JP2761651B2 - 洗車機における車体上面乾燥装置 - Google Patents

洗車機における車体上面乾燥装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、洗車機本体もしくは自動車の走行に伴い
自動車の洗浄および乾燥を行なうタイプの洗車機に関
し、特に乾燥用ブロワノズルを車体上面の形状に倣って
車体に非接触で昇降させ、車体上面に空気を吹き付けて
乾燥をはかる車体上面乾燥装置に関する。
[従来技術] 従来、この種の装置として、例えば特開平1−103561
号公報に見られるように、ブロワノズルと一体的に複数
の光電スイッチを取り付け、光電スイッチで車体面を検
出してブロワノズルを車体面に非接触で作用させる装置
が知られている。
こうした装置では、ブロワノズルの作用方向前側の光
電スイッチで車体を検出するとブロワノズルを上昇さ
せ、同後側の光電スイッチで車体を検出するとブロワノ
ズルを保持させ、双方の光電スイッチが非検出であれば
ブロワノズルを下降させるように動作する。
[発明が解決しようとする課題] しかし、ワゴン車のように急傾斜した車体面を有して
ブロワノズルと正対するような自動車においては、ブロ
ワノズルの上昇がその傾斜面に追随できずに車体に接触
させてしまう危険があり、完全な非接触による動作を確
保するには、ブロワノズルがいかなる車体面にも追随で
きるよう、かなり低速で作業しなければならない不都合
がある。特に、洗車需要の増加に伴い洗車の高速化が望
まれる今日にあって、前記のような特殊形状の自動車に
対する安全かつ有効な対策が必要となってきている。
従って、この発明の課題とするところは、特殊な形状
を有する自動車であっても、ブロワノズルを常に車体面
と非接触で作用させて安全に作業でき、しかも通常の自
動車に対してはできるだけ迅速に作業できる装置が得ら
れないかという点にある。
[課題を解決するための手段] この発明は、洗車機本体もしくは自動車の走行に伴い
自動車の洗浄および乾燥を行なうタイプの洗車機であっ
て、車体上面に空気を吹き付ける乾燥用のブロワノズル
と、該ブロワノズルを昇降させる手段と、前記ブロワノ
ズルと一体的に昇降し車体検出を行う手段と、該車体検
出手段からの信号に基づいて前記昇降手段を操作して、
前記ブロワノズルを車体面に非接触で作用させるよう制
御する手段とを備えた車体上面乾燥装置において、前記
車体検出手段は、ブロワノズルの吹出口の作用方向の前
側に検出位置を設定された第1の検出手段と、該第1の
検出手段より前記作用方向に対して後側に検出位置を設
定された第2の検出手段との、少なくとも二つの検出手
段から成り、また前記第1の検出手段による検出状態の
継続期間をカウントする手段を備え、前記制御手段は、
第1の検出手段で車体検出したときにはブロワノズルを
上昇させ、第2の検出手段で車体検出したときにはブロ
ワノズルを保持させ、第1および第2の検出手段が非検
出のときにはブロワノズルを下降させるように制御する
と共に、前記カウント手段における第1の検出手段によ
る検出状態の継続期間が所定以上になると、所定の間だ
け前記洗車機本体もしくは自動車の走行速度を減速する
よう制御して、ブロワノズルの上昇に伴い所定以内に車
体検出が解除されない場合は、接触の危険のある急傾斜
面であると判断して作業速度を遅くし、安全をはかれる
装置を提供しようとするものである。
また、上記のようにブロワノズルの上昇動作が所定以
上継続されると、前記洗車機本体もしくは自動車の走行
を停止し、車体検出手段が非検出に転じてから走行を再
開するよう制御して安全をはかっても良い。
尚、下記実施例において、第1の検出手段は光電スイ
ッチ16a・16bに、第2の検出手段は光電スイッチ17a・1
7bに、またカウント手段はマイマTUにそれぞれ相当す
る。
[実施例] 以下、その実施例を図面を基に説明する。
第1図は本考案一実施例の正面図で、いわゆる門型洗
車機を示している。洗車機本体1は、レール2・2上を
往復走行し、レール2・2間に停車された自動車を跨ぐ
ようにして移動する。洗車機本体1内には、洗浄ブラシ
3・3・3、ブロワ4・4、ブロワノズル5・6・6を
はじめ洗浄水噴射ノズル(図示しない)等を設けてお
り、洗車機本体1の走行に伴い、洗浄水噴射を伴うブラ
ッシングによる洗浄と、ブロワ作動によりブロワノズル
から空気吹き付けを行なう乾燥とを順次行なう。このう
ち乾燥作業は、最終工程として常時洗車機本体1の復行
に伴って実行され、本体1は復行しつつ乾燥を行い、洗
車開始時の待機位置に復帰して洗車を終了する。7は走
行用モータで、車輪8を駆動し洗車機本体1を前後に走
行させる。
前記ブロワノズルのうちブロワノズル5は、車体上面
の形状に倣って昇降するよう構成されており、以下その
構成について第2図および第3図を用いて説明する。
ブロワノズル5は両側方にアーム9・9を延出しその
端部にキャリア10・10を設けており、このキャリア10・
10において洗車機本体1前方両側に形成されたレール11
・11と係合し、ブロワノズル5の昇降動作をガイドして
いる。また、ブロワノズル5は、そのキャリア10・10に
おいてチェーン12・12により洗車機本体1天部より吊り
下げられ、このチェーン12・12とスプロケット13を介し
て連動するエアシリンダ14の作動により昇降操作され
る。15・15・15はチェーン12のガイド用スプロケットで
ある。
16a・16bおよび17a・17bはそれぞれ対を成して動作す
る光電スイッチで、いずれも前記キャリア10・10に固定
され、常時発光器16a・17aから出力される光信号X・Y
をそれぞれ受光器16b・17bで受信し、光信号X・Yが遮
られると検出信号を出力する。すなわち、光信号X・Y
が自動車車体に遮られたか否かで、ブロワノズル5と車
体との相対位置を検出する。
光電スイッチ16a・16bは、ブロワノズル5の吹出口5a
の下方で、同吹出口5aより洗車器本体1内方、すなわ
ち、本体1が復行して乾燥工程を行う際にはブロワノズ
ル5の作用方向の前側に位置している。光電スイッチ17
a・17bは、光電スイッチ16a・16bより更に下方にあり、
前記吹出口5aより本体1外方、すなわち、乾燥工程の際
にはブロワノズル5の作用方向の後側に位置している。
第4図は前記エアシリンダ14を中心とする実施例の制
御系を示す説明図である。エアシリンダ14は二つのポー
ト20・21を備えた複動式エアシリンダから成り、第1の
ポート20へ給気を受けてピストンロッド22を引き込みブ
ロワノズル5を上昇させるよう附勢し、第2のポート21
へ給器を受けてピストンロッド22を押し出しブロワノズ
ル5を下降させるよう附勢する。24は第1のポート20に
対し給気と大気開放とを切り換えて行なう三方電磁弁、
25は同じく第2のポート21に対し給気と大気開放とを切
り換えて行なう三方電磁弁で、通常は弁24を給気側、弁
25を大気開放側にセットして、ブロワノズル5を上方待
機位置に保持させている。
26は第1のポート20への給気圧を所定値P1に設定する
第1の調圧器、27は第2のポート21への給気圧を所定値
P2に設定する第2の調圧器である。これら調圧器26・27
で設定される給気圧P1・P2は次のような関係にある。
P1>PU>P1−P2>PD ここで、PUはエアシリンダ14の第2のポート21を開放
した状態で第1のポート20への給気圧を徐々に上げたと
き、ブロワノズル5が上昇を始める最小気圧を示し、PD
は同じく第2のポート21を開放し第1のポート20内の空
圧を徐々に下げたとき、ブロワノズル5が下降を始める
最大気圧を示している。すなわち、第1のポートへ与え
られる給気が4Kg/cm2のときブロワノズルが上昇を始
め、2Kg/cm2まで下げたとき下降を始めたとすれば、P1
は4Kg/cm2より大きく、またP2はP1との差が2Kg/cm2より
大きく4Kg/cm2より小さい範囲内になるようにそれぞれ
設定すれば良い。
これにより、三方電磁弁24のみを給気側とすればブロ
ワノズル5が上昇し、双方の電磁弁24・25を給気側にす
ればブロワノズルの昇降を停止保持し、双方の電磁弁24
・25を待機開放側にすればブロワノズルの自重で下降さ
せることができる。
30は制御部で、インバータ31を介して前記走行用モー
タ7を駆動し、本体1の走行を可変制御すると共に、前
記光電スイッチの受光器16b・17bからの検出信号に応じ
て前記三方電磁弁24・25を動作させ、エアシリンダ14を
介してブロワノズル5を昇降操作する。この制御部30は
マイクロコンピュータを備え、洗車機1の乾燥工程時に
は第5図に示す動作を与える。
洗車が実行され前記ブラシ3・3・3による洗浄工程
に引き続き洗車機本体1が復行し乾燥工程に入ると、ま
ず前記三方電磁弁24・25の双方を大気開放側に切り換え
てブロワノズル5を下降させる(1)。
下降に伴い、作用方向前側に位置する光電スイッチ16
a・16bの光信号Xが自動車に遮られ受光器16bでこれを
検出すると(2)、三方電磁弁24を給気側に、三方電磁
弁25を大気開放側にそれぞれ切り換えてブロワノズル5
を上昇させると共に、タイマTUをセットしてこの上昇動
作する時間をカウントする(3)。これに伴い、受光器
16bの検出状態が解かれると(4)、三方電磁弁24・25
の双方を給気側に切り換えてブロワノズル5を一定位置
に保持すると共に、タイマTHをセットしてこの保持動作
開始からの時間をカウントする(5)。
また、ステップ(4)で受光器16bの検出状態が解か
れないままタイマ時間TU(例えば1秒)が経過すると
(6)、前記インバータ31の出力周波数を下げてモータ
7を減速し、本体1を一定時間(例えば40〜60cm走行す
る時間)だけ低速走行させる(7)。
ステップ(5)における保持動作が、光電スイッチ16
・17の双方とも検出状態に転ずることなくタイマ時間TH
だけ継続されると(12)、ステップ(1)を実行してブ
ロワノズル5を下降させる。尚、このタイマ時間THは、
光電スイッチ16から光電スイッチ17までの距離L(第3
図参照)を洗車機本体1が走行するに要する時間T1に対
し、TH>T1なる関係にある。
一方ステップ(1)の下降に伴い、光電スイッチ17a
・17bの光信号Yが自動車に遮られ、これを受光器17bで
検出すると(8)、三方電磁弁24・25の双方を給気側に
切り換えてブロワノズル5の下降を停止し一定位置に保
持する(9)。この後、光電スイッチ17a・17bの検出状
態が解かれると(10)、再び前記ステップ(1)を実行
して、ブロワノズル5が下降される。
こうして乾燥動作が行なわれ、洗車機1が洗車開始時
の位置に戻って動作終了を検知すると(11)、三方電磁
弁24を給気側に三方電磁弁25を開放側にそれぞれ切り換
えてブロワノズル5を上昇させ(13)、一連の動作を終
える。
こうした制御動作に伴うブロワノズル5の動作を示し
たのが第6図で、ブロワノズル5は上昇/保持/下降と
いう三段階の動作が与えられ、自動車Aに接触すること
なくその上面形状をなぞって上下し、車体面を効果的に
乾燥させることができる。
自動車Aのように、リヤ・ウインドウ等のブロワノズ
ル5作用方向に対向する面が比較的急傾斜している場合
は、光電スイッチ16a・16bでこの面を検出しブロワノズ
ル5を素早く上昇に転じると共に、この上昇動作が一定
時間TU(例えば1秒)以上継続されると、ブロワノズル
が急傾斜面に十分追随できるような低速で一定期間走行
させ、ブロワノズル5の車体への接触を防止する。
また、ブロワノズル5の上昇に伴い光電スイッチ16a
・16bが非検出状態となっても、一定時間THの間だけブ
ロワノズル5は下降することなく一定位置に保持され、
ブロワノズル5の昇降を必要最小限としている。
一方、フロント・ウインドウ等の逆方向に傾斜した面
では、光電スイッチ17a・17bでこの面を検出しブロワノ
ズル5を一定高さに保持し、ブロワノズル5を車体面に
接触させないように動作する。また、ボンネットやルー
フ等の比較的平たんな面では、まず光電スイッチ17a・1
7bでこの面を検出しブロワノズル5を一定高さに保持
し、ブロワノズル5が更に車体面に接近すると光電スイ
ッチ16a・16bで検出してブロワノズル5を上昇させ、ブ
ロワノズル5を常に車体面近くの所定範囲内で作用させ
るよう動作する。
尚、上記実施例では、第5図ステップ(7)で予め定
めた時間だけ低速走行するようプログラムされている
が、低速走行の時間を定めずにステップ(4)で光電ス
イッチ16bの検出状態が解除された時点で通常の走行に
復帰させるよう制御しても良い。
第7図は上記以外の動作例を示すフローチャート図
で、第5図との相異点は、ステップ(6)でブロワノズ
ルの上昇が一定以上継続されたのを検出すると、本体1
の走行を停止し、ステップ(4)で非検出になってから
本体1の走行を再開する(ステップ(8))点にある。
この場合、走行用モータ7の制御はON/OFFの2段階の
制御となり、前記インバータ31を省略することができ、
より安価な装置が得られる。
尚、上記実施例はいわゆる門型洗車機に本願発明を実
施したものであるが、上記以外にも自動車を台車やコン
ベヤ等で走行させるタイプの洗車機にも実施が可能で、
この場合、ブロワノズルの上昇が所定以上継続したと
き、自動車の走行を減速または停止するよう制御すれば
良い。
[発明の効果] この発明は以上のように構成され、ブロワノズルと正
対する急傾斜した面を有する自動車に対して、洗車機も
しくは自動車の走行を減速または停止するよう制御し
て、ブロワノズルを車体に接触させることなく安全に乾
燥作業を施すことができる。そして、こうした処理は、
ブロワノズルの昇降用に同ノズルと一体に設けられる車
体検出手段の検出状態を監視し、第1の検出手段の検出
状態が所定以上継続されたことを条件として行なえば良
いから、別個の検出装置等を一切必要とせず構造が簡単
で安価に達成できる。また、これに伴い前記のような例
外的な形状を有する自動車を想定して低速でブロワノズ
ルを作用させる必要がなくなり、前記以外の自動車に対
しては従来にない高速でブロワノズルを作用させること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る洗車機の一例を示す正面図。 第2図は本発明一実施例の要部正面図。 第3図は同実施例の要部側面図。 第4図は同実施例の制御回路図。 第5図は同実施例の動作を示すフローチャート図。 第6図は同実施例の動作説明図。 第7図は他の実施例の動作を示すフローチャート図。 1は洗車機本体、5はブロワノズル、5aは同吹出口、14
は昇降手段たるエアシリンダ、16a・16bおよび17a・17b
は車体検出手段たる光電スイッチ、30は制御手段たる制
御部、TUはカウント手段たるタイマである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】洗車機本体もしくは自動車の走行に伴い自
    動車の洗浄および乾燥を行なうタイプの洗車機であっ
    て、車体上面に空気を吹き付ける乾燥用のブロワノズル
    と、該ブロワノズルを昇降させる手段と、前記ブロワノ
    ズルと一体的に昇降し車体検出を行う手段と、該車体検
    出手段からの信号に基づいて前記昇降手段を操作して、
    前記ブロワノズルを車体面に非接触で作用させるよう制
    御する手段とを備えた車体上面乾燥装置において、 前記車体検出手段は、ブロワノズルの吹出口の作用方向
    の前側に検出位置を設定された第1の検出手段と、該第
    1の検出手段より前記作用方向に対して後側に検出位置
    を設定された第2の検出手段との、少なくとも二つの検
    出手段から成り、また前記第1の検出手段による検出状
    態の継続期間をカウントする手段を備え、 前記制御手段は、第1の検出手段で車体検出したときに
    はブロワノズルを上昇させ、第2の検出手段で車体検出
    したときにはブロワノズルを保持させ、第1および第2
    の検出手段が非検出のときにはブロワノズルを下降させ
    るように制御すると共に、前記カウント手段における第
    1の検出手段による検出状態の継続期間が所定以上にな
    ると、所定の間だけ前記洗車機本体もしくは自動車の走
    行速度を減速するよう制御することを特徴とする洗車機
    における車体上面乾燥装置。
  2. 【請求項2】洗車機本体もしくは自動車の走行に伴い自
    動車の洗浄および乾燥を行なうタイプの洗車機であっ
    て、車体上面に空気を吹き付ける乾燥用のブロワノズル
    と、該ブロワノズルを昇降させる手段と、前記ブロワノ
    ズルと一体的に昇降し車体検出を行う手段と、該車体検
    出手段からの信号に基づいて前記昇降手段を操作して、
    前記ブロワノズルを車体面に非接触で作用させるよう制
    御する手段とを備えた車体上面乾燥装置において、 前記車体検出手段は、ブロワノズルの吹出口の作用方向
    の前側に検出位置を設定された第1の検出手段と、該第
    1の検出手段より前記作用方向に対して後側に検出位置
    を設定された第2の検出手段との、少なくとも二つの検
    出手段から成り、また前記第1の検出手段による検出状
    態の継続期間をカウントする手段を備え、 前記制御手段は、第1の検出手段で車体検出したときに
    はブロワノズルを上昇させ、第2の検出手段で車体検出
    したときにはブロワノズルを保持させ、第1および第2
    の検出手段が非検出のときにはブロワノズルを下降させ
    るように制御すると共に、前記カウント手段における第
    1の検出手段による検出状態の継続期間が所定以上にな
    ると、前記洗車機本体もしくは自動車の走行を停止し、
    車体検出手段が非検出に転じてから走行を再開するよう
    制御することを特徴とする洗車機における車体上面乾燥
    装置。
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