JP2761314B2 - 保温釜 - Google Patents

保温釜

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克三 寺岡
秀志 中川
義明 小倉
隆 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、釜本体の上面開口を開
閉する蓋と、該釜本体に着脱自在に設けられた内釜と、
該内釜を加熱して当該内釜内のご飯の保温を行うための
発熱体とからなる保温釜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の保温釜の一例を炊飯および保温を
行う炊飯器を例に挙げて図2とともに説明する。従来の
炊飯器は、外釜21、外蓋22、内蓋23および内釜2
4等により構成されていた。上記外釜21は、ステンレ
ス等の金属よりなる内壁体21aと外壁体21bとを互
いに溶接等により接着して該外壁体21aと内壁体21
b間に真空断熱層25を形成していた。
【0003】この外釜21の内底部には炊飯用ヒータ2
6を埋設した熱板27を複数個の取付アングル28をも
って取り付け、さらに熱板27の下方において保温用ヒ
ータ29を取付アングル30をもって取り付けていた。
そして、該外釜21の内底部にはサーミスタ等の感熱素
子を内蔵した感熱体31をスプリング32をもって上記
内釜24に密着するように設けられていた。
【0004】上記外蓋22は上記外釜21と同様に、ス
テンレス等の金属よりなる内壁板22aと外壁板22b
とを互いに溶接等により接着して該内壁板22aと外壁
板22b間に真空断熱層33を形成しており、その上面
には把手34を有していた。そして、このような構造の
外蓋22は、外釜21の側面上端部に固定したヒンジ3
5に軸36をもって回転自在に支持され、この回転によ
り外釜21の開口を開閉するものであり、その閉塞状態
はラッチレバー37とラッチフック38の掛合により保
持され、ラッチ釦39の操作によりラッチレバー37と
ラッチフック38との掛合を解除することによって開放
していた。
【0005】また、外釜22の内面側外周部にはシリコ
ンゴム等の弾性を有するパッキン40を全周にわたって
備え、パッキン40により外釜21の上端部との間を密
閉する。上記内釜23は吊下棒41にシリコンゴム等の
弾性を有するパッキン42をもって着脱自在に嵌挿支持
され、上記外蓋22を閉じた時に内釜24の開口を閉塞
していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の炊飯器であ
れば、内釜に米と水を入れて炊飯用ヒータにより炊飯を
行い、この炊飯されたご飯を保温用ヒータにより保温を
行っていた。しかしながら、この内釜内の空気は窒素お
よび酸素以外の気体を含有しているが、大気中の空気と
同様にほぼ窒素4と酸素1の割合で形成された空気が存
在しており、内釜内で保温されているご飯が酸素を十分
含有した空気と接触した状態にあり、保温されているご
飯がこの空気中の酸素に接触することにより、黄ばみや
臭いが発生しやすく、時間の経過とともに黄ばみや臭い
の発生が大きくなってくる。
【0007】本発明の保温釜は上記のような問題に鑑み
なされたものであり、ご飯の保温を行うときに内釜内の
空気を排出して減圧することにより、該内釜内の酸素濃
度を低下させて保温時のご飯の黄ばみや臭いの発生を極
力防止することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の保温釜は、釜本体の上面開口を開閉する蓋
体と、該釜本体に着脱自在に設けられた内釜と、該蓋体
に配設し該内釜の開口を開閉する内蓋と、該内釜を加熱
して当該内釜内のご飯の保温を行うための発熱体とから
なる保温釜において、上記蓋体に配設し上記内釜内を減
圧する減圧装置と、一端が該内蓋を貫通して該内釜側に
連通し他端が該減圧装置に連通する吸気管とを具備し
【0009】また、上記吸気管に空気中の酸素を通過さ
せる気体分離膜を配設している。
【0010】
【作用】上記構成の保温釜は、発熱体により内釜内に入
れられたご飯の保温を行うとともに、減圧装置を駆動さ
せて当該内釜内の空気圧を減圧させ、該内釜内の酸素を
減少させて保温によるご飯の黄ばみおよび臭いを防止す
る。
【0011】また、減圧装置による内釜内の空気圧の減
圧時に気体分離膜を介して内釜内の空気を釜本体外部へ
排出することにより、該内釜内の酸素のみを排出して内
釜内の酸素濃度を減少させる。
【0012】
【実施例】本発明の保温釜の一実施例を炊飯および保温
を行う炊飯器を例に挙げて図1とともに説明する。本発
明の炊飯器は、炊飯器本体1と該炊飯器本体1の上面開
口を開閉する蓋体2とから構成されており、該炊飯器本
体1内に米や水、炊飯されたご飯を入れる内釜3を着脱
自在に配設している。
【0013】上記炊飯器本体1の底部には、アングル4
を介して上記内釜3を加熱して炊飯および保温を行う発
熱体5を設けており、該アングル4の中央部に設けられ
た開口6に上記内釜3に当接して炊飯前の米、水および
炊飯後のご飯の温度を間接的に検出する温度検出装置7
を設けている。
【0014】そして、上記蓋体2には、上記内釜3の上
面開口を開閉する内蓋8を設け、該蓋体2に当該内蓋8
を貫通して上記内釜3に連通する吸気管9を設け、該吸
気管9に炊飯時に該内釜3内に発生した蒸気を上記炊飯
器本体1外に排出する開口10を有した弁装置11を設
け、該弁装置11に空気中の酸素のみを通過させる気体
分離膜12を接続し、この気体分離膜12に上記内釜3
内の空気を炊飯器本体1外に排出して該内釜3内の空気
圧を減圧する開口13を有した減圧装置14を設けてい
る。
【0015】該気体分離膜12は、例えばセルロースア
セテートやポリ−4−ビニルピリジン等により形成さ
れ、上記減圧装置14の動作により該減圧装置14側が
低圧になると、上記内釜3内の空気が上記弁装置11を
介して該気体分離膜12側へ吸い込まれ、この吸い込ま
れた空気の気体分子が該気体分離膜12の高圧側(上記
弁装置11側)の膜表面に溶解し、その後当該膜中の高
分子鎖間を拡散しながら低圧側(上記減圧装置14側)
に向けて移動し、上記高分子膜の他面側となる低圧側で
脱溶解を行ってこの高分子膜から離脱する。
【0016】この時、気体の種類によって、それぞれの
溶解速度若しくは拡散速度が異なるため、溶解速度およ
び拡散速度の速い、すなわち、高分子膜に体する透過性
の大きな気体が高分子膜の低圧側に濃縮されることにな
る。例えば、酸素ガスの溶解速度および拡散速度は窒素
ガスに比べて約2.5倍であるため、高分子膜の低圧側
では酸素の濃度の高い空気を取り出すことができ、逆に
高圧側には窒素濃度の高い空気が存在することになる。
【0017】従って、上記気体分離膜12により上記内
釜3の空気の中から酸素濃度の高い空気が減圧装置14
により外部に排出され、該内釜3内には非常に酸素濃度
の低い空気が残るとともに該内釜3内の空気圧が低くな
る。
【0018】上記構成の炊飯器の動作を説明する。ま
ず、所定量の米と水を入れた内釜3を炊飯器本体1に収
納し、操作部(図示せず)を操作して炊飯を開始させる
と、該操作部からの信号により制御部(図示せず)が発
熱体5への通電を制御して炊飯動作を開始する。このと
き、弁装置11が開口10側へ切り換わり、発熱体5の
加熱により水が沸騰して発生した水蒸気は吸気管9を通
り弁装置11を介して開口10から外部に排出される。
【0019】そして、この炊飯動作により炊飯が完了す
ると、炊飯動作から保温動作に移行し温度検出装置7の
検出温度に基づいて制御部が上記発熱体5への通電を制
御してご飯の保温を行うとともに、上記弁装置11が該
減圧装置14側に切り換わり、上記制御部が減圧装置1
4を駆動させて上記内釜3内の減圧を開始する。
【0020】この減圧装置14の減圧により上記内釜3
内の空気が上記吸気管9,上記弁装置11を介して気体
分離膜12側へ吸気され、この気体分離膜12の働きに
より吸気された気体中の酸素のみが通過して上記減圧装
置14により開口13から外部へ排出される。上記減圧
装置14の減圧により上記内釜3内には酸素濃度の非常
に低い空気だけが存在し、空気圧も大気に比べ低くなり
保温によるご飯の黄ばみ,臭いの発生を防止し、良好な
保温状態を得ることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明の保温釜は、釜本体の上面開口を
開閉する蓋体と、該釜本体に着脱自在に設けられた内釜
と、該蓋体に配設し該内釜の開口を開閉する内蓋と、該
内釜を加熱して当該内釜内のご飯の保温を行うための発
熱体とからなる保温釜において、上記蓋体に配設し上記
内釜内を減圧する減圧装置と、一端が該内蓋を貫通して
該内釜側に連通し他端が該減圧装置に連通する吸気管と
を具備したので、内釜内の酸素濃度を低下させて保温を
行うことができ、保温されているご飯が酸素と接触して
生じる黄ばみ,臭いを防止することができ、良好な保温
状態を得ることができる。
【0022】また、上記吸気管に空気中の酸素を通過さ
せる気体分離膜を配設することにより酸素を排出してい
るので、内釜内の酸素濃度を減圧により内釜内の空気を
排出するものに比べ、より低い酸素濃度にすることがで
き、より良好な保温状態を得ることができ、長期の保温
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保温釜の一実施例における炊飯器を示
す断面図である。
【図2】従来の保温釜の一例における炊飯器を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 炊飯器本体 2 蓋体 3 内釜 5 発熱体 11 弁装置 12 気体分離膜 14 減圧装置
フロントページの続き (72)発明者 小倉 義明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 田中 隆 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 村井 隆男 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−139310(JP,A) 特開 昭57−188218(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47J 27/00 - 27/64

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 釜本体の上面開口を開閉する蓋体と、該
    釜本体に着脱自在に設けられた内釜と、該蓋体に配設し
    該内釜の開口を開閉する内蓋と、該内釜を加熱して当該
    内釜内のご飯の保温を行うための発熱体とからなる保温
    釜において、 上記蓋体に配設し上記内釜内を減圧する減圧装置と、一
    端が該内蓋を貫通して該内釜側に連通し他端が該減圧装
    置に連通する吸気管とを具備したことを特徴とする保温
    釜。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の保温釜において、上記吸
    気管に空気中の酸素を通過させる気体分離膜を配設した
    ことを特徴とする保温釜。
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