JP2748046B2 - 耐熱性キチナーゼ - Google Patents
耐熱性キチナーゼInfo
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- JP2748046B2 JP2748046B2 JP2299448A JP29944890A JP2748046B2 JP 2748046 B2 JP2748046 B2 JP 2748046B2 JP 2299448 A JP2299448 A JP 2299448A JP 29944890 A JP29944890 A JP 29944890A JP 2748046 B2 JP2748046 B2 JP 2748046B2
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- chitin
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はキトオリゴ糖の大量生産に適した耐熱性キチ
ナーゼに関する。
ナーゼに関する。
キチナーゼは動物、植物及び微生物内に広く存在する
酵素であり、そのうちの何種類かはすでに精製・取得さ
れている〔E.Cabib et al.,Methods Enzymol.,161,460
−501(1988)〕。そしてこれらのキチナーゼは、カビ
の細胞壁の研究、キチンからのキトオリゴ糖の製造、転
移又は縮合反応によるキトオリゴ糖誘導体の製造などに
利用されている。
酵素であり、そのうちの何種類かはすでに精製・取得さ
れている〔E.Cabib et al.,Methods Enzymol.,161,460
−501(1988)〕。そしてこれらのキチナーゼは、カビ
の細胞壁の研究、キチンからのキトオリゴ糖の製造、転
移又は縮合反応によるキトオリゴ糖誘導体の製造などに
利用されている。
しかしながら、従来のキチナーゼはいずれも取得する
ためには多くの精製ステップを経なくてはならず、少量
しか得られないという欠点を有していた。また、その
上、50℃前後までの耐熱性しか有さないため、キチンか
らのキトオリゴ糖の製造時に失活したりしてしまい、産
業分野での利用は不可能な状態にあった。
ためには多くの精製ステップを経なくてはならず、少量
しか得られないという欠点を有していた。また、その
上、50℃前後までの耐熱性しか有さないため、キチンか
らのキトオリゴ糖の製造時に失活したりしてしまい、産
業分野での利用は不可能な状態にあった。
従って、簡易な方法によって得られる耐熱性キチナー
ゼの開発が望まれていた。
ゼの開発が望まれていた。
かかる実情において、本発明者らは、キトオリゴ糖の
大量生産に適した耐熱性キチナーゼを得るべく、鋭意研
究したところ、特開昭63−7792号記載のバチルス・リケ
ニフォルミス(Bacillus licheniformis)X−7u株の培
養液から新規なキチナーゼIを精製・取得することに成
功し、更に該キチナーゼが優れた耐熱性を有することを
見出し、本発明を完成した。
大量生産に適した耐熱性キチナーゼを得るべく、鋭意研
究したところ、特開昭63−7792号記載のバチルス・リケ
ニフォルミス(Bacillus licheniformis)X−7u株の培
養液から新規なキチナーゼIを精製・取得することに成
功し、更に該キチナーゼが優れた耐熱性を有することを
見出し、本発明を完成した。
従って、本発明は新規な耐熱性キチナーゼIを提供す
るものである。
るものである。
本発明の耐熱性キチナーゼIを生産する微生物である
バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformi
s)X−7uは、温泉より採取された微生物であり、本菌
は工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第8810
号(FERM−P No.8810)として寄託されている。
バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformi
s)X−7uは、温泉より採取された微生物であり、本菌
は工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第8810
号(FERM−P No.8810)として寄託されている。
本発明の耐熱性キチナーゼIを得るには、通常バチル
ス属に属する微生物の培養に用いられる培地に、前記バ
チルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)
X−7u株を接種し、常法に従って回転振盪培養又は通気
撹拌培養を行なえばよい。
ス属に属する微生物の培養に用いられる培地に、前記バ
チルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)
X−7u株を接種し、常法に従って回転振盪培養又は通気
撹拌培養を行なえばよい。
本発明の酵素生産のためには培地中に炭素源としてキ
チンを含有させることが必須であり、更にN−アセチル
グルコサミンを添加することが好ましい。また、窒素源
としては硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等の無機
化合物或いはコーンスチープリカー、酵母エキス等の有
機窒素化合物がともに使用できるが、特に酵母エキスが
好ましい。無機塩としてはNa2HPO4・KH2PO4、NaCl、MgS
O4・7H2O、CaCl2・2H2O等が用いられる。
チンを含有させることが必須であり、更にN−アセチル
グルコサミンを添加することが好ましい。また、窒素源
としては硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等の無機
化合物或いはコーンスチープリカー、酵母エキス等の有
機窒素化合物がともに使用できるが、特に酵母エキスが
好ましい。無機塩としてはNa2HPO4・KH2PO4、NaCl、MgS
O4・7H2O、CaCl2・2H2O等が用いられる。
培地のpHは5〜10、好ましくは7〜9であり、培養温
度は40℃以上60℃未満、好ましくは50℃である。斯かる
培養条件で24〜96時間培養を行なえば、培養液中に本発
明のキチナーゼが蓄積する。
度は40℃以上60℃未満、好ましくは50℃である。斯かる
培養条件で24〜96時間培養を行なえば、培養液中に本発
明のキチナーゼが蓄積する。
斯くして得られた培養液中の耐熱性キチナーゼIの精
製は、一般の酵素の採取及び精製の手段に準じて行なう
ことができる。すなわち、まず遠心分離又は濾過等の通
常の固液分離手段により、又は、必要に応じて塩折法、
沈澱法、限外濾過法等の分離手段により、粗酵素を得
る。次いでブチルトヨパール(Butyl−TOYOPEARL,東ソ
ー(株))カラムクラマトグラフィーにより粗酵素を分
画すると、本発明耐熱性キチナーゼIが単品として分離
できる。
製は、一般の酵素の採取及び精製の手段に準じて行なう
ことができる。すなわち、まず遠心分離又は濾過等の通
常の固液分離手段により、又は、必要に応じて塩折法、
沈澱法、限外濾過法等の分離手段により、粗酵素を得
る。次いでブチルトヨパール(Butyl−TOYOPEARL,東ソ
ー(株))カラムクラマトグラフィーにより粗酵素を分
画すると、本発明耐熱性キチナーゼIが単品として分離
できる。
斯くして得られる、本発明の耐熱性キチナーゼIの酵
素化学的諸性質について、以下に説明する。
素化学的諸性質について、以下に説明する。
尚、酵素活性測定、タンパク質の定量及びSDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)は次に示す
方法により行なった。
アクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)は次に示す
方法により行なった。
<酵素活性測定法> i)グリコールキチン水解活性 (反応液) 1.0ml 0.1%グリコールキチン水溶液*1 0.2ml 0.2Mホウ酸緩衝液(pH10.0) 0.3ml 酵素溶液 *1:S.Hirano,Methods Enzymol.161,408(1998)に記
載したものを使用した。
載したものを使用した。
上記反応液で50℃にて30分間反応後、生じた還元糖を
T.Imoto and K.Yagishita,Agric.Biol.Chem.,35,1154
(1971)に記載の方法により定量した。酵素1単位(Un
it)は、上記の条件で1分間に1μmoleのN−アセチル
−D−グルコサミンに相当する還元力を生成する酵素量
と定義した。
T.Imoto and K.Yagishita,Agric.Biol.Chem.,35,1154
(1971)に記載の方法により定量した。酵素1単位(Un
it)は、上記の条件で1分間に1μmoleのN−アセチル
−D−グルコサミンに相当する還元力を生成する酵素量
と定義した。
ii)p−ニトロフェニル−ジ−N−アセチル−β−D−
キトビオシド水解活性 (反応液) 0.1ml 5mM p−ニトロフェニル−ジ−N−アセチル−
β−D−キトビオシド(焼律水産化学製Lot No.881205
0) 0.2ml 0.2M リン酸緩衝液(pH6.0) 0.1ml 酵素溶液 上記反応液で37℃にて5分間反応後、0.2M Na2CO3水
溶液0.4mlを加えて反応を止め、生じたp−ニトロフェ
ノールを400nmの吸光度から定量した(吸光係数18.1cm2
/μmole)。酵素1単位(Unit)は、上記の条件で1分
間に1μmoleのp−ニトロフェノールを生成する酵素量
と定義した。
キトビオシド水解活性 (反応液) 0.1ml 5mM p−ニトロフェニル−ジ−N−アセチル−
β−D−キトビオシド(焼律水産化学製Lot No.881205
0) 0.2ml 0.2M リン酸緩衝液(pH6.0) 0.1ml 酵素溶液 上記反応液で37℃にて5分間反応後、0.2M Na2CO3水
溶液0.4mlを加えて反応を止め、生じたp−ニトロフェ
ノールを400nmの吸光度から定量した(吸光係数18.1cm2
/μmole)。酵素1単位(Unit)は、上記の条件で1分
間に1μmoleのp−ニトロフェノールを生成する酵素量
と定義した。
<蛋白質の定量> 精製酵素について得られた280nmにおける吸光係数E
1% 1cm(耐熱性キチナーゼI=14.4)を用いて測定し
た。
1% 1cm(耐熱性キチナーゼI=14.4)を用いて測定し
た。
<SDS−PAGE> ラムリーの不連続緩衝液系を用いた方法(U.K.Laemml
i,Nature,277,680(1970)に従った。すなわち、耐熱
性キチナーゼI5μgをテフコゲルSDS−PAGEミニグラジ
ェントゲル(TEFCO−Gel SDS−PAGE mini GRADIENT Ge
l)8〜16%を用いて12mA定電流で泳動した。次いで0.1
%クーマーシーブルー(Coomassie blue)250、40%メ
タノール、10%酢酸水溶液で染色後、10%メタノール、
7.5%酢酸水溶液で脱色した。分子量マーカーとして
は、ファルマシア製 ロウ モレキュラーウェイト カ
リブレーション キット(Low Molecular Weight Calib
ration Kit;ホスホリラーゼb94,000、アルブミン67,00
0、オボアルブミン43,000、カルボニックアンヒドラー
ゼ30,000、トリプシンインヒビター20,100、α−ラクト
アルブミン14,400)を用いた。
i,Nature,277,680(1970)に従った。すなわち、耐熱
性キチナーゼI5μgをテフコゲルSDS−PAGEミニグラジ
ェントゲル(TEFCO−Gel SDS−PAGE mini GRADIENT Ge
l)8〜16%を用いて12mA定電流で泳動した。次いで0.1
%クーマーシーブルー(Coomassie blue)250、40%メ
タノール、10%酢酸水溶液で染色後、10%メタノール、
7.5%酢酸水溶液で脱色した。分子量マーカーとして
は、ファルマシア製 ロウ モレキュラーウェイト カ
リブレーション キット(Low Molecular Weight Calib
ration Kit;ホスホリラーゼb94,000、アルブミン67,00
0、オボアルブミン43,000、カルボニックアンヒドラー
ゼ30,000、トリプシンインヒビター20,100、α−ラクト
アルブミン14,400)を用いた。
<酵素化学的諸性質> 作用 耐熱性キチナーゼIはキチンを加水分解してキトオリ
ゴ糖を生成する。
ゴ糖を生成する。
基質特異性 キチナーゼIはコロイダルキチンを加水分解してN−
アセチルキトビオースを生成する。
アセチルキトビオースを生成する。
また、耐熱性キチナーゼIはグリコールキチンを加水
分解し、還元糖を生成する。更にp−ニトロフェニル−
ジ−N−アセチル−β−D−キトビオシド(以下「pNP
−キトビオシド」と略称する)を加水分解し、p−ニト
ロフェノールを生成する。
分解し、還元糖を生成する。更にp−ニトロフェニル−
ジ−N−アセチル−β−D−キトビオシド(以下「pNP
−キトビオシド」と略称する)を加水分解し、p−ニト
ロフェノールを生成する。
pNP−キトビオシドを基質としたときのKm及びVの値
を表1に示す。
を表1に示す。
至適pH 0.2Mマクイルベン(McIlvaine)緩衝液(pH2.5〜7.
5)又は0.2Mホウ酸緩衝液(pH7.5〜11.0)0.2ml、5mM基
質水溶液(pNP−キトビオシド)0.1ml、酵素液0.1ml
(耐熱性キチナーゼ1.5μg)からなる反応液を、37
℃、5分間反応させ、活性を測定した。至適pHは6.0〜
7.0であった。
5)又は0.2Mホウ酸緩衝液(pH7.5〜11.0)0.2ml、5mM基
質水溶液(pNP−キトビオシド)0.1ml、酵素液0.1ml
(耐熱性キチナーゼ1.5μg)からなる反応液を、37
℃、5分間反応させ、活性を測定した。至適pHは6.0〜
7.0であった。
pH安定性 耐熱性キチナーゼIの酵素液を0.02ml(1.5μg)に
0.2Mマクイルベン(McIlvaine)緩衝液(pH2.5〜8.5)
0.02mlを加え、35℃で24時間保存した。保存液に0.2Mリ
ン酸緩衝液(pH6.0)0.26ml及び5mM pNP−キトビオシ
ド0.1mlを加えて、37℃で5分間反応させ、活性を測定
したところ、pH6.0〜8.5の範囲で90%以上の残存活性を
示した。
0.2Mマクイルベン(McIlvaine)緩衝液(pH2.5〜8.5)
0.02mlを加え、35℃で24時間保存した。保存液に0.2Mリ
ン酸緩衝液(pH6.0)0.26ml及び5mM pNP−キトビオシ
ド0.1mlを加えて、37℃で5分間反応させ、活性を測定
したところ、pH6.0〜8.5の範囲で90%以上の残存活性を
示した。
至適温度 耐熱性キチナーゼIの酵素液0.1ml(0.7μg)を用い
て、10〜35℃の各温度で5分間反応させ、活性を測定し
たところ、至適温度は65〜70℃であった。
て、10〜35℃の各温度で5分間反応させ、活性を測定し
たところ、至適温度は65〜70℃であった。
温度安定性 耐熱性キチナーゼIの酵素液〔0.2Mトリス−塩酸緩衝
液(pH7.5)に1.7μgの耐熱性キチナーゼを溶かしたも
の〕0.1mlを30〜80℃の各温度で30分間保温した後に、
0.2Mリン酸緩衝液(pH6.0)0.2ml及び5mM pNP−キトビ
オシド0.1mlを加え、37℃で5分間反応させ、活性を測
定したところ、60℃以下では90%以上の残存活性を示し
た。
液(pH7.5)に1.7μgの耐熱性キチナーゼを溶かしたも
の〕0.1mlを30〜80℃の各温度で30分間保温した後に、
0.2Mリン酸緩衝液(pH6.0)0.2ml及び5mM pNP−キトビ
オシド0.1mlを加え、37℃で5分間反応させ、活性を測
定したところ、60℃以下では90%以上の残存活性を示し
た。
分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS−PAG
E)の結果(図2)を基に、対数(分子量)−移動度の
プロットより算出した。キチナーゼIの分子量は89,000
であった。
E)の結果(図2)を基に、対数(分子量)−移動度の
プロットより算出した。キチナーゼIの分子量は89,000
であった。
キチナーゼIはSDS−PAGEにより単一のバンドを示し
たので、単一の物質であると思われた。しかし、これら
をSDSを用いないポリアクリルアミドゲル電気泳動にか
けたところ、相互に近接した二本のバンドを示した。こ
れらは分子量が同一で電荷が僅かに異なる分子種が存在
することを示唆する。
たので、単一の物質であると思われた。しかし、これら
をSDSを用いないポリアクリルアミドゲル電気泳動にか
けたところ、相互に近接した二本のバンドを示した。こ
れらは分子量が同一で電荷が僅かに異なる分子種が存在
することを示唆する。
本発明の耐熱性キチナーゼIは従来のキチナーゼに比
較して高温度における安定性が良好である。従って、本
発明の耐熱性キチナーゼIはキチンからのキトオリゴ糖
の大量生産に非常に適している。また、従来のキチナー
ゼよりも精製工程が簡便であり、産業上有用なものであ
る。
較して高温度における安定性が良好である。従って、本
発明の耐熱性キチナーゼIはキチンからのキトオリゴ糖
の大量生産に非常に適している。また、従来のキチナー
ゼよりも精製工程が簡便であり、産業上有用なものであ
る。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明す
る。
る。
実施例1 バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniform
is)X−7uを下記組成の培地を用いて培養し、キチン水
解活性を有する培養液を得た。
is)X−7uを下記組成の培地を用いて培養し、キチン水
解活性を有する培養液を得た。
使用培地 i)前培養用液体培地 エルリッヒ肉エキス (極東製薬製、Lot No.DC9277) 3.0g ポリペプトン (日本製薬製、Lot No.0559WB) 3.0g NaCl 0.6g H2O 300ml 1N NaOH又は1N HClを用いてpH7.0に調整 ii)酵素生産用液体培地 コロイダルキチン 10.0g (焼律水産化学製のキチンPSL、 Lot No.8802130を用いて調整) N−アセチル−D−グルコサミン 10.0g (東京化成製、Lot No.AZ01) 酵母エキス 2.0g (DIFCO社製、Lot No.760805) Na2HPO4・12H2O 6.8g NH4NO3 4.0g KH2PO4 2.0g NaCl 1.0g MgSO4・7H2O 1.0g CaCl2・2H2O 0.2g H2O 2000ml 1N NaCH又は1N HClを用いてpH7.0に調整 培養方法 前溶媒培地300mlを500ml三角フラスコ2本に150mlず
つ分注し、本菌株1白金耳を接種後、50℃、24時間回転
振盪培養(150rpm)を行なった。次いで培養液300mlを
遠心分離(14,000rpm、20min)にかけ、集菌した菌を0.
05Mリン酸緩衝液80mlに懸濁後、酵素生産用培地2000ml
に接種した。培養は、いわしやminiジャーファメンタAC
D4を用いて50℃にて48時間行なった(撹拌250rpm、通気
量1200ml/min)。
つ分注し、本菌株1白金耳を接種後、50℃、24時間回転
振盪培養(150rpm)を行なった。次いで培養液300mlを
遠心分離(14,000rpm、20min)にかけ、集菌した菌を0.
05Mリン酸緩衝液80mlに懸濁後、酵素生産用培地2000ml
に接種した。培養は、いわしやminiジャーファメンタAC
D4を用いて50℃にて48時間行なった(撹拌250rpm、通気
量1200ml/min)。
実施例2 実施例1で得られたキチン水解活性を有する培養液19
50mlを遠心分離(×8,000g、30分、4℃)し、その上清
1890mlに(NH4)2SO4を終濃度1Mとなるように加え、更
に1N NaOH又は1N HClを用いてpH7.5に調整した後、予め
0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.5:1M(NH4)2SO4を含
む)で平衡化したブチルヨトヨパール(Butyl−TOYOPEA
RL)650Mカラム(カラムサイズ2.6×20.5cm)に前記上
清を流速1.8ml/分で流した。0.8M(NH4)2SO4を含む、
0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)を流速0.48ml/分で
流し、カラムを洗浄した。次に0.4M(NH4)2SO4を含む
0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)を用いて流速0.48ml
/分、1フラクション=5.0mlで酵素を溶出した。続いて
(NH4)2SO4を含まない0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.
5)を用いて流速0.48ml/分、1フラクション=5.0mlで
酵素を溶出したところ、グリコールキチン水解活性及び
pNP−キトビオシド水解活性を示すピークA画分(フラ
クションNo.18〜33)80mlとピークC画分(フラクショ
ンNo.257〜262)30ml、並びに強いpNP−キトビオシド水
解活性を示すピークB画分(フラクションNo.45〜70)1
30mlが得られた(図1)。
50mlを遠心分離(×8,000g、30分、4℃)し、その上清
1890mlに(NH4)2SO4を終濃度1Mとなるように加え、更
に1N NaOH又は1N HClを用いてpH7.5に調整した後、予め
0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.5:1M(NH4)2SO4を含
む)で平衡化したブチルヨトヨパール(Butyl−TOYOPEA
RL)650Mカラム(カラムサイズ2.6×20.5cm)に前記上
清を流速1.8ml/分で流した。0.8M(NH4)2SO4を含む、
0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)を流速0.48ml/分で
流し、カラムを洗浄した。次に0.4M(NH4)2SO4を含む
0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)を用いて流速0.48ml
/分、1フラクション=5.0mlで酵素を溶出した。続いて
(NH4)2SO4を含まない0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.
5)を用いて流速0.48ml/分、1フラクション=5.0mlで
酵素を溶出したところ、グリコールキチン水解活性及び
pNP−キトビオシド水解活性を示すピークA画分(フラ
クションNo.18〜33)80mlとピークC画分(フラクショ
ンNo.257〜262)30ml、並びに強いpNP−キトビオシド水
解活性を示すピークB画分(フラクションNo.45〜70)1
30mlが得られた(図1)。
以上のピークA画分、ピークB画分及びピークC画分
をそれぞれSDS−PAGEにかけた。ピークB画分は単一の
バンドを示したのでこの画分を以て精製酵素標品とし、
これを耐熱性キチナーゼIと命名した。
をそれぞれSDS−PAGEにかけた。ピークB画分は単一の
バンドを示したのでこの画分を以て精製酵素標品とし、
これを耐熱性キチナーゼIと命名した。
実施例3 実施例2で得られた本発明耐熱性キチナーゼIの酵素
活性を測定した。その結果を下記表2に示す。なお、基
質としてはpNP−キトビオシドを用いた。
活性を測定した。その結果を下記表2に示す。なお、基
質としてはpNP−キトビオシドを用いた。
図1は、実施例2における培養液のブチルトヨパール65
0Mカラムクロマトグラフィーの溶出パターンを示す図面
である。 図2は、本発明の精製キチナーゼIのSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)の結果を示す図面
である。
0Mカラムクロマトグラフィーの溶出パターンを示す図面
である。 図2は、本発明の精製キチナーゼIのSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)の結果を示す図面
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 浩 神奈川県小田原市成田540 明治乳業ヘ ルスサイエンス研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】次の酵素化学的性質を有する耐熱性キチナ
ーゼI。 作用 キチンを加水分解してキトオリゴ糖を生成する。 基質特異性 コロイダルキチンを加水分解してN−アセチルキトビオ
ースを生成する。グリコールキチンを加水分解し、還元
糖を生成する。またp−ニトロフェニル−ジ−N−アセ
チル−β−D−キトビオシドを加水分解し、p−ニトロ
フェノールを生成する。 至適pH 6.0〜7.0 pH安定性(35℃、24時間処理) 6.0〜8.5で90%以上の残存活性 至適温度 65〜70℃ 温度安定性(30分間処理) 60℃以下で90%以上の残存活性 分子量(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
法) 約89,000
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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