JP2758254B2 - ソーター - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ソーター、特に、供給された用紙を分配し
て収納するためのソーターに関する。

〔従来の技術〕

たとえば、複写機等の画像形成装置には、画像形成処
理が施された用紙を分配して収納するためのソーターが
取りつけられる場合がある。このソーターは、一般に、
上下方向の間隔を隔てて配置された複数の用紙受けと、
用紙受けの基部にそれぞれ配置された複数の排出ローラ
と、排出ローラに対向しつつ上下に延びるガイドベルト
と、ガイドベルトによって搬送される用紙を任意の用紙
受け側へ方向付けるための複数のソート爪とを備えてい
る。このソーターでは、画像形成装置側から供給された
用紙は、ガイドベルトと排出ローラとの間を上下方向に
まず搬送される。そして、用紙は、ソート爪の作用によ
って任意の用紙受け側へガイドされ、その用紙受け上に
収納される。

このような用紙搬送動作において、ガイドベルトと排
出ローラとは互いに密着し、両者に挟まれて用紙が搬送
される。そして、ガイドベルトにより駆動される排出ロ
ーラとソート爪のガイド面との摩擦によって用紙が任意
の用紙受けに排出される。

〔発明が解決しようとする課題〕

前記従来のソーターでは、排出ローラの最下端がソー
ト爪のガイド面と同じ高さに設けられており、排出ロー
ラとソート爪とにより積極的に用紙を挟み込む構成とな
っていない。この結果、従来の構成では、部品寸法のば
らつきやローラの磨耗等に起因して排出ローラとガイド
面との間に隙間が生じ易く、これが用紙の排出不良の原
因となる。

本発明の目的は、簡単な構成で、用紙搬送時の排出ロ
ーラとソート爪とによる確実な用紙搬送を行い得るソー
ターを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明に係るソーターは、供給された用紙を分配して
収納するためのソーターである。このソーターは、複数
の用紙受けと、複数の排出ローラと、ガイド機構と、複
数のソート爪とを備えている。

前記用紙受けは、上下方向の間隔を隔てて配置されて
いる。前記排出ローラは、用紙を用紙受けへ送るための
ものであり、用紙受けの基部にそれぞれ配置されてい
る。前記ガイド機構は、排出ローラとの間で上下方向に
用紙をガイドするためのものであり、排出ローラに対向
しつつ上下に延びている。前記ソート爪は、用紙を任意
の用紙受け側へガイドするためのガイド面を有してお
り、前記排出ローラの中心線方向側方にそれぞれ配置さ
れている。

また、前記排出ローラは、その最下端が前記ソート爪
のガイド面よりも下方に配置されている。

〔作用〕

本発明に係るソーターでは、供給されてきた用紙は、
ガイド機構と排出ローラとによって上下方向にガイドさ
れる。そして、任意のガイド受けに対応するソート爪の
作用によって、用紙はある任意の用紙受けに収納され
る。

ここでは、ガイド機構によって搬送されてきた用紙
が、排出ローラとソート爪のガイド面とによって挟持さ
れ、排出方向に搬送される。このとき、排出ローラの最
下端は、ソート爪のガイド面よりも下方に配置されてい
るので、排出ローラとソート爪とが積極的に用紙を挟み
込み、確実に用紙受けに排出する。

〔実施例〕

第１図は本発明の一実施例を採用した複写機の一例を
示している。

第１図において、複写機本体１の上面には原稿台２が
固定されており、原稿台２上には開閉自在の原稿押え３
が配置されている。複写機本体１の図右側には、バイパ
ストレイ４と１対の給紙カセット5,6とが着脱自在に装
着されている。複写機本体１の図左側には、本発明の一
実施例としてのソーター７が装着されている。

複写機本体１の内部において、その上部には原稿読み
取りのための露光装置８が設けられている。この露光装
置８は、光源，ミラー，レンズ等から構成されている。
また、複写機本体１の中央部には、静電潜像が形成され
る感光体ドラム９が配置されている。感光体ドラム９の
周囲には、感光体ドラム９を所定の電荷に帯電させる主
帯電装置10、静電潜像を現像する現像装置11、用紙にト
ナー像を転写する転写装置12、感光体ドラム９から用紙
を分離する用紙分離装置13、及び感光体ドラム９上の残
留トナーを除去するクリーニング装置14が配置されてい
る。

バイパストレイ４及び給紙カセット5,6と感光体ドラ
ム９等によって構成される画像形成部との間及びその画
像形成部よりも下流側には、それぞれ、用紙を搬送する
給紙搬送路17及び排紙搬送路18が設けられている。給紙
カセット5,6の給紙搬送路17側端部には、給紙カセット
5,6内の用紙を給紙搬送路17側に１枚ずつ送るための給
紙ローラ16a,16bが設けられている。また、排紙搬送路1
8とソーター７との間には、搬送されてきた用紙上の転
写像を定着するための定着装置20と、定着後の用紙をソ
ーター７側へ排出するための排出ローラ19とが配置され
ている。

ソーター７は、排出ローラ19からの用紙を受ける搬入
経路29と、上下方向の間隔を隔てて配置された複数（た
とえば11枚）の用紙受け30a,30bと、搬入経路29と用紙
受け30a,30bとの間に配置された分配機構31とを有して
いる。なお、用紙受け30a,30bのうち、上端に配置され
ているのがノンソート用紙受け30aであり、その下方に
配置されているのがソート用紙受け30bである。

分配機構31は、第２図に示すように、上下に配置され
た１対の大型ローラ32,33を有している。そのうち下側
の大型ローラ33には、図示しない駆動源が連結され得る
ようになっている。両大型ローラ32,33には、ガイドベ
ルト34が掛けわたされている。一方、ソート用紙受け30
bの基部には、第３図に示すように、各用紙受け30bに対
応する複数の排出ローラ35と、各排出ローラ35の下方に
位置するソート爪36とが配置されている。

各排出ローラ35は、ガイドベルト34の用紙受け30b側
表面に圧接している。この排出ローラ35は、柔らかいス
ポンジ質の部材（たとえば、発泡モルトプレン）からな
り、ソーター７のケース7aによって回転のみ自在に支持
されている。排出ローラ35の硬度は、好ましくは15°〜
25°、より好ましくは18°〜23°、さらに好ましくは19
°〜21°である。なお、この値は、JISの測定法に基づ
き高分子硬度計（Ｃタイプ）を用いて測定したものであ
る。

各排出ローラ35は、第５図に示すように、その最下端
がソート爪36のガイド面36aよりも下方になるように配
置されている。ここで、排出ローラ35とガイド面36aと
のオーバーラップ両αは、好ましくは0.3〜1.0mm、より
好ましくは0.5〜0.8mm、さらに好ましくは0.6〜0.7mmで
ある。この結果、排出ローラ35は、搬送されてきた用紙
の後端がガイドベルト34から離れた後でも、外周面を変
形させながらガイド面36aとの間で用紙を確実に挟み込
むことができる。

各ソート爪36には、各々独立に作動し得るソレノイド
機構（図示せず）が連結されており、第３図の上端のソ
ート爪36のようなソート姿勢と、その下方のソート爪36
のようなノンソート姿勢との間で切り換えられるように
なっている。なお、各対の排出ローラ35及びソート爪36
とそれに対応する用紙受け30bとの間の壁面7bには、用
紙を通過させるための開口37が形成されている。

ガイドベルト34の内周側には、第２図に示すように上
下１対、第４図に示すように左右１対のガイドホルダー
40が配置されている。このガイドホルダー40は、板金製
の部材である。ガイドホルダー40の背面（第２図の右側
面）には、付勢機構41が配置されている。付勢機構41
は、各ガイドホルダー40の上下両端部及び左右両端部に
４個設けられている。第４図に示すように、付勢機構41
は、ケース7aに両端が固定された水平方向に延びるステ
イ42に取りつけられている。ステイ42には、付勢機構41
のスタッドピン43の一端が固定されている。スタッドピ
ン43の中間部は、ガイドホルダー40の両側に設けられた
孔44に摺動自在に挿入されている。ガイドホルダー40と
ステイ42との間において、スタッドピン43にはコイルば
ね45が圧縮状態で装着されている。このコイルばね45に
よって、ガイドホルダー40は排出ローラ35側に常時付勢
されている。ガイドホルダー40は、その両側部に、孔44
を有するローラ収納部46を有している。ローラ収納部46
内には、ガイドベルト34を介して排出ローラ35に対向す
るガイドローラ47が配置されている。ガイドローラ47の
中心軸48は、ガイドホルダー40に回転自在に支持されて
いる。

第２図に示すように、ノンソート用紙受け30aの基部
上方に配置された用紙を通過させるための開口50には、
１対の排出ローラ51が配置されている。排出ローラ51と
搬入経路29との間には、大型ローラ32の上面にガイドベ
ルト34を介して当接する当該ローラ52と、用紙の搬送方
向を振り分けるための分岐爪53とが配置されている。分
岐爪53は、図示しないソレノイド機構に連結されてお
り、第２図に示されたソート用紙受け30b側への搬送姿
勢と、ノンソート用紙受け30a側への搬送姿勢（図示せ
ず）との間で姿勢が切り換えられるようになっている。

なお、分岐爪53の下方には、ガイドベルト34に対して
僅かな隙間を隔てて排出ローラ35側に延びるガイド板54
が設けられている。また、最下端の排出ローラ35に対応
するソート爪は設けられておらず、それに代えて固定の
ガイド板55が設けられている。

次に、上述の実施例の動作を説明する。

第１図の複写機において、コピー動作が開始される
と、バイパストレイ４及び給紙カセット5,6のうち選択
されたものから用紙が転写装置12側に供給される。一
方、原稿台２上に載置された原稿が露光装置８によって
走査され、原稿の画像情報が感光体ドラム９上に静電潜
像として形成される。形成された静電潜像は現像装置11
によって現像され、得られたトナー画像は転写装置12に
よって用紙上に転写される。画像が転写された用紙は、
定着装置20によって定着処理が施された後、ソーター７
の搬入経路29に導入される。

ここで、仮にノンソートモードが設定されているとす
ると、第２図のソーター７の分岐爪53は大型ローラ32側
に回動した状態となっている。したがって、用紙は、搬
入経路29から排出ローラ51及び開口50を介して用紙受け
30a上に載置される。

一方、ソートモードが設定されている場合には、ソー
ター７の分岐爪53は第２図の姿勢に配置されている。こ
の結果、用紙は搬入経路29から分岐爪53の下方を通り、
ガイド板54とガイドベルト34との間を通って下方に搬送
される。このとき、大型ローラ33が駆動されることによ
り、ガイドベルト34は矢印Ｘ方向に循環している。ここ
では、付勢機構41によってガイドローラ47が排出ローラ
35側に弾性的に付勢されているので、ガイドベルト34,
排出ローラ35及びガイドローラ47は互いに圧接状態にあ
る。したがって、ガイドベルト34が循環すると、それに
伴って排出ローラ35及びガイドローラ47も回転する。こ
の結果、用紙は、ガイドベルト34の駆動力によって下方
に搬送される。

最初の用紙がガイドベルト34にガイドされて搬送され
てきたときには、最上のソート爪36が第３図に示すよう
にガイドホルダー40側に倒れた姿勢となる。この結果、
用紙は、ガイドベルト34と排出ローラ35との間に挟まれ
て搬送されると同時に、ソート爪36の上面に沿って用紙
受け30b側にガイドされる。この結果、用紙は開口37を
通過して最上の用紙受け30bに収納される。次に用紙が
搬送されてきたときには、最上のソート爪36は退避姿勢
となり、２番目のソート爪36がガイドホルダー40側に倒
れた姿勢となる。これによって、用紙は２番目の用紙受
け30bに収納される。このように、ソート枚数に応じて
次々とソート爪36の切り換えが行われ、ソート用紙受け
30b内に分配された状態で用紙が収納される。

上述の動作時においては、排出ローラ35の最下端がガ
イド面36aよりも下方に配置されているので、排出ロー
ラ35とガイド面36aとにより用紙が積極的に挟み込ま
れ、用紙の排出が確実に行われる。また、排出ローラ35
はスポンジ質の柔らかい部材からなるので、用紙が通過
する際には排出ローラ35の外周面が変形し、用紙の後端
は蹴り出されるように排出される。この結果、スムーズ
な用紙の排出が行える。

〔他の実施例〕

上述の実施例では、排出ローラを柔らかい材質にして
ガイド面とオーバーラップすることにより、排出力を向
上させるようにしたが、排出ローラにフランジを付けて
フランジ部分でオーバーラップさせる構成としてもよ
い。

第６図及び第７図に示すように、フランジ35aは、排
出ローラ35のソート爪36側端面に配置されている。フラ
ンジ35aの直径は、排出ローラ35の直径よりも大きく、
その下端はソート爪36のガイド面36aよりも下方になる
よう配置されている。フランジ36aの材質は、上述の実
施例と同様に、スポンジ質の柔らかいものである。この
場合、排出ローラ35は従来通りの硬いゴム質のものでも
よい。

これにより、フランジ35aがガイド面36aとの間で用紙
を積極的に挟み込む。また、用紙が通過する際には、フ
ランジ35aが外周を変形させながら用紙の後端を蹴り出
すように排出し、確実な用紙の排出が行える。

〔発明の効果〕

本発明に係るソーターでは、排出ローラの最下端のソ
ート爪のガイド面よりも下方に配置されているので、用
紙搬送時に排出ローラとソート爪とによる確実な用紙の
搬送が行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例が採用された複写機の縦断面
概略図、第２図は本発明の一実施例の縦断面概略図、第
３図はその一部拡大図であり第４図のIII−III断面に相
当する図、第４図は第３図のIV−IV断面図、第５図は第
３図の拡大部分図、第６図及び第７図は他の実施例にお
ける第４図及び第５図に相当する図である。 ７…ソーター、30b…用紙受け、34…ガイドベルト、35
…排出ローラ、35a…フランジ、36…ソート爪、36a…ガ
イド面。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】供給された用紙を分配して収納するための
   ソーターであって、 上下方向の間隔を隔てて配置された複数の用紙受けと、 前記用紙受けの基部にそれぞれ配置された、前記用紙を
   用紙受けへ送るための複数の排出ローラと、 前記排出ローラに対向しつつ上下に延び、前記排出ロー
   ラとの間で上下方向に前記用紙をガイドするためのガイ
   ド機構と、 前記排出ローラの中心線方向側方にそれぞれ配置され
   た、前記用紙を任意の用紙受け側へガイドするためのガ
   イド面を有する複数のソート爪とを備え、 前記排出ローラはその最下端が前記ソート爪のガイド面
   よりも下方に配置されている、 ソーター。