JP2753835B2 - 尻部係合耐震耐風瓦 - Google Patents

尻部係合耐震耐風瓦

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JP2753835B2
JP2753835B2 JP20206988A JP20206988A JP2753835B2 JP 2753835 B2 JP2753835 B2 JP 2753835B2 JP 20206988 A JP20206988 A JP 20206988A JP 20206988 A JP20206988 A JP 20206988A JP 2753835 B2 JP2753835 B2 JP 2753835B2
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嘉人 釣場
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TSURIBA MICHIKO
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、瓦の尻部側に同一段隣接瓦間が相互係合
する構造を組込むことによりずれを防止し、これを斜め
上段瓦を抑止して浮きを防止し、さらに対角方向の抑止
構造をこれに組合わせることにより、耐震耐風性能を大
幅に強化させる瓦に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術1は、図15に示すようにこの発明の基本構造
説明の出発基準となるごく一般の瓦で、肩切込部Fと小
口切込部E、および尻部R側に釘孔13と水切突条14、尻
部R側裏面に桟掛突起4ならびに差込部U側に水切突条
15がそれぞれ形成されているものである。
【0003】 従来技術2は、図16に示すように特願昭58−203202号
(特開昭60−95055号)「灰塵侵入防止瓦」によるもの
で、小口切込部Eに閉塞突片5を突設して、肩隅角部C
の裏面に肩隅角凹部6を形成し、差込部Uに縦溝部11と
その尻部R寄りに縦溝隅部12を設けて、葺き合わせたと
き縦溝隅部12に上段瓦の閉塞突片5が納まり、これに斜
め下段瓦の肩隅角凹部6が嵌合抑接するものである。
【0004】 従来技術3は、図17に示すように特願昭60−253342号
(特開昭62−112854号)「耐風強化瓦」によるもので、
肩切込部Fに肩隅角突片7を突設もしくは突隅角部Cに
切込部8を形成し、小口差込部Bに陥凹部9を形成もし
くは小口切込部Eに支持突片10を突設して陥凹部9を形
成させた瓦で、この瓦を葺き合わせたとき陥凹部9に斜
め上段瓦の肩隅角突片7が嵌入抑止し、同時に斜め上段
瓦の支持突片10が斜め下段瓦の切込部8に嵌入して係止
されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1の課題は、ずれ浮き防止のための特別措置
は何等講じられていないことにある。 従来技術2の課題は、この瓦の閉塞突片5を斜め下段
瓦の肩隅角凹部6が抑止することによって頭部T側から
のめくり上げ防止効果はあるが、桟部S側からのめくり
上げに対しては釘止めを除きその措置機能がないこと、
および頭部T側のずれ止めが一側方向にのみについてで
あることである。 従来技術3の課題は、上記欠点をかなり解決したもの
の、桟部S側からのめくり上げに対しては依然解決の余
地を残していることである。 この発明は、上記のような欠点を除いて、瓦の尻部R
側両側端に同一段隣接瓦間の当接係合構造を組込んで尻
部R側のずれを防止し、これを斜め上段瓦が抑止するこ
とにより、桟部S側からのめくり上げ防止を果たし、さ
らに頭部T側からのめくり上げ防止措置と相俟って、地
震・強風時の瓦のずれとめくり上げ防止強化をより効果
的ならしめることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明が従来技術の課題を解決する手段は、次の通
りである。 瓦の尻部側寄りの差込尻隅部に切欠部を形成し、肩切
込部には受突片を突設して、葺き合わせたとき同一段隣
接瓦間で切欠部と受突片が当接係合し、この受突片を斜
め上段瓦の差込部の小口切込部寄りの部分が抑止するよ
うにする。 また、小口切込部に閉塞突片を突設し、肩隅角部に肩
隅角凹部を形成した瓦において、さらに上記の切欠部お
よび受突片を形成して、葺き合わせたとき同一段隣接瓦
間で切欠部と受突片が当接係合し、この受突片を斜め上
段瓦の差込部の小口切込部寄りの部分が抑止し、逆にこ
の斜め上段瓦の閉塞突片を斜め下段瓦の肩隅角凹部が嵌
合抑接するようにする。 あるいはまた、肩切込部に肩隅角突片を突設し、もし
くは肩隅角部に切込部を形成して、小口差込部に陥凹部
を形成し、または小口切込部に支持突片を突設して陥凹
部を形成させた瓦において、前記の切欠部および受突片
を形成して、葺き合わせたとき同一段隣接瓦間において
切欠部と受突片が当接係合し、この受突片を斜め上段瓦
の差込部の小口切込部寄りの部分が抑止し、逆にこの斜
め上段瓦の陥凹部に斜め下段瓦の肩隅角突片が嵌入抑止
し、またこの斜め下段瓦の切込部に斜め上段瓦の支持突
片が嵌入係止するようにするものである。
【0007】
【作用】
この発明の作用を列記すると次の通りである。 (1)同一段隣接瓦間において、尻部側の切欠部と受突
片が当接係合し、これを斜め上段瓦が抑止する。 (2)上記に併せて、閉塞突片を斜め下段瓦の肩隅角凹
部が抑止し、または陥凹部に肩隅角突片が嵌入して抑止
する。 (3)上記(1),(2)により、当接係合抑止は相補
作用的にはたらく。 (4)上記の作用は連鎖的に全屋根面に及ぶ。 (5)これらの当接係合構造は葺き合わせガイドの役割
をも果たす。
【0008】
【実施例】
発明の実施例1は、図1〜3に示すが、図15の従来技
術1のようにごく一般的な瓦を基本として、尻部R側の
位置において、差込尻隅部Dに切欠部1を形成し、肩切
込部Fに受突片2を突設するものである。 この瓦を葺き合わせると、図4〜6に示すように同一
段隣接瓦間において瓦Xの切欠部1と瓦X1の受突片2が
当接係合し、この受突片2が斜め上段の瓦X2の差込部U
の小口切込部E寄りの部分で抑止される。 なお、受突片2は原則的に、その厚さは瓦1枚の厚さ
とほぼ同じで、その上面レベルは瓦の裏面の延長面Yよ
り低くなるようにする。 また、受突片2の突設端に肩凹部3を設けてあるが、
これは積重荷造時の受突片2の裏面側を納めるためのも
のである。
【0009】 実施例2は、図7,8に示すように、図16の従来技術2
の瓦を基準として、小口切込部Eに閉塞突片5を突設
し、肩隅角部Cに肩隅角凹部6を形成させた上に、上記
実施例1と同様に切欠部1と受突片2を形成させるもの
である。 この瓦を葺き合わせると図9,10に示すように、実施例
1と同様に同一段隣接瓦間において瓦Yの切欠部1と瓦
Y2の受突片2が当接係合し、この受突片2を斜め上段の
瓦Y2が抑止し、逆にこの瓦Y2の閉塞突片5を斜め下段の
瓦Y1の肩隅角凹部6が抑止するものである。
【0010】 実施例3は、図11,12に示すが、図17の実施例3の瓦
を基準として、肩切込部Fに肩隅角突片7を突設し、も
しくは肩隅角部Cに切込部8を形成し、小口差込部Bに
陥凹部9を形成、もしくは小口切込部Eに支持突片10を
突設して陥凹部9を形成させた上に、実施例1と同様に
切欠部1と受突片2を設けるものである。なお、実施例
1,2で設けた肩凹部3は、ここで受突片2と桟掛突起4
の縦幅を同程度としたので省いた。 この瓦を葺き合わせた状態は、図13,14に示す通り
で、実施例1と同様同一段隣接瓦間において瓦Zの切欠
部1と瓦Z1の受突片2が当接係合した上に、さらに瓦Z
の斜め上段の瓦Z2との間において瓦Z2の陥凹部9に瓦Z1
の肩隅角突片7が、また瓦Z1の切込部8に瓦Z2の支持突
片10がそれぞれ組合わせて、係合抑止するものである。 これらにより、従来技術に全くない手段によって同一
段横方向のずれ止めおよび斜め上段瓦による浮き防止が
なされ、従来技術2,3の頭部T側からのずれ浮き防止措
置に併せて、極めて信頼性安定性の高い総合的な当接係
合抑止機能が得られる。
【0011】
【発明の効果】
この発明の効果は、作用項に対応して列記すると次の
とおりである。 (1)尻部側のずれと桟部側からのめくり上げが、防止
される。 (2)頭部側からのずれとめくり上げが、防止される。 (3)当接係合抑止が高い信頼性・安定性をもって果た
される。 (4)釘止めが全瓦についてでなく部分的であっても、
耐震耐風性能は充分に発揮される。 (5)葺き施工が容易迅速にでき、特別の熟練もいらな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の表斜視図である。
【図2】 実施例1の要部拡大斜視図である。
【図3】 実施例1の要部拡大斜視図である。
【図4】 実施例1の葺き合わせ要部平面図である。
【図5】 実施例1の葺き合わせ要部平面図である。
【図6】 実施例1の葺き合わせ要部a−a拡大断面図
である。
【図7】 実施例2の表斜視図である。
【図8】 実施例2の要部拡大斜視図である。
【図9】 実施例2の葺き合わせ要部平面図である。
【図10】 実施例2の葺き合わせ要部b−b拡大断面
図である。
【図11】 実施例3の表斜視図である。
【図12】 実施例3の要部拡大斜視図である。
【図13】 実施例3の葺き合わせ要部平面図である。
【図14】 実施例3の葺き合わせ要部c−c拡大断面
図である。
【図15】 従来技術1の表斜視図である。
【図16】 従来技術2の表斜視図である。
【図17】 従来技術3の表斜視図である。
【符号の説明】
B……小口差込部 C……肩隅角部 D……差込尻隅部 E……小口切込部 F……肩切込部 R……尻部 S……桟部 T……頭部 U……差込部 X,X1,X2……瓦(発明の) Y,Y1,Y2……瓦(発明の) Z,Z1,Z2……瓦(発明の) 1……受突片 2……切欠部 3……肩凹部 4……桟掛突起 5……閉塞突片 6……肩隅角凹部 7……肩隅角突片 8……切込部 9……陥凹部 10……支持突片 11……縦溝部 12……縦溝隅部 13……釘孔 14……水切突条 15……水切突条

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】瓦の尻部側(R)寄りの位置において、差
    込尻隅部(D)に切欠部(1)を形成し、肩切込部
    (F)に受突片(2)を突設してなり、葺き合わせたと
    き同一段隣接瓦間において切欠部(1)と受突片(2)
    が当接係合し、この受突片(2)を斜め上段瓦の差込部
    (U)の小口切込部(E)寄りの部分が抑止することを
    特徴とする尻部係合耐震耐風瓦。
  2. 【請求項2】小口切込部(E)に閉塞突片(5)を突設
    し、肩隅角部(C)に肩隅角凹部(6)を形成した瓦に
    おいて、請求項1記載の切欠部(1)および受突片
    (2)を形成してなり、葺き合わせたとき同一段隣接瓦
    間において切欠部(1)と受突片(2)が当接係合し、
    この受突片(2)を斜め上段瓦の差込部(U)の小口切
    込部(E)寄りの部分が抑止し、逆にこの斜め上段瓦の
    閉塞突片(5)を斜め下段瓦の肩隅角凹部(6)が嵌合
    抑接することを特徴とする尻部係合耐震耐風瓦。
  3. 【請求項3】肩切込部(F)に肩隅角突片(7)を突設
    し、もしくは肩隅角部(C)に切込部(8)を形成し
    て、小口差込部(B)に陥凹部(9)を形成し、もしく
    は小口切込部(E)に支持突片(10)を突設して陥凹部
    (9)を形成させた瓦において、請求項1記載の切欠部
    (1)および受突片(2)を形成してなり、葺き合わせ
    たとき同一段隣接瓦間において切欠部(1)と受突片
    (2)が当接係合し、この受突片(2)を斜め上段瓦の
    差込部(U)の小口切込部(E)寄りの部分が抑止し、
    逆にこの斜め上段瓦の陥凹部(9)に斜め下段瓦の肩隅
    角突片(8)が嵌入抑止し、またこの斜め下段瓦の切込
    部(8)に斜め上段瓦の支持突片(10)が嵌入係止する
    ことを特徴とする尻部係合耐震耐風瓦。
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