JP2750960B2 - 5−アルコキシヒダントイン類の製造方法 - Google Patents

5−アルコキシヒダントイン類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は5−アルコキシヒダント
イン類の製造方法に関する。5−アルコキシヒダントイ
ン類は医薬、農薬および機能材の合成中間体として有用
な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、5−アルコキシヒダントイン類は
ヒダントインの5位を2段階の反応によりアルコキシ化
することにより得られている。まず第1段階においてヒ
ダントイン類を酢酸溶媒中(J.Heterocycl.Chem.7.1289
(1970)) または四塩化炭素や塩化エチレンのようなハロ
ゲン化炭化水素中で臭素化して5−臭素化ヒダントイン
類とし、次いで第2段階でこの5−臭素化ヒダントイン
類にアルコールを作用させて5−アルコキシヒダントイ
ン類とする方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、反応生成物は溶媒とアルコールの混合物中に溶
解しており、酢酸を溶媒として用いた場合は、反応液に
水を添加して酢酸・その他の水溶性分を水層に移し、そ
の後、5−アルコキシヒダントイン類を有機溶媒にて抽
出する必要があった。同様にハロゲン化炭化水素を溶媒
に用いた場合は、先ず水洗いによりアルコールを水層に
移し、ついでハロゲン化炭化水素を濃縮して生成物を得
る必要があった。この場合、製品を得るためには更にこ
の濃縮物の再結晶が必要である。
【0004】酢酸溶媒法では反応速度は大きいが5−ア
ルコキシヒダントイン類を反応液より分離する際に困難
があった。即ち上記のように反応液に水を添加後有機溶
媒にて抽出するが、酢酸も有機性を有しているために有
機溶媒に抽出される。また、水層も酢酸を含むためにか
なりの量の5−アルコキシヒダントイン類が水層に溶解
し、その結果収率低下の原因となる。さらに、製品の5
−アルコキシヒダントイン類化合物より酢酸分を取り除
く工程も要する。ハロゲン化炭化水素を溶媒として用い
る方法においては、反応速度が小さく、しかもハロゲン
化炭化水素は今日では発ガン性の問題、およびフロン、
ハロン規制によりその使用が禁止される方向にあり、将
来的にこれらのハロゲン化炭化水素を使用することは困
難となってきている。
【0005】さらに、従来の方法においては、反応時に
高価な臭素をヒダントイン類と等モル以上用いる必要が
あり、経済的にも優れた方法とはいい難い。そのうえ、
反応が臭素化とアルコキシ化の二段階に分かれているこ
とが、反応操作の煩雑さおよび収率低下の原因にもなっ
ていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような状況に鑑み、
本発明者等は効率的なヒダントイン類の5位をアルコキ
シ化する方法を求めて鋭意検討を重ねた。その結果、反
応溶媒として酢酸やハロゲン化炭化水素を用いない、し
かも高価な臭素の使用量の少ない方法を見出し本発明を
完成するに到った。即ち、本発明の要旨は一般式(1)
で表わされるヒダントイン類
【化3】 〔式中、R1 、R2 およびR3 は水素原子、低級アルキ
ル基、アリール基、またはアラルキル基を示す。〕をア
ルコール中、臭素および/またはヨウ素の存在下に塩素
を加えて反応させることを特徴とする、一般式(2)で
表わされる5−アルコキシヒダントイン類の製造方法に
関するものである。
【化4】 〔式中、R1 、R2 およびR3 は水素原子、低級アルキ
ル基、アリール基、またはアラルキル基を示し、Rは炭
素数1〜6のアルキル基を示す。〕
【0007】本発明の方法によると、反応溶媒としてア
ルコキシ化時に使用するのと同じ種類のアルコールを用
いるため、ヒダントイン類の5−ハロゲン化と同時に次
工程のアルコキシ化反応が同じ反応系内において速やか
に進行する。この結果、反応は見かけ上一段階反応とな
り、副反応も起こり難くなるので、操作性も向上し、し
かも高収率で5−アルコキシヒダントイン類を得ること
ができる。
【0008】本発明の方法を実施すれば、ヒダントイン
類のハロゲン化時に1モル、そしてアルコキシ化時にも
う1モルのハロゲン化水素が生成するが、このハロゲン
化水素は反応系に安価な塩素を加えることにより、下記
の反応式によって臭素またはヨウ素に酸化され、再びハ
ロゲン化剤として使用される。さらに、塩素、臭素、ヨ
ウ素および反応時に生じたハロゲン化水素のアルコール
への溶解度は大きく、反応系外に出ていくことがほとん
どないため、反応系に加えた臭素あるいはヨウ素は効率
的にリサイクルすることになり、有効に利用される。そ
の結果、本発明の方法においては臭素あるいはヨウ素の
使用量を大幅に削減することが可能となり、経済的に優
位な方法となる。
【0009】
【化5】 〔式中、R1 、R2 、R3 およびRは前記に同じ。Xは
臭素またはヨウ素を表わす。〕
【0010】反応の溶媒として用いることのできるアル
コール類としては、反応温度において水溶性液体であ
り、加えるハロゲン類と反応しないものであれば何れも
使用可能である。一般的には炭素数が1〜6のアルコー
ルであるが、ハロゲン原子やアルコキシ基等、反応系内
において変化しない置換基を有するアルコール類の使用
も可能である。無置換アルコールの一例を示すと、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロ
パノール、シクロプロパノール、n−ブタノール、is
o−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタ
ノール、シクロブタノール、シクロプロピルメタノー
ル、メチルシクロプロパノール、n−ペンタノール、i
so−ペンタノール、sec−ペンタノール、tert
−ペンタノール、シクロペンタノール、n−ヘキサノー
ル、iso−ヘキサノール、sec−ヘキサノール、t
ert−ヘキサノール、シクロヘキサノール等である。
【0011】これらのアルコールは環状構造を有してい
ても良いし、反応時に反応系内に存在するハロゲン類と
反応しないで水溶性を阻害しない限りいかなる置換基を
有していてもよい。たとえばハロゲン、エーテル基など
を含んでいてもよく、それら置換基の一例としてはフル
オロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などがある。ま
たエチレングリコール等の二価アルコール類、あるいは
グリコール等の多価アルコール類も反応に供する反応基
質であるヒダントイン類の濃度を低くすれば使用可能で
ある。好ましくは炭素数1〜6の低級アルコール類が好
適に用いられる。その例としてはメタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノールなどが挙げられる。
【0012】反応に供することができる一般式(1)で
表わされるヒダントイン類としては、反応系内に存在す
るハロゲン類と反応しない置換基をヒダントイン環の1
位、3位および5位に有するヒダントイン類化合物であ
れば、いかなるものでも用いることができる。1位、3
位および5位の全部が各々独立して無置換であっても置
換していてもよい。5位の炭素原子においては一置換ま
で許される。置換基としては一般的に低級アルキル基、
アリール基またはアラルキル基等があるが、これら置換
基はハロゲン原子やエーテル結合等、反応に関与しない
置換基や結合を含んでいても全くさしつかえない。1
位、3位および5位に置換する置換基の一例としては、
たとえば水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、および炭素数が7〜1
2のアルキル基、フェニル基およびハロゲンやアルコキ
シ基の置換したフェニル基、ベンジル基およびハロゲン
やアルコキシ基の置換したアラルキル基等があるが、反
応が進みさえすれば、これらの範囲に限定されるもので
はない。
【0013】本発明の反応に供する事ができる反応基質
の一例としてはヒダントイン、1−メチルヒダントイ
ン、1−エチルヒダントイン、1−プロピルヒダントイ
ン、1−ブチルヒダントイン、1−ペンチルヒダントイ
ン、1−ヘキシルヒダントイン、3−メチルヒダントイ
ン、3−エチルヒダントイン、3−プロピルヒダントイ
ン、3−ブチルヒダントイン、3−ペンチルヒダントイ
ン、3−ヘキシルヒダントイン、1,3−ジメチルヒダ
ントイン、1−シクロヘキシルヒダントイン、1−ベン
ジルヒダントイン、3−ベンジルヒダントイン、1−
(2−フェニルエチル)ヒダントイン、3−(4−フル
オロフェニル)ヒダントイン、3−(4−クロロフェニ
ル)ヒダントイン、3−(4−ブロモフェニル)ヒダン
トイン、3−(4−ヨードフェニル)ヒダントイン、3
−(3,5−ジクロロフェニル)ヒダントイン、3−
(3,4−ジクロロフェニル)ヒダントイン、3−(3
−クロロ−5−フルオロフェニル)ヒダントイン、3−
(3,5−ジクロロフェニル)−1−メチルヒダントイ
ン、3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−メチルヒ
ダントイン、5−フェニルヒダントイン、1,5−ジフ
ェニルヒダントイン、3−ベンジル−1,5−ジフェニ
ルヒダントインなどがあるが、ここに示す範囲になんら
限定されるものではない。
【0014】この中でも特に、1位に水素原子、メチル
基、フェニル基、ベンジル基、3位に水素原子、メチル
基、フェニル基、ベンジル基、4−クロロフェニル基、
3,5−ジクロロフェニル基、5位に水素原子、フェニ
ル基を有するものが工業上の見地から有用である。その
具体例としては1−メチルヒダントイン、3−メチルヒ
ダントイン、1−ベンジルヒダントイン、3−(3,5
−ジクロロフェニル)ヒダントイン、3−(3,5−ジ
クロロフェニル)−1−メチルヒダントイン、3−ベン
ジル−1,5−ジフェニルヒダントインなどが挙げられ
る。
【0015】通常、反応に供するヒダントイン類化合物
の濃度はアルコール中1〜5モル位が好ましい。この濃
度範囲より薄いと経済的でなく、濃いとヒダントイン類
化合物が溶媒に溶解しなくなる。反応に用いる臭素およ
び/またはヨウ素の量は通常、臭素の場合にはヒダント
イン類に対して0.05〜0.4モル倍が好ましく、さ
らに好ましくは0.1〜0.2モル倍である。ヨウ素の
場合には0.002〜0.1モル倍が好ましく、さらに
好ましくは0.01〜0.05モル倍である。モル比が
この範囲より大きくても反応はなんら支障を受けずに進
行するが、経済的に不利となる。また、モル比がこの範
囲より小さい場合には反応は収率良く進行するが反応速
度が小さくなる。
【0016】反応は低温でも進むが、工業的な見地から
は50℃〜200℃の範囲が好ましい。反応系への塩素
の添加方法としては、反応液への吹き込みによる方法が
一般的である。塩素の吹き込み量は通常ヒダントイン類
に対して0.8〜1.5モル倍であり、好ましくは1.
0〜1.3モル倍である。塩素吹き込みの速度は基質の
ヒダントイン類の濃度や反応温度、さらに臭素あるいは
ヨウ素の量によっても左右される。吹き込み速度を決定
する一番の要因は、反応系内で生じた臭化水素あるいは
ヨウ化水素を効率的に臭素あるいはヨウ素へとリサイク
ルに要する時間であるが、この反応は非常に速く進むた
め、塩素の吹き込み速度に実質上の制限はない。通常の
反応においては塩素吹き込み時間の目安は0.5〜6時
間位である。なお、臭素および/またはヨウ素を臭化水
素および/またはヨウ化水素として反応系に加えても反
応には何等支障はない。
【0017】反応液からの生成物の取り出しは非常に容
易である。本発明の方法においては反応溶媒は水溶性の
アルコールであるので、反応後の反応液に単に水を加え
るだけで5−アルコキシヒダントイン類が水に難溶性で
あるため容易に析出し、結晶として取得することができ
る。
【0018】本発明の方法により製造できる化合物の一
例としては、5−メトキシ−1−メチルヒダントイン、
5−エトキシ−1−メチルヒダントイン、1−メチル−
5−プロポキシヒダントイン、5−ブトキシ−1−メチ
ルヒダントイン、1−メチル−5−ペンチルオキシヒダ
ントイン、5−ヘキシルオキシ−1−メチルヒダントイ
ン、5−メトキシ−3−メチルヒダントイン、3−エチ
ル−5−メトキシヒダントイン、5−メトキシ−3−プ
ロピルヒダントイン、3−ブチル−5−メトキシヒダン
トイン、5−ペンチルオキシ−3−プロピルヒダントイ
ン、5−プロポキシ−3−プロピルヒダントイン、5−
ブトキシヒダントイン、5−ブトキシ−3−メチルヒダ
ントイン、1,3−ジメチル−5−メトキシヒダントイ
ン、5−(2−ブロモエトキシ)−1−メチルヒダント
イン、5−(2−メトキシエトキシ)−1−メチルヒダ
ントイン、5−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−メチ
ルヒダントイン、1−シクロヘキシル−5−エトキシヒ
ダントイン、1−ベンジル−5−エトキシヒダントイ
ン、1−(2−フェニルエチル)−5−エトキシヒダン
トイン、1−ベンジル−5−プロポキシヒダントイン、
3−ベンジル−5−メトキシヒダントイン、3−(4−
フルオロフェニル)−5−メトキシヒダントイン、3−
(4−クロロフェニル)−5−メトキシヒダントイン、
3−(4−ブロモフェニル)−5−メトキシヒダントイ
ン、3−(4−ヨードフェニル)−5−メトキシヒダン
トイン、3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−メト
キシヒダントイン、3−(3,4−ジクロロフェニル)
−5−メトキシヒダントイン、3−(3−クロロ−5−
フルオロフェニル)−5−メトキシヒダントイン、3−
(3,5−ジクロロフェニル)−1−メチル−5−メト
キシヒダントイン、3−(3,5−ジクロロフェニル)
−5−エトキシ−1−メチルヒダントイン、3−(3,
5−ジクロロフェニル)−1−メチル−5−プロポキシ
ヒダントイン、5−ブトキシ−3−(3,5−ジクロロ
フェニル)−1−メチルヒダントイン、5−エトキシ−
5−フェニルヒダントイン、1,5−ジフェニル−5−
メトキシヒダントイン、3−ベンジル−1,5−ジフェ
ニル−5−メトキシヒダントイン、1,5−ジフェニル
−5−エトキシヒダントイン、1,5−ジフェニル−5
−ペントキシヒダントインなどがあるが、ここに示す範
囲になんら限定されるものではない。
【0019】ここに示したヒダントイン類の中では1位
に水素原子、メチル基、フェニル基、ベンジル基、3位
に水素原子、メチル基、フェニル基、ベンジル基、4−
クロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、5位
に水素原子またはフェニル基とメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘ
キシルオキシ基を合わせ持つヒダントイン化合物が工業
的に特に有用である。このようにして得られた5−アル
コキシヒダントイン類は、常法により医薬、農薬および
機能材の合成中間体として用いられる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により更に詳しく本発明を説明
するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもの
ではない。 実施例1 1−ベンジルヒダントイン190グラム(1.00モ
ル)とエタノール760グラムの混合物を75℃に加熱
し、そこに臭素32グラム(0.2モル)を加えた。そ
の系に同温度で塩素78グラム(1.1モル)を2時間
を要して通気した。塩素通気終了後30分間熟成した。
反応液に水1000グラムを加え、5℃まで冷却後、濾
過にて1−ベンジル−5−エトキシヒダントインの白色
結晶194グラム(0.83モル)を得た(収率83
%)。融点92.5〜93.5℃。
【0021】実施例2 実施例1のエタノールにかえてプロパノールを用いた以
外は実施例1と同様に行い、1−ベンジルヒダントイン
190グラム(1.00モル)より1−ベンジル−5−
プロポキシヒダントインの白色結晶202グラム(0.
81モル)を得た(収率81%)。融点72.5〜7
3.5℃。
【0022】実施例3 実施例1において臭素のかわりにヨウ素5グラム(0.
02モル)を用いた以外は実施例1と同様に行い1−ベ
ンジル−5−エトキシヒダントインの白色結晶190グ
ラム(0.81モル)を得た(収率81%)。融点9
2.5〜93.5℃。
【0023】実施例4 1−メチルヒダントイン144グラム(1.00モル)
とメタノール600グラムの混合物を70℃に加熱し、
そこに臭素16グラム(0.1モル)を加えた。その系
に同温度で塩素75グラム(1.06モル)を0.5時
間を要して通気した。塩素通気終了後30分間熟成し
た。反応液に水1000グラムを加え、5℃まで冷却
後、濾過にて5−メトキシ−1−メチルヒダントインの
白色結晶148グラム(0.85モル)を得た(収率8
5%)。融点94.0〜95.0℃。
【0024】実施例5 1−メチルヒダントインにかえて3−(3,5−ジクロ
ロフェニル)−1−メチルヒダントイン259グラム
(1.00モル)を反応の基質として用いた以外は実施
例4と同様に行い、3−(3,5−ジクロロフェニル)
−1−メチル−5−メトキシヒダントインの白色結晶2
54グラム(0.88モル)を得た(収率88%)。融
点98.0〜99.0℃。
【0025】実施例6 1−メチルヒダントインにかえて3−ベンジル−1,5
−ジフェニルヒダントイン342グラム(1.00モ
ル)を用いた以外は実施例4と同様に行い3−ベンジル
−1,5−ジフェニル−5−メトキシヒダントインの結
晶330グラム(0.89モル)を得た(収率89
%)。融点129.0〜130.0℃。
【0026】実施例7 3−メチルヒダントイン114グラム(1.00モル)
とブタノール400グラムの混合物を100℃に加熱
し、そこにヨウ素3グラム(0.01モル)を加えた。
その系に同温度で塩素75グラム(1.06モル)を
0.5時間を要して通気した。塩素通気終了後30分間
熟成した。反応液に水500グラムを加え、5℃まで冷
却後、濾過にて5−ブトキシ−3−メチルヒダントイン
の結晶157グラム(0.84モル)を得た(収率84
%)。融点39.0〜40.0℃。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法によれば精製工程の複雑な
溶媒としての酢酸や発ガン性およびフロン、ハロン規制
で問題になっているハロゲン化炭化水素を用いる事なく
ヒダントイン類化合物より5−アルコキシヒダントイン
類を製造することができる。この際、従来法ではヒダン
トイン類と等モルの高価な臭素が必要であったが、本発
明の方法においては少量の臭素および/またはヨウ素を
塩素を用いて酸化還元を繰り返して使用することができ
るため経済的にも有利である。また、従来は二段階の反
応で5−アルコキシヒダントイン類を得ているが、本方
法によれば見かけ上一段階反応で5−アルコキシヒダン
トイン類が製造できるため、工程的にも収率的にも有利
である。さらに、従来法とは異なり、反応液からの生成
物の単離も簡単で、単に反応液に水を加えるだけで高品
質の製品を得ることができるので、工程上、収率的にも
さらに経済的にも有利な方法である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表わされるヒダントイン
    類 【化1】 〔式中、R1 、R2 およびR3 は水素原子、低級アルキ
    ル基、アリール基、またはアラルキル基を示す。〕をア
    ルコール中、臭素および/またはヨウ素の存在下に塩素
    を加えて反応させることを特徴とする、一般式(2)で
    表わされる5−アルコキシヒダントイン類の製造方法。 【化2】 〔式中、R1 、R2 およびR3 は水素原子、低級アルキ
    ル基、アリール基、またはアラルキル基を示し、Rは炭
    素数1〜6のアルキル基を示す。〕
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルコールが、炭素数1
    〜6のアルコールである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の臭素の使用量が、ヒダン
    トイン類に対して0.05〜0.4モル倍である請求項
    1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のヨウ素の使用量が、ヒダ
    ントイン類に対して0.002〜0.1モル倍である請
    求項1記載の製造方法。
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