JP2756788B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2756788B2 JP13983688A JP13983688A JP2756788B2 JP 2756788 B2 JP2756788 B2 JP 2756788B2 JP 13983688 A JP13983688 A JP 13983688A JP 13983688 A JP13983688 A JP 13983688A JP 2756788 B2 JP2756788 B2 JP 2756788B2
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    • G03G5/02Charge-receiving layers
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    • G03G5/06Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being organic
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真感光体に関し、更に詳しくは、高感
度で、電子写真特性の安定な電子写真感光体に関するも
のである。
[従来の技術] 近年、無機感光体の持つ欠点を克服する目的で様々な
有機光導電性化合物を主成分とする感光層を有する有機
感光体の研究・開発が盛んに行なわれている。例えば特
公昭50-10496号公報には、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ルと2,4−7−トリニトロ−9−フルオレノンを含有す
る単層構成の有機感光体が記載されている。しかしなが
ら、この感光体は、感度及び耐久性において必ずしも満
足できるものではない。このような欠点を改良するため
にキャリア発生機能とキャリア輸送機能とをそれぞれ異
なる物質に分担させ、より高性能の有機感光体を開発す
る試みがなされている。このようないわゆる機能分離型
の感光体は、それぞれの材料を広い範囲から選択するこ
とができ、任意の性能を有する感光体を比較的容易に作
成し得ることから多くの研究がなされてきた。
[発明が解決しようとする問題点] 上記のような機能分離型の感光体において、そのキャ
リア発生物質として、無機化合物や有機化合物等の数多
くの化合物が今までに提案されている。
このうち有機化合物をキャリア発生物質として用いる
電子写真感光体の代表例としては、ビスアゾ化合物(電
子写真学会第59回研究討論会p.179,1987)、フタロシア
ニン化合物(特開昭61-239248)、アズレニウム化合物
(電子写真学会第55回研究討論会p.60,1985)、スクエ
アリウム化合物(特開昭61-37846)、多環キノン系化合
物等が挙げられる。
これらの中でも特に多環キノン顔料を含有する電子写
真感光体は高感度で電子写真特性の安定性が良く、とり
わけ帯電電位やくり返し特性が良く、しかも高温高湿、
低温低湿等の環境条件下における使用においても比較的
安定な電子写真特性を示すことからその使用が注目され
ている。
さらに多環キノン顔料は、これを感光体に使用したと
きは、570nm付近でその吸収スペクトルが急激に低下す
るため、赤色の色再現性が非常によく、原稿中の赤色の
アンダーラインや朱肉による押印の再現が鮮明である。
しかしこのような多環キノン顔料を含有する電子写真
感光体であっても近年の複写機におけるコピースピード
の高速化や複写機の小型化の要請には未だ感度の点で不
十分であり、より一層の改善が望まれる。
従って本発明の目的は、感度が一層改善せられ、かつ
残留電位が小さく、また繰り返し使用してもそれらの特
性の変化が小さい耐久性に優れた電子写真感光体を提供
することにある。
本発明の上記目的は、導電性支持体上に多環キノン顔
料を含有してなる感光層を有する電子写真感光体におい
て、粒子形状における短軸長さをa、長軸長さをbとす
る時、前記多項キノン顔料がb/a>2である高結晶性多
環キノン顔料とb/a≦2である低結晶性多環状キノン顔
料から構成されており、且つ該高結晶性多環キノン顔料
と低結晶性多環状キノン顔料の構成比が95:5〜50:50で
あることを特徴とする電子写真感光体によって達成され
る。
本発明の電子写真感光体に用いられる好ましい多環キ
ノン顔料は下記一般式(A)、(B)又は(C)で表さ
れる群から選ばれる少なくとも1種である。
(式中、Xはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アシ
ル基又はカルボキシル基を表し、nは0ないし4の整
数、mは0ないし6の整数を表す。) 上記一般式(A)で表されるアントアントロン系顔料
の具体的化合物としては、次のものを挙げることができ
る。
上記一般式(B)で表されるジベンズピレンキノン系
顔料の具体例としては次の通りである。
上記一般式(C)で表されるピラントロン系顔料の具
体例としては次の通りである。
本発明において感光層に用いられる多環キノン顔料
は、高結晶性多環キノン顔料と低結晶性多環キノン顔料
とから構成されている。本明細書において、高結晶性多
環キノン顔料とは、その粒子形状における短軸長さを
a、その長軸長さをbとすれば、b/a>2のものをい
う。また低結晶性多環キノン顔料とは、その短軸長さa
を、その長軸長さbとするとb/a≦のものをいう。
また長軸長さbを任意に選ばれた結晶いおいて最も長
い距離をもつ軸(長軸)の長さを示し、また短軸長さa
は、前記長軸の2等分点を通り、かつ最も短い距離をも
つ軸(短軸)の長さを示す。
本発明でいうb/aは前記それぞれの結晶のb/aの平均値
を示す。
そして本発明に用いられる多環キノン顔料は高結晶の
もの及び低結晶のもののいずれもその平均粒径が2μm
以下とするのが望ましい。ここでいう平均粒径とは前記
多環キノン顔料の長軸長さbの平均値を意味する。本発
明に用いられる多環キノン顔料を2μm以下と微細化す
ることによって、感光体表面に対するその粒径の影響を
防止でき、感光体表面を平滑にできると共に、顔料分散
液を安定化できる。平均粒径が2μmを越えると、凸部
が表面に生じ易いが、2μm以下ではそうした凸部を実
質的になくし平坦な表面を実現できる上に、分散液中の
粒子の沈降を少なくして液の安定化を図れる。この結
果、放電破壊やトナーフィルミングの生じない感光体を
得ることが可能になる。多環キノン顔料の平均粒径は2
μm以下とするのがよいが、1μm以下とするのがより
望ましく、0.5μm以下が更に望ましい。但、平均粒径
があまりに小さいと、却って結晶欠陥が増えて感度及び
繰返し特性が低下し、また微細化する上で限界があるの
で、平均粒径の下限を0.01μmとするのが望ましい。
本発明においてb/a>2の高結晶性多環キノン顔料
は、一般に、昇華精製法又は化学精製法によって得られ
る。
昇華精製法は、具体的には市販の多環キノン顔料を真
空蒸着装置内に配置したグラファイト製の蒸発源に充填
し、温度350〜400℃で、5〜90分間昇華せしめ蒸発源15
〜50cm上方に配置した基板上に沈着させ、これを取り出
し、かき取り、ボールミル等で12〜36時間粉砕する。こ
の昇華精製の際に用いられる真空蒸発装置内の真空度は
1×10-4〜6×10-4Torrが適当である。
化学精製方では、多環キノン顔料の主成分として含有
する粗製原料をモノクロルベンゼン、ニトロベンゼン、
β−ナフトール、1−クロロナフタレン等より選択され
る非イオン性有機溶剤と、イオン性溶剤(硫酸、発煙硫
酸、無水硫酸、酢酸及びそのハロゲン誘導体、リン酸か
ら選ばれる酸;又は水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロ
ンチウム、水酸化バリウムから選ばれるアルカリ)とを
混合せしめたボーダーライン溶剤で処理して結晶熟成
後、洗浄し、濾別分離すると、高結晶性の多環キノン顔
料が得られる。この顔料は高結晶性で高純度に得られ、
高い帯電電位と感度、良好な繰返し安定性を示す感光体
用として非常に好適なものである。
使用する非イオン性溶剤の極性については特に限定は
ないが、例えば双極子モーメントが1.0〜5.0(デバイ単
位)のものを用いることができる。このように、極性の
ある(即ち、OH、Cl、NO2等の極性のある置換基を有す
る)ことに加えて高沸点を有する芳香族系の溶剤が好ま
しい。
本発明に用いられる非イオン性溶剤としては、たとえ
ば酸素原子、窒素原子、ハロゲン原子等を有するポーラ
ーな溶剤が好ましいが、たとえば、塩素、臭素、ヨウ
素、フッ素などのハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ
基、フェノキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、エ
ステル基、アミド基、ニトリル基、ホルミル基、アミノ
基、メルカプト基、スルホ尾、スルホンアミド基などの
置換基の付いた芳香族炭化水素および複素環化合物が挙
げられる。双極子モーメント1.0〜5.0(デバイ単位)の
有機溶剤は、例えば、テクニク・オブ・オーガニック・
ケミストリ(TECHNIQUEOF ORGANIC CHEMISTRY)vol VI
I,1955年版 インターサイエンス・パブリッシャー社,
‘ニューヨーク’に記載されている。
本発明に有効な溶剤の具体例としては例えば次のもの
が挙げられる。
フェネトール、アニトール、o−クレゾール、m−ト
ルイジン、フルオロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、
アニリン、p−トルイジン、m−クレゾール、p−クレ
ゾール、モノクロルベンゼン、1−クロロナフタレン、
β−ナフトール、o−トルイジン、ベンジルアルコー
ル、フェノール、ブロムベンゼン、ベンジルアセテー
ト、o−クロロアニリン、m−フルオロトルエン、メチ
ルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、エチルベンゾ
エート、p−フルオロトルエン、ピリジン、o−ジクロ
ルベンゼン、ジブチルフタレート、メチルサリチレー
ト、ベンズアルデヒド、フェニルアセトニトリル、ニト
ロベンゼン、ベンゾニトリル、o−ニトロアニソール。
以上に述べた化学精製法にる多環キノン顔料は、実際
には粉砕、分散せしめて所望の粒径となされる。
分散方法としては、例えばボールミル、ホモジナイザ
ー、サンドグラインダー、コロイドミル、超音波等を用
いる方法が適用可能である。
本発明に用いられる低結晶性多環キノン顔料は、市販
のものを昇華精製又は化学精製することなしに、そのま
ま用いればよい。
一般に市販の多環キノン顔料は、そのb/aが0.5〜2で
あり、これをそのまま用いることができる。これらの多
環キノン顔料も好ましくは平均粒径2μm以下に粉砕処
理される。
粉砕処理としては、例えばボールミル、ハンマーミ
ル、サンドグライダー、遠心ミル、コロイドミル、ジェ
ットミル、ターボミル等が挙げられる。
本発明における感光層を形成するのに使用する液は、
上記の多環キノン顔料を適当な有機溶剤中(これにはバ
インダー樹脂を含有せしめてもよい。)に分散させるこ
とによって得ることができる。
本発明の電子写真感光体の感光層において用いられる
前記高結晶性多環キノン顔料と低結晶性多環キノン顔料
の使用割合は95:5〜50:50であることが好ましく、更に
好ましくは90:10〜70:30である。
このような範囲内において本発明の高結晶多環キノン
顔料と低結晶多環キノン顔料を感光層に含有せしめるこ
とによって、帯電能の向上、高感度化、低暗減衰という
電子写真感光体としての性能向上の目的が達成できる。
本発明の高結晶多環キノン顔料及び低結晶多環キノン
顔料のバインダー樹脂中への添加は同時に又は別々に行
なうことができる。この際有機溶剤を用いることができ
る。
本発明に使用可能なバインダー樹脂としては、例えば
ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタク
リル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリ
コン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型
樹脂、重縮合型樹脂並びにこれらの樹脂の繰返し単位の
うちの2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−
無水マレイン酸共重合体樹脂等を挙げることができる。
しかしバインダー樹脂はこれらに限定されるものではな
く、斯かる用途に一般に用いられるすべての樹脂を使用
することができる。
特にポリカーボネート樹脂としては下記一般式(I)
で示されるくり返し単位を有する線状ポリマーが包含さ
れる。
一般式(I) 式中R1′およびR2′は各々水素原子、アルキル基、
例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オク
チル、ノニル、デシル等、またはアリール基、例えばフ
ェニル、ナフチル等を表わし、またR1′とR2′が共同
で炭化水素環(シクロヘキシル環の如きシクロアルカン
環、ノルボニル環の如きポリシクロアルカン環を含
む。)を形成してもよい。又、R3′,R4′,R5′および
6′は各々水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基
又はハロゲン原子、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子等を表わし、Aは から選ばれる二価の基を表わす。
1′およびR2′におけるアルキル基としては、好ま
しくは炭素原子数1〜22のものであり、炭化水素環とし
ては、好ましくは5〜7員のものであり、該炭化水素環
の炭素原子数の総和は5〜19の範囲が好ましい。
又、特に本発明に好ましく用いられるポリカーボネー
ト樹脂としては下記一般式(II)で示されるくり返し単
位を含む線状ポリマーが包含される。
一般式(II) ここにR′はフェニレン基、ハロゲン置換フェニレン
基、アルキル置換フェニレン基(特に炭素原子数1〜20
のアルキル置換フェニレン基)を表わし、R1′とR2
は各々前記ポリカーボネートの一般式(I)におけるR
1′およびR2′と同じである。
一般式(I)および(II)において、各基および各環
は未置換のものに限らず、例えばハロゲン原子(例えば
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)アルキル基(例え
ば炭素原子数1〜20のアルキル基)、アリール基等の置
換基を有するものも含まれる。
また、本発明で使用する有機溶剤としては、例えばメ
チレンクロライド、メチレンブロマイド、1,2−ジクロ
ルエタン、sym−テトラクロロエタン、cis−1,2−ジク
ロルエチレン、1,1,2−トリクロルエタン、クロロホル
ム、プロモホルム、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
ピリジン等の単独溶媒あるいはこれらを主成分として含
有する各種混合溶媒が挙げられる。
以下、本発明の実施例を図面参照下に詳細に説明す
る。
第1図は、キャリア発生層2中に、上述の高結晶性多
環キノン顔料粒子5及び低結晶性多環キノン顔料6を含
有せしめた機能分離型の電子写真感光体を示す。この場
合、キャリア発生層2はバインダー樹脂を含有せしめて
もよいし、或いは含有せしめなくてもよい。含有せしめ
なくても、上層としてキャリア輸送層3を設けるので、
高結晶性及び低結晶性多環キノン顔料粒子5及び6を感
光層中に保持することはできる。
キャリア発生層2の乾燥膜厚は0.05〜10μ、好ましく
は0.1〜5μであり、通常のディップ塗布、ナイフ塗
布、ロール塗布、ワイヤーバー塗布及びスプレー塗布等
の1つを用いて塗布される。
キャリア発生層2では、キャリア発生物質(本発明の
高結晶性及び低結晶性多環キノン顔料)100重量部に対
しバインダーを0〜500(望ましくは0〜200)重量部と
するのがよい。この範囲を外れ、バインダーが500重量
部を越えると感度不足となる。キャリア輸送物質として
は、縮合多環式化合物、芳香族アミノ化合物、アシルヒ
ドラゾン誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導
体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、イミダゾ
ロン誘導体、イミダゾチオン誘導体、オキサジアゾール
誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、
カルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール誘
導体等の電子供与性物質の他フルオレノン誘導体等の電
子受容性物質の任意の1種又は数種のものが用いられ
る。
バインダー樹脂とキャリア輸送物質との配合割合はバ
インダー樹脂100重量部当りキャリア輸送物10〜300重量
部(好ましくは50〜200重量部)であるのがよい。この
範囲を外れて、キャリア輸送物質が少なすぎるとその効
果が乏しく、また多すぎると被膜形成能が悪くなり、か
つ電荷保持能が低下する。
また、このキャリア輸送層3の厚さは2〜100μ、好
ましくは5〜30μである。
尚、このキャリア輸送層3には、可撓性の向上、残留
電位の低減、反復使用時の疲労低減の目的で種々の添加
剤を含有せしめることができる。
第2図は、感光層4を上記の高結晶性多環キノン顔料
粒子5及び低結晶性多環キノン顔料粒子6を上記のキャ
リア輸送物質及びバインダー樹脂を含有するキャリア輸
送相3で固めた2相からなる物質で形成した例を示す。
この場合には、感光層4において、キャリア発生物質
として用いられる高結晶性及び低結晶性多環キノン顔料
粒子はバインダー100重量部当り1〜200(望ましくは10
〜100)重量部とするのがよいが、これは、1重量部未
満では感度が悪く、200重量部を越えると、被膜形成能
が悪くなるからである。また、キャリア輸送物質はバイ
ンダー100重量部当り10〜300(望ましくは50〜200)重
量部とするのがよいが、これは10重量部未満だと効果に
乏しく、300重量部を越えると被膜形成能及び電荷保持
能が低下するからである。
第3図は、バインダー樹脂9中に高密度に高結晶性及
び低結晶性多環キノン顔料粒子5及び6を分布させた単
層分散型感光体である。
また、上記の基体1としては、導電性支持体が好適で
あるが、絶縁性支持体表面にAl等の導電膜を設け、この
上に感光層を形成してもよい。導電性支持体1の材料と
しては、例えばアルミニウム、ニッケル、銅、亜鉛、パ
ラジウム、銀、インジウム、錫、白金、金、ステンレス
鋼、真鍮等の金属を用いることができる。
また、上述の各感光層は、導電性支持体上に設けた中
間層(図示せず)上に形成せしめることもできる。この
中間層は感光層の帯電時において導電性支持体から感光
層へのフリーキャリアの注入を阻止すると共に、感光層
を導電性支持体に対して一体的に接着保持せしめる接着
層としての作用を果す。この中間層の材質としては、酸
化アルミニウム、酸化インジウム等の金属酸化物、アク
リル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂、エポキシ樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹
脂、重縮合型樹脂、並びにこれらの樹脂の繰返し単位の
うちの2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
−無水マレイン酸共重合体樹脂等を挙げることができ
る。しかしここで用い得る樹脂はこれらに限定されるも
のではなく、斯かる用途に一般に用いられる全ての樹脂
を使用することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明す
る。
[実施例] 実施例1 市販の低結晶性多環キノン顔料(b/a=1)である4,1
0−ジブロムアントアントロン(Monolite Red 2Y ICI社
製,CI,No.59300)(例示化合物A3)を真空蒸着装置内に
配置したグラファイト製の蒸発源に充填し、温度350℃
で5分間昇華せしめ、蒸発源の15cm上方に配置した基板
上に沈着させた。斯くして得られた高結晶性多環キノン
顔料(b/a=10)3.8g及び前記市販の未精製低結晶性多
環キノン顔料(b/a=1)0.2gを1,2−ジクロルエタン10
0mlに加えて48時間ボールミルにより分散を行なってキ
ャリア発生層形成用塗布液を得た。次にアルミニウムを
ポリエチレンテレフタレートフィルムにラミネートした
導電性支持体上に厚さ0.1ミクロンの塩化ビニル−酢酸
ビニル−無水マレイン酸重合体樹脂より成る中間層を設
け、前記キャリア発生層形成用塗布液をワイヤーバー塗
布法により前記中間層上に塗布して厚さ1ミクロンのキ
ャリア発生層を形成した。一方、下記構造の4−メチル
−4′−(p−クロロスチリル)トリフェルアミン10g
と2−4,6−トリニトロ−1−クロルベンゼン0.01gとポ
リカーボネート樹脂「パンライトL−1250」(帝人化成
社製)13gとを1,2−ジクロルエタン100mlの溶剤中に溶
解せしめ、ここに得られたキャリア輸送層をドクターブ
レードに塗布法により前記キャリア発生層上に塗布し、
温度80℃で1時間乾燥させて厚さ14ミクロンのキャリア
輸送層を形成した。この本発明の試料をNo.1とする。
実施例2 市販のアントアントロン(b/a=1.5)を硫酸中で臭素
化したのち、水あけして得られた臭素化アントアントロ
ン微粉末(例示化合物A3)50gをニトロベンゼン100ml及
びH2SO42mlからなるボーダーライン溶媒に加え、100℃
で10時間ゆっくり撹拌したのち放冷した。次いで、濾
過、洗浄して高結晶性臭素化アントアントロン顔料47.4
gを得た。得られた本発明の高結晶性多環キノン顔料(b
/a=15)28g及び化学精製処理を施さない市販のアント
アントロン(b/a=1.5)12gを磁製ボールミルに充填
し、毎分40回転(最大粉砕エネルギーを与える臨界回転
数は70回転)で1時間粉砕した。次にポリカーボネート
樹脂「パンライトL−1250」(帝人化成社製)20gを1,2
−ジクロルエタン1300mlに溶解した溶液を加え24時間分
散処理してキャリア発生層形成用塗布液を得た。
この塗布液を実施例1と同様の支持体上の中間層の上
にワイヤーバー塗布法により厚さ1ミクロンのキャリア
発生層を形成し、次いで実施例1と同様のキャリア輸送
層形成用塗布液をドクターブレード塗布法により塗布
し、温度80℃で1時間乾燥させて厚さ14ミクロンのキャ
リア輸送層を形成した。これを本発明の試料No.2とす
る。
実施例3 実施例1において、高結晶性多環キノン顔料(b/a=
5)2.0g、低結晶性多環キノン顔料(b/a=0.5)を2.0g
それぞれ用いた以外は実施例1と同様にして本発明の電
子写真感光体を形成した。これを本発明の試料No.3とす
る。
比較例1 実施例1において、高結晶性多環キノン顔料(b/a=1
0)を4.0g用い、低結晶性多環キノン顔料を全く使用し
ない他は実施例1と同様にして比較用電子写真感光体を
形成した。これを比較試料Aとする。
比較例2 実施例1において高結晶性多環キノン顔料を全く用い
ず、低結晶性多環キノン顔料(b/a=1)を4.0gを用い
た以外は実施例1と同様にして比較の電子写真感光体b
を形成した。
評価 本発明の試料1〜3並びに比較試料A及びBについ
て、それぞれ、エレクトロメーター「SP-428型)(川口
電機製作所製)に装着し、帯電器放電極に対する印加電
圧を−6KVとして5秒間帯電操作を行ない、この帯電操
作直後における感光層表面の帯電電位V0(V)と、こ
の帯電を終了した後、5秒後の値V1から、初期値V0
対する暗減率の暗減衰(DD)とその後の光照射により、
帯電電位が500Vから50Vまで減衰するので必要に照射光
▲E500 50▼(lx.sec)とを測定した。
第1表にこれらの測定結果を示す。
これらの結果から、本発明に従って、高結晶性多環キ
ノン顔料と低結晶性多環キノンの双方を含有する本発明
の電子写真感光体は、可視光に対する感度が著しく改善
され、及び反復使用時における安定性等も向上ないしは
改善されており、さらには電荷保持率も良好であること
が判る。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は本発明の各種電子写真感光体の各概略拡大
断面図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、多環キノン顔料を含有
    してなる感光層を有する電子写真感光体において、粒子
    形状における短軸長さをa、長軸長さをbとする時、前
    記多環キノン顔料がb/a>2である高結晶性多環キノン
    顔料とb/a≦2である低結晶性多環状キノン顔料から構
    成されており、且つ該高結晶性多環キノン顔料と低結晶
    性多環状キノン顔料の構成比が95:5〜50:50であること
    を特徴とする電子写真感光体。
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