JP2744476B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、
特にマイクロコンピュータや、ゲートアレイ等の多電
極、狭ピッチのLSIチップ(半導体素子)の実装に関す
るものである。
〔従来の技術〕
半導体装置の典型的な従来の技術を第3図とともに説
明する。
まず、第3図(a)に示すように、セラミック,ガラ
ス等よりなる絶縁性の配線基板14の導体配線15を有する
面の半導体素子接続部位に、絶縁性樹脂13を塗布する。
導体配線15は、Cr−Au,Al,ITO等であり、絶縁性樹脂13
は熱硬化あるいは紫外線硬化のエポキシ,アクリル等で
ある。
つぎに、第3図(b)に示すように、Au等よりなる突
起電極12を有したLSIチップ等の半導体素子11を、突起
電極12と導体配線15が整合するように配線基板14の絶縁
性樹脂13が塗布された領域に設置し、加圧ツール16にて
半導体素子11を配線基板14に対して加圧する。このと
き、半導体素子11の突起電極12は金属であるため塑性変
形し、絶縁性樹脂13は周囲に押し出され、半導体素子11
の突起電極12と導体配線15とは電気的に接触する。
つぎに、加圧ツール16で半導体素子11を配線基板14に
対して加圧した状態で、絶縁性樹脂13を硬化させ、その
後第3図(c)に示すように、加圧ツール16を除去す
る。このとき、半導体素子11は配線基板14に絶縁性樹脂
13により固着されるとともに、半導体素子11の塑性変形
された突起電極12と導体配線15は接触により電気的に接
続される。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述した従来の技術では、半導体素子11の突起電極12
塑性変形させているため、半導体素子11を固着している
絶縁性樹脂13が熱膨張した際に、突起電極12と導体配線
15との間に隙間が生じて電気的な接続不良が生じ、耐熱
性の低いものである。
また、金属製の突起電極12の変形を極力小さくして弾
性変形にとどめておき、絶縁性樹脂13の熱膨張に突起電
極12と変形を追従させる方法もあるが、変形量が非常に
小さいため、突起電極12の高さのばらつきや、配線基板
14の平面度の影響により接続歩留りが非常に低いもので
ある。
〔課題を解決するための手段〕
前記課題を解決するために、本発明の半導体装置は、
半導体素子上に設けられた電極と、その電極を除いて半
導体素子の表面に設けられた保護膜と、電極上に設けら
れた突起電極とを有した半導体装置であって、突起電極
は弾性を有する突起状の絶縁体からなる突起電極核と、
突起電極核を覆った金属層とよりなり、その金属層は電
極にのみ接続して突起電極核を覆っているものである。
また、本発明の半導体装置は、導体配線を有する絶縁
性の配線基板と、配線基板の導体配線を有する面に対し
て絶縁性樹脂を介して固定された半導体素子とよりなる
半導体装置であって、半導体素子は、電極と、その電極
を除いて設けられた保護膜と、電極上に弾性を有する突
起状の絶縁体からなる突起電極核と電極にのみ接続して
突起電極核を覆っている金属層とよりなる突起電極とを
有し、配線基板上の導体配線に対して、半導体素子上の
突起電極の突起電極核が弾性変形して金属層が弾性接触
しているものである。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、導体配線を
有する絶縁性の配線基板に対して、その導体配線を含む
領域に絶縁性樹脂を塗布する工程と、 電極と、その電極を除いて設けられた保護膜と、電極
上に弾性を有する突起状の絶縁体からなる突起電極核と
電極にのみ接続して突起電極核を覆っている金属層とよ
りなる突起電極とを有した半導体素子を、配線基板の絶
縁性樹脂が塗布された領域に突起電極と導体配線とが整
合するように設置する工程と、 突起電極核が弾性変形状態になるように半導体素子を
配線基板に対して加圧し、突起電極の金属層と配線基板
の導体配線とを弾性接触させる工程と、 半導体素子を加圧した状態で、絶縁性樹脂を硬化させ
る工程とを含んでいる。
〔作用〕
この発明によれば、半導体素子の突起電極が弾性を有
する突起状の絶縁体からなる突起電極核と、突起電極核
の上面から半導体素子の配線に及び配線に電気的に接続
された金属層とで構成しているので、突起電極の弾性変
形量を十分に大きくすることができる。
したがって、配線基板の半導体素子を固定して、半導
体素子の突起電極と配線基板の導体配線の電気的接続を
得る場合において、半導体素子を配線基板に対して加圧
した状態で絶縁性樹脂を硬化させることで、突起電極の
突起電極核が弾性変形して金属層が配線基板の導体配線
に弾性接触した状態になる。
このため、仮に半導体素子固定用の絶縁性樹脂が膨張
し、絶縁性樹脂の寸法変化が生じても突起電極の弾性復
元により、導体配線と突起電極は常に接触した像体を保
持するものである。
また、突起電極の変形量を大きくした場合でも、弾性
変形状態を保っているため、高い接続歩留りを得ること
ができるものである。
さらに、突起電極の金属層は電極にのみ接続して突起
電極核を覆っているので、絶縁体からなる突起電極核が
弾性変形した際、その弾性応力によって突起電極核を覆
っている金属層が剥がれたり、また半導体素子上の保護
膜や電極の破壊などを防止し、基板実装時の接続の信頼
性、安定性を得ることができる。
また、配線基板に対して半導体素子を突起電極を介し
て接合した実装構造においても、突起電極の突起電極核
を覆っている金属層がその台座部である半導体素子の電
極にのみ接して突起電極核を覆っているので、半導体素
子と配線基板とを絶縁樹脂を介して突起電極で接合した
際、その突起電極が配線基板の平面度を吸収して確実に
接合できることはもとより、絶縁樹脂が熱膨張しても突
起電極は容易に弾性復元し、突起電極と基板上の配線と
は常に接触した状態を保つことができるとともに、絶縁
樹脂の熱膨張によっても突起電極核を覆っている金属層
が応力によって引っ張られて剥がれるようなことはなく
なり、接続の安定性を維持できる。また、半導体装置の
製造方法においても同様である。
〔実施例〕
この発明の一実施例を第1図および第2図を参照して
説明する。第1図で突起電極の形成方法をについて述
べ、第2図でこの発明の突起電極を有する半導体素子の
配線基板への接続方法について述べる。
最初に、第1図に基づいて半導体素子への突起電極の
形成方法について説明する(請求項(2)に対応す
る)。
まず、第1図(a)に示すように、配線を構成するAl
電極23および保護膜21が形成された半導体ウェハ20に、
シリコンゴム,ブタジエンゴム等の硬化後に弾性体とな
る絶縁性樹脂22を塗布し、硬化させる。絶縁性樹脂22の
塗布厚は5〜15μm程度である。硬化の方法は、熱硬化
あるいは紫外線硬化を用いる。
つぎに第1図(b)に示すように、Al電極23上の一部
の絶縁性樹脂22を残し、他の領域の絶縁性樹脂22は除去
することで、弾性を有する突起状の絶縁体からなる突起
電極核24を得る。絶縁性樹脂22の除去は、フォトリソ技
術を用い、フォトレジストでパターンニングした後、ド
ライエッチング等により除去する。また、絶縁性樹脂22
に感光性のシリコンゴム等を用いることにより、直接絶
縁性樹脂22にフォトマスクを介して露光し、現像するこ
とにより、簡単な工程で突起電極核24を得ることができ
る。
つぎに、第1図(c)に示すように、半導体ウェハ20
上に、Cr−Au,Ti−Pd−Au等からなる金属膜25′を、蒸
着あるいはスパッタリング等により表面全面に形成す
る。
つぎに、フォトリソ技術を用い、第1図(d)に示す
ように、不要部の金属膜25′を除去し、金属層25を突起
電極核24の上面からAl電極に渡る範囲で残して突起電極
26を得る。この場合、金属層25は、Al電極23に電気的に
接続されている。
なお、以上のようにして突起電極26が形成された半導
体ウェハ20を各区画毎に切断して分離すると、各々LSI
チップなどの半導体素子となり、これが配線基板に搭載
される。
つぎに第2図を用い、前述した突起電極26を有した半
導体素子の配線基板への接続方法について説明する(請
求項(4)に対応する)。
まず、第2図(a)に示すように、ガラス,セラミッ
ク等よりなり、導体配線29を有した絶縁性の配線基板30
の導体配線29を含む領域(半導体素子接続部位)に絶縁
性樹脂28を塗布する。配線基板30の厚みは、0.1〜2.0mm
程度である。導体配線29は、Cr−Au,Al,ITO等であり、
その厚みは0.1〜10μm程度である。絶縁性樹脂28は例
えばアクリル,エポキシ等の光硬化型であり、塗布はデ
ィスペンサ,印刷等を用いる。
つぎに、第2図(b)に示すように、前述した弾性を
有する突起電極核24と金属層25とからなる突起電極26を
有した半導体素子27を、突起電極26と導体配線29が整合
するように配線基板30の絶縁性樹脂28が塗布された領域
に設置する。突起電極26の厚みは5〜15μm程度であ
り、その寸法は3μm□〜50μm□程度である。つい
で、突起電極26が弾性変形状態になるように、加圧ツー
ル31にて半導体素子27を配線基板30に対して加圧する。
加圧力は、0.5g/電極〜5g/電極程度である。このとき、
絶縁性樹脂28は周囲に押し出され、半導体素子27の突起
電極26の金属層25と導体配線29は電気的に弾性接触す
る。
この時、突起電極26は、ゴム状の弾性体である突起電
極核24を有しているため、小さい加圧力で容易に変形
し、その弾性変形量が大きく、突起電極26の厚みのばら
つきや、配線基板30の平面度を吸収し、半導体素子27の
全ての突起電極26を導体配線29に容易にかつ確実に接触
させることができる。
つぎに、半導体素子27を加圧した状態で、絶縁性樹脂
28を硬化させる。硬化の方法は、例えば配線基板30がガ
ラス等の透明基板の場合は、配線基板30の裏面より紫外
線31を矢印の方向に照射する。また、セラミック等の不
透明基板の場合は、半導体素子27の側面より紫外線を照
射する。
つぎに、第2図(c)に示すように、加圧ツール31に
よる加圧を解除する。このとき、半導体素子27は配線基
板30に固着されると同時に、突起電極26と導体配線29と
は接触により電気的に接続され、その状態が保持され
る。
以上のような製造方法にて、半導体装置が製造され
る。この請求項(1)に記載した半導体装置は、半導体
素子27の表面の配線であるAl電極23上の一部に設けられ
た突起電極26を、弾性を有する突起状の絶縁体からなる
突起電極核24と突起電極核24の上面から半導体素子27の
Al電極23に及びAl電極23に電気的に接続された金属層25
とで構成している。
また、請求項(3)に記載した半導体装置は、導体配
線29を有する絶縁性の配線基板30と、 弾性を有する突起状の絶縁体からなる突起電極核24と
突起電極核24の上面から半導体素子27のAl電極23に及び
Al電極23に電気的に接続された金属層25とで構成される
突起電極26とAl電極23の一部に有し、突起電極26と配線
基板30の導体配線29とが整合するように配線基板30の導
体配線29を有する面上に位置決めした半導体素子27と、 配線基板30の導体配線29を有する面に付着されて突起
電極核24を弾性変形させて金属層25を導体配線29に電気
的に弾性接触された状態で半導体素子27を配線基板30に
固定する絶縁性樹脂28とからなる。
〔発明の効果〕
この発明では、半導体素子の突起電極が弾性を有する
突起状の絶縁体からなる突起電極核とその上面から半導
体素子の配線にわたって形成された金属層とにより構成
され、突起電極が弾性変形状態で配線基板の導体配線に
接触しているため、つぎに示す効果がある。
(1) 半導体素子を配線基板に接続した後に、半導体
素子の固着に用いた絶縁性樹脂が熱膨張しても、突起電
極は容易に弾性復元し、突起電極と配線基板の導体配線
は常に接触した状態を保ち、耐熱性が高く、信頼性が高
い。
(2) 突起電極の変形量を大きくしても、弾性変形状
態を保つことができるため、突起電極の厚みのばらつき
が大きい場合や、配線基板の平面度が無い場合でも、歩
留りよく接続することができる。
(3) 非常に小さい加圧力で、接続を行なうことがで
きるため、半導体素子の加圧時における半導体素子のそ
りや歪の発生がなく、半導体素子の特性変動がなく高品
質の半導体装置を得ることができる。
(4) 突起電極の金属層は電極にのみ接続して突起電
極核を覆っているので、絶縁体からなる突起電極核が弾
性変形した際、その弾性応力によって突起電極核を覆っ
ている金属層が剥がれたり、また半導体素子上の保護膜
や電極の破壊などを防止し、基板実装時の接続の信頼
性、安定性を得ることができる。
また、配線基板に対して半導体素子を突起電極を介し
て接合した実装構造においても、突起電極の突起電極核
を覆っている金属層がその台座部である半導体素子の電
極にのみ接して突起電極核を覆っているので、半導体素
子と配線基板とを絶縁樹脂を介して突起電極で接合した
際、その突起電極が配線基板の平面度を吸収して確実に
接合できることはもとより、絶縁樹脂が熱膨張しても突
起電極は容易に弾性復元し、突起電極と基板上の配線と
は常に接触した状態を保つことができるとともに、絶縁
樹脂の熱膨張によっても突起電極核を覆っている金属層
が応力によって引っ張られて剥がれるようなことはなく
なり、接続の安定性を維持できる。また、半導体装置の
製造方法においても同様である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の半導体装置の製造方法の一実施例を
示す工程順断面図、第2図は第1図の半導体装置の基板
への接続方法の一例を示す工程順断面図、第3図は従来
例における半導体装置の基板への接続方法を示す工程順
断面図である。 20……半導体ウェハ、21……保護膜、22……絶縁性樹
脂、23……Al電極、24……突起電極核、25……金属層、
26……突起電極、27……半導体素子、28……絶縁性樹
脂、29……導体配線、30……配線基板、31……加圧ツー

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体素子上に設けられた電極と、前記電
    極を除いて前記半導体素子の表面に設けられた保護膜
    と、前記電極上に設けられた突起電極とを有した半導体
    装置であって、 前記突起電極は弾性を有する突起状の絶縁体からなる突
    起電極核と、前記突起電極核を覆った金属層とよりな
    り、前記金属層は前記電極にのみ接続して前記突起電極
    核を覆っていることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】導体配線を有する絶縁性の配線基板と、前
    記配線基板の導体配線を有する面に対して絶縁性樹脂を
    介して固定された半導体素子とよりなる半導体装置であ
    って、 前記半導体素子は、電極と、前記電極を除いて設けられ
    た保護膜と、前記電極上に弾性を有する突起状の絶縁体
    からなる突起電極核と前記電極にのみ接続して前記突起
    電極核を覆っている金属層とよりなる突起電極とを有
    し、前記配線基板上の導体配線に対して、前記半導体素
    子上の突起電極の突起電極核が弾性変形して前記金属層
    が弾性接触していることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】導体配線を有する絶縁性の配線基板に対し
    て、その導体配線を含む領域に絶縁性樹脂を塗布する工
    程と、 電極と、前記電極を除いて設けられた保護膜と、前記電
    極上に弾性を有する突起状の絶縁体からなる突起電極核
    と前記電極にのみ接続して前記突起電極核を覆っている
    金属層とよりなる突起電極とを有した半導体素子を、前
    記配線基板の前記絶縁性樹脂が塗布された領域に前記突
    起電極と前記導体配線とが整合するように設置する工程
    と、 前記突起電極核が弾性変形状態となるように前記半導体
    素子を前記配線基板に対して加圧し、前記突起電極の金
    属層と前記配線基板の導体配線とを弾性接触させる工程
    と、 前記半導体素子を加圧した状態で、前記絶縁性樹脂を硬
    化させる工程とを含む半導体装置の製造方法。
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