JP2759504B2 - 無機非水電解液電池 - Google Patents

無機非水電解液電池

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、正極活物質のオキシハロゲン化物が電解液
の溶媒を兼ねる無機非水電解液電池に関する。
〔従来の技術〕
塩化チオニル、塩化スルフリル、塩化ホスホリルなど
のオキシハロゲン化物を正極活物質に用い、アルカリ金
属を負極に用い、炭素多孔質成形体を正極に用い、上記
正極活物質のオキシハロゲン化物が電解液の溶媒を兼ね
る無機非水電解液電池はエネルギー密度が高く、低温で
も作動するなど、優れた特性を有するものの、正極活物
質のオキシハロゲン化物の酸化力が強いため、セパレー
タはオキシハロゲン化物の強い酸化力に耐えるものでな
ければならないという制約がある。
そのため、この無機非水電解液電池では、アルカリ電
池に使用されているようなビニロン−レーヨン混抄紙や
ビニロン紙などはセパレータとして使用することができ
ず、耐酸化性の優れたガラス繊維不織布がセパレータと
して使用されてきた(例えば、特開昭58−121563号公
報)。
このガラス繊維不織布は、オキシハロゲン化物によっ
て酸化されず、したがって電解液に対して安定で、長期
の使用に耐えるものの、ガラス繊維自体に粘着性がな
く、繊維相互のからみ合いによってのみ結合しているの
で、引張強度などの機械的強度が小さい。そのため、電
池組立時にセパレータが破れて内部短絡を招くおそれが
ある。
そこで、ガラス繊維不織布の抄紙時に、ポリエチルア
クリレートなどの有機バインダーを付着させてガラス繊
維不織布の機械的強度を高めることが行われている。
しかしながら、上記電池を長期間ないしは高温下で貯
蔵すると、セパレータを構成するガラス繊維不織布中の
有機バインダーが電解液中に徐々に溶出するため、セパ
レータの強度が低下して、セパレータが所定の形状を維
持することができなくなり、セパレータの厚みに均一性
を欠いて、その薄くなった部分の電解液保持能力が低下
し、その部分における電解液を通じての負極からのアル
カリ金属の正極への移動がしにくくなり、電池の閉路電
圧が低下したり、場合によっては、その薄くなった部分
で短絡が生じるという問題がある。
また、ガラス繊維不織布は、ガラス繊維相互のからみ
合いによって形成されるので、空孔の大きさが不均一
で、大きな空孔が不織布表面に配置している場合があ
り、しかも、その空孔が三次元に繋がっているため、微
細な粒子が通り抜けやすい。
そのため、電池に振動がかかり、正極を構成する炭素
多孔質成形体の表面層がくずれ、正極から炭素粒子がく
ずれ落ちると、その炭素粒子がセパレータを通り抜けて
負極に達し、内部短絡を引き起こすという問題がある。
そこで、本発明者らは、オキシハロゲン化物に対して
安定なエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体の微
孔性フィルムをセパレータに用いることによって、貯蔵
に伴う閉路電圧の低下が少なく、かつ振動による内部短
絡の発生が少ない無機非水電解液電池を開発し、それに
ついて既に特許出願をしてきた(特願平1−109790
号)。
上記電池において、セパレータとして用いられている
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体は、それ自
体の耐酸化性が優れていて、オキシハロゲン化物によっ
て酸化されず、また、ガラス繊維不織布におけるような
有機バインダーを含まないので、長期間ないしは高温下
での貯蔵でも、セパレータの強度が低下せず、したがっ
て、長期間ないしは高温下での貯蔵後もセパレータがそ
の形状を維持して、電解液を保持するので、閉路電圧の
低下が少なくなる。
また、上記エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体の微孔性フィルムの空孔は、ほぼ均一な微小空孔で、
しかもその経路が複雑に屈曲しているため、炭素粒子の
通り抜けがほとんど生じない。したがって、電池に振動
がかかっても、炭素粒子の負極側への移動がセパレータ
によって阻止され、炭素粒子の通り抜けによる短絡が生
じないので、上記のように、貯蔵に伴う閉路電圧の低下
が少なく、かつ振動による内部短絡の発生が少ない無機
非水電解液電池を提供することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記エチレン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体の微孔性フィルムの空孔は、ガラス繊維不織
布のように三次元構造になっていないため、電解液の保
持能力がガラス繊維不織布に比べて小さく、大電流放電
時に、負極からアルカリ金属イオンがセパレータ中の電
解液を通じて正極に移動することが充分に行えなくな
り、放電持続時間が短くなるなど、放電性能が低下す
る。
したがって、本発明は、上記のような大電流放電時の
放電性能の低下を防止して、貯蔵に伴う閉路電圧の低下
が少なく、かつ振動による内部短絡の発生が少なく、し
かも大電流放電時の放電性能が良好な無機非水電解液電
池を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、セパレータとして、ガラス繊維不織布とエ
チレン−テトラフルオロエチレン共重合体の微孔性フィ
ルムとを併用することによって、上記目的を達成したも
のである。
すなわち、セパレータの機能のうち、正極と負極を隔
離する機能は、主としてエチレン−テトラフルオロエチ
レン共重合体の微孔性フィルムに特たせ、このエチレン
−テトラフルオロエチレン共重合体の微孔性フィルムの
貯蔵に伴う強度低下が少なく、かつ振動による炭素粒子
の通り抜けが生じないという特性を利用して、貯蔵に伴
う閉路電圧の低下を防止し、かつ内部短絡の発生を防止
するとともに、ガラス繊維不織布の有する優れた電解液
保持機能により、セパレータ全体としての電解液保持能
力を高め、大電流放電時においても放電性能が良好に保
たれるようにしたのである。
本発明において、セパレータの構成部材としてのガラ
ス繊維不織布は、空孔率が50〜95容量%、特に75〜95容
量%で、厚みは100〜500μmのものが適している。
一方、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体の
微孔性フィルムとしては、空孔率が40〜80容量%、特に
40〜60容量%で、厚みは20〜150μmのものが適してい
る。
そして、本発明のごとく、セパレータをガラス繊維不
織布とエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体の微
孔性フィルムとで構成する場合には、正極と負極を隔離
する作用は、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体の微孔性フィルムのみで充分に行い得るので、ガラス
繊維不織布としては、空孔率の高いものを使用すること
ができ、それによってセパレータの電解液保持能力をよ
り高めることができる。また、貯蔵によって、ガラス繊
維不織布からポリエチルアクリレートなどの有機バイン
ダーが電解液中に溶出して、ガラス繊維不織布の強度が
低下しても、隔離作用はエチレン−テトラフルオロエチ
レン共重合体の微孔性フィルムのみで充分に行えるの
で、短絡が生じることがなく、また、ガラス繊維不織布
の薄くなった部分の電解液保持能力が低下しても、セパ
レータ全体としての電解液保持能力は、常にエチレン−
テトラフルオロエチレン共重合体の微孔性フィルムだけ
の場合より大きく保たれる。
上記のように、ガラス繊維不織布とエチレン−テトラ
フルオロエチレン共重合体の微孔性フィルムとを併用し
てセパレータとするには、それらを個々に、または両者
を重ね合わせた状態で所定位置に配置して、セパレータ
がガラス繊維不織布とエチレン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体の微孔性フィルムとで構成されるようにする
か、あるいは両者を接着剤、熱融着などによりラミネー
トした状態で使用してセパレータとしてもよい。
上記のガラス繊維不織布とエチレン−テトラフルオロ
エチレン共重合体の微孔性フィルムとからなるセパレー
タは、ガラス繊維不織布を負極側に配置してもよいし、
またエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体の微孔
性フィルムを負極側に配置してもよいが、ガラス繊維不
織布を負極側に配置する方が、負極の近傍に多量の電解
液が存在するようになるので、大電流放電時の放電性能
を高めるのに適している。
本発明の電池において、正極活物質としては、例えば
塩化チオニル、塩化スルフリル、塩化ホスホリルなどの
常温で液体のオキシハロゲン化物が用いられる。これら
オキシハロゲン化物は正極活物質であるとともに電解液
の溶媒として用いられ、電解液はこれらのオキシハロゲ
ン化物にLiAlCl4、LiAlBr4、LiGaCl4、LiB10Cl10などの
支持電解質を溶解させることによって調製される。な
お、電解液の調製にあたって、LiAlCl4などの支持電解
質は、LiClとAlCl3をオキシハロゲン化物に添加して電
解液中でLiAlCl4の形で存在(ただし、イオン化して、L
i+イオンとAlCl4 -イオンで存在)するようにしてもよ
い。また、負極のアルカリ金属としては、リチウム、ナ
トリウム、カリウムなどが用いられる。
つぎに、本発明の無機非水電解液電池の構成の一例を
第1図を参照しつつ説明する。
図中、(1)は負極であり、この負極(1)は、リチ
ウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属からな
り、上記アルカリ金属のシートをステンレス鋼製で有底
円筒状の電池容器(2)の内周面に圧着することによっ
て円筒状に形成されている。(3)は正極であり、この
正極(3)は、例えばアセチレンブラックに結着剤とし
てポリテトラフルオロエチレンを少量添加した炭素を主
構成材料とする炭素多孔質成形体からなり、前記負極
(1)とはセパレータ(4)を介して設置されている。
セパレータ(4)は、ガラス繊維不織布(4a)とエチレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体の微孔性フィルム
(4b)とからなり、この第1図に示すものでは、円筒状
をしていて、ガラス繊維不織布(4a)が負極(1)側に
配置し、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体の
微孔性フィルム(4b)が正極(3)側に配置して、前記
円筒状の負極(1)と円筒状の正極(3)とを隔離して
いる。(5)は電解液であり、この電解液(5)は正極
活物質である塩化チオニル、塩化スルフリル、塩化ホス
ホリルなどのオキシハロゲン化物が電解液溶媒として用
いられており、このオキシハロゲン化物に支持電解質と
して例えばLiAlCl4を溶解することによって調製された
ものである。このように正極活物質のオキシハロゲン化
物が電解液溶媒を兼ねている関係で、この電池では、他
の電池と異なって、多量の電解液(5)が電池内に注入
されており、またオキシハロゲン化物が正極活物質であ
ることからもわかるように、前記正極(3)は、それ自
身が反応するものではなく、正極活物質のオキシハロゲ
ン化物と負極(1)からイオン化して溶出してきたアル
カリ金属イオンとの反応場所となるものである。(6)
はステンレス鋼棒からなる正極集電体で、(7)は電池
蓋であり、この電池蓋(7)はボディ(8)とガラス層
(9)と正極端子(10)を有し、ボディ(8)はステン
レス鋼で形成されていて、その立ち上がった外周部が前
記電池容器(2)の開口端部と溶接により接合されてい
る。ガラス層(9)はボディ(8)の内周側に設けられ
ていて、このガラス層(9)はボディ(8)と正極端子
(10)とを絶縁するとともに、外周面でその構成ガラス
がボディ(8)の内周面に融着し、内周面でその構成ガ
ラスが正極端子(10)の外周面に融着して、ボディ
(8)と正極端子(10)との間をシールしている。正極
端子(10)はステンレス鋼製でその一部は電池組立時は
パイプ状をしていて電解液注入口として使用され、その
上端部を電解液注入後にその中空部内に挿入された正極
集電体(6)の上部と溶接して封止したものである。
(11)は底部絶縁材であり、この底部絶縁材(11)はガ
ラス繊維不織布からなり、正極(3)と負極端子を兼ね
る電池容器(2)とを絶縁する。(12)は上部絶縁材で
あり、この上部絶縁材(12)は上記底部絶縁材(11)と
同様のガラス繊維不織布からなり、正極(3)と負極端
子を兼ねる電池蓋(7)のボディ(8)とが直接接触し
ないように絶縁している。そして、電池内の上部には、
温度上昇時の電解液の体積膨張を吸収するために空気室
(13)が設けられている。
つぎに、第2図により、本発明の無機非水電解液電池
の他の構成例を説明する。
この第2図に示すものでは、セパレータ(4)を構成
するガラス繊維不織布(4a)が正極(3)側に配置し、
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体の微孔性フ
ィルム(4b)が負極(1)側に配置していて、この点が
第1図に示すものと異なっているが、他の構成は第1図
に示すものと同じである。
上記のように、第1図に示す電池も、第2図に示す電
池も、セパレータ(4)としてガラス繊維不織布(4a)
とエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体の微孔性
フィルム(4b)とが併用されており、電池は、このガラ
ス繊維不織布(4a)とエチレン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体の微孔性フィルム(4b)とからなるセパレー
タ(4)の使用によって、貯蔵に伴う閉路電池の低下や
振動による内部短絡の発生が少なくなるとともに、大電
流放電時においても放電性能が良好に保たれる。
〔実施例〕
つぎに実施例をあげて本発明をさらに説明する。
実施例1 空孔率95容量%、厚さ200μmのガラス繊維不織布と
空孔率60容量%、厚さ40μmのエチレン−テトラフルオ
ロエチレン共重合体の微孔性フィルムとをセパレータと
して用い、負極にはリチウムを用い、正極活物質には塩
化チオニルを用い、電解液にはこの塩化チオニルにLiAl
Cl4を1.2mol/溶解させたものを用い、ガラス繊維不織
布を負極側に配置し、エチレン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体の微孔性フィルムを正極側に配置して、塩化
チオニル−リチウム系で第1図に示す構造の単3形の無
機非水電解液電池を作製した。なお、使用されたガラス
繊維不織布はバインダーとしてポリエチルアクリレート
を用いたものである。
電池の組立は、次に示すように行った。まず、有底円
筒状の電池容器(2)の内周面にリチウムシートを圧着
して負極(1)を形成し、その負極(1)の内周面にそ
ってガラス繊維不織布(4a)を円筒状に配置し、つい
で、そのガラス繊維不織布(4a)の内周面にそってエチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体の微孔性フィル
ム(4b)を円筒状に配置して、ガラス繊維不織布(4a)
とエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体の微孔性
フィルム(4b)とでセパレータ(4)を構成し、つぎに
底部絶縁材(11)を電池容器(2)の底部に配置し、セ
パレータ(4)のエチレン−テトラフルオロエチレン共
重合体の微孔性フィルム(4b)の内周側に円柱状の正極
(3)を挿入し、正極(3)上に上部絶縁材(12)を配
置し、電池容器(2)の開口部に電池蓋(7)を嵌合
し、電池蓋(7)のボディ(8)の外周部と電池容器
(2)の開口端部とを炭酸ガスレーザーで溶接して接合
し、電池蓋(7)のパイプ部より電解液を電池内に注入
し、電解液注入後に上記パイプ部に正極集電体(6)を
挿入し、正極集電体(6)の下端を上部絶縁材(12)を
貫通させて正極(3)内に到達させ、正極集電体(6)
の上部をパイプ部の上端部と溶接して密閉するとともに
正極端子(10)を構成して、第1図に示す状態に電池を
組み立てた。
実施例2 空孔率95容量%、厚さ200μmのガラス繊維不織布と
空孔率60容量%、厚さ40μmのエチレン−テトラフルオ
ロエチレン共重合体の微孔性フィルムをセパレータとし
て用い、ガラス繊維不織布を正極側に配置し、エチレン
−テトラフルオロエチレン共重合体の微孔性フィルムを
負極側に配置し、他の構成は実施例1と同様にして、塩
化チオニル−リチウム系で第2図に示す構造の単3形の
無機非水電解液電池を作製した。
比較例1 ポリエチルアクリレートをバインダーとして用いた空
孔率95容量%で、厚さ200μmのガラス繊維不織布をセ
パレータとして用いたほかは実施例1と同様にして、塩
化チオニル−リチウム系で単3形の無機非水電解液電池
を作製した。
上記比較例1の電池は、第3図に示す構造で、セパレ
ータ(4)がガラス繊維不綿布だけで構成されている
が、他の構成は第1図に示す実施例1の電池と同じであ
り、従来電池に該当するものである。
比較例2 空孔率60容量%、厚さ40μmのエチレン−テトラフル
オロエチレン共重合体の微孔性フィルムをセパレータと
して用いたほかは実施例1と同様にして、塩化チオニル
−リチウム系で単3形の無機非水電解液電池を作製し
た。
上記比較例2の電池の構造は、第3図に示すものと同
様であるが、セパレータ(4)がエチレン−テトラフル
オロエチレン共重合体の微孔性フィルムで構成されてい
るところが、比較例1の電池と異なっている。
上記実施例1〜2の電池と比較例1の電池を60℃で所
定期間貯蔵し、各貯蔵期間ごとに、20℃、100Ωで5秒
間放電したときの閉路電圧を測定して、貯蔵期間と閉路
電圧の関係を第4図に示した。
第4図に示すように、実施例1〜2の電池(実施例1
の電池も実施例2の電池も、ほぼ同様の値を示すので、
第4図では、実施例1と実施例2を同じ線で示し、それ
に実施例1と実施例2の文字を付している)は、比較例
1の電池に比べて、貯蔵に伴う閉路電圧の低下が少なか
った。
これは、ガラス繊維不織布のみをセパレータに用いた
比較例1の電池では、貯蔵に伴うバインダーの電解液中
への溶出により、セパレータが所定の形状を保ち得なく
なって電解液の保持能力が低下したが、セパレータにガ
ラス繊維不織布とエチレン−テトラフルオロエチレン共
重合体の微孔性フィルムとを併用した実施例1〜2の電
池では、貯蔵後もエチレン−テトラフルオロエチレン共
重合体の微孔性フィルムが所定の形状を保つので、セパ
レータの形状が大きく変化せず、したがって、セパレー
タの電解液保持能力の大幅な低下が生じなかったためで
あると考えられる。
つぎに、上記実施例1〜2の電池と比較例2の電池を
60℃で200日間貯蔵後に20℃、300Ωで連続放電させたと
きの放電特性を調べ、その結果を第5図に示した。
第5図に示すように、実施例1〜2の電池は、比較例
2の電池に比べて、放電時間が長く、大電流放電時の放
電持続時間が長くて放電性能が優れていた。
これは、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
の微孔性フィルムのみをセパレータに用いた比較例2の
電池では、セパレータの電解液保持能力が小さいため
に、放電が進行して、負極のリチウムが減少して負極と
セパレータとの間に隙間が生じはじめると、セパレータ
中の電解液を通じてのリチウムイオンの正極側への移動
がしにくくなるが、実施例1〜2の電池では、セパレー
タ全体としての電解液保持量が大きいので、セパレータ
中の電解液を通じてのリチウムイオンの正極側への移動
が充分に行われたからであると考えられる。
上記の実施例では、正極活物質として塩化チオニルを
用い、負極にリチウムを用いた塩化チオニル−リチウム
電池について説明したが、正極活物質としては塩化チオ
ニル以外にも塩化スルフリル、塩化ホスホリルなどの常
温(25℃)で液体のオキシハロゲン化物を用いることが
できるし、負極にもリチウム以外にナトリウム、カリウ
ムなどのリチウム以外のアルカリ金属を用いることがで
きる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明では、セパレータにガラ
ス繊維不織布とエチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体の微孔性フィルムとを併用することによって、貯蔵
に伴う閉路電圧の低下が少なく、かつ振動による内部短
絡の発生が少なく、しかも大電流放電時においても放電
性能の良好な無機非水電解液電池を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の無機非水電解液電池の一例を示す断面
図であり、第2図は本発明の無機非水電解液電池の他の
例を示す断面図である。第3図は従来の無機非水電解液
電池を示す断面図である。第4図は本発明の実施例1〜
2の電池と比較例1の電池を60℃で貯蔵したときの貯蔵
期間と閉路電圧との関係を示す図である。第5図は本発
明の実施例1〜2の電池と比較例2の電池を60℃、200
日間貯蔵後に20℃、300Ωで連続放電させたときの放電
特性図である。 (1)……負極、(3)……正極、(4)……セパレー
タ、(4a)……ガラス繊維不織布、(4b)……エチレン
−テトラフルオロエチレン共重合体の微孔性フィルム、
(5)……電解液
フロントページの続き (72)発明者 関戸 伸太朗 大阪府茨木市丑寅1丁目1番88号 日立 マクセル株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−196835(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 2/14 - 2/18 H01M 6/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常温で液体のオキシハロゲン化物を正極活
    物質および電解液の溶媒とし、 アルカリ金属からなる負極(1)と、炭素多孔質成形体
    からなる正極(3)と、電解液(5)と、セパレータ
    (4)を有し、 上記セパレータ(4)が上記負極(1)と上記正極
    (3)との間に配置している無機非水電解液電池におい
    て、 上記セパレータ(4)が、ガラス繊維不織布(4a)とエ
    チレン−テトラフルオロエチレン共重合体の微孔性フィ
    ルム(4a)とからなることを特徴とする無機非水電解液
    電池。
JP15550089A 1989-06-16 1989-06-16 無機非水電解液電池 Expired - Fee Related JP2759504B2 (ja)

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