JP2745444B2 - インキ濡れ性調整材 - Google Patents

インキ濡れ性調整材

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JP2745444B2
JP2745444B2 JP6025872A JP2587294A JP2745444B2 JP 2745444 B2 JP2745444 B2 JP 2745444B2 JP 6025872 A JP6025872 A JP 6025872A JP 2587294 A JP2587294 A JP 2587294A JP 2745444 B2 JP2745444 B2 JP 2745444B2
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JP
Japan
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ink
barrel
wettability
oligomer
shaft cylinder
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JP6025872A
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JPH07214974A (ja
Inventor
彰 大達
聖二 貞弘
正子 河野
Original Assignee
セーラー万年筆株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インキ濡れ性調整材に
関し、更には、インキを軸筒内に直接充填した直液式筆
記具の軸筒内面のインキの濡れ性を調整するために好適
に使用されるインキ濡れ性調整材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】直液式筆記具は、インキを軸筒内に直接
充填し、インキの尾端部に逆流防止剤を配置している。
そして、インキが消費されるにともなって逆流防止剤が
前進するが、軸筒を透明樹脂で成形すると、インキの残
量を目視にて確認することができる。
【0003】従来は、軸筒用の透明樹脂としてポリプロ
ピレンを使用してきたが、ポリプロピレンはインキの濡
れ性が比較的低く、インキが消費されるにともなって逆
流防止剤が前進するとき、インキが軸筒内面に付着して
残留することがなく、かつ尾端部のインキ境界線もシャ
ープに表れる。
【0004】しかし一方で、ポリプロピレンは、透明性
が低いため、軸筒内のインキの色がぼんやりとしか見え
ず、製品の外観が好ましくない不具合がある。このた
め、最近では、軸筒用の透明樹脂として、ポリエチレン
テレフタレート樹脂が使用されるようになった。ポリエ
チレンテレフタレート樹脂は、透明性がきわめて高く、
軸筒内のインキの色が鮮明に見え、美しい外観の直液式
筆記具を得ることが出来る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂は、インキの濡れ性がきわめ
て良く、インキが消費されるにともなって逆流防止剤が
前進するとき、インキが軸筒内面に付着して残留しやす
く、この残留インキによって軸筒が汚れて見え、尾端部
のインキ境界線もシャープに表れない不具合がある。こ
のため、例えばワセリンや各種のワックスなどを軸筒の
内面に塗布してインキの濡れ性を調整することが試みら
れているが、満足できる結果は得られていないのが実情
である。
【0006】そこで本発明は、軸筒をポリエチレンテレ
フタレート樹脂のように、インキの濡れ性がきわめて良
い透明樹脂で成形した直液式筆記具の軸筒の内面に塗布
することによって、インキの濡れ性を良好に調整でき、
インキが消費されるにともなって逆流防止剤が前進する
とき、インキが軸筒内面に付着して残留することがな
く、かつ尾端部のインキ境界線もシャープに表れるよう
になるインキ濡れ性調整材を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明者らは、インキ濡れ性調整材として配合す
る材料を種々検討した結果、基材として疎水性のポリブ
テンを使用し、これに膜形成成分としてポリプロピレン
オリゴマーおよびポリエチレンオリゴマーを配合してワ
ックス化することが有効であることを見出して本発明を
完成したものである。
【0008】
【作用】すなわち、基材として疎水性のポリブテンを使
用するが、ポリブテンは液状高分子であり、膜形成成分
として使用するポリプロピレンオリゴマーの分散媒体と
しての役割を果たす。ポリプロピレンオリゴマーは、そ
の固形分中の主成分が軸筒の内面に塗布した塗布膜内に
均一に分散してインキの濡れ性を好適に調整する。ま
た、ポリエチレンオリゴマーは、配合材を溶融混合した
後に放冷してワックス化したときの硬度を調整する役割
を果たす。
【0009】ポリプロピレンオリゴマーの添加量は、全
体を100部としたとき、5〜50部程度、好ましくは
10〜30部が良い。ポリエチレンオリゴマーの添加量
は、0.5〜10部程度、好ましくは1〜5部が良い。
そして、ポリブテンの添加量は、その残部とする。
【0010】
【実施例】配合例を次に示す。 ポリブテン10H−T 68部 (出光石油化学社製ポリブテン) ビスコール660−P 30部 (三洋化成工業社製ポリプロピレンオリゴマー) サンワックス171−P 2部 (三洋化成工業社製ポリエチレンオリゴマー)
【0011】ポリブテン10H−Tを680g、100
0mlビーカーに入れて撹拌しながら加熱し、液温を約
140℃にする。これにビスコール660−Pとサンワ
ックス171−Pをそれぞれ300gおよび20g添加
し、同じく撹拌しながら加熱し、溶融混合させる。その
後、室温に放冷してワックス化し、インキ濡れ性調整材
を得た。
【0012】このインキ濡れ性調整材を、インキの濡れ
性がきわめて良いポリエチレンテレフタレート樹脂製の
軸筒の内面に薄く塗布した。そして、水性インキをこの
軸筒内に充填し、直液式水性ボールペンを組み立てた。
また、比較例として、ワセリンを同じくポリエチレンテ
レフタレート樹脂製の軸筒の内面に薄く塗布し、直液式
水性ボールペンを組み立てた。
【0013】かかる直液式水性ボールペンで筆記したと
ころ、前記のインキ濡れ性調整材を塗布したものは、イ
ンキが軸筒内面に付着して残留することがなくてインキ
がきわめて鮮明に見え、かつ尾端部のインキ境界線もシ
ャープに表れ、綺麗に筆記することができた。これに対
してワセリンを塗布したものは、インキが軸筒内面に幾
分付着して残留し、この残留インキによって軸筒が汚れ
て見え、尾端部のインキ境界線もシャープに表れなかっ
た。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインキ濡
れ性調整材は、基材として疎水性のポリブテンを使用
し、これに膜形成成分としてポリプロピレンオリゴマー
およびポリエチレンオリゴマーを配合してワックス化す
るので、軸筒をポリエチレンテレフタレート樹脂のよう
に、インキの濡れ性がきわめて良い透明樹脂で成形した
直液式筆記具の軸筒の内面に塗布することによって、イ
ンキの濡れ性を良好に調整でき、インキが消費されるに
ともなって逆流防止剤が前進するとき、インキが軸筒内
面に付着して残留することがなくて軸筒が汚れない。従
って、透明性の良い軸筒内のインキをきわめて鮮明に見
ることができ、かつ尾端部のインキ境界線もシャープに
表れるようになる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材のポリブテンに膜形成成分としてと
    ポリプロピレンオリゴマーおよびポリエチレンオリゴマ
    ーを配合してワックス化したことを特徴とするインキ濡
    れ性調整材。
JP6025872A 1994-01-31 1994-01-31 インキ濡れ性調整材 Expired - Lifetime JP2745444B2 (ja)

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JPH07214974A JPH07214974A (ja) 1995-08-15
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