JP2753085B2 - 形状モデリング方法及びその装置 - Google Patents

形状モデリング方法及びその装置

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JP2753085B2
JP2753085B2 JP1331002A JP33100289A JP2753085B2 JP 2753085 B2 JP2753085 B2 JP 2753085B2 JP 1331002 A JP1331002 A JP 1331002A JP 33100289 A JP33100289 A JP 33100289A JP 2753085 B2 JP2753085 B2 JP 2753085B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、2次元ないし3次元の形状を計算機等に入
力して形状および寸法を作成し、その後この形状あるい
は寸法の変更(削除,付加,修正等)をオペレータが実
行することができる形状モデリング方法およびその装置
に関する。
(従来の技術) 本発明の関連技術の詳細についての資料としては、次
の文献を参考にすることができる。
(1)Y.yamaguchi,F.Kimura & P.J.W.ten Hagen,“IN
TERRACTION MANAGEMENT IN CAN SYSTEMS WITH HISTORY
MECHANISM" EUROGRAPHICS '87,1987. (2)R.Light & D.Gossard,“Modification of geome
tric models through variational geometry" Computer−Aided Design,Vol.14 No.4,July 1982 (3)B.Aldefeld,“Variation of geometries based o
n a geometric−reasoning" Computer−Aided Design,Vol.20 No.3,April 1988. 従来、2次元ないし3次元形状を計算機等に入力する
ために、ワイヤーフレームモデム(Wireframe mode
l)、サーフェスモデル(Surface model)、ソリッドモ
デル(Solid model)といった形状モデルが利用されて
きた。ここで、ワイヤーフレームモデルとは、形状を、
稜線のみで針金細工的に表現する方法であり、サーフェ
スモデルとは、3次元形状を、その面の集りとして表現
する方法である。ソリッドモデルとは、3次元形状を立
体の内部、外部の区別まで含めて計算機内に表現する手
法であり、面とそれらの接続関係を、稜線と面の関係、
稜線と点の関係などで表現し、面がどのようにつながっ
て立体の表面を形成しているかを表現(例えば、決まっ
た形状を表現する式を用いたり、点とベクトル(法線ベ
クトル)表示を行う等)し、各面のどちら側が立体の内
部であるかを記述することにより、3次元立体を表現す
る方法が知られている。
ただし、これらの手法は、立体の形状を正しく計算機
内部に表現することを目的としており、すなわち、入力
された形状の最終形状のみを記憶しており、形状の修正
を行なうには、新たに別の形状をつくりなおすか、面・
稜線・点などの形状要素のうち修正にともなって変更す
べきものすべてについて、どのような変更をするべきか
を指定しなければならない。すなわち、仮に修正する箇
所が1箇所でもそれに伴なって修正する箇所は多数にの
ぼり、その全ての箇所を修正しないと完全な修正ができ
ないため非常に修正の手間がかかってしまう。
このような問題を解決する方法として、立体の面や稜
線などの形状要素の関係や満たすべき方程式などを別に
定義(例えば空間上の座標と距離の関係を方程式として
定義したり、面や稜線の平行や直角関係を定義)し、こ
の情報をもとに形状を変形する方法が提案されている。
ただし、これらの方法では、あらかじめ作成しておいた
形状モデルに付加情報を付け加える(形状作成後に新た
に付加する必要が生じる)ため、付加情報の作成が繁雑
である。例えば、第40図に示すように三角形では、この
形状が満たすべき条件を方程式で表すと、図中下側に示
したf1乃至f6の6つの連立方程式となる。この場合は、
これらのうちどれか1つが欠けても、他の条件が加わっ
ても解が求まらなくなってしまう。すなわち、付加情報
を過不足なく作成しないと形状が一意に決まらなくなっ
てしまう。
一般の複雑な形状について、対象とするそれぞれの円
弧・線分・頂点といった部分的な形状について、個別に
それらに合った付加情報を過不足なく定義するのは、非
常に困難であると共に、個別にそれらに合った付加情報
を作成するために汎用性が低く実用的でない。
(発明が解決しようとする課題) 上記のように、形状モデル単体としては、形状の修正
などに対応することが難しく、また、形状の変更を実現
するために、別に付加情報を過不足なく付け加えなけれ
ばならないという課題がある。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもの
で、形状あるいは寸法の変更のための付加情報を別途入
力し直すことなく、形状及び寸法の変更(削除,付加,
修正,)を可能にする形状モデリング方法およびそれを
実現する装置の提供を目的としている。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明にあっては、 2次元あるいは3次元の形状を作成するためのコマン
ドあるいはデータ等を入力する入力手段と、前記入力手
段を介して入力される前記コマンドあるいはデータ等に
基づいて作図操作を行い前記形状あるいは前記形状に対
する寸法等を図形処理する演算手段と、前記演算手段に
より図形処理された形状および演算処理された前記寸法
等を表示する表示手段と、から構成される形状モデリン
グ装置を用いて前記寸法の削除を行う形状モデリング方
法であって、 前記表示手段に形状および寸法等を表示した後に、前
記表示された寸法を削除するために、再度前記入力手段
から寸法削除のためのコマンドあるいはデータを前記演
算手段に入力するステップと、前記コマンドを構文解析
するステップと、前記形状を作成する際に実行した作図
操作と、前記作図操作に対応付けて記憶されており、作
成される前記形状の各々の形状要素に指定される前記寸
法および各々の形状要素同志の間に指定される前記寸法
と、前記作図操作同志の間に規定される依存関係と、を
含んで構成される記憶情報に基づいて、前記依存関係を
有する作図操作同志の間の前記寸法を削除する寸法削除
ステップと、前記寸法削除ステップにより前記依存関係
を有する作図操作同志の間の前記寸法が削除された後の
形状および寸法等を前記表示手段に表示する表示ステッ
プと、を含んで構成されることを特徴とする形状モデリ
ング方法である。
また本発明にあっては、3次元の形状を作成するため
のコマンドあるいはデータ等を入力する入力手段と、前
記入力手段を介して入力される前記コマンドあるいはデ
ータ等に基づいて作図操作を行い前記形状を非多様体幾
何モデルに基づいて図形処理すると共に前記形状の寸法
等を演算処理する演算手段と、非多様体幾何モデルに基
づいて前記3次元の形状に対する頂点、稜線、面から成
る形状要素同志の間の接続関係を示す位相情報と、前記
頂点の位置、前記稜線および前記面の形状をそれぞれ示
す幾何情報とに基づいて形成された前記形状および演算
処理された前記寸法とを記憶する記憶手段と、前記演算
手段により図形処理された前記形状および演算処理され
た前記寸法等を表示する表示手段と、から構成される形
状モデリング装置を用いて前記形状および前記寸法等を
修正する形状モデリング方法であって、 前記表示手段に形状および寸法等を表示した後に、前
記表示された形状あるいは寸法等を変更するために、再
度前記入力手段から変更のためのコマンドあるいはデー
タを前記演算手段に入力するステップと、前記コマンド
を構文解析するステップと、前記形状を作成する際に実
行した作図操作と、前記作図操作に対応付けて記憶され
ており、作成される前記形状の各々の前記形状要素に指
定される前記寸法および各々の形状要素同志の間に指定
される前記寸法と、前記作図操作同志の間に規定される
依存関係とを含んで構成される記憶情報に基づいて、前
記寸法を修正することで前記寸法に対応する前記作図操
作および該作図操作と前記依存関係を有する作図操作を
変更して前記記憶手段に記憶されている前記形状を修正
する形状修正ステップと、前記形状修正ステップにより
形状修正された後の前記形状あるいは寸法等を前記表示
手段に表示する表示ステップと、を含んで構成されるこ
とを特徴とする形状モデリング方法である。
また本発明にあっては、2次元あるいは3次元の形状
を作成するためのコマンドあるいはデータ等を入力する
入力手段と、前記入力手段を介して入力される前記コマ
ンドあるいはデータ等に基づいて作図操作を行い前記形
状あるいは前記形状に対する寸法等を図形処理する演算
手段と、前記演算手段により図形処理された形状および
演算処理された寸法等を表示する表示手段と、から構成
される形状モデリング装置を用いて前記寸法を付加する
形状モデリング方法であって、 前記表示手段に形状あるいは寸法等を表示した後に、
前記表示された形状に寸法を付加するために、再度前記
入力手段から寸法付加のためのコマンドあるいはデータ
を前記演算手段に入力するステップと、前記コマンドを
構文解析するステップと、前記形状を作成する際に実行
した作図操作と、前記作図操作に対応付けて記憶されて
おり、作成される前記形状の各々の形状要素に指定され
る前記寸法および各々の形状要素同志の間に指定される
前記寸法と、前記作図操作同志の間に規定される依存関
係と、を含んで構成される記憶情報に基づいて、前記依
存関係が存在しない複数の前記作図操作同志の間に新た
に前記寸法を付加して前記作図操作同志の間に依存関係
を介在させる寸法付加ステップと、前記寸法付加ステッ
プにより寸法が付加された後の前記形状あるいは寸法等
を前記表示手段に表示する表示ステップと、を備えたこ
とを特徴とする形状モデリング方法である。
また本発明にあっては、2次元あるいは3次元の形状
を作成するためのコマンドあるいはデータ等を入力する
入力手段と、前記コマンドを構文解析するコマンド解析
手段と、前記入力手段を介して入力される前記コマンド
あるいはデータ等に基づいて作図操作を行い前記形状あ
るいは前記形状に対する寸法等を演算処理する演算手段
と、前記演算手段により図形処理された前記形状および
演算処理された前記寸法等を表示する表示手段と、から
構成される形状モデリング装置であって、 前記演算手段は、前記形状を作成あるいは変更するた
めの作図操作を実行可能な形状操作手段と、前記形状を
作成する際に実行した作図操作と、前記作図操作に対応
付けて記憶されており、作成される前記形状の各々の形
状要素に指定される前記寸法および各々の形状要素同志
の間に指定される寸法と、前記作図操作同志の間に規定
される依存関係と、を含んで構成される記憶情報を記憶
するための情報記憶手段と、前記依存関係を有する作図
操作同志の間に存在する寸法を削除する際に、前記依存
関係が存在する前記作図操作を前記情報記憶手段の記憶
情報を参照して検索する検索手段と、この検索手段の検
索結果に基づいて前記依存関係が存在するそれぞれの作
図操作を依存関係を規定しない他の作図操作と入替える
処理を行う寸法削除手段と、から構成したことを特徴と
する形状モデリング装置である。
また本発明にあっては、3次元の形状を作成するため
のコマンドあるいはデータ等を入力する入力手段と、前
記コマンドを構文解析するコマンド解析手段と、前記入
力手段を介して入力される前記コマンドあるいはデータ
等に基づいて作図操作を行い前記形状を非多様体幾何モ
デルに基づいて図形処理すると共に前記形状の寸法等を
演算処理する演算手段と、非多様体幾何モデルに基づい
て前記3次元の形状に対する頂点、稜線、面から成る形
状要素同志の間の接続関係を示す位相情報応と、前記頂
点の位置、前記稜線および前記面の形状をそれぞれ示す
幾何情報とに基づいて形状された前記形状および演算処
理された前記寸法とを記憶する記憶手段と、前記演算手
段により図形処理された前記形状および演算処理された
前記寸法等を表示する表示手段と、から構成される形状
モデリング装置であって、 前記演算手段は、前記形状を作成あるいは変更するた
めの作図操作を実行可能な形状操作手段と、前記形状を
入力して作成する際に、実行した作図操作のそれぞれの
作図方法あるいは作図内容と、前記作図操作の順序とを
それぞれ含む形状入力履歴の情報を記憶する形状入力履
歴記憶手段と、前記形状を作成する際に実行した作図操
作と、前記作図操作に対応付けて記憶されており、作成
される前記形状の各々の形状要素に指定される寸法ある
いは各々の形状要素同志の間に指定される寸法と、前記
作図操作同志の間に規定される依存関係とを含んで構成
される記憶情報を記憶するための情報記憶手段と、前記
寸法の変更を行って前記形状をそれぞれの変更後の寸法
に合わせて自動的に変更する場合に、前記形状を入力し
て作成する際に実行した作図操作のそれぞれに対して変
更したい寸法に対応する前記作図操作と該作図操作に前
記依存関係の存在する全ての前記作図操作を前記情報記
憶手段の記憶情報を参照して検索する検索手段と、この
検索手段の検索結果に基づいて、変更したい寸法に関連
する作図操作および該作図操作に依存関係の存在する作
図操作を、変更後の新たな寸法にしたがって実行し直さ
れた新たな作図操作と入替える処理を行う寸法変更処理
手段と、から構成され、 この寸法変更処理手段により寸法変更が行われた後に
前記形状入力履歴記憶手段の記憶内容に基づいて前記形
状操作手段により形状を再構築することを特徴とする形
状モデリング装置である。
また本発明にあっては、2次元あるいは3次元の形状
を作成するためのコマンドあるいはデータ等を入力する
入力手段と、前記コマンドを構文解析するコマンド解析
手段と、前記入力手段を介して入力される前記コマンド
あるいはデータ等に基づいて作図操作を行い前記形状あ
るいは前記形状に対する寸法等を図形処理する演算手段
と、前記演算手段により図形処理された形状を表示する
表示手段と、から構成される形状モデリング装置であっ
て、 前記演算手段は、前記形状を作成あるいは変更するた
めの作図操作を実行可能な形状操作手段と、前記形状を
作成する際に実行した作図操作と、前記作図操作に対応
付けて記憶されており、作成される前記形状の各々の形
状要素に指定される寸法あるいは各々の形状要素同志の
間に指定される寸法と、前記作図操作同志の間に規定さ
れる依存関係とを含んで構成される記憶情報を記憶する
ための情報記憶手段と、前記依存関係が存在しない複数
の前記作図操作同志の間に新たに寸法を指定する寸法付
加を行う際に、付加する寸法に関連する前記作図操作お
よびこの作図操作に依存関係が存在する作図操作を前記
情報記憶手段の内容に基づいて検索する検索手段と、こ
の検索手段の検索結果に基づいて、付加する寸法に関連
する前記作図操作およびこの作図操作に依存関係が存在
する作図操作を、それぞれ付加する寸法に応じた作図操
作に変更する寸法付加処理手段と、から構成されること
を特徴とする形状モデリング装置である。
(作 用) 上記のように構成された形状モデリング方法あるいは
形状モデリング装置によれば次のような作用が得られ
る。
まず、寸法削除を行う場合には寸法関係が存在する各
作図操作をそれに対応する作図操作を寸法関係を規定し
ない他の同等な作図操作に変更することにより達成され
る。この寸法削除は、過剰寸法を削除しなければ寸法付
加が行えない場合などに適用される。
寸法修正(形状修正)を行う場合には、3次元形状の
修正したい寸法に対応する作図操作および作図操作と依
存関係を有する作図操作を変更することにより、修正後
の寸法にしたがって、形状が自動的に修正される。
寸法付加を行う場合には、寸法関係を付加しようとす
る各作図操作とそれに依存関係を有する作図操作とを付
加される寸法に応じて変更することにより達成される。
これら本発明に係る寸法削除、寸法修正、寸法付加
は、従来のようにそれぞれの操作に伴う付加的情報を、
形状入力後にオペレータが付加的に入力する必要が無く
オペレータの操作負担を極めて軽減できる。
(実施例) 以下図面を参照して本発明の一実施例について説明す
る。
第1図は、本発明の一実施例に係る形状および寸法の
入力・変更装置(形状モデリング装置)の概略基本構成
を示す機能ブロック図であり、図に示すように以下の機
能ブロックから構成されている。
すなわち、入力部1,コマンド解釈部2,形状変更方法計
画部3,寸法関係検索部4,寸法値算出部5,形状操作部6,形
状入力履歴記憶部7,幾何拘束伝播部8,形状記憶部9,形状
表示処理部10,寸法表示処理部11,依存関係記憶部12,検
索部13,表示部20,外部ファイル21等から構成され、コマ
ンド解釈部2乃至検索部13は、汎用コンピュータ,パソ
コンあるいはラップトップコンピュータ等の計算機を構
成する演算装置15内にハードウェアあるいはソフトウェ
アとして設けられている。
入力部1はキーボードおよびピック機能を有するマウ
ス等から構成され、キーボードからは、コマンドの入
力、あるいはテンキー(10key−bord)を介して寸法値
の入力、またマウスからは、予め定義されているコマン
ドのピック(pick−up),寸法値のピック等が行なわれ
る。
コマンド解釈部2は、オペレータが入力部1より入力
したコマンド列を受け付け、必要によりそのコマンド及
びパラメータの組み合せのシンタックス(構文)チェッ
クを行う一種のコマンド・インタプリタである。すなわ
ち、このインタプリタは、例えばコマンド列“YYY nn,
mm,・・・”が寸法の変更のコマンドであるのか形状操
作のコマンドであるのか等のシンタックス・ルールに合
致するか否かをまずチェックし、その結果が正しいシン
タックスであれば、コマンドおよび付属のパラメータを
それぞれ詳細解析して対応する機能ブロックの装置また
は制御プログラム(サブルーチン)を起動する。つま
り、コマンド解釈部2は以上のような機能を有するコマ
ンド・インタプリタ(ファーム・ソフトウェア)から構
成されている。
形状変更方法計画部3は、ソフトウェアで構成され寸
法変更コマンドが選択された時に、寸法変更に伴なう形
状の修正を、最初から形状を作り直すのか、修正すべき
箇所まで後戻りをしてやり直すのかを任意の条件に基づ
いて判断(この判断基準の詳細は後述する)する。な
お、この形状修正方法計画部3は、変更すべき寸法が指
定された時にその寸法に係わる形状要素がどれでなるか
を特定し、その形状要素を寸法にしたがって変更した
時、どの形状要素に影響が及ぶかを後述する寸法関係検
索部4,形状入力履歴記憶部7,依存関係記憶部12等の関連
データを参照して検索も行なう。
寸法関係検索部4は、ソフトウェアで構成され、寸法
表示,寸法削除,寸法付加等のコマンドが選択された時
に、その指定された寸法に係わる形状要素がどれである
かを特定し、必要に応じてその形状要素と他のどの形状
要素が影響し合っているかを後述する形状入力履歴記憶
部7,依存関係記憶部12等あるいは必要に応じて検索部13
等を参照して検索を行なう。なお、寸法付加のコマンド
が選択された場合には、詳細は後述するが、座標データ
等を計算する演算プロセッサよりなる寸法値算出部5に
より、付加する寸法を求める予備的な寸法を算出する。
この予備的な寸法の算出方法(主に数学的な手法)は幾
何拘束伝播部8によって決定され実行される。
形状操作部6は、後述する形状記憶部9に記憶されて
いる形状の変更を行なう目的、あるいは新たに形状を作
成する目的のために例えば、後で詳述するソフトウェア
による図形関数(ライブラリ)群として定義される。こ
の関数群はCPU上で実行されグラフィック・プロセッサ
等を介して該当する図形を作図し表示される。
形状入力履歴記憶部7は、入力される形状データを記
憶するRAM等の内部メモリおよびそして必要により外部
フィイルから構成され、オペレータが形状を作成する際
の作図の内容(形状データ等)及び順序等の入力履歴を
記憶する。
形状記憶部9は、明細書の最後の部分で説明するよう
に非多様体幾何モデルのためのラジアルエッジ構造を用
いたソフトウェア・プログラムで構成されているか、あ
るいは形状専用のRAM等の内部メモリと必要により外部
フィイル等で構成され、形状操作部6により種々の作図
操作を組合せて作成された形状のデータを記憶する。
形状表示処理部10および寸法表示処理部11は既存のグ
ラフィクプロセッサ等から成り、ディスプレイ等の表示
部20に形状あるいは寸法を表示させることができる。
また、第2図は、本発明の形状および寸法の入力・変
更方法(形状モデリング方法)に関する概略フローチャ
ートを示しており、第3図乃至第6図はそれぞれコマン
ド入力処理フローチャート,寸法削除処理フローチャー
ト,寸法修正処理フローチャート,寸法追加処理フロー
チャートを示している。
第1図乃至第6図を参照して本発明の形状の入力・変
更および、寸法の入力・変更(削除・修正・付加)に関
する動作説明を簡単に行なう。
入力部1から入力されたコマンドは、コマンド解釈部
(コマンド・インタプリタ)2により、例えば、1次
元,2次元あるいは3次元の形状を作成するための形状処
理(形状操作)のコマンドであるのか、作成された形状
を表示部20に表示するための形状表示のコマンドである
のか、作成された形状の寸法を表示部20に表示するため
の寸法表示のコマンドであるのか、表示された寸法を変
更して形状を修正するための寸法修正のコマンドである
のか、あるいは、例えば2つの点を指定してその間に新
しく寸法関係を指定する寸法付加のコマンド,さらに
は、寸法削除のコマンドのいずれであるのかが前述のコ
マンド解釈部2により解釈される。(ただし、コマンド
の種類についてはこれに限定されない。) 次に上記に示した本発明の特徴である一例のコマンド
種類と内容について簡単に説明する。
(A) 形状操作(作図操作)のコマンド 形状操作(作図操作)のコマンドが選ばれ、入力部1
により形状入力のためのパラメータが入力されると、形
状操作部6が起動されて、形状が作成すなわち作図操作
が実行される。その際にどのような作図内容で、どのよ
うな作図順序で形状が作成されたかの形状処理のための
入力履歴が形状入力履歴記憶部7に記憶される。実際の
作図においては、この処理が繰返されることにより順次
複雑な形状が作成されていく。
また、一方入力されるデータあるいは、作成される形
状のデータはその都度形状記憶部9に記憶されており、
形状表示処理部10を介して表示部20に形状作成過程を表
示することが可能であり、もちろん形状操作の完了した
完成形状を表示(形状表示)することができる。
(B) 寸法削除のコマンド 第4図には寸法削除処理フローチャートが示されてい
る。
この実施例における寸法削除とは次のように定義して
いる。すなわち、単にディスプレイ上の寸法表示を消去
するのではなく、各々の形状操作間に存在する寸法関係
(寸法の依存関係)を削除することである。
この寸法削除は概念的には、寸法関係が存在する各々
の形状操作において、それに対応する形状操作を寸法関
係を規定しない他の同等(同じ位相操作)な形状走査を
入れ替えることで達成される。
より具体的には、多くの場合形状操作を絶対座標を基
準に行なうことにより、他の形状操作との寸法依存関係
は存在しなくなり、寸法削除が実現される。
寸法削除のコマンドが選択されると、入力部1の例え
ばマウス等により表示部20に表示された形状から寸法の
存在する例えば2つの頂点をピックする。また、表示部
20に表示された寸法値を直接ピックすることもできる。
このとき、寸法関係検索部4が起動され、寸法削除に関
連する形状要素、例えばピックされた頂点の生成に係わ
る作図操作を検索する。そして、寸法関係検索部4によ
り、この検索された作図操作に変わる寸法関係を規定し
ない他の同等な形状操作を検索し、この検索された新た
な形状操作に入れ替える。
この寸法削除は、後述する寸法付加を行ないたい場合
でかつ後述する過剰寸法(既に存在する寸法を削除しな
ければ新しい寸法を付加できない場合)等であった時等
に、寸法削除の必要が生じ、この時にも利用される処理
である。
(C) 寸法修正(形状修正)のコマンド 第5図には寸法修正処理に関するフローチャートが示
されている。
基本的に寸法修正のコマンドが実行されると、寸法が
新たな寸法に変わると共にその寸法に対応して形状も自
動的に修正されるという処理が実行される。
寸法修正のコマンドが選ばれると、入力部1の例えば
マウス等により、表示されている修正したい寸法部位を
ピックして選択し、新しい修正後の寸法を入力部1のキ
ーボード等により入力する。
修正したい寸法を キーボード等により入力する。修正したい寸法をピック
することにより形状修正方法計画部3が起動され、これ
により寸法関係検索部4が動作する。寸法関係検索部4
は、形状入力履歴記憶部7あるいは依存関係記憶部12の
内容を参照し、修正したい寸法に係わる作図操作がどの
作図操作に対応しているかを検索し、特定する。すなわ
ち修正したい寸法に対応する作図操作の検索を行ない作
図操作を特定する。
さらに形状修正方法計画部3は、この特定された作図
操作の1つ前の作図操作の順まで、作図操作を後戻りさ
せるのか、最初から作図操作をやり直すのか、このどち
らかが操作が簡単であるかを判断する。この判断の仕方
については後述する。
上記判断に基づいて特定された作図操作の1つ前の作
図操作まで後戻りするか、あるいは最初からやり直した
ら修正後の新寸法により作図操作を実行し、この修正が
他の形状に影響を与えない(依存関係が無い)場合に
は、その後は形状入力履歴記憶部7の記憶内容に従って
記憶内容を形状操作部6を用いて再実行(コピー)して
形状の復元を行ない、先の依存関係記憶部12の内容を参
照した検索により依存関係が存在する場合には、依存関
係のある形状操作を再度実行し直すことで求めたい形状
は作成される。
なお、上記寸法関係検索部4により、修正したい作図
操作を特定する時には、形状入力履歴記憶部7の記憶内
容として、すでに入力時に作図操作と寸法との対応関係
が例えば対応表のように形成されている場合か、あるい
は寸法関係検索部4が稼動されている場合には、まず、
作図操作と寸法との対応関係を検索して最良な変更方法
を求めることが可能なように構成されている。
(D) 寸法付加のコマンド 第6図には寸法付加処理フローチャートが示されてい
る。
オペレータが寸法付加のコマンドを選び、続いて、入
力部1の例えばマウス等により表示20に表示された形状
から寸法関係を定義したい、例えば2つの頂点をピック
して、寸法付加に関連する形状要素を選択し、新たに付
加される寸法値をキーボード等により入力する。
寸法付加の場合には、まず過剰寸法(新たに寸法を定
義したい場合に、すでに存在する寸法関係で唯一つ形状
が定義されており、すでに存在する寸法を削除(寸法関
係の削除)すなわちキャンセルしなければその寸法を付
加できない場合)であるか、否かが寸法関係検索部4に
より検索される。この過剰寸法チェックについては詳細
は後述する。過剰寸法でない場合、あるいは過剰寸法
で、そのうちの少なくとも1つの寸法が削除された場合
は次の処理が実行される。
すなわち、寸法関係検索部4が起動され、寸法付加に
関連する形状要素、たとえばピックされた頂点の生成に
係わる作図操作を検索し、さらに、形状入力履歴記憶部
7,依存関係記憶部12の内容を参照してこれらの作図操作
に影響を及ぼす作図操作、依存関係のある作図操作を検
索する。そして、これらの作図操作を付加された寸法に
従って、どのように実行すべきかを前述の形状変更方法
計画部段3を起動することにより算出する。最後にこの
結果に基づき形状操作部6が起動され、実際に付加され
た寸法に対応した形状修正が実行される。付加された寸
法に従って、作図操作をどのように実行するべきかを算
出する方法については、後で詳しく説明する。
(E) 形状表示のコマンド 形状表示のコマンドが選ばれると、形状表示処理部10
が起動され形状記憶部9の内容を参照して表示部20に形
状を表示(形状表示)することが可能である。
(F) 寸法表示のコマンド 寸法表示のコマンドが選ばれると、寸法関係検索部4
が形状入力履歴記憶部7あるいは依存関係記憶部12の内
容を参照し、作成された形状の寸法を寸法表示処理部11
を介して表示部20に表示(寸法表示)することが可能で
ある。
以上説明した種々のコマンドを一覧にまとめて図示し
たものが第7図に示されるコマンド体系図である。ただ
し、コマンドおよびその付属するパラメータ等の種類、
内容等は、本願明細書に示した記述内容に限定されるこ
とはない。
次に本願発明の形状操作部6で実行される作図操作
(ソフトウェアで関数群として定義されているもの)に
ついての代表的な操作を簡単に説明しておく。
第8図乃至第14図は、形状入力の際に用いられる上記
作図操作の例に示している。すなわち、 (1)第8図(a)と第8図(b)は、ある点30から水
平方向に長さ の線分31を引く作図操作、 (2)第9図(a)と第9図(b)は、ある点30から水
平方向に対してθの角度をなす直線にそって長さ の線
分32を引く作図操作、 (3)第10図(a)と第10図(b)は、すでにある2点
30と33を線分34でむすぶ作図操作、 (4)第11図(a)と第11図(b)は、ある点35を中心
として半径rの円36を描き、直線37との交点38,39を求
める作図操作、 (5)第12図(a)と第12図(b)は、2つの円40,41
の共通接線42を引く作図操作、 (6)第13図(a)と第13図(b)は直線43に平行な直
線44(距離d)を引く作図操作を示している。
(7)第14図(a)と第14図(b)は2本の線分45,46
のうち線分45の一部を削除する作図操作をそれぞれ示し
ている。
すなわち、上記の作図操作は、設計者(オペレータ)
が形状を定義する際に実際に用いるコマンドに対応す
る。これらの作図操作は2次元の作図操作から、面の掃
引(スイープ)、立体の張り合わせ等の3次元のソリッ
ドの操作まで、さまざまな操作を含んでいる。これらの
作図操作は、形状定義のための、柔軟で制限の少ない環
境を提供する。設計者(オペレータ)は、定義やコンパ
スを使って図面を書くように形状を定義することができ
る。これら作図操作は、後で述べる非多様体形状モデル
に基づいて統一的にインプリメントされている。上記第
8図乃至第14図は、インプリメントされている2次元作
図操作の一例を示している。円が複数のセグメントに分
割されている理由は、閉曲線が1つのセグメントで表現
されると、非多様体形状モデルの形状データベースに位
相的な曖昧さが残ってしまうためである。
形状の定義にかかわる寸法関係は、頂点や稜線などの
形状要素間の位置を拘束する幾何拘束として考えること
ができる。幾何拘束の視点からは、作図操作の実行は、
それに対応する幾何拘束をモデルに定義することに相当
する。例えば、第8図に示す基準点と長さを指定して水
平に線分を定義する作図操作は、2点間の距離と線分の
方向ベクトルを定義する。中心点と半径を指定して円を
描く作図操作は、中心点と円上の点との距離を定める幾
何拘束を規定する。さらに、形状要素を削除する作図操
作は、より複雑な幾何拘束を定義する機能を提供でき
る。どの形状要素でも削除できるようになっていると、
設計者は、補助的な形状要素でも定義できる。ある点の
位置を決めるために使う補助線は好例である。
このように補助線を用いて例えば、第15図(a)に示
した三角形を定義することを考える。このような三角形
は普通、頂点V3の位置を決めるため第15図(b)に示し
たような2つの補助線A1とA2を用いて作図される。作図
操作列の実例としては、以下示すようなものが考えられ
る。
Operation−1 頂点V1を打つ Operation−2 頂点V2を頂点V1に対して相対的に決められた位置に打
つ(寸法Aが規定される) Operation−3 頂点V1と頂点V2を線分E1で結ぶ Operation−4 中心がV2の円A1(A1は補助線)を描く(寸法Bが規定
される) Operation−5 直線A2(A2は補助線)を線分E1に平行に引く(寸法C
が規定される) Operation−6 円A1と直線A2の交点を計算して頂点V3とする Operation−7 補助線であるA1とA2を消す Operation−8 頂点V3と頂点V2を線分E2で結ぶ Operation−9 頂点V1と頂点V3を線分E3で結ぶ 補助線A1は、(頂点V3と)頂点V2との距離を規定する
幾何拘束に対応し、補助線A2は、(頂点V3と)線分E1と
の距離を規定する幾何拘束に対応する。これら2つの補
助線A1とA2の交点たる頂点V3を計算することは、これら
2つの幾何拘束の論理積を取ることとして考えることが
できる。これらの作図操作によって、設計者が1つず
つ、かつ直接的に幾何拘束を、対応する形状操作を実行
させることによって定義することが可能になる。このよ
うな意味から、作図操作は個々の基本的な幾何拘束に対
応させて定義する必要があるが、このような基本的な作
図操作は、ワイヤーフレーム、サーフェス、あるいはこ
れらの混合状態の表現ができないことから、現在のソリ
ッドモデルでは実現できない。これが、本システムが引
多様体形状モデルを基礎としている主な理由である。
より正確には、作図操作は以下のような情報と関連付
けられている。
(1)新しく生成された、また削除された形状要素 (2)基準として用いられた形状要素 (3)作図操作の実行によって定義される幾何拘束の種
類 (4)幾何的な関係を決める寸法値 作図操作は、主に、形状モデルのデータベースにどの
ような位相操作を行うかによって分類されるが、さら
に、それぞれが対応する幾何拘束によって細分化されて
いる。例えば、形状モデルのデータベースに、点を1つ
生成するという位相操作について、以下のようなバリエ
ーションが考えられる。
その1つは、点の位置をx,y,zの絶対座標値で直接指
定して点を生成する形状操作である。これは、新しい点
の位置が他の形状要素と独立に決められるために、他の
形状要素との間にいかなる幾何的な関係も定義しない。
もう1つは、新しい点の位置が基準点との相対的な位
置関係で計算される作図操作である。この作図操作で
は、2点間の幾何拘束が定義され、この拘束が基準点か
ら新しい点へ伝播されていることを示している。これ
は、位置関係の意味では、新しい点が基準点に依存する
ことを意味する。
他の作図操作として、新しい点を指定された2点の中
点として生成するものが考えられる。この場合は、新し
い点は、指定された2つの点に依存する。このように、
作図操作は、まず形状モデルのデータベースにどのよう
な位相操作を行うかによって分類され、さらに、対応す
る幾何拘束によって細分される。
実行された作図操作列は入力履歴として形状入力履歴
記憶部7に記憶される。同時に、幾何拘束とそれらがど
の様に伝播されたかを作図操作によって統一的に管理す
る。
第16図は、第15図の実例について、幾何拘束がどのよ
うに伝播されているかを図式的に表している有向グラフ
である。グラフの中でそれぞれのアークは、実行された
作図操作に対応し、アークの向きは幾何拘束が伝播され
る方向を示す。後から生成される形状要素が基準として
用いられることはないので、このグラフは必ず非循環に
なる。これは、幾何拘束を扱う上で、重要な特徴の1つ
である。この有向グラフで、ルートノード(親のノード
の無いもの)は、それに対応する形状要素が幾何拘束の
点からの他の形状要素とは独立であることを示してい
る。ある特定の形状要素に影響を及ぼすすべての幾何拘
束は、グラフを逆向きにたどることで算出することがで
きる。たとえば、E1に関連する幾何拘束として、Operat
ion−1、Operation−2、Operation−3と対応するア
ークをたどることで、寸法Aが算出される。
このグラフの別の特徴は、ノードとその親ノードを結
ぶアークはすべて同じ作図操作に対応することである。
これは、これらのアークが、指定されたノードに対応す
る形状要素を生成する作図操作に対応するためである。
また、寸法は2つの形状要素間に定義されるもので、こ
の寸法関係は、すでに存在する形状要素を基準として、
新しく形状要素ゐ生成することによって定義されるとし
ているので、寸法に関連する作図操作はただ1つの対応
するアークを持つ。2つないしそれ以上のアークをつ作
図操作は、2つ以上の寸法拘束を同時に満たす形状要素
を生成するものになる。例えば、線分E3を描くためのOp
eration−3は、頂点V1と頂点2の位置に関する拘束を
同時に満たす稜線を算出することに対応する。Operatio
n−6は、寸法BとCで表される拘束の論理積に対応し
ている。
次に本願発明の先に示した種々のコマンドのうち、特
に特徴のある(B)の寸法削除のコマンドと(C)の寸
法修正(形状修正)のコマンドと(D)の寸法付加のコ
マンドについて、それぞれのコマンドの実施内容を簡単
な実例を用いて説明を行なう。
(I)付法の削除について 寸法関係の削除は、後述する付法付加を行なう時に過
剰寸法であった場合等に主に利用される。
個々の寸法関係は、それに対応する作図操作を入れ替
えることによって削除することができる。すでに述べた
ように、個々の作図操作には、位相的には同じ形状を生
成するが、異なる寸法関係を規定するものが用意されて
いる。寸法関係は、それに対応する形状操作を、同じ位
相操作を行い、寸法関係を規定しない他の作図操作(基
本的には絶対座標系を用いる作図操作)に入れ替えるこ
とで削除される。
例えば第15図(a)にBで表されている寸法は、円A1
の中心座標を頂点V2と独立なx,y,z座標の値を直接指定
する作図操作に入れ替えること削除される。x,y,z座標
のデフォールト値は頂点V2と同じにセットされるが、頂
点V2の位相変更があっても、絶対座標として中心座標を
定義した円:A1は位置が変わらないので、Operation−4
に対応する幾何拘束は伝播されない。この場合半径のデ
フォルト値はBにセットされる。この変更後は、幾何拘
束がどのように伝播されるかを示すグラフは第17図に示
したようになり、頂点V1と円A1に対応するノードが頂
点:V3に対応するルートノードとなる。これは、第15図
に示された三角形は、頂点:V1と円:A1が共に指定された
場合にのみ一意に決まる。つまり、この三角形は寸法を
削除したことにより寸法拘束が不足しているという状態
である。
(II)寸法の修正(形状修正)について 本願発明で寸法修正(形状修正)とは、寸法値が変更
されたときに自動的に形状モデルを修正することであ
る。以下の説明では形状モデルの位相的(トポロジ)な
変更は起こらないとする。
前述したように、寸法は形状を規定する幾何拘束とと
らえ、これら幾何拘束は作図操作に対応付けられてい
る。寸法が指定されると、対応する作図操作が一意に決
まる。この方法では、与えられた幾何拘束の集合を満た
す形状は、対応する作図操作を実行することで算出され
ると考える。寸法修正は、正しい寸法値を用いて対応す
る幾何拘束を置き換えることと考えることができる。幾
何拘束を置き換えることは、対応する作図操作を取り消
し、新しい値に従って実行しなおすことに対応する。
そこで、新しい幾何拘束集合を満足する形状を算出す
る1つの方法としては、寸法修正に依存する作図操作を
取り消し、これらを新しい寸法値に従って再実行すれば
よい。もう1つの方法としては、形状データベースをリ
セットし、すべての作図操作を実行する(最初から再度
やり直す)方法がある。
再び第15図の例で説明する。例えば、寸法Cが指定さ
れたとすると、Operation−5が対応する作図操作にな
る。この場合、Operation−6からOperation−9までの
4つの作図操作がOperation−5に依存(Operation−5
以降の操作が全て依存)する。形状変更が作図操作の取
り消しによって実行される場合には、これら依存する4
つの作図操作と対応する作図操作の合計5つの作図操作
を取り消し、新しい寸法値に従って再び実行すればよ
い。形状変更が形状データベースのリセットによって実
行される場合には、9つの作図操作を最初から新しい寸
法値にしたがって実行すればよい。
理論的には、形状モデルの位相的(トポロジ)な変更
を考えていないので、形状モデルの修正は形状データベ
ースに対する位相操作の取り消し、または再実行を行な
わなくても実行できる。つまり、理論的には形状モデル
は幾何計算のみの実行で修正可能である。ただ、現在は
インプリメンテーションを簡単化する目的で、位相操作
についても取り消し、再実行を実行している。
次に、この寸法修正(形状修正)について、より理解
を容易にするために、従来の方法と本願発明の方法を比
較しながら以下説明を行なう。
例えば上記第8図乃至第14図に説明した種々の作図操
作について、従来例であるところの方程式によって情報
を付加する方法で寸法変更を可能にすることを考える。
この場合、(3)の第10図については特に付加情報は必
要ないが、(1)の第8図場合には、2点30,30′のx
座標の差が(線分の長さ)であることを示す方程式を、
(2)の第9図場合には水平方向と線分32の方向ベクト
ルのなす角がθであることを示す方程式と2点間30,3
0′の距離が、(線分の長さ)であることを示す方程式
を(4)の第11図場合は半径rの円36の方程式を、
(5)の第12図場合には2つの直線43,44の方向ベクト
ルが平行であることを示す方程式と一方の直線上の1点
と他方の直線との距離がdであることを示す方程式を付
加して、これらを連立させて解く必要がある。
しかし、上記のような簡単な作図操作ではなく、複雑
な形状の作図操作になった際に、ユーザがこれらの方程
式を過不足なく付加するには、非常に時間がかかり大変
な労力を要する。また、2次以上の多変数連立方程式を
一般的にかつ自動的に解くのは難しい。
本発明の形状および寸法の変更方法によれば、従来の
ように付加情報を別途付け加える必要がなく、どのよう
な作図操作がどのような順序で行われたか、すなわち、
作図の履歴を記憶することにより、付加情報を加えたの
と等価な効果を得ることができる。
まず、先に第40図に示した従来例をもとにして、本発
明によってどのように従来の付加情報を加えたのと等価
な効果が得られるか第18図に示す。本発明においては第
18図(a)乃至(f)に示したように、一般の技術者が
製図板に向かって製図するように作図を行うことが可能
である。
(1)第18図(a)に示したようにまず基準となる点50
を打つ。
(2)第18図(b)に示したように長さd1指定して線分
51を描く。この作図操作が行われることによりd1という
寸法が暗黙のうちに指定されたと考えられるので、この
d1という寸法を変更したい場合には、それに対応する作
図操作はこの線分を引く操作となる。つまり、この作図
操作から点50と点50′の間に距離d1の寸法関係を抽出す
ることができる。また、この作図操作は点50を基準とし
て実行されたものであるので、第18図(b)の作図操作
は第18図(a)の作図操作に依存関係があることが分
る。つまり、基準となる点50を打ちなおす、すなわち第
18図(a)の作図操作を実行しなおせば、その影響が第
18図(b)によって生成された線分51などにおよび、形
状や位置が変更される可能性があることを示している。
この依存関係を記憶することが本発明の特徴の1つであ
る。
(3)18図(c)示すように距離d2を指定して平行線52
を引く。この作図操作はd2という寸法に対応し、第18図
(b)の作図操作に依存関係がある。
(4)第18図(d)では、半径(距離)d3を指定して半
径d3の円53を描き直線52との交点54を求めている。この
作図操作はd3という寸法に相当し、円の中心として基準
とした点50′を生成した第18図(b)の作図操作に依存
関係がある。
(5)第18図(e)に示すように不要な線(ここでは線
分52および53が相当する)を消す。このように1度生成
されたあとに再び消去された線は補助線であると代えら
れるので、線幅を細くする、色を変えるなどして実際の
形状のほかに補助的に表示することにより、さらに理解
し易い表示を行うことも可能である。
(6)第18図(f)で点50と交点54をむすんで線分55を
生成する。この作図操作は、点50を生成した第18図
(a)の作図操作と点54を生成した第18図(e)の作図
操作に依存関係がある。
(7)第18図(g)で点50′と交点54をむすんで線分56
を生成する。この作図操作は、点50′を生成した第18図
(b)の作図操作と点54を生成した第18図(e)の作図
操作に依存関係がある。
以上の形状入力履歴から抽出した寸法関係おそれらの
依存関係を図示すると第19図のように関係図として表現
できる。
このような作図を行っ場合に、例えば、ユーザがd3と
いう寸法を変更したいと指定した場合には、形状入力履
歴記憶部7に記憶された作図内容ないしは依存関係記憶
部12の依存関係内容を参照し、この寸法に対応する作図
操作が第18図(d)半径d3の円53を描く操作であること
寸法関係検索部4を用いて検索する。その後、例えば、
円53を描く作図操作の半径として変更後の寸法値を用い
て、再び始めから形状生成をやり直せば、新しい寸法に
従って修正された形状が再構成される。このように最初
から作図操作をやり直して新しい形状を再構成する以外
に、作図操作を途中まで後戻りさせて、そこから作図操
作をやり直す方法もある。この方法を以下に説明する。
形状修正を後戻りによって実現する場合には、以下の
ような手順で処理を実行する。
すなわち、変更したい寸法d3が第18図(d)の作図操
作であることが寸法関係検索部4により検索され、この
作図操作に依存する作図操作が、第18図(e)、第18図
(f)、第18図(g)の作図操作であることをさらに検
索する。もし、これら第18図(e)、第18図(f)、第
18図(g)の作図操作に依存関係のある作図操作がまだ
さらに存在すれば、さらに同様の検索を実行して間接的
な依存関係があるものまですべて検索する。
この場合、第18図(d)の作図操作に依存する操作は
第18図(e)、第18図(f)、第18図(g)であるの
で、これらの作図操作が実行れるのとは逆順に、すなわ
ち第18図(g)、第18図(f)、第18図(e)、第18図
(d)の順に逆操作を実行して、次の第18図(d)の作
図操作を新しい寸法に従って実行する。その後、さらに
第18図(e)、第18図(f)、第18図(g)の作図操作
の順に作図操作を再実行すれば、新しい寸法値に従って
形状が再構成される。
このとき、第18図(d)の操作に依存する形状操作、
(依存関係んある作図操作)すなわち寸法変更に従って
位置や形状に変更が生じる可能性のある形状要素に係わ
る作図操作が、形状入力履歴記憶部7に記憶された作図
内容ないしは依存関係記憶部12の依存関係内容から寸法
関係検索部4により自動的に検索可能であるため、ユー
ザ自身はどの部分が寸法変更の影響を受けるかを、細く
意識する必要がない。
なお、以上では、依存関係記憶部12の内容をも参照し
て、寸法変更に拘わる作図操作に依存関係のある作図操
作を検索する場合を説明したが、簡易的な方法として、
寸法変更に係わる作図操作以降に実行された作図操作す
べてを形状入力履歴記憶手段7の記憶内容にしたがって
依存関係のある作図操作として考えてもよい。(この方
法は本発明が先に特許出願した特願昭63−323402号に記
載されている。)この方法について以下簡単に説明を行
う。
つまり、寸法修正のコマンドが選ばれると、入力部1
の例えばマウス等により、表示されている修正したい寸
法部位をピックして、新しい修正後に寸法をキーボード
等により入力する。修正したい寸法をピックすることに
より形状修正方法計画部3が起動され、これにより寸法
関係検索部4が動作する。寸法関係検索部4は、形状入
力履歴記憶部7の内容のみを参照し(すなわちこの方法
は依存関係記憶部12を備えていない場合でも寸法修正が
実行できることを示すものであって、本発明が第1図に
示される構成に限定されない根拠の1つである。)、修
正したい寸法に係わる作図操作がどの作図操作に対応し
ているかを検索し、特定する。すなわち修正したい寸法
に対応する作図操作の検索を行ない作図操作を特定す
る。
さらに形状修正方法計画部3は、この特定された作図
操作の1つ前の作図操作の順番まで、作図操作を後戻り
させるのか、最初から作図操作をやり直すのか、このど
ちらが操作が簡単であるかを判断する。この判断の仕方
については前述と同様であるので以後併せて説明する。
前の作図操作まで後戻りするか、あるいは最初からや
り直したら修正後の新付法により作図操作を実行し、そ
の後は形状入力履歴記憶部7の記憶内容に従って記憶内
容を形状操作部6を用いて再実行(コピー)して求める
形状の変更を行う。この簡易的な方法は、寸法変更に係
わる作図操作以降に実行された作図操作全てを依存関係
のある作図操作と見なして扱う為、再実行する作図操作
の数が増える(実際には依存関係の無いものが含まれて
いる可能性があるため)可能性があるが依存関係の検索
の時間が短縮および依存関係記憶部12の省略に伴う構成
の簡略化においては意義があるものである。
ここで、寸法変更に係わる作図操作が検索された時
に、最初から作図操作を実行しなおすか、あるいは後戻
りによって形状修正を行うかは、以下のような方法で自
動的に決定する。すなわち先に少し触れたように、最初
からやり直すか、後戻りするかの判断の仕方について以
下詳述する。
まず、最初から作図操作を実行し直す場合と、後戻り
によって形状修正を行う場合のそれぞれについて、実行
すべき、ないしは、後戻りすべき作図操作を算出する。
各作図操作には、その作図操作によって新しく生成され
る頂点、稜線、面などの数等から、その作図操作を実行
する際の難易度がウエイト付けの数値として付加される
ようになっている。最初から作図操作を実行し直す場合
と、後戻りによって形状修正を行う場合のそれぞれにつ
いて、このウエイト付けの数値の合計値を算出し、この
値が小さい方の方法によって形状の修正を行えばよい。
つまり、1つの方法として、 形状修正を実行するのに必要な作図操作回数のすべて
もしくは1部を算出し、必要な作図操作回数、もしくは
この作図操作回数にそれぞれの操作の難易度をウエイト
づけした評価値により、判断する。
より具体的には、上記の方法に関しては、操作の難
易度のウエイト付けとして、例えば、作図操作の対称が
後術するワイヤーフレームモデルであればウエイト1,サ
ーフェスモデルであればウエイト3,ソリッドモデルであ
ればウエイト10のようにする。
また、形状操作において、点を生成した場合はウエイ
ト1,線分を生成した場合にはウエイト2,面を生成した場
合にはウエイト5のように難易度を評価する。
あるいは、他の方法として、 作図操作が実行されるごとにその作図操作を実行する
のに必要な演算量を算出しておき、この値を形状修正を
どのように行うかを判断する際のウエイトづけの係数と
して利用することにより判断をする。
さらに、上記の方法に関しては、例えば三角柱の生
成過程を例にとると、点を1つ生成する過程では演算量
はウエイト1×1=1となる。また線分を1つと点1つ
生成する過程では演算量は、(ウエイト2×1)+(ウ
エイト1×1)=3となる。また、面を1つ生成する過
程では演算量は、ウエイト5×1=5となる。また、面
を掃引して面を4つ生成する過程では演算量はウエイト
5×4=20となる。
そして上記とのどちらかの方法、あるいは両者を
考慮してトータルの難易度を設定し、後戻りするか最初
からやり直すかを判断するようにしている。
もちろん、判断の方法は上記方法には限定されること
なく、他の方法を用いてもよい。
(III)寸法の付加について ここでは、すでに存在する2つの形状要素の間に寸法
拘束を付加する方法について述べる。作図操作と作図操
作間の依存関係は付加される寸法拘束に従って修正され
る。これら付加された寸法は変更(修正)可能で、作図
操作を実行することによって定義された寸法と同様に、
形状モデルは自動的に修正される。寸法付加の手順はお
おまかに以下のように分類される。
(1)寸法付加によって過剰寸法となるか否かのチェッ
ク (2)付加された寸法を対応させる作図操作の決定 (3)与えられた幾何拘束を満足する、前記作図操作の
ための寸法値(前述した予備的な寸法値で寸法値算出手
段5により算出される。)の算出 (4)作図操作の取り消し、再実行などによる形状の修
正 寸法付加によって過剰寸法となるかどうかのチェック
は、すでに存在する形状モデルに寸法拘束が不足してい
るかどうかをチェックするのと等価である。また概念的
には、寸法関係を付加しようとする2つの形状要素間に
依存関係があるか無いかのチェックとなる。もし、新し
い寸法拘束が、寸法拘束が不足していない形状モデルに
付加されると、指定された形状要素の間に2つないしは
それ以上の方法で関係が定義されることになり、過剰寸
法となる。
すでに、存在する形状モデルが寸法拘束が不足してい
るかどうかをチェックするのは、指定された形状要素に
対応するルートノードを数え上げればよい。また、概念
的には、寸法拘束を付加しようとしている複数の形状要
素の中で最初と2番目以降に実行された形状要素の中で
最初と2番目の形状要素間に依存関係があるか否かのチ
ェックを行えばよい。例えば、G1,G2を指定された形状
要素とし、SN1,SN2をG1,G2に対応するルートノードの集
合とする。SN1の各要素に対応するすべての形状要素は
他の形状要素に依存しないので、これら形状要素の位置
が指定されたときのみに、G1は一意に決まる。G2も同様
である。つまり、SN1とSN2が等しい時には、G1が一意に
決まればG2も一意に決まり、逆も同様である。これは、
G1とG2に関する限り、形状モデルに寸法拘束が不足して
いない状態であることを示している。この過剰寸法チェ
ックの処理は第20図に示すごとくである。
次の段階では、新しい寸法拘束を対応させる作図操作
を決める必要がある。SN1とSN2が異なる場合には、2つ
の場合が考えられる。
その1つの場合は、SN1とSN2のノードの間に経路が存
在しない場合である。このような場合は、2つの形状モ
デルが独立して定義され、そのあとに新しい関係が2つ
の形状モデルの間に付加されたようなときに見られる。
このとき、SN1の要素に対応する形状要素の中で最初に
定義された形状要素をG1′とする。G2′もSN2から同様
に選ぶ。また、N1,N2をG1′,G2′に対応するノードとす
る。新しい拘束は、G1′,G2′のふたつの形状要素の関
係に対応させる。G1′がG2′よりも早く生成されていれ
ば、新しい拘束は、その拘束を満たすように、G2′をG
1′に対して相対的に生成する作図操作として表現され
る。
その2つ目の場合は、SN1とSN2のノードの間に経路が
存在し、削除された寸法関係がある場合である。第17図
が良い例である。この第17図は、先に述べたように第15
図(a)の寸法Bを削除したものである。この場合に
は、SN1ないしSN2の要素のどれかが削除された幾何拘束
に対応し、新しい付加される拘束は、この削除された幾
何拘束に割り当てられる。
新しい拘束が割り当てられる作図操作が決まると、こ
の作図操作のための寸法値(予備的寸法値)を寸法値算
出部5を用いて計算する必要がある。例えば、円を描く
作図操作のためには、半径の値が計算されなければなら
ず、点を打つ作図操作のためには、2つの点の間の位置
関係が計算されなければならない。このような寸法値
は、幾何拘束を逆向きに伝播させることによって計算が
実行される(幾何拘束伝播部8による。)。このため
に、それぞれの作図操作は、幾何拘束を逆向きに伝播さ
せる手続きに対応付けられている。例えば、P1,P2をそ
れぞれ基準点、新しく生成される点の座標とし、位置関
係がベクトルVで表されるとすると、前向きの拘束伝播
は、以下のように表される。
P2=P1+V また、後ろ向きの拘束伝播は、以下のように表され
る。
P1=P2−V 中点P3を表す拘束については、前向きの拘束伝播は、
以下のように表され、 P3=(P1+P2)/2 後ろ向きの拘束伝播は、以下のように表される。
P1=P3×2−P2 P2=P3×2−P1 ここで、P1,P2は指定された点の座標、P3は中点の座
標である。
このような手続を用いることで、新しい拘束が割り当
てられる作図操作のための幾何学的関係が幾何拘束伝播
手段8により計算される。
SN1とSN2のノードの間に経路が存在しない最初の場合
には、G1とG1′の関係がG1からG1′へ幾何拘束を逆向き
に伝播させることによって計算され、G2とG2′の関係も
同じように計算される。つぎに、G1′とG2′の関係が計
算され、対応する作図操作の引数としてセットされる。
SN1とSN2のノードの間に経路が存在する2つ目の場合
でも、幾何拘束を逆向きに伝播させることによって、削
除された幾何拘束に対応する作図操作の引数が計算され
る。例として、第21図に示したようにB′という拘束を
付加する(寸法Bはすでに削除(前述した寸法削除につ
いての説明の項参照)されているとする)ことを考え
る。この付加寸法は、円:A1が第17図に示されているよ
うにルートノードに対応するので、円を描く作図操作に
対応付けられる。この場合、頂点:V3の位置は、すでに
存在する寸法Cで表される拘束と、新しい寸法B′で表
される拘束の論理積を計算することによって得られる。
そこで、円の半径が頂点V2と頂点V3の座標値から計算さ
れ、対応する作図操作に引数として割り当てられる。こ
のように計算された予備的な寸法値は、逆向きに伝播さ
れた幾何拘束と関連づけられており、逆向きに伝播され
た幾何拘束の寸法値が変更された場合には、付加された
拘束の寸法値は、すべての幾何拘束が満足されるように
拘束を逆向きに伝播させて計算しなおされる。
寸法値の計算が終わると、先に説明した寸法修正の際
と同じようにして、形状モデルが再構成される。
以下簡単な実例を用いて、寸法が定義されていない箇
所に新たに寸法を付加する場合の手順を具体的に説明す
る。ただし、第20図に示した処理フローにより過剰寸法
でないことがすでにチェックできている、あるいは過剰
寸法であることがチェックでき、寸法削除がすでに実行
されていると仮定して説明を進める。
ここでは、2つの頂点の間に垂直方向に、ある寸法関
係を定義する実例を用いる。
第22図は、寸法を付加する前の実例の形状を作成する
仮定を示している。すなわち (1)第22図(a)のように、基準となる点60を打つ。
(2)第22図(b)のように、点60から長さd1を指定し
て線分62を生成する。
(3)第22図(c)のように、もう1つの基準となる点
63を打つ。この点63はどこかの点を基準として相対的に
定義されたものではなく、その位置を絶対座系において
定義されたものである。
(4)第22図(d)のように、点63から長さd2を指定し
て線分65を生成する。
(5)第22図(e)のように、点64から長さd3を指定し
て線分67を生成する。
(6)第22図(f)のように、点66から長さd4を指定し
て線分69を生成する。
ここで、頂点60と頂点66に垂直方向(y方向)に長さ
d5(第24図参照)の寸法関係を付加することを考える。
頂点60と頂点66を生成した作図操作は、それぞれ第22
図(a)の作図操作、第22図(e)の作図操作である。
この場合は、第22図(a)の作図操作の方が先に実行さ
れているので、頂点60を寸法付加の際の基準(通常の場
合は、2つの形状要素のうち、先に実行された方を寸法
付加の際の基準とする。)とし、頂点66が頂点60から相
対的に所定の位置に配置されるように移動させる移動方
法を算出する。
頂点66を生成した第22図(e)の作図操作は、第2図
(c)の作図操作と第22図(d)の作図操作に依存す
る。この依存関係をたどると、頂点66を生成するに際し
て最初に基準となるのは第22図(c)の作図操作によっ
て生成された頂点63であることが理解できる。そこで、
頂点63を付加された寸法関係が満たされるように配置
し、この頂点63を生成する第22図(c)の作図操作に依
存する第22図(d)、第22図(e)、第22図(f)の作
図操作を実行するようにする。今、頂点63は頂点66を基
準として(−d2,−3d,0)(d2,3dは上記線分の長さ)の
位置関係にあることが、第22図(d)、第22図(e)の
作図操作の内容を検索することで算出することができる
(第23図参照)。従って、頂点63は、頂点60を基準とし
て(−d2,−d5−d3,0)の位置に生成(移動させる)す
ればよいことになる(第24図参照)。この後に、第22図
(d)、第22図(e)、第22図(f)の作図操作を実行
すれば、点60と点66は割当られた寸法関係(付加される
寸法d5)を満たし第24図に示すように形状が再構成され
る。
ここで、頂点60を基準として相対的相対的な位置に点
63を生成するように第22図(c)の作図操作を実行し直
す際に必要となるベクトル(この場合は(−d2,d5−d3,
0))は、第22図(d)、第22図(e)の作図操作の内
容に依存する。つまり、寸法d2,d3を変更する場合に
は、この寸法に依存する第22図(c)の作図操作から後
の作図操作(第22図(d),第22図(e))やりなおす
ことになる。
以上で示した寸法の付加に伴う依存関係の変更を第25
図に示す。ここで、白抜きの矢印で示したのが寸法付加
によって生じた寸法関係に関する依存関係で、位置関係
を計算するために利用され、通常の作図操作で生じる依
存関係と異なり、自分自身より前に実行された作図操作
に対しての依存関係が存在する。
すなわち、作図操作に関する依存関係は、かなわず自
分自身よりも後に実行された作図操作にしか影響を及ぼ
さないのに対して、寸法付加により生成された依存関係
は自分自身よりも前に実行された作図操作とも依存関係
が存在するのである。
以上のように寸法を付加する場合も、寸法変更の場合
と同様に、作図操作を最初からやりなおすか、後戻りに
よって形状修正を実行するかは、難易度を示すウエイト
値の合計値によって自動的に判断することが可能であ
る。
以上の実施例の説明は、2次元図形の形状生成につい
ての説明であったが、本発明は3次元図形についても2
次元図形同様に扱うことが可能である。
次に示す表1は、本発明の実施例においてユーザが利
用可能な形状操作のコマンドの一部である。
こちらコマンドには、以上で述べたそれぞれの作図操
作と対応して定められている。ここで、NEW−VERTEX−A
BSは、絶対座標で位置を指定して新しい点を生成するコ
マンド、LINE−REL−VERTEX−Y,LINE−REL−VERTEX−Y
は、それぞれある点からX方向、Y方向に指定された長
さの線分を生成するコマンド、N−CONNECT−LINEは2
つの点を結ぶ線分を生成するコマンド、MAKE−PLANE−F
ACEは輪郭となる線分の列を指定してその内部に平面を
張るコマンド、SWEEP−E−LISTは輪郭となる稜線の列
を指定して、その内部の面を指定されたベクトルで掃引
するコマンドである。様々な形状操作を実現するため
に、この他にも多くのコマンドを用意することになる
が、ここでは説明を簡単にするために省略する。
ここで、点や線分のみが存在する状態はワイヤーフレ
ームの状態であり、MAKE−PLANE−FACEで面を張った状
態はサーフェスの状態である。SWEEP−E−LISTで面を
掃引すると3次元的な立体となるのでソリッドの状態で
ある。このようにワイヤーフレーム、サーフェス、ソリ
ッドを同時に表現するためには、公知の引多様体幾何モ
デルのためにラジアルエッジ構造(“Topological Stru
ctures for Geometric Modeling",Kevin Weiler,Ph.D T
hesis,Rensselaer Polytechinic Institure,1986)を用
いて形状操作部6、形状記憶部9等を構成(ソフトウェ
アとして構成)すれば良い。
非多様体幾何モデルでは、面、稜線、頂点などの形状
要素とそれらの接続関係により立体の境界を表現し、そ
れにより3次元立体を表現する。形状要素は、面や稜線
などの接続関係を表現するための位相情報(トポロジ)
に関連する形状要素と、面の方程式や頂点の位置などの
実際の形状を表現するための幾何情報(ジオメトリ)に
関連する形状要素に分類される。
ラジアルエッジ構造では、形状要素として以下のもの
を用意する。
トポロジ関連:model,region,shell,face−use,loop−us
e,edge−use,vertex−use ジオメトリ関連:facedloop,edge,vertex これら形状要素の階層関係を第26図に示す。形状モデ
ルはこの階層関係にもとづくネットワークとして表さ
れ、例えば、稜線の名前を指定してその両端点の座標値
を求めるというような情報の検索の際には、必要に応じ
て上位の形状要素や下位の形状要素にネットワークをた
どってデータを得ることになる。このように形状要素の
接続関係を階層的にネットワークとして表現するための
ものが、トポロジに関連する形状要素である。このた
め、例えば1つの頂点について考えた場合でも、その頂
点の位置を示すジオメトリ(頂点の座標値)に関連する
形状要素のvertexは1つだけであるが、他のedgeとの接
続関係などを示すトポロジに関連する形状要素であるvr
tex−useは、この1つの頂点に集まるすべてのedgeとの
関係をネットワークとして表現するために、複数存在す
る場合がある。これは、稜線についてのfaceとface−us
eの関係、に面についてのedgeとedge−useの関係につい
ても同様である。以下ではそれぞれの形状要素の定義を
述べると同時に、実際の形状との対応関係を、正四面体
の例で示す。
vertex、vertex−useは頂点を表す概念である。verte
xは頂点なぞを表す概念である。vertexは頂点の座標を
持ち、vertex−useはedge−useなどとの関係を示すトポ
ロジの情報を持つ。1つの頂点に対しては1つのvertex
が存在し、そのvertexに対しては1つのvertexが存在
し、そのvertexに対して、そこに集まる稜線の数だけve
rtex−useが存在する。正四面体の頂点では、1つの頂
点に1つのvertexと、そのvertexを参照する2つのvert
ex−useが存在する。さらに、各vertex−useはedge−us
eと互いにポインタで参照しあっており、これにより頂
点と了せの接続関係が表現される。(第26図におけるed
ge−useとvertex−useの実際の関係)。
edge、edge−useは稜線を表す概念である。edgeは稜
線の形状を決まる情報を持ち、edge−useはトポロジの
情報を持つ。一般には、1つの稜線については1つのed
geと、その稜線に接続する面の数だけのedge−useが存
在する。正四面体のような場合では、1つの稜線に2つ
の面につながっているので、1つのedgeと2つのedge−
useが存在する。
edge−useは面の境界を示すloop−useという形状要素
とポインタでで参照しあっており、これにより、面の境
界とその構成要素の稜線の関係が表現される(第26図に
おけるloop−useとedge−useの実線の関係)。ただし、
ワイヤーフレームの場合は面の概念がないので、後述す
るshellとポインタで参照しあっている(第26図におけ
るshell)とedge−useの破線の関係)。
loopとloop−useは面の境界を表す概念であり、連続し
た稜線によって形成される輪郭線である。穴のない面に
ついては境界は1つだが、穴がある場合は、境界が複数
になる。ここでloopは境界そのものに対応し、loop−us
eは上位のfaceや下位のedgeとの接続関係を表現するの
に用いられる。正四面体のような場合には、1つの境界
に1つのloopと1つのloop−useが存在するが、際ふ得
すのように表裏がある場合には、1つの境界に1つのlo
opと表裏と合計2つのloop−useが存在する。loop−use
には上位の面の概念であるface−useが存在する。loop
−useは上位の面の概念であるface−useとpoitaで参照
しあっている(第26図におけるface−useとloop−useの
実線の関係)。
face、face−useは面を表す概念である。faceは面そ
のものを表す概念であり、幾何学的な形状を定めるのに
必要な情報(面の方程式など)を持つ。face−useは面
の位相的な接続関係を表現するための形状要素で、1つ
のfaceについて1つないしは2つのface−useが存在す
る。正四面体のような場合は、1つのfaceについて1つ
のface−useが存在するが、サーフェスのように表裏が
ある場合には、表裏それぞれにface−useが存在し、結
果として1つのfaceに1つのface−useが存在すること
になる。face−useは、複数の面によって形成される閉
境界面を表す概念であるshellという形状要素とポイン
タで参照しあっている(第26図におけるshellとface−u
seの実線の関係)。
shellは表面ないし境界面を表す概念で、複数のface
によって張られる閉じた面である。正四面体では4つの
面が1つの閉じた面を形状し、それによって正面体の内
側の領域と外側の領域に分割されるので、これらに4つ
のfaceおよびface−useがshellを形成する。サーフェス
の場合はその内側に領域は存在しないが、類似的に一般
に立体(ソリッド)が縮退したものと考えることができ
るので、表裏のface−useがshellを形成する。ワイヤー
フレームの場合には、このような境界面を考えることは
できないが、表面の都合上、互いにつながった線の集合
をshellとして考える。
regionはshellの上位概念であり、shellによって区切
られる3次元空間における領域の概念を表す。一般に立
体の外側の領域を表す1つのregionと、shellの内部を
表す複数のregionが存在する。正四面体が1つある場合
には正四面体の内部と外部の2つのregionが存在するこ
とになる。ただ、ワイヤーフレームは分類に困るので、
立体の外側の領域を表すregionにワイヤーフレームを含
める。つまり、立体の外側の領域でワイヤーフレームを
含む1つのregionとshellの内部を表す複数のregionが
存在することになる。
modelは形状モデルの最上位の概念で、以上で述べた
すべてのregionを含むもので、すべての形状要素へのア
クセスの出発点となる。一般には1つの形状モデルにつ
いて1つのmodelが存在するが、形状生成の過程など場
合によっては、複数の立体が1つのmodelの中に存在し
うる。正四面体が1つある場合、正四面体が1つのmode
lによって参照され、このmodelが形状データを表現する
ネットワークの入口となる。そのため、正四面体のデー
タが必要な場合には、ますこのmodelからネットワーク
をたどり始める。
以上で述べた形状要素の階層構造および接続関係をま
とめると、以下のようにワイヤーフレームの場合とサー
フェス、ソリッドの場合の2つに大別される。
(I)ワイヤーフレームの場合 ワイヤーフレームの場合には、region、shell、edge
−use、vertex−useといった階層構造になる。点が空間
内で孤立して存在する場合は、点が1つでワイヤーフレ
ームであると考えて、shellがvertex−useを直接指し、
vertex−useがvertexを指す(第27図参照)。線分が存
在する場合には、連続した線分が集まってshellを形成
し、shellはこれらのedge−useを持つ。edge−useはedg
eと両端のvertex−useを持ち、vertex−useはvertexを
指す(第28図参照)。vertexは自分を参照しているvert
ex−useすべての情報をもっているので、あるvertexに
つながっているすべてのedgeを求めるには、vertexから
すべてのvertex−useを求め、さらにそれを参照してい
るedge−useをたどっていけばよい。
(II)サーフェス、ソリッドの場合 サーフェス、ソリッドの場合には、region、shell、f
ace−use、loop−use、edge−use、vertex−useの順に
階層構造をなす(第29図参照)。ただし、特別な場合と
して、ふうせん状の面に点が1つだけ存在する場合(fa
ceだけがあって、その上にvertexもedgeもないような状
況は許さない)には、vertex−use1つが境界を形成する
と考え、loop−useがvertex−useを直接指す(第30図参
照)。
以上で述べたようにラジアルエッジ構造では、サーフ
ェスをソリッドが縮退したものと考え、サーフェス、ソ
リッドをほぼ同時に扱っている。サーフェスとソリッド
を区別し、かつ接続関係を正しく表現するためにさらに
mate関係とradial関係という2つの概念を導入する。
mate関係は、サーフェスの表と裏のface−useのよう
な場合に用いる。このmate関係はface−useとedge−use
に関し、2つのトポロジに関する形状要素が表と裏の関
係にある場合に相手の形状要素を指するように定義され
る。face−useのmate関係により他のface−useが参照さ
れている場合には、その面はサーフェスを表し、mate関
係が何も参照していなければその面はソリッドの面を表
す。
radial関係は、稜線を介して隣接する面をたどるため
のデータ構造で、edge−useについて、稜線を軸とした
場合の回転方向について隣りあうedge−useを参照する
ように定義される。一般の立体(ソリット)では、1つ
の稜線について左右2つの面しか存在しないが、1つの
軸に羽根のようにいくつもの面がついている場合には、
1つの稜線について多くの面が存在し、その順序関係が
不明確になる。このような場合には、1つの面からedge
−useのradial関係をたどって次々に隣の面を求め、面
の順序を決定する。
ここでは、おもに位相情報に関する形状要素の形成す
るデータ構造について、例を使って、さらに説明する。
第31図は2つのサーフェス(f1,f2)が1つの稜線を
介してつながっている状態である。2つの面を稜線する
edgeには4つのedge−use(eu1,eu2,eu3,eu4)があり、
それぞれmate関係、radial関係で互いに参照している。
他のedgeには、2つのedge−useがあり、これらedge−u
seは図には示していないが、互いにmate関係で参照しあ
っている。第32図は3つのサーフェス(f1,f2,f3)が1
つの稜線(edge:e1)介してつながっている状態につい
て、中心の軸まわりのデータ構造を示したものである。
このように3つ以上のfaceが1つの軸に存在する場合に
は、radial関係をたどらないと、f1,f2,f3という、これ
らfaceの順序関係は分らない。
第33図はloop−use、edge−use、vertex−useの関係
を示したものである。loop−use:1u1は自分に属するedg
e−use:eu1,eu4,eu3,eu2を反時計回りの順序でもってい
る。各edge−useは図ようにvertex−use(vu1,vu2,vu3,
vu4)を参照しているのでedge−useを順にたどれば輪郭
線にそってvretexやvertex−useが順に求まる。
第34図は1つの点(V1)に5つの稜線が集まっている
ようなワイヤーフレームのデータ構造を示している。ワ
イヤーフレームの場合には、点に集まる稜線の順序関係
を決めることは難しいので、radial関係のような概念は
ない。vertex:v1は5つのvertex−use(vu1,vu2,vu3,vu
4,vu5)を参照しており、ここから5つのedge−use(eu
1,eu2,eu3,eu4,eu5)をたどることができる。
本発明においては、上述の非多様体幾何モデルのため
のラジアルエッジ構造を用いて形状操作部6あるいは形
状記憶部9等をソフトウェアとして構成しているため、
ワイヤーフレーム,サーフェス,ソリッドを同時に必要
とする3次元図形に対しても適用することができる。
最後に、前記した表1に示したコマンドを用いて特願
昭63−323402号に記載されている簡易的な方法により、
簡単な図形として三角柱を生成する過程およびその三角
柱の寸法修正に関する実施例を説明する。
まず、第35図(a)は、NEW−VERTEX−ABSを用いて座
標を指定し、点91を1つ生成した結果を示している。
次に、第35図(b)は、LINE−REL−VERTEX−Xを用
いて、前記過程で生成した座標(点91)からの絶対位置
を指定して線分を生成(点91からX方向に線分を生成)
し、点92と線分93が生成された結果を示している。
次に、第35図(c)は、LINE−REL−VERTEX−Yを用
いて前記過程で生成した座標(点92)からの相対位置を
指定して線分を生成(点92からY方向に線分を生成)
し、点94と線95が生成された結果を示している。
次に、第35図(d)は、点91と点94をN−CONNECT−L
INEを用いて結び、線分56が生成された結果を示してい
る。
次に、第35図(e)は、MAKE−PLANE−FACEを用い
て、前記過程で生成された三角形の内部に面97を生成し
た結果を示している。
最後に、第35図(f)は、SWEEP−E−LISTで前記過
程で生成された面97を掃引した結果、三角柱が生成され
れた結果を示している。
第36図は、第35図に示した形状生成過程が、形状入力
履歴部7に記憶され、その内容を視覚的に表示した結果
である。ここでは、丸が形状生成過程の各状態を示し、
それらを結ぶ線がオペレーたが行った作図操作を表して
いる。特にこの第36図では、オペレータが用いたコマン
ドが表示されている。
第37図は、第35図に示した形状生成過程により作成さ
れた三角柱にオペレータが容易に形状の修正を実行する
ことができるように寸法を表示した結果である。オペレ
ータが実行した作図操作のうち、LINE−REL−VERTEX−
X、LINE−REL−VERTEX−Yでは、基準点とそこからの
相対的な位置を示す寸法が入力され、その結果生成され
た点や線分が出力されるので、基準点と生成された点と
線分が寸法によって関連付けられていると考えることが
でき、関連付けられた2つの点の間に寸法を表示するこ
とにより、第37図のような結果が得られる。寸法は、上
記のように実行された作図操作の内容から検索されるの
で、表示した寸法をディスプレイ上でピックする等して
指定することにより、その寸法値に係わるコマンドを特
定することが可能である。
第38図は第37図の修正したい寸法(この例では、100.
0)をしてして、その値を変更した結果である。ここで
は、指定した寸法がLINE−REL−VERTEX−Xに対応した
ものであることが形状入力履歴記憶部7に記憶されてお
り、それを検索することによって対応関係が判明し、こ
のコマンドが実行される前の状態までSWEEP−E−LIS
T、MAKE−PLANE−FACE、N−CONNECT−LINE、LINE−REL
−VERTEX−Y、LINE−REL−VERTEX−Xと逆操作をこの
順に適用することによって自動的に後戻りする。次に、
新しい寸法値(第38図に示す70.0)によって再びLINE−
REL−VERTEX−Xを実行し、その後LINE−REL−VRETEX−
Y、N−CONNECT−LINE、MAKE−PLANE−FACE、SWEEP−
E−LIST、を自動的に実行(コピー)させることにより
第38図に示されている修正後の立体が生成される。
このように自動的に実行された修正のための形状操作
は、オペレータが入力したコマンド同様に形状入力履歴
記憶部7に記憶され、管理される。その内容を視覚的に
示した一例が第39図である。形状入力履歴記憶部7に記
憶されている入力履歴は、この様な形状の修正等により
分岐し、その結果第39図に示すような木構造としても表
現することができる。ただし、この表現方法は、あくま
でも一例であってこの表現方法以外にも種々あるためこ
れに限定されるものではない。
以上説明したようにこの発明では、ユーザが行った作
図操作を形状入力履歴記憶部に記憶し、ここに記憶され
ている情報から寸法関係の情報およびそれらの間の依存
関係を抽出し、この情報を依存関係記憶部に記憶し、寸
法変更や寸法付加の際に、形状入力履歴記憶部ないしは
依存関係記憶部を参照して形状変更に関連する作図操作
を検索し、作図操作の逆操作等を自動的に実行すること
により、形状モデルに形状修正のための付加情報を付加
する必要なく、効率的に形状変更を行うことが可能であ
る。特に、形状の修正には、ユーザが実行した作図操作
履歴の情報のみを利用するため、対象とする形状によら
ず、汎用性が高い。
なお、本発明は、上記した実施例に限定されることな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変形して用
いることができる。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明によれば、形状モデルに
形状や寸法等の変更のための付加情報を付加する必要な
く、効率的に形状を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の形状モデリング装置の概略構成を
示すブロック図、第2図は、本発明の形状モデリング方
法を示す概略フローチャート、第3図は、本発明に係る
コマンド入力処理フローチャート、第4図は、本発明に
係る寸法削除処理フローチャート、第5図は、本発明に
係る寸法修正処理フローチャート、第6図は本発明に係
る寸法付加処理のフローチャート、第7図は、本発明で
使用可能なコマンドの例を示すコマンド体系図、第8図
乃至第14図は、本発明で使用可能な作図操作の例を示し
た図、第15図は、本願発明の作用を説明するための例題
を示した説明図、第16図および第17図は、第15図の説明
図における幾何拘束の伝播の様子を示す模式図、第18図
は、本発明の寸法修正(形状修正)の作用を説明するた
めの例題を示した説明図、第19図は、第18図の説明にお
ける各依存関係を示した模式図、第20図は、本発明に係
る過剰寸法チェック処理のフローチャート、第21図乃至
第24図は、本発明の寸法付加の作用を説明するための例
題を示した説明図、第25図は、第22図乃至第24図の説明
における各依存関係を示した模式図、第26図は、非多様
体幾何モデルにおける形状要素の階層関係を示す図、第
27図は孤立点の場合のデータ構造を示した図、第28図は
ワイヤーフレームの場合のデータ構造を示した図、第29
図は四面体の場合のデータ構造を示した図、第30図は面
上に点が1つだけある場合のデータ構造を示した図、第
31図は2つのサーフェスが1つの稜線を介してつながっ
ている場合のデータ構造を示した図、第32図は3つのサ
ーフェスが1つの稜線を介してつながっている場合のデ
ータ構造を示した図、第33図はloop−use、edge−use、
vertex−useの関係を示した図、第34図は1つの点に5
つの稜線が集まっているような場合のデータ構造を示す
図、第35図は、本発明の一実施例において、三角柱を生
成する過程を示した図、第36図は、形状入力履歴記憶部
に記憶された三角柱の形状生成過程を視覚的に表示した
一例を示す図、第37図は、オペレータが形状修正を実行
し易いように寸法を表示した図、第38図は、寸法修正に
より自動的に形状修正された図形を示す図、第39図は、
形状修正後の形状入力履歴記憶部に記憶されている記憶
内容を視覚的に表現した一例を示す図、第40図は、従来
の形状入力の例を示す説明図である。 1……入力部 2……コマンド解釈部 3……形状変更方法計画部 4……寸法関係検索部 5……寸法値算出部 6……形状操作部 7……形状入力履歴記憶部 8……幾何拘束伝播部 9……形状記憶部 10……形状表示処理部 11……寸法表示処理部 12……依存関係記憶部 13……検索部 15……演算装置 20……表示部 21……外部ファイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−78090(JP,A) 特開 平2−83610(JP,A) 情報処理学会第34回全国大会講演論文 集 2039−2040頁 山口泰ほか「作業履 歴推論によるモデリングの支援 情報処理学会「グラフィクスとCA D」シンポジウム論文集 昭和63年10月 83−92頁 増田宏ほか「非多様体モデ ルのためのオイラー・オペレーション」

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2次元あるいは3次元の形状を作成するた
    めのコマンドあるいはデータ等を入力する入力手段と、 前記入力手段を介して入力される前記コマンドあるいは
    データ等に基づいて作図操作を行い前記形状あるいは前
    記形状に対する寸法等を図形処理する演算手段と、 前記演算手段により図形処理された形状および演算処理
    された前記寸法等を表示する表示手段と、 から構成される形状モデリング装置を用いて前記寸法の
    削除を行う形状モデリング方法であって、 前記表示手段に形状および寸法等を表示した後に、前記
    表示された寸法を削除するために、再度前記入力手段か
    ら寸法削除のためのコマンドあるいはデータを前記演算
    手段に入力するステップと、 前記コマンドを構文解析するステップと、 前記形状を作成する際に実行した作図操作と、前記作図
    操作に対応付けて記憶されており、作成される前記形状
    の各々の形状要素に指定される前記寸法および各々の形
    状要素同志の間に指定される前記寸法と、前記作図操作
    同志の間に規定される依存関係と、を含んで構成される
    記憶情報に基づいて、前記依存関係を有する作図操作同
    志の間の前記寸法を削除する寸法削除ステップと、 前記寸法削除ステップにより前記依存関係を有する作図
    操作同志の間の前記寸法が削除された後の形状および寸
    法等を前記表示手段に表示する表示ステップと、 を含んで構成されることを特徴とする形状モデリング方
    法。
  2. 【請求項2】前記寸法削除ステップは、 削除したい寸法に対して該寸法に関連する前記作図操作
    と依存関係を有する前記作図操作を全て検索する検索ス
    テップと、 この検索ステップにより検索された前記作図操作を、該
    作図操作と依存関係が規定されない他の作図操作と入替
    える入替えステップと、 により構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    形状モデリング方法。
  3. 【請求項3】前記依存関係が規定されない他の作図操作
    は、絶対座標を基準にして実行される作図操作であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の形状モデリング方法。
  4. 【請求項4】3次元の形状を作成するためのコマンドあ
    るいはデータ等を入力する入力手段と、 前記入力手段を介して入力される前記コマンドあるいは
    データ等に基づいて作図操作を行い前記形状を非多様体
    幾何モデルに基づいて図形処理すると共に前記形状の寸
    法等を演算処理する演算手段と、 非多様体幾何モデルに基づいて前記3次元の形状に対す
    る頂点、稜線、面から成る形状要素同志の間の接続関係
    を示す位相情報と、前記頂点の位置、前記稜線および前
    記面の形状をそれぞれ示す幾何情報とに基づいて形成さ
    れた前記形状および演算処理された前記寸法とを記憶す
    る記憶手段と、 前記演算手段により図形処理された前記形状および演算
    処理された前記寸法等を表示する表示手段と、 から構成される形状モデリング装置を用いて前記形状お
    よび前記寸法等を修正する形状モデリング方法であっ
    て、 前記表示手段に形状および寸法等を表示した後に、前記
    表示された形状あるいは寸法等を変更するために、再度
    前記入力手段から変更のためのコマンドあるいはデータ
    を前記演算手段に入力するステップと、 前記コマンドを構文解析するステップと、 前記形状を作成する際に実行した作図操作と、前記作図
    操作に対応付けて記憶されており、作成される前記形状
    の各々の前記形状要素に指定される前記寸法および各々
    の形状要素同志の間に指定される前記寸法と、前記作図
    操作同志の間に規定される依存関係とを含んで構成され
    る記憶情報に基づいて、前記寸法を修正することで前記
    寸法に対応する前記作図操作および該作図操作と前記依
    存関係を有する作図操作を変更して前記記憶手段に記憶
    されている前記形状を修正する形状修正ステップと、 前記形状修正ステップにより形状修正された後の前記形
    状あるいは寸法等を前記表示手段に表示する表示ステッ
    プと、 を含んで構成されることを特徴とする形状モデリング方
    法。
  5. 【請求項5】前記記憶情報は、形状を入力して作成する
    際に実行した作図操作のそれぞれの作図方法あるいは作
    図内容と、前記作図操作の順序とをそれぞれ記憶した形
    状入力履歴情報であることを特徴とする請求項4記載の
    形状モデリング方法。
  6. 【請求項6】前記形状修正ステップは、 修正する前記寸法に関連する前記作図操作に依存関係の
    存在する全ての作図操作を検索する検索ステップと、 この検索ステップにより検索された前記作図操作を修正
    後の新たな寸法にしたがって実行された新たな作図操作
    と入替える入替えステップと、 により構成されていることを特徴とする請求項4記載の
    形状モデリング方法。
  7. 【請求項7】前記入替えステップにおいて、前記作図操
    作を修正後の寸法にしたがって実行し直す時に、前記形
    状を入力して作成する際に実行した作図操作のそれぞれ
    の作図方法あるいは作図内容と、前記作図操作の順序
    と、をそれぞれ記憶した形状入力履歴情報を参照するこ
    とを特徴とする請求項6記載の形状モデリング方法。
  8. 【請求項8】前記形状修正ステップは、 修正する前記寸法に関連する前記作図操作に依存関係の
    存在する全ての作図操作を検索する検索ステップと、 この検索ステップにより検索された前記作図操作を修正
    後の新たな寸法にしたがって実行し直す再実行ステップ
    と、 により構成されていることを特徴とする請求項4記載の
    形状モデリング方法。
  9. 【請求項9】前記形状修正ステップを行った後に、前記
    形状を入力して作成する際に実行した作図操作のそれぞ
    れの作図方法あるいは作図内容と、前記作図操作の順序
    と、をそれぞれ記憶した形状入力履歴情報を参照して前
    記形状を再構成する再構成ステップを行い、この再構成
    された形状を前記表示ステップにより前記表示手段に表
    示することを特徴とする請求項4記載の形状モデリング
    方法。
  10. 【請求項10】前記形状修正ステップは、 修正する前記寸法に関連する前記作図操作に依存関係の
    存在する全ての作図操作を検索する検索ステップと、 この検索ステップにより検索された複数の作図操作に対
    して、前記作図操作の逆操作を行い後戻りしてから形状
    修正を行うか、あるいは、前記作図操作を最初から実行
    し直して形状修正を行うかのいずれの方法を選択するか
    の判断を行う判断ステップと、 この判断ステップで判断された方法により形状修正を行
    うステップと、 により構成されていることを特徴とする請求項4記載の
    形状モデリング方法。
  11. 【請求項11】前記判断ステップは、前記形状生成の時
    に用いた前記作図操作の回数の少なくとも一部を算出
    し、前記作図操作の回数とそれぞれ作図操作の難易度を
    ウェイト付けした係数とに基づいて判断を行うことを特
    徴とする請求項10記載の形状モデリング方法。
  12. 【請求項12】前記難易度をウェイト付けした係数は、
    前記形状を作成する時に実行した前記作図操作毎に前記
    作図操作を実行するのに必要な演算量を算出しておき、
    前記演算量に基づいて決定することを特徴とする請求項
    11記載の形状モデリング方法。
  13. 【請求項13】2次元あるいは3次元の形状を作成する
    ためのコマンドあるいはデータ等を入力する入力手段
    と、 前記入力手段を介して入力される前記コマンドあるいは
    データ等に基づいて作図操作を行い前記形状あるいは前
    記形状に対する寸法等を図形処理する演算手段と、 前記演算手段により図形処理された形状および演算処理
    された寸法等を表示する表示手段と、 から構成される形状モデリング装置を用いて前記寸法を
    付加する形状モデリング方法であって、 前記表示手段に形状あるいは寸法等を表示した後に、前
    記表示された形状に寸法を付加するために、再度前記入
    力手段から寸法付加のためのコマンドあるいはデータを
    前記演算手段に入力するステップと、 前記コマンドを構文解析するステップと、 前記形状を作成する際に実行した作図操作と、前記作図
    操作に対応付けて記憶されており、作成される前記形状
    の各々の形状要素に指定される前記寸法および各々の形
    状要素同志の間に指定される前記寸法と、前記作図操作
    同志の間に規定される依存関係と、を含んで構成される
    記憶情報に基づいて、前記依存関係が依存しない複数の
    前記作図操作同志の間に新たに前記寸法を付加して前記
    作図操作同志の間に依存関係を介在させる寸法付加ステ
    ップと、 前記寸法付加ステップにより寸法が付加された後の前記
    形状あるいは寸法等を前記表示手段に表示する表示ステ
    ップと、 を備えたことを特徴とする形状モデリング方法。
  14. 【請求項14】前記寸法付加ステップは、 過剰寸法であるか否かを検出する過剰寸法検出ステップ
    を含み、 過剰寸法であると判断された時には、前記依存関係を有
    する作図操作同志の間に指定されている少なくとも1つ
    の前記寸法を削除した前記寸法付加ステップを実行する
    ことを特徴とする請求項13記載の形状モデリング方法。
  15. 【請求項15】前記寸法付加ステップは、 付加合する前記寸法に関連する前記作図操作同志の間の
    依存関係を規定していないそれぞれの前記作図操作を、
    前記付加する寸法に関連する作図操作同志の間の依存関
    係を規定した新たな作図操作に入替える入替えステップ
    により構成されていることを特徴とする請求項13記載の
    形状モデリング方法。
  16. 【請求項16】前記寸法付加ステップは、 前記付加する寸法に関連するそれぞれの前記作図操作の
    間に存在する依存関係を検索する検索ステップと、 この検索ステップにより検索された前記依存関係を前記
    付加する寸法に対応する依存関係に修正する修正ステッ
    プと により構成されることを特徴とする請求項13記載の形状
    モデリング方法。
  17. 【請求項17】前記過剰寸法であるか否かを検出する過
    剰寸法検出ステップは、前記寸法を付加する前記形状要
    素の間に前記寸法関係が存在するか否かに基づいて判断
    することを特徴とする請求項14記載の形状モデリング方
    法。
  18. 【請求項18】2次元あるいは3次元の形状を作成する
    ためのコマンドあるいはデータ等を入力する入力手段
    と、 前記コマンドを構文解析するコマンド解析手段と、 前記入力手段を介して入力される前記コマンドあるいは
    データ等に基づいて作図操作を行い前記形状あるいは前
    記形状に対する寸法等を演算処理する演算手段と、 前記演算手段により図形処理された前記形状および演算
    処理された前記寸法等を表示する表示手段と、 から構成される形状モデリング装置であって、 前記演算手段は、 前記形状を作成あるいは変更するための作図操作を実行
    可能な形状操作手段と、 前記形状を作成する際に実行した作図操作と、前記作図
    操作に対応付けて記憶されており、作成される前記形状
    の各々の形状要素に指定される前記寸法および各々の形
    状要素同志の間に指定される寸法と、前記作図操作同志
    の間に規定される依存関係と、を含んで構成される記憶
    情報を記憶するための情報記憶手段と、 前記依存関係を有する作図操作同志の間に存在する寸法
    を削除する際に、前記依存関係が存在する前記作図操作
    を前記情報記憶手段を記憶情報を参照して検索する検索
    手段と、この検索手段の検索結果に基づいて前記依存関
    係を存在するそれぞれの作図操作を依存関係を規定しな
    い他の作図操作と入替え処理を行う寸法削除手段と、 から構成したことを特徴とする形状モデリング装置。
  19. 【請求項19】3次元の形状を作成するためのコマンド
    あるいはデータ等を入力する入力手段と、 前記コマンドを構文解析するコマンド解析手段と、 前記入力手段を介して入力される前記コマンドあるいは
    データ等に基づいて作図操作を行い前記形状を非多様体
    幾何モデルに基づいて図形処理すると共に前記形状の寸
    法等を演算処理する演算手段と、 非多様体幾何モデルに基づいて前記3次元の形状に対す
    る頂点、稜線、面から成る形状要素同志の間の接続関係
    を示す位相情報と、前記頂点の位置、前記稜線および前
    記面の形状をそれぞれ示す幾何情報とに基づいて形成さ
    れた前記形状および演算処理された前記寸法とを記憶す
    る記憶手段と、 前記演算手段により図形処理された前記形状および演算
    処理された前記寸法等を表示する表示手段と、 から構成される形状モデリング装置であって、 前記演算手段は、 前記形状を作成あるいは変更するための作図操作を実行
    可能な形状操作手段と、 前記形状を入力して作成する際に、実行した作図操作の
    それぞれの作図方法あるいは作図内容と、前記作図操作
    の順序とをそれぞれ含む形状入力履歴の情報を記憶する
    形状入力履歴記憶手段と、 前記形状を作成する際に実行した作図操作と、前記作図
    操作に対応付けて記憶されており、作成される前記形状
    の各々の形状要素に指定される寸法あるいは各々の形状
    要素同志の間に指定される寸法と、前記作図操作同志の
    間に規定される依存関係とを含んで構成される記憶情報
    を記憶するための情報記憶手段と、 前記寸法の変更を行って前記形状をそれぞれの変更後の
    寸法に合わせて自動的に変更する場合に、前記形状を入
    力して作成する際に実行した作図操作のそれぞれに対し
    て変更したい寸法に対応する前記作図操作と該作図操作
    に前記依存関係の存在する全ての前記作図操作を前記情
    報記憶手段の記憶情報を参照して検索する検索手段と、 この検索手段の検索結果に基づいて、変更したい寸法に
    関連する作図操作および該作図操作に依存関係の存在す
    る作図操作を、変更後の新たな寸法にしたがって実行し
    直された新たな作図操作と入替える処理を行う寸法変更
    処理手段と、から構成され、 この寸法変更処理手段により寸法変更が行われた後に前
    記形状入力履歴記憶手段の記憶内容に基づいて前記形状
    操作手段により形状を再構築することを特徴とする形状
    モデリング装置。
  20. 【請求項20】前記形状モデリング装置は、 前記検索手段により検索された複数の前記作図操作のう
    ち、作図操作の順序として最も早い順序で実行された作
    図操作の1つ前の順序の作図操作の完了状態まで、前記
    情報記憶手段に記憶された情報を参照しそれぞれの作図
    操作の逆操作を逆の順序で実行して順次作図操作を取消
    して後戻りをするか、あるいは、前記最も早い順序で実
    行された作図操作の1つ前の作図操作の完了状態まで、
    前記情報記憶手段に記憶された情報を参照して最初から
    実行し直して戻るかの判断を行う制御プログラムを含む
    形状変更方法計画手段を更に有することを特徴とする請
    求項19に記載の形状モデリング装置。
  21. 【請求項21】前記形状変更方法計画手段は、前記形状
    生成の時に用いた前記作図操作の回数の少なくとも一部
    を算出し、前記作図操作の回数とそれぞれ作図操作の難
    易度をウェイト付けした係数とに基づいて判断を行うこ
    とを特徴とする請求項20に記載の形状モデリング装置。
  22. 【請求項22】2次元あるいは3次元の形状を作成する
    ためのコマンドあるいはデータ等を入力する入力手段
    と、 前記コマンドを構文解析するコマンド解析手段と、 前記入力手段を介して入力される前記コマンドあるいは
    データ等に基づいて作図操作を行い前記形状あるいは前
    記形状に対する寸法等を図形処理する演算手段と、 前記演算手段により図形処理された形状を表示する表示
    手段と、 から構成される形状モデリング装置であって、 前記演算手段は、 前記形状を作成あるいは変更するための作図操作を実行
    可能な形状操作手段と、 前記形状を作成する際に実行した作図操作と、前記作図
    操作に対応付けて記憶されており、作成される前記形状
    の各々の形状要素に指定される寸法あるいは各々の形状
    要素同志の間に指定される寸法と、前記作図操作同志の
    間に規定される依存関係とを含んで構成される記憶情報
    を記憶するための情報記憶手段と、 前記依存関係が存在しない複数の前記作図操作同志の間
    に新たに寸法を指定する寸法付加を行う際に、付加する
    寸法に関連する前記作図操作およびこの作図操作に依存
    関係が存在する作図操作を前記情報記憶手段の内容に基
    づいて検索する検索手段と、 この検索手段の検索結果に基づいて、付加する寸法に関
    連する前記作図操作およびこの作図操作に依存関係が存
    在する作図操作を、それぞれ付加する寸法に応じた作図
    操作に変更する寸法付加処理手段と、 から構成されることを特徴とする形状モデリング装置。
  23. 【請求項23】前記検索手段は、過剰寸法であるか否か
    を検出する過剰寸法検出手段を備えていることを特徴と
    する請求項22に記載の形状モデリング装置。
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