JP2766180B2 - ベローズの固定構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ベローズの固定構造で
あって、該ベローズが接続スリーブを有しており、該接
続スリーブを用いて前記ベローズが機械部分に固定可能
であり、前記ベローズがポリマー材料から成っていて襞
を有しており、該襞が、少なくとも１つの部分領域にお
いてねじ条状に構成されている形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】このような形式のベローズは、ドイツ連
邦共和国実用新案登録第８２００９３７号明細書に基づ
き公知である。このベローズはエラストマーから成って
いて、ねじ条状に構成されたほぼ同じ形の襞を有してい
る。これらの襞は、軸線方向に隣接した２つの区分に分
割され、これらの区分は相対的に互いに逆向きのピッチ
を有している。

【０００３】もっともこの場合留意すべきなのは、接続
スリーブが、機械部分に設けられたホースクリップに固
定されなければならないことである。このことは、組付
け技術面で見て満足とは言えない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冒頭
で述べた形式のベローズを改良して、機械部分にベロー
ズが簡単に固定可能にすることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、接続スリーブが周方向に分配され
た少なくとも２つの保持エレメントを備えていて、該保
持エレメントが表面から外向きおよび／または内向きに
突出しており、前記保持エレメントが、機械部分に設け
られた、アンダカット部を有する係止エレメントとバヨ
ネット状に係合可能であるようにした。

【０００６】

【発明の効果】このようなベローズのねじ条状の構成に
より、このベローズをねじ条の向きに回動させると、こ
のベローズを軸線方向に短縮することができる。このよ
うな短縮は、機械部分に簡単にベローズを固定するため
に役立つ。ベローズの外端部ならびに機械部分におい
て、保持エレメントと係止エレメントとがバヨネット状
に互いに係合する。

【０００７】ベローズを回動させることにより、構成部
分の軸線方向の短縮が可能となる。相対的に短縮された
状態で、保持エレメントは係止エレメントと係合する。
このベローズを緩めることにより、短縮部分が元の状態
に戻り、保持エレメントが係止エレメント内部に自動的
に固定される。これらの係止エレメントはアンダカット
部を有している。規定通りの使用時に接続領域が相対的
に軸線方向変位させられると、係止装置がベローズのね
じ条状部分の構成に関連して、閉鎖方向に緊定されるか
または開放方向に動かされる。軸線方向変位時における
係止装置の開放運動は、例えば、スナップ結合装置のよ
うな二次的な補助手段によって予防される。このような
ベローズにより、手間のかかる結合技術なしに確実な結
合が達成される。

【０００８】吸込み空気を空気フイルタに、空気をフイ
ルタから圧縮機に、さらに圧縮機から冷却器に、および
／または冷却器から消費装置に案内するために、ベロー
ズは例えば通気装置として使用することができる。ベロ
ーズのゴム弾性的な特性は、ほぼ任意に配置された各ユ
ニットを互いに結合することを可能にする。

【０００９】本発明の有利な構成が請求項２以下に記載
されている。

【００１０】保持エレメントは例えば、半径方向に延び
る突起によって形成されてよい。１実施態様によれば、
これらの保持エレメントは半径方向内向きに延びてい
る。この場合の利点は、ベローズが接続スリーブの領域
に、ベローズのストック時に妨げとなりかねないような
不都合な突起を有していないことである。さらに、組付
け後にベローズに結合される機械部分の接続領域が、外
部から加工される。係止エレメントは、例えば機械部分
の外周面にフライス加工することにより形成することが
できる。このことは製造技術面および経済面で見て有利
である。

【００１１】別の実施態様によれば、保持エレメントは
接続スリーブから半径方向外向きに突出していてよい。
この場合の利点は、ほぼ等しい寸法のベローズで比較し
た場合、半径方向内向きに突出した保持エレメントより
も大きな通流開口が得られることである。管状の機械部
分は、内周面の領域に係止エレメントを有しており、こ
れらの係止エレメントが、前記保持エレメントと係合可
能である。保持エレメントが相対的に回動することによ
り、これらの保持エレメントは、機械部分のアンダカッ
ト部と係合する。

【００１２】本発明のさらに別の有利な構成によれば、
周面に均一に分配された３つの保持エレメントが設けら
れていてよい。これにより、接続スリーブの領域におけ
る傾動を最小限にすることができる。さらに、３つより
少ない、つまり２つ以下の係止エレメントと比べて、ベ
ローズ全体と同様にポリマー材料から成る保持エレメン
トが受ける機械的な負荷が減じられる。

【００１３】ねじ条状の襞は、１〜１０条のねじの形、
有利には２〜４条のねじの形で構成されていてよい。ね
じ条状の襞のこのような多条の構成により、ベローズが
ねじれた場合に軸線方向の大きな従動性が得られる。２
〜４条のねじの形の構成は、ベローズの軸線方向の寸法
が小さい場合に使用すると有利である。

【００１４】軸線方向において、ベローズは両側でそれ
ぞれの接続スリーブによって仕切られていてよい。ベロ
ーズの接続スリーブと結合されることになっている機械
部分の構成に関連して、ねじ条状の襞のピッチは、ベロ
ーズがまず軸線方向に短縮されて、保持エレメントが係
止エレメントと係合係止するのに続いて、ベローズが元
の長さに再び戻ると、ベローズと機械部分との自動的な
結合が生ぜしめられるように構成されている。例えばね
じ条状の襞のピッチは、例えば両接続スリーブの領域で
同じ向きに構成されるか、または逆向きに構成されてよ
い。

【００１５】ねじ条状の襞は、接続スリーブから離反し
た方の側で、中空円筒状の導管に移行し合うように該導
管に一体に結合されていてよく、この導管は、軸線方向
長さの少なくとも１つの部分領域で、互いに平行に延び
る同心的な襞を備えた中間ベローズによって形成されて
いる。この場合の利点は、導管が全体的にただ一体のも
のとして構成されていることである。これにより、製造
時および組付け時の手間が著しく減じられる。互いに平
行に延びる同心的な襞を備えた中間ベローズによって、
ベローズの軸線方向の仕切り部を形成する両接続スリー
ブは、機能技術的に互いに連結解除すること、つまり作
用減結合することができる。この中間ベローズは軸線方
向および半径方向の良好な運動可能性を有している。ね
じり負荷に抗して、このような中間ベローズの領域は極
めて大きな抵抗を生ぜしめる。

【００１６】この導管は中間ベローズの外側に位置する
両方の領域、つまり互いに平行に延びる襞とねじ条状の
襞との間に形成された領域で、形状安定性を有する空気
用ガイドとして構成されてよい。この空気用ガイドを含
めたべローズ全体は、ポリマー材料から成っており、硬
質および軟質のセグメントが軸線方向に互いに上下に連
続することができるので、比較的軟質のベローズと比較
的硬質の接続管とを１つの構成部分として製造すること
ができる。ベローズの個々の部分領域を結合するホース
クリップはこれにより不要となる。

【００１７】

【実施例】本発明によるベローズの２つの実施例を図面
につき詳しく説明する。

【００１８】図１および図４には、本発明によるベロー
ズ３の第１および第２の実施例がそれぞれ示されてい
る。このベローズは軸線方向両側で両接続スリーブ１．
１，１．２によって仕切られている。ベローズ３全体
は、互いに移行し合うように一体に構成されており、ポ
リマー材料、例えばゴムから成っている。本発明の第１
および第２の実施例では、ベローズ３の襞４は、軸線方
向で両接続スリーブ１．１，１．２に隣接して、それぞ
れの部分領域内でねじ条状に構成されている。これによ
りねじり負荷を受けた場合に軸線方向の長さ変化が得ら
れる。

【００１９】図１においては、両接続スリーブ１．１，
１．２は、周方向に均一に分配された突起状の３つの保
持エレメント６を備えている。これらの保持エレメント
は半径方向で、ベローズ３の通流横断面の方向に突出し
ている。軸線方向において、接続スリーブ１．１，１．
２に続いて、まずそれぞれ形状安定性を有する導管９が
設けられており、続いてねじ条状に構成された襞４が設
けられている。これらの襞に続いて、再び形状安定性を
有する導管９と、これに続いて襞１１を備えた中間ベロ
ーズ１０とが設けられている。中間ベローズの襞は同心
的に配置されて、かつ互いに平行に延びている。

【００２０】図２には図１のＡ−Ａ線に沿ったベローズ
の横断面が示されている。周方向に均一に分配された３
つの保持エレメント６が表面５から内向きに突出してい
る。

【００２１】図３には、図１のＢ−Ｂ線に沿って断面し
た機械部分の端面が示されている。係止エレメント７は
溝状の切欠きによって形成されており、これらの切欠き
は半径方向に開いている。ベローズ３を機械部分２に結
合するためには、まずベローズ３が、接続スリーブ１．
１，１．２が各機械部分２に軸線方向で見て隣接して対
置するまで圧縮される。次いで、ベローズ３の保持エレ
メント６が、機械部分２の係止エレメント７内に導入さ
れる。続いてベローズ３が相対的に軸線方向に伸張させ
られることにより、保持エレメント６は周方向にプレロ
ードもしくは予荷重をかけられて係止エレメント７の仕
切り壁と係合する。これらの保持エレメント６はアンダ
カット部８に自動的に突入して係合する。第１および第
２の実施例においては、ベローズ３に対して引張り負荷
がかけられることにより、バヨネット状の係止装置は閉
鎖方向に緊定され、これにより不慮の解離が起こり得な
くなる。最大限許容される大きさでベローズが軸線方向
に短縮された時にも、保持エレメントと係止エレメント
とが互いになおも係合関係を保つように、ベローズの寸
法が設定されかつベローズの相対回動の大きさが規定さ
れることによって、受圧時つまり圧縮負荷を受けたとき
の結合解離が回避される。さらに別の固定装置を必要に
応じて設けることができる。この固定装置は、例えば機
械的に操作可能な固定装置によって、アンダカット部の
領域に形成することができる。

【００２２】図１に示した実施例とは別に、図４に第２
の実施例が示されている。この第２の実施例では、ベロ
ーズ３の外形寸法が第１実施例のベローズとほぼ等しい
場合、ベローズの通流横断面は著しく増大される。この
ことは、保持エレメント６が表面５から半径方向外向き
に突出していることにより達成される。この実施例にお
いても、周方向に均一に分配された３つの保持エレメン
ト６が設けられており、これらの保持エレメントが、対
応して構成された、機械部分２の係止エレメント７とこ
れに続いて設けられたアンダカット部８とに収容され
る。

【００２３】図５には、図４のＣ−Ｃ線に沿ったベロー
ズ３の横断面図が示されている。

【００２４】図６には、図４のＤ−Ｄ線に沿った機械部
分２の端面が示されている。図６から判るように、通流
横断面が相対的に増大することにより、接続スリーブの
領域の外形寸法と、軸線方向に隣接する機械部分２の領
域の外形寸法も増大する。

【００２５】ベローズ３と機械部分２との結合は、前に
述べた通りである。

【図面の簡単な説明】

【図１】接続スリーブに設けられた保持エレメントが半
径方向内向きに突出した、本発明の第１実施例を示した
概略図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿って断面したベローズの横
断面図である。

【図３】ベローズが係合可能な機械部分の端面を示した
概略図である。

【図４】接続スリーブに設けられた保持エレメントが半
径方向外向きに突出した、本発明の第２実施例を示した
概略図である。

【図５】図４のＣ−Ｃ線に沿って断面したベローズの横
断面図である。

【図６】ベローズが係合可能な機械部分の端面を示した
概略図である。

【符号の説明】

１．１，１．２ 接続スリーブ、 ２ 機械部分、 ３
ベローズ、 ４ 襞、 ５ 表面、 ６ 保持エレメ
ント、 ７ 係止エレメント、 ８ アンダカット部、
９ 導管、 １０ 中間ベローズ、 １１ 襞

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベローズの固定構造であって、該ベロー
   ズが接続スリーブを有しており、該接続スリーブを用い
   て前記ベローズが機械部分に固定可能であり、前記ベロ
   ーズがポリマー材料から成っていて襞を有しており、該
   襞が、少なくとも１つの部分領域においてねじ条状に構
   成されている形式のものにおいて、 前記接続スリーブ（１）が周方向に分配された少なくと
   も２つの保持エレメント（６）を備えていて、該保持エ
   レメント（６）が表面（５）から外向きおよび／または
   内向きに突出しており、前記保持エレメント（６）が、
   前記機械部分（２）に設けられた、アンダカット部
   （８）を有する係止エレメント（７）とバヨネット状に
   係合可能であることを特徴とする、ベローズの固定構
   造。
2. 【請求項２】 前記保持エレメント（６）が突起によっ
   て形成されている、請求項１記載のベローズの固定構
   造。
3. 【請求項３】 周方向に均一に分配された３つの前記保
   持エレメント（６）が設けられている、請求項１または
   ２記載のベローズの固定構造。
4. 【請求項４】 前記ねじ条状の襞（４）が１〜１０条の
   ねじの形で形成されている、請求項１から３までのいず
   れか１項記載のベローズの固定構造。
5. 【請求項５】 前記襞（４）が２〜４条のねじの形で形
   成されている、請求項４記載のベローズの固定構造。
6. 【請求項６】 軸線方向において両側にそれぞれ前記接
   続スリーブ（１．１，１．２）が設けられている、請求
   項１から５までのいずれか１項記載のベローズの固定構
   造。
7. 【請求項７】 前記ねじ条状の襞（４）が、前記接続ス
   リーブ（１．１，１．２）から離反した方の側で、中空
   円筒状の導管（９）に移行し合うように該導管に一体に
   結合されており、該導管（９）が、軸線方向長さの少な
   くとも１つの部分領域において、互いに平行に延びる同
   心的な襞（１１）を備えた中間ベローズ（１０）によっ
   て形成されている、請求項１から６までのいずれか１項
   記載のベローズの固定構造。
8. 【請求項８】 前記導管（９）が、前記中間ベローズ
   （１０）の外側に位置する両方の領域で、形状安定性を
   有する空気用ガイドとして構成されている、請求項７記
   載のベローズの固定構造。