JP2754644B2 - 新規リグナン類およびリグナン類を有効成分とする5―リポキシゲナーゼ阻害剤およびアルドースリダクターゼ阻害剤 - Google Patents

新規リグナン類およびリグナン類を有効成分とする5―リポキシゲナーゼ阻害剤およびアルドースリダクターゼ阻害剤

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JP2754644B2 JP33530588A JP33530588A JP2754644B2 JP 2754644 B2 JP2754644 B2 JP 2754644B2 JP 33530588 A JP33530588 A JP 33530588A JP 33530588 A JP33530588 A JP 33530588A JP 2754644 B2 JP2754644 B2 JP 2754644B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規リグナン類、炎症をはじめ血栓症、アレ
ルギー、喘息等のアラキドン酸代謝異常に基づく病態に
対処する医薬として有用な5−リポキシゲナーゼ阻害作
用を有するリグナン類および糖尿病における各種合併症
の治療に有用なアルドースリダクターゼ阻害作用を有す
るリグナン類に関するものである。
[従来の技術および課題] 近年、我が国の公害問題や環境変化に伴い、気管支喘
息や花粉症等のアレルギー性疾患の患者が増加してい
る。また、高年令人口の増加により血栓による起こる循
環器疾患の増加が目立つようになり、大きな社会問題に
なっている。
5−リポキシゲナーゼはアラキドン酸カスケードの重
要な酵素であり、この酵素の阻害物質は炎症をはじめ血
栓症、アレルギー、喘息などアラキドン酸代謝異常に基
づく種々の病態に対処する医薬として有用であると考え
られている。
また、近年、白内障、網膜症、腎障害等の糖尿病にお
ける各種合併症の成因として、グルコースの代謝経路で
あるポリオール経路を介した細胞内ソルビトールの蓄積
が注目されている。ポリオール経路は、グルコース、ガ
ラクトース等のアルドースがソルビトール、ガラクトチ
オール等のポリオールを介してフルクトース等のケトー
スに変換される代謝経路であり、免疫組織化学的手法に
より全身臓器に広く存在することが明らかになってき
た。
この経路の第一段階であるアルドース−ポリオール間
の変換を触媒する酵素をアルドースリダクターゼとい
い、この酵素がポリオール経路の律速酵素と考えられて
いる。このアルドースリダクターゼを阻害し、ソルビト
ールの生産や蓄積を低下させることが、糖尿病患者にお
ける合併症の治療に有効であるという報告がなされてい
る。
[課題を解決するための手段] 本発明者等はアラキドン酸代謝異常により起こる疾患
に有効な5−リポキゲナーゼ阻害作用を有する化合物お
よび糖尿病の合併症の治療に有効なアルドースリダクタ
ーゼ阻害作用を有する化合物を求めて研究を続けてお
り、現在までに数種の新規化合物を含む上記の作用を有
する化合物類を発表している(特許願昭和62年第198195
号、特許願昭和第327389号、特許願昭和62年第327390
号)。今回さらに鋭意研究を続けた結果、グアヤク脂に
新規リグナンを含む数種のリグナン類に優れた5−リポ
キシゲナーゼ阻害作用およびアルドースリダクターゼ阻
害作用を有することを見いだし、本研究を完成させるに
至った。
すなわち本発明は、次に示す如くである。
(ただし、R1がメチル基のときR2は4−ヒドロキシ−
3−メトキシベンゾイル基を示し、R1が4−ヒドロキシ
−3−メトキシベンゾイル基のときR2はメチル基を示
す。)で表されるリグナン類(以下、式Iの化合物とい
う。)。
で表されるリグナン(以下、式IIの化合物という。)。
で表されるリグナン(以下、式IIIの化合物とい
う。)。
(ただし、R3、R4、R5およびR6はメチル基、4−ヒド
ロキシ−3−メトキシベンゾイル基または4−エトキシ
−3−メトキシベンゾイル基を示す。)で表されるリグ
ナン類を有効成分とする5−リポキシゲナーゼ阻害剤お
よびアルドースリダクターゼ阻害剤(以下、式IVの化合
物という。)。
(ただし、R7およびR8は水素原子または一緒になって
二重結合を、R9は水素原子またはメチル基を、R10は水
素原子、メチル基またはアセチル基を示す。) で表されるリグナンを有効成分とする5−リポキシゲナ
ーゼ阻害剤およびアルドースリダクターゼ阻害剤(以
下、式Vの化合物という。)。
(ただし、R11およびR12は水素原子または一緒になっ
て二重結合を示す。) で表されるリグナン類を有効成分とする5−リポキシゲ
ナーゼ阻害剤およびアルドースリダクターゼ阻害剤(以
下、式VIの化合物という。)。
以下、式I〜VIの化合物をまとめて式の化合物とい
う。
式の化合物は、例えば次のような方法により得ること
ができる。
グアヤク脂(Guaiacum officinale L.の樹脂)をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに繰り返し付すことに
より得られた式の化合物高含有画分を、ODSシリカゲル
を用いたカラムクロマトグラフィーに付すか、n−ヘキ
サン、エーテル、アセトン、エタノール、メタノール、
水の単独もしくはそれ以上の混合溶媒を用いて再結晶す
ることにより得られる。
なおシリカゲルクロマトグラフィーおよびODSシリカ
ゲルを用いたカラムクロマトグラフィーには、n−ヘキ
サン、シクロヘキサン、ベンゼン、エーテル、テトラヒ
ドロフラン、クロロホルム、塩化メチレン、酢酸エチ
ル、アセトン、エタノール、メタノール、水から選ばれ
る単独もしくは、それ以上の混合溶媒を用いて溶出す
る。
また、式の化合物は必要に応じて、適宜ヨウ化メチ
ル、ジメチル硫酸あるいはジアゾメタン等の一般的なメ
チル化剤でメチル化したり、無水酢酸とピリジンとの混
合溶媒あるいはアセチルクロライドのような一般的なア
セチル化剤でアセチル化したり、三臭化ホウ素、三塩化
ホウ素あるいは三塩化アルミニウムのような脱メチル化
剤で脱メチル化することにより得ることができる。
次に式の化合物の製造の具体例を示す。
具体例1 式IVのR3およびR5がメチル基、R4およびR6が4−エト
キシ−3−メトキシベンゾイル基である化合物は次のよ
うにして得ることができる。
後記実施例1で得た化合物20.6mgをジメチルホルムア
ミド3mlに溶解し、無水炭酸カリウム15mg、ヨウ化エチ
ル1mlを加え、室温で一夜放置した。反応混合物をエー
テルで希釈し、水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、減
圧濃縮した。得られた残留物30.2mgを酢酸エチルと石油
エーテルとの混合溶媒から結晶化し、無色プリズム晶1
0.5mgを得た。この無色プリズム晶の理化学的性質は以
下のごとくであり、文献[P.L.Majumder and M.Battach
aryya,J.C.S.Chem.Comm.,702−703(1975)]記載のト
ランス−ジエチルフログアイアオキシジン(trans−die
thylfuroguaiaoxidin)、すなわち(E)−1,4−ビス−
(4−エトキシ−3−メトキシフェニル)−2,3−ジメ
チル−2−ブテン−1,4−ジオンの理化学的性質と一致
した。
性状:無色プリズム晶 融点:173〜174℃ マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 412(M+,64),179(100), 151(64) 高分解能マススペクトル C24H28O6(M+): 計算値:412.1886 実測値:412.1897 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 1.52(6H,t,J=7Hz), 1.82(6H,s),3.97(6H,s), 4.21(4H,q,J=7Hz), 6.93(2H,d,J=8Hz) 7.59(2H,d,J=2Hz) 7.63(2H,dd,J=8.2Hz)13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 14.6×2,18.3×2,56.1×2, 64.6×2,110.7×2,111.4×2, 125.2×2,128.5×2, 134.7×2,149.7×2, 153.7×2,198.2×2 具体例2 式IVのR4およびR5がメチル基、R3およびR6が4−エト
キシ−3−メトキシベンゾイル基である化合物は次のよ
うにして得ることができる。
後記実施例2で得た化合物330.7mgをジメチルホルム
アミド7mlに溶解し、無水炭酸カリウム20mgおよびヨウ
化エチル3mlを加え、室温で一夜放置した。反応混合物
をエーテルで希釈し、水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮した。得られた残留物329.8mgを酢酸エチ
ルと石油エーテルとの混合溶媒から結晶化し、淡黄色針
状晶209.2mgを得た。この淡黄色針状晶の理化学的性質
は以下のごとくであり、文献 [P.L.Majumder and M.Battacharyya,J.C.S.Chem.Com
m.,702−703(1975)]記載のシス−ジエチルフログア
イアオキシジン (cis−diethylfuroguaiaoxidin)、すなわち(Z)−
1,4−ビス(4−エトキシ−3−メトキシフェニル)−
2,3−ジメチル−2−ブテン−1,4−ジオンの理化学的性
質と一致した。
性状:淡黄色針状晶 融点:108〜109℃/120〜121℃ マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 412(M+,57),179(100), 151(52) 高分解能マススペクトルC24H28O6(M+): 計算値:412.1886 実測値:412.1889 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 1.47(6H,t,J=7Hz), 2.15(6H,s),3.76(6H,s), 4.12(4H,q,J=7Hz), 6.73(2H,d,J=8Hz), 6.96(2H,d,J=2Hz), 7.18(2H,dd,J=8.2Hz)13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 14.6(q)×2,17.3(q)×2, 55.8(q)×2,64.4(t)×2, 110.7(d)×2,110.9(d)×2, 124.9(d)×2,130.2(s)×2, 138.3(s)×2,149.1(s)×2, 152.8(s)×2,197.8(s)×2 具体例3 式VのR7、R8およびR10が水素原子、R9がメチル基で
ある化合物は次のようにして得ることができる。
グアヤク脂(国産化学社製)275gをシリカゲル(メル
ク社、キーゼルゲル60、70〜230メッシュ、以下同
じ。)1kgを用いたカラムクロマトグロフィーに付し、
n−ヘキサン:アセトン混合溶媒で、順次アセトンの比
率を上げて溶出した。n−ヘキサン:アセトン(1:1)2
lで溶出したフラクションを合併し、減圧濃縮すること
により、得られた残留物4.81gを再度シリカゲル400gを
用いたカラムクロマトグラフィーに付し、ベンゼン:酢
酸エチル(8:1)1.3lで溶出後、さらにベンゼン:酢酸
エチル(8:1)0.55lで溶出した。2番目のベンゼン:酢
酸エチル(8:1)0.55lで溶出したフラクションを減圧濃
縮することにより、得られた残留物1.16gをさらにODSシ
リカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(径22mm、
長30cm)に付し、メタノール:水(6.5:3.5)225mlで溶
出後、さらに、メタノール:水 6.5:3.5)80mlで溶出し
た。2番目のメタノール:水(6.5:3.5)80mlで溶出し
たフラクションを減圧濃縮することにより、残留物とし
て、無色油状物質443.0mgを得た。この無色油状物質の
理化学的性質は以下のごとくであり文献[P.W.Le Quesn
e,J.e.Larrahando,and R.F.Raffauf.J.Nat.Prod.,43,35
3(1980)]記載のネクタンドリンB(nectandrin
B)、すなわち(2R,3R,4S,5R)−2,5−ビス−(4−ヒ
ドロキシ−3−メトキシフェニル)−3,4−ジメチルオ
キソレンの理化学的性質と一致した。
性状:無色油状物質 比旋光度:▲[α]25 D▼ 0° (c=0.95,CHCl3 マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 344(M+,15),192(100), 177(34),145(37) 高分解能マススペクトルC20H24O5(M+): 計算値:344.1623 実測値:344.1617 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 1.03(6H,d.J=6.8Hz), 2.33(2H,m),3.88(6H,s), 4.49(2H,d,J=6.6Hz), 6.91−6.96(6H,m)13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm inCDCl3): 12.9(q)×2,44.3(d)×2, 55.9(q)×2,87.4(d)×2, 109.3(d)×2,114.2(d)×2, 119.3(d)×2,134.2(s)×2, 145.1(s)×2,146.5(s)×2 具体例4 式VのR7、R8およびR10が水素原子、R9がメチル基で
ある化合物は次のようにして得ることができる。
後記実施例4における高速液体クロマトグラフィーに
おいて、保持時間102分〜108分に溶出したフラクション
を減圧乾燥することにより無色油状物質136.3mgを得
た。この無色油状物質は以下に示す理化学的性質から文
献[H.Simomura,Y.Sashida,and M.Oohara,Phytochemist
ry,27,634,(1988)]記載のマチリン−I(machilin−
I)、すなわち(2S,3R,4S,5R)−2,5−ビス−(4−ヒ
ドロキシ−3−メトキシフェニル−3,4−ジメチルオキ
ソレンのラセミ体と決定された。
性状:無色油状物質 比旋光度:▲[α]25 D▼ 0° (C=0.17,CHCl3マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 344(M+,16),192(100), 177(37),145(43) 高分解能マススペクトルC20H24O5(M+): 計算値:344.1624 実測値:344.1634 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3) 0.62(3H,d,J=7Hz), 1.13(3H,d,J=6.5Hz), 2.43(2H.m)3.89(3H,s), 3.91(3H,s), 4.64(1H.d,J=9.2Hz), 5.45(1H,d.J=4.4Hz), 5.54(1H,s),5.58(1H,s), 6.78(1H,dd,J=8.1.8Hz), 6.85(1H,dd,J=8.1.8Hz), 6.89(2H,d,J=8Hz), 6.93(1H,d,J=1.8Hz), 6.95(1H.d.J=1.8Hz)13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 9.4,11.8,43.5,47.6,55.7, 56.0,84.8,85.8,108.4, 108.8,114.0,114.1,118.8, 119.3,132.7,135.1,144.4, 145.1,146.3,146.7 具体例5 式VのR7およびR8が水素原子、R9がメチル基、R10
アセチル基である化合物は、次のようにして得ることが
できる。
具体例3で得た化合物0.71gを無水ピリジン3mlに溶解
し、無水酢酸1.5mlを加え、室温で一夜放置した。反応
混合物をエーテルで希釈し、水で洗い、硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧乾燥した。得られた残渣をエーテルとn
−ヘキサンの混合溶媒から結晶化し、無色プリズム晶0.
49gを得た。このプリズム晶は以下に示す理化学的性質
より下記の構造式で表される(2R,3R,4S,5R)−2,5−ビ
ス−(4−アセトキシ−3−メトキシフェニル)−3,4
−ジメチルオキソレンと決定された。
性状:無色プリズム晶 融点:113−114℃ 比旋光度:▲[α]25 D▼ 0° (c=0.73,CHCl3 マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 428(M+,11)386(23), 234(11),192(100) 高分解能マススペクトルC24H28O7(M+): 計算値:C,67.27;H,6.59 実測値:C,67.27;H,6.69 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 1.07(6H,d,J=6.8Hz), 2.31(2H.m),2.31(6H,s), 3.81(6H,s), 4.58(2H,d,J=6.3Hz), 6.99−7.06(6H,m),13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 13.0(q)×2,20.7(q)×2, 44.4(d)×2,55.9(q)×2, 87.0(d)×2,110.6(d)×2, 118.3(d)×2,122.5(d)×2, 139.1(s)×2,141.1(s)×2, 151.1(s)×2,169.0(s)×2 具体例6 式VのR7とR8が一緒になって二重結合を表し、R9がメ
チル基、R10が水素原子である化合物は次のようにして
得ることができる。
具体例3における1回目のシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにおいてn−ヘキサン:アセトン(7:3)4
l、(6:4)4lで溶出したフラクションを合併し、減圧濃
縮することにより、得られた残留物34.09gを再度シリカ
ゲル580gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、n
−ヘキサン:アセトン(5:1)6.4lで溶出後、さらにn
−ヘキサン:アセトン(1:1)1.4lで溶出した。2番目
のn−ヘキサン:アセトン(1:1)1.4lで溶出したフラ
クションを減圧濃縮することにより、得られた残留物8.
44gを、さらにシリカゲル500gを用いたカラムクロマト
グラフィーに付し、ベンゼン:メタノール(100:1)2.5
lで溶出後、さらにベンゼン:メタノール(100:1)2.5l
で溶出した。2番目のベンゼン:メタノール(100:1)
2.5lで溶出したフラクションを減圧濃縮することにより
得られた残留物をメタノールから結晶化し、淡青緑色針
状晶1.62gを得た。この淡青緑色針状晶の理化学的性質
は以下のごとくであり、文献[J.F.Kratochvil,R.H.Bur
ris,M.K.Seikel and J.H.Harkin,Phytochemistry,10,25
29−2531(1971)]記載のフログアイアシン(furoguai
acin)、すなわち3,4−ジメチル−2,5−ビス−(4−ヒ
ドロキシ−3−メトキシフェニル)−フランの理化学的
性質と一致した。
性状:淡青緑色針状晶 融点:148−149℃ マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 340(M+,100),325(14), 297(11),170(19) 高分解能マススペクトルC20H20O5(M+): 計算値:340.1311 実測値:340.1297 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 2.20(6H,s),3.95(6H,s), 6.99−7.18(6H.m)13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 9.9(q)×2,56.1(q)×2, 108.7(d)×2,114.6(d)×2, 117.7(s)×2,119.4(d)×2, 124.7(s)×2,144.8(s)×2, 146.7(s)×2,147.1(s)×2 具体例7 式VのR7とR8が一緒になって二重結合を表し、R9がメ
チル基、R10がアセチル基である化合物は次のようにし
て得ることができる。
具体例6で得た化合物56.0mgを無水ピリジン0.5mlに
溶解し、無水酢酸0.3mlを加え、室温で一夜放置した。
反応混合物をエーテルで希釈し、水で洗い、硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、減圧乾燥した。得られた残渣をアセトン
とメタノールの混合溶媒で結晶化し、無色微細針状晶5
1.7mgを得た。この無色微細針状晶は、以下に示す理化
学的性質より下記の構造式で表される3,4−ジメチル−
2,5−ビス−(4−アセトキシ−3−メトキシフェニ
ル)−フランと決定された。
性状:無色微細針状晶 マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 424(M+,26)382(30), 340(100) 高分解能マススペクトルC24H24O7(M+): 計算値:424.1521 実測値:424.1512 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 2.23(6H,s),2.34(6H,s), 3.90(6H,s), 7.09(2H.d.J=8Hz), 7.23(2H.dd,J=8,2Hz), 7.27(2H,d,J=2Hz)13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 9.9×2,20.7×2,56.0×2, 110.0×2,118.3×2, 119.3×2,122.9×2, 130.7×2,138.7×2, 147.0×2,151.2×2, 169.1×2 具体例8 式VのR7とR8が一緒になって二重結合を表し、R9および
R10がメチル基である化合物は次のようにして得ること
ができる。
具体例6で得た化合物60mgを無水アセトン5mlに溶解
し、無水炭酸カリウム10mg、ヨウ化メチル2mlを加え、
室温で一夜放置した。反応混合物をエーテルで希釈し、
水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得
られた残留物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラ
フィー(径22mm、長さ30cm)に付し、アセトン:ヘキサ
ン(1:4)200mlで溶出後、アセトン:ヘキサン(1:4)2
0mlで溶出した。2番目のアセトン:ヘキサン(1:4)20
mlで溶出したフラクションを減圧濃縮することにより、
白色粉末5.2mgを得た。この白色粉末は、以下に示す理
化学的性質より、下記の構造式で表される3,4−ジメチ
ル−2,5−ビス−(3,4−ジメトキシフェニル)−フラン
と決定された。
性状:白色粉末 マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 368(M+,100),353(36), 184(16) 高分解能マススペクトルC22H24O5(M+): 計算値:368.1623 実測値:368.1609 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 2.22(6H,s),3.92(6H,s), 3.94(6H,s), 6.94(2H,d,J=8.8Hz), 7.22(2H,dd,J=8.8,2Hz), 7.29(2H,d,J=2Hz)13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 9.9×2,56.0×4,109.3×2, 111.4×2,117.8×2, 118.5×2,125.2×2, 147.0×2,148.1×2, 149.0×2 具体例9 式VIのR11とR12が一緒になって二重結合を表す化合物
は次のようにして得ることができる。
具体例3における1回目のシリカゲルクロマトグラフ
ィーにおいて、n−ヘキサン:アセトン(4:1)で溶出
したフラクションを合併し、減圧濃縮することにより残
留物30.3gを得た。この残留物30.3gを再度シリカゲル54
0gを用いたカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキ
サン:アセトン(1:1)で溶出したフラクションを合併
し、減圧濃縮して得られた残留物23.8gをメタノールと
水の混合溶媒から結晶化し、無色板状晶5.8gを得た。こ
の無色板状晶の理化学的性質は以下のごとくであり文献
[Y.Ikeya,H.Taguchi,I.Yoshioka,and H.Kobayashi,Che
m.Pharm.Bull.,27,1583−1588(1979)]記載のグアイ
アレチックアシッド(guaiaretic acid)すなわち、(1
Z,3S)−1,4−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ
フェニル)−2,3−ジメチル−1−ブテンの理化学的性
質と一致した。
性状:無色板状晶 融点:99.5〜100.5℃ 比旋光度:▲[α]25 D▼ −77.7° (c=1.00,CHCl3 マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 328(M+,8.2),191(59), 159(100),137(19) 高分解能マススペクトル C20H24O4(M+): 計算値:328.1675 実測値:328.1671 元素分析 C20H24O4: 計算値:C,73.13:H,7.37 実測値:C,72.96;H,7.28 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 1.08(3H.d,J=6.7Hz), 1.82(3H.d.J=1.3Hz), 2.51(2H,m), 2.75(1H,dd,J=13,6.5Hz), 3.84(3H,s),3.86(3H,s), 5.47(1H,br s),5.54(1H,br s), 6.11(1H,br s),6.66(3H,m), 6.71(1H,dd,J=8,1.7Hz), 6.82(1J.d.J=8Hz), 6.85(1H,d,J=8Jz)13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3) 15.0(q),19.0(q),41.7(t), 45.6(d),55.9(q)×2, 111.6(d),111.7(d), 114.0(d)×2,121.8(d), 122.0(d),124.6(d), 131.0(s),133.1(s), 141.0(s),143.7(s), 143.9(s),146.1(s),146.2(s) 具体例10 式VIのR11およびR12が水素原子で表される化合物は次
のようにして得ることができる。
具体例9における2回目のシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにおいてn−ヘキサン:アセトン(7:3)で
溶出したフラクションを合併し、減圧濃縮することによ
り得られた残留物1.8gをメタノールと水の混合溶媒から
結晶化し、無色針状晶637.5mgを得た。この無色針状晶
の理化学的性質は下記の如くであり、文献[Y.Ikeya,H.
Taguchi,I.Yoshioka,and H.Kobayashi,Chem.Pharm.Bul
l.,27,1583−1588(1979)]記載のメソジヒドログアイ
アレチックアシッド (meso−dihydroguaiaretic acid)、すなわち(2R,3
S)−1,4−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェ
ニル)−2,3−ジメチルブタンの理化学的性質と一致し
た。
性状:無色針状晶 融点:88.5〜89.5℃ 比旋光度:▲[α]25 D▼ 0° (c=0.91,CHCl3 マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 330(M+,22),137(100) 元素分析 C20H26O4: 計算値:C,72.70;H,7.93 実測値:C,72.61;H,7.92 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3: 0.84(6H.d.J=6.7Hz), 1.75(2H.m), 2.27(2H,dd,J=13,9Hz), 2.73(2H.dd,J=13,5Hz), 3.85(6H,s),5.46(2H,br s), 6.61(2H,d,J=2Hz), 6.65(2H,dd,J=8,2Hz), 6.82(2H,d,J=8Hz)13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 16.3(q)×2,39.0(t)×2, 39.2(d)×2,55.9(q)×2, 111.5(d)×2,114.1(d)×2, 121.8(d)×2,133.8(s)×2, 134.7(s)×2,146.4(s)×2 次に式の化合物が優れた5−リポキシゲナーゼ阻害作
用を有することについて実験例をあげて説明する。
実験例1 RBL−1培養細胞を5×108細胞/mlとなるよう1mMEDTA
および10%エチレングリコールを含む50mMリン酸緩衝液
(pH7.4)に浮遊し、超音波処理後、10.000×Gで10分
間、さらに105.000×Gで60分間遠心して得られた上清
を5−リポキシゲナーゼ酵素標品とした。
試験管に上記5−リポキシゲナーゼ酵素標品、基質と
して10μMアラキドン酸、さらに式の化合物のエタノー
ル溶液を終濃度10μMとなるよう加え、37℃で10分間培
養した。培養液に内部標準として0.25Mのブチル−3,5−
ジニトロベンゾエート10μlを添加し、n−ヘキサン1.
8mlで抽出した。この中の5−ヒドロキシエイコサノイ
ックアシッド(5−HETE)の量を高速液体クロマトグラ
フィー[カラム:TSK gel ODS−80TM(東洋ソーダ社
製);移動相:アセトニトリル−水−1%酢酸(60:40:
0.02);流速:1ml/分;検出:紫外線235nm]により測定
し、次式により阻害率を算出した。
C:式の化合物を含まない場合の5−HETEのピーク面積 (内部標準により補正) S:式の化合物を添加した場合の 5−HETEのピーク面積 (内部標準により補正) 式の化合物の5−リポキシゲナーゼ阻害率を示すと第
1表の如くである。
以上により式の化合物の5−リポキシゲナーゼ阻害作
用が確認された。
次に式の化合物がアルドースリダクターゼ阻害作用を
有することについて実験例をあげて説明する。
実験例2 6週齢のウイスター(Wistar)系雄性ラットをエーテ
ル麻酔下に致死させ、直ちに水晶体を抽出し、−20℃に
て保存した。
水晶体は0.5mMフェニルメチルスルホニルフロリドを
含む135mMナトリウム−カリウム−リン酸緩衝液(pH7.
0)にてホモジナイズして、30,000rpmで30分間遠心し
た。その上清をアルドースリダクターゼ活性阻害の検体
とした。また、以上の操作はすべて4℃で行い、検体は
−20℃で保存した。
アルドースリダクターゼ活性の測定はデュフラン(Du
frane)らの方法[Biochemical Medicine,32,99−105
(1984)参照]により行った。すなわち、100mM硫酸リ
チウム、0.03mM NADPH(還元型nicotinamide adenine d
inucleotide phosphate)、および基質として20mMグル
コースを含むように調製した135mMナトリウム−カリウ
ム−リン酸緩衝液(pH7.0)800μlに、上記の検体100
μlおよび式の化合物をそれぞれDMSOに1.0×10-5〜4.0
×10-7Mの終濃度となるように溶解させた薬物溶解液10
0μlをそれぞれ加え、30℃にて30分間反応させた。次
に、0.5N塩酸0.3mlを加えて反応を停止させ、10mMイミ
ダゾールを含む6N水酸化ナトリウム1mlを添加すること
により、前記の反応によって生じたNADP(酸化型nicoti
namide adenine dinucleotide phosphate)を蛍光物質
に変換して、30分後にその蛍光強度を測定した。蛍光強
度は、室温で分光光度計F−4000(株式会社日立製作所
製)を用いて励起波長360nm、蛍光波長460nmの条件で測
定した。また、具体例で得た化合物の溶解液を加えるか
わりにDMSOを加える以外は上記と同様にして反応させて
測定した蛍光強度をコントロール値とした。
アルドースリダクターゼはNADPHを補酵素として、DL
−グリセルアルデヒドあるいはグルコースをポリオール
に変換する酵素であり、この反応に伴ってNADPHはNADP
に変化する。従ってNADPが少なければ、アルドースリダ
クターゼが阻害されていることになる。
その結果を、阻害率(%)として第2表に示す。
以上により、式の化合物のアルドースリダクターゼ阻
害作用が確認された。
次に、式の化合物の投与量および製剤化について説明
する。
式の化合物はそのまま、あるいは慣用の製剤担体と共
に動物および人に投与することができる。投与形態とし
ては、特に限定がなく、必要に応じ適宜選択して使用さ
れ、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の経口
剤、注射剤、坐剤等の非経口剤が挙げられる。
経口剤として所期の結果を発揮するためには、患者の
年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人で式
の化合物の重量として30〜1000mgを、1日数回に分けて
の服用が適当と思われる。
経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニッ
ト、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無
機塩類等を用いて常法に従って製造される。
この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、
崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、
着色剤、香料等を使用することができる。それぞれの具
体例は以下に示す如くである。
[結合剤] デンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチ
ン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、マクロゴール。
[崩壊剤] デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロ
ースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換
ヒドロキシプロピルセルロース。
[界面活性剤] ラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪
酸エステル、ポリソルベート 80。
[滑沢剤] タルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エス
テル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコ
ール。
[流動性促進剤] 軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成
ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム。
また、本発明の化合物は、懸濁液、エマルジョン剤、
シロップ剤、エリキシル剤としても投与することがで
き、これらの各種剤形には、矯味矯臭剤、着色剤を含有
してもよい。
非経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者
の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人で
式の化合物の重量として1日1〜300mgまでの静注、点
滴静注、皮下注射、筋肉注射が適当と思われる。
この非経口剤は常法に従って製造され、希釈剤として
一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注
射用植物油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ油、トウモ
ロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール等を用いることができる。さらに必要に応じて、殺
菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよい。また、この非経
口剤は安定性の点から、バイアル等に充填後冷凍し、通
常の凍結乾燥技術により水分を除去し、使用直前に凍結
乾燥物から液剤を再調製することもできる。さらに、必
要に応じて適宜、等張化剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤
等を加えても良い。
その他の非経口剤としては、外用液剤、軟膏等の塗布
剤、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、常法に従っ
て製造される。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが本発明
はこれによりなんら制限されるものではない。
実施例1 式IのR1が4−ヒドロキシ−3−メトキシベンゾイル
基、R2がメチル基である化合物は次のようにして得るこ
とができる。
グアヤク脂275gをシリカゲル1kgを用いたカラムクロ
マトグラフィーに付し、n−ヘキサン:アセトン混合溶
媒で順次アセトンの比率を上げて溶出した。n−ヘキサ
ン:アセトン(1:1)2.8lで溶出したフラクションを合
併し、減圧濃縮することにより得られた残留物25.8gを
再度シリカゲル520gを用いたカラムクロマトグラフィー
に付し、n−ヘキサン:アセトン(1:1)2.8lで溶出
後、さらに、n−ヘキサン:アセトン(1:1)0.4lで溶
出し、さらにその後、n−ヘキサン:アセトン(1:1)
2.8lで溶出した。2番目のヘキサン:アセトン(1;1)
0.4lで溶出したフラクションを減圧濃縮することにより
得られた残留物1.26gをメタノールに溶解し、水を加
え、淡黄色粉末0.16gを得た。この淡黄色粉末は、以下
に示す理化学的性質により、下記の構造式で表される
(E)−1,4−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ
フェニル)−2,3−ジメチル−2−ブテン−1,4−ジオン
と決定された。
性状:淡黄色粉末 マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 356(M+,37),151(100) 高分解能マススペクトルC20H20O6(M+): 計算値:356.1259 実測値:356.1251 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in acetone−d6): 1.77(6H,s),3.97(6H,s), 7.02(2H.,d.J=8.8Hz), 7.58(2H.d.J=2Hz), 7.59(2H.dd,J=8.8,2Hz)13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in pyridine−d5): 18.4(q)×2,55.8(q)×2, 111.9(d)×2,116.5(d)×2, 125.9(d)×2,128.0(s)×2, 135.1(s)×2,149.3(s)×2, 154.4(s)×2,197.8(s)×2 実験例2 式IのR1がメチル基、R2が4−ヒドロキシ−3−メト
キシベンゾイル基である化合物は次のようにして得るこ
とができる。
実施例1における2回目のシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにおける3番目のn−ヘキサン:アセトン
(1:1)2.8lで溶出したフラクションを減圧濃縮するこ
とにより得られた残留物3.07gをメタノールと水の混合
溶媒から結晶化し、黄色プリズム晶0.78gを得た。この
黄色プリズム晶は以下に示す理化学的性質より下記の構
造式で表される(Z)−1,4−ビス−(4−ヒドロキシ
−3−メトキシフェニル)−2,3−ジメチル−2−ブテ
ン−1,4−ジオンと決定した。
性状:黄色プリズム晶 比旋光度:▲[α]25 D▼ 0° (c=0.82,CHCl3 マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 356(M+,25),151(100) 高分解能マススペクトルC20H20O6(M+): 計算値:356.1259 実測値:356.1264 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in acetone−d6: 2.10(6H,s),3.77(6H,s), 6.75(2H,d,J=8Hz), 7.05(2H,d,J=2Hz), 7.18(2H,dd,J=8.2Hz)13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in pyridine−d5): 17.7(q)×2,55.6(q)×2, 112.3(d)×2,115.6(d)×2, 125.9(d)×2,129.5(s)×2, 138.6(s)×2,148.5(s)×2, 153.5(s)×2,197.5(s)×2 実施例3 式IIの化合物は、次のようにして得ることができる。
具体例6で得た化合物50mgを無水ジクロロメタン1.0m
lに溶解し、−40℃氷冷下撹拌しながら、0.8M三臭化ほ
う素0.9mlを加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物
を氷水中で希釈し、沈澱物を得た。この沈澱物をアセト
ンに溶解後濾過し、アセトン溶出液を減圧濃縮し、褐色
粉末22.1mgを得た。この褐色粉末は、以下に示す理化学
的性質より下記の構造式で表される3,4−ジメチル−2,5
−ビス−(3,4−ヒドロキシフェニル)−フランと決定
された。
性状:褐色粉末 マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 312(M+,100),175(22), 156(20) 高分解能マススペクトルC18H16O5(M+): 計算値:312.0998 実測値:312.0995 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in acetone−d6): 2.16(6H,s), 6.90(2H,d,J=8.3Hz), 7.05(2H,dd,J=8.3,2Hz), 7.21(2H,d,J=2Hz)13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in acetone−d6): 9.9×2,113.5×2,116.3×2, 117.7×2,118.3×2, 125.3×2,145.1×2, 146.0×2,147.5×2 実施例4 式IIIの化合物は次のようにして得られる。
具体例3における2回目のシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにおいて、ベンゼン:酢酸エチル(8:1)0.9
5lを溶出後、さらにベンゼン:酢酸エチル(8:1)0.35l
で溶出したフラクションのうち2番目に溶出したベンゼ
ン:酢酸エチル(8:1)0.35lを減圧濃縮することにより
残留物1.069gを得た。得られた残留物1.069gをさらにシ
リカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(径22mm、
長さ30cm)に3回に分けて付し、ベンゼン:酢酸エチル
(10:1)180mlで溶出後、さらにベンゼン:酢酸エチル
(10:1)40mlで溶出した。2番目のベンゼン:酢酸エチ
ル(10:1)40mlで溶出したフラクションを減圧濃縮する
ことにより、残留物0.223gを得た。この残留物0.223gを
高速液体クロマトグラフィー[カラム;YMCpack(I−15
ODS)S−343、移動相;メタノール:水:アセトニト
リル(5.5:4.4:1.0)、流速;4ml/min、検出;UV254nm]
に付した、保持時間84分〜90分に溶出したフラクション
を減圧乾燥することにより無色油状物質30.5mgを得た。
この無色油状物質は以下に示す理化学的性質より、下記
の構造式で表される(2S,3R,4S,5S)−2,5−ビス−(4
−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−3,4−ジメチ
ルオキソレンと決定された。
性状:無色油状物質 比旋光度:▲[α]25 D▼ 0° マススペクトル(EI−MS)m/z(%): 344(M+,344),192(100), 177(27),145(26) 高分解能マススペクトルC20H24O5(M+): 計算値:344.1623 実測値:344.1622 プロトン核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3) 0.60(6H,d,J=7Hz), 2.66(2H.m),3.90(6H,s), 5.11(2H,d.J=7Hz), 6.88(2H,ddd,J=0.5,1.7,8Hz), 6.91(2H,d,J=8Hz), 6.98(2H,d,J=1.7Hz)13 C−核磁気共鳴スペクトル (δ ppm in CDCl3): 11.8×2,41.5×2,55.9×2, 82.8×2,109.1×2, 114.0×2,119.3×2, 132.6×2,144.4×2, 146.3×2 実施例5 コーンスターチ 44g 結晶セルロース 40g カルボキシメチルセルロースカルシウム 5g 軽質無水ケイ酸 0.5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g実施例1で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、打錠機に
て圧縮成型して一錠200mgの錠剤を得た。
この錠剤一錠には、実施例1で得た化合物20mgが含有
されており、成人1日10〜25錠を数回にわけて服用す
る。
実施例6 結晶セルロース 84.5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g カルボキシメチルセルロースカルシウム 5g実施例2で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って、およびの一部を均一に混
合し、圧縮成型した後、粉砕し、およびの残量を加
えて混合し、打錠機にて圧縮成型して一錠200mgの錠剤
を得た。
この錠剤一錠には、実施例2で得た化合物20mgが含有
されており、成人1日10〜25錠を数回にわけて服用す
る。
実施例6 結晶セルロース 84.5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g カルボキシメチルセルロースカルシウム 5g実施例2で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って、およびの一部を均一に混
合し、圧縮成型した後、粉砕し、およびの残量を加
えて混合し、打錠機にて圧縮成型して一錠200mgの錠剤
を得た。
この錠剤一錠には、実施例2で得た化合物20mgが含有
されており、成人1日10〜25錠を数回にわけて服用す
る。
実施例7 結晶セルロース 49.5g 10%ヒドロキシプロピルセルロースエタノール溶液 35g カルボキシメチルセルロースカルシウム 5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g実施例3で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って、およびを均一に混合し、
常法によりねつ和し、押し出し造粒機により造粒し、乾
燥・解砕した後、およびを混合し、打錠機にて圧縮
成型して一錠200mgの錠剤を得た。
この錠剤一錠には、実施例3で得た化合物20mgが含有
されており、成人1日10〜25錠を数回にわけて服用す
る。
実施例9 結晶セルロース 55g 10%ヒドロキシプロピルセルロースエタノール溶液 35g具体例1で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、ねつ和し
た。押し出し造粒機により造粒後、乾燥し篩別して顆粒
剤を得た。
この顆粒剤1gには、具体例1で得た化合物100mgが含
有されており、成人1日2〜5gを数回にわけて服用す
る。
実施例10 コーンスターチ 89.5g 軽質無水ケイ酸 0.5g具体例2で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、200mgを
2号カプセルに充填した。
このカプセル剤1カプセルには、具体例2で得た化合
物20mgが含有されており、成人1日10〜25カプセルを数
回にわけて服用する。
実施例11 大豆油 5g 注射用蒸留水 89.5g 大豆リン脂質 2.5g グリセリン 2g具体例3で得た化合物 1g 計 100g 上記の処方に従ってを御呼びに溶解し、これに
との溶液を加えて乳化し、注射剤を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 31/09 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (ただし、R1およびR2は水素原子または一緒になって二
    重結合を示す。) で表されるリグナン類を有効成分とする5−リポキシゲ
    ナーゼ阻害剤。
JP33530588A 1988-12-29 1988-12-29 新規リグナン類およびリグナン類を有効成分とする5―リポキシゲナーゼ阻害剤およびアルドースリダクターゼ阻害剤 Expired - Lifetime JP2754644B2 (ja)

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