JP2754893B2 - コードレススチームアイロン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般家庭において使用する自動給水型のコー
ドレススチームアイロンに関するものである。

従来の技術 従来、コードレススチームアイロンとしては各種のも
のが販売されている。代表的な構造の一例を第５図に示
しているが、いづれの場合も取り外し可能なカセット型
の水タンク１をアイロン本体２に取り付けた構造となっ
ており、水タンク１の容量も200cc前後と比較的大型
で、自動給水機構を備えた構造のものはなく、当然のこ
とながら水量検出装置に類するものも一切取り付けられ
ていない。

一方、自動給水という点に限ってみれば、クリーニン
グ業などの専門家が使用する職業用アイロンにおいては
実用化されているものがある。第６図に示すようにアイ
ロン本体３には電源コード４とともに給水用のホース５
がつながれており、離れたところに設置したポンプなど
の給水駆動部を持った大型の水タンク６に接続された構
造のものが一般的である。しかしこの種のアイロンはア
イロン本体３内に水を貯留しておくタンクは備えておら
ず、給水用のホース５を介して送られた水を直接気化さ
せる構造のものであり、このため水量検出装置は備えて
いない。

発明が解決しようとする課題 このような従来の構造のコードレススチームアイロン
の場合は、自動給水機構がないため、アイロン使用中に
水タンク１の水がなくなるたびにアイロン本体２からカ
セット型の水タンク１を取り外し、水を入れ直して使用
する必要があった。ちなみに一般家庭においてアイロン
を使用する場合、１回のアイロンかけで使用する水の量
は平均400cc程度であることが知られており、このこと
から通常使用において平均１〜２回は水タンク１の水を
入れ直す必要があるものと考えられる。

そこでこの問題点を解消するために考えられた方法が
自動給水であるが、職業用アイロンのように給水ホース
をつないだまま使用するのではコードレスにした意味が
ない。コードレスアイロンとしてのメリットを生かすた
めには、アイロンスタンドからアイロン本体を外して使
用する間（平均８〜10秒）に、必要な水（15〜20cc）を
貯めておく小型の水タンクをアイロン本体に備えておく
必要がある。その場合、自動給水を行った時に、この小
型の水タンクが満水になったことを何等かの方法で検出
しなければ、自動給水動作を停止することができないと
いう問題が生じることになる。

そこで、本発明はアイロン本体内に設けた小型水タン
クの中に所定量の水が給水されたことを検出し、自動給
水動作を適切なタイミングで停止することができるコー
ドレススチームアイロンを提供することを第１の目的と
している。

第２の目的は水アカ等の汚れをなくしセンサの信頼性
を高めたコードレススチームアイロンを提供することに
ある。

第３の目的は水アカ等の汚れをより確実になくしセン
サの信頼性を一層高めたコードレススチームアイロンを
提供することにある。

課題を解決するための手段 そして上記第１の目的を達成するために本発明の第１
の技術手段は、小型水タンクを装備したアイロン本体
と、このアイロン本体へ自動給水を行う給水ポンプを内
蔵するとともにアイロン本体の置き台として電源供給機
能を有するアイロンスタンドとからなり、前記アイロン
本体の小型水タンク上部にはフロート式水位センサを取
り付け、このフロート式水位センサは、小型水タンクの
上部壁面から一部突出して透光性で円筒状のパイプが設
けられ、この突出部分の外周上には発光素子および受光
素子が配設され、前記パイプの上部には通気孔が形成さ
れるとともに小型水タンク内に突出した部分にはスリッ
トが切られ、その内部に上下動可能にフロートを設け、
このフロートは前記パイプの下部に設けられたフロート
受けにより小型水タンク内に落下しないように構成さ
れ、フロートにより発光素子および受光素子間の光線を
遮断し小型水タンクの満水を検知する構成とする。

また第２の目的を達成するための本発明の第２の技術
的手段は、さらに、フロートを円柱フロートとし、この
円柱フロートの上端部で発光素子および受光素子間の光
線を遮断し、小型水タンクの満水を検知する構成とす
る。

さらに第３の目的を達成するための本発明の第３の技
術的手段は、さらにまた発光素子および受光素子の配設
された突出部分のパイプの内径は、フロート上部から細
長く突出している遮断部材が摺動可能になるよう細く形
成し、小型水タンクが満水状態の時にはフロートにより
パイプが閉塞されるように弁部を形成したものである。

作用 本発明のフロート式水位センサを設けた自動給水型の
コードレススチームアイロンは、上記構成により自動給
水時、小型水タンク内の水位がまだ低くフロートが発光
素子の高さまで来ていない場合は、発光素子より発した
光線は受光素子で検出され、その入力信号を受けてまだ
満水でないと判断し給水を続ける。しかしやがて水位が
上がりフロートが発光素子の高さまでくると、発光素子
より発した光線がこのフロートによって遮断され受光素
子で検出させず入力信号がなくなるのでこれを受けて満
水であると判断し給水を止める。以上のように小型水タ
ンク内の水量が所定量に達したことを的確に検出するこ
とができるようになるものである。

またフロートを円柱フロートとすることで水面からよ
り上方へフロートの先端が来るようになる。すると発光
素子からの光線が透過する高さまで水面が上昇する前
に、光線が円柱フロートの先端で遮断されて給水が停止
するので発光素子が設けてある位置のパイプ内面が水で
濡れて水アカが付着することはないものである。

また溢水防止弁を設け、フロートに遮断部材を突出し
て設けたことにより、発光素子および受光素子が設けて
ある位置まで水面が上昇する前に、小型水タンクが溢水
防止弁の作用により密閉状態となり、それと同時に遮断
部材が光線を遮断して給水が停止するもので、発光素子
が設けてある位置まで水位が来ることがなくその位置の
パイプ内面が水で濡れることはない。よって水アカ等の
汚れをより確実になくすことができセンサの信頼性を一
層高め誤動作がなくなるものである。

実施例 以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづいて説明
する。

第１図において、７は小型水タンクを装備したアイロ
ン本体、８はアイロン本体７へ自動給水を行う給水機構
を内蔵するとともにアイロン本体の置き台として電源供
給機能を有するアイロンスタンドである。９はアイロン
本体７に装備された前記の小型水タンクで、約20ccの貯
水量を有している。10は小型水タンク９の上部に取り付
けられたフロート式水位センサである。

また11はアイロンスタンド８内に設けられたメイン水
タンクで、１回のアイロンかけ作業を行うのに必要十分
な量（400〜500cc）の水を収容することができる。12は
同じくアイロンスタンド８内に給水用に設けられたモー
タポンプで、水路接続器13を介してアイロン本体７の小
型水タンク９に給水することができるように構成されて
いる。これらメイン水タンク11およびモータポンプ12で
アイロン本体７へ自動給水を行う前記の給水機構を構成
している。なお、14はアイロンベースである。

第２図はこのフロート式水位センサ10の構造を示した
もので、透明樹脂あるいはガラス等からなる透光性で円
筒状のパイプ10aが小型水タンク９の上部壁面9aから一
部突出したかたちで設けられており、上部は小型水タン
ク９の通気孔10bを兼ねている。球形をしたフロート10c
は比重約0.8の樹脂ボールよりなり、パイプ10a内を上下
動可能となっている。またパイプ10aの小型水タンク９
内に突出した部分には側面にスリット10dが切られてお
り、小型水タンク９内の水が自由に出入りできるように
なっている。また下部にはフロート10cが落ちないよう
にフロート受け10eが設けられている。また赤外線等を
発光する発光素子15と受光する受光素子16はパイプ10a
の外周上で小型水タンク９の上部壁面9aより上部に位置
し、発光素子15から発した光線をパイプ10a内を横方向
に透過させて受光素子16で受けるように配置されてい
る。

次に、この一実施例の構成における作用を説明する。
アイロン本体７がアイロンスタンド８にセットされる
と、モータポンプ12が動作しメイン水タンク11の水が水
路接続器13を通って小型水タンク９に送り込まれる。そ
して、小型水タンク９内の水が増え水位が上昇すると、
それにともなってフロート10cもほぼ水位と同レベルで
上方へ移動する。そしてフロート10cが発光素子15に達
すると、第２図（Ａ）に示した状態から同（Ｂ）に示し
た状態に変化し、発光素子15から発した光線は（Ａ）に
示した矢印の向きに受光素子16に到達する経路から
（Ｂ）に示したようなフロート10cで反射してしまう経
路に変わり、受光素子16へ到達しなくなる。

このような状態変化を、受光素子16の出力で電気的に
監視しておれば、小型水タンク９内に所定量の水が溜ま
った時点を検出することが可能であり、これによりモー
タポンプ12の動作を制御し、給水を停止させることがで
きる。

次に第３図をもとに本発明の第２の実施例について説
明する。第１図、第２図とはフロートが円柱フロート10
fとなっている点で相違している。この円柱フロート10f
は中空構造の樹脂からできていて比重約0.5である。

この一実施例の構成における作用を説明する。小型水
タンク９内の水が増えると円柱フロート10fは浮力によ
って上昇し、第３図（Ａ）から同（Ｂ）に示した状態に
変化する。このとき円柱フロート10fは球状のフロート
と比較して縦方向に長く比重が約0.5なので全長のおよ
そ半分が水面上に浮かび上がることになる。すると水位
が発光素子15に達する前に発光素子15から発した光線は
円柱フロート10fの先端で反射して満水であることを検
知することができる。

このように円柱フロート10fの上端部で発光素子15お
よび受光素子16間の光線を遮断し、小型水タンク９の満
水時に発光素子15および受光素子16部分が水面より上方
位置となるようにしたので、発光素子15が設けてある位
置のパイプ10a内面が水で濡れて水アカが付着すること
はなくなるものである。

ここで、上記実施例では円柱フロートの比重を約0.5
としたがこの値に限定したものではなく、円柱フロート
の上端が水面よりも高い位置にくれば同じ効果が得られ
るものである。

次に第４図ををもとに本発明の第３の実施例について
説明する。第１、第２の実施例と同一部分には同一符号
を付している。

第４図において、パイプ10g内には弁部10hが設けら
れ、小型水タンク９内が満水状態となったときフロート
10cで閉鎖されて小型水タンク９から水があふれ出すの
を防止する。すなわち弁部10hとフロート10cにより溢水
防止弁を構成している。またフロート10の上部にはピン
上の遮断部材10iが突出している。さらにパイプ10gの内
径は遮断部材10iが摺動する部分だけ遮断部材10iの径に
合せて細くなっている。この遮断部材10iが摺動するパ
イプ10位置には発光素子17および受光素子18が設けられ
ている。そして溢水防止弁10hの作用による小型水タン
クの密閉状態時には遮断部材10iが発光素子17および受
光素子18間の光線を遮断する。

上記構成においてその動作を説明する。自動給水機構
が動作して水が小型水タンク９内に送り込まれ、小型水
タンク９内の水が増えるとフロート10cは浮力によって
上昇する。このときフロート10cには遮断部材10iが設け
られているが、フロート10cと比較してはるかに軽量な
ために浮力にはほとんど影響されず上へ押され、小型水
タンク９内の水量は第４図（Ａ）から同（Ｂ）のように
変化する。この時、図から明らかなように溢水防止弁10
gとフロート10cとで小型水タンク９は密閉される。と同
時に遮断部材10iが発光素子17の位置まで達して、発光
素子17から発した光線は（Ａ）に示した矢印のように受
光素子18に到達する経路から（Ｂ）に示したようなフロ
ート10cで反射する経路に変わり、受光素子18へ到達し
なくなる。このような状態変化により満水を検知してモ
ータポンプ12の動作を制御し、給水を停止させることが
できる。すなわち水面が発光素子17や受光素子18に達す
る前に給水を停止させることができ、発光素子17が設け
てある位置のパイプ10g内面が水で濡れて水アカが付着
することがなくなるものである。

ここで上記実施例ではフロート形状として球状のフロ
ートを用いた場合を示したが、その限りではなく溢水防
止弁を構成して小型水タンクが密閉できる形状ならば同
じ効果が得られるものである。

発明の効果 以上のように本発明は、アイロン本体の小型水タンク
に、発光，受光素子とフロートよりなるフロート式水位
センサを取り付けたものであるので、コードレススチー
ムアイロンに自動給水機構を付加する場合、アイロン本
体内の小型水タンクの水量を的確に検出し、所定水量に
達した時点で自動給水を確実に停止することができるよ
うになるもので、きわめて有用なものである。

また本発明は、フロートの形状を柱状にすることで、
信頼性を高めることができる。例えば球状のフロートで
はフロートと水位がほぼ同じ高さで上昇するので長期間
繰り返し使用していると検出部分のパイプ内面が水アカ
で汚れて誤動作することがあるが、これを防ぐことがで
き信頼性の高い動作ができるものである。また球状の場
合と比較して、同じ内径のパイプ内におさまるにもかか
わらず体積が増え、かつ中空円柱形状とすれば浮力が増
加してパイプ内の目詰まりにも強いという効果もある。

次に溢水防止弁および遮断部材を設けることで、発
光，受光素子の位置まで水位が来るのを完全に防止で
き、繰り返し使用することでパイプ内面が水アカで汚れ
て誤動作するのを防ぐことができるものである。また万
が一、発光，受光素子あるいは検出回路が故障しても溢
水防止弁が小型水タンクを機械的に閉鎖するので水が溢
れ出ることもなく、信頼性を大幅に向上させることがで
きるもので非常に実用的なものである。さらに発光素子
と受光素子の間に遮断部材だけが通れるだけの距離があ
ればよく、間隔を狭くすることができる。よって発光素
子の光線出力が小さい小型の素子ですみ、大きさの限ら
れたアイロン本体内に設置するには非常に効果的なもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の自動給水型のコードレスス
チームアイロンを一部破断して示した側面図、第２図は
同コードレススチームアイロンに用いたフロート式水位
センサの動作を示す要部断面図、第３図および第４図は
それぞれ他の実施例を示すフロート式水位センサの動作
を示す要部断面図、第５図は従来のコードレススチーム
アイロンのアイロン本体を示す側面図、第６図は従来の
業務用の自動給水スチームアイロンを示す側面図であ
る。 ７……アイロン本体、８……アイロンスタンド、９……
小型水タンク、10……フロート式水位センサ、10a,10g
……円筒パイプ、10b……通気孔、10c……フロート、10
f……円柱フロート、10h……溢水防止弁、10i……遮断
部材、12……モータポンプ、15,17……発光素子、16,18
……受光素子。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 真一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−12700（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−172222（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−112600（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−121100（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−136699（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−104346（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−10900（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) D06F 79/02 D06F 75/14 D06F 75/26

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】小型水タンクを装備したアイロン本体と、
   このアイロン本体へ自動給水を行う給水ポンプを内蔵す
   るとともにアイロン本体の置き台として電源供給機能を
   有するアイロンスタンドとからなり、前記アイロン本体
   の小型水タンク上部にはフロート式水位センサを取り付
   け、このフロート式水位センサは、小型水タンクの上部
   壁面から一部突出して透光性で円筒状のパイプが設けら
   れ、この突出部分の外周上には発光素子および受光素子
   が配設され、前記パイプの上部には通気孔が形成される
   とともに小型水タンク内に突出した部分にはスリットが
   切られ、その内部に上下動可能にフロートを設け、この
   フロートは前記パイプの下部に設けられたフロート受け
   により小型水タンク内に落下しないように構成され、フ
   ロートにより発光素子および受光素子間の光線を遮断し
   小型水タンクの満水を検知するコードレススチームアイ
   ロン。
2. 【請求項２】フロートを円柱フロートとし、この円柱フ
   ロートの上端部で発光素子および受光素子間の光線を遮
   断し、小型水タンクの満水を検知する請求項１記載のコ
   ードレススチームアイロン。
3. 【請求項３】発光素子および受光素子の配設された突出
   部分のパイプの内径は、フロート上部から細長く突出し
   ている遮断部材が摺動可能になるよう細く形成し、小型
   水タンクが満水状態の時にはフロートによりパイプが閉
   塞されるように弁部を形成した請求項１記載のコードレ
   ススチームアイロン。