JP3471968B2 - 尿道カテーテル - Google Patents

尿道カテーテル

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JP3471968B2
JP3471968B2 JP11311295A JP11311295A JP3471968B2 JP 3471968 B2 JP3471968 B2 JP 3471968B2 JP 11311295 A JP11311295 A JP 11311295A JP 11311295 A JP11311295 A JP 11311295A JP 3471968 B2 JP3471968 B2 JP 3471968B2
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ethylene
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、尿道から膀胱内に挿
入、留置し、持続排尿に用いられる尿道カテーテルに関
する。
【0002】
【従来の技術】排尿の目的で尿道などに挿入・留置され
る尿道カテーテルにあっては、シャフトチューブを尿道
に挿入後、流体注入/排出口からバルーン内に流体を注
入し、バルーンを膀胱内で膨張させることにより尿道カ
テーテルを留置し、導尿口から採尿する目的で使用され
る。
【0003】このような尿道カテーテルの材質として、
特開昭53−69488号公報には、クラトンG−16
50、1652という商品名の熱可塑性エラストマー
に、パラフィン油のような可塑化油、ポリプロピレンの
ような剛化剤および非退化剤を混合した組成物から形成
したバルーン、およびバルーンとシャフトがクラトンG
−2705から形成されたフオレー・カテーテルすなわ
ち尿道カテーテルが記載されている。 クラトンG−16
50、1652は、スチレン−エチレン−ブチレン−ス
チレンブロック共重合体(SEBS)の商品名であり、
クラトンG−2705は、ナフサ油および非分解剤を含
むSEBSの商品名である。また、特公平2−3718
5号公報には、SEBSにシリコーン油とポリプロピレ
ンを混合した組成物から形成したカフ、およびこれがフ
オレー・カテーテル(尿道カテーテル)に使用できるこ
とが記載されている。
【0004】さらに、本出願人の尿道カテーテルに関す
る先願(特開平2−232067、特開平3−2809
68、特開平3−280970、特開平5−18466
4、特開平6−335033等)には、商品名ラバロン
(三菱油化(株))というSEBSからなる尿道カテーテ
ルが記載されている。これらに用いられているラバロン
は、いずれもSEBSにポリプロピレンを配合したもの
である。
【0005】バルーンおよびシャフトチューブとして
は、硬度、永久伸び、剥離強度等のバランスが重要であ
る。特に剥離強度は、膀胱内でのバルーンの破裂やリー
クにつながるので重要である。SEBSにポリプロピレ
ンまたは高密度ポリエチレンを添加した組成物は、柔軟
性や復元性の指標となる硬度、永久伸びは良好な値であ
るが、バルーンとシャフトチューブの剥離強度について
は、最小必要程度の値であった。従って、剥離強度を上
げることが望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、柔軟性と復
元性を保ちながら、バルーンとシャフトチューブとの剥
離強度がより向上した尿道カテーテルの提供を課題とし
てなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべく
研究を重ねた結果、SEBSにエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体を配合することにより、柔軟で復元性が
よい上に、剥離強度が著しく向上することを見出し、下
記に記載の本発明(1)〜(9)を完成するに至った。
【0008】(1) メインルーメンとサブルーメンと
を備えるとともに、該メインルーメンに通ずる導尿口を
先端部に備えるシャフトチューブと、該シャフトチュー
ブの先端外周部に設けたサブルーメン開口部を覆って冠
着されるバルーンと、該シャフトチューブの基端部に該
メインルーメンに連通する排尿口と、該サブルーメンに
連通しバルーン膨張用流体を注入あるいは排出しうる流
体注入/排出口とを備える尿道カテーテルにおいて、該
シャフトチューブと該バルーンのどちらか一方が、スチ
レン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体
と、エチレン−プロピレンランダム共重合体とを含む第
一の組成物から形成され、他方が、スチレン−エチレン
−ブチレン−スチレンブロック共重合体と、オレフィン
系樹脂とを含む第二の組成物から形成されていることを
特徴とする尿道カテーテル。
【0009】(2) 前記シャフトチューブと前記バル
ーンとの剥離強度が、1.0Kg/cm以上である
(1)に記載の尿道カテーテル。
【0010】(3) 前記シャフトチューブが、前記第
一の組成物から形成され、該組成物中の前記エチレン−
プロピレンランダム共重合体が10〜20重量%である
(1)または(2)に記載の尿道カテーテル。
【0011】(4) 前記シャフトチューブが、前記第
二の組成物から形成され、該組成物中の前記オレフィン
系樹脂が10〜20重量%である(1)または(2)に
記載の尿道カテーテル。
【0012】(5) 前記バルーンが、前記第一の組成
物から形成され、該組成物中の前記エチレン−プロピレ
ンランダム共重合体が5〜15重量%である(1)、
(2)または(4)に記載の尿道カテーテル。
【0013】(6) 前記バルーンが、前記第二の組成
物から形成され、該組成物中の前記オレフィン系樹脂が
5〜15重量%である(1)から(3)のいずれかに記
載の尿道カテーテル。
【0014】(7) 前記オレフィン系樹脂が、前記エ
チレン−プロピレンランダム共重合体および/またはポ
リプロピレンである(1)から(6)のいずれかに記載
の尿道カテーテル。
【0015】(8) 前記シャフトチューブが前記第一
の組成物から形成され、該組成物中の前記エチレン−プ
ロピレンランダム共重合体が20重量%未満であり、該
組成物がさらにポリエチレンおよび/またはポリプロピ
レンを含み、該エチレン−プロピレンランダム共重合体
と該ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンとの総
量が10〜20重量%である(1)、(2)、(6)ま
たは(7)のいずれかに記載の尿道カテーテル。
【0016】(9) 前記シャフトチューブが、前記第
一の組成物から形成され、前記バルーンが、前記第二の
組成物から形成され、該第二の組成物に含まれている前
記オレフィン系樹脂が、ポリプロピレンである(1)、
(2)、(3)、(6)、(7)または(8)のいずれ
かに記載の尿道カテーテル。
【0017】なお、本発明でいうランダム共重合体と
は、複数の異なるモノマーが高分子鎖中に不規則に配列
している共重合体のことであり、ブロック共重合体と
は、複数の異なる単独高分子を部分構成成分とする直鎖
高分子からなる共重合体のことである。
【0018】図1は、本発明の尿道カテーテルの正面図
である。図2は、本発明の尿道カテーテルの部分断面図
である。図3は、本発明の尿道カテーテルのバルーン部
分を示す部分拡大断面図である。図4は、本発明の尿道
カテーテルのシャフトチューブの図1A−A’線におけ
る断面図である。尿道カテーテル10は、シャフトチュ
ーブ11とバルーン12と基部13より構成されてい
る。シャフトチューブ11はメインルーメン14とサブ
ルーメン15を備えるとともに、メインルーメン14に
通ずる導尿口16を先端部の側部に備える。
【0019】図3に示すようにバルーン12は、シャフ
トチューブ11の先端外周部で、シャフトチューブ11
に設けたサブルーメン15に開口部17のまわりに冠着
されている。また、シャフトチューブ11は、その長手
方向にX線造影ライン21を備えている。
【0020】基部13は、シャフトチューブ11の基端
側に設けられ、メインルーメン14に連通する排尿口1
8を備えるとともに、サブルーメン15に連通しバルー
ン膨張用液体を注入あるいは排出するバルブ19(液体
注入/排出口)を備える。バルブ19は、基部13の末
端部に嵌合され、かしめ部材20により固定される。
【0021】尿道カテーテル10は、蓄尿バッグに通ず
る排尿チューブを排尿口18に接続して用いられ、シャ
フトチューブ11の導尿口16から導いた尿をメインル
ーメン14、排尿口18を経て排出可能とする。なお、
バルーン12は、バルブ19に差し込まれるシリンジか
ら注入される滅菌水等のバルーン膨張用流体をサブルー
メン15にて供給され、膨張せしめられる。
【0022】本発明の尿道カテーテルのシャフトチュー
ブ11およびバルーン12は、どちらか一方がスチレン
−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(S
EBS)とエチレン−プロピレンランダム共重合(ラン
ダムPP)とを含む第一の組成物から形成され、他方が
SEBSとオレフィン系樹脂とを含む第二の組成物から
形成されている。
【0023】シャフトチューブとバルーンとの剥離強度
としては、1.0Kg/cm以上が好ましく、より好ま
しくは1.1Kg/cm以上である。剥離強度が1.0
Kg/cm以上であれば、バルーンの破裂やリークの虞
れがないので好ましい。
【0024】本発明で用いるSEBSは、ポリスチレン
−ポリブタジエン(1,2−結合体と1,4−結合体の
とのブロックコポリマー)−ポリスチレンの構造を持つ
トリブロック型コポリマー(SBS)への水素添加によ
って得られるブロックコポリマーである。両端のポリス
チレン部(S部)の合計がSEBS中の10〜60重量
%を占めるものが好ましく、より好ましくは20〜40
重量%を占めるものがよい。また、エチレンブチレンコ
ポリマー部(EB部)はブチレン部の割合が20〜90
重量%を占めるものが好ましく、さらに好ましくは30
〜80重量%を占めるものがよい。また、SEBSは、
分子量が5000〜1000000のものが好ましく、
さらに好ましくは10000〜8000000のものが
よい。SEBSの配合量は、組成物の20〜60重量%
が好ましく、より好ましくは30〜50重量%である。
【0025】第二の組成物に配合されるオレフィン系樹
脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1等の
α−オレフィンを常法により単独または共重合の形で、
重合せしめ得られる樹脂を用いることができる。例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ランダムPP等の
群から選ばれる少なくとも一種の樹脂が用いることがで
き、好ましくはポリプロピレン、ランダムPPおよびポ
リプロピレンとランダムPPとの併用であり、特にポリ
プロピレンが好ましい。
【0026】さらに、シャフトチューブが、SEBS
と、ランダムPPとを含む第一の組成物から形成され、
バルーンが、SEBSと、ポリプロピレンとを含む第二
の組成物から形成されているとき、剥離強度が特に高く
なるのでより好ましい。
【0027】第一の組成物に配合されるランダムPPお
よび第二の組成物に配合されるオレフィン系樹脂の量
は、シャフトチューブに形成される場合は、それぞれ1
0〜20重量%が好ましく、より好ましくは13〜17
重量%であり、バルーンに形成される場合は、それぞれ
5〜15重量%が好ましく、より好ましくは8〜12重
量%である。シャフトチューブでは、ランダムPPおよ
びオレフィン系樹脂の配合量が10重量%未満である
と、バルーンの剥離強度が0.9Kg/cm以下とな
り、剥離強度が最小必要程度に満たされるが十分満足い
くものではない。また、バルーンでは、ランダムPPお
よびオレフィン系樹脂の配合量が5重量%未満である
と、バルーンの剥離強度が0.9Kg/cm以下とな
り、剥離強度が最小必要程度に満たされるが十分満足い
くものではなく、配合量が15重量%を越えると、バル
ーンが硬くなり好ましくない。
【0028】第一の組成物には、SEBSとランダムP
Pの他にさらに樹脂を配合してもよい。さらに配合する
その他の樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン
−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテ
ン−1等のα−オレフィンを常法により単独または共重
合の形で、重合せしめ得られる樹脂を用いることができ
る。好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンおよびポ
リエチレンとポリプロピレンとの併用であり、より好ま
しくはポリエチレンとポリプロピレンとの併用である。
シャフトチューブを第一の組成物から形成する場合、ラ
ンダムPPの配合量は、組成物の20重量%未満が好ま
しく、3〜17重量%がより好ましく、ランダムPPと
その他の樹脂との総量としては、10〜20重量%が好
ましく、より好ましくは13〜17重量%である。ラン
ダムPPとその他の樹脂との総量が10重量%未満であ
ると、バルーンの剥離強度が0.9Kg/cm以下とな
り、剥離強度が最小必要程度に満たされるが十分満足い
くものではない。
【0029】また、第一の組成物および第二の組成物に
は、SEBSとランダムPPとの他に、可塑化剤を、組
成物の60重量%まで配合することができ、好ましくは
25〜50重量%で、より好ましくは40〜50重量%
である。可塑化剤としては、パラフィン油等が用いるこ
とができる。可塑化剤を、組成物の60重量%より多く
配合すると、SEBSの性質が低下し尿道カテーテルの
材質に適さないので好ましくない。
【0030】さらに、必要に応じシリコーンオイル、オ
レイン酸アミド等の潤滑剤、ジブチルヒドロキシトルエ
ン等の酸化防止剤、タルク等の充填剤などを添加するこ
とができる。
【0031】上記の各組成物は、各配合成分の所定量を
混合装置に入れて撹拌混合し、混合物を押出機などで溶
融混練し、ペレット化することができる。次に押出し成
形等により、このペレットからバルーンおよびシャフト
チューブを製造することができる。本発明の尿道カテー
テルの製造方法は、公知の方法(例えば、特開平2−2
32067号公報など)を用いることができる。
【0032】図5は、本発明におけるシャフトチューブ
11とバルーン23との剥離強度の測定方法を示した図
である。まず、(A)に示すように、尿道カテーテル1
0をB−B’線およびC−C’線において切断する。次
に、(B)に示すように、シャフトチューブ11および
バルーン23の一辺をD−D’線において裁断する。そ
して、(C)に示すように、シャフトチューブおよびバ
ルーンを展開し、シャフトチューブ11の端部25の全
幅とバルーン23の端部24の全幅とを、融着部22が
剥離またはバルーン23が破断するまで、180°方向
に引っ張る。剥離強度(Kg/cm)は、融着部22が
剥離または剥離せずにバルーン23が破断したときの引
張強度(Kg)を、該シャフトチューブ11の外周の長
さ(cm)で除した値である。融着部22が剥離せずに
バルーン23が破断したときは、融着部22の剥離強度
がバルーン23の材質の強度より高いことを現してい
る。
【0033】
【実施例】本発明の尿道カテーテルを部分的に作製し、
剥離強度を調べた。また、硬度、永久伸びを測定するこ
とにより、バルーンあるいはシャフトチューブとしての
材質の適性を調べた。
【0034】[材料と方法] 実施例1〜12、比較例1、2 組成物:実施例1〜12および比較例1、2のシャ
フトチューブとバルーン用チューブの組成物は、表1〜
3に示すCode No.の商標名ラバロン(三菱化学(株))
を用いた。各Code No.のラバロンは、いずれも、SEB
Sおよびパラフィン油を上記の本発明の含量だけ含む
が、表1〜3に示す合成樹脂の含量が異なる。MFR
は、フローテスター(島津製作所(株)、CFT−500
C)を用い、温度190℃、荷重40Kg、ダイの長さ
10mm、内径1mmの条件おける測定値である。
【表1】
【表2】
【表3】 成形:前記のSEBS組成物のペレットを用い、
170〜210℃でシャフトチューブ(直径5.33m
m)およびバルーン用チューブ(長さ70mm、内径
5.3mm、肉厚0.55mm)を押出成形した。ま
た、硬度の測定用に、規定のシートを同じ条件で押出成
形した。
【0035】 剥離強度:前記で得られたシャフト
チューブの先端部に、バルーン用チューブの先端5mm
を、特開平3−280968号公報に記載の方法で冠状
に熱融着した。次に、これらについて(実施例1〜12
は各20個、比較例1、2は各10個)、図5(B)に
示すようにシャフトチューブ11およびバルーン用チュ
ーブ24の一辺をD−D’線において裁断し、(C)に
示すように、展開後、バルーン用チューブ23の端部2
4とシャフトチューブ11の端部25とをチャックし、
引張スピード50mm/minの速度で剥離または破断
するまで引っ張った。引張強度は、引張試験機(商品
名:オートグラフ、島津製作所、型番:AGS−100
A)を用いて測定した。そして、融着部22が剥離また
はバルーン用チューブ23が破断したときの引張強度
(Kg)を、シャフトチューブ11の外周の長さ(c
m)で除した値を、剥離強度(Kg/cm)とした。ま
た、剥離状態を次の3段階の尺度で評価した。A:融着
面が剥離せずにバルーン用チューブが破断、B:融着面
が半分ほど剥離してバルーン用チューブが破断、C:融
着面が全て剥離。
【0036】 硬度:JIS規格K6301「加硫ゴ
ムの硬さ試験法」に準じて、ゴム硬度JIS−Aを測定
した。
【0037】 永久伸び:シャフトチューブを300
%伸張させ、10分間保持後、伸張を解除し、60分後
に全長を測定した。永久伸び(%)は、伸張を解除後の
長さから元の長さを引いた値を、元の長さで除し、10
0を掛けた値である。
【0038】[測定結果] シャフトチューブ、バルーン用チューブおよびシー
トの成形と融着は、実施例1〜12および比較例1、2
いずれも全て順調で、異物、発泡などは観察されず、均
一性に富むものが得られた。
【0039】 表1に示すごとく、ランダムPPを配
合したシャフトチューブ(実施例1〜5)は、ポリプロ
ピレンを配合したバルーン用チューブとの剥離強度が
1.0Kg/cm以上と高く、融着面が剥離することが
なく良好だった。一方、ポリプロピレンあるいはブロッ
クPPを配合したシャフトチューブ(比較例1、2)
は、剥離強度が0.9Kg/cm以下と低く、融着面が
半分ほどあるいは全て剥離してしまった。
【0040】 表2に示すごとく、ランダムPPを配
合したバルーン用チューブは、ポリプロピレンまたはラ
ンダムPP等を配合したシャフトチューブ(実施例6〜
9)との剥離強度が1.0Kg/cm以上と高く、融着
面が剥離することがなく良好だった。
【0041】 表3に示すごとく、ランダムPP等を
配合したシャフトチューブは、ポリプロピレンを5〜1
0重量%配合したバルーン用チューブ(実施例10〜1
2)との剥離強度が1.0Kg/cm以上と高く、融着
面が剥離することがなく良好だった。
【0042】 硬度、永久伸びについては、実施例1
〜4、8(実施例8は4と同じ材質)および比較例1、
2いずれも、尿道カテーテルに適した値であることが確
認された(表1参照)。実施例5〜7、9〜11(実施
例12は4と同じ材質)については、実施例1〜4の組
成と類似しており、これらの測定値から同程度の値であ
ると推測できるので、測定しなかった。
【0043】[結論]本発明の尿道カテーテルは、バル
ーンとシャフトチューブのどちらか一方がSEBSとラ
ンダムPPを含む組成物から形成され、他方がSEBS
とオレフィン系樹脂とを含む組成物から形成されている
とき、剥離強度が1.0Kg/cm以上と高く、融着面
が剥離することがないため、バルーンの破裂やリークの
虞れがない、またこれらの硬度および永久伸びは、尿道
カテーテルに適した値であり、柔軟で復元性がよいこと
が明らかになった。
【0044】
【発明の効果】本発明の尿道用カテーテルは、シャフト
チューブとバルーンのどちらか一方が、スチレン−エチ
レン−ブチレン−スチレンブロック共重合体と、エチレ
ン−プロピレンランダム共重合体とを含む第一の組成物
から形成され、他方が、スチレン−エチレン−ブチレン
−スチレンブロック共重合体と、オレフィン系樹脂とを
含む第二の組成物から形成されているため、柔軟性およ
び復元性がよく尿道カテーテルの材質として適してい
る。また、バルーンとシャフトチューブとの剥離強度が
高く、融着面が剥離することがないため、バルーンの破
裂やリークの虞れがない。
【0045】特に、前記シャフトチューブと前記バルー
ンとの剥離強度が、1.0Kg/cm以上であるとき、
融着面が剥離することがないため、バルーンの破裂やリ
ークの虞れがない。
【0046】前記シャフトチューブが、前記第一の組成
物から形成され、該組成物中の前記エチレン−プロピレ
ンランダム共重合体が10〜20重量%であるとき、剥
離強度がより高く、バルーンの破裂やリークの虞れがな
い。
【0047】前記シャフトチューブが、前記第二の組成
物から形成され、該組成物中の前記オレフィン系樹脂が
10〜20重量%であるとき、剥離強度がより高く、バ
ルーンの破裂やリークの虞れがない。
【0048】前記バルーンが、前記第一の組成物から形
成され、該組成物中の前記エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体が5〜15重量%であるとき、剥離強度がよ
り高く、バルーンの破裂やリークの虞れがない。
【0049】前記バルーンが、前記第二の組成物から形
成され、該組成物中の前記オレフィン系樹脂が5〜15
重量%であるとき、剥離強度がより高く、バルーンの破
裂やリークの虞れがない。
【0050】前記オレフィン系樹脂が、エチレン−プロ
ピレンランダム共重合体および/またはポリプロピレン
であるとき、剥離強度が特に高く、バルーンの破裂やリ
ークの虞れがない。
【0051】前記シャフトチューブが前記第一の組成物
から形成され、該組成物中の前記エチレン−プロピレン
ランダム共重合体が20重量%未満であり、該組成物が
さらにポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含
み、該エチレン−プロピレンランダム共重合体と該ポリ
エチレンおよび/またはポリプロピレンとの総量が10
〜20重量%であるとき、剥離強度がより高く、バルー
ンの破裂やリークの虞れがない。
【0052】前記シャフトチューブが、前記第一の組成
物から形成され、前記バルーンが、前記第二の組成物か
ら形成され、該第二の組成物に含まれている前記オレフ
ィン系樹脂が、ポリプロピレンであるとき、剥離強度が
特に高く、バルーンの破裂やリークの虞れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の尿道カテーテルの正面図であ
る。
【図2】図2は、本発明の尿道カテーテルの部分断面図
である。
【図3】図3は、本発明の尿道カテーテルのバルーン部
分を示す部分拡大断面図である。
【図4】図4は、本発明の尿道カテーテルのシャフトチ
ューブの図1A−A’線における断面図である。
【図5】図5は、尿道カテーテルのバルーン(バルーン
用チューブ)とシャフトチューブとの剥離強度の測定方
法を示した図である。
【符号の簡単な説明】
10 尿道カテーテル 11 シャフトチューブ 12 バルーン 13 基部 14 メインルーメン 15 サブルーメン 16 導尿口 17 開口部 18 排尿口 19 バルブ 20 かしめ部材 21 X線造影ライン 22 融着部 23 バルーン(バルーン用チューブ) 24 バルーン(バルーン用チューブ)の端部 25 シャフトチューブの端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−168461(JP,A) 特開 昭58−93749(JP,A) 特開 昭54−130656(JP,A) 特開 昭53−69488(JP,A) 特開 平5−184664(JP,A) 特開 平6−335530(JP,A) 特開 平3−280970(JP,A) 特開 平3−280968(JP,A) 特開 平2−232067(JP,A) 特開 平6−197978(JP,A) 特開 平7−112029(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 29/00 A61M 1/00 A61M 25/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メインルーメンとサブルーメンとを備え
    るとともに、該メインルーメンに通ずる導尿口を先端部
    に備えるシャフトチューブと、該シャフトチューブの先
    端外周部に設けたサブルーメン開口部を覆って冠着され
    るバルーンと、該シャフトチューブの基端部に該メイン
    ルーメンに連通する排尿口と、該サブルーメンに連通し
    バルーン膨張用流体を注入あるいは排出しうる流体注入
    /排出口とを備える尿道カテーテルにおいて、該シャフ
    トチューブと該バルーンのどちらか一方が、スチレン−
    エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体と、エ
    チレン−プロピレンランダム共重合体とを含む第一の組
    成物から形成され、他方が、スチレン−エチレン−ブチ
    レン−スチレンブロック共重合体と、オレフィン系樹脂
    とを含む第二の組成物から形成されていることを特徴と
    する尿道カテーテル。
  2. 【請求項2】 前記シャフトチューブと前記バルーンと
    の剥離強度が、1.0Kg/cm以上であることを特徴
    とする請求項1に記載の尿道カテーテル。
  3. 【請求項3】 前記シャフトチューブが、前記第一の組
    成物から形成され、該組成物中の前記エチレン−プロピ
    レンランダム共重合体が10〜20重量%であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の尿道カテーテル。
  4. 【請求項4】 前記シャフトチューブが、前記第二の組
    成物から形成され、該組成物中の前記オレフィン系樹脂
    が10〜20重量%であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の尿道カテーテル。
  5. 【請求項5】 前記バルーンが、前記第一の組成物から
    形成され、該組成物中の前記エチレン−プロピレンラン
    ダム共重合体が5〜15重量%であることを特徴とする
    請求項1、2または4のいずれかに記載の尿道カテーテ
    ル。
  6. 【請求項6】 前記バルーンが、前記第二の組成物から
    形成され、該組成物中の前記オレフィン系樹脂が5〜1
    5重量%であることを特徴とする請求項1から3のいず
    れかに記載の尿道カテーテル。
  7. 【請求項7】 前記オレフィン系樹脂が、前記エチレン
    −プロピレンランダム共重合体および/またはポリプロ
    ピレンであることを特徴とする請求項1から6のいずれ
    かに記載の尿道カテーテル。
  8. 【請求項8】 前記シャフトチューブが前記第一の組成
    物から形成され、該組成物中の前記エチレン−プロピレ
    ンランダム共重合体が20重量%未満であり、該組成物
    がさらにポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを
    含み、該エチレン−プロピレンランダム共重合体と該ポ
    リエチレンおよび/またはポリプロピレンとの総量が1
    0〜20重量%であることを特徴とする請求項1、2、
    6または7のいずれかに記載の尿道カテーテル。
  9. 【請求項9】 前記シャフトチューブが、前記第一の組
    成物から形成され、前記バルーンが、前記第二の組成物
    から形成され、該第二の組成物に含まれている前記オレ
    フィン系樹脂が、ポリプロピレンであることを特徴とす
    る請求項1、2、3、6、7または8のいずれかに記載
    の尿道カテーテル。
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