JP2760739B2 - 生分解性高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents
生分解性高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法Info
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Description
維等の従来ポリマーが用いられていた各分野に有用な生
分解性高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法に関する
ものである。
いは水中で微生物の作用を受け崩壊するポリマーは、生
分解性ポリマーとして近年のプラスチック廃棄物問題を
解決する手段の一つとして注目されており、その登場は
強く望まれている。
解するポリマーは、天然物は別にして、ただ脂肪族ポリ
エステルのみ、といっても過言ではない。然し、脂肪族
ポリエステルは熱安定性が十分ではなく、高分子量で有
用なポリマーとはなし難い、というのが一般通念であっ
た。
子量化する方法について研究を重ね、幾つかの知見を開
示した(例えば特開平第4-189822号公報参照)。この方
法は、高分子量の脂肪族ポリエステルに特定量のジイソ
シアナートをさらに反応させ、分子量を実用に耐え得る
高分子領域にまで高める方法である。この方法は有用で
あり、実用性のある物性を示し、生分解性であることも
確認された。
当初予期しなかった実用上のトラブルの発生が見出され
た。例えば、フィルム成形などにおいては、分子量を高
めると同時に分子量分布の幅を拡げること、すなわち数
平均分子量と重量平均分子量との比を大きくすることが
大切であり、重量平均分子量を極力高めることがポイン
トと言える。数平均分子量に比し重量平均分子量を高め
る方法には、多価イソシアナートを増量するか、あるい
はポリエステルの構成成分に多官能のアルコール、酸を
併用する、などが有用であることが確認されている。然
し、これらの方法は、粘度がバラつき易い欠点が見いだ
された。
に数平均分子量に比べ、重量平均分子量を安定的に増大
させ、粘度のバラつきを押えることのできる生分解性高
分子量脂肪族ポリエステルの製造方法を提供することを
目的とするものである。
結果、上記のような従来の課題を解決することができ
た。すなわち本発明の第1は、 [I](1)使用されるジカルボン酸成分に対し、不飽
和ジカルボン酸(またはその無水物)0.1〜5モル%
および脂肪族飽和ジカルボン酸(またはその無水物)9
5〜99.9モル%からなるジカルボン酸成分と、
(2)脂肪族あるいは環状脂肪族多価アルコールと、を
重縮合して得られる重量平均分子量30,000以上の
不飽和ポリエステル(A)と、 [II]末端基100当量に対して1当量以上が重合可能
な不飽和基である重量平均分子量30,000以上のポ
リエステル(B)とを混合し、混合物中の不飽和結合同
士を有機過酸化物を用いて共重合させることを特徴とす
る、生分解性高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法を
提供するものである。
(A)が、不飽和ポリエステル(A)にさらに多価イソ
シアナートを反応させたものである、前記の方法を提供
するものである。
(A)とポリエステル(B)の混合物が、混合物にさら
に多価イソシアナートを反応させたものである、前記の
方法を提供するものである。
(A)および/またはポリエステル(B)を合成する
際、合成原料として、脂肪族あるいは環状脂肪族多価ア
ルコールおよびジカルボン酸(またはその無水物)のほ
かに、ジエポキシド、3官能以上の多価アルコール、3
官能以上の多価カルボン酸(またはその無水物)および
3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれた
少なくとも一種の多官能化合物を用いる、前記の方法を
提供するものである。
発明は、上記(1)および(2)成分を重縮合して得ら
れる不飽和ポリエステル(A)と、上記全末端100当
量に対して1当量以上が重合可能な不飽和基であるポリ
エステル(B)の2種類のポリエステルを用い、それぞ
れの不飽和結合を重合させることにより、とくに得られ
るポリエステルの重量平均分子量を増大することよりな
るものである。
る。上記(1)成分における不飽和ジカルボン酸(また
はその無水物)としては、無水マレイン酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げら
れ、中でも無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸が好
適である。
ジカルボン酸(またはその無水物)としては、例えば、
次の一般式
れる脂肪族飽和ジカルボン酸またはその無水物が挙げら
れ、具体的には、コハク酸、無水コハク酸、アジピン
酸、無水アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカ
ン二酸等のカルボキシル基間のメチレン基数が偶数のタ
イプが挙げられる。
肪族多価アルコールとしては、例えば、次の一般式
されるグリコール、また、環状脂肪族多価アルコールと
して1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられ
る。グリコールとしては、具体的にエチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオー
ル等のヒドロキシル基間のメチレン基数の偶数のタイプ
が、得られるポリエステルの融点を高くするために望ま
しく、とくに市販といった点からエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールが好適である。
物)および脂肪族飽和ジカルボン酸(またはその無水
物)の使用割合は、これらジカルボン酸成分全体に対し
て、不飽和ジカルボン酸(またはその無水物)が0.1
〜5モル%、脂肪族飽和ジカルボン酸(またはその無水
物)が95〜99.9モル%である。不飽和ジカルボン
酸(またはその無水物)の使用割合が0.1モル%未満
では、架橋による分子量増大が十分なものではなく、、
逆に5モル%を超えると反応中ゲル化の危険性がある。
環状脂肪族多価アルコールの使用割合は、とくに規定さ
れるものではなく、適宜選択される。
を損なわない範囲内のジエポキシド、3官能以上の多価
アルコール、3官能以上の多価カルボン酸(またはその
無水物)および3官能以上のオキシカルボン酸からなる
群から選ばれた少なくとも1種の多官能化合物を併用す
れば、例えば分枝が導入されてその分子量分布が広が
り、その結果性質の多様化が図れ好ましい。
ルAジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジル
エーテル等が挙げられる。3官能以上の多価アルコール
の例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリット、トリアリルイソシアヌレートエチ
レンオキシド付加物などが挙げられる。また、脱水した
形のモノエポキシ化合物であるグリシドールも使用し得
る。
市販品がいずれも利用可能ではあるが、低コストで入手
できるといった点からは、リンゴ酸、酒石酸並びにクエ
ン酸が好適である。
無水物)の例としては、トリメシン酸、プロパントリカ
ルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタ
テトラカルボン酸無水物などが挙げられる。とくに無水
トリメリット酸、無水ピロメリット酸が好適である。
じて混合して用いることができる。多官能化合物の使用
量は、ジカルボン酸またはその無水物成分全体100モ
ル%に対して、合計0.1〜5モル%であり、エステル
化の当初から加えることができる。多官能化合物の使用
量が0.1モル%未満では、添加する意味が乏しく、5
モル%より多い場合は、反応中でのゲル化の危険性が増
大する。
れる不飽和ポリエステル(A)の重量平均分子量を3
0,000以上にすることが必要であるが、そのために
は、上記に示した各原料をエステル化し、続いて5To
rr以下、好ましくは1Torr以下の高減圧下に脱グ
リコール反応を行うことにより達成することができる。
本発明でとくに重量平均分子量を規定した理由は、それ
が成形性、熔融粘度に支配的であるからに他ならない。
なお、エステル化および脱グリコール反応は、従来から
の方法に従って行うことができる。不飽和ポリエステル
(A)の重量平均分子量が30,000未満では、必要
とする物性を有する成形品を得ることができない。
架橋成分とも言うべき、全末端基100当量に対し1当
量以上が重合可能な不飽和基であるポリエステル(B)
を併用する。このポリエステル(B)も必要とする物性
を有する成形品を得るために重量平均分子量は30,0
00以上が望ましい。なお、不飽和基以外の末端基は、
そのままか、あるいは飽和のモノイソシアナートで封鎖
することができる。
ポリエステル(A)のジカルボン酸および脂肪族または
環状脂肪族多価アルコールをそのまま用いることがで
き、エステル化および脱グリコール反応も不飽和ポリエ
ステル(A)の合成方法に従って行うことができる。さ
らに必要に応じて、上記不飽和ポリエステル(A)にお
いて記載したように、エステル化の際に目的を損なわな
い範囲内のジエポキシド、3官能以上の多価アルコー
ル、3官能以上の多価カルボン酸(またはその無水物)
および3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選
ばれた少なくとも1種の多官能化合物を併用することも
できる。
導入するためには、不飽和イソシアナートが好適に用い
られ、例えば次の2種類が挙げられる。
基と重合可能な不飽和基とを有する不飽和イソシアナー
ト。代表的にはイソシアナートエチルメタクリレートが
挙げられ、本発明の目的には十分である。 (ii) 多価イソシアナート、望ましくはジイソシアナ
ートに不飽和アルコールを反応させ、一分子中にイソシ
アナート基と不飽和基とを共有させた不飽和イソシアナ
ート。 上記(ii)で用いられる多価イソシアナートとしては、
例えば次の種類が挙げられる。2,4−トリレンジイソ
シアナート、2,4−トリレンジイソシアナートと2,
6−トリレンジイソシアナートとの混合のイソシアナー
ト、P,P'−ジフェニルメタンジイソシアナート、1,
5−ナフチレンジイソシアナート、パラフェニレンジイ
ソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、水素化キシリレンジ
イソシアナートが例示される。
を合成するために用いられる不飽和アルコールとして
は、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4
−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチ
ルメタクリレート等のアクリロイル基またはメタクリロ
イル基を有するモノアルコール類、アリルアルコール、
アリルセロソルブ、トリメチルプロパンジアリルエーテ
ル等のアリル基を有するモノアルコール類等が挙げられ
る。不飽和イソシアナートの使用割合は、ポリエステル
のヒドロキシル基1当量に対して、0.1〜1当量が好
ましい。
飽和イソシアナートに加え、さらに飽和イソシアナート
とを併用することもでき、このようにすると、生成する
ポリエステルの熱安定性を高める上で有用である。この
ために利用される飽和イソシアナートは、1価のイソシ
アナートが望ましい。例えば、フェニルイソシアナー
ト、ベンジルイソシアナートのようなモノイソシアナー
トも利用可能であるが、市販品を用いる実用的な立場か
らは、前記のジイソシアナート類に飽和モノアルコール
を反応させたタイプが好適である。上記のように飽和イ
ソシアナートを合成するために、ジイソシアナートと反
応させる飽和モノアルコールとしては、とくに制限され
ないが、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタ
ノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等が
挙げられる。
トの使用割合は、目的とする分子量、分子量分布によっ
ても相違するが、ポリエステルのヒドロキシル基1当量
に対して、不飽和イソシアナート中のイソシアナート基
は0.1〜1当量、飽和イソシアナート中のイソシアナ
ート基は0.1〜0.9当量適用することができる。ま
た、必要に応じての多価イソシアナートの併用は差し支
えない。ポリエステル(B)を合成するためのポリエス
テルとイソシアナートの反応は、ポリエステルの融点以
上の溶融状態で行うことが好ましい。かくして、末端に
ウレタン結合を介して重合可能な不飽和基を有するポリ
エステル(B)が得られる。
(B)との併用割合は、とくに制限を加える必要はない
が、(A)および(B)両ポリエステルに対して、不飽
和ポリエステル(A)が95〜5重量%、ポリエステル
(B)が5〜95重量%が実用的である。
る不飽和結合と、ポリエステル(B)における不飽和結
合との共重合、さらには(A)および(B)両ポリエス
テルのそれぞれの不飽和結合同士の重合等を行うことに
より、部分的な架橋が生じ、分子量が増大する。なお、
不飽和ポリエステル(A)およびポリエステル(B)の
溶融混合時には、さらに上記のジイソシアナート類を添
加することが、重量平均分子量をさらに高めるために好
ましい。この場合添加量は、例えば(A)(B)両ポリ
エステル合計100重量部に対し、0.1〜3重量部で
ある。これとは別に、不飽和ポリエステル(A)の合成
時にジイソシアナートを加え反応させておくことも好適
である。
の如きラジカル発生剤を使用するのがよい。このために
用いる有機過酸化物は、とくに制限されないが、反応系
における添加温度が高いことから高温分解型のタイプが
望ましく、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド等が好適である。
テル(A)およびポリエステル(B)の合計100重量
部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重
量部である。有機過酸化物の使用量が0.1重量部未満
では、実際問題として添加の効果が乏しく、また5重量
部を超えて使用してもとくに効果の向上が望まれない。
有機過酸化物の添加は、不飽和ポリエステル(A)およ
びポリエステル(B)の溶融状態で行うことが好まし
い。
ィルム、ブロー成形品、射出成形品、発泡等の各種成形
品の製造に有用であるが、その際、無機あるいは有機の
フィラー、補強材、滑剤、安定剤、着色剤等を必要に応
じて併用することが可能なことは勿論である。
た1リットルセパラブルフラスコに、エチレングリコー
ル204g、コハク酸350g、イタコン酸4g、テトラ
イソプロポキシチタネート0.06gを仕込み、窒素ガス
気流下、195〜200℃でエステル化して酸価6.7
とした後、温度を215〜220℃に上昇し、最終的に
は0.5Torrの減圧下8時間脱グリコール反応を行っ
た。得られたポリエステル(A−1)は、淡アイボリー
を帯びた白色ワックス状、融点104℃、数平均分子量
16,700、重量平均分子量48,400であった。
た1リットルセパラブルフラスコに、1,4−ブタンジ
オール300g、コハク酸354g、チタンイソプロポ
キシド0.06gを仕込み、窒素ガス気流下、200〜2
05℃でエステル化して酸価9.3とした後、温度を2
15〜220℃に上昇し、最終的には0.5Torrの減圧
下8時間脱グリコール反応を行った。酸価は実質的には
ゼロとなった。得られたポリエステル(b−1)は白色
ワックス状、融点115℃、数平均分子量16,90
0、重量平均分子量44,000であった。ポリエステ
ル(b−1)350gを190℃、乾燥空気気流下に溶
融させ、これに不飽和、飽和の混合イソシアナートとし
て、イソホロンジイソシアナート222gに2−ヒドロ
キシエチルアクリレート58g、エタノール23gを反応
させたタイプのものを12g加えた。30分間反応した
後の、計算上はポリエステルの末端基の半分が不飽和結
合を有する末端不飽和ポリエステル(B−1)が、淡黄
褐色ワックス状、融点118℃、数平均分子量21,1
00、重量平均分子量63,500で得られた。
に、上記不飽和ポリエステル(A−1)を170g、ポ
リエステル(B−1)を200g秤取し、乾燥空気気流
中170℃に溶融して、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト4gを加えた。粘度は急速に増大したがゲル化はしな
かった。得られた混合ポリエステル(C−1)は、淡黄
褐色ワックス状、融点約116℃、数平均分子量30,
700、重量平均分子量98,200であった。エクス
トルーダー装置を備えたニーダーに、窒素ガス気流中ポ
リエステル(C−1)300gを仕込み、160℃に熔
融し、混練しながらt−ブチルパーオキサイドを1.5g
加え、さらに10分間混練した後、押出し、ペレット状
とした。得られた架橋ポリエステル(D−1)は、黄褐
色ワックス状、融点116℃、数平均分子量38,90
0、重量平均分子量293,000であった。架橋ポリ
エステル(D−1)を150℃、150kg/cm2の圧力
下でプレス成形し、さらに75℃で3倍に一軸延伸した
厚さ約50μmのフィルムは、半透明であり、引張強さ
は16.1kg/mm2と非常に強靭なものであった。
た1リットルセパラブルフラスコに、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール300g、セバシン酸400g、無水
マレイン酸1g、テトライソプロポキシチタン0.08g
を仕込み、窒素ガス気流下、200〜205℃でエステ
ル化して酸価9.4とした後、温度を215〜220℃
に上昇し、最終的には0.5Torrの減圧下8時間脱グリ
コール反応を行った。得られたポリエステル(a−2)
は淡黄褐色ワックス状、融点約75℃、数平均分子量1
5,900、重量平均分子量43,200であった。ポリ
エステル(a−2)300gを窒素気流下190℃に熔
融し、ヘキサメチレンジイソシアナート3gを加えた。
粘度は急速に増大したがゲル化はしなかった。得られた
ウレタン結合を含む不飽和ポリエステル(A−2)は、
黄褐色ワックス状、融点約80℃、数平均分子量31,
900、重量平均分子量99,200であった。
た1リットルセパラブルフラスコに、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール300g、アジピン酸292g、テ
トライソプロポキシチタン0.06gを仕込み、窒素ガス
気流下、200〜205℃でエステル化して酸価6.2
とした後、温度を215〜220℃に上昇し、最終的に
は0.5Torrの減圧下8時間脱グリコール反応を行っ
た。得られたポリエステル(b−2)は淡アイボリーワ
ックス状、融点110℃、数平均分子量14,900、
重量平均分子量40,500であった。ポリエステル
(b−2)400gを秤取し、190℃、乾燥空気気流
下に溶融させ、これに不飽和、飽和の混合イソシアナー
トとして、イソシアナートエチルメタクリレート1.6
g、ヘキサメチレンジイソシアナート2gを加えた。粘度
は急速に増大したがゲル化はしなかった。得られた末端
に不飽和基を有するポリエステル(B−2)(不飽和基
/飽和末端基≒1/1)は、淡黄褐色ワックス状、融点
113℃、数平均分子量30,100、重量平均分子量
91,100であった。
に、上記不飽和ポリエステル(A−2)を100g、ポ
リエステル(B−2)を200g秤取し、窒素気流中1
60℃に溶融して、ジクミルパーオキサイド1.5gを加
えた。約7分後には粘度が上昇して撹拌が困難となった
ので、ステンレス製バットに注入、固化させた。得られ
た架橋ポリエステル(D−2)の融点は約98℃、黄褐
色ワックス状、数平均分子量39,400、重量平均分
子量280,000であった。ポリエステル(D−2)
を150℃、150kg/cm2の圧力下でプレス成形し、
さらに60℃で4倍に一軸延伸した厚さ約40〜45μ
mのフィルムは、透明であり、引張強さは12.3kg/mm
2と強靭なものであった。
中20cm下に埋めて生分解性の有無を検証した。6カ月
後には、両フィルム共に多数の孔があいて生分解性のあ
ることが実証された。とくに実施例2におけるポリエス
テル(D−2)を用いて形成されたフィルムはボロボロ
となってほとんど原形を消失していた。
し、さらに数平均分子量に比べ、重量平均分子量を安定
的に増大させ、粘度のバラつきを押えることのできる生
分解性高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法が提供さ
れる。
Claims (4)
- 【請求項1】[I](1)使用されるジカルボン酸成分
に対し、不飽和ジカルボン酸(またはその無水物)0.
1〜5モル%および脂肪族飽和ジカルボン酸(またはそ
の無水物)95〜99.9モル%からなるジカルボン酸
成分と、(2)脂肪族あるいは環状脂肪族多価アルコー
ルと、を重縮合して得られる重量平均分子量30,00
0以上の不飽和ポリエステル(A)と、 [II]末端基100当量に対して1当量以上が重合可能
な不飽和基である重量平均分子量30,000以上のポ
リエステル(B)とを混合し、混合物中の不飽和結合同
士を有機過酸化物を用いて共重合させることを特徴とす
る、生分解性高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法。 - 【請求項2】 不飽和ポリエステル(A)が、不飽和ポ
リエステル(A)にさらに多価イソシアナートを反応さ
せたものである、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 不飽和ポリエステル(A)とポリエステ
ル(B)の混合物が、混合物にさらに多価イソシアナー
トを反応させたものである、請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 不飽和ポリエステル(A)および/また
はポリエステル(B)を合成する際、合成原料として、
脂肪族あるいは環状脂肪族多価アルコールおよびジカル
ボン酸(またはその無水物)のほかに、ジエポキシド、
3官能以上の多価アルコール、3官能以上の多価カルボ
ン酸(またはその無水物)および3官能以上のオキシカ
ルボン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の多官
能化合物を用いる、請求項1ないし3のいずれか1項に
記載の方法。
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