JP2761550B2 - ヒンジ蓋付き包装箱 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、前壁部と後壁部とを有する収容部と、この
後壁部にヒンジ結合されたヒンジ蓋とを備え、薄い折曲
げ可能な板紙で形成される煙草用ヒンジ蓋付き包装箱に
関する。

［従来の技術及びその課題］ 上記型式のヒンジ蓋付き包装箱は煙草用にも用いられ
ている。通常、この包装箱の内部スペースには、煙草を
収容する場合には内部包装材（錫箔ブランク）で包まれ
た所定数の煙草グループが密に収容される。しかし、こ
の包装箱の大きさを変えないで、内部スペースを完全に
は満たすことができないような物をこのヒンジ蓋付き包
装箱に充填することが望まれる場合がある。例えば、最
近市販されている通常のものより小径の煙草の場合であ
る。この小径の煙草の場合には、所定数の煙草グループ
の深さが浅くなる。このため、合成樹脂（ポリスチレ
ン）製の独立したスペーサを包装箱内に取付け、この包
装箱内の寸法の差を補償していた。この包装箱にスペー
サを設けることにより、必要以上にコストが増加する。

本発明は上述に鑑みてなされたもので、独立したスペ
ーサを用いることなく包装箱の内部スペースよりも小さ
い煙草グループをこの内部に支持かつ固定できるヒンジ
蓋付き包装箱を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段、作用及び効果］ 上記目的を達成するため、本発明によると、薄い折曲
げ可能な板紙状材料で形成される特に煙草用ヒンジ蓋付
き包装箱であって、このヒンジ蓋付き包装箱は、前壁部
と後壁部側壁部と底壁部とを有する収容部と、蓋前壁部
と蓋後壁部と蓋側壁部と蓋頂壁部とを有する蓋とを備
え、この蓋は、収容部の後壁部に蓋後壁部でヒンジ結合
され、）収容部の後壁部と前壁部との少なくとも一方の
領域内に、前壁部と後壁部との間の内部寸法を減少する
突出部が配置され、この突出部は、前壁部と後壁部との
少なくとも一方により、その一部として形成され、各突
出部は、収容部の内側に向けて内方にオフセットした大
領域の支持壁部と、斜め方向に向く遷移壁部とを設けら
れ、この遷移壁部は、支持壁部の周部に配置され、支持
壁部から後壁部あるいは前壁部に向けて、外方に傾斜し
て延び、前記突出部は垂直方向の断面および水平方向の
断面で台形形状を有するヒンジ蓋付き包装箱が提供され
る。

突出部は特に煙草グループであるヒンジ蓋付き包装箱
の収容物を支持し、この煙草グループが包装箱の容積よ
りも極めて小さい場合でも、この包装箱内に遊びを形成
することがない。

この突出部はヒンジ蓋付き包装箱の壁部に形成され、
この収容物の形状に応じて種々の形状及び大きさとする
ことができる。

収容部の後壁部あるいは前壁部はこの包装箱の内部に
突出する大領域の突出部を設けるのに適しており、収容
物を広い領域で好適に支持することができる。

この突出部は種々の方法で形成することができる。ブ
ランクを好適にエンボス加工することにより、好ましい
ヒンジ蓋付き包装箱を製造できる。このエンボス加工は
主として両側から圧縮することにより行われる。上下の
ダイスが所要の領域に作用して突出部を形成する。必要
な場合には、このエンボス加工時に加熱及び加湿するこ
とで、より効果的に行なうことができる。

更に、この突出部はブランクの所要部を折曲げること
により形成できる。この場合には、後壁部あるいは前壁
部を形成するブランクの部分に折曲げ線を設け、折曲げ
工程を経て完成したヒンジ蓋付き包装箱に突出部を形成
することができる。

更に、本発明はヒンジ蓋付きパックの構造及び突出部
の製造にも係わる。

以下、添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説
明する。

［実施例］ 図示のヒンジ蓋付き包装箱は、第３図及び第４図に図
式的に示すように六面体のブロック状に形成され、錫箔
等の内部包装紙で包まれた煙草グループ10を収容する。
このヒンジ蓋付き包装箱の基本的な構造はこの型式の通
常の包装箱と対応したものである。収容部11と蓋12は、
後壁部14と蓋後壁部15との領域内のヒンジ線13を介して
ヒンジ結合されている。

収容部11は、後壁部14に加え、前壁部16と、側壁部1
7,18と、底部19とを備える。カラー24が収容部の内部に
配置されており、このカラーの前壁部25と側壁部26,27
は、収容部11の上部領域で前壁部16及び側壁部17,18に
結合されている。このカラー24の上部領域は収容部11か
ら突出し、蓋12を閉じると、この蓋で囲まれる。

この包装箱の収容物すなわち内部包装された煙草グル
ープ10は、この包装箱の外形寸法による容積よりも小さ
い。この収容物をヒンジ蓋付き包装箱内に固定するた
め、収容部の後壁部14に、第１図乃至第５図に示すよう
に内方に突出しかつこの後壁部で形成された突出部28が
設けられている。この突出部は後壁部14の全領域に亙っ
て延在する。内方に向く突出部28の支持壁部29は収容物
に当接し、したがってこのヒンジ蓋付き包装箱内で収容
物の境界あるいは支持部を形成する。

第１図乃至第５図の実施例では、突出部28は折曲げ形
成されている。このため、このヒンジ蓋付き包装箱を形
成するブランク（第５図）に折曲げ線が設けてあり、こ
の折曲げ線は立体形状のヒンジ蓋付き包装箱に折曲げる
ときに、自動的あるいは折曲げ工具により突出部28を形
成する。この折曲げ線は、ブランクに傾斜面を付けるこ
と（bevelling）により、通常の方法で形成される。突
出部28の形状に対応する横折曲げ線30,31は側壁部17,18
に関連して突出部28を形成するために設けられ、蓋12に
関連して突出部28を限定する上折曲げ線及び下折曲げ線
32,31も同様に設けられる。内側折曲げ線34は上記の折
曲げ線30,31,32,33に対して所定距離離隔して平行に設
けられる。この内側折曲げ線は矩形に形成され、支持壁
部29の大きさを定める。

内側折曲げ線34で限定される矩形のコーナ部から折曲
げ線30,31,32,33に向けてくさび状の傾斜線35,36が外方
に延長する。このくさび状の傾斜線35,36は矩形のコー
ナ部から外方に向けて広がる折曲げ線を形成する。これ
が可能なのは、横折曲げ線30,31が上折曲げ線32及び下
折曲げ線33と交差せず、互いに離隔するためである。通
常のヒンジ蓋付き包装箱の後側の垂直縁部に対し、横折
曲げ線30,31は横方向すなわち側壁部17,18を形成する側
タブ37,38の領域内に形成される。このように形成され
たブランクを上記の折曲げ線に沿って折曲げることによ
り、突出部28が形成される。この突出部は、垂直断面及
び水平断面内で遷移部39が傾斜して形成されることによ
り台形状に形成される。

収容部に突出部を設けたヒンジ蓋付き包装部の他の実
施例が、ブランクの展開状態で第６図及び第７図に示し
てある。この実施例では、後壁部14及び前壁部16の領域
内に突出部40,41を形成してある。これらの突出部40,41
はブランクをエンボス加工することにより形成される。
このブランクは展開状態で、上下のダイを有するエンボ
ス加工用のプレスに挿通される。突出部40,41を形成す
るエンボス加工は圧力で行われるが、必要な場合には加
熱及び加湿する。

この実施例の突出部40,41は後壁部14及び前壁部16の
少なくとも一方の面よりも小さく形成されている。更
に、突出部40,41は上記壁部の主要部を形成し、したが
って収容物の両側の主要領域を支持することができる。

突出部40,41の形状は、上記の実施例と同様に垂直断
面及び水平断面で台形状になるように選定されている。
各突出部40,41は外側縁部42と内側縁部43で限定され
る。縁部42,43の交差点は互いに斜線44で結合されてい
る。これにより、支持壁部45が内方に向く大きな平坦領
域を持つことになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例によるヒンジ蓋付き包装箱の背
面図、第２図は第１図の側面図、第３図は第１図のIII
−III線に沿う垂直断面図、第４図は第１図のIV−IV線
に沿う水平断面図、第５図は第１図乃至第４図の実施例
のヒンジ蓋付き包装箱を形成するブランクの展開図、第
６図は他の実施例によるヒンジ蓋付き包装箱のブランク
の展開図、第７図は第６図のブランクの断面図である。 10……煙草グループ、11……収容部、12……ヒンジ蓋、
14,15,16,17,18,20……壁部、19……底部、24……カラ
ー、28,40,41……突出部、30,31,32,33,34,35,36……折
曲げ線。

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】薄い折曲げ可能な板紙状材料で形成される
   特に煙草用ヒンジ蓋付き包装箱であって、 ａ）このヒンジ蓋付き包装箱は、前壁部（16）と後壁部
   （14）と側壁部（17,18）と底壁部（19）とを有する収
   容部（11）と、蓋前壁部（20）と蓋後壁部（15）と蓋側
   壁部（21,22）と蓋頂壁部（23）とを有する蓋（12）と
   を備え、 ｂ）この蓋（12）は、収容部（11）の後壁部（14）に蓋
   後壁部（15）でヒンジ結合され、 ｃ）収容部（11）の後壁部（14）と前壁部（16）との少
   なくとも一方の領域内に、前壁部（16）と後壁部（14）
   との間の内部寸法を減少する突出部（28;40,41）が配置
   され、 ｄ）この突出部（28;40,41）は、前壁部（16）と後壁部
   （14）との少なくとも一方により、その一部として形成
   され、 ｅ）各突出部は、収容部の内側に向けて内方にオフセッ
   トした大領域の支持壁部（29;45）と、斜め方向に向く
   遷移壁部（39）とを設けられ、 ｆ）この遷移壁部（39）は、支持壁部の周部に配置さ
   れ、支持壁部（29;45）から後壁部（14）あるいは前壁
   部（16）に向けて、外方に傾斜して延び、前記突出部
   （28;40,41）は垂直方向の断面および水平方向の断面で
   台形形状を有することを特徴とするヒンジ蓋付き包装
   箱。
2. 【請求項２】大領域の１の突出部（28、40;41）が、前
   記後壁部（14）と前壁部（16）との少なくとも一方のほ
   ぼ全面にわたって延在する請求項１に記載のヒンジ蓋付
   き包装箱。
3. 【請求項３】複数の突出部（28;40,41）が、後壁部（1
   4）と前壁部（16）との少なくとも一方を形成するブラ
   ンクの領域に、ブランクを折曲げる前に設けられ、これ
   らの突出部は前壁部と後壁部との少なくとも一方をエン
   ボス加工することにより形成される請求項１に記載のヒ
   ンジ蓋き付き包装箱。
4. 【請求項４】突出部（28）は、折曲げ加工により形成さ
   れ、この突出部（28）を限定する折曲げ線（30,31,32,3
   3,34,35,36）がブランクに形成される請求項１に記載の
   ヒンジ蓋付き包装箱。
5. 【請求項５】 突出部（28）が折曲げ加工により形成されて後壁部（1
   4）に配置されるときに、遷移壁部（39）が後壁部（1
   4）の側縁部、または、上及び下縁部に形成される請求
   項４に記載のヒンジ蓋付き包装箱。
6. 【請求項６】側壁部（17,18）は、それぞれ後壁部（1
   4）と前壁部（16）とにヒンジ結合された側タブ（37,3
   8）で形成され、遷移壁部（39）は、内側折曲げ線（3
   4）と、突出部（28）の側部を限定する横折曲げ線（30,
   31）と上折曲げ線（32）と下折曲げ線（33）とを有する
   外側折曲げ線とにより、それぞれ限定され、横折曲げ線
   （30,31）は、側タブ（37,38）の領域内まで、外方に突
   出する請求項４に記載のヒンジ蓋付き包装箱。
7. 【請求項７】内側折曲げ線（34）の角部と、各外側折曲
   げ線（30,31,32,33）の端部との間に傾斜線（35,36）が
   形成され、この傾斜線は内側から外側に向けて分かれる
   請求項６に記載のヒンジ蓋付き包装箱。