JP2751397B2 - 車両の擬似車速発生装置 - Google Patents

車両の擬似車速発生装置

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JP2751397B2
JP2751397B2 JP1125653A JP12565389A JP2751397B2 JP 2751397 B2 JP2751397 B2 JP 2751397B2 JP 1125653 A JP1125653 A JP 1125653A JP 12565389 A JP12565389 A JP 12565389A JP 2751397 B2 JP2751397 B2 JP 2751397B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、制動時の車輪のロックを防止するアンチ
スキッド制御装置や、加速時のホイールスピンを防止す
るトラクションコントロール装置等に使用する車両の擬
似車速発生装置の改良に関する。
〔従来の技術〕
従来の車両の擬似車速発生装置としては、例えば車両
の前後加速度を加速度センサで検出し、この加速度検出
値の積分値と車輪速とに基づいて擬似車速を発生させる
ようにしている(例えば特公昭51-6305号公報,特開昭5
7-11149号公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、上記従来の車両の擬似車速発生装置に
あっては、前後加速度センサの前後加速度検出値の積分
値を利用して擬似車速を演算するようにしているので、
車両が4輪ドリフト状態或いはスピン状態であって、前
後加速度センサの加速度検出値が小さくても、車両の重
心が減速しているときには、擬似車速が実際の車体速度
より高くなり、この擬似車速を使用してアンチスキッド
制御を行うときには、制動用シリンダの減圧タイミング
が早まり、不要なアンチスキッド制御が行われるという
課題があった。
そこで、この発明は、上記従来例の課題に着目してな
されたものであり、車両の重心での加速度を正確に検出
することにより、実際の車体速度に追従した正確な擬似
車速を発生することができる車両の擬似車速発生装置を
提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、請求項(1)に係る車両
の擬似車速発生装置は、車両の重心の水平面上に作用す
るあらゆる方向の加速度を検出する重心加速度検出手段
と、該重心加速度検出手段の加速度検出値に基づいて車
両の擬似車速を演算する擬似車速演算手段とを備えたこ
とを特徴としている。
また、請求項(2)に係る車両の擬似車速発生装置
は、上記重心加速度検出手段が、車両の前後加速度を検
出する前後加速度センサと、車両の横加速度を検出する
横加速度センサと、両加速度センサの加速度検出値に基
づいて重心加速度を算出する演算回路とで構成されるこ
とを特徴としている。
さらに、請求項(3)に係る車両の擬似車速発生装置
は、前記重心加速度検出手段が、車両の重心近傍にZ軸
を中心として回転可能に配設された加速度センサと、該
加速度センサにその検出軸方向の回転中心から離れた位
置に連結された質量とで構成されていることを特徴とし
ている。
〔作用〕
請求項(1)に係る車両の擬似車速発生装置において
は、重心加速度検出手段で車両の重心位置の水平面上の
あらゆる方向における加速度を検出し、これに基づいて
擬似車速演算手段で擬似車速を演算するので、旋回制動
時のように車両が4輪ドリフト状態となったときでも、
正確な車両減速度を検出することができ、擬似車速を実
際の車体速度に追従させることができる。
また、請求項(2)に係る車両の擬似車速発生装置に
おいては、車両の既設の前後加速度センサ及び横加速度
センサを使用して重心加速度を検出することができるの
で、新たなセンサを設ける必要がない。
さらに、請求項(3)に係る車両の擬似車速発生装置
においては、1つの加速度センサを設けるだけで済むと
共に、質量が重心位置に作用する加速度に応じた位置に
移動することから、加速度センサの検出軸が常に重心位
置の加速度に合致することになり、重心加速度の絶対値
を検出することができる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図はこの発明の一実施例を示すブロック図であ
る。
図中、1FL,1FRは前輪、1RL,1RRは後輪であって、後輪
1RL,1RRがエンジンEからの回転駆動力が変速機T、プ
ロペラシャフトPS及びディファレンシャルギヤDGを介し
て伝達され、各車輪1FL〜1RRには、それぞれ制動用シリ
ンダとしてのホイールシリンダ2FL〜2RRが取付けられて
いると共に、前輪1FL,1FRの車輪回転数に応じたパルス
信号PFL,PFRを出力する車輪速センサ3FL,3FRが取付けら
れ、プロペラシャフトPSに後輪の平均回転数に応じたパ
ルス信号PRを出力する車輪速センサ3Rが取付けられてい
る。
各前輪側ホイールシリンダ2FL,2FRには、ブレーキペ
ダル4の踏込みに応じて2系統のマスタシリンダ圧を発
生するマスタシリンダ5からのマスタシリンダ圧が前輪
側アクチュエータ6FL,6FRを介して個別に供給されると
共に、後輪側ホイールシリンダ2RL,2RRには、マスタシ
リンダ5からのマスタシリンダ圧が共通の後輪側アクチ
ュエータ6Rを介して供給される。
アクチュエータ6FL〜6Rのそれぞれは、第2図に示す
ように、マスタシリンダ5に接続される油圧配管7とホ
イールシリンダ2FL〜2RRとの間に介装された電磁流入弁
8と、この電磁流入弁8と並列に接続された電磁流出弁
9、油圧ポンプ10及び逆止弁11の直列回路と、流出弁9
及び油圧ポンプ10間の油圧配管に接続されたアキュムレ
ータ12とを備えている。
そして、各アクチュエータ6FL〜6Rの電磁流入弁8、
電磁流出弁9及び油圧ポンプ10は、車輸速センサ3FL〜3
Rからの車輪速パルス信号PFL〜PRが入力されると共に、
車体に取付けられた前後加速度を検出する前後加速度セ
ンサ13の前後加速度検出値XG及び横加速度センサ14の横
加速度検出値YGが入力されるコントローラCRからの液圧
制御信号EV、AV及びMRによって制御される。
ここで、前後加速度センサ13は、第4図(a)に示す
ように、車両に加減速度が作用していないときに、零電
圧となり、前進加速度(後退減速度)が作用したときに
これに比例した正の電圧となり、前進減速度(後退加速
度)が作用したときにこれに比例して負の電圧となる前
後加速度検出値XGを出力する。同様に、横加速度センサ
14は、第4図(b)に示すように、車両に横加速度が作
用していないときに、零電圧となり、左旋回時にその横
加速度に比例した正の電圧となり、右旋回時にその横加
速度に比例した負の電圧となる横加速度検出値YGを出力
する。
コントローラCRは、車輪速センサ3FL〜3Rからの車輪
速パルス信号PFL〜PRが入力され、これらと各車輪1FL〜
1RRの回転半径とから車輪の周速度(車輪速)VwFL〜VwR
を演算する車輪速演算回路15FL〜15Rと、これら車輪速
演算回路15FL〜15Rの車輪速VwFL〜VwRのうち最も高い車
輪速(セレクトハイ車輪速)VwHを選択するセレクトハ
イスイッチ16と、このセレクトハイスイッチ16で選択さ
れたセレクトハイ車輪速VwHと前後加速度センサ13の前
後加速度検出値XGとが入力され、これらに基づいて擬似
車速Viを算出する擬似車速発生装置17と、この擬似車速
発生装置17から出力される擬似車速Viと前記車輪速V
wFL,VwFR及びVwRとに基づいて制動時のアンチスキッド
制御を行うアンチスキッド制御装置18とを備えており、
アンチスキッド制御装置18から出力される制御信号が駆
動回路22a〜22cを介してアクチュエータ6FL〜6Rに供給
される。
擬似車速発生装置17は、第3図に示すように、前後加
速度センサ13から出力される前後加速度検出値XG及び横
加速度センサ14から出力される横加速度検出値YGに基づ
いて車両の重心位置の水平面上における加速度を検出す
る重心加速度検出手段としての重心加速度検出回路20
と、この重心加速度検出回路20から出力される重心加速
度G、セレクトハイ車輪速VwH及び制御中信号MRから擬
似車速Viを算出する擬似車速演算手段としての擬似車速
演算回路21とを備え、擬似車速演算回路21から出力され
る擬似車速Viがアンチスキッド制御装置18に入力され
る。
ここで、重心加速度検出回路20は、前後加速度センサ
13の前後加速度検出値XGを絶対値化する絶対値回路20a
と、横加速度センサ13の横加速度検出値YGを絶対値化す
る絶対値回路20bと、両絶対値回路20a,20bの絶対値出力
を加算して、車両水平面上におけるあらゆる方向の重心
加速度Gを算出する加算回路20cと、オフセット値出力
回路20dと、加算回路20cの重心加速度G及びオフセット
値出力回路20dの出力を加算する加算回路20eとを備えて
おり、オフセット値出力回路20dは、重心加速度Gを補
正するための任意所定のオフセット値を加算回路20eに
出力するもので、このオフセット値を例えば0.3gに対応
させる。加算回路20eは、両入力の加算により、絶対値
化した重心加速度Gを0.3gだけオフセットさせた重心加
速度補正値GCを出力する。
擬似車速演算回路21は、第3図に示すように、セレク
トハイスイッチ16から出力されるセレクトハイ車輪速Vw
Hが入力される比較器21a,21bと、擬似車速Viに±1km/h
の不感帯を設定して比較器21a,21bの他入力に供給する
加算器21c及び減算器21dと、比較器21a,21bの出力信号C
1,C2が供給されるNORゲート21eとを有する。比較器21a
は、VwH≧Vi+1km/hのときに高レベルの出力C1を出力
し、比較器21bは、VwH<Vi−1km/hのときに高レベルの
出力C2を出力する。したがって、NORゲート21eは、出力
C1,C2が共に低レベルとなるVi−1km/h≦VwH<Vi+1km/h
のとき高レベルの出力信号S5を出力する。NORゲート21e
の出力信号S5は、オフディレータイマ21f、ORゲート21g
及びショットパルス発生回路21hに入力される。オフデ
ィレータイマ21fは、NORゲート21eからの信号の立下が
りにより起動され、一定時間T3だけ高レベル信号を出力
し、これをORゲート21gに供給する。
ORゲート21gの出力は、セレクト信号S3としてアナロ
グスイッチ21iのゲートに供給されると共に、インバー
タ21jにより反転してANDゲート21k,21lの一方の入力側
に供給される。ANDゲート21kの他方の入力側には、C1
号が、またANDゲート21lの他方の入力側にはC2信号がそ
れぞれ供給され、ANDゲート21k,21lの出力がセレクト信
号S2,S4としてアナログスイッチ21m,21nのゲートに供給
される。アナログスイッチ21iは、セレクト信号S3の高
レベル中オン状態となり積分回路21oへの供給電圧Eを
零にし、アナログスイッチ21mは、セレクト信号S2の高
レベル中オン状態となり、あり得る車両加速度(車速上
昇変化率)の最大値、例えば+0.4gに対応した負の電圧
E、又は+10gに対応した負の電圧Eを積分回路21oに供
給し、アナログスイッチ21nは、セレクト信号S4の高レ
ベル中オン状態となり、前記加算回路20eからの重心加
減速度補正値GCに対応した電圧Eを積分回路21oに供給
する。なお、上記+0.4g,+10gの選択は切換スイッチ21
pにより行い、このスイッチ21pは、アンチスキッド制御
装置18からの制御中信号MRが論理値“0"である間+0.4g
を、制御中信号MRが論理値“1"であるアンチスキッド制
御中+10gを選択する。
積分回路21oは、増幅器21q、コンデンサ21r及びアナ
ログスイッチ21sよりなる周知のもので、アナログスイ
ッチ21sがそのゲートへの高レベルリセット信号S1によ
りオン状態となるときリセットされ、リセット信号がS1
が消失した後電圧Eを積分し続ける。リセット信号S1
前記ショットパルス発生回路21hからのショットパルス
によって得るようにし、このショットパルス発生回路21
hは、イグニッション投入信号IGによりエンジン始動時
に先ず1個のショットパルスをリセット信号S1として出
力し、その後はNORゲート21eの出力信号S5が立上がる毎
にショットパルスをリセット信号S1として出力する。
リセット信号S1は、その他にサンプルホールド回路21
tのリセットにも使用し、この回路もバッファアンプ21
u,21v、コンデンサ21w及びアナログスイッチ21xよりな
る周知のものとし、セレクトハイ車輪速VwHが入力され
る。サンプルホールド回路21tは、高レベルリセット信
号S1によりアナログスイッチ21xがオン状態になるとき
リセットされ、そのときの車輪速VwSを車輪速サンプリ
ング値VSとして記憶し続け、これを加算回路21yに入力
する。加算回路21yは、積分回路21oの積分値Ve=▲∫t 0
▼(−E)・dtを車輪速サンプリング値Vsに加算し、加
算値Vs+Veを擬似車速Viとしてアンチスキッド制御装置
18に入力する。
アンチスキッド制御装置18は、車輪速VwFL〜VwR及び
擬似車速Viに基づいて各車輪1FL〜1RRに設けたホイール
シリンダ2FL〜2RRへの供給圧力を制御するアクチュエー
タ6FL〜6Rを制御するものであり、第1図に示すよう
に、例えば入力インターフェース回路25a、出力インタ
ーフェース回路回路25d、演算処理装置25b及び記憶装置
25cを少なくとも有するマイクロコンピュータ25で構成
され、第5図に示すアンチスキッド制御処理を実行す
る。
このアンチスキッド制御処理は、所定時間例えば20ms
ec毎のタイマ割込処理として実行され、この処理におい
て、ASは制御フラグ、Lは減圧タイマを示しこれらは前
回のアンチスキッド制御の終了時にステップからステ
ップに移行して零にクリアされていると共に、制御フ
ラグASが“1"にセットされている間論理値“1"の制御中
信号MRが擬似車速演算回路21に出力される。
すなわち、第5図の処理が開始されると、先ずステッ
プで、車輪速演算回路15i(i=FL,FR,R)から出力さ
れる現在の車輪速検出値VwiNを読込み、次いでステップ
に移行して、前回の処理時に読込んだ車輪速検出値Vw
iN-1からステップで読込んだ車輪速検出値VwiNを減算
して単位時間当たりの車輪速変化量即ち車輪加減速度
wiを算出してこれを記憶装置25cの所定記憶領域に記憶
し、次いでステップに移行して、擬似車速演算回路17
からの擬似車速Viを読込み、次いでステップに移行し
て下記(1)式の演算を行ってスリップ率Siを算出す
る。
そして、ステップで算出した車輪加減速度wi及び
前記ステップで算出したスリップ率Siに基づいてアク
チュエータ6iを制御する制御信号を出力する。
すなわち、スリップ率Siが予め設定された所定値S
O(例えば15%)未満であり、且つ制御フラグAS及び減
圧タイマLが共に零であり、車輪加減速度wiが予め設
定された減速度閾値α及び加速度閾値βの間即ちα<
wi<βである非制動時及び制動初期時には、ステップ
〜を経てステップに移行し、アクチュエータ6iの圧
力をマスタシリンダ5の圧力に応じた圧力とする急増圧
モードに設定する。この急増圧モードでは、アクチュエ
ータ6iに対する制御信号EV及びAVを共に論理値“0"とし
て、アクチュエータ6iの流入弁8を開状態に、流出弁9
を閉状態にそれぞれ制御する。
したがって、車両がブレーキペダル4を踏込まない非
制動状態であるときには、マスターシリンダ5の圧力が
略零であるので、ホイールシリンダ2iの圧力も略零を維
持し、非制動状態を維持し、ブレーキペダル4を踏込ん
だ制動初期時には、マスターシリンダ5の圧力上昇に応
じてホイールシリンダ2iの圧力が急増圧して制動状態と
なる。
そして、制御状態となると、車輪速度Vwiが徐々に減
少し、これに応じて車輪減速度wiが第6図の曲線lに
示すように大きくなり(マイナス方向に増加し)、この
車輪減速度wiが減速度閾値αを越えると、ステップ
からステップに移行してホイールシリンダ2iのに内圧
を一定値に保持する高圧側の保持モードとなる。この高
圧側の保持モードでは、アクチュエータ6iに対する制御
信号EVを論理値“1"とすると共に制御信号AVを論理値
“0"として、アクチュエータ6iの流入弁8を閉状態に、
流出弁9を閉状態にそれぞれ制御し、ホイールシリンダ
2iの内圧をその直前の圧力に保持する。
しかしながら、この保持モードにおいても、車輪に対
して制動力が作用しているので、第6図の曲線lに示す
ように車輪減速度wiが増加すると共に、スリップ率Si
も増加する。
そして、スリップ率Siが所定値SOを越え、且つ車輪減
速度wiが加速度閾値β未満を維持しているときには、
ステップからステップを経てステップに移行し
て、減圧タイマLを予め設定された所定値LOにセットす
ると共に制御フラグASを“1"にセットし、これに応じて
論理値“1"の制御中信号MRを出力してアクチュエータ6i
の油圧ポンプ10を作動状態とする。このため、ステップ
ステップからステップ,を経てステップに移行
し、アクチュエータ6iの圧力を徐々に減圧する減圧モー
ドとなる。この減圧モードでは、アクチュエータ6iに対
する制御信号EV及びAVを共に論理値“1"として、アクチ
ュエータ6iの流入弁8を閉状態、流出弁9を開状態とし
て、ホイールシリンダ2iに保持されている圧力を流出弁
9、油圧ポンプ10及び逆止弁11を介してマスタシリンダ
5側に戻し、ホイールシリンダ2iの内圧を減少させる。
この減圧モードとなると、車輪に対する制動力が緩和
されるが、車輪速検出値Vwiが暫くは減少状態を維持
し、このため車輪減速度wi及びスリップ率Siは第6図
の曲線lで示すように増加傾向を継続するが、その後車
輪速検出値Vwiの減少率が低下して加速状態に移行す
る。
これに応じて車輪加減速度wiが正方向に増加し、車
輪加減速度wiが加速度閾値β以上となると、ステップ
からステップを経てステップに移行する。
このステップでは、減圧タイマLを“0"にクリアし
てから前記ステップに移行する。
したがって、ステップでの判定で、L=0となるの
で、ステップに移行し、wi≧βであるので、ステッ
プに移行し、制御フラグASが“1"にセットされている
ので、前記ステップに移行して、アクチュエータ6iの
圧力を低圧側で保持する低圧側の保持モードに移行す
る。この低圧側の保持モードでは、前記高圧側の保持モ
ードと同様に制御信号EVを論理値“1"、制御信号AVを論
理値“0"に制御して、ホイールシリンダ2iの内圧をその
直前の圧力に保持する。
このように、低圧側の保持モードとなると、ホイール
シリンダ2iの内圧が低圧側で一定値となり、車輪速検出
値Vwiは増速状態を継続する。このため、車輪加減速度
wiが正方向に大きくなり、スリップ率Siは減少するこ
とになる。
そして、スリップ率Siが設定スリップ率So未満となる
と、ステップからステップに移行し、前回の低圧側
保持モードで減圧タイマLが“0"にクリアされているの
で、直接ステップに移行し、前記低圧側の保持モード
を継続する。
この低圧側の保持モードにおいても、車輪に対して
は、制動力が作用しているので、車輪速検出値Vwiの増
加率は徐々に減少し、車輪加減速度wiが加速度閾値β
未満となると、ステップからステップに移行し、
wi>αであるので、ステップに移行し、制御フラグAS
が“1"であるので、ステップに移行する。
このステップでは、マスターシリンダ5からの圧力
油を間歇的にホイールシリンダ2iに供給してホイールシ
リンダ2iの内圧がステップ状に増圧されて緩増圧モード
となる。この緩増圧モードでは、アクチュエータ6iに対
する制御信号EVを論理値“0"及び論理値“1"に所定間隔
で交互に繰り返すと共に、制御信号AVを論理値“0"とし
て、アクチュエータ6iの流入弁8を所定間隔で開閉し、
流出弁9を閉状態とすることにより、ホイールシリンダ
2iの内圧を徐々にステップ状に増圧する。
この緩増圧モードとなると、ホイールシリンダ2iの圧
力上昇が緩やかとなるので、車輪1iに対する制動力が徐
々に増加し、車輪1iが減速状態となって車輪速検出値Vw
iが低下する。
その後、車輪加減速度wiが減速度閾値α以下となる
と、ステップからステップに移行して、高圧側の保
持モードとなり、その後のスリップ率Siが設定スリップ
率So以上となると、ステップからステップを経てス
テップに移行し、次いでステップ,を経てステッ
プに移行するので、減圧モードとなり、爾後低圧保持
モード、緩増圧モード、高圧側保持モード、減圧モード
が繰り返され、アンチスキッド効果を発揮することがで
きる。
なお、車両の速度がある程度低下したときには、減圧
モードにおいてスリップ率Siが設定スリップ率So未満に
回復する場合があり、このときには、ステップからス
テップに移行し、前述したように減圧モードを設定す
るステップで減圧タイマLは所定設定値LOにセットさ
れているので、ステップに移行して、減圧タイマLの
所定設定値を“1"だけ減算してからステップに移行す
ることになる。したがって、このステップからステッ
プに移行する処理を繰り返して減圧タイマLが“0"と
なると、ステップ〜ステップを経てステップに移
行して、緩増圧モードに移行し、次いで高圧側の保持モ
ードに移行してから緩増圧モードに移行することにな
る。
そして、車両が停止近傍の速度となったとき、緩増圧
モードの選択回数が所定値以上となったとき等の制御終
了条件を満足する状態となったときには、ステップの
判断によって制御終了と判断されるので、このステップ
からステップに移行して、減圧タイマL及び制御フ
ラグASを“0"にクリアしてからステップに移行して急
増圧モードとしてからアンチスキッド処理を終了する。
したがって、ブレーキペダル4を踏み込んだままで、停
車したときには、マスターシリンダ5の油圧がそのまま
ホイールシリンダ2iにかかることになり、車両の停車状
態を維持することができ、ブレーキペダル4の踏み込み
を解除したときには、マスターシリンダ5の油圧が零と
なるので、ホイールシリンダ2iの内圧は零に保持され、
車輪1iに対して何ら制動力が作用されることはない。
次に、上記実施例の動作を説明する。今、車両が駐車
状態にあるものとし、この状態でキースイッチをオン状
態(例えばイグニッションキーをアクセサリー位置)と
すると、コントローラCRに電源が投入される。このた
め、擬似車速発生装置17の重心加速度検出回路20では、
前後加速度センサ13の加速度検出値XG及び横加速度セン
サ14の加速度検出値YGが第7図(f)及び(j)に示す
ように共に零であるので、加算回路20dから第7図
(g)に示す如く重心加速度Gにオフセット値0.3g分だ
け加算した重心加速度補正値GCが出力され、これが擬似
車速演算回路21に入力される。
一方、アンチスキッド制御装置18ではアンチスキッド
制御を行っておらず、制御中フラグASが“0"にリセット
されて、制御中信号MRが論理値“0"となって急増圧モー
ドを保持しており、アクチュエータ6FL〜6Rの流入弁8
が開状態に、流出弁9が閉状態にそれぞれ制御されてい
ると共に油圧ポンプ10が停止されて、ブレーキペダル4
の踏込み量に応じてマスタシリンダ5から出力されるブ
レーキ液圧がアクチュエータ6FL〜6Rを介してそのまま
ホイールシリンダ2FL〜2RRに供給している。
この状態から第7図に示す時点toで、イグニッション
スイッチをオン状態とすると、そのオン信号IGが擬似車
速発生回路21のショットパルス発生回路21hに入力され
る。このため、ショットパルス発生回路21hから第7図
(i)に示す如くショットパルスS1が出力され、これが
サンプルホールド回路21tに供給されてこれをリセット
し、このときのセレクトハイスイッチ16で選択されたセ
レクトハイ車輪速VwH(=0)を車輪速サンプリング値V
Sとして保持する。また、ショットパルスS1は積分回路2
1oにも供給されて、この積分回路21oがリセットされ、
その積分出力Veが零となるため、加算回路21yから出力
される擬似車速Viも零となる。このように、擬似車速Vi
及びセレクトハイ車輪速VwHが共に等しく零であるの
で、比較器21a及び21bの出力C1及びC2は、第7図(b)
及び(c)に示す如く低レベルとなって、NORゲート21e
から第7図(d)に示す如く高レベルの出力信号S5が出
力され、これに応じてORゲート21gから出力されるセレ
クト信号S3も第7図(e)に示す如く高レベルとなる。
このセレクト信号S3がアナログスイッチ21iに供給さ
れるので、このアナログスイッチ21iがオン状態とな
り、他方セレクト信号S3がインバータ21jで低レベルに
反転されてANDゲート21k及び21lに供給され、これらか
らのセレクト信号S2及びS4の発生を禁止する。このと
き、アナログスイッチ21iは、その入力側が接地されて
いるので、積分回路21oの入力電圧Eは、第7図(h)
に示す如く零を維持し、その積分出力Veも零に保持され
る。その結果、加算回路21yから出力される擬似車速Vi
は、車輪速サンプリング値Vsと同じ零に維持される。
その後、車両を発進させて、直進状態を維持する加速
状態とすると、セレクトハイ車輪速VwHが第7図(a)
で太線図示の如く上昇し、VwL≧Vi+1km/hとなる時点t1
で、比較器21aの比較出力C1が高レベルに転換する。し
かしながら、オフディレータイマ21fの出力は、時点t1
から設定時間T3が経過するまでは高レベルを維持し、設
定時間T3経過後の時点t2で低レベルに転換する。したが
って、時点t1から時点t2までの間は、擬似車速Viは依然
として前回の車輪速サンプリング値VS(=0)と同じ一
定値に保たれ、時点t2でORゲート21gから出力されるセ
レクト信号S3が第7図(e)に示す如く低レベルに転換
し、これに応じてアナログスイッチ21iがオフ状態とな
ると同時にANDゲート21kの出力が高レベルとなることに
より、アナログスイッチ21mがオン状態となって、+0.4
gに対応する負の電圧が入力電圧Eとして供給される。
このため、積分回路21oの積分出力Veが+0.4gに対応し
た速度で大きくなり、これと車輪速サンプリング値Vs
の加算回路21yによる加算値即ち擬似車速Viも第8図
(a)で点線図示の如く上昇する。
そして、擬似車速Viがセレクトハイ車輪速VwHと略等
しくなる(VwH=Vi+1)時点t3で、比較器21aの比較出
力C1が低レベルに転換し、これに応じてNORゲート21eの
出力S5が高レベルに転換して、積分回路21o及びサンプ
ルホールド回路21tが共にリセットされ、これと同時に
アナログスイッチ21mに代えてアナログスイッチ21iがオ
ン状態となり、積分回路21oの積分入力電圧Eが零とな
って、その積分出力Veが零となり、擬似車速Viが時点t3
でのサンプリング車速VSに保持される。
その後、車両が加速状態を継続しているので、時点t4
で比較器21aの比較出力C1が高レベルに転換し、タイマ2
1fの設定時間T3が経過した時点t5でORゲート21gの出力S
5が低レベルに転換し、再度アナログスイッチ21iに代え
てアナログスイッチ21mがオン状態となることにより、
擬似車速Viが+0.4gに対応した加速度の積分値に応じた
速度で増加し、擬似車速Viがセレクトハイ車輪速VwH
略等しくなる時点t6で比較器21aの出力が低レベルに転
換することにより、積分回路21o及びサンプルホールド
回路21tがリセットされると共に、サンプルホールド回
路21tでそのときのセレクトハイ車輪速VwHを保持する。
以後、擬似車速Viが時点t6〜t7間でセレクトハイ車輪速
VwHを保持し、時点t7〜t8間で+0.4gに応じた速度で上
昇し、時点t8〜t9間で時点t8でのセレクトハイ車輪速Vw
Hを保持し、時点t9〜t10間で+0.4gに応じた速度で上昇
し、時点t10〜t11間で時点t10でのセレクトハイ車輪速V
wHを保持し、時点t11〜t12間で+0.4gに応じた速度で上
昇し、時点t12〜t13間で時点t12でのセレクトハイ車輪
速VwHを保持し、時点t13〜t14間で+0.4gに応じた速度
で上昇し、加速状態が終了した時点t14以降の定速走行
状態では、時点t14でのセレクトハイ車輪速VwHを保持す
る。
その後、時点t15でアクセルペダルの踏込を解除し、
これに代えてブレーキペダル4を踏込んで制動状態とす
ると、擬似車速Viに対してセレクトハイ車輪速VwHが低
下するので、比較器21bの比較出力が第7図(c)に示
すように、高レベルに反転し、タイマ21fの設定時間T3
が経過した時点t16で、ORゲート21gの出力が第7図
(e)に示すように低レベルに反転することにより、AN
Dゲート21lの出力が高レベルに反転してアナログスイッ
チ21nがオン状態となる。これによて、重心加速度検出
回路20の加算回路20dから出力される重心加速度補正値G
Cが入力電圧Eとして積分回路21oに供給されるので、そ
の積分出力が重心加速度補正値GCに応じて負方向に増加
し、これが加算回路21yに供給されるので、擬似車速Vi
が第7図(a)で点線図示の如く徐々に低下する。
その後、時点t17で擬似車速Viがセレクトハイ車輪速V
wHと略等しくなると、比較器21bの比較出力C2が低レベ
ルに反転し、これに応じてNORゲート21eの出力S5が第7
図(d)に示す如く高レベルに反転するので、ショット
パルス発生回路21hから第7図(i)の示すように、シ
ョットパルスS1が出力され、積分回路21oがリセットさ
れると共に、サンプルホールド回路21tでそのときのセ
レクトハイ車輪速VwHを保持し、その後タイマ21fの設定
時間T3が経過した時点t18で重心加速度検出回路20の加
算回路20dから出力される重心加速度補正値mcを積分回
路21oで積分して擬似車速Viが減少し、この擬似車速Vi
がセレクトハイ車輪速VwHと略等しくなる時点t19でその
ときのセレクトハイ車輪速VwHをサンプルホールド回路2
1tで保持する。
また、直進定速走行状態から第8図に示すように時点
t21で左旋回状態に移行すると、第8図(a)に示すよ
うに、旋回外輪側の車輪速が増加することにより、セレ
クトハイ車輪速VwHが増加すると共に、横加速度センサ1
4の横加速度検出値YGが第8図(j)に示すように正方
向に増加する。このとき、セレクトハイ車輪速VwHの増
加に伴って擬似車速Viが第8図(a)で点線図示の如く
時点t21からタイマ21fの設定時間T3だけ遅れた時点t22
から+0.4gに対応する速度で増加し、セレクトハイ車輪
速VwHに略一致した時点t23でそのときのセレクトハイ車
輪速VwHを保持する。
そして、この左旋回状態で、時点t24でブレーキペダ
ル4を踏込んで制動状態とすると、前後加速度センサ13
から第8図(f)に示すように負の前後加速度検出値XG
が出力されると共に、横加速度センサ14から出力される
横加速度検出値YGが第8図(j)に示すように制動によ
って僅かづつ減少する。したがって、重心加速度検出回
路20の加算回路20cから出力される重心加速度Gは、第
8図(g)に示すように大きな値となり、時点t25でタ
イマ21fの設定時間T3が経過すると、そのときの重心加
速度Gにオフセット値0.3gを加算した第8図(g)に鎖
線図示の重心加速度補正値Gcが積分入力電圧Eとして積
分回路21oに供給されるので、この積分回路の積分出力V
eが重心加速度補正値Gcに対応して負方向に急激に増加
することにより、擬似車速Viが第8図(a)で点線図示
のように急激に減少する。
このように、旋回状態で制動状態とすることにより、
スリップ角が大きくなるので、例えば時点t26から前後
加速度センサ13の前後加速度検出値XGが徐々に減少し、
逆に横加速度センサ14の横加速度検出値は車両の減速度
も感知することになるので、徐々に増加する。したがっ
て、重心加速度検出回路20の加算回路20dから出力され
る前後加速度検出値XG及び横加速度検出値YGの絶対値の
和でなる重心加速度Gは、さほど変化することではな
い。
しかしながら、さらにスリップ角が大きくなって、車
両が4輪ドリフト状態となると、前後加速度センサ13の
前後加速度検出値XGはより小さな値となり、横加速度セ
ンサ14の横加速度検出値YGは、遠心力による横加速度よ
りは、ドリフト角に応じたサイドフォースの増加による
減速度を検出することになる。このため、重心加速度検
出回路20の加算回路20eから出力される重心加速度補正
値Gcは、車両の重心位置の減速度にオフセット値0.3gを
加算した大きな値となり、これが積分回路21oに積分入
力電圧Eとして供給される。
このため、積分回路21oの積分出力Veも負の大きな値
となるため、加算回路21yでサンプルホールド値Vsから
積分出力Veが減算されることになり、この加算回路21y
から出力される擬似車速Viも小さくなり、4輪ドリフト
状態での車両の実際の車体速度に対応したものとなる。
同様に、車両がスピン状態となっても、前後加速度セン
サ13及び横加速度センサ14の何れかから大きな加速度検
出値が出力されるので、前記4輪ドリフト状態と同様に
車両の実際の車体速度に対応した擬似車速Viを発生させ
ることができる。
因みに、横加速度センサ14の横加速度検出値YGを加算
しないものとすると、4輪ドリフトが生じたときに、前
後加速度センサ13の前後加速度検出値XGが低下したとき
に、積分回路21oの積分出力Veの減少率が極めて小さく
なることから、擬似車速Viは第8図(a)で一点鎖線図
示のように、セレクトハイ車輪速VwHと一致することは
なく、実際の車体速度より高い値となり、後述するよう
に、アンチスキッド制御の減圧開始時点が早まって、ノ
ーブレーキ状態となる。
しかしながら、この実施例では、擬似車速Viが実際の
車体速度に追従したものとなるので、アンチスキッド制
御を良好に行うことができる。
そして、制動状態となると、アンチスキッド制御装置
18によって、第9図に示すように、各車輪1FL〜1RRに設
けたホイールシリンダ2FL〜2RRに対する制動力が個別に
アンチスキッド制御される。
このとき、非駆動輪となる前左輪1FLの車輪速度VwFL
が第9図(a)で細線図示のように変化し、且つ駆動輪
となる後左輪1RLの車輪速度VwRLが第9図(a)で一点
鎖線図示のように前輪に対して位相遅れを有して変化し
たものとすると、擬似車速発生装置17では、第9図の時
点t41からセレクトハイ車輪速VwHが低下することによ
り、前述したように、時点t41からタイマ21fの設定時間
T3だけ遅れた時点t42で擬似車速Viが第9図(a)で点
線図示の如く重心加速度補正値Gcに対応した速度で低下
する。その後、時点t43で擬似車速Viがセレクトハイ車
輪速VwHに略一致すると(VwH≧Vi−1)、前述したよう
に、積分回路21o及びサンプルホールド回路21tがリセッ
トされて、擬似車速Viが車輪速度サンプリング値Vsと等
しい一定値に保持される。
その後、時点t45でタイマ21fの設定時間T3が経過する
と、再度擬似車速Viが重心加減速度補正値Gcに応じた速
度で低下する。そして、セレクトハイ車輪速となる後輪
車輪速VwRLと略等しくなる時点t48で、積分回路21o及び
サンプリングホールド回路21tがリセットされて、擬似
車速Viが車輪速度サンプリング値Vsと等しい一定値に保
持され、次いで時点t50で擬似車速Viが減少を開始し、
時点t51〜t52間で時点t51におけるセレクトハイ車輪速V
wHとなる前輪2FLの車輪速VwFLのサンプリング値Vsと等
しい一定値に保持される。この時点t51〜t52間ではVi
VwFL+1となっているので、タイマ21fの設定時間T3
経過した時点t53でORゲート21gの出力S3が低レベルとな
り、アナログスイッチ21mがオン状態となる。このと
き、後述するように、アンチスキッド制御装置18でアン
チスキッド制御を実行しており、制御開始中信号MRが第
9図(d)に示す如く論理値“1"となっているので、切
換スイッチ21pが+10gに対応する負の電圧に切換えられ
ており、これが積分入力電圧Eとして積分回路21oに入
力されるので、この積分回路21oの積分出力Veが+10gに
対応した速度で急増加し、これに伴って擬似車速Viも急
増加する。
その後、時点t53で、擬似車速Viがセレクトハイとな
る車輪速VwFLと略等しくなると、擬似車速Viが車輪速Vw
FLの車輪速サンプリング値Vsに保持され、この状態がタ
イマ21fの設定時間T3が経過する時点t54迄保持される。
そして、時点t54以降は、時点t55迄の間擬似車速Vi
減少し、時点t55〜t57間で時点t56での車輪速VwFLの車
輪速サンプリング値Vsを保持し、時点t57〜t59間で減少
し、時点t59でそのときの車輪速VwRの車輪速サンプリン
グ値Vsを保持する。
このようにして、擬似車速演算回路21で、アンチスキ
ッド制御中の振動を伴う車輪速変動及び4輪ドリフト状
態やスピン状態にもかかわらず、第9図(a)で二点鎖
線図示の実際の車体速度Vcに略追従した擬似車速Viを発
生させることができる。特に、重心加速度検出回路20
で、前後加速度センサ13の加速度検出値XG及び横加速度
センサ14の加速度検出値YGの絶対値を加算した重心加速
度Gに所定のオフセット値(0.3g)を加算して重心加速
度補正値Gcを得るようにしているので、擬似車速Viとセ
レクトハイ車輪速VwHとが一致する瞬間が必ず生じるこ
とになり、前後加速度センサ13の加速度検出値XGのみを
積分する場合に生じる擬似車速Viが実際の車体速度Vc
り高くなる4輪ドリフト時やスピン時の誤差を確実に防
止することが出来、実際の車体速度Vcに正確に対応させ
たものとなる。
一方、アンチスキッド制御装置18では、例えば前左輪
2FLについて説明すると、第5図の処理が実行されてい
るので、第9図(c)に示す如く、時点t41で制動を開
始してから車輪加減速度wFLが第9図(b)に示す如
く減速方向に増加して、減速度閾値αを越える時点t44
で高圧側の保持モードを設定し、その後スリップ率SFL
が設定スリップ率So(例えば15%)を越えた時点即ち車
輪速VwFLが擬似車速Viの85%以下となった時点t46で減
圧モードを設定し、車輪速VwFLが回復して車輪加減速度
wFLが加速度閾値βを越える時点t49で低圧側の保持モ
ードを設定し、さらに車輪加減速度wFLが加速度閾値
β未満となる時点t51で緩増圧モードを設定し、車輪加
減速度wFLが減速度閾値αを越える時点t56で高圧側の
保持モードを設定し、スリップ率SFLが設定スリップ率S
oを越える時点t57で減圧モードを設定し、これらのモー
ドが制動状態を解除するか又は車速が所定車速以下の極
低速状態となるまで繰り返されて、正確なアンチスキッ
ド効果が発揮される。
なお、上記実施例においては、重心加速度検出手段と
して、前後加速度検出値XG及び横加速度検出値YGの絶対
値を加算して重心加速度Gを算出する場合について説明
したが、これに限定されるものではなく、前後加速度検
出値XG及び横加速度検出値YGを直接加算して重心加速度
Gとしたり、両者の二乗の和の平方根を重心加速度Gと
することもできる。
また、前記実施例においては、車両の重心位置の加速
度を前後加速度センサ13及び横加速度センサ14の加速度
検出値に基づいて検出するようにした場合について説明
したが、これに限定されるものではなく、加速度の検出
軸が交差するように配設された2つの加速度センサを適
用するようにしてもよく、また、2つの加速度センサを
利用する場合に限らず、第10図に示すように、1つの加
速度センサで重心加速度を検出するようにしてもよい。
すなわち、車両の重心近傍位置の車体にZ軸(垂直軸)
方向に延長する回転軸30を回転自在に支承し、この回転
軸30の上端に水平面内で回転自在で摩擦及び慣性が小さ
い回転テーブル31を配置し、この回転テーブル31の回転
中心位置に加速度センサ32を配置すると共に、回転テー
ブル31の外周縁から加速度センサ32の検出軸の延長方向
に取付けられた連結杵33の自由端に重錘34を取付けた構
成を有する。この構成によると、車両が加速(又は減
速)するときには、重錘33が加速度(又は減速度)に応
じて車両の後方(又は前方)に移動し、定速での左(又
は右)旋回状態では、重錘33が横加速度に応じて車両の
右側(又は左側)に移動することになり、加速度センサ
32で車両の重心加速度の絶対値を正確に検出することが
でき、この加速度センサ32の加速度検出値を直接加算回
路20eに供給することにより、より正確な擬似車速Vi
算出することができる。また、回転軸30の重錘34が車両
の横方向の右側にあるときを0°とし、これより時計方
向にとった回転角θをポテンショメータ35で検出し、こ
の回転角検出値θと加速度センサ32の加速度検出値Gと
を演算回路に供給して下記(2)式及び(3)式の演算
を行うことにより、前後加速度XG及び横加速度YGを算出
することができる。
XG=G・sinθ ……(2) YG=G・cosθ ……(3) さらに、前記実施例においては、横加速度検出手段と
して横加速度センサ14を適用した場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、車速及び操舵角を
検出して、これらに基づいて横加速度を推定するように
してもよい。
またさらに、前記実施例においては、擬似車速発生装
置17を電子回路で構成した場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、マイクロコンピュータを
使用して演算処理するようにしてもよい。
なおさらに、前記実施例においては、後輪側の車輪速
を共通の車輪速センサで検出する場合について説明した
が、これに限らず後輪側の左右輪についても個別に車輪
速センサを設けるようにしてもよい。
また、前記実施例においては、車輪速選択値としてセ
レクトハイ車輪速を選択する場合について説明したが、
アンチスキッド制御中はセレクトハイ車輪速を選択し、
非アンチスキッド制御中は最も低いセレクトロー車輪速
を選択するようにしてもよい。
さらに、前記実施例においては、後輪駆動車について
説明したが、これに限らず前輪駆動車、四輪駆動車にも
この発明を適用し得る。
またさらに、前記実施例においては、アンチスキッド
制御装置18としてマイクロコンピュータを適用した場合
について説明したが、これに限定されるものではなく、
比較回路、演算回路、論理回路等の電子回路を組み合わ
せ構成することもできる。
なおさらに、前記各実施例ではドラム式ブレーキにつ
いて適用した場合を示したが、これはディスク式ブレー
キについても同様に適用可能である。
また、上記各実施例ではホイールシリンダを油圧で制
御する場合について説明したが、これに限らず他の液体
又は空気等の気体を適用し得ることは言うまでもない。
さらに、上記実施例では、この発明による擬似車速発
生装置をアンチスキッド制御装置に適用した場合につい
て説明したが、これに限らず駆動力配分制御装置その他
の車速を利用した制御装置に適用することができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、請求項(1)に係る車両の擬似
車速発生装置によれば、車両の重心位置での水平面上に
おけるあらゆる方向の加減速度を加速度検出手段で検出
し、この加速度検出手段の加速度検出値に基づいて擬似
車速を演算するようにしているので、たとえ車両が4輪
ドリフト状態となっても、正確な車両減速度を検出する
ことができ、擬似車速が実際の車体速度より高くなるこ
とを確実に防止することができ、この擬似車速をアンチ
スキッド制御装置、駆動力配分制御装置等に使用したと
きの誤動作を確実に防止することができる効果が得られ
る。
また、請求項(2)に係る車両の擬似車速発生装置に
よれば、既設の前後加速度センサ及び横加速度センサを
使用することができるので、別途新たにセンサを追加す
る必要がない利点がある。
さらに、請求項(3)に係る車両の擬似車速発生装置
によれば、1つの加速度センサで重心加速度の絶対値を
検出することができ、製造コストを低減することができ
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示すブロック図、第2図
はアクチュエータの一例を示す構成図、第3図は擬似車
速演算回路の一例を示すブロック図、第4図(a)及び
(b)はそれぞれ前後加速度センサの前後加速度と出力
電圧との関係及び横加速度センサの横加速度と出力電圧
との関係を示す特性線図、第5図は制動圧制御回路の処
理手順の一例を示すフローチャート、第6図は制動圧制
御回路の制御マップを示す図、第7図乃至第9図はそれ
ぞれこの発明の動作の説明に供する波形図、第10図は重
心加速度検出手段の他の実施例を示す斜視図である。 図中1FL,1FRは前輪、1RL,1RRは後輪、2FL〜2RRはホイー
ルシリンダ(制動用シリンダ)、3FL〜3Rは車輪速セン
サ、4はブレーキペダル、5はマスターシリンダ、6FL
〜6Rはアクチュエータ、8は流入弁、9は流出弁、10は
油圧ポンプ、13は前後加速度センサ、14は横加速度セン
サ、CRはコントーラ、15FL〜15Rは車輪演算回路、16は
セレクトハイスイッチ、17は擬似車速発生装置、18はア
ンチスキッド制御装置、20は重心加速度検出回路(重心
加速度検出手段)、21は擬似車速演算回路(擬似車速演
算手段)、25はマイクロコンピュータ、31は回転テーブ
ル、32は加速度センサ、34は重錘(質量)である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の重心の水平面上に作用するあらゆる
    方向の加速度を検出する重心加速度検出手段、該重心加
    速度検出手段の加速度検出値に基づいて車両の疑似車速
    を演算する疑似車速演算手段とを備えたことを特徴とす
    る車両の疑似車速発生装置。
  2. 【請求項2】前記重心加速度検出手段は、車両の前後加
    速度を検出する前後加速度センサと、車両の横加速度を
    検出する横加速度センサと、両加速度センサの加速度検
    出値に基づいて重心加速度を算出する演算回路とで構成
    されている請求項(1)記載の車両の疑似車速発生装
    置。
  3. 【請求項3】前記重心加速度検出手段は、車両の重心近
    傍にZ軸を中心として回転可能に配設された加速度セン
    サと、該加速度センサにその検出軸方向の回転中心から
    離れた位置に連結された質量とで構成されている請求項
    (1)記載の車両の疑似車速発生装置。
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