JP2758966B2 - 原文書露光装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般には複写のために原文書を照射するのに
使用する露光装置に関し、より詳細には原文書を露光ス
リットによってスキャンする装置に関する。本発明は露
光装置を使って形成した再現画像におけるコントラスト
を調整する手段を提供する。

従来の技術 原文書を照射してその照射が感光媒体へ指向されそこ
に画像を形成するような複写装置は多々知られている。
感光表面も公知のゼログラフィの場合のような荷電した
感光ドラムのように種々のものが使用されている。他の
媒体の例としては公知の感光フィルム又は米国特許第4,
440,846及び同第4,399,209号に開示されるようなマイク
ロ・エンカプシュレーテド感光媒体（micro-encapsulat
ed photosensitive media）のようなものも使用されて
いる。

発明が解決しようとする課題 原文書を照射する一般的な方法は露光のスリットで文
書をスキャン（scan）即ち走査することである。公知の
装置においてはパラボラ状の円筒形反射体内に位置づけ
た直状光源が、原文書を保持している表面へ光のスリッ
トを指向している。この光は原文書から反射してレンズ
又はその他の焦点整合手段により集積され、その後感光
媒体へ指向されている。この光源及び焦点整合装置等は
文書をスキャンするため該文書を介して一緒に移動して
おり、又は文書が光源及び焦点整合装置を介して移動し
ている。

このような複写装置においては、出力画像のコントラ
ストレベルを制御できることが利点となっている。ハイ
コントラストは文書又は図面から成る画像の場合に望ま
しいものであるが、このようなハイコントラストは連続
したトーンの原文書を複写したときには再現品質が低下
する。特定の複写機はいずれのタイプの原文書を再現す
ることも期待されておりコントラストの制御は装置の容
量を大きく増大するものである。

コントラストは“動揺（bump）”露光の使用によって
減少されうる。かかる露光は感光媒体の全体的非イメー
ジ露光（nonimage exposure）である。この露光は一担
露光が作られると画像のコントラストを減少又はソフト
にする効果を有している。この動揺露光はイメージ露光
の前、又は後又はそれと同時に行われうる。

コントラストを制御するように動揺露光の広がりを制
御することが出来ることは望ましい。固定動揺露光では
文書又は線状グラフのような画像の分野では濃度が低く
て再現画像を受入れることができない。制御された動揺
露光は補助動揺光源のような手段又は同一の光源を使っ
ている独立した動揺及び画像露光を提供することにより
提供されうる。しかしこれらの技術は要求された制御装
置が高価となりかつ複写機を複雑にするという欠点を有
している。補助ランプの場合にはさらにコスト高となり
その付加的光源のために複雑さが増す。独立した動揺及
び画像露光を作る場合には、画像を形成するための時間
が増す。いずれの場合にも装置の必要動力が増す。

そこで必要なことは、再現画像におけるコントラスト
制御のための制御された動揺露光を提供する便利な手段
である。そのような手段が容易に制御可能となり、さら
に再現装置のコストや複雑さをほとんど増すことがな
い。

課題を解決するための手段 上記必要性を満足するため、本発明は、原文書の再現
画像のコントラストを感じることによってコントラスト
を制御するように動揺露光を使用する原文書露光装置を
提供するものである。この動揺露光は拡散光反射板によ
って露光ランプの焦点整合装置の視界の一部をおおうこ
とにより達成される。こうして露光の一部が焦点整合装
置内及び感光媒体上に拡散して反射される。達成される
動揺の量は反射板の位置調整によって制御される。

上記概念によって本発明は原文書を支持する手段を含
む原文書露光装置を提供している。原文書上のスリット
状の一部分を照射するスリット露光装置が、支持された
原文書へ露光を指向するための光源と、原文書の視界範
囲内から感光媒体の方へ反射露光を指向する手段と、を
有している。また原文書支持手段と露光装置との間には
露光と原文書上の指向手段の視界範囲とをスキャンする
ための相対運動を起す手段が提供されている。

拡散光反射手段が光源からの露光の一部を受取りその
光を拡散状に反射する。調整可能な反射板位置づけ手段
が支持手段と露光装置との間に反射手段を位置づけ、指
向手段の視界範囲の一部を塞いでいる。さらにこの調整
自在反射板位置づけ手段は反射手段によって塞がれた視
界範囲の相対的部分を調整出来る。調整自在な反射位置
づけ手段のこの後者の特性は、反射手段を視界の内外へ
選択的に移動する手段を含む。

よって本発明の目的は、再現画像のコントラストを制
御できる原文書再現装置を提供すること、再現のために
原文書を露光するコントラストの制御が可能な装置を提
供すること、コントラスト制御が動揺露光の使用により
達成できる装置を提供すること、動揺露光の制御が簡単
にかつ安価に達成出来る装置を提供すること、にある。

作用 原文書露光装置は、原文書の再現画像のコントラスト
を減じることによってコントラストを制御するために動
揺露光を使用している。この動揺露光は拡散光反射板に
より露光ランプの焦点整合装置の視界範囲の一部をおお
うことにより達成される。こうして露光の一部は焦点整
合装置及び感光媒体上へ拡散反射される。達成される動
揺の量は反射板の位置調整により制御される。

実施例 本発明による原文書（original dowment）露光システ
ムの一実施例が第１図に示してある。スキャニング露光
装置（Acanning exposure system）10はガラス板12の下
方に位置づけてあり、このガラス板の上には原文書14が
下向きに置かれている。この装置10は１つ又はそれ以上
（図では２個）の露光ランプ源16を有している。これら
の直線光源はパラボラ状の円筒形反射体18内に位置づけ
てあり、これらの反射体18は原文書14のスリット状部分
が照らされているガラス板12の下側に露光を指向してい
る。この露光は焦点整合装置20内へ反射される。この装
置20は感光性表面22へ前記スリット状露光部分を焦点整
合している。適当な駆動機構24がスキャニング装置10へ
取付けてあり公知のようにしてスキャニング装置10全体
が矢印26のように移動して原文書14全面にわたってスリ
ット状露光部分によりスキャンするようになっている。

ランプ16は露光されるべき感光性表面22用の公知のも
のである。この感光性表面22は従来のゼログラフィ複写
機のような荷電式感光性表面でもよい。別の表面として
は、米国特許第4,440,846号及び同第4,399,209号に開示
されているようなマイクロ・エンカプシュレーテド感光
媒体でもよい。かかる媒体においては、画像シート（im
aging sheet）はその表面にマイクロカプセル（micro c
apsules）層のための支持基材（supportiue substrat
e）を有している。このマイクロカプセルは感光硬化可
能（photohardenable）な感光配合（photosensitive co
mposition）とから成る内部相（internal phase）発色
剤（color former）とを有する。このマイクロカプセル
は化学線放射に対し画像露光されて破壊し、発色剤が現
像材料（developer material）と反応して画像を形成す
る。

米国特許第4,399,209号は転移画像システム（transfe
r imaging system）としての感光性媒体について開示し
ている。この画像シートはレシーバーシート（receiver
sheet）と接しその後露光する。このレシーバーシート
は表面に現像材料の層を有する支持体を備えた現像シー
ト（deueloper sheet）を含んでいる。これらのシート
が接触状態に配置された後、マイクロカプセルの破壊が
起る。米国特許第4,440,846号は自己含有形の画像シス
テムを開示しており、そこでは画像シートはシート表面
のマイクロカプセルと協働して沈積した現像材料を有し
ている。

焦点整合装置20はスキャニングスリットタイプの複写
機に通常使用されている公知のものでよい。例えばセル
フォック（Selfoc:商標名）レンズ列が使用出来る。別
のものとしては球面レンズも使用できる。

さらにここに記載される特定の実施例は、光源及び焦
点整合装置が走査即ちスキャン（scan）作用をしている
間、原文書が静止しているものであるが、原文書及び感
光表面がスキャンしている間、光源及び焦点整合装置が
静止保持されていることも出来る。これらの技術は複写
技術においては公知である。

本発明においてコントラストの減少は動揺露光（bump
exposure）の使用によって達成されている。この動揺
露光の範囲はコントラスト制御を提供することにより制
御出来る。動揺露光は拡散光反射板28で焦点整合装置20
の視界範囲（field of view）の一部をおおうことによ
って達成される。このような反射板28は、白色ペンキを
塗った金属板のような適当な拡散反射面でよい。動揺露
光の範囲は矢印30で表示した両方向への板28の位置調整
によって制御される。ランプ16からの露光の一部は板28
に当って拡散反射される。この反射光の一部は焦点整合
装置20によって受けられかつ感光性表面22へ指向され
る。該板28によっておおわれている原文書14の視界範囲
の一部を調整することにより動揺露光の拡がりは制御さ
れる。この動揺露光は該板28を視界から動かし又は焦点
整合装置の視界範囲と全体的におおうことにより０〜10
0％まで変動出来る。

図を明確にするため、第１図では板28をガラス板12及
び原文書14から十分にはなしているが、望ましくはこれ
らはかなり接近しているべきである。

使用される複写機の詳細な構造、特定の露光及び焦点
整合装置によっては適当に単純化された調整機構が使用
できる。一般に、ランプ16及び焦点整合装置20に対する
板28の相対位置が一旦設定されると、板28のその相対位
置はそのまま維持される。しかし文献とグラフ部分とを
有する原文書をコピーするときのように板28の運動が望
まれるかもしれないような場合もある。

板28の位置を調整する１つの方法が第２図に示してあ
る。第２図に示す全体装置では露光ランプ及び焦点整合
装置に対し位置が固定されていることがわかる。第１図
に示す実施例ではスキャニング装置10が原文書14に対し
て移動し、第２図に示す調整装置は該スキャニング装置
10の一部として載置されている。

針金32が第２図に示すように複数のプーリ34周辺に伸
長するように設けてある。板28は適当な取付け手段36に
よって針金32へ取付けてある。針金32と板28とは、ラン
プ16及び焦点整合装置20の上方に位置づけてある。なお
第２図では図を明瞭にするため反射体18を示していな
い。

針金32には調整レバー38が取付けてあり線に沿って針
金32により形成される両方向へ移動可能となっている。
レバー38が貫通している溝42を有する案内板40が針金32
上方に載置されている。第２図においてレバー38を左方
に動かすと、板28は矢印44の方向に移動し反射動揺光を
減じてコントラストを増大する。レバー38を反対方向に
動かせば反対の結果が生じる。レバー38を適当に動かす
ことにより、板28が焦点整合装置20の視界範囲を妨げる
広がりが調整できる。

コントラスト制御のための動揺露光の期待された効果
は第３図によりわかる。第３図において再現画像の光学
密度（optical density）を露光エネルギ（exposure en
ergy）の対数（Log E）の関数として示している。類似
した曲線が他の感光媒体にも期待されうるが、第３図に
示す曲線は特に上述のマイクロエンカプシュレーテド感
光性媒体の性能を示すものである。曲線46は動揺露光の
ない媒体の性能を示す。Dmin値とDmax値との間の曲線の
高平均スロープがかなり急であることがわかる。曲線4
8,50,52は動揺露光のレベルを増した即ちコントラスト
のレベルが減少したときの状態を示す。これからわかる
ことは動揺露光の量が増すと第３図に示す曲線の平均ス
ロープが減じることである。

発明の効果 ここに開示した装置の１つの利点は動揺露光が、画像
露光用の化学線放射を提供すると同様のランプであるこ
とにある。よって一旦光源と媒体とが適正に一致する
と、さらに動揺露光とも適正な適合を提供するのであ
る。このような適合は動揺露光を得るために補助ランプ
が使用されている場合には困難である。

また第３図からわかることは、Dminに達する先端の露
光レベルはコントラスト制御に使用される動揺露光の量
から独立していることである。こうして独立した光制御
が制御装置の柔軟性を増長するように提供されうること
である。

白色の拡散反射板の代りとして、着色板又はカラーフ
ィルタを該板28の前方に位置づけることができ、これに
より動揺露光の着色内容に影響を与えることができる。
付加的な複雑さが装置に加わるがこのような取付けは取
出し画像の品質の一層の制御のために望ましいことであ
る。

また第３図からわかることは、本発明の装置は図示し
た曲線の平均的傾斜に影響を与えているとともに、これ
らの曲線の形状は所定の状態で変化し、かつ曲線形状へ
の完全な制御は不可能であるということである。しかし
かかる制御の欠乏に関する欠点は、ここに開示したコン
トラスト制御装置の簡便性、低価格性、低エネルギー性
等により相殺されると思われる。

ここに述べた装置の形態は本発明の好ましい実施例を
構成しているが、本発明は装置の上述の正確な形態に限
定されるものではなく添附の請求項の範囲から出ること
ない範囲での変更はなしうることを理解されるべきであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるコントラスト制御装置の概略図、
第２図はコントラスト制御装置の拡散光反射板の取付及
び調整装置の部分概略上面図、第３図はコントラスト制
御装置の効果を示す露光エネルギーの対数の関数として
の再現画像における光学密度（Ｄ）を示すグラフであ
る。 符号の説明 10:スキャニング露光装置 12:ガラス板、14:原文書 16:露光ランプ源、18:円筒形反射体 20:焦点整合装置、22:感光性表面 24:駆動機構、28:拡散光反射板 36:取付手段、38:調整レバー 40:案内板、42:溝

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】原文書を支持する支持手段と、 原文書のスリット状部分を照射しており、前記支持手段
   へ支持された原文書へ露光を指向する光源と原文書の視
   界範囲内から感光媒体の方へ反射された露光を指向する
   手段を有するスリット露光装置と、 前記露光と前記原文書上の視界範囲とをスキャンするた
   め原文書支持手段と該露光装置との間に相対運動を与え
   る手段と、 前記光源から露光の一部を受取りかつ該露光を拡散反射
   する拡散反射手段と、 前記視界範囲の一部を妨げかつ前記反射手段により妨げ
   られた該視界範囲の相対的部分を調整するため該反射手
   段を前記支持手段と前記露光手段との間に位置づける調
   整可能な前記反射手段を位置づける位置づけ手段と、 を有している原文書露光装置。
2. 【請求項２】前記位置づけ手段が前記反射手段を前記視
   界範囲の内方へ及び外方へ選択的に移動する手段を有し
   ている請求項１の原文書露光装置。
3. 【請求項３】原文書支持手段が原文書のための平坦な支
   持体を含み、拡散反射手段が平坦な反射面を形成し、こ
   の反射面が前記平坦な支持体に平行な第一面内に配置さ
   れ、前記選択的移動手段が該第一面内の前記反射面を移
   動する請求項２の原文書露光装置。
4. 【請求項４】前記選択的移動手段が前記反射面を前記ス
   リットに垂直に動かす請求項３の原文書露光装置。
5. 【請求項５】前記拡散反射手段が平坦な反射板である請
   求項３の原文書露光装置。
6. 【請求項６】前記スリットに垂直な方向に前記板を選択
   的に移動する手段をさらに有している請求項５の原文書
   露光装置。