JP2751000B2 - 表面改質酸化チタン微粒子の製造法 - Google Patents

表面改質酸化チタン微粒子の製造法

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JP2751000B2
JP2751000B2 JP6081140A JP8114094A JP2751000B2 JP 2751000 B2 JP2751000 B2 JP 2751000B2 JP 6081140 A JP6081140 A JP 6081140A JP 8114094 A JP8114094 A JP 8114094A JP 2751000 B2 JP2751000 B2 JP 2751000B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面活性が抑制される
と共に、分散性が向上しており、化粧料や塗料、樹脂フ
ィルム等に配合した場合に、他の成分を分解・変質等さ
せることなく、かつ、透明性を損なわずに、優れた紫外
線遮蔽性を付与することのできる表面改質酸化チタン微
粒子の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンは紫外線を吸収・散乱する作
用があるため、日焼け止め化粧料や塗料、樹脂フィルム
等に配合されて用いられている。しかしながら、酸化チ
タンは表面活性が高いため、化粧料成分や樹脂成分を分
解・変質させることがあり、その活性を抑制する必要が
ある。
【0003】そこで本出願人は、例えば特公平5−15
644号公報において、気相で核となる金属酸化物超微
粒子を製造し、直ちに表面改質を行なうことにより、超
微粒子レベルで表面改質できることを示した。しかしな
がら、この方法の場合、表面の被覆が完全でないせい
か、活性の抑制は必ずしも充分なものとは言えないもの
であった。
【0004】次に、特開平5−70129号公報には、
チタンアルコキシドの加水分解時にNaOHやKCO3
等の塩基性化合物と炭化水素又はシリコーンオイルを添
加することにより活性抑制を行なうことが示されてい
る。しかしながら、このような塩基性化合物による処理
では、水溶液に添加した際に遊離してしまい、効果が無
くなるばかりか、水溶液は強アルカリ性となり、化粧料
等に用いるには問題があった。
【0005】また、特公平1−31442号公報では、
アミノ基と疎水基を有することにより、正又は零に帯電
した疎水性金属酸化物微粉末を得ており、電子写真用ト
ナーの流動性改善に有効であると示している。この公報
には活性抑制に関する記載は全くないが、本発明者はこ
の技術を追試し、活性評価を行なったところ、疎水基を
結合させているため、活性抑制は不充分であることが分
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解消し、酸化チタン微粉末の分散性を改善しな
がら、表面活性を充分に抑制し、かつ、透明性を損なわ
ずに、優れた紫外線遮蔽性を付与することのできる表面
改質酸化チタン微粒子の製造法を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、気相
法により得られた、生成直後の酸化チタン微粒子の表面
を、一般式〔III 〕
【化7】 又は一般式〔IV〕
【化8】 〔上記式中、R 1 ,R 2 ,R 3 はそれぞれ炭素数1〜3
のメチレン基であり、Xは−NH−,−O−,−S−,
−CO−,−CH=CH−及び−C≡C−から選択され
る基であり、R 4 は炭素数1〜3のアルキル基であ
る。〕で表される有機珪素化合物により、気相におい
て、200〜400℃の温度にて接触処理することを特
徴とする、酸化チタン微粒子の表面のチタン原子に酸素
原子を介して、一般式〔I〕
【化5】 又は一般式〔II〕
【化6】 〔上記式中、R 1 ,R 2 ,R 3 はそれぞれ炭素数1〜3
のメチレン基であり、Xは−NH−,−O−,−S−,
−CO−,−CH=CH−及び−C≡C−から選択され
る基であり、珪素原子の3つの結合手は、酸素原子を介
して、少なくとも1つがチタン原子と結合しており、他
は隣接する有機珪素基の珪素原子と結合している。〕で
表される有機珪素基を結合した表面改質酸化チタン微粒
子の製造法を提供するものである。
【0008】本発明の方法により得られる表面改質酸化
チタン微粒子は、上記したように、酸化チタン微粒子の
表面のチタン原子に酸素原子を介して、一般式〔I〕又
は一般式〔II〕で表される有機珪素基を結合したもので
ある。
【0009】上記一般式〔I〕又は一般式〔II〕におい
て、R1 ,R2 ,R3 はそれぞれ炭素数1〜3のメチレ
ン基である。一般式〔I〕におけるR1 と一般式〔II〕
におけるR3 としては、炭素数3のメチレン基が望まし
い。また、一般式〔II〕におけるR2 としては、炭素数
2のメチレン基が望ましい。次に、上記一般式〔II〕に
おいて、Xは−NH−,−O−,−S−,−CO−,−
CH=CH−及び−C≡C−から選択される基であり、
好ましくは−NH−である。
【0010】すなわち、一般式〔I〕で表される有機珪
素基としては、R1 が炭素数3のメチレン基であるもの
が望ましい。また、一般式〔II〕で表される有機珪素基
としては、R2 が炭素数2のメチレン基であり、R3
炭素数3のメチレン基であり、かつ、Xが−NH−であ
るものが望ましい。
【0011】なお、上記したように、上記一般式〔I〕
又は一般式〔II〕において、珪素原子の3つの結合手
は、酸素原子を介して、少なくとも1つがチタン原子と
結合しており、他は隣接する有機珪素基の珪素原子と結
合している。特に珪素原子の3つの結合手のうちの1つ
がチタン原子と結合しており、他は隣接する有機珪素基
の珪素原子と結合しているものが好ましい。
【0012】本発明の方法により得られる表面改質酸化
チタン微粒子は、上記したように、酸化チタン微粒子の
表面のチタン原子に酸素原子を介して、一般式〔I〕又
は一般式〔II〕で表される有機珪素基(末端にアミノ基
を有する有機珪素基)が結合されているものである。
【0013】ここで酸化チタン微粒子としては、結晶質
(ルチル型、アナターゼ型)であると非晶質(アモルフ
ァス)であるとを問わない。酸化チタン微粒子として
は、表面活性の高いものほど、有機珪素化合物が反応し
やすいため効果的である。特に非晶質(アモルファス)
の酸化チタンは吸着水を多く含んでおり、反応しやす
く、効果が大きい。このような非晶質(アモルファス)
の酸化チタンは、公知の方法のうち、チタンアルコキシ
ドやチタンハライドなどの揮発性チタン化合物の気相加
水分解法により製造することができる。
【0014】なお、酸化チタン微粒子としては超微粒子
状のものが好ましく、その一次粒子径が0.01〜1μ
m、特に0.01〜0.1μmであるものが好適であ
る。
【0015】このような表面改質酸化チタン微粒子は、
前記した通り、気相法により得られた、生成直後の酸化
チタン微粒子の表面を、一般式〔III 〕又は一般式〔I
V〕で表される有機珪素化合物により、気相において、
200〜400℃の温度にて接触処理することによっ
て、効率良く製造することができる。
【0016】一般式〔III 〕において、R1 は炭素数1
〜3のメチレン基、好ましくは炭素数3のメチレン基で
あり、R4 は炭素数1〜3のアルキル基、すなわちメチ
ル基,エチル基,プロピル基であり、好ましくはメチル
基,エチル基である。上記一般式〔III 〕で表される有
機珪素化合物として具体的には例えば、アミノプロピル
トリエトキシシラン,アミノプロピルトリメトキシシラ
ン,アミノエチルトリエトキシシラン,アミノメチルト
リエトキシシラン,アミノメチルトリメトキシシラン,
アミノエチルトリメトキシシラン等の他に、アミノメチ
ルトリプロポキシシラン,アミノエチルトリプロポキシ
シラン等を挙げることができ、特にアミノプロピルトリ
エトキシシランが好ましい。
【0017】また、上記一般式〔IV〕において、R2
炭素数1〜3のメチレン基、好ましくは炭素数2のメチ
レン基であり、Xは−NH−,−O−,−S−,−CO
−,−CH=CH−及び−C≡C−から選択される基、
好ましくは−CO−,−CH=CH−或いは−NH−で
あり、特に好ましくは−NH−であり、R3 は炭素数1
〜3のメチレン基、好ましくは炭素数3のメチレン基で
あり、R4 は炭素数1〜3のアルキル基、すなわちメチ
ル基,エチル基,プロピル基であり、好ましくはメチル
基,エチル基である。
【0018】上記一般式〔IV〕で表される有機珪素化合
物として具体的には例えば、アミノエチルアミノプロピ
ルトリメトキシシラン,アミノエチルアミノプロピルト
リエトキシシラン,アミノプロピルアミノプロピルトリ
メトキシシラン,アミノプロピルアミノプロピルトリエ
トキシシラン,アミノメチルアミノプロピルトリメトキ
シシラン,アミノメチルアミノプロピルトリエトキシシ
ラン,アミノエチルアミノエチルトリメトキシシラン,
アミノエチルアミノエチルトリエトキシシラン,アミノ
エチルアミノメチルトリメトキシシラン,アミノエチル
アミノメチルトリエトキシシラン,アミノメチルアミノ
メチルトリメトキシシラン,アミノメチルアミノメチル
トリエトキシシランや、6−アミノ−3−オキソ−ヘキ
シルトリメトキシシラン,4−アミノ−2−ブテニルト
リメトキシシラン等を挙げることができ、特にアミノエ
チルアミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0019】本発明の方法においては、酸化チタン微粒
子の表面を、上記した如き一般式〔III 〕又は一般式
〔IV〕で表される有機珪素化合物により接触処理するこ
とが必要である。なお、酸化チタン微粒子としては、前
記したものが用いられる。本発明の方法においては、一
般式〔III 〕又は一般式〔IV〕中のアルコキシ基(OR
4 )が加水分解して酸化チタン表面の水酸基と結合して
いる。副生物はアルコールである。本発明の方法におい
ては、末端にアミノ基を有する有機珪素化合物を用いて
おり、得られる表面改質酸化チタン微粒子は末端にアミ
ノ基を有する有機珪素基が酸化チタン表面上に固定され
ている。このため、本発明の方法により得られる表面改
質酸化チタン微粒子は、加熱・溶解等による遊離がな
く、安定した活性抑制効果を発揮する。活性抑制作用と
して、塩基性であるアミノ基が酸化チタン表面の固体酸
を中和していることが考えられる。
【0020】なお、固体酸を中和するために塩基性物質
としてアンモニアやアミン等の揮発性物質を用いた場合
には、加熱等により遊離してしまい、満足できる効果が
得られない。また、揮発性のない塩基性物質であるNa
OH,KCO3 等で処理した場合には、水溶液に添加し
た際に溶解して遊離してしまい、効果が無くなるばかり
か、水溶液は強アルカリとなり、化粧料などに用いるに
は問題がある。さらに、末端がアミノ基の代わりに、ク
ロロ基(Cl−)やグリシドキシ基
【化9】 では、塩基性でないため効果がない。
【0021】本発明の方法は、上記したように、酸化チ
タン微粒子の表面を、一般式〔III〕又は一般式〔IV〕
で表される有機珪素化合物(末端アミノ基含有有機珪素
化合物)により気相において接触処理するものである。
【0022】気相処理では、有機珪素化合物を蒸気で供
給したり、スプレーで酸化チタンに噴霧することができ
るが、蒸気で供給し処理することが、酸化チタンの凝集
を防ぐために好ましい。
【0023】本発明では、気相で酸化チタン微粒子を製
造した直後に、同じく気相で接触処理しているため、酸
化チタン微粒子の凝集が防止されたものとなっている
が、特に気相で酸化チタンを製造した直後に、同じく気
相で有機珪素化合物の蒸気を混合し処理することが、酸
化チタン微粒子の凝集を防ぐために最も好ましい。
【0024】気相での接触処理に関して、反応温度は2
00〜400℃とする。400℃を超える温度にする
と、有機珪素化合物の分解が起こり易くなる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1 チタンテトライソプロポキシド〔Ti(OiC3 7
4 〕を2.4g/hrの流量で、0.17Nm3 /hr
の窒素ガスと共に加熱器に導入し、180℃で蒸発させ
た。一方、8.5g/hrの水を0.16Nm3 /hr
の窒素ガスと共に加熱器へ導入し、蒸発させ、500℃
まで加熱した。この加熱水蒸気とチタンテトライソプロ
ポキシドの蒸気を反応器内で混合し、260℃の温度で
チタンテトライソプロポキシドを加水分解させ、超微粒
子状(平均粒径0.02μm)の酸化チタンを製造し
た。一方、表面改質用の原料としてアミノプロピルトリ
エトキシシラン〔NH2 3 6 Si(OC
2 5 3 〕を0.2g/hrの流量で、0.17Nm
3 /hrの窒素ガスと共に加熱器に導入し、180℃で
蒸発させた。このアミノプロピルトリエトキシシランの
蒸気を反応器に導入し、生成直後の超微粒子状の酸化チ
タンに混合し、260℃で反応させ、表面改質された超
微粒子状の酸化チタン(表面改質酸化チタン超微粒子)
を得た。なお、このときの滞留時間は0.4秒であっ
た。また、反応後の排ガス中にエタノールが検出され、
アミノプロピルトリエトキシシランが酸化チタン表面の
水酸基と反応していることが確認された。
【0026】このようにして得られた表面改質酸化チタ
ン超微粒子について、以下のようにして活性評価,分散
性評価及び液性評価を行なった。結果を第1表及び第2
表に示す。 〔活性評価〕(イソプロピルアルコールの分解率) 上記のようにして得られた表面改質酸化チタン超微粒子
を0.2g封入した内径5mmのガラス管を280℃に
加熱し、ヘリウムガスを80ml/min.で流しなが
ら、イソプロピルアルコール(IPA)を3μl注入
し、下流に接続したガスクロマトグラフでIPAの残存
量を分析し、分解率を算出した。
【0027】〔分散性評価〕(エタノール中での分光透
過率) 上記のようにして得られた表面改質酸化チタン超微粒子
4mgを、エタノール40mlに添加し、超音波洗浄器
で分散させ、分光光度計(日立製作所製、U−321
0)にて光路長10mmのセルを用い、リファレンスを
純エタノールとして分光透過率を測定した。図1に、未
処理の酸化チタンの分光透過率と共に、この実施例1で
得られた表面改質酸化チタン超微粒子の分光透過率を示
した。
【0028】〔液性評価〕 上記のようにして得られた表面改質酸化チタン超微粒子
1gを蒸留水10mlに攪拌しながら懸濁させた後、濾
過し、濾液のpHを測定した。
【0029】参考例1 チタンテトライソプロポキシドを供給しなかったこと以
外は、実施例1と同様の操作を行なった。このとき排ガ
ス中にエタノールは検出されず、アミノプロピルトリエ
トキシシランだけでは気相加水分解反応は起こらないこ
とを確認した。
【0030】実施例2 表面改質用原料として、アミノエチルアミノプロピルト
リメトキシシラン〔NH2 2 4 NHC3 6 Si
(OCH3 3 〕を0.3g/hrの流量で供給したこ
と以外は、実施例1と同様の操作を行なった。結果を第
1表及び第2表、並びに図2に示す。
【0031】実施例3 表面改質用原料として、アミノメチルトリプロポキシシ
ラン〔H2 NCH3 Si(OC3 7 3 〕を0.2g
/hrの流量で供給したこと以外は、実施例1と同様の
操作を行なった。結果を第1表及び第2表、並びに図3
に示す。
【0032】実施例4 表面改質用原料として、6−アミノ−3−オキソ−ヘキ
シルトリメトキシシラン〔H2 NC3 6 COC2 4
Si(OCH3 3 〕を0.3g/hrの流量で供給し
たこと以外は、実施例1と同様の操作を行なった。結果
を第1表及び第2表、並びに図3に示す。
【0033】実施例5 表面改質用原料として、4−アミノ−2−ブテニルトリ
メトキシシラン〔H2NCH2 CH=CHCH2 Si
(OCH3 3 〕を0.3g/hrの流量で供給したこ
と以外は、実施例1と同様の操作を行なった。結果を第
1表及び第2表、並びに図3に示す。
【0034】比較例1 表面改質用原料として、クロロプロピルトリメトキシシ
ラン〔ClC3 6 Si(OCH3 3 〕を0.2g/
hrの流量で供給したこと以外は、実施例1と同様の操
作を行なった。結果を第1表及び第2表、並びに図1に
示す。
【0035】比較例2 表面改質用原料として、0.2g/hrの流量のアミノ
プロピルトリエトキシシランと、0.2g/hrの流量
のメチルトリエトキシシラン〔CH3 Si(OC
2 5 3 〕を混合して供給したこと以外は、実施例1
と同様の操作を行なった。結果を第1表及び第2表、並
びに図2に示す。比較例2の結果を、実施例の結果と対
比すると、本発明の方法は、比較例2で示されるような
混合処理(特公平1−31442号公報で行なわれる混
合処理)より、活性抑制効果が優れていることが分か
る。
【0036】比較例3 チタンテトライソプロポキシド100重量部をイソプロ
ピルアルコール500重量部で希釈した溶液に、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン100重量部を加え、攪
拌しながら、水50重量部をイソプロピルアルコール5
00重量部で希釈した溶液を加えて加水分解を行なっ
た。この懸濁液に、水酸化ナトリウム20重量部を、水
20重量部とメタノール200重量部の混合溶液に溶解
した溶液を加え混合した後、濾過し、110℃で乾燥し
て、40重量部の微粉末を得た。このようにして得られ
た表面改質酸化チタン超微粉末について、実施例1と同
様にして活性評価,分散性評価及び液性評価を行なっ
た。結果を第1表及び第2表、並びに図2に示す。
【0037】
【表1】 第1表(活性評価) ┌───┬──────────────┬────────┐ │ │ 実施例 │ 比較例 │ │ ├──┬──┬──┬──┬──┼──┬──┬──┼ │ │ 1│ 2│ 3│ 4│ 5│ 1│ 2│ 3│ ├───┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │IPA│ 1.0│ 1.1│ 1.4│ 1.8│ 1.5│86.9│75.2│34.4│ │分解率│ %│ %│ %│ %│ %│ %│ %│ %│ └───┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┘
【0038】
【表2】 第2表(液性評価) ┌───┬──────────────┬────────┐ │ │ 実施例 │ 比較例 │ │ ├──┬──┬──┬──┬──┼──┬──┬──┼ │ │ 1│ 2│ 3│ 4│ 5│ 1│ 2│ 3│ ├───┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │濾液の│ 6.9│ 6.8│ 6.9│ 7.0│ 6.8│ 6.5│ 6.9│10.8│ │pH │ │ │ │ │ │ │ │ │ └───┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┘
【0039】第1表の結果から、本発明の方法により得
られた表面改質酸化チタン微粒子は、加熱下においても
活性が劇的に抑制されていることが分かる。次に、図
1,図2及び図3の結果から、本発明の方法において
は、末端アミノ基含有有機珪素化合物で酸化チタン微粒
子の表面の水酸基を被覆することにより、粉末同士の凝
集を防止することができ、未処理の酸化チタンに比べ
て、エタノールに分散させたときの透明性が向上するこ
とが分かる。また、液相法で製造した比較例3の表面改
質酸化チタン微粒子は、濾過、乾燥時に凝集したため、
透明性が低いことが分かる。また、第2表の結果から、
末端アミノ基含有有機珪素化合物で処理された表面改質
酸化チタン微粒子(実施例1〜5)と、他の有機珪素化
合物で処理された表面改質酸化チタン微粒子(比較例
1,2)は中性を示したが、塩基性塩で処理された比較
例3の表面改質酸化チタン微粒子は、塩基性塩が溶解
し、強アルカリ性を示すことが分かる。
【0040】〔総合評価〕 以上の第1表及び第2表、並びに図1,図2及び図3の
結果を総合すると、本発明の方法により得られた表面改
質酸化チタン微粒子は、末端アミノ基含有有機珪素化合
物で酸化チタン微粒子の表面の水酸基を被覆し、酸化チ
タン微粒子の表面に有機珪素基を結合させたものである
ため、酸化チタン微粒子の分散性を改善しながら、表面
活性を抑制し得ることが分かる。従って、化粧料や塗
料、樹脂等に添加した場合、他の成分を分解することも
なく、透明性を損なわずに紫外線遮蔽性を付与すること
ができることが分かる。
【0041】
【発明の効果】本発明の方法により得られる表面改質酸
化チタン微粒子は、凝集を防止しつつ、表面活性(固体
酸活性)が充分に抑制されたものである。また、本発明
の方法により得られる表面改質酸化チタン微粒子は、分
散性も向上したものである。従って、本発明の方法によ
り得られる表面改質酸化チタン微粒子は、化粧料、塗
料、樹脂等に添加した場合、他の成分を分解したり、変
質等を生じさせたりすることもなく、透明性を損なわず
に紫外線遮蔽性を付与することができる。しかも本発明
の方法により得られる表面改質酸化チタン微粒子は、特
定の有機珪素基が酸化チタン表面に結合しているので、
加熱や溶解による処理剤の遊離といった問題もない。ま
た、本発明の方法により得られる表面改質酸化チタン微
粒子は、ほぼ中性を示しており、強アルカリ性を示すこ
ともない。さらに、本発明の方法によれば、上記した表
面改質酸化チタン微粒子を効率良く製造することができ
る。それ故、本発明の方法により得られる表面改質酸化
チタン微粒子は、化粧料、塗料、樹脂フィルム、繊維な
どとして有効に利用することができる。
【0042】なお、本発明の各種態様を示すと、以下の
通りである。 (1).気相法により得られた、生成直後の酸化チタン
微粒子の表面を、一般式〔III 〕又は一般式〔IV〕〔上
記式中、R 1 ,R 2 ,R 3 はそれぞれ炭素数1〜3のメ
チレン基であり、Xは−NH−,−O−,−S−,−C
O−,−CH=CH−及び−C≡C−から選択される基
であり、R 4 は炭素数1〜3のアルキル基である。〕で
表される有機珪素化合物により、気相において、200
〜400℃の温度にて接触処理することを特徴とする、
酸化チタン微粒子の表面のチタン原子に酸素原子を介し
て、一般式〔I〕又は一般式〔II〕〔上記式中、R 1
2 ,R 3 はそれぞれ炭素数1〜3のメチレン基であ
り、Xは−NH−,−O−,−S−,−CO−,−CH
=CH−及び−C≡C−から選択される基であり、珪素
原子の3つの結合手は、酸素原子を介して、少なくとも
1つがチタン原子と結合しており、他は隣接する有機珪
素基の珪素原子と結合している。〕 で表される有機珪素
基を結合した表面改質酸化チタン微粒子の製造法。
【0043】(2).一般式〔III 〕で表される有機珪
素化合物が、アミノプロピルトリエトキシシラン〔NH
2 3 6 Si(OC 2 5 3 〕である前記(1)記
載の方法。
【0044】(3).一般式〔IV〕で表される有機珪素
化合物が、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシ
ラン〔NH 2 2 4 NHC 3 6 Si(OC
3 3 〕である前記(1)記載の方法。
【0045】(4).接触処理として、蒸気で供給し処
理する前記(1)記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例1と比較例1で得られ
た表面改質酸化チタン微粒子、及び未処理の酸化チタン
微粒子の分光透過率を示すグラフである。
【図2】図2は、本発明の実施例2と比較例2と比較例
3で得られた表面改質酸化チタン微粒子の分光透過率を
示すグラフである。
【図3】図3は、本発明の実施例3,実施例4及び実施
例5で得られた表面改質酸化チタン微粒子の分光透過率
を示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相法により得られた、生成直後の酸化
    チタン微粒子の表面を、一般式〔III 〕 【化3】 又は一般式〔IV〕 【化4】 〔上記式中、R 1 ,R 2 ,R 3 はそれぞれ炭素数1〜3
    のメチレン基であり、Xは−NH−,−O−,−S−,
    −CO−,−CH=CH−及び−C≡C−から選択され
    る基であり、R 4 は炭素数1〜3のアルキル基であ
    る。〕で表される有機珪素化合物により、気相におい
    て、200〜400℃の温度にて接触処理することを特
    徴とする、酸化チタン微粒子の表面のチタン原子に酸素
    原子を介して、一般式〔I〕 【化1】 又は一般式〔II〕 【化2】 〔上記式中、R 1 ,R 2 ,R 3 はそれぞれ炭素数1〜3
    のメチレン基であり、Xは−NH−,−O−,−S−,
    −CO−,−CH=CH−及び−C≡C−から選択され
    る基であり、珪素原子の3つの結合手は、酸素原子を介
    して、少なくとも1つがチタン原子と結合しており、他
    は隣接する有機珪素基の珪素原子と結合している。〕で
    表される有機珪素基を結合した表面改質酸化チタン微粒
    子の製造法。
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