JP2759899B2 - 射出成形機のヒートカバー - Google Patents

射出成形機のヒートカバー

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JP2759899B2
JP2759899B2 JP4095977A JP9597792A JP2759899B2 JP 2759899 B2 JP2759899 B2 JP 2759899B2 JP 4095977 A JP4095977 A JP 4095977A JP 9597792 A JP9597792 A JP 9597792A JP 2759899 B2 JP2759899 B2 JP 2759899B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、射出成形機に関し、
射出ユニットのシリンダアセンブリにおけるヒートカバ
ーに関する。
【0002】
【従来技術】図1は、従来の射出成形機におけるシリン
ダアセンブリ1の部分を示す。シリンダアセンブリ1は
通常、スクリューが嵌挿されているバレル2、バレル先
端のノズル3および、バレルの外周に取り付けた加熱ヒ
ーター4で構成され、ヒーター4部分を覆うカバー5が
設けられている。シリンダアセンブリ1は前端が射出ユ
ニットにおけるフロントプレート6に取付けられてい
る。また、型締めユニットのフロントプラテン7の後面
には、前記のノズル3が嵌入できる位置にパージシール
ド8が構成されている。パージシールド8は通常、上面
と左右面(手前側および向う側面)を覆い、前後面およ
び下面は開放されている。
【0003】このような従来構造では、ヒートカバー5
が加熱ヒーター4の上部を覆うだけなので、保温性が悪
く多量の熱が散逸してしまう。また、シリンダアセンブ
リ1の下面部や先端のノズル部が覆われておらず、図1
のようにパージング位置ではシリンダアセンブリ1の前
部が露出することがあり、危険である。さらに、シリン
ダアセンブリ1の長さに応じたヒートカバー5を準備し
なければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、射出成形
機におけるシリンダアセンブリ1の全体を常に覆い、パ
ージシールドも兼ねる射出成形機におけるヒートカバー
の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】ヒートカバーがシリンダ
アセンブリの長手方向に伸縮自在なテレスコピック構造
とされる。ヒートカバーは前端が型締めユニットにおけ
るフロントプラテンの後面に、後端が射出ユニットにお
けるフロントプレートの前面に取付けられる。テレスコ
ピック構造を複数の相互に嵌まり合う単位筒体を組み合
わせて構成する。型締めユニットに近い第1の単位筒体
にガス抜きの細孔部と内部を透視できる窓を設けると共
に、下面を上下方向に開閉可能とする。
【0006】
【作用】ヒートカバーのテレスコピック構造は、シリン
ダアセンブリを露出させることなく、型締めユニットに
対し射出ユニットが前後に移動することを許容する。ヒ
ートカバーの両端が型締めユニット側と射出ユニット側
に取り付けられた構造は、ヒートカバーがパージングシ
ールドを兼用することを可能とする。パージングシール
ドとして機能する第1の単位筒体には、ガス抜きの細孔
部と内部を透視できる窓を設け、また、下面を上下方向
に開閉可能としてあるので、パージングの際の危険を防
止し、パージングの状態を監視し、さらに、パージング
で吐出された樹脂を簡単に処理することができる。
【0007】
【実施例】図2〜図4は、本発明によるヒートカバー9
の1実施例を示す。ヒートカバー9はテレスコピックに
構成され、前端が型締めユニットのフロントプラテン7
に取付けられ、後端が射出ユニットのフロントプレート
6(具体的にはフロントプレート6と一体のホッパーブ
ロック10の前面)に取付けられている。したがって、
シリンダアセンブリ1は全体がヒートカバー9に覆われ
る。
【0008】ヒートカバー9はこの実施例において、前
方から第1〜第5の順次に外径が小さくなる単位筒体
なわち短い角筒11(a〜e)で構成され、前方のもの
に後方のものが嵌挿されている。
【0009】第1の角筒11aは、次の構成を備える。
前縁が下部を除いた3方で外方へ拡がるフランジ12に
形成され、その各辺の前面に固定用の永久磁石13が接
着されている。上面はガス抜き用に金網14(細孔部)
が嵌め込まれ、また、正面(手前面)は内部を観察でき
る窓15に構成されている。下面は両側のヒンジ16で
上下方向に開閉可能とされており、適宜な手段で閉じ状
態が維持されるようになっている。後縁は内側に屈曲さ
れて係止部17aとなっており、緩衝機能を有するシー
ル部材18aが装着されている。符号19は取っ手で正
面に固定されている。
【0010】第2〜第4の角筒11(b〜d)は次の構
成を備える。前縁に前記の係止部17aに係合するよ
う、しかし、前方の角筒11の内径より小さな、外方へ
拡がった係合リブ20(b〜d)が4辺に形成される。
上下、左右面は閉鎖され、後縁に前記の係止部17aと
同様に係止部17(b〜d)が形成され、その内側にシ
ール部材18(b〜d)が装着されている。
【0011】第5の角筒11eは次のように構成され
る。前縁に前記と同様な係止リブ20eが4辺に形成さ
れると共に、後縁が外方に拡がったフランジ21に形成
されている。上下、左右面は閉鎖されている。
【0012】これら角筒11(a〜d)は、図4のよう
に相互に嵌入させて組み付け、ヒートカバー9とする。
これをシリンダアセンブリ1に前方から被せて第5角筒
11eの後端におけるフランジ21を射出ユニットのフ
ロントプレート6にねじ止めにより固定する。ついで、
ヒートカバー9の前端を型締めユニットのフロントプラ
テン7の前面に永久磁石13の磁力により取り付ける。
この場合、フロントプラテン7には、ヒートカバー9前
端の下面を受ける支承体22が補助的に固定されてお
り、永久磁石による取付けを安定なものにする。
【0013】このようにしてヒートカバー9は図2の状
態に取付けられ、シリンダアセンブリ1の全体がヒート
カバー9で覆われる。また、射出ユニットが型締めユニ
ットに対して前後に移動してもヒートカバー9は伸縮
し、シリンダアセンブリ1のどの部分も露出することは
ない。これにより、シリンダアセンブリ1の露出部分に
対する接触事故が防止されると共に、加熱ヒーター4の
熱が外部へ自由に散逸してしまうのが防止される。
【0014】さらに、図2の状態は射出ユニットがパー
ジングの位置であり、ノズル3はノズルタッチが解除さ
れ、ヒートカバー9における第1の角筒11aの位置に
ある。したがって、この位置でパージングが行われても
パージ樹脂が飛散することはない。パージされた樹脂
は、第1の角筒11aの下面を開放して取り出される。
また、この実施例の場合、樹脂から分離するガスが多い
場合にも、ガスは上面の金網14からただちに放散し、
危険が防止される。
【0015】ノズル3部分の点検などの場合には、取っ
手19をもって強くヒートカバー9を後方へ引くと磁力
による取付けが解除され、ヒートカバー9を後方へ収縮
させ、ノズル3部分を露出させることができる。さら
に、シリンダアセンブリ1の交換などでシリンダアセン
ブリ1を射出ユニットから取り外す時は、ヒートカバー
9における第5の角筒11eを射出ユニットに固定して
いるねじも解除し、ヒートカバー9の全体を射出成形機
から取り外す。交換したために、あるいは機種によって
シリンダアセンブリ1の長さが異なっても、ヒートカバ
ー9は取付けの際にその長さが自動的に調整される。
【0016】以上は1実施例である。ヒートカバー9前
端の取付けは永久磁石13ではなく、着脱操作が簡単な
フックやスナップ機構であっても良い。また、第1〜第
5の角筒11(a〜e)は断面が円形などであっても良
い。さらに、ヒートカバー9を構成する角筒11の数は
限定されない。係止部17、係合リブ20は他の係合構
造であっても良い。
【0017】
【発明の効果】作業者が射出成形機の高温部分に接触す
る事故をより確実に防止できる。シリンダアセンブリ部
分の熱効率が向上する。シリンダアセンブリの長さに応
じて各種長さのヒートカバーを準備する必要がなくな
る。ヒートカバーと別体にパージシールドを準備する必
要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の正面図。
【図2】本発明の正面図(一部断面)。
【図3】要部の斜視図。
【図4】模式的に示した断面図。
【符号の説明】
1 シリンダアセンブリ 6 フロン
トプレート 7 フロントプラテン 9 ヒート
カバー 11 角筒 13 永久
磁石

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形機のシリンダアセンブリの全体
    を覆うカバーであって、シリンダアセンブリの長手方向
    に伸縮自在なテレスコピック構造とされ、前端が型締め
    ユニットにおけるフロントプラテンの後面に、後端が射
    出ユニットにおけるフロントプレートの前面に取付けら
    れており、テレスコピック構造を形成する各単位簡体の
    型締めユニットに近い第1の単位簡体にガス抜きの細孔
    部と内部を透視できる窓が設けられると共に、下面が上
    下方向に開閉可能とされていることを特徴とした射出成
    形機のヒートカバー。
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