JP2753167B2 - カラー感熱記録方法 - Google Patents

カラー感熱記録方法

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JP2753167B2
JP2753167B2 JP3291761A JP29176191A JP2753167B2 JP 2753167 B2 JP2753167 B2 JP 2753167B2 JP 3291761 A JP3291761 A JP 3291761A JP 29176191 A JP29176191 A JP 29176191A JP 2753167 B2 JP2753167 B2 JP 2753167B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー感熱記録方法に
関し、更に詳しくは記録速度が向上するように改良した
カラー感熱記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッドで多色画像を直接に記録
することができるカラー感熱記録材料が従来から知られ
ている(例えば、特開昭61ー213169号)。ま
た、本出願人は、図11に示すように、支持体2上に、
下から順にシアン感熱発色層3,マゼンタ感熱発色層
4,イエロー感熱発色層5,保護層6を設けたカラー感
熱記録材料7を提案している(特願平2ー89384
号)。このカラー感熱記録材料7は、図12に示すよう
に、最上層であるイエロー感熱発色層5は熱記録感度が
最も高く、最下層であるシアン感熱発色層3の熱記録感
度が最も低い。この熱記録感度の差異の主たる要因は、
シアン感熱発色層3は、イエロー感熱発色層5,マゼン
タ感熱発色層4を介して加熱しなければならないからで
あり、各感熱発色層を単層とした場合には、これら各層
の熱記録感度はほとんど同じである。
【0003】前記シアン感熱発色層3は、電子供与性染
料前駆体と電子受容性化合物を主成分として含有し、加
熱されたときにシアンに発色する。マゼンタ感熱発色層
4としては、最大吸収波長がλ1のジアゾニウム塩化合
物と、これに熱反応してマゼンタに発色するカプラーと
を含有している。このマゼンタ感熱発色層4は、熱記録
後にλ1の紫外線を照射するとジアゾニウム塩化合物が
光分解して発色能力が失われる。イエロー感熱発色層5
は、最大吸収波長がλ2のジアゾニウム塩化合物と、こ
れと熱反応してイエローに発色するカプラーとを含有し
ている。このイエロー感熱発色層5はλ2の近紫外線を
照射すると光定着して発色能力が失われる。
【0004】カラー感熱記録材料7に多色画像を熱記録
する場合には、複数の発熱素子をライン状に配列し、各
発熱素子に一定電圧を印加したサーマルヘッドが用いら
れる。このサーマルヘッドとカラー感熱記録材料7とを
相対的に移動しながら、まずサーマルヘッドで最上層で
あるイエロー感熱発色層5を熱記録する。イエロー画像
の熱記録後に、イエロー感熱発色層の未発色のジアゾニ
ウム塩化合物のみを光分解する波長域の光を照射してイ
エロー画像を光定着する。次に、第2層であるマゼンタ
感熱発色層4に、イエロー感熱発色層5よりも高い熱エ
ネルギーを与えて、マゼンタ感熱発色層4を熱記録して
から、マゼンタ感熱発色層の未発色のジアゾニウム塩化
合物のみを光分解する波長域の光を照射してマゼンタ画
像を光定着する。最後に、最も大きい熱エネルギーを用
いて第3層であるシアン感熱発色層3を熱記録する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記三色順次熱記録・
光定着方法では、記録速度を上げようとすると、装置構
成が大型化し、製造コストが上昇するという問題があ
る。特に、同一のカラー感熱記録材料を用いての記録速
度の向上には限度がある。
【0006】本発明は上記課題を解決するためのもので
あり、カラー感熱記録材料と装置との最適化を図り、装
置構成を大型化及び複雑化することなく記録速度を向上
することができるようにしたカラー感熱記録方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載した発明では、支持体上に、下層か
ら順に、少なくともイエロー感熱発色層と、シアン感熱
発色層と、マゼンタ感熱発色層とを設けて、カラー感熱
記録材料を構成し、サーマルヘッドによる熱記録の際
に、階調数の関係を、マゼンタ≧シアン>イエローとな
るようにしたものである。
【0008】また、請求項2に記載した発明では請求項
1記載の発明で、シアン感熱発色層とマゼンタ感熱発色
層とを入替え、且つサーマルヘッドによる熱記録の際
に、階調数の関係を、シアン≧マゼンタ>イエローとな
るようにしたものである。
【0009】
【作用】支持体上に設けるイエロー感熱発色層、マゼン
タ感熱発色層、シアン感熱発色層は、各単層状態では、
その発色熱感度はほとんど同じであり、ほぼ同一の熱エ
ネルギーにより熱記録することができる。しかし、これ
らを支持体上に順次層状に設けるため、表層側は小さな
熱エネルギーでよく、下層側はサーマルヘッドから離れ
るためより大きな熱エネルギーを要することになる。ま
た、同一エネルギー域であれば、階調数の多い方が記録
に要する時間が長くなる。これは、短い階調パルスを多
数回与えることになり、熱効率が低下するためである。
また、記録エネルギー域が高い方が、エネルギーを付与
する時間を長くなるため、記録に要する時間も長くな
る。更に、イエロー感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、
シアン感熱発色層で必要な階調数が異なる。これは、人
間の眼は、等価的な階調数が色によって異なっているた
めである。例えば、マゼンタを64階調とすると、これ
に等価的な階調数は、イエローが36階調,シアンが5
4階調である。したがって、マゼンタとシアンとに比べ
てイエローの階調数を小さくしても、画像全体として高
い階調表現性を維持することができる。したがって、こ
れらの要件を考慮すると、熱記録時間を短縮することが
できる組み合わせは、階調数が多いマゼンタ又はシアン
を上層側に配置し、階調数が少ないイエローを下層側に
配置するとともに、熱記録の際に、イエローの階調数を
マゼンタ,イエローに対し少なくすることである。これ
により、画像全体としては高い階調表現性を維持しつ
つ、全体的な熱記録時間が短くなり、記録速度が向上す
る。
【0010】
【実施例】図2は本発明を実施するカラー感熱プリンタ
の概略図である。プラテンドラム10は、その外周にカ
ラー感熱記録材料11を保持し、熱記録時にパルスモー
タ12によって矢線方向に回転される。このプラテンド
ラム10にクランプ部材13が取り付けられており、カ
ラー感熱記録材料11の少なくとも1ケ所例えば先端を
プラテンドラム10に固定する。クランプ部材13はコ
字形をしており、両端部に設けた長孔13a,13b
が、プラテンドラム軸15,ガイドピン16にそれぞれ
嵌合している。このクランプ部材13は、通常はスプリ
ング17によってプラテンドラム10に圧接しており、
カラー感熱記録材料11の着脱時に、ソレノイド18に
よってプラテンドラム10から離れる方向に移動され
る。
【0011】前記プラテンドラム10の外周には、多数
の発熱素子をライン状に配列したサーマルヘッド20
と、光定着器21とが設けられている。光定着器21
は、図3の実線で示すように、ほぼ365nmと420
nmに発光ピークを持った棒状の紫外線ランプ22と、
点線で示すような透過特性を持ったカットフイルタ23
とから構成されている。このカットフイルタ23は、ソ
レノイド等によって紫外線ランプ22の前に入れられた
ときに、ほぼ365nm付近の近紫外線を透過する。図
2に示すように、給排紙通路24には、搬送ローラ対2
5が配置されており、これを通ってカラー感熱記録材料
11が搬送される。また、給排紙通路24のプラテンド
ラム側には、排紙時にカラー感熱記録材料11の後端を
給排紙通路24に案内するための分離爪26が設けられ
ている。この実施例では、1つの通路が給紙通路と排紙
通路に兼用されているが、これらは別個に設けてもよ
い。
【0012】図4は、本実施例で用いるカラー感熱記録
材料11の層構造を示すものである。支持体30の上
に、下から順にイエロー感熱発色層31,シアン感熱発
色層32,マゼンタ感熱発色層33,保護層34が層状
に設けられている。
【0013】前記支持体30としては、不透明なコート
紙又はプラスチックフイルムが用いられ、またOHPシ
ートを作成する場合には透明なプラスチックフイルムが
用いられる。イエロー感熱発色層31は、電子供与性染
料前駆体と電子受容性化合物を主成分として含有し、加
熱されたときにイエローに発色する。シアン感熱発色層
32は、最大吸収波長が420±20nmであるジアゾ
ニウム塩化合物と、これと熱反応してシアンに発色する
カプラーとを含有している。このシアン感熱発色層32
は、420nm±20nm付近の近紫外線を照射すると
ジアゾニウム塩化合物が光分解して発色能力が失われ
る。マゼンタ感熱発色層33としては、最大吸収波長が
360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と、これ
と熱反応してマゼンタに発色するカプラーとを含有して
いる。このマゼンタ感熱発色層33も、サーマルヘッド
でマゼンタ画像を熱記録した後に、360±20nmの
紫外線を照射すると光定着して発色能力が失われる。な
お、このカラー感熱記録材料は、平成2年4月4日に本
出願人によって出願された特願平2ー89384号に詳
細に説明されている。
【0014】図5は、各感熱発色層31〜33の特性を
示すものである。横軸の熱エネルギーは、サーマルヘッ
ド20の発熱素子が発生する熱エネルギーを表してお
り、マゼンタ感熱発色層33の熱エネルギーが最も低
く、イエロー感熱発色層31の熱エネルギーが最も高
い。この熱エネルギーの差異の主たる要因は、イエロー
感熱発色層31は、マゼンタ感熱発色層33,シアン感
熱発色層32を介して加熱しなければならないからであ
る。
【0015】図6は、シアン感熱発色層の吸収特性と、
シアン定着光源の発光特性を示すものである。シアン感
熱発色層32は、点線で示すように、ほぼ300nm〜
450nmの範囲に光吸収性があり、この範囲の紫外線
を照射すると、ジアゾニウム塩化合物が分解して光定着
する。そこで、シアン定着時には光定着器21からは、
ハッチング35で示すように、420nmの発光エネル
ギーが最大となる定着光が照射される。
【0016】図7は、マゼンタ感熱発色層の吸収特性
と、マゼンタ定着光源の発光特性を示すものである。マ
ゼンタ感熱発色層33は、点線で示すように、ほぼ30
0nm〜400nmの範囲に光吸収性がある。そこで、
マゼンタ定着時には光定着器21からは、ハッチング3
6で示すように、365nmの発光エネルギーが最大と
なる定着光が照射される。これらの定着光源についても
特願平2ー89384号に示されている。
【0017】図8は、カラー感熱プリンタの電気回路を
示すものである。画像データ入力部40は、カラースキ
ャナーやカラーTVカメラ等で構成され、赤色,緑色,
青色の三色の画像データをデータ処理部41に送る。こ
のデータ処理部41は、各色の画像データに対して色補
正や階調補正等を行う。画像処理された各色の画像デー
タは、フレームメモリ42に送られ、色毎に分離された
状態で記憶される。熱記録時には、フレームメモリ42
から、プリントすべき色の画像データが1ラインずつ読
み出されてラインメモリ43に書き込まれる。
【0018】前記ラインメモリ43から読み出した1ラ
イン分の画像データは、駆動データ発生部44に送られ
て、各画素毎に駆動データに変換される。この駆動デー
タは、バイアス熱エネルギーを発生するバイアス用駆動
データと、階調表現熱エネルギーを発生させるための階
調用駆動データとからなる。この1ライン分の駆動デー
タは、ヘッド駆動部45に送られ、各画素毎にバイアス
パルスと、階調レベルに応じた個数の階調パルスとに変
換され、発熱部46の各発熱素子46a〜46nに供給
される。これらの発熱素子46a〜46nは、主走査方
向にライン状に配列されており、カラー感熱記録材料1
1に対して副走査方向に相対移動する。コントローラ4
7は各部をシーケンス制御する他に、ドライバ48を介
してパルスモータ12の回転を制御する。
【0019】図9は、ヘッド駆動部45の一例を示すも
のである。1ライン分のシリアルな駆動データはクロッ
ク信号によってシフトレジスタ50に送られ、パラレル
信号に変換される。シフトレジスタ50でパラレル信号
に変換された駆動データは、ラッチ信号によってラッチ
回路51にラッチされる。ANDゲート52は、ストロ
ーブ信号が入力されたときに、ラッチされた信号が
「H」の場合に、「H」の信号を出力する。このAND
ゲート52の各出力端子には、トランジスタ53a〜5
3nがそれぞれ接続されており、ANDゲート52の出
力端子が「H」のときに、対応するトランジスタ53a
〜53nがONする。これらのトランジスタ53a〜5
3nは、発熱素子46a〜46nを介して電圧制御回路
54に接続されている。この電圧制御回路54は、切換
え信号によって印加電圧を変更することができる。
【0020】1ライン分の駆動データは次のようにして
作られる。まず、バイアス加熱するために、1ライン分
の全ての画素に対して「H」の駆動データを与え、シリ
アルな駆動データを得る。この駆動データが「H」の場
合に、対応する発熱素子が発熱する。次に、第1番目の
階調を示すデータと画像データとを比較し、その画素を
駆動するかどうかを判断し、駆動するならば「H」と
し、駆動しないならば「L」とする。この比較を1ライ
ンの全ての画素について行い、画像データをシリアルな
駆動データに変換する。このシリアルな駆動データによ
って、各発熱素子46a〜46nを選択的に駆動する。
同様に、第2番目の階調を示すデータと、各画素の画像
データを比較し、前述したように駆動データに変換す
る。例えば64階調の場合には、バイアス加熱を含め
て、1ライン分の駆動データが65回に分けて読み出さ
れ、65回のストローブ信号により、各発熱素子46a
〜46nが選択的に駆動され、64階調の画像を表現す
る。
【0021】図10は、各部の信号波形を示すものであ
る。T1は1画素の熱記録に要する時間であり、熱記録
感度が高いものほど短く設定される。T2は、バイアス
加熱を行うためのバイアスパルスの幅であり、熱記録感
度が高いものほど狭く設定される。T3は階調パルスの
ON期間であり、熱記録感度が高いものほど狭く設定さ
れる。これらのパルス幅T2,T3は、ストローブ信号
によって決められる。T4は階調パルスのOFF期間で
あり、各感熱発色層とも同じである。T5は冷却時間で
あり、階調レベルによって異なり、熱記録感度が高い感
熱発色層ほど短くてよい。
【0022】次に、前述したカラー感熱プリンタの作用
について説明する。図8に示すように、画像データ入力
部40から入力された各色の画像データは、画像処理部
41で画像処理されてからフレームメモリ42に色毎に
分離された状態で書き込まれる。給紙時には、プラテン
ドラム10は、クランプ部材13が図2において垂直と
なった状態で停止している。ソレノイド18が通電され
ると、クランプ部材13がクランプ解除位置にセットさ
れる。搬送ローラ対25は、カセット(図示せず)から
供給されたカラー感熱記録材料11をニップしてプラテ
ンドラム10に向けて搬送する。この搬送ローラ対25
は、カラー感熱記録材料11の先端がプラテンドラム1
0とクランプ部材13との間に入り込んだときにいった
ん停止する。その後、ソレノイド18がOFFすると、
クランプ部材13はスプリング17によって戻され、カ
ラー感熱記録材料11の先端をクランプする。このクラ
ンプ後に、プラテンドラム10と搬送ローラ対25とが
回転するから、カラー感熱記録材料11がプラテンドラ
ム10の外周に巻き付けられる。
【0023】プラテンドラム10が一定ステップずつ間
欠回転して、カラー感熱記録材料11の記録エリアの先
端がサーマルヘッド20に達すると、マゼンタ画像の熱
記録が開始される。フレームメモリ42からマゼンタ画
像の画像データを1ライン分読み出し、いったんライン
メモリ43に書き込む。次に、ラインメモリ43から画
像データを読み出し、これを駆動データ発生部44に送
る。この駆動データ発生部44は、図10に示すような
信号を発生してヘッド駆動部45に送る。このヘッド駆
動部45は、各発熱素子46a〜46nを駆動して、バ
イアスパルスと、画像データに応じた個数の階調パルス
とを発熱素子46a〜46aに与えて発熱させる。これ
らの発熱素子46a〜46aは、カラー感熱記録材料1
1を加熱して、各画素を所望の濃度に発色させる。マゼ
ンタ画像の第1ラインが記録されると、パルスモータ1
2によってプラテンローラ10が1画素分ステップ回転
され、これとともにフレームメモリ42からマゼンタ画
像の第2ラインの画像データが読み出される。以下、同
様にしてマゼンタ画像の第2ライン目以降がカラー感熱
記録材料11に熱記録される。
【0024】マゼンタ画像を熱記録した部分が光定着器
21に達すると、ここでマゼンタ感熱発色層33が光定
着される。この光定着器21は、カットフイルタ23が
紫外線ランプ22の前にセットされているから、365
nm付近の紫外線をカラー感熱記録材料11に照射す
る。これにより、マゼンタ感熱発色層33に残っていた
ジアゾニウム塩化合物が光分解して発色能力が消失す
る。
【0025】プラテンドラム10が1回転して記録エリ
アが再びサーマルヘッド20の位置にくると、サーマル
ヘッド20は発色濃度に応じた熱エネルギーをカラー感
熱記録材料11に与え、シアン画像を1ラインずつ熱記
録する。このシアン画像の発色熱エネルギーは、マゼン
タ画像の発色熱エネルギーよりも大きいが、マゼンタ感
熱発色層33は既に光定着されているので、このマゼン
タ感熱発色層33が発色することはない。シアン画像を
熱記録したカラー感熱記録材料11は、前述したように
定着器21で光定着される。この場合には、カットフイ
ルタ23が紫外線ランプ22の前から退避しているの
で、紫外線ランプ22から照射された全ての電磁線がラ
ー感熱記録材料に照射される。この電磁線のうち、42
0nm付近の近紫外線によってシアン感熱発色32に残
っていたアゾニウム塩化合物が光分解して発色能力が消
失する。
【0026】プラテンドラム10が更に1回転して記録
エリアが再びサーマルヘッド20の位置にくると、イエ
ロー画像の熱記録が開始される。サーマルヘッド20
は、発色濃度に応じた熱エネルギーをカラー感熱記録材
料11に与え、イエロー画像を1ラインずつイエロー感
熱発色層31に熱記録する。このイエロー感熱発色層3
1の熱記録では、光定着器21がOFF状態にされる。
【0027】マゼンタ画像,シアン画像,イエロー画像
の熱記録が終了した後に、プラテンドラム10と搬送ロ
ーラ対25とが逆転する。このプラテンドラム10の逆
転により、カラー感熱記録材料11の後端が分離爪26
によって給排紙通路24に案内され、そして搬送ローラ
対25にニップされる。この後にプラテンドラム10が
給紙位置に達すると、ソレノイド18が通電されるとと
もに、プラテンドラム10が停止する。ソレノイド18
の通電により、クランプ部材13がスプリング17に抗
して移動するから、カラー感熱記録材料11の先端のク
ランプが解除される。これにより、熱記録済みカラー感
熱記録材料11は、給排紙通路24を経てトレイに排出
される。
【0028】人間の眼では、色によって等価的な階調数
が異なっている。例えば、マゼンタを64階調とする
と、これに等価的な階調数は、イエローが36階調,シ
アンが54階調である。そこで、階調数が高いマゼンタ
感熱発色層33を最上層とし、階調数が最も少なくても
良いイエロー感熱発色層31を最下層とすることで、画
像全体として高い階調表現性を維持したままで、記録速
度を上げることができる。すなわち、階調数が64階調
のマゼンタ感熱発色層32は最上層にあるため、図5に
示すようにマゼンタの熱エネルギー域を低く設定するこ
とができる。このため、図1(a)に示すように、階調
加熱のための駆動パルスの幅TMa4を狭くすることが
でき、マゼンタ熱記録時間TMaを、図1(b)に示す
従来のものに比べて短くすることができる。また、イエ
ロー感熱発色層31が最下層であるから、図5に示すよ
うにイエローの熱エネルギー域が高く設定されるが、イ
エローの階調数は36階調程度でよいため、駆動パルス
の幅TYa4が広くなっても、階調数が少ないので、イ
エロー熱記録時間TYaの増加はそれ程でもない。更
に、この実施例では、シアン感熱発色層32も、階調数
が54階調であるため、シアン感熱発色層32の熱記録
時間TCaも短くなる。したがって、全体的な熱記録時
間が短縮されるため、高速な熱記録が可能になる。
【0029】なお、本実施例では、階調数をマゼンタで
64,シアンで54,イエローで36としたが、この他
に、マゼンタで128階調として、これに合わせてシア
ンを108,イエローを72階調としてもよい。また、
マゼンタとシアンとの階調数はイエローに比べるとほぼ
同じような範囲に入るから、マゼンタとシアンとの階調
数を同じに設定してもよい。
【0030】上記のカラー感熱記録材料11は、支持体
上に、下から順に、イエロー感熱発色層,シアン感熱発
色層,マゼンタ感熱発色層が順次層設されているが、こ
の順番は、シアン感熱発色層とマゼンタ感熱発色層との
間で変更してもよい。また、最下層であるイエロー感熱
発色層の発色には、通常の保管状態では起こり得ない熱
エネルギーが必要であるため、これに対しては光定着性
を与えていないが、必要に応じてイエロー感熱発色層に
対しても光定着性を与えてもよい。
【0031】更に、多数の発熱素子を主走査方向に配列
し、カラー感熱記録材料を副走査方向に移動して熱記録
するラインプリンタについて説明したが、本発明はサー
マルヘッドとカラー感熱記録材料を二次元に相対移動し
て熱記録するシリアルプリンタに対しても利用すること
ができる。
【0032】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、イエローについては階調数を小さくし、マゼンタ
とシアンは階調数を高くするとともに、支持体に、下側
から順に、イエロー,シアン,マゼンタの順に、又はイ
エロー,マゼンタ,シアンの順に、各感熱発色層を設け
たから、画像全体として高い階調表現性を維持しつつ、
全体的な記録時間を短くすることができる。これによ
り、効率良く記録速度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー感熱記録方法の発熱素子の駆動
パルスと、従来のカラー感熱記録方法の駆動パルスとの
違いを示す説明図である。
【図2】本発明を実施するカラー感熱プリンタの概略図
である。
【図3】マゼンタ定着ランプとシアン定着ランプとの特
性を示すグラフである。
【図4】本発明で用いるカラー感熱記録材料の層構造を
示す断面図である。
【図5】各感熱発色層の発色特性を示すグラフである。
【図6】シアン感熱発色層の吸収特性と、シアン定着ラ
ンプの分光エネルギーを示すグラフである。
【図7】マゼンタ感熱発色層の吸収特性と、マゼンタ定
着ランプの分光エネルギーを示すグラフである。
【図8】カラー感熱プリンタの電気構成を示すブロック
図である。
【図9】ヘッド駆動部及び発熱部を示す回路図である。
【図10】ヘッド駆動部の各信号と、発熱素子の発熱状
態を示す波形図である。
【図11】カラー感熱記録材料の層構造の一例を示す説
明図である。
【図12】各感熱発色層の発色特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
11 カラー感熱記録材料 20 サーマルヘッド 21 マゼンタ定着ランプ 22 シアン定着ランプ 31 イエロー感熱発色層 32 シアン感熱発色層 33 マゼンタ感熱発色層 46 発熱部 46a〜46n 発熱素子

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、イエロー感熱発色層,マゼ
    ンタ感熱発色層,シアン感熱発色層を備えたカラー感熱
    記録材料を用い、サーマルヘッドとカラー感熱記録材料
    とを相対的に移動しながら、最上層から順番に熱記録と
    光定着とを行って、カラー感熱記録材料に多色画像を記
    録するカラー感熱記録方法において、前記カラー感熱記
    録材料を、支持体上に、下層から順に、イエロー感熱発
    色層,シアン感熱発色層,マゼンタ感熱発色層を設けて
    構成し、サーマルヘッドによる熱記録の際に、階調数の
    関係を、マゼンタ≧シアン>イエローとなるようにした
    ことを特徴とするカラー感熱記録方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも、イエロー感熱発色層,マゼ
    ンタ感熱発色層,シアン感熱発色層を備えたカラー感熱
    記録材料を用い、サーマルヘッドとカラー感熱記録材料
    とを相対的に移動しながら、最上層から順番に熱記録と
    光定着とを行って、カラー感熱記録材料に多色画像を記
    録するカラー感熱記録方法において、前記カラー感熱記
    録材料を、支持体上に、下層から順に、イエロー感熱発
    色層,マゼンタ感熱発色層,シアン感熱発色層を設けて
    構成し、サーマルヘッドによる熱記録の際に、階調数の
    関係を、シアン≧マゼンタ>イエローとなるようにした
    ことを特徴とするカラー感熱記録方法。
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