JPH0784567B2 - 感光体用高結晶性臭素化アンスアンスロン顔料の製造方法 - Google Patents

感光体用高結晶性臭素化アンスアンスロン顔料の製造方法

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JPH0784567B2 JP15188285A JP15188285A JPH0784567B2 JP H0784567 B2 JPH0784567 B2 JP H0784567B2 JP 15188285 A JP15188285 A JP 15188285A JP 15188285 A JP15188285 A JP 15188285A JP H0784567 B2 JPH0784567 B2 JP H0784567B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は感光体、特に電子写真感光体用高結晶性臭素化
アンスアンスロン顔料の製造方法に関するものである。
ロ.従来技術 一般に、可視光を吸収してキャリアを発生する物質は、
無定形セレン等のごく一部のものを除いては、それ自体
でフィルムを形成せしめることが困難であり、しかもそ
の表面に与えられた電荷に対する保持力に乏しい欠点を
有している。これとは逆に、フィルム形成能に優れ、か
つ10μm程度の厚さで500V以上の電荷を長時間に亘って
保持し得る物質は、概して可視光の吸収による十分な光
導電性を有しない欠点を有している。
このような理由から、第5A図に示す如くAl等の導電性基
体1上に、可視光を吸収して荷電キャリアを発生する物
質を含むキャリア発生層2を下びき層5を介して設け、
更にキャリア発生層で発生した荷電キャリアの正負いず
れか一方または両方の輸送を行なうキャリア輸送層3を
設けて積層体4となし、この積層体により感光層を構成
せしめることが提案された。このように、荷電キャリア
の発生と輸送とを別個の物質に分担させることによっ
て、材料の選択範囲が広くなり、電子写真プロセスにお
いて要求される諸特性、例えば電荷保持力、表面強度、
可視光に対する感度及び反復使用時における安定性等を
向上又は改善せしめることができるようになった。
なお、第5B図のように、キャリア発生層2をキャリア輸
送層3上に設けた構成としてもよい。
こうした感光体において、感光層、特にキャリア発生層
に高級有機顔料としての臭素化アンスアンスロン顔料を
使用することが知られている。この顔料は、従来の無機
系粒子やペリレン系顔料の場合に比べて高感度となり、
均一でスクラッチ性の良い感光層を得ることができる。
しかしながら、この顔料を電子写真感光体として使用す
るためには、その結晶性及び純度の双方を高める必要が
あるが、これを実現する上で昇華精製法が有効である。
但し、本発明者が検討を加えたところ、従来法による場
合、得られた顔料を粉砕、分散して感光層用の塗料とす
る際、顔料に加えられるシエア・ストレス(share stre
ss)が大きいと(基板温度が高く、顔料粒子が大で高結
晶のとき)結晶格子が歪んだり、分散容器から不純物が
混入したりし易い。このため、帯電能や感度が低下し、
繰返し電位低下量が増す傾向がある。逆に、顔料に加え
るシェア・ストレスが小さい場合(この場合は、基板温
度が低く、顔料粒子が小で低結晶)、電子写真特性が劣
化し、不適当である。
ハ.発明の目的 本発明の目的は、高い帯電電位と感度を示し、繰返し安
定性の良好な感光体を得るのに好適な高結晶性臭素化ア
ンスアンスロン顔料の製造方法を提供することにある。
ニ.発明の構成及びその作用効果 即ち、本発明は下記構造式: で表わされる臭素化アンスアンスロンを主成分とする原
料を非イオン性溶剤(特に芳香族有機溶剤)で処理して
結晶化せしめ、この結晶を洗浄、濾別分離する工程を経
て、X線回析スペクトルの2θ=18.4゜及び26.7゜にお
ける回析強度の半値幅をそれぞれΔθ(18.4゜)及びΔ
θ(26.7゜)としたときに{Δθ(18.4゜)≦0.8゜}
及び/又は{Δθ(26.7゜)≦1゜}である前記臭素化
アンスアンスロンを得る感光体用高結晶性臭素化アンス
アンスロン顔料の製造方法に係るものである。
本発明者は、本発明に到達する過程で、記述した如き顔
料の粉砕はその結晶欠陥密度を大きくして特性を劣化せ
しめ、この結晶欠陥密度は上記臭素化アンスアンスロン
顔料の固有のX線回析スペクトルの回析角2θ=18.4゜
及び26.7゜での回析強度の半値幅(即ち、回析強度スペ
クトルのピークの1/2の強度でのスペクトル幅)Δθと
密に関連があることを見出した。従来の昇華精製法で得
られた臭素化アンスアンスロン顔料のスペクトルを第6
図に示すが、これをボールミルで粉砕すると第7図のよ
うに2θ=18.4゜でのピークがなまったり、Δθ(18.4
゜)及びΔθ(26.7゜)が大きくなる。これらのΔθ
は、後述するように粉砕時間に応じて更に大きくなる。
他方、次の如き方法で臭素化アンスアンスロン顔料を製
造することを試みた。
即ち、下記構造式で示されるアンスアンスロンを硫酸中
で臭素化したあと水あけし、濾別分離して本発明で製造
するものと同一構造式の臭素化アンスアンスロンを得、
これを洗浄、乾燥した。
ところがこの場合、第8図に示すようにΔθが大きくな
りすぎ、無定形の非結晶質の粒子しか得られない。ま
た、臭素化の度合を増すと、第9図のように2θ=18.4
゜でのピークが消失し、かつΔθ(26.7゜)が大きくな
ってしまう。
ところが、上記の方法で臭素化した試料、即ち上記した
臭素化アンスアンスロンを濾別分離し、これを主成分と
して含有する粗製原料を、モノクロルベンゼン、ニトロ
ベンゼン、β−ナフトール、1−クロロナフタレン等よ
り選択される非イオン性有機溶剤で処理して結晶熟成後
洗浄し、濾別分離すると、高結晶性の臭素化アンスアン
スロン顔料が得られることが判明した。この顔料は高結
晶性で高純度に得られ、高い帯電電位と感度、良好な繰
返し安定性を示す感光体用として非常に好適なものであ
ることが分った。
第1図は上記非イオン性有機溶剤を用いた場合の各スペ
クトルを示すが、半値幅Δθが小さくてピークも大きい
こと、即ち結晶性及び純度が良好であることが分る。
また、こうしたいわば化学精製法によって、第2図に示
すアモルファス状の原料から第3図に示す結晶性のきれ
いな精製品が得られることが分った。また、この化学精
製法によるときは、顔料が分解することがなく、脱Brに
よる腐食もなく、収率良く目的物が得られる。即ち、上
記に説明した本発明の製造方法によれば、次の利点があ
る。
(1).化学性製法であるから、熱分解し易い原料であ
っても操作条件の管理が容易である。
(2).収量及び収率が高い。
(3).脱臭素反応で酸が発生して装置を腐食すること
がない。
(4).精製コストが安い。
(5).結晶性及び純度を大幅に高め、有機半導体用原
料として充分使用可能な顔料が得られる。
(6).製造コストが安く、高い感度と繰返し安定性を
有する電子写真感光体を実現できる。
本発明の方法において、使用する非イオン性溶剤(特に
芳香族系有機溶剤)の双極子モーメントが1.0〜5.0(デ
バイ単位)であるのが望ましい。このように極性のある
(即ち、OH、Cl、No2等の極性のある置換基を有する)
ことに加えて高沸点を有する芳香族系溶剤がよい。
つまり、こうした溶剤は高温処理に耐える上に、アンス
アンスロンと親和してその結晶格子を緩める作用があ
る。
本発明に用いられる非イオン性溶剤としては、例えば酸
素原子、窒素原子、ハロゲン原子等を有するポーラーな
溶剤が好ましいが、例えば塩素、臭素、ヨウ素、フッ素
などのハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、フェノ
キシ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、エステル基、
アミド基、ニトリル基、ホルミル基、アミノ基、メルカ
プト基、スルホ基、スルホンアミド基などの置換基の付
いた芳香族炭化水素および複素環化合物が挙げられる。
双極子モーメント1.0〜5.0(デバイ単位)の有機溶剤
は、例えばテクニク・オブ・オーガニック・ケミストリ
(TECHNIQUE OF ORGANIC CHEMISTRY)vol VII,1955年版
インターサイエンス・パブリッシャー社,ニューヨーク
に記載されている。
本発明に有効な溶剤の具体例としては、例えば次のもの
が挙げられる。フェネトール、アニソール、o−クレゾ
ール、m−トルイジン、フルオロベンゼン、m−ジクロ
ロベンゼン、アニリン、p−トルイジン、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、モノクロルベンゼン、1−クロロ
ナフタレン、β−ナフトール、o−トルイジン、ベンジ
ルアルコール、フェノール、ブロムベンゼン、ベンジル
アセテート、o−クロロアニリン、m−フルオロトルエ
ン、メチルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、エチ
ルベンゾエート、p−フルオロトルエン、ピリジン、o
−ジクロルベンゼン、ジブチルフタレート、メチルサリ
チレート、ベンズアルデヒド、フェニルアセトニトリ
ル、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、o−ニトロアニ
ソール。
以上に述べた化学精製法による臭素化アンスアンスロン
顔料は、実際には粉砕、分散せしめて所望の粒径となさ
れる。その際、第4図のように(但し、ニトロベンゼン
により化学精製した試料のデータ)粉砕時間(40回転/
分のボールミルを使用)に応じてΔθが変化し、特に粉
砕時間の選択によって、{Δθ(18.4゜)≦0.8゜}及
び/又は{Δθ(26.7゜)≦1゜}にできることが分っ
た。こうした半値幅範囲によって、後述のデータから明
らかなように、顔料粒子の結晶欠陥密度が低下し、電子
写真特性が大きく向上するのである。
また、臭素化アンスアンスロン顔料の粒子形状につい
て、その短軸長さをa、その長軸長さをbとすれば、b/
a≧1.1とするのが望ましい。即ち、この比によって優れ
た特性が得られることが分った。但し、微粒化に伴っ
て、Δθが増加する他に強度(絶対値)も低下するの
で、Δθ≦1゜を満たしていても充分な結晶性をもたな
いことも生じ得る。換言すれば、Δθ≦1゜であって
も、b/a<1.1では粒子の結晶性が低下し易くなるので、
b/a≧1.1、更には1.1≦b/a≦20とするのが効果的であ
る。ここで長軸長さbとは、電子顕微鏡写真において任
意に選ばれた結晶において、最も長い距離をもつ軸(長
軸)の長さを示す。また短軸長さaとは、前記長軸の2
等分点を通り、かつ最も短かい距離をもつ軸(短軸)の
長さを示す。
電子顕微鏡写真において任意に結晶を選択する方法とし
て、例えば本発明では、1cm間隔で縦、横それぞれ5本
づつ写真上に線を引き、その交点にある結晶を選択し
た。これらの結晶の長軸長さb、短軸長さaを測定し、
それぞれの結晶のb/aを算出した。本発明でいうb/aと
は、前記それぞれの結晶のb/aの平均値を示す。
そして、臭素化アンスアンスロン顔料粒子の平均粒径
(ここでは、上記長軸長bの平均値を意味する。)は2
μm以下とするのが望ましい。即ち、2μm以下と微細
化することによって、感光体表面に対するその粒径の影
響を防止でき、感光体表面を平滑にできると共に、顔料
分散液を安定化できる。平均粒径が2μmを越えると、
凸部が表面に生じ易いが、2μm以下ではそうした凸部
を実質的になくし平坦な表面を実現できる上に、分散液
中の粒子の沈降を少なくして液の安定化を図れる。この
結果、放電破壊やトナーフィルミングの生じない感光体
を得ることが可能になる。顔料の平均粒径は2μm以下
とするのがよいが、1μm以下とするのがより望まし
く、0.5μm以下が更に望ましい。但、平均粒径があま
りに小さいと、却って結晶欠陥が増えて感度及び繰返し
特性が低下し、また微細化する上で限界があるので、平
均粒系の下限を0.01μmとするのが望ましい。
なお、本発明の感光体に使用可能なバインダー樹脂とし
ては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル
樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型
樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂並びにこれらの樹脂
の繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂、例
えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂等を挙げる
ことができる。しかし、バインダー樹脂はこれらに限定
されるものではなく、斯かる用途に一般に用いられるす
べての樹脂を使用することができる。
本発明においてキャリア輸送層に使用されるキャリア輸
送物質としてはオキサゾール誘導体、オキサジアゾール
誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ト
リアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン
誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘
導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾ
チアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾ
リン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、
フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ヒドラゾ
ン誘導体、ビフェニルアミン誘導体、トリフェニルアミ
ン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−
ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン、2,4,7
−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフ
ルオレノン、2,7−ジニトロフルオレノン等が挙げられ
る。
また、本発明の感光層の形状に使用する有機溶媒として
は、例えばメチレンクロライド、メチレンブロマイド、
1,2−ジクロルエタン、sym−テトラクロロエタン、cis
−1,2−ジクロルエチレン、1,1,2−トリクロルエタン、
クロロホルム、ブロモホルム、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、ピリジン等の単独溶媒あるいはこれらを主成
分として含有する各種混合溶媒が挙げられる。
ホ.実施例 以下、本発明の実施例を図面参照下に詳細に説明する。
実施例1 アンスアンスロンを硫酸中で臭素化したのち、水あけし
て得られた臭素化アンスアンスロン微粉末50gをニトロ
ベンゼン100mlに加え、150℃で8時間ゆっくり撹拌した
のち放冷した。次いで濾過、洗浄して高結晶性臭素化ア
ンスアンスロン顔料49.0gを得た。精製顔料のX線回析
スペクトル(日本電子製JDX10RA CuKα1,541Å)を第
1図に示す。
得られた精製顔料40gを磁製ボールミルに充填し、毎分4
0回転(最大粉砕エネルギーを与える臨界回転数は70回
転)で1時間粉砕した。
次にポリカーボネート樹脂「パンライトL−1250」(帝
人化成社製)20gを1,2−ジクロルエタン1300mlに溶解し
た溶液を加え、24時間分散処理してキャリア発生層形成
用塗布液を得た。
得られた塗布液の一部を用いて顔料を濾別分離し、X線
回析スペクトルの半値幅を測定した結果を表−1に示
す。
また電子顕微鏡にて観察した結果、 ▲▼=2.4、=0.6μの針状結晶であることを確
認した。
比較例1 実施例1に使用した結晶化処理を施さない原料のX線回
析スペクトルを第8図に示した。その▲▼=1.0
6、=0.3μであった。
実施例2 実施例1において、ボールミル粉砕時間を10時間とした
他は実施例1と同様にして、キャリア発生層形成用塗布
液を作成した。X線回析スペクトルの半値幅測定値を表
−1に示す。
また電子顕微鏡観察の結果、 ▲▼=2.0、=0.4μであった。
実施例3 実施例1において、ボールミル粉砕時間を20時間とし
た。X線回析スペクトルの半値幅測定値を表−1に示
す。
▲▼=1.5、=0.4μであった。
実施例4 実施例1において、ボールミル粉砕時間を2時間とし
た。半値幅を表−1に示した。
▲▼=2.3、=0.6μであった。
比較例2 実施例1において、ボールミル粉砕時間を48時間とし
た。半値幅を表−1に示した。
▲▼=1.3、=0.3μであった。
実施例5 実施例1において、ボールミル回転数を55rpm、粉砕時
間を10時間とした。半値幅を表−1に示した。
▲▼=1.7、=0.4μであった。
実施例6 実施例1において、ボールミル回転数を70rpm、粉砕時
間を5時間とした。半値幅を表−1に示した。
▲▼=1.05、=0.2μであった。
比較例3 実施例1において、ボールミル回転数を70rpm、粉砕時
間を10時間とした。半値幅を表−1に示した。
▲▼=1.03、=0.2μであった。
以上に得られた試料及び比較試料のパラメータ値をまと
めて表−1に示す。
表中、「実」は実施例を、「比」は比較例を示す。
以上の実施例、比較例で得たキャリア発生層形成用塗布
液を用いて以下の方法で電子写真感光体ドラムを作成し
た。
100φのアルミドラム上に、乾燥重量が0.1g/m2の塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂「エス
レックMF−10」(積水化学工業社製)より成る中間層を
ディップ塗布法によって設けたのち、前記キャリア発生
層形成用塗布液を同じくディップ塗布法によって前記中
間層上に塗布して、乾燥重量が2.1g/m2のキャリア発生
層を得た。
一方、次の構造式で表わされるキャリア輸送物質2.25g 2,4,6−トリニトロ−1−クロルベンゼン0.225g、ポリ
カーボネート樹脂300gを1,2−ジクロルエタン2000mlに
溶解して得られたキャリア輸送層形成用塗布液をディッ
プ塗布法により前記キャリア発生層上に塗布して、乾燥
重量が19g/m2のキャリア輸送層を形成し、以って本発明
及び比較の電子写真感光体(第5A図)を作成した。
なお、上記に代えて、キャリア輸送層をまず形成し、こ
の上にキャリア発生層を形成してもよい。(第5B図) 以上の実施例及び比較例で得られた試料及び比較試料を
感光体試験機(小西六写真工業製)に装着し、表面電位
計「エレクトロスタチックボルトメータ144D−1D型」
(モンローエレクトロニクスインコーポレーテッド製)
を用いて、帯電電位V0(V)、表面電位を−600Vから−
100Vに減ずるのに必要な露光量▲E600 100▼(lux、se
c)及び表面電位を−600Vとし5秒後の電位保持率DD
(%)を調べた。
また、5000回の繰返し試験を行ない、帯電電位の安定性
を調べた。
なお、帯電電位が600Vに充たない試料については、帯電
電流値を標準値より増加させて▲E600 100▼及びDDを測
定した。
結果を表−2に示す(表−2中の試料No.は表−1の実
施例No.及び比較例No.に対応)。
表−1、2から、本発明による試料では感度及び電位保
持性能が良好となることが分る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明を説明するためのものであって、 第1図、第6図、第7図、第8図、第9図はキャリア発
生物質の各X線回析スペクトル図、 第2図はキャリア発生物質の原料の粒子構造を示す顕微
鏡写真、 第3図はキャリア発生物質の粒子構造を示す顕微鏡写
真、 第4図は粉砕時間による半値幅の変化を示すグラフ、 第5A図及び第5B図は電子写真感光体の各断面図 である。 なお、図面に示す符号において、 1……導電性基体 2……キャリア発生層 3……キャリア輸送層 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野守 弘之 東京都八王子市石川町2970番地 小西六写 真工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−67934(JP,A) 特開 昭57−180666(JP,A) 特公 平3−57470(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造式: で表わされる臭素化アンスアンスロンを主成分とする原
    料を非イオン性溶剤で処理して結晶化せしめ、この結晶
    を洗浄、濾別分離する工程を経て、X線回析スペクトル
    の2θ=18.4゜及び26.7゜における回析強度の半値幅を
    それぞれΔθ(18.4゜)及びΔθ(26.7゜)としたとき
    に{Δθ(18.4゜)≦0.8゜}及び/又は{Δθ(26.7
    ゜)≦1゜}である前記臭素化アンスアンスロンを得る
    感光体用高結晶性臭素化アンスアンスロン顔料の製造方
    法。
JP15188285A 1985-07-10 1985-07-10 感光体用高結晶性臭素化アンスアンスロン顔料の製造方法 Expired - Lifetime JPH0784567B2 (ja)

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