JP2765047B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JP2765047B2
JP2765047B2 JP1125650A JP12565089A JP2765047B2 JP 2765047 B2 JP2765047 B2 JP 2765047B2 JP 1125650 A JP1125650 A JP 1125650A JP 12565089 A JP12565089 A JP 12565089A JP 2765047 B2 JP2765047 B2 JP 2765047B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、制動時に各車輪に配設された制動用シリ
ンダの流体圧を最適状態に制御して、車輪のロックを防
止するアンチスキッド制御装置の改良に係り、特に車両
の旋回時の内外輪の回転半径差による誤動作を防止する
ようにしたアンチスキッド制御装置に関する。
〔従来の技術〕
従来のアンチスキッド制御装置としては、例えば特公
昭41−17082号公報に記載されているものがある。
この従来例は、各車輪速のうち最も高い車輪速が車速
に最も近いことから、このセレクトハイ車輪速を擬似車
速として選択する。又このセレクトハイ車輪速を選択し
ても急減速時には車輪減速度が大きいので、擬似車速は
実際の車体速より小さくなることから、急減速開始時の
セレクトハイ車輪速度から所定勾配で引いた直線を擬似
車速とするようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来のアンチスキッド制御装置に
あっては、車両の非制動状態での旋回時に内輪(特に後
輪)が浮いて、内輪側がホイールスピンを生じたとき
に、このホイールスピンした内輪の回転速度を基準とし
て擬似車速を算出することになるので、擬似車速の値が
高くなり過ぎ、これとの対比において行う車輪ロックの
判断時に、他の車輪を実際にはロックしていないのにロ
ック状態と判別し、他輪の制動装置を減圧状態とする不
要なアンチスキッド制御を行うという未解決の課題があ
った。
そこで、この発明は、上記従来例の未解決の課題に着
目してなされたものであり、車両の旋回時に所定設定値
以上の横加速度が生じたときには、内輪側にホイールス
ピンが発生する可能性があると見做して少なくとも最も
高い車輪速を無視してホイールスピンによって擬似車速
が影響されることがないようにしたアンチスキッド制御
装置を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、この発明に係るアンチス
キッド制御装置は、第1図の基本構成図に示すように、
複数の車輪の速度を検出する車輪速検出手段と、該各車
輪速検出手段の車輪速検出値を選択する車輪速選択手段
と、該車輪速選択手段の選択車輪速に基づいて擬似車速
を演算する擬似車速演算手段と、該擬似車速演算手段の
擬似車速と前記車輪速検出手段の車輪速検出値とに基づ
いて各車輪に配設された制動用シリンダの流体圧を制御
する制動圧制御手段を備えたアンチスキッド制御装置に
おいて、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段を
備え、前記制動圧制御手段による制動制御中であるとき
に前記車輪速検出手段の各車輪速検出値のうち最大値を
選択し、前記横加速度検出手段の横加速度検出値が所定
設定値以上となって旋回時における内輪側駆動輪のホイ
ールスピン状態と判断したときに前記最大値より低い車
輪速を選択するように構成されていることを特徴として
いる。
〔作用〕
この発明においては、制動圧制御手段が制動制御中で
あるときには、車輪速選択手段で車輪速検出手段の各車
輪速検出値のうち最大値を選択して、これに基づいて疑
似車速を求めることにより、車輪速変動にかかわらず実
際の車体速度に応じた疑似車速を得ることができ、正確
なアンチスキッド制御を行うことができる。
一方、横加速度検出手段の横加速度が所定設定値以上
となって旋回時における内輪側駆動輪のホイールスピン
状態と判断されるときには車輪速選択手段で車輪速検出
値の最大値より低い車輪速を選択することにより、ホイ
ールスピンを生じていない車輪の車輪速を基準として実
際の車体速度に追従した疑似車速を求めることができ、
この疑似車速を使用して各車輪のロック状態を判断する
ことにより、旋回時の内輪側駆動輪のホイールスピンに
よる誤動作を防止して正確なアンチスキッド制御を行う
ことができる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図はこの発明の一実施例を示すブロック図であ
る。
図中、1FL,1FRは非駆動輪となる前輪、1RL,1RRは駆動
輪となる後輪であって、これら車輪1FL〜1RRには、それ
ぞれ制動用シリンダとしてのホイールシリンダ2FL〜2RR
が取付けられていると共に、各車輪1FL〜1RRの車輪回転
数に応じたパルス信号を出力する車輪速センサ3FL〜3RR
が取付けられている。
各ホイールシリンダ2FL〜2RRには、ブレーキペダル4
の踏込みに応じて2系統のマスタシリンダ圧を発生する
マスタシリンダ5からのマスタシリンダ圧がアクチュエ
ータ6FL〜6RRを介して供給される。
アクチュエータ6FL〜6RRのそれぞれは、第3図に示す
ように、マスタシリンダ5に接続される油圧配管7とホ
イールシリンダ2FL〜2RRとの間に介装された電磁流入弁
8と、この電磁流入弁8と並列に接続された電磁流出弁
9、油圧ポンプ10及び逆止弁11の直列回路と、流出弁9
及び油圧ポンプ10間の油圧配管に接続されたアキュムレ
ータ12とを備えている。
そして、各アクチュエータ6FL〜6RRの電磁流入弁8、
電磁流出弁9及び油圧ポンプ10は、車輪速センサ3FL〜3
RRからの車輪速パルス信号PFL〜PRRが入力されると共
に、車体に取付けられた前後加速度を検出する前後加速
度センサ13の前後加速度検出値及び横加速度センサ14
の横加速度検出値が入力されるコントローラCRからの
液圧制御信号EV、AV及びMRによって制御される。
ここで、前後加速度センサ13は、第5図(a)に示す
ように、車両に加減速度が作用していないときに、正の
中立電圧VNとなり、前進加速度(後退減速度)が作用し
たときにこれに比例して中立電圧VNより高い電圧とな
り、前進減速度(後退加速度)が作用したときにこれに
比例して中立電圧VNより低い正の電圧となる前後加速度
検出値を出力する。同様に、横加速度センサ14は、第
5図(b)に示すように、車両に横加速度が作用してい
ないときに、正の中立電圧VNとなり、左旋回による右方
向の横加速度が作用したときにこれに比例して中立電圧
VNより高い電圧となり、右旋回による左方向の横加速度
が作用したときにこれに比例して中立電圧VNより低い正
の電圧となる横加速度検出値を出力する。
コントローラCRは、車輪速センサ3FL〜3RRからの車輪
速パルス信号PFL〜PRRが入力され、これらと各車輪1FL
〜1RRの回転半径とから車輪の周速度(車輪速)VwFL〜V
wRRを演算する車輪速演算回路15FL〜15RRと、これら車
輪速演算回路15FL〜15RRの車輪速VwFL〜VwRRを選択する
車輪速選択回路16と、この車輪速選択回路16で選択され
たセレクト車輪速Vwsと前後加速度センサ13の前後加速
度検出値とが入力され、これらに基づいて擬似車速度
Viを算出する擬似車速度演算回路17と、この擬似車速度
演算回路17から出力される擬似車速Viと前記車輪速V
wFL,VwFR及びVwRとに基づいて制動時のアンチスキッド
制御を行う制動圧制御回路18とを備えており、制動圧制
御回路18から出力される制御信号が駆動回路22a〜22cを
介してアクチュエータ6FL〜6RRに供給される。
車輪速選択回路16は、第4図に示すように、セレクト
信号SEが論理値“1"のときに、車輪速VwFL〜VwRRのうち
の最大車輪速(セレクトハイ車輪速)VwHを選択して、
セレクト信号SEが論理値“0"のときに車輪速VwFL〜VwRR
のうち最小車輪速(セレクトロー車輪速)VwLを選択し
てこれをセレクト車輪速VwSとして出力する車輪速選択
手段としてのセレクトスイッチSSと、このセレクトスイ
ッチSSに対するセレクト信号SEを形成するセレクト信号
形成回路19とを備えている。ここで、セレクト信号形成
回路19は、横加速度センサ14の横加速度検出値から中
立電圧VNを減算して真の横加速度を算出する横加速
度変換回路19aと、この横加速度変換回路19aの横加速度
の絶対値を採る絶対値回路19bと、この絶対値回路1
9bの絶対値出力が一方の入力側に供給され、他方の入力
側に例えば0.3gに相当する設定値が供給され、<
のとき即ち直進状態若しくは旋回状態で旋回半径が
大きいか又は低速走行時で内外輪の回転数差が小さいと
きに論理値“1"、≧のとき即ち旋回状態で内外輪
の回転数差が大きいときに論理値“0"の比較出力を出力
する比較器19cと、この比較器19cの出力と後述する制動
圧制御回路18からの制御中信号MRとの論理和をとるOR回
路19dとで構成され、OR回路19dの出力がセレクト信号SE
としてセレクトスイッチSSに供給される。
擬似車速演算回路17は、第4図に示すように、前後加
速度センサ13から出力される前後加速度検出値を補正
する出力補正回路20と、この出力補正回路20から出力さ
れる補正加速度検出値、セレクト車輪速VwS及び制
御中信号MRから擬似車速Viを算出する擬似車速発生回路
21とを備え、擬似車速発生回路21から出力される擬似車
速Viが制動圧制御回路18に入力される。
ここで、出力補正回路20は、前後加速度センサ13から
出力される前後加速度検出値から中立電圧VNを減算し
て実際の前後加減速度を算出する前後加速度変換回
路20aと、この前後加速度変換回路20aの前後加速度
が供給される絶対値回路20bと、オフセット値出力回路2
0cと、絶対値回路20b及びオフセット値出力回路20cの出
力を加算する加算回路20dとを備えており、前後加速度
変換回路20aで前後加速度センサ13の加速度検出値か
ら中立電圧VNを減算することにより、前進加速度(後進
減速度)をこれに比例した正極性の電圧として、また前
進減速度(後進加速度)をこれに比例した負極性の電圧
として実際の加減速度を算出し、絶対値回路20b
は、減算回路20aの加減速度を絶対値化して加算回
路20dに入力する。また、オフセット値出力回路20cは、
絶対値化した加減速度を補正するための任意所定の
オフセット値を加算回路20dに出力するもので、このオ
フセット値を例えば0.3gbに対応させる。加算回路20d
は、両入力の加算により、絶対値化した加減速度
0.3gだけオフセットさせた加減速度補正値を出力す
る。
擬似車速発生回路21は、第5図に示すように、セレク
トスイッチSSから出力されるセレクト車輪速VwSが入力
される比較器21a,21bと、擬似車速Viに±1km/hの不感帯
を設定して比較器21a,21bの他入力に供給する加算器21c
及び減算器21dと、比較器21a,21bの出力信号C1,C2が供
給されるNORゲート21eとを有する。比較器21aは、VwH
Vi+1km/hのときに高レベルの出力C1を出力し、比較器2
1bは、VwH<Vi−1km/hのときに高レベルの出力C2を出力
する。したがって、NORゲート21eは、出力C1,C2が共に
低レベルとなるVi−1km/h≦VwH<Vi+1km/hのとき高レ
ベルの出力信号S5を出力する。NORゲート21eの出力信号
S5は、オフディレータイマ21f、ORゲート21g及びショッ
トパルス発生回路21hに入力される。オフディレータイ
マ21fは、NORゲート21eからの信号の立下がりにより起
動され、一定時間T3だけ高レベル信号を出力し、これを
ORゲート21gに供給する。
ORゲート21gの出力は、セレクト信号S3としてアナロ
グスイッチ21iのゲートに供給されると共に、インバー
タ21jにより反転してANDゲート21k,21lの一方の入力側
に供給される。ANDゲート21kの他方の入力側には、C1
号が、またANDゲート21lの他方の入力側にはC2信号がそ
れぞれ供給され、ANDゲート21k,21lの出力がセレクト信
号S2,S4としてアナログスイッチ21m,21nのゲートに供給
される。アナログスイッチ21iは、セレクト信号S3の高
レベル中オン状態となり積分回路21oへの供給電圧Eを
零にし、アナログスイッチ21mは、セレクト信号S2の高
レベル中オン状態となり、あり得る車両加速度(車速上
昇変化率)の最大値、例えば+0.4gに対応した負の電圧
E、又は+10gに対応した負の電圧Eを積分回路21oに供
給し、アナログスイッチ21nは、セレクト信号S4の高レ
ベル中オン状態となり、前記加算回路20dからの加減速
度補正値に対応した電圧Eを積分回路21oに供給す
る。なお、上記+0.4g,+10gの選択は切換スイッチ21p
により行い、このスイッチ21pは、アンチスキッド制御
回路17からの制御中信号MRが論理値“0"である間+0.4g
を、制御中信号MRが論理値“1"であるアンチスキッド制
御中+10gを選択する。
積分回路21oは、増幅器21q、コンデンサ21r及びアナ
ログスイッチ21sよりなる周知のもので、アナログスイ
ッチ21sがそのゲートの高レベルリセット信号S1により
オン状態となるときリセットされ、リセット信号がS1
消失した後電圧Eを積分し続ける。リセット信号S1は前
記ショットパルス発生回路21hからのショットパルスに
よって得るようにし、このショットパルス発生回路21h
は、イグニッション投入信号IGによりエンジン始動時に
先ず1個のショットパルスをリセット信号S1として出力
し、その後はNORゲート21eの出力信号S5が立上がる毎に
ショットパルスをリセット信号S1として出力する。
リセット信号S1は、その他にサンプルホールド回路21
tのリセットにも使用し、この回路もバッファアンプ21
u,21v、コンデンサ21w及びアナログスイッチ21xよりな
る周知のものとし、セレクト車輪速VwSが入力される。
サンプルホールド回路21tは、高レベルリセット信号S1
によりアナログスイッチ21xがオン状態になるときリセ
ットされ、そのときの車輪速VwSを車輪速サンプリング
値VSとして記憶し続け、これを加算回路21yに入力す
る。加算回路21yは、積分回路21oの積分値Ve=▲∫t 0
(−E)・dtを車輪速サンプリング値VSに加算し、加算
値VS+Veを擬似車速Viとして制動圧制御回路18に入力す
る。
制動圧制御回路18は、車輪速VwFL〜VwR及び擬似車速V
iに基づいて各車輪1FL〜1RRに設けたホイールシリンダ2
FL〜2RRへの供給圧力を制御するアクチュエータ6FL〜6R
Rを制御するものであり、第2図に示すように、例えば
入力インタフェース回路25a、出力インタフェース回路
回路25d、演算処理装置25b及び記憶装置25cを少なくと
も有するマイクロコンピュータ25で構成され、第6図に
示すアンチスキッド制御処理を実行する。
このアンチスキッド制御処理は、所定時間例えば20ms
ec毎のタイマ割込処理として実行され、この処理におい
て、ASは制御フラグ、Lは減圧タイマを示しこれらは前
回のアンチスキッド制御の終了時にステップからステ
ップに移行して零にクリアされていると共に、制御フ
ラグASが“1"にセットされている間論理値“1"の制御中
信号MRがセレクト信号形成回路19、擬似車速発生回路21
に出力される。
すなわち、第6図の処理が開始されると、先ずステッ
プで、車輪速演算回路15i(i=FL,FR,RL,RR)から出
力される現在の車輪速検出値VwiNを読込み、次いでステ
ップに移行して、前回の処理時に読込んだ車輪速検出
値VwiN-1からステップで読込んだ車輪速検出値VwiN
減算して単位時間当たりの車輪速変化量即ち車輪加減速
度wiを算出してこれを記憶装置25cの所定記憶領域に
記憶し、次いでステップに移行して、擬似車速演算回
路17からの擬似車速Viを読込み、次いでステップに移
行して下記(1)式の演算を行ってスリップ率Siを算出
する。
そして、ステップで算出した車輪加減速度wi及び
前記ステップで算出したスリップ率Siに基づいてアク
チュエータ6iを制御する制御信号を出力する。
すなわち、スリップ率Siが予め設定された所定値S
0(例えば15%)未満であり、且つ制御フラグAS及び減
圧タイマLが共に零であり、車輪加減速度wiが予め設
定された減速度閾値α及び加速度閾値βの間即ちα<
wi<βである非制動時及び制動初期時には、ステップ
〜を経てステップに移行し、アクチュエータ6iの圧
力をマスタシリンダ5の圧力に応じた圧力とする急増圧
モードに設定する。この急増圧モードでは、アクチュエ
ータ6iに対する制御信号EV及びAVを共に論理値“0"とし
て、アクチュエータ6iの流入弁8を開状態に、流出弁9
を閉状態にそれぞれ制御する。
したがって、車両がブレーキペダル4を踏込まない非
制動状態であるときには、マスターシリンダ5の圧力が
略零であるので、ホイールシリンダ2iの圧力を略零に維
持し、非制動状態を維持し、ブレーキペダル4を踏込ん
だ制動初期時には、マスターシリンダ5の圧力上昇に応
じてホイールシリンダ2iの圧力が急増圧して制動状態と
なる。
そして、制動状態となると、車輪速度Vwiが徐々に減
少し、これに応じて車輪減速度wiが第7図の曲線lに
示すように大きくなり、この車輪減速度wiが減速度閾
値αを越えると、ステップからステップに移行して
アクチュエータ6iの圧力を一定値に保持する高圧側の保
持モードとなる。この高圧側の保持モードでは、アクチ
ュエータ6iに対する制御信号EVを論理値“1"とすると共
に制御信号AVを論理値“0"として、アクチュエータ6iの
流入弁8を閉状態に、流出弁9を閉状態にそれぞれ制御
し、ホイールシリンダ2iの内圧をその直前の圧力に保持
する。
しかしながら、この保持モードにおいても、車輪に対
して制動力が作用しているので、第7図の曲線lに示す
ように車輪減速度wiが増加すると共に、スリップ率Si
も増加する。
そして、スリップ率Siが所定値S0を越え、且つ車輪減
速度wiが加速度閾値β未満を維持しているときには、
ステップからステップを経てステップに移行し
て、減圧タイマLを予め設定された所定値L0にセットす
ると共に制御フラグASを“1"にセットし、これに応じて
論理値“1"の制御中信号MRを出力してアクチュエータ6i
の油圧ポンプ10を作動状態とする。このため、ステップ
からステップ,を経てステップに移行し、アク
チュエータ6iの圧力を徐々に減圧する減圧モードとな
る。この減圧モードでは、アクチュエータ6iに対する制
御信号EV及びAVを共に論理値“1"として、アクチュエー
タ6iの流入弁8を閉状態、流出弁9を開状態として、ホ
イールシリンダ2iに保持されている圧力を流出弁9、油
圧ポンプ10及び逆止弁11を介してマスタシリンダ5側に
戻し、ホイールシリンダ2iの内圧を減少させる。
この減圧モードとなると、車輪に対する制動力が緩和
されるが、車輪速検出値Vwiが暫くは減少状態を維持
し、このため車輪減速度wi及びスリップ率Sは第7図
の曲線lで示すように増加傾向を継続するが、その後車
輪速検出値Vwiの減少率が低下して加速状態に移行す
る。
これに応じて車輪加減速度wiが正方向に増加し、車
輪加減速度wiが加速度閾値β以上となると、ステップ
からステップを経てステップに移行する。
このステップでは、減圧タイマLを“0"にクリアし
てから前記ステップに移行する。
したがって、ステップでの判定で、L=0となるの
で、ステップに移行し、wi≧βであるので、ステッ
プに移行し、制御フラグASが“1"にセットされている
ので、前記ステップに移行して、アクチュエータ6iの
圧力を低圧側で保持する低圧側の保持モードに移行す
る。この低圧側の保持モードでは、前記高圧側の保持モ
ードと同様に制御信号EVを論理値“1"、制御信号AVを論
理値“0"に制御して、ホイールシリンダ2iの内圧をその
直前の圧力に保持する。
このように、低圧側の保持モードとなると、ホイール
シリンダ2iの内圧が低圧側で一定値となり、車輪速検出
値Vwiは増速状態を継続する。このため、車輪加減速度
wiが正方向に大きくなり、スリップ率Siは減少するこ
とになる。
そして、スリップ率Siが設定スリップ率S0未満となる
と、ステップからステップに移行し、前回の低圧側
保持モードで減圧タイマLが“0"にクリアされているの
で、直接ステップに移行し、前記低圧側の保持モード
を継続する。
この低圧側の保持モードにおいても、車輪に対して
は、制動力が作用しているので、車輪速検出値Vwiの増
加率は徐々に減少し、車輪加減速度wiが加速度閾値β
未満となると、ステップからステップに移行し、
wi>αであるので、ステップに移行し、制御フラグAS
が“1"であるので、ステップに移行する。
このステップでは、マスターシリンダ5からの圧力
油を間歇的にホイールシリンダ2iに供給してホイールシ
リンダ2iの内圧がステップ状に増圧されて緩増圧モード
となる。この緩増圧モードでは、アクチュエータ6iに対
する制御信号EVを論理値“0"及び論理値“1"に所定間隔
で交互に繰り返すと共に、制御信号AVを論理値“0"とし
て、アクチュエータ6iの流入弁8を所定間隔で開閉し、
流出弁9を閉状態とすることにより、ホイールシリンダ
2iの内圧を徐々にステップ状に増圧する。
この緩増圧モードとなると、ホイールシリンダ2iの圧
力上昇が緩やかとなるので、車輪1iに対する制動力が徐
々に増加し、車輪1iが減速状態となって車輪速検出値Vw
iが低下する。
その後、車輪加減速度wiが減速度閾値α以下となる
と、ステップからステップに移行して、高圧側の保
持モードとなり、その後スリップ率Siが設定スリップ率
S0以上となると、ステップからステップを経てステ
ップに移行し、次いでステップ,を経てステップ
に移行するので、減圧モードとなり、爾後低圧保持モ
ード、緩増圧モード、高圧側保持モード、減圧モードが
繰り返され、アンチスキッド効果を発揮することができ
る。
なお、車両の速度がある程度低下したときには、減圧
モードにおいてスリップ率Siが設定スリップ率S0未満に
回復する場合があり、このときには、ステップからス
テップに移行し、前述したように減圧モードを設定す
るステップで減圧タイマLが所定設定値L0にセットさ
れているので、ステップに移行して、減圧タイマLの
所定設定値を“1"だけ減算してからステップに移行す
ることになる。したがって、このステップからステッ
プに移行する処理を繰り返して減圧タイマLが“0"と
なると、ステップ〜ステップを経てステップに移
行して、緩増圧モードに移行し、次いで高圧側の保持モ
ードに移行してから緩増圧モードに移行することにな
る。
そして、車両が停止近傍の速度となったとき、緩増圧
モードの選択回数が所定値以上になったとき等の制御終
了条件を満足する状態となったときには、ステップの
判断によって制御終了と判断されるので、このステップ
からステップに移行して、減圧タイマL及び制御フ
ラグASを“0"にクリアしてからステップに移行して急
増圧モードとしてからアンチスキッド処理を終了する。
したがって、ブレーキペダルを踏み込んだままで、停車
したときには、マスターシリンダ5の油圧がそのままホ
イールシリンダ2iにかかることになり、車両の停車状態
を維持することができ、ブレーキペダル4の踏み込みを
解除したときには、マスターシリンダ5の油圧が零とな
るので、ホイールシリンダ2iの内圧は零に保持され、車
輪1iに対して何ら制動力が作用されることはない。
次に、上記実施例の動作を説明する。
今、車両が駐車状態にあるものとし、この状態でキー
スイッチをオン状態とすると、コントローラCRに電源が
投入される。このため、擬似車速演算回路17の出力補正
回路20では、前後加速度センサ13の加速度検出値から
中立電圧VNを減算した前後加速度が第8図(f)に
示す如く零であり、加算回路20dから第8図(g)に示
す如く加減速度の絶対値にオフセット値0.3g分だけ
加算した加減速度補正値が出力され、これが擬似車
速発生回路21に入力される。
一方、制動圧制御回路18ではアンチスキッド制御を行
っておらず、制御中フラグASが“0"にリセットされて、
制御中信号MRが論理値“0"となって急増圧モードを保持
しており、アクチュエータ6FL〜6RRの流入弁8が開状態
に、流出弁9が閉状態にそれぞれ制御されていると共に
油圧ポンプ10が停止されて、ブレーキペダル4の踏込み
量に応じてマスタシリンダ5から出力されるブレーキ液
圧がアクチュエータ6FL〜6RRを介してそのままホイール
シリンダ2FL〜2RRに供給している。
このとき、車両が停車中であるので、横加速度センサ
14の横加速度検出値は中立電圧VNとなっており、セレ
クト信号形成回路19の横加速度変換回路19aの横加速度
は零となっており、これに応じて絶対値回路19bの
絶対値出力も零となっているので、比較器19cの比較出
力が論理値“1"であるので、OR回路19dから出力される
セレクト信号SEが論理値“1"となり、セレクトスイッチ
SSが車輪速VwFL〜VwRRのうち最大値を選択するセレクト
ハイ状態となっている。
この状態から第8図に示す時点t0で、イグニッション
スイッチをオン状態とすると、そのオン信号IGが擬似車
速発生回路21のショットパルス発生回路21hに入力され
る。このため、ショトパルス発生回路21hから第8図
(i)に示す如くショットパルスS1が出力され、これが
サンプルホールド回路21tに供給されてこれをリセット
し、このときのセレクトスイッチSSで選択されたセレク
トハイ車輪速VwS(=0)を車輪速サンプリング値VS
して保持する。また、ショットパルスS1は積分回路21O
にも供給されて、この積分回路21Oがリセットされ、そ
の積分出力Veが零となるため、加算回路21yから出力さ
れる擬似車速Viも零となる。このように、擬似車速Vi
びセレクトハイ車輪速VwSが共に等しく零であるので、
比較器21a及び21bの出力C1及びC2は、第8図(b)及び
(c)に示す如く低レベルとなって、NORゲート21eから
第8図(d)に示す如く高レベルの出力信号S5が出力さ
れ、これに応じてORゲート21gから出力されるセレクト
信号S3も第8図(e)に示す如く高レベルとなる。
このセレクト信号S3がアナログスイッチ21iに供給さ
れるので、このアナログスイッチ21iがオン状態とな
り、他方セレクト信号S3がインバータ21jで低レベルに
反転されてANDゲート21k及び21lに供給され、これらか
らのセレクト信号S2及びS4の発生を禁止する。このと
き、アナログスイッチ21iは、その入力側が接地されて
いるので、積分回路21Oの入力電圧Eは、第8図(h)
に示す如く零を維持し、その積分出力Veも零に保持され
る。その結果、加算回路21yから出力される擬似車速Vi
は、車輪速サンプリング値VSと同じ零に維持される。
その後、車両を発進させて、直進状態を維持する加速
状態とすると、横加速度センサ14は中立電圧VNの横加速
度検出値を維持するため、セレクト信号形成回路19か
ら出力されるセレクト信号SEは論理値“1"を維持し、セ
レクトスイッチSSもセレクトハイ状態を維持する。
そして、セレクトハイ車輪速VwHが第8図(a)で太
線図示の如く上昇し、VwL≧Vi+1km/hとなる時点t1で、
比較器21aの比較出力C1が高レベルに転換する。しかし
ながら、オフディレータイマ21fの出力は、時点t1から
設定時間T3が経過するまでは高レベルを維持し、設定時
間T3経過後の時点t2で低レベルに転換する。したがっ
て、時点t1から時点t2までの間は、擬似車速Viは依然と
して前回の車輪速サンプリング値VS(=0)と同じ一定
値に保たれ、時点t2でORゲート21gから出力されるセレ
クト信号S3が第8図(e)に示す如く低レベルに転換
し、これに応じてアナログスイッチ21iがオフ状態とな
ると同時にANDゲート21kの出力が高レベルとなることに
より、アナログスイッチ21mがオン状態となって、+0.4
gに対応する負の電圧が入力電圧Eとして供給される。
このため、積分回路21Oの積分出力Veが補正加速度検出
に対応した速度で大きくなり、これと車輪速サン
プリング値VSとの加算回路21yによる加算値即ち擬似車
速Viも第8図(a)で点線図示の如く上昇する。
そして、擬似車速Viがセレクトハイ車輪速VwHと略等
しくなる(VwH=Vi+1)時点t3で、比較器21aの比較出
力C1が低レベルに転換し、これに応じてNORゲート21eの
出力S5が高レベルに転換して、積分回路21O及びサンプ
ルホールド回路21tが共にリセットされ、これと同時に
アナログスイッチ21mに代えてアナログスイッチ21iがオ
ン状態となり、積分回路21Oの積分入力電圧Eが零とな
って、その積分出力Veが零となり、擬似車速Viが時点t3
でのサンプリング車速VSに保持される。
その後、車両が加速状態を継続しているので、時点t4
で比較器21aの比較出力C1が高レベルに転換し、タイマ2
1fの設定時間T3が経過した時点t5でORゲート21gの出力S
5が低レベルに転換し、再度アナログスイッチ21iに代え
てアナログスイッチ21mがオン状態となることにより、
擬似車速Viが+0.4gに対応した加速度の積分値に応じた
速度で増加し、擬似車速Viがセレクトハイ車輪速VwH
略等しくなる時点t6で比較器21aの出力が低レベルに転
換することにより、積分回路21O及びサンプルホールド
回路21tがリセットされると共に、サンプルホールド回
路21tでそのときのセレクトハイ車輪速VwHを保持する。
以後、擬似車速Viが時点t6〜t7間でセレクトハイ車輪速
VwHを保持し、時点t7〜t8間で+0.4gに応じた速度で上
昇し、時点t8〜t9間で時点t8でのセレクトハイ車輪速Vw
Hを保持し、時点t9〜t10間で+0.4gに応じた速度で上昇
し、時点t10〜t11間で時点t10でのセレクトハイ車輪速V
wHを保持し、時点t11〜t12間で+0.4gに応じた速度で上
昇し、時点t12〜t13間で時点t12でのセレクトハイ車輪
速VwHを保持し、時点t13〜t14間で+0.4gに応じた速度
で上昇し、加速状態が終了した時点t14以降の定速走行
状態では、時点t14でのセレクトハイ車輪速VwHを保持す
る。
しかしながら、例えば定速直進走行状態である時点t
14以降の時点t15で、車両が直進走行状態から左(又は
右)旋回状態に移行すると、横加速度が生じ横加速度セ
ンサ14から中立電圧VNより高い(又は低い)正の電圧で
なる横加速度検出値が出力され、これが横加速度変換
回路1aで実際の横加速度に変換され、これが絶対値
回路19bで絶対値化される。この絶対値|S|が設定値
以上となると、比較器19cの比較出力が論理値“0"
となり、非制動状態であるので、制動圧制御回路18の制
御中信号MRが論理値“0"を継続しているので、OR回路19
dから出力されるセレクト信号SEが論理値“0"に反転す
る。このため、セレクトスイッチSSが車輪速VwFL〜VwRR
中の最小値を選択するセレクトロー状態となる。したが
って、左(又は右)旋回時に駆動輪となる後輪1RL,1RR
の内輪側1RL(又は1RR)にホイールスピンを生じて第8
図(a)で一点鎖線図示のように、車輪速VwRLが急増し
た場合であっても、このホイールスピンを生じた内輪1R
L(又は1RR)の車輪速VwRL(又はVwRR)は選択せずに無
視すると共に、同に車輪速度が高くなる第8図(a)で
二点鎖線図示の駆動外輪1RR(又は1RL)の車輪速Vw
RR(又はVwRL)も無視して、非駆動輪となる前輪の内輪
1FL(又は1FR)の車輪速VwFL(又はVwFR)が選択される
ことになり、このセレクトロー車輪速VwLに基づいて擬
似車速演算回路17で擬似車速Viを算出するので、擬似車
速Viが異常に高くなることを防止することができる。こ
のため、制動圧制御回路18での第6図のアンチスキッド
処理において、ステップで前記(1)式に従って算出
されるスリップ率Siが設定値S0以上となることがなく、
ステップからステップ〜,を経てステップに
移行するか、又はステップからステップ〜を経て
ステップに移行することにより、急増圧モードが維持
され、誤作動によってアンチスキッド制御を開始するこ
とを回避することができる。
因みに、セレクトハイ車輪速VwHを選択する場合に
は、ホイールスピンを生じた車輪の車輪速を選択するこ
とから、擬似車速演算回路17で算出される擬似車速Vi
異常に高くなり、第6図の処理におけるステップで算
出されるスリップ率Siが設定値S0以上となることがあ
り、この場合には、ステップからステップに移行
し、そのときの車輪加減速度wiによって、ステップ
に移行し、減圧モードが設定されてアンチスキッド制御
を開始することになり、この減圧モードでは、前述した
ように、アクチュエータ6FL〜6RRの流入弁8が閉状態に
制御されるので、ブレーキペダル4を踏込んで、その踏
込量に応じたブレーキ圧がマスタシリンダ5から出力さ
れても、これがホイールシリンダ2FL〜2RRに伝達されな
い状態となって、制動不能状態となるおそれがある。
その後、直進走行状態に戻ると、横加速度が零と
なることにより、セレクト信号SEが論理値“1"となっ
て、セレクトスイッチSSでセレクトハイ車輪速VwHが選
択され、これに基づいて擬似車速演算回路18で擬似車速
Viが算出される。
その後、時点t16でアクセルペダルの踏込を解除し、
これに代えてブレーキペダル4を踏込んで制動状態とす
ると、擬似車速Viに対してセレクトハイ車輪速VwHが低
下するので、比較器21bの比較出力が第8図(c)に示
すように、高レベルに反転し、タイマ21fの設定時間T3
が経過した時点t17で、ORゲート21gの出力が第8図
(e)に示すように低レベルに反転することにより、AN
Dゲート21lの出力が高レベルに反転してアナログスイッ
チ21nがオン状態となる。これによって、出力補正回路2
0の加算回路20dから出力される加減速度補正値が入
力電圧Eとして積分回路21Oに供給されるので、その積
分出力が加減速度補正値に応じて負方向に増加し、
これが加算回路21yに供給されるので、擬似車速Viが第
8図(a)で点線図示の如く徐々に低下する。
その後、時点t18で擬似車速Viがセレクトハイ車輪速V
wHと略等しくなると、比較器21bの比較出力C2が低レベ
ルに反転し、これに応じてNORゲート21eの出力S5が第8
図(d)に示す如く高レベルに反転するので、ショット
パルス発生回路21hから第8図(i)に示すように、シ
ョットパルスS1が出力され、積分回路21Oがリセットさ
れると共に、サンプルホールド回路21tでそのときのセ
レクトハイ車輪速VwHを保持し、その後タイマ21fの設定
時間T3が経過した時点t19で出力補正回路20の加算回路2
0dから出力される加減速補正値を積分回路21Oで積
分して擬似車速Viが減少し、この擬似車速Viがセレクト
ハイ車輪速VwHと略等しくなる時点t20でそのときのセレ
クトハイ車輪速VwHをサンプルホールド回路21tで保持す
る。
この制動状態となると、制動圧制御回路18が作動状態
となり、第9図に示すように、各車輪1FL〜1RRに設けた
ホイールシリンダ2FL〜2RR対する制動力が個別にアンチ
スキッド制御される。
このとき、非駆動輪となる前左輪1FLの車輪速VwFL
第9図(a)で細線図示のように変化し、且つ駆動輪と
なる後左輪1RLの車輪速VwRLが第9図(a)で一点鎖線
図示のように前輪に対して位相遅れを有して変化したも
のとすると、擬似車速演算回路17では、制動圧制御回路
18で減圧モードに設定するまでの制動初期時には、第9
図(d)に示す如く制御中信号MRが論理値“0"を維持す
るが、旋回状態ではないのでセレクト信号形成回路19の
比較器19aの出力が論理値“1"となっており、論理値
“1"のセレクト信号SEがセレクトスイッチSSに出力さ
れ、このためセレクトスイッチSSで最も高いセレクトハ
イ車輪速VwH(=VwFL)をセレクト車輪速VwSとして選択
している。したがって、第9図の時点t21からセレクト
車輪速VwSが低下することにより、前述したように、時
点t21からタイマ21fの設定時間T3だけ遅れた時点t22
擬似車速Viが第9図(a)で点線図示の如く加減速度補
正値に対応した速度で低下する。その後、時点t23
で擬似車速Viがセレクト車輪速VwS(=VwH)に略一致す
ると(Vi≧VwS−1)、前述したように、積分回路21O
びサンプルホールド回路21tがリセットされて、擬似車
速Viが車輪速サンプリング値VSと等しい一定値に保持さ
れる。
その後、時点t25でタイマ21fの設定時間T3が経過する
と、再度擬似車速Viが加減速度補正値に応じた速度
で低下する。そして、セレクトハイ車輪速となる後輪車
輪速VwRLと略等しくなる時点t28で、積分回路21O及びサ
ンプリングホールド回路21tがリセットされて、擬似車
速Viが車輪速サンプリング値VSと等しい一定値に保持さ
れ、次いで時点t30で擬似車速Viが減少を開始し、時点t
31〜t32間で時点t31におけるセレクトハイ車輪速VwH
なる前輪2FLの車輪速VwFLのサンプリング値VSと等しい
一定値に保持される。この時点t31〜t32間ではVi≧VwFL
+1となっているので、タイマ21fの設定時間T3が経過
した時点t33でORゲート21gの出力S3が低レベルとなり、
アナログスイッチ21mがオン状態となる。このとき、後
述するように、制動圧制御回路18でアンチスキッド制御
を実行しており、制御開始中信号MRが第9図(d)に示
す如く論理値“1"となっているので、切換スイッチ21p
が+10gに対応する負の電圧に切換えられており、これ
が積分入力電圧Eとして積分回路21Oに入力されるの
で、この積分回路21Oの積分出力Veが+10gに対応した速
度で急増加し、これに伴って擬似車速Viも急増加する。
その後、時点t33で、擬似車速Viがセレクトハイとな
る車輪速VwFLと略等しくなると、擬似車速Viが車輪速Vw
FLの車輪速サンプリング値VSに保持され、この状態がタ
イマ21fの設定時間T3が経過する時点t34迄保持される。
そして、時点t34以降は、時点t35迄の間擬似車速Vi
減少し、時点t35〜t37間の時点t36での車輪速VwFLの車
輪速サンプリング値VSを保持し、時点t37〜t39間で減少
し、時点t39でそのときの車輪速VwRの車輪速サンプリン
グ値VSを保持する。
このようにして、擬似車速発生回路21で、アンチスキ
ッド制御中の振動を伴う車輪速変動にもかかわらず、第
9図(a)で二点鎖線図示の実際の車体速度VCに略追従
した擬似車速Viを発生させることができる。特に、出力
補正回路20で、前後加速度センサ13の加速度検出値に
基づく加減速度の絶対値に所定のオフセット値(0.
3g)を加算した加減速度補正値を得るようにしてい
るので、擬似車速Viとセレクトハイ車輪速VwHとが一致
する瞬間が必ず生じることになり、前後加速度センサ13
の加速度検出値を積分する場合に生じる誤差を抑制す
ることができ、実際の車体速度VCに正確に対応させたも
のとなる。
一方、制動圧制御回路18では、例えば前左輪2FLにつ
いて説明すると、第6図の処理が実行されているので、
第9図(C)に示す如く、時点t21で制動を開始してか
ら車輪加減速度wFLが第9図(b)に示す如く減速方
向に増加して、減速度閾値αを越える時点t24で高圧側
の保持モードを設定し、その後スリップ率SFLが設定ス
リップ率S0(例えば15%)を越えた時点即ち車輪速VwFL
が擬似車速Viの85%以下となった時点t26で減圧モード
を設定し、車輪速VwFLが回復して車輪加速度wFLが加
速度閾値βを越える時点t29で低圧側の保持モードを設
定し、さらに車輪加減速度wFLが加速度閾値β未満と
なる時点t31で緩増圧モードを設定し、車輪加減速度w
FLが減速度閾値αを越える時点t36で高圧側の保持モー
ドを設定し、スリップ率SFLが設定スリップ率S0を越え
る時点t37で減圧モードを設定し、これらのモードが制
動状態を解除するか又は車速が所定車速以下の極低速状
態となるまで繰り返されて、正確なアンチスキッド効果
が発揮される。
また、セレクト信号形成回路19の絶対値回路19bから
出力される横加速度の絶対値が設定値より大き
い状態の旋回状態でブレーキペダル4を踏込んだときに
は、制動初期時に、制御中信号MRが論理値“0"であり、
比較器19cの出力が論理値“0"であるので、セレクトス
イッチSSでセレクトロー車速VwLが選択されることにな
るが、スリップ率Siが設定値S0を越える時点t26でアン
チスキッド制御が開始されて制御中信号MRが論理値“1"
に反転し、この時点t26からセレクト信号形成回路19の
セレクト信号SEが論理値“1"に反転するので、セレクト
スイッチSSでセレクトハイ車輪速VwRLが選択され、擬似
車速演算回路17で演算される擬似車速Viは直進状態での
擬似車速Viと全く同じ値となり、正確なアンチスキッド
制御を行うことができる。
なお、前記実施例においては、擬似車速演算回路17を
電子回路で構成した場合について説明したが、これに限
定されるものではなく、マイクロコンピュータを使用し
て演算処理するようにしてもよい。
また、上記実施例においては、各車輪の車輪速を検出
する場合について説明したが、これに限らず駆動輪側の
左右輪については共通の車輪速センサを設けるようにし
てもよい。
さらに、上記実施例においては、車輪速選択値として
設定値以上の横加速度を発生する旋回走行状態でセレク
トロー車輪速VwLを選択し、それ以外の走行状態でセレ
クトハイ車輪速VwHを選択するようにした場合について
説明したが、これに限定されるものではなく、例えばア
ンチスキッド制御中はセレクトハイ車輪速VwHを選択
し、それ以外の走行中には最も高い車輪速VwHの次に高
いセレクトセカンド車輪速を選択する車両にあっては、
設定値以上の横加速度発生時にセレクトロー車輪速はも
とより、3番目に高いセレクトサード車輪速を選択する
ようにしてもよい。さらに、上記実施例のように後輪又
は前輪の二輪駆動車にあっては、車速に略追従する非駆
動輪の何れか高い車輪速を選択するようにしてもよく、
四輪駆動車にあっては、安全性の点からセレクトロー車
輪速を選択することが好ましい。
またさらに、上記実施例においては、横加速度検出手
段として横加速度センサ14を適用した場合について説明
したが、これに限定されるものではなく、車速及び操舵
角を検出して、これに基づいて横加速度を推定するよう
にしてもよい。
なおさらに、上記実施例においては、後輪駆動車につ
いて説明したが、これに限らず前輪駆動車、四輪駆動車
にもこの発明を適用し得る。
また、上記実施例においては、制動圧制御回路18とし
てマイクロコンピュータを適用した場合について説明し
たが、これに限定されるものではなく、比較回路、演算
回路、論理回路等の電子回路を組み合わせ構成すること
もできる。
さらに、上記各実施例ではドラム式ブレーキについて
適用した場合を示したが、これはディスク式ブレーキに
ついても同様に適用可能である。
またさらに、上記各実施例ではホイールシリンダを油
圧で制御する場合について説明したが、これに限らず他
の液体又は空気等の気体を適用し得ることは言うまでも
ない。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明によれば、横加速度検
出手段で検出した車両の横加速度が所定設定値以上とな
って旋回時における内輪側駆動輪のホイールスピン状態
と判断されるときに車輪速選択手段で制動圧制御手段に
よる制動制御中に選択される各車輪速のうちの最大値よ
り小さい車輪速を選択し、この車輪速選択値に基づいて
擬似車速演算手段で擬似車速を演算するように構成した
ので、車両の旋回時に駆動内輪でホイールスピンを生じ
たときに、このホイールスピンを生じた車輪の車輪速を
除く他の車輪速を選択することから、擬似車速がホイー
ルスピンの影響を受けることを回避することができ、ア
ンチスキッド制御の誤動作を確実に防止して、正確なア
ンチスキッド制御を行うことができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の概略構成を示す基本構成図、第2図
はこの発明の一実施例を示すブロック図、第3図はアク
チュエータの一例を示す構成図、第4図は擬似車速演算
回路の一例を示すブロック図、第5図(a)及び(b)
はそれぞれ前後加速度センサの前後加速度と出力電圧と
の関係及び横加速度センサの横加速度と出力電圧との関
係を示す特性線図、第6図は制動圧制御回路の処理手順
の一例を示すフローチャート、第7図は制動圧制御回路
の制御マップを示す図、第8図及び第9図はそれぞれこ
の発明の動作の説明に供する加速状態及び減速状態にお
ける波形図である。 図中、1FL,1FRは前輪、1RL,1RRは後輪、2FL〜2RRはホイ
ールシリンダ(制動用シリンダ)、3FL〜3RRは車輪速セ
ンサ、4はブレーキペダル、5はマスターシリンダ、6F
L〜6RRはアクチュエータ、8は流入弁、9は流出弁、10
は油圧ポンプ、14は横加速度センサ、CRはコントロー
ラ、15FL〜15RRは車輪速演算回路、16は車輪速選択回路
(車輪速選択手段)、17は擬似車速演算回路(擬似車速
演算手段)、18は制動圧制御回路、SSはセレクトスイッ
チ、19はセレクト信号形成回路、20は補正回路、21は擬
似車速発生回路、25はマイクロコンピュータである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 8/58 B60T 8/66

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の車輪の速度を検出する車輪速検出手
    段と、該各車輪速検出手段の車輪速検出値を選択する車
    輪速選択手段と、該車輪速選択手段の選択車輪速に基づ
    いて疑似車速を演算する疑似車速演算手段と、該疑似車
    速演算手段の疑似車速と前記車輪速検出手段の車輪速検
    出値とに基づいて各車輪に配設された制動用シリンダの
    流体圧を制御する制動圧制御手段とを備えたアンチスキ
    ッド制御装置において、車両の横加速度を検出する横加
    速度検出手段を備え、前記車輪速選択手段は、前記制動
    圧制御手段による制動制御中であるときに前記車輪速検
    出手段の各車輪速検出値のうち最大値を選択し、前記横
    加速度検出手段の横加速度検出値が所定設定値以上とな
    って旋回時における内輪速駆動輪のホイールスピン状態
    と診断したときに前記最大値より低い車輪速を選択する
    ように構成されていることを特徴とするアンチスキッド
    制御装置。
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