JP2745639B2 - オキシチタニウムフタロシアニン結晶の製造方法 - Google Patents

オキシチタニウムフタロシアニン結晶の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はオキシチタニウムフタロシアニン結晶の製造
方法に関し、特に電子写真用感光体に適した特定のX線
回折スペクトルを示すオキシチタニウムフタロシアニン
結晶の新規な製造方法に関する。
<従来の技術> オキシチタニウムフタロシアニンの結晶型には、製造
条件によって準安定なα型と安定なβ型が存在すること
はつとに知られるところである。そしてこれらのオキシ
チタニウムフタロシアニンの結晶型が機械的ひずみ、有
機溶剤および熱の影響下に、相互に結晶型が転移するこ
とも知られている。例えばα型のオキシチタニウムフタ
ロシアニンはN−メチルピロリドン等の有機溶剤中で加
熱することによりβ型に転移する。
また、α型のオキシチタニウムフタロシアニンを水性
懸濁液となし、これに芳香族炭化水素溶剤を添加し加熱
処理することによって、X線回折スペクトルにおいてブ
ラッグ角(2θ)27.3゜に強いピークを示すα型にもβ
型にも分類されない結晶型のオキシチタニウムフタロシ
アニンが得られ、かかる結晶型のオキシチタニウムフタ
ロシアニンが光ディスク用記録材料への応用が期待され
る等有用なものであることが特開昭63−20365号公報に
記載されている。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は従来知られていなかった新規な方法で、電子
写真用感光体等の用途に有用なオキシチタニウムフタロ
シアニン結晶型を製造する工業的有利な製造方法を提供
することを目的とするものである。
<課題を解決するための手段> 本発明の要旨は、オキシチタニウムフタロシアニンを
脂肪族カルボン酸溶媒中、硫酸またはR・SO3H(式中、
Rは置換基を有していてもよい脂肪族または芳香族の残
基を表わす。)で表わされるスルホン化物とともに機械
的摩砕処理してX線回折スペクトルにおいてブラッグ
(2θ±0.2゜)27.3゜に主たる回折ピークを示す結晶
を取得することを特徴とするオキシチタニウムフタロシ
アニン結晶の製造方法に存する。
(作 用) 以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明方法の原料とするオキシチタニウムフタロシア
ニンはα型、β型または他のいずれの結晶型でもよく、
非晶質のものを用いてもよい。
用いられる脂肪酸カルボン酸としては、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、吉草酸等が挙げられる。好ましくは酢酸
であり、用いる量は原料とするオキシチタニウムフタロ
シアニンに対し10倍〜100倍(重量比)であり、好まし
くは20倍〜50倍である。
また、R・SO3Hで表わされるスルホン化物としては、
例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパン
スルホン酸、ブタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸類
および下記式で表わされる芳香族スルホン酸類等が挙げ
られる。
(式中、R1、R2は水素原子;水酸基;ニトロ基;メチル
基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;メトキシ
基、エトキシ基等のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原
子、臭素原子等のハロゲン原子;カルボキシル基;シア
ノ基;アミノ基;ジメチルアミノ基等が挙げられる。)
で中もトルエンスルホン酸が好適である。用いる量はオ
キシチタニウムフタロシアニンに対し1.5倍モル〜15倍
モルであり、好ましくは3倍モル〜5倍モルである。
機械的摩砕処理の方法は、分散媒中の懸濁物を充分に
摩砕し得る方法ならいかなる方法でも採用可能で、具体
的にはペイントシェーカー又はサンドグラインダーミル
等により行うのが適当である。該摩砕処理は、目的の結
晶型のオキシチタニウムフタロシアニンが確実に得られ
る範囲で行えばよく、ペイントシェーカー又はサンドグ
ラインダーミルを用いる場合、工業的には1〜5時間行
えば充分である。
尚、本発明において「主たる回折ピーク」とは、その
X線回折スペクトルにおける強度が一番強い(高い)ピ
ークを指す。
又、本発明方法によって得られたオキシチタニウムフ
タロシアニン結晶の粉末X線スペクトルの例を第1図、
第4図に示す。電子写真感光対に用いるには、ブラッグ
角(2θ±0.2゜)27.3゜の回折ピークが主たるピーク
であり、そのピーク以外は細かい条件によって種々ふれ
るが、第1図及び第4図の様に27.3゜のピーク強度に対
していずれのピークもその強度(ピーク高さの比較)が
50%以下であるスペクトルを示すオキシチタニウムフタ
ロシアニン結晶が帯電性、感度等の点から好ましい。
<実 施 例> 次に本発明を実施例と応用例により更に具体的に説明
するが、本発明はその要旨をこえない限り以下の実施例
に限定されるものではない。
実施例1 β型オキシチタニウムフタロシアニン2.0gに、p−ト
ルエンスルホン酸1.0gおよび酢酸10mlを加えペイントシ
ェーカーで4時間摩砕した。過後、物を水洗し、メ
タノール懸洗して得られたオキシチタニウムフタロシア
ニン(収量1.8g)のX線回折スペクトル(第1図)は、
α型およびβ型オキシチタニウムフタロシアニンのスペ
クトル(第2、3図)とは異なり、ブラッグ角(2θ±
0.2゜)27.3゜に主たるピークを示すものであった。
実施例2 β型オキシチタニウムフタロシアニン2.0gに、メタン
スルホン酸0.5gおよび酢酸10mlを加え、ペイントシェー
カーで4時間摩砕した。過後、物を水洗し、メタノ
ール懸洗して得られたオキシチタニウムフタロシアニン
(収量1.6g)のX線回折スペクトルを第4図に示す。
実施例3 溶媒およびスルホン化物として表に記載したものを用
いる以外実施例1および実施例2と全く同様にしたとこ
ろ、いずれもX線回折スペクトルにおいてブラッグ角
(2θ±0.2゜)27.3゜に主たるピークを示すオキシチ
タニウムフタロシアニンが得られた。
応用例1 実施例1で製造したオキシチタニウムフタロシアニン
結晶0.4g、ポリビニルブチラール0.2gを4−メトキシ−
4−メチル−2−ペンタノン30gと共に、サンドグライ
ンダーで分散し、この分散液をポリエステルフィルム上
に蒸着したアルミ蒸着層の上にフィルムアプリケータに
より乾燥膜厚が0.3g/m2となる様に塗布、乾燥し、電荷
発生層を形成した。
この電荷発生層の上に、N−メチル−3−カルバゾー
ルカルバルデヒドジフェニルヒドラゾン90部、ポリカー
ボネート樹脂(三菱ガス化学社製、商品名ユーピロンE
−2000)100部からなる膜厚17μmの電荷移動層を積層
し、積層型の感光層を有する電子写真感光体を得た。
この感光体の感度として半減露光量(E1/2)を静電複
写紙試験装置(川口電機製作所製モデルSP−428)によ
り測定した。すなわち、暗所でコロナ電流が50μAにな
る様に設定した印加電圧によるコロナ放電により感光体
を負帯電し、次いで0.125μW/cm2の強度を持つ775nmの
単色光により露光し表面電位が−500Vから−250Vに半減
するのに要した露光量(E1/2)を求めたところ0.23μJ/
cm2であった。
この時の感光体の帯電圧(初期表面電位)は667Vであ
り露光10秒後の表面電位(残留電位)は−9Vであった。
応用例2 用いるオキシチタニウムフタロシアニン結晶を実施例
2で製造された結晶とおきかえた以外は、前記応用例1
と全く同様にしたところ測定された半減露光量(E1/2)
は0.27μJ/cm2であった。
(発明の効果) 本発明方法によれば、ブラッグ角(2θ±0.2度)27.
3度に主たる回折ピークを有するオキシフタロシアニン
結晶を一段階の処理で収率よく得ることができる等工業
的有利に製造可能である。
又、この様にして得られるオキシチタニウムフタロシ
アニン結晶を電荷発生材料として用いる電子写真用感光
体は、高感度で、残留電位が低く帯電性が高く、かつ、
繰返しによる変動が小さく、特に、画像濃度に影響する
帯電安定性が良好であることから、高耐久性感光体とし
て用いることができる。又750〜800nmの領域の感度が高
いことから、特に半導体レーザプリンタ用感光体に適し
ている。
【図面の簡単な説明】
第1図および第4図は、実施例1および実施例2で得ら
れた本発明の結晶型オキシチタニウムフタロシアニンの
X線回折スペクトルを示す。第2図および第3図はそれ
ぞれ公知のα型およびβ型オキシチタニウムフタロシア
ニンのX線回折スペクトルを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オキシチタニウムフタロシアニンを脂肪族
    カルボン酸溶媒中、硫酸またはR・SO3H(式中、Rは置
    換基を有していてもよい脂肪族または芳香族の残基を表
    す。)で表されるスルホン化物とともに機械的摩砕処理
    してX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.
    2゜)27.3゜に主たる回折ピークを示す結晶を取得する
    ことを特徴とするオキシチタニウムフタロシアニン結晶
    の製造方法。
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KR100528734B1 (ko) * 2003-10-08 2006-01-10 (주)프탈로스 옥시티타늄 프탈로시아닌 전하발생물질의 제조방법 및이로부터 제조된 새로운 결정형의 옥시티타늄프탈로시아닌 전하발생물질
JP5106053B2 (ja) * 2007-11-09 2012-12-26 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 積層型電子写真感光体及び積層型電子写真感光体の製造方法

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