JP2745808B2 - 車体スポット溶接増し打ち方法およびその方法に用いられる車体スポット溶接装置 - Google Patents

車体スポット溶接増し打ち方法およびその方法に用いられる車体スポット溶接装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、車体組立ラインの、仮組み工程後の増し
打ち工程にて、そこに停止する仮組みされた車体の多数
の部位にスポット溶接の増し打ちを施す際に用いて好適
な車体スポット溶接増し打ち方法および、その方法に用
いられる車体スポット溶接装置に関するものである。
(従来の技術) 従来の自動車の車体の組立ラインとしては、例えば第
4図に示すように、図示しない車体パネル搬入工程と、
本出願人が先に特開平1−153387号にて開示した、組み
立てる車体を囲繞するフレーム内に位置決めロボットお
よびスポット溶接ロボットを多数有する車体組立装置を
具える車体仮組み工程#30と、各々4〜6台のスポット
溶接ロボットを見える三箇所のスポット溶接増し打ち工
程#40,#50および#60と、図示しない車体搬出工程と
で構成されたものがある。(類似のものとして、株式会
社山海堂昭和55年発行の自動車工学全書第19巻「自動車
の製造法」中第181頁に記載のピボッティングピラー方
式のライン参照。) かかる車体組立ラインでは、上記車体パネル搬入工程
でライン内に搬入された複数の車体パネルが、次の車体
仮組み工程#30で、位置決めロボットによりそれぞれ車
体の組付け位置に位置決めされるとともに、スポット溶
接ロボットにより相互に仮付けされ、これによって仮組
みされた車体が、その後の三箇所のスポット溶接増し打
ち工程#40〜#60に順次搬送され、そこで多数の部位に
スポット溶接の増し打ちを施されて充分な組立強度を与
えられてから、その後の上記車体搬出工程でライン外へ
搬出される。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来の車体組立ラインでは、三箇
所のスポット溶接増し打ち工程を設けていることから、
ラインが長くなるためスペース効率が悪いという問題お
よび、各スポット溶接増し打ち工程でその工程毎に設け
られた原点を基準に溶接位置を定めてスポット溶接を行
うため車体全体として溶接位置精度を確保するまでに工
数がかかるという問題がある。
そしてこの問題を解決するために、一つのスポット溶
接増し打ち工程にさらに多数のスポット溶接ロボットを
配置することを検討したが、単純に通常の如く床面上や
フレーム内に配置したのでは、溶接ロボットの腕やその
ハンドとしてのスポット溶接ガン同士の相互干渉を避け
つつ打点効率(一台の溶接ロボットのスポット溶接一打
点当たりの所要時間;通常約2秒)を低下させず維持す
るためには最大でも10台配置するのが限度で、これでは
極めて打点数の多いスポット溶接増し打ち工程を一箇所
にまとめることはできなかった。
この発明は、上記課題を有利に解決した車体スポット
溶接増し打ち方法および、その方法に用いられる車体ス
ポット溶接装置を提供するものである。
(課題を解決するための手段) この発明の車体スポット溶接増し打ち方法は、車体組
立ラインの、仮組み工程の後の増し打ち工程にて、仮組
みされた車体の多数の部位へのスポット溶接の増し打ち
を行うに際し、一箇所の前記増し打ち工程に、各々車体
前後方向へ移動するとともに作動の原点を共有する複数
の溶接ロボットからなる溶接ロボット群を複数、車体前
後方向と直交する方向へ互いに離間させて配置してお
き、前記複数の溶接ロボット群により前記増し打ちを行
うことを特徴とするものである。
そして前記方法に用いられるこの発明の車体スポット
溶接装置は、車体組立ラインの、仮組み工程の後の一箇
所の増し打ち工程に設置された車体スポット溶接増し打
ち装置において、各々車体前後方向へ移動するとともに
作動の原点を共有する複数の溶接ロボットからなる溶接
ロボット群を複数、車体前後方向と直交する方向へ互い
に離間させて見えることを特徴とするものである。
なお、この発明の車体スポット溶接装置においては、
前記複数の溶接ロボット群は、好ましくは、車体上方に
位置する溶接ロボット群と、車体左側方および車体右側
方にそれぞれ位置する溶接ロボット群と、車体下方に位
置する溶接ロボット群と、を含むものとする。
また、この発明の車体スポット溶接装置においては、
前記複数の溶接ロボット群は、好ましくは、前記一箇所
の増し打ち工程に設置された共通のフレームに設けられ
るものとする。
さらに、この発明の車体スポット溶接装置は、好まし
くは、前記各溶接ロボット群毎に、前記フレームに設け
られて、そのロボット群を構成する複数の溶接ロボット
の車体前後方向への移動を案内する共通の案内手段を具
えるものとする。
さらに、この発明の車体スポット溶接装置において
は、前記各溶接ロボット群を構成する各溶接ロボットの
移動範囲は、好ましくは、車体前部、車体中央部、車体
後部のうち何れか一つの範囲内とする。
(作用) かかるこの発明の装置を用いたこの発明の方法におい
ては、車体組立ラインの、仮組み工程の後の一箇所の増
し打ち工程に、各々車体前後方向へ移動するとともに作
動の原点を共有する複数の溶接ロボットからなる溶接ロ
ボット群が複数、車体前後方向と直交する方向へ互いに
離間して配置され、それら複数の溶接ロボット群が、仮
組みされた車体に対しその前後方向へ移動しながら、そ
の仮組みされた車体の多数の部位へのスポット溶接の増
し打ちを行う。
従ってこの発明の方法によれば、一箇所の増し打ち工
程にて、作動の原点を共有する複数の溶接ロボット群が
車体前後方向と直交する方向へ互いに離間して位置する
とともに、各溶接ロボット群の複数の溶接ロボットが車
体前後方向へ移動するので、多数の溶接ロボットが、ロ
ボット群間で移動範囲がほとんどもしくは全く重なり合
わないように増し打ち作業を分担でき、それゆえ一箇所
の増し打ち工程に多数の溶接ロボットを高密度に配置し
ても、容易に溶接ロボット群同士の相互の干渉を避けつ
つ打点効率を維持することができ、このことにより、車
体組立ラインのスペース効率を高めることができると同
時に、それら多数の溶接ロボットの作動の原点(基準位
置)を容易に一箇所に統一し得て車体全体での高い増し
打ち位置精度を容易に確保することができ、しかも、仮
組みした車体に対し一箇所の増し打ち工程での一回の位
置決めで多数の部位へのスポット溶接の増し打ちを行え
るので、増し打ち工程を数カ所連ねる従来の方法のよう
に増し打ち工程間での搬送時すなわち先の増し打ち工程
での位置決めクランプから車体が解放されている時にス
プリングバックが起こって歪んだ車体パネルを次の増し
打ち工程で位置決めクランプすることにより車体の骨格
精度が低下してしまうということを最小限に留め得て、
この点でも車体全体での高い増し打ち位置精度を容易に
確保することができる。
そしてこの発明の装置によれば、上記したこの発明の
方法の作用効果をもたらすことができる。
なお、複数の溶接ロボット群を、車体上方に位置する
溶接ロボット群と、車体左右側方にそれぞれ位置する溶
接ロボット群と、車体下方に位置する溶接ロボット群
と、を含むものとすれば、複数の溶接ロボット群が、仮
組みした車体に対し、車体前後方向と直交する方向へ互
いに離間して、車体上方と車体左右側方と車体下方とか
らそれぞれ作業することができるので、一箇所の増し打
ち工程に多数の溶接ロボットを高密度に配置しても、容
易に溶接ロボット群同士の相互の干渉を避けつつ打点効
率を維持することができる。
また、複数の溶接ロボット群を、一箇所の増し打ち工
程に設置された共通のフレームに設けることとすれば、
それらの溶接ロボット群間で溶接ロボットの作動の原点
を容易に一箇所に統一することができるようになるとと
もに、当該車体スポット溶接増し打ち装置を一旦分解し
た後に他の場所で再度組み立てた場合でも複数の溶接ロ
ボット群相互間の位置精度を容易に再現し得て当該装置
のノックダウン組み立てを容易ならしめることができ
る。
さらに、各溶接ロボット群毎に、上記共通のフレーム
に設けられて、そのロボット群を構成する複数の溶接ロ
ボットの車体前後方向への移動を案内する共通の案内手
段を具えるものとすれば、各溶接ロボット群を構成する
複数の溶接ロボットの、作業分担の自由度と相互の位置
精度とを容易に向上させることができる。
さらに、各溶接ロボット群を構成する各溶接ロボット
を、車体前部、車体中央部、車体後部のうち何れか一つ
の範囲内で移動するものとすれば、各溶接ロボット群を
構成する複数の溶接ロボットの相互の干渉防止をさらに
容易にすることができる。
(実施例) 以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳細に説明
する。
第1図は、この発明の車体スポット溶接装置の一実施
例を示す正面図、第2図は、その実施例の装置の、第1
図のII−II線に沿う横断面図、そして第3図は、その実
施例の装置の、第1図のIII−III線に沿う縦断面図であ
り、この実施例の車体スポット溶接装置は、自動車の車
体の組立ラインにおいて、従来技術で述べた車体組立装
置を具える車体仮組み工程の次のスポット溶接増し打ち
工程に設けられている。
図中1は、上記車体組立装置によって仮組みされた車
体を、2は、スポット溶接増し打ち工程に配置されたフ
レームを、3は、車体1を搬送するシャトルコンベヤを
それぞれ示し、ここにおけるフレーム2は、その車体1
を囲繞するように、正面側(ラインの下流側)から見る
と門形をなしている。
そして、そのフレーム2の上部の左右と、左右側部の
上方および下方と、下部の左右とにはそれぞれ、この実
施例ではラインの流れ方向である車体前後方向(Y軸方
向)へ延在するように水平に渡された二本づつ対をなす
レール支持桁4が設けられている。
ここで第1図に示すように、各レール支持桁4にはそ
れに沿って、案内手段としてのガイドレール5が水平に
敷設されており、フレーム2にはさらに、レール支持桁
4の対に対応するガイドレール5の対毎に、それに沿っ
て上記Y軸方向へ延在するようにボールネジ6が固設さ
れている。
第3図に示すように、このフレーム2の上部の左右の
レール支持桁4の対はそれぞれ、三台の溶接ロボット7
を、車体上方の溶接ロボット群Aとして支持しており、
フレーム2の左右側部の上方のレール支持桁4の対はそ
れぞれ、二台の溶接ロボット7を、車体左右側方上部の
溶接ロボット群Bとして支持しており、フレーム2の左
右側部の下方のレール支持桁4の対はそれぞれ、三台の
溶接ロボット7を、車体左右側方下部の溶接ロボット群
Cとして支持しており、そしてフレーム2の下部の左右
のレール支持桁4の対はそれぞれ、二台の溶接ロボット
7を、車体下方の溶接ロボット群Dとして支持してい
る。
すなわち上記フレーム2には、合計20台の溶接ロボッ
ト7が高密度に配置されている。
ここで各溶接ロボット7は、Y軸方向移動機構8を具
えており、このY軸方向移動機構8は、第1図に示すよ
うに、基台9に固定されたスライダ8aの対をガイドレー
ル5の対に滑動自在に嵌め合わせることにて、溶接ロボ
ット7をレール支持桁4に支持させるとともに溶接ロボ
ット7の上記Y軸方向への移動をガイドレール5の対に
案内させ、また基台9に枢支されてサーボモータ8bによ
り回転駆動されるボールナット8cをボールネジ6に螺合
させることにて、溶接ロボット7を上記Y軸方向へ任意
の位置に移動させる。
従ってここでは、フレーム2の上部の左右のレール支
持桁4の対に設けられたガイドレール5の対が、それぞ
れ三台の溶接ロボット7の上記Y軸方向への移動に共用
され、フレーム2の左右側部の上方のレール支持桁4の
対に設けられたガイドレール5の対が、それぞれ二台の
溶接ロボット7の上記Y軸方向への移動に共用され、フ
レーム2の左右側部の下方のレール支持桁4の対に設け
られたガイドレール5の対が、それぞれ三台の溶接ロボ
ット7の上記Y軸方向への移動に共用され、フレーム2
の下部の左右のレール支持桁4の対に設けられたガイド
レール5の対が、それぞれ二台の溶接ロボット7の上記
Y軸方向への移動に共用されている。
またここでは、上記ガイドレール5の各対に対応する
ボールネジ6も、そのガイドレール5の対を共用する二
台もしくは三台の溶接ロボット7の上記Y軸方向への移
動に共用されている。
さらに、ここにおける各溶接ロボット7は、第2図に
示すように、上記Y軸方向と直交する水平方向であるX
軸方向へ基台9に対し支持ポスト10を直線移動させる、
上記Y軸方向移動機構8と同様の構成のX軸方向移動機
構11と、支持ポスト10に対し腕12を水平軸線および垂直
軸線周りに旋回させて、その手首部にハンドとして取り
付けられたスポット溶接用の溶接ガン13(第2図では図
示せず。)をX軸方向およびY軸方向に加えて垂直方向
であるZ軸方向へも移動させる通常の腕旋回機構14と、
その溶接ガン13を腕12に対し二自由度で回動させて溶接
姿勢を変更する通常の溶接姿勢変更機構15とを具えてい
る。
かかる車体スポット溶接装置を用いた、この発明の車
体スポット溶接増し打ち方法の一実施例においては、第
3図に示すように、車体1の上方の溶接ロボット群A
が、車体前後方向へ移動しながら車体1の上方からスポ
ット溶接を行い、また第2図に示すように、車体1の左
右側方の溶接ロボット群BおよびCが、車体前後方向へ
移動しながら車体1の左右側方からスポット溶接を行
い、そして第1図および第2図に示すように、車体1の
下方の溶接ロボット群Dが、車体前後方向へ移動しなが
ら車体1の下方からスポット溶接を行う。
このようにロボット群間で移動範囲がほとんど重なり
合わないように溶接作業を分担することにより、この車
体スポット溶接装置は、ラインのタクトタイムに基づく
車体一台当たりの作業時間である37秒間に約370点(20
台の溶接ロボット7の平均打点効率2秒)のスポット溶
接を行って、一箇所のスポット溶接増し打ち工程のみで
車体1に対するスポット溶接の増し打ちを終了する。
従ってこの車体スポット溶接装置およびそれを用いた
増し打ち方法によれば、多数の溶接ロボット7を高密度
を配置しても、容易に溶接ロボット数同士の相互の干渉
を避けつつ打点効率を維持することができ、それゆえ、
仮組み工程の後のスポット溶接増し打ち工程を上記の一
箇所とし得て、スペース効率を高めることができるとと
もに、溶接位置の基準とする原点が一箇所になるので車
体1全体として溶接位置精度を容易に確保することがで
きる。
なお、上記実施例の車体スポット溶接装置では、溶接
ロボット群の車体前後方向への移動を案内するガイドレ
ール5を、各溶接ロボット群A,B,C,D毎に共通のものと
しているので、溶接ロボット群を構成する各溶接ロボッ
ト7の移動範囲を相互の干渉を避けつつ広くとれ、作業
分担の自由度が増すとともに、溶接ロボット群を構成す
る二台または三台の溶接ロボット7の基準位置が共通と
なって、それらの相互の位置精度を容易に向上させるこ
とができる。
また、上記実施例の車体スポット溶接装置では、溶接
ロボット群A,B,C,Dを構成する各溶接ロボット7が、車
体の前部、中央部の車室まわり、後部のうち何れか一つ
の範囲内でそれぞれ移動して、スポット溶接の増し打ち
作業を分担しているので、各溶接ロボット群を構成する
溶接ロボット7の相互の干渉を極めて容易に防止するこ
とができる。
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の
例に限定されるものでなく、例えばスポット溶接の増し
打ち点数に応じて、各溶接ロボット群を構成する溶接ロ
ボットの台数を増減し、例えば上記実施例において溶接
ロボット群A,Cをそれぞれ二台の溶接ロボット7で構成
して、合計16台で、37秒間に約290点のスポット溶接を
行う、というようにしても良い。
さらに、溶接ロボット群の数をこの発明に基づき、所
要に応じて増減することもできる。
(発明の効果) かくしてこの発明の方法によれば、一箇所の増し打ち
工程にて、作業の原点を共有する複数の溶接ロボット群
が車体前後方向と直交する方向へ互いに離間して位置す
るとともに各溶接ロボット群の複数の溶接ロボットが車
体前後方向へ移動するので、多数の溶接ロボットが、ロ
ボット群間で移動範囲がほとんどもしくは全く重なり合
わないように増し打ち作業を分担でき、それゆえ一箇所
の増し打ち工程に多数の溶接ロボットを高密度に配置し
ても、容易に溶接ロボット群同士の相互の干渉を避けつ
つ打点効率を維持することができ、このことにより、車
体組立ラインのスペース効率を高めることができると同
時に、それら多数の溶接ロボットの作動の原点(基準位
置)を容易に一箇所に統一し得て車体全体での高い増し
打ち位置精度を容易に確保することができ、しかも、仮
組みした車体に対し一箇所の増し打ち工程での一回の位
置決めで多数の部位へのスポット溶接の増し打ちを行え
るので、増し打ち工程間の搬送時の車体パネルのスプリ
ングバックによる骨格精度低下を最小限に留め得て、こ
の点でも車体全体での高い増し打ち位置精度を容易に確
保することができる。
そしてこの発明の装置によれば、上記したこの発明の
方法の作用効果をもたらすことができる。
なお、複数の溶接ロボット群を、車体上方に位置する
溶接ロボット群と、車体左右側方にそれぞれ位置する溶
接ロボット群と、車体下方に位置する溶接ロボット群
と、を含むものとすれば、複数の溶接ロボット群が、仮
組みした車体に対し、車体前後方向と直交する方向へ互
いに離間して、車体上方と車体左右側方と車体下方とか
らそれぞれ作業することができるので、一箇所の増し打
ち工程に多数の溶接ロボットを高密度に配置しても、容
易に溶接ロボット群同士の相互の干渉を避けつつ打点効
率を維持することができる。
また、複数の溶接ロボット群を、一箇所の増し打ち工
程に設定された共通のフレームに設けることとすれば、
それらの溶接ロボット群間で溶接ロボットの作動の原点
を容易に一箇所に統一することができるようになるとと
もに、当該車体スポット溶接増し打ち装置を一旦分解し
た後に他の場所で再度組み立てた場合でも複数の溶接ロ
ボット群相互間の位置精度を容易に再現し得て当該装置
のノックダウン組み立てを容易にならしめることができ
る。
さらに、各溶接ロボット群毎に、上記共通のフレーム
に設けられて、そのロボット群を構成する複数の溶接ロ
ボットの車体前後方向への移動を案内する共通の案内手
段を具えるものとすれば、各溶接ロボット群を構成する
複数の溶接ロボットの、作業分担の自由度と相互の位置
精度とを容易に向上させることができる。
さらに、各溶接ロボット群を構成する各溶接ロボット
を、車体前部、車体中央部、車体校部のうち何れか一つ
の範囲内で移動するものとすれば、各溶接ロボット群を
構成する複数の溶接ロボットの相互の干渉防止をさらに
容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の車体スポット溶接装置の一実施例を
示す正面図、 第2図はその実施例の装置の、第1図のII−II線に沿う
横断面図、 第3図はその実施例の装置の、第1図のIII−III線に沿
う縦断面図、 第4図は従来の車体組立ラインを示す説明図である。 1……車体、2……フレーム 5……ガイドレール、7……溶接ロボット A,B,C,D……溶接ロボット群

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体組立ラインの、仮組み工程の後の増し
    打ち工程にて、仮組みされた車体の多数の部位へのスポ
    ット溶接の増し打ちを行うに際し、 一箇所の前記増し打ち工程に、各々車体前後方向へ移動
    するとともに作動の原点を共有する複数の溶接ロボット
    からなる溶接ロボット群を複数、車体前後方向と直交す
    る方向へ互いに離間させて配置しておき、 前記複数の溶接ロボット群により前記増し打ちを行うこ
    とを特徴とする、車体スポット溶接増し打ち方法。
  2. 【請求項2】車体組立ラインの、仮組み工程の後の一箇
    所の増し打ち工程に設置される車体スポット溶接装置に
    おいて、 各々車体前後方向へ移動するとともに作動の原点を共有
    する複数の溶接ロボット(7)からなる溶接ロボット群
    を複数(A,B,C,D)、車体前後方向と直行する方向へ互
    いに離間させて具えることを特徴とする、請求項1記載
    の車体スポット溶接増し打ち方法に用いられる車体スポ
    ット溶接装置。
  3. 【請求項3】前記複数の溶接ロボット群は、 車体上方に位置する溶接ロボット群(A)と、 車体左右側方にそれぞれ位置する溶接ロボット群(B,
    C)と、 車体下方に位置する溶接ロボット群(D)と、 を含むことを特徴とする、請求項2記載の車体スポット
    溶接装置。
  4. 【請求項4】前記複数の溶接ロボット群は、前記一箇所
    の増し打ち工程に設置された共通のフレーム(2)に設
    けられることを特徴とする、請求項2もしくは3記載の
    車体スポット溶接装置。
  5. 【請求項5】前記各溶接ロボット群毎に、前記フレーム
    (2)に設けられて、そのロボット群を構成する複数の
    溶接ロボットの車体前後方向への移動を案内する共通の
    案内手段(5)を具えることを特徴とする、請求項4記
    載の車体スポット溶接装置。
  6. 【請求項6】前記各溶接ロボット群を構成する各溶接ロ
    ボットの移動範囲は、車体前部、車体中央部、車体後部
    のうち何れか一つの範囲内であることを特徴とする、請
    求項2から5までの何れか記載の車体スポット溶接装
    置。
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