JP2760332B2 - 引出しのラッチ装置 - Google Patents

引出しのラッチ装置

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JP2760332B2
JP2760332B2 JP7322017A JP32201795A JP2760332B2 JP 2760332 B2 JP2760332 B2 JP 2760332B2 JP 7322017 A JP7322017 A JP 7322017A JP 32201795 A JP32201795 A JP 32201795A JP 2760332 B2 JP2760332 B2 JP 2760332B2
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茂行 高島
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Kokuyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引出しの収納状態
を確実にするために利用される引出しのラッチ装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、机等を構成する天板及び引出し
の間には、引出しを収納位置に押し込む度に作動して引
出しを天板に係留するラッチ装置が付帯して設けられる
場合がある。このラッチ装置は、引出しを天板下面の収
納位置に確実に保持し、地震発生時や家具移動時などに
引出しが不慮に突出、脱落する事態を有効に防止すると
同時に、引出しを引き出す際にはその操作に伴ってラッ
チ状態を自然に解除することができるように構成される
ものである。
【0003】このようなラッチ装置の従来における具体
的構造としては、引出しの使用端に係合爪を水平に枢着
し、この係合爪を引出しの使用端から上方へ突出する方
向にバネによって弾性付勢するとともに、天板の下面で
あって収納位置にある引出しから前記係合爪が突出した
際にその係合爪を挿入する位置に開口部を設けておく。
そして、引出しを押し込む際にその係合爪を没入方向へ
案内して、収納位置に達した時点でその係合爪を突出さ
せ、前記天板の開口部に係合させるようにしている。ま
た、その使用端には係合爪の一部に当接してこれを没入
方向へ付勢し得る位置に操作レバーが設けてあり、この
操作レバーを牽引したときのみこの操作レバーを係合爪
の一部に当接させてラッチ状態にある係合爪を随時開口
部から退避させ得るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の構成
においては、操作レバーは回動動作中、常に係合爪の一
部に当接している必要があるため、操作レバーの枢着点
と係合爪の枢着点とは同一箇所に設定される。しかる
に、係合爪を適正に作動させるための突没量はこの枢着
点から係合爪の爪尖端部分までの距離で決まり、操作レ
バーを良好に操作するための操作量は前記枢着点から操
作レバーのレバー操作端までの距離で決まるので、設計
段階でそれらの係合爪や操作レバーを引出しの使用端の
妥当な場所に設定し、その状態でそれらの突没量や操作
量の一部が不適切となる場合に、枢着点の設定場所を変
更すると、それらの突没量及び操作量が同時に変化する
ことになる。このため、係合爪の適正な動作と操作レバ
ーの良好な操作感とを両立させるための設計上の接点を
見出だすことが難しいという問題がある。また、前記ラ
ッチ装置は係合爪を突出方向へ付勢するためのバネを必
須の構成要素とするため、バネを省略して部品点数の削
減を図るようなことも不可能である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、天板の開口部に対して係合爪を鉛直
に突没動作させ得るように構成し、また操作部を同じく
鉛直方向に昇降可能となるように配設して、これらの係
合爪及び操作部を天秤部材の枢着点の両側に設定した接
続点を介して連動させ、操作部が降下し係合爪が突出す
る方向に向かって天秤部材が安定となるようにし、操作
者が引出しを引き出すために操作部に指先を引っ掛ける
ことにより係合爪を開口部から退避させるように構成
たものである。
【0006】このため、係合爪及び操作部を引出しの使
用端における妥当な場所に配設した段階で、係合爪の突
没量や操作部の昇降量の一部が不適切となる場合には、
天秤部材上に設定される各接続点の位置を変更するだけ
で係合爪の突没量や操作部の操作量を相互に独立して調
整することが可能となる。このため、本発明によると、
確実なラッチ動作と良好な操作感とを両立させるための
設計に大きな自由度が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、天板に付帯して使用さ
れる引出しを、収納位置で天板の下面に係留するように
したものであって、引出しの使用端の上面より上方に向
けて突没可能に係合爪を配設し、天板の下面であって収
納位置にある引出しから前記係合爪が突出した際にこの
係合爪が装入される位置に開口部を開口させ、引出しの
使用端の下面に少なくとも一部を表出させて昇降可能に
操作部を配設し、引出しの使用端の内部に天秤部材の中
間部若しくはその近傍を水平に枢着する。そして、この
天秤部材の天秤動作と前記係合爪の突没動作とを該天秤
部材の枢着点から離間した位置に設定した第1の接続点
において第1の連動機構によって関連づけ、その天秤部
材の天秤動作と前記操作部の昇降動作とを該天秤部材の
枢着点から逆方向へ離間した位置に設定した第2の接続
点において第2の連動機構によって関連づけるととも
に、操作部が降下し係合爪が突出する方向に向かって前
記天秤部材が安定となるように設定して、操作者が収納
位置にある引出しを引き出すために操作部に指先を引っ
掛けて上昇させることにより係合爪を開口部から退避す
る位置にまで降下させ、しかる後、操作部を前方に牽引
することにより引出しを開成させ得るように構成したも
のである。
【0008】係合爪の突出動作をバネを用いずに構成す
るためには、操作部の自重によって天秤部材を枢着点回
りに回動させようとするモーメントが、係合爪の自重に
よって天秤部材を枢着点回りに逆回動させようとするモ
ーメントを常に上回っているように設定しておくことが
有効となる。
【0009】係合爪の没入動作を簡単な構成で有効に実
現するためには、天板の使用端の下部に漸次下方に向か
って滑らかに傾斜するカム面を形成し、引出しが収納位
置に向かう動作に伴って、その引出しの使用端に突出す
る係合爪が前記カム面に沿って没入方向へ案内されるよ
うに構成しておくことが望ましい。
【0010】簡易な連動機構としては、天秤部材の天秤
動作のうち鉛直方向成分のみを関連づけ水平方向成分を
開放するスライド係合部から構成されているものが挙げ
られる。
【0011】このように構成される引出しのラッチ装置
は、引出しが引き出されている状態では係合爪が突出
し、操作部が降下した位置にある。この状態から引出し
を、カム面等により係合爪を没入方向に案内しつつ天板
の下面に向かって押し込むと、係合爪の動作が第1の連
動機構、天秤部材及び第2の連動機構を介して操作部に
伝わり、この操作部を上昇させる。そして、引出しが所
定の収納位置に達したときに、係合爪を押し込んでいた
外力が消失し、天秤部材は操作部が降下し係合爪が突出
する方向に作動して安定する。このとき、係合爪が天板
の下面に設けた開口部内に挿入され、ラッチ状態に入
る。
【0012】一方、この状態から操作者が引出しを引き
出すために操作部に手を掛けて若干前上方に持ち上げる
と、この動作が第2の連動機構、天秤部材及び第1の連
動機構を介して係合爪に伝達され、この係合爪が没入動
作を惹起する。このため、係合爪が天板の下面に設けた
開口部から退避し、ラッチ状態が解除されて、引出しを
天板の下面から引き出すことが可能となる。
【0013】以上のように、本発明のラッチ装置は、引
出しを天板の下面に収納した際にその引出しを自動的に
ラッチ状態に引き込み、引出しを引き出す際にはその操
作に伴って自然にラッチ状態を解除する機能を営むもの
となる。
【0014】しかも、本発明において、係合爪及び操作
部を引出しの使用端の妥当な場所に配設する設計をした
段階で、係合爪の突没量や操作部の昇降量の一部に不適
切となる部分が生じた場合には、各接続点の設定箇所を
変更するだけで、係合爪又は操作部の天秤部材に対する
連動状態が変化し、各々のストローク量を相互に独立し
て調整することが可能となる。すなわち、これらの接続
点は枢着点から遠いほどその周速が速く、その鉛直方向
の運動に係合爪や操作部が連動し、しかも、一方の接続
点の位置の変更は他方の接続点の位置に何らの影響も及
ぼさない。このため、本発明のラッチ装置を使用すれ
ば、確実なラッチ動作を行うための設計と、良好な操作
感を実現するための設計とを互いに独立して行うことが
可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。
【0016】この実施例のラッチ装置は、図1〜図3に
示すように、天板1に付帯して使用されるセンター引出
し2(以下、単に引出しと称する)を、収納位置で天板
1の下面1aに係留するようにしたものであって、引出
し2に、係合爪3、操作部4、天秤部材5、第1の連動
機構6および第2の連動機構7を一体に組み込んだラッ
チ装置本体8を取り付けるとともに、天板1の下面1a
に開口部11を設けることによって構成されている。
【0017】詳述すると、天板1は前枠材12の上端に
添設される化粧板13の一部を前枠材12の下面にまで
回り込ませることによって使用端14を形成してなるも
ので、その使用端14の下端部近傍に漸次下方に向かっ
て滑らかに湾曲するカム面15を形成している。
【0018】一方、引出し2は、底壁部材21の左右両
側に側壁部材22を添設し、これら底壁部材21及び側
壁部材22の前端に引出し2の使用端を構成する前壁部
材23を取着するとともに、それらの後端に図示しない
後壁部材を取着することによって構成される。前壁部材
23は、前面23aを鏡板とし、上面23bを天板1の
下面1aに微小隙間を介して対向させ、底面23cを前
面23aの下縁よりも高い位置に配設してこの底面23
cから前面23aに渡る部分に起立した取手23dを形
成している。そして、その前壁部材23の底面23cの
幅方向中央部に開口部23eを設け、この開口部23e
を介してラッチ装置本体8をその中空部内に挿入すると
ともに、その挿入位置に適当な手段によって固定してい
る。
【0019】ラッチ装置本体8は、下端を開口端81と
するボックス状のもので、頂版部82にスリット83を
有し、このスリット83から上端を突出させて係合爪3
を配設するとともに、開口端81からその一部を取手2
3dよりも低い位置に垂下させて操作部4を配設してい
る。
【0020】係合爪3は、ラッチ装置本体8の内部空間
の後壁84よりに配設されるもので、上端に後下方に傾
斜する傾斜面31と、この傾斜面31を鉛直な前面32
及び後面33に滑らかに連続させる面取り部34、35
とが設けてある。
【0021】操作部4は、ラッチ装置本体8の内部空間
の前壁85よりに前記係合爪3と背合わせに配設される
もので、側面視逆L字形のレバー41と、このレバー4
1の上方に起立する操作力伝達部42とから構成されて
いる。
【0022】天秤部材5は、ラッチ装置本体8の側壁8
6の内面に軸心を合致されてなる一対の水平軸51を介
してそれぞれ回転自在に枢着された一対のリンクメンバ
52と、これらのリンクメンバ52の一方の端部内面間
および他方の端部内面間を連結する連結バー53、54
とを具備してなるもので、これらの連結バー53、53
によって連結された一対のリンクメンバ52が該連結バ
ー53、54と共に枢着点n回りに同期して天秤動作を
行うようになっている。
【0023】第1の連動機構6は、前記連結バー53を
その一構成要素とするもので、この連結バー53を前記
係合爪3の後面33の下端近傍部に凹設した溝61に係
合させることによってスライド係合部6aを構成したも
のである。すなわち、溝61は、鉛直方向に対して連結
バー53を比較的緊密に装入し、水平方向に対して溝底
から溝開放端までの間で連結バー53を遊動させ得るも
ので、これにより天秤部材5の天秤動作のうち鉛直方向
成分のみに係合爪3を連動させ得るようにしている。連
結バー53の天秤部材5上における架設場所が本発明に
言う第1の接続点Aとなっている。
【0024】第2の連動機構7は、前記連結バー54を
その一構成要素とするもので、この連結バー54を前記
操作部4の操作力伝達部42の上端の前面側に凹設した
溝71に係合させることによってスライド係合部7aを
構成したものである。すなわち、溝71は、鉛直方向に
対して連結バー54を比較的密接に装入し、水平方向に
対して溝底から溝開放端までの間で連結バー54を遊動
させ得るようにしている。連結バー54の天秤部材5上
における架設場所が本発明に言う第2の接続点Bとなっ
ている。
【0025】つまり、これらの連動機構6、7によっ
て、天秤部材5が枢着点nを支点とする図中左回りの天
秤動作を行うとき、係合爪3の突出動作と操作部4の降
下動作とが連動し、図中右回りの天秤動作を行うときは
係合爪3の没入動作と操作部4の上昇動作とが連動する
ものである。
【0026】そして、以上において操作部4の自重によ
り天秤部材5を枢着点n回りに左回動させようとするモ
ーメントが、係合爪3の自重により天秤部材5を枢着点
n回りに右回動させようとするモーメントを常に上回っ
ているように設定している。すなわち、この実施例では
天秤部材5の枢着点nから両連結バー53、54までの
離間距離が等しく設定されており、モーメントの腕の長
さが等しいため、操作部4の質量を係合爪3の質量より
も大きく設定することによって上記の関係が満たされる
ようにしている。したがって、外力を加えないときは、
常に操作部4が降下し係合爪3が突出した位置で天秤部
材5が安定となるものである。
【0027】次に、本実施例の作動を説明する。引出し
2が引き出された位置においては、図3に想像線で示す
ように係合爪3が突出し、したがって操作部4が降下し
た状態にある。この状態から引出し2を天板1の下面1
aに向かって押し込むと、ある位置において係合爪3の
傾斜面31乃至面取り部34、35が前記カム面15に
当接し、それ以降、引出し2の動作に伴って係合爪3が
没入方向へ案内される。この間、係合爪3の動作が第1
の連動機構6、天秤部材5及び第2の連動機構7を介し
て操作部4に伝わり、この操作部4が次第に上昇する。
そして、引出し2が同図中収納位置に達したときに、係
合爪3を押し込んでいた外力が消失する。天秤部材5は
操作部4が降下し係合爪3が突出する方向に安定となる
ように構成されているため、これにより操作部4がその
レバー41を前壁部材23の下方に表出させる位置まで
降下し、同時に係合爪3が天板1の下面1aに設けた開
口部11内に挿入されて、ラッチ状態となる。この状態
においては、引出し1に前方への牽引力が作用しても、
係合爪3が開口部11の内縁に係合してその挙動が禁止
される。このため、地震発生時や家具移動時などに引出
し2が不慮に突出、脱落する事態が確実に防止される。
【0028】一方、この状態から操作者が引出し2を引
き出すごく一般的な動作によって鏡板23aが形成され
ている前壁部材23の下縁に設けられた取手23dに手
を掛けようとすると、それに先立って指先が操作レバー
41の逆L字部分に引っ掛かる。このとき、操作者がこ
の操作レバー41を僅かに持ち上げて手前に牽引する操
作を行うと、先ず操作部4が上昇し、この動作が第2の
連動機構7、天秤部材5及び第1の連動機構6を介して
係合爪3に伝達され、この係合爪3に没入動作を惹起す
る。このため、係合爪3が天板1の下面1aに設けた開
口部11から容易に退避される。このときの操作力は、
天秤部材5が前述したごとく両モーメントのバランス関
係の下で安定点に静止しているだけであるため、比較的
軽いタッチで操作部4が押し上げられるようにすること
が可能である。そして、その後の牽引操作時に、操作レ
バー4の前方垂下部分が僅かのガタによって前壁部材2
3の取手23dに係接するように予め設定しておけば、
この取手23dを前方に引っ張ることになるので、係合
爪3が没入したままで引出し2が天板1の下面1aから
引き出される。すなわち、この実施例は、引出し2を引
き出す際の操作に伴って自然にそのラッチ状態が解除さ
れるものである。
【0029】以上のように、本実施例に係る引出しのラ
ッチ装置は、引出し2を天板1の下面1aに収納した際
にその引出し2を自動的にラッチ状態に引き込み、引出
し2を引き出す際にはその操作に伴って自然にラッチ状
態を解除する機能を営むものである。
【0030】しかも、本実施例の構成を従来のラッチ装
置と比べると、係合爪3及び操作部4を引出し2の前壁
部材23の妥当な場所に配設する設計をした段階で、係
合爪3の突没量や操作部4の昇降量の一部が不適切とな
る場合には、天秤部材5を枢着している枢着点nは不変
としておき、その枢着点nから接続点A、Bすなわち連
結バー53、54までの離間距離の設定を変更するだけ
で、係合爪3又は操作部4の天秤部材5に対する連動状
態を変化させ得るものとなる。つまり、天秤部材5が回
動するとき、連結バー53の周速の鉛直方向成分に連動
して係合爪3が突没動作を行うため、連結バー53が天
秤部材5の枢着点nから遠い位置に設定されるほど係合
爪3の突没ストロークが大きくなる。そして、このとき
の設定の如何は操作部4側に何らの影響も及ぼさない。
同様に、天秤部材5が回動するとき、連結バー54の周
速の鉛直方向成分に連動して操作部4が昇降動作を行う
ため、連結バー54が天秤部材5の枢着点nから遠い位
置に設定されるほど操作部4の昇降ストロークが大きく
なる。そして、このときの設定の如何は係合爪3側に何
らの影響も及ぼさない。このように、本実施例では、係
合爪3の突没量と操作部4の昇降量とを相互に独立して
調整することが可能となる。このため、本実施例のラッ
チ装置を使用すれば、確実なラッチ動作と良好な操作感
とを両立させるための設計に大きな自由度が得られるも
のとなる。
【0031】また、本実施例では、操作部4の自重によ
って天秤部材5を枢着点n回りに回動させようとするモ
ーメントが、係合爪3の自重によって天秤部材5を枢着
点n回りに逆回動させようとするモーメントを常に上回
っているように設定して、常に係合爪3が突出し操作部
4が降下した位置で天秤部材5が安定となるように構成
しているため、係合爪3を係合位置に保持するための格
別のバネを不要とすることができる。このため、部品点
数の削減により構造の簡略化やコストダウンを図ること
が可能となる。
【0032】さらに、天板1の使用端14の下部に漸次
下方に向かって滑らかに傾斜するカム面15を形成し、
引出し2が収納位置に向かう動作に伴って、その引出し
の使用端である前壁部材23に突設した係合爪3が前記
カム面15に沿って没入方向へ案内されるように構成し
ているため、天板1の下面1aに格別なカム部材を取り
付けずに済み、上述した構造の簡略化やコストダウンの
効果を一層有効に高めるとともに、天板下面1aを嵩張
らせずに済むため、格別なカム部材を取着したり天板側
にラッチ用の爪を配設した場合等に比べて、引出しの有
効内容積を的確に確保するとともに、物品を出し入れす
る際の良好な使い勝手も担保しておくことができる。
【0033】さらにまた、連動機構6、7を、天秤部材
5の天秤動作のうち鉛直方向成分のみを関連づけ水平方
向成分を開放するスライド係合部6a、7aによって構
成しているため、機構的に極めて簡略なものとしておく
ことができる。
【0034】なお、各部の具体的な構成は、上述した実
施例のみに限定されるものではない。例えば、上記実施
例では操作部を係合爪よりも質量の大きいものにするこ
とによって前者の天秤部材の枢着点回りの回動モーメン
トを後者に対して相対的に大きくなるようにしている
が、枢着点から連結バーまでの離間距離を変更すること
によって回動モーメントの調整を行うことも勿論可能で
ある。また、上記実施例の連動機構は係合爪や操作部側
に溝を設け、この溝に天秤部材側の連結バーを係合させ
ることによってスライド係合部を構成しているが、係合
爪や操作部側にピン等を突設し、天秤部材側に長孔等を
設けてこれらを係合させるようにしても構わない。この
ような具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で
種々変形が可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上説明した形態で実施さ
れ、以下に記載されるような効果を奏する。
【0036】すなわち、天板の開口部に対して係合爪を
鉛直に突没動作させ得るように構成し、また操作部を同
じく鉛直方向に昇降可能となるように配設して、これら
の係合爪及び操作部を天秤部材の枢着点の両側に設定し
た第1、第2の接続点を介して第1、第2の連動機構に
よりそれぞれ連動させ、操作部が降下し係合爪が突出す
る方向に向かって天秤部材が安定となるように設定した
ものである。そして、操作者が収納位置にある引出しを
引き出すために操作部に指先を引っ掛けて上昇させるこ
とにより係合爪を開口部から退避する位置にまで降下さ
せ、しかる後、操作部を前方に牽引することにより引出
しを開成させ得るように構成している。このため、天秤
部材上に設定する各接続点の位置を変更するだけで、こ
の天秤部材に連動する係合爪の突没量若しくは操作部の
昇降量を相互に独立して変更することが可能となり、こ
れにより確実なラッチ動作と良好な操作感とを両立させ
るための設計を有効に行って装置の適正な機能と良好な
操作性を実現することが可能となる。
【0037】また、操作部の自重に基づいて天秤部材に
作用するモーメントを、係合爪の自重に基づいて天秤部
材に作用するモーメントを常に上回っているように設定
すれば、係合爪を突出位置に付勢するバネを省略して部
品点数の削減、コストダウン等を有効に図ることが可能
となる。
【0038】さらに、係合爪の没入動作を天板の一部を
利用して形成したカム面によって行うようにすれば、格
別のカム部材が不要になるほか、引出しが配設される空
間を不当に狭める不都合を有効に回避することができ
る。
【0039】さらに、第1、第2の連動機構は、天秤部
材の天秤動作のうち鉛直方向成分のみを関連づけ水平方
向成分を開放するスライド係合部から構成することによ
って、構造簡略なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を組み込んだ引出しの斜視
図。
【図2】同実施例の要部拡大斜視図。
【図3】同実施例の要部拡大側断面図。
【図4】図3に対応した作用説明図。
【符号の説明】
1…天板 1a…下面 2…引出し 3…係合爪 4…操作部 5…天秤部材 6…第1の連動機構 6a…スライド係合部 7…第2の連動機構 7a…スライド係合部 11…開口部 15…カム面 23…使用端(前壁部材) A…第1の接続点 B…第2の接続点 n…枢着点

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天板に付帯して使用される引出しを、収納
    位置で天板の下面に係留するようにしたラッチ装置であ
    って、 引出しの使用端の上面より上方に向けて突没可能に配設
    される係合爪と、天板の下面に設けられ収納位置にある
    引出しから前記係合爪が突出した際にこの係合爪が装入
    される位置に開口する開口部と、引出しの使用端の下面
    に少なくとも一部を表出させて昇降可能に配設される操
    作部と、中間部若しくはその近傍を引出しの使用端の内
    部に水平に枢着される天秤部材と、この天秤部材の枢着
    点から離間した位置に設定した第1の接続点においてそ
    の天秤動作と前記係合爪の突没動作とを関連づける第1
    の連動機構と、該天秤部材の枢着点から前記第1の接続
    点とは逆方向へ離間した位置に設定した第2の接続点に
    おいてその天秤動作と前記操作部の昇降動作とを関連づ
    ける第2の連動機構とを具備してなり、操作部が降下し
    係合爪が突出する方向に向かって前記天秤部材が安定と
    なるように設定して、操作者が収納位置にある引出しを
    引き出すために操作部に指先を引っ掛けて上昇させるこ
    とにより係合爪を開口部から退避する位置にまで降下さ
    せ、しかる後、操作部を前方に牽引することにより引出
    しを開成させ得るように構成してなることを特徴とする
    引出しのラッチ装置。
  2. 【請求項2】操作部の自重によって天秤部材を枢着点回
    りに回動させようとするモーメントが、係合爪の自重に
    よって天秤部材を枢着点回りに逆回動させようとするモ
    ーメントを常に上回っているように設定してなることを
    特徴とする請求項1記載の引出しのラッチ装置。
  3. 【請求項3】天板の使用端の下部に漸次下方に向かって
    滑らかに傾斜するカム面を形成し、引出しが収納位置に
    向かう動作に伴って、その引出しの使用端に突出する係
    合爪が前記カム面に沿って没入方向へ案内されるように
    構成していることを特徴とする請求項1記載の引出しの
    ラッチ装置。
  4. 【請求項4】連動機構が、天秤部材の天秤動作のうち鉛
    直方向成分のみを関連づけ水平方向成分を開放するスラ
    イド係合部から構成されていることを特徴とする請求項
    1記載の引出しのラッチ装置。
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