)またはC成分とB成
分の混合物を押出して、所望とする鋳型に入れた後、A
成分を使用した場合にはゴムを加硫し、加熱等の手段に
て所望とする変形復元状態の太径に成形した後、B成分
の融点以下に冷却することによって形状記憶させる。次
の、B成分の融点以下の温度で延伸などの手段にて所定
の細径とすることによって製造される。
先端部が形状記憶材料からなり、本体部が体温によっ
て加熱されてもトルク伝達性を有する材料からなるカテ
ーテル: 先端部の材料を押出成形して先端部を形成し、それに
次いで本体部の材料を押出成形して本体部を形成する如
く、連続押出成形によって製造すること以外は、基本的
には前記と同様にして製造される。
〔実施例〕
以下、本発明のカテーテルを実施例に基づいて説明す
る。
第1図(a)の実施例では、カテーテル1は先端部3
のみが形状記憶材料よりなり、本体部2は体温によって
加熱されてもトルク伝達性を有する有機高分子組成物よ
りなる。第1図(b)は第1図(a)のカテーテル1が
体温にて形状記憶に変形復元した状態を示すものであ
る。
第1図(a)のカテーテルは、たとえば所望の鋳型に
先端部用のエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体
100重量部、ポリ(オクタデシル メタクリレート)100
重量部、ジクミルパーオキサイド2重量部の混合物を押
出し、次に本体部用のポリエチレンを押出して所望形状
とし、ゴム成分を加硫し、加熱して所望とする変形復元
状態の太径に成形した後、オクタデシル、メタクリレー
トの融点以下に冷却することによって形状記憶させる。
次に、オクタデシル メタクリレートの融点以下の温度
で延伸により所定の細径とすることによって製造された
ものである。
かかるカテーテル1は、血管や臓器などに挿入する時
は、先端部3は未だ体温にて十分に温められずに本体部
2と同程度の剛性を有しているため、挿入途中の方向転
換部位まで挿入容易である。方向転換部位に達した時に
は、本体部2は依然トルク伝達性を保持しているが、先
端部3は体温(平常は約37℃前後)にて十分に温めら
れ、予め記憶させておいた角度や方向を有する形状状態
に復元し、先端部3の方向転換を容易に行うことがで
き、最終挿入部位までカテーテル1を容易に挿入でき
る。
第2図(a)、(b)に示すカテーテル5は、本体部
6及び先端部7共に第1図に示したカテーテルの先端部
3と同じ材料からなる。本体部6内には、該本体部6を
低温状態に維持して人体中においてもトルク伝達性を保
持せしめるための処置として、カテーテル5内の本来の
流路9とは別に冷却水路8が設けられている。このカテ
ーテル5は前記カテーテル1と同様の作用効果を有する
が、挿入操作中は冷却水路8を通じて水を本体部6内に
循環しておき、本体部6を記憶形状に復元する温度に達
しないよう常に冷却する。
〔発明の効果〕
本発明のカテーテルは、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
少なくとも先端部または先端部及び本体部共に形状記
憶材料、即ち前記した形状記憶性の有機高分子材料から
なることにより、挿入時には本体部だけでなく先端部も
本体部と同程度の剛性を有するが、挿入途中における方
向転換部位に達した時には先端部が体温によって記憶形
状状態に変形復元し、先端部が自動的に所定の方向転換
を行うので、方向転換操作延いては挿入操作全般を容易
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)は本発明のカテーテルの一態様を
示し、(a)はその変形復元前の状態の一部省略外観
図、(b)は体温にて記憶形状に変形復元した状態の一
部省略外観図、第2図(a)、(b)は本発明のカテー
テルの別態様を示し、(a)はその一部省略縦断面図、
(b)は本体部における断面図である。 1、5:カテーテル 2、6:本体部 3、7:先端部 8:冷却水路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 幸男 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電 線工業株式会社伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 昭62−155865(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61M 25/00 - 29/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも先端部が、挿入時は該先端部が
    挿入容易な程度の剛性を有し且つ体温にて記憶形状に変
    形復元する有機高分子材料からなることを特徴とするカ
    テーテル。
  2. 【請求項2】本体部が体温によって加熱されてもトルク
    伝達性を有する有機高分子材料からなることを特徴とす
    る請求項(1)記載のカテーテル。
  3. 【請求項3】先端部及び本体部共に挿入時は該先端部が
    挿入容易な程度の剛性を有し且つ体温にて記憶形状に変
    形復元する有機高分子材料からなり、人体中においても
    本体部がトルク伝達性を保持するようにせしめるための
    冷却水路を有することを特徴とするカテーテル。
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