JP2743001B2

JP2743001B2 - 法枠のテラスポケット施工用型枠装置及び法枠とテラスポケットとの型枠施工法

Info

Publication number: JP2743001B2
Application number: JP519489A
Authority: JP
Inventors: 英隆水上; 忠衛滝野; 和明関原
Original assignee: 岡部株式会社
Priority date: 1989-01-12
Filing date: 1989-01-12
Publication date: 1998-04-22
Anticipated expiration: 2013-04-22
Also published as: JPH02186013A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、地山や法面の崩壊防止と安定を図るための
法枠の施設にあたり、法枠に植生用のテラスポケットを
施工するための型枠装置及び法枠とテラスポケットとの
型枠施工法に関するものである。

（従来の技術）従来、急傾斜な地山や土木工事によって形成された法
面の崩壊防止や安定を図るために、地山法面に法枠を施
設することが行われている。また、法面等への植生、緑
化を図るために、法枠内に客土を入れて種子吹付け等を
行なう各種の緑化工法も実施されている。

（発明が解決しようとする課題）しかし、地山や法面が急傾斜であったり、硬質な地盤
のところでは、客土の定着が困難なため、植生層を永続
的に繊維できないという問題が生じている。そのため、
急傾斜や硬質地盤のところでは、法枠の施設だけで植生
工を施すことは殆んど行なわれていないという状態であ
る。

本発明は、このような、従来植生、緑化の困難な地山
や法面において、法枠の施設に関連して、永続的な植生
に好適なテラスポケットを、簡易かつ強固に施工するこ
とのできる型枠装置、及び法枠の施工と同時にテラスポ
ケットの施工をする法枠施工法を提供しようとするもの
で、そのテラスポケットの施設により、客土の定着性が
よく、永続した植生層の形成を図ろうとするものであ
る。

（課題を解決するための手段）次に、上記の目的を達成するための本発明の構成につ
いて、実施例に対応する第１〜15図を参照して説明する
と、請求項１の発明は、縦筋13,22と横筋12,21とを格子
状に結合すると共に、前記縦筋13,22に水平方向に回動
自在に連結筋15を取付けて形成した配筋体7,8の両側
に、その連結筋15に遊着して金網状の外型枠板9,18と内
型枠板10,19とを取付けて、偏平に折畳み可能とした正
面型枠体７及び側面型枠体8,8とをそれぞれ形成し、前
記正面型枠体７の両端に、側面型枠体8,8を結合して、
全体として平面コ字形に形成したことを特徴とするもの
である。

また、請求項２の発明は、縦筋13,22と横筋12,21とを
格子状に結合すると共に、前記縦筋13,22に水平方向に
回動自在に連結筋15を取付けて形成した配筋体7,8の両
側に、その連結筋15に遊着して金網状の外型枠板9,18と
内型枠板10,19とを取付けて、偏平に折畳み可能とした
正面型枠体７及び側面型枠体8,8とよりなる型枠装置を
使用し、その正面型枠体７を、その内外型枠板9,10の下
端を法枠構造物Ａの横方向枠部材１の埋込型枠４に結合
して立設すると共に、側面型枠体8,8を法枠構造物Ａの
縦方向枠部材２に、結合して立設し、それら各型枠体7,
8,8の配筋体7,8の縦筋13,22の下部を埋込型枠４内に突
入して係着し、各型枠体7,8,8を互に結合した後、上記
型枠装置及び埋込型枠４にコンクリートを打設し、それ
らをコンクリート中に埋設することを特徴とするもので
ある。

（作用）上記のように構成した本発明装置では、正面型枠体７
及び側面型枠体８は、各配筋体11,20の連結筋15,15の縦
筋13,22及び型枠板9,10,18,19に対する回動によって、
第４図、第８図に示すような拡開した使用状態と第５
図、第９図に示すような偏平にした折畳み状態とにする
ことができる。したがって、輸送や施工場所への搬入に
あたっては、両型枠体8,9ともそれぞれ偏平に折畳み、
施工場所において第４図、第８図に示すように拡開して
設置する。そして、両型枠体7,8は連結具25,26を用いて
互に結合する。装置の設置後は、両型枠体7,8間にコン
クリート類を打設し、それらをコンクリート中に埋設す
るのである。

また、本発明の工法では、法枠構造物Ａの埋込型枠４
を設置した際に上記型枠装置を設置し、法埋込型枠４へ
のコンクリート打設と同時に上記型枠装置へのコンクリ
ート打設を行なうのである。

（実施例）以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明
する。

まず、第15図において、Ａはコンクリートによる法枠
構造物で、断面ほぼ方形状とした横方向枠部材１と縦方
向枠部材２との多数を格子状に配列した形で施設されて
おり、それによって各枠部材1,1,2,2とに囲まれた多数
の凹んだ枠状部3,3が形成されている。そして、枠状部
３のうち、植生をしようとするところに、植生のための
テラスポケットＢを施設するのであって、本発明はテラ
スポケットＢの施設を、法枠構造物Ａの施設と同時に、
既設の法枠構造物Ａに対して施設するに適したものであ
る。

法枠構造物Ａは、第１図、第２図に示すように、横方
向枠部材１、縦方向枠部材２とも、網状の埋込型枠４を
箱状に組み付け、その中に主筋５及び連結筋６を配して
設置し、それらを打設したコンクリート中に埋設して施
設するのである。本発明の型枠装置は、この設置した埋
込型枠４及び主筋５等に結合して設置し、それへのコン
クリートの打設を、法枠構造物Ａへのコンクリート打設
と共に行なうことができ、また、既設の法枠構造物Ａに
対しても設置できる。

本発明の型枠装置は、テラスポケットＢの前壁部b
₁（第15図参照）を形成するための正面型枠体７と、側
壁部b₂、b₂（第15図参照）を形成するための側面型枠体
８とを備え、それらはいずれもコンクリート類中に埋設
するものである。

正面型枠体７は、第１〜６図に示すように、外型枠板
９と内型枠板10と、配筋体11とよりなる。前記両型枠板
9,10は、線材を縦横に結合して形成した金網板を使用
し、外型枠板９は長方形に形成され、内型枠板10は、外
型枠板９より巾狭くそして外型枠板９より丈長に形成さ
れている。また、配筋体11は、第６図に示すように、横
筋12,12と下部に主筋５等に係着する延長部14を設けた
縦筋13,13とを格子状に結着して全体に四角形状とし、
その横筋12,12と縦筋13,13との交差部に、両端部に鉤部
16,16を設けた連結筋15を、その中央部に設けた環部17
を係合して、水平方向に回動自在に設けた構造となって
いる。そして、第３〜５図に示すように、この配筋体11
の両側に前記両型枠板9,10を配置し、その縦筋を各連結
筋15の鉤部16,16に掛止めて遊着するのである。それに
より正面型枠体７は、第４図に示すように、連結筋15,1
5を横筋12と直交するように開いたセット状態と、第５
図に示すように、連結筋15,15を倒伏した偏平な折畳み
状態とにすることができるのである。なお、既設の法枠
構造物Ａに対する施工においては、縦筋13の延長部14は
設けなくてもよい。

側面型枠体８は、第７〜10図に示すように、外型枠板
18と内型枠板19と、配筋体20とよりなる。前記両型枠板
18,19は、線材を縦横に結合して形成した金網状を使用
し、ほぼ横長の三角形に形成され、外型枠板18は内型枠
板19より横長に形成されている。また、配筋体20は、第
10図に示すように、横筋21,21と下部に主筋５等に係着
する延長部23を設けた縦筋22,22を格子状に結着して全
体にほぼ横長の三角形状とし、その横筋21,21と縦筋22,
22との交差部に、両端部に鉤部16,16を設けた連結筋15
を、その中央部に設けた環部17を係合して、水平方向に
回動自在に設けた構造となっている。そして、前記の型
枠体８と同様に、第７〜９図に示すように、この配筋体
20の両側に前記両型枠板18,19を配置し、その縦筋を各
連結筋15の鉤部16,16に掛止めて遊着するのである。そ
れにより側面型枠体８は、第８図に示すような、連結筋
15,15を横筋12と直交するように開いたセット状態と、
第９図に示すような、連結筋15,15を倒伏した偏平な折
畳み状態とにすることができるのである。この側面型枠
体８も、既設の法枠構造物Ａを対象とする場合は、縦筋
22の延長部23は設けなくてもよい。

本発明型枠装置は、前記の正面型枠体７と側面型枠体
8,8とを互にそれらの端部において結合し、全体として
平面コ字状に形成し、法枠構造物Ａの埋込型枠４や主筋
５等に結合立設して使用するのである。即ち、第４図、
第８図に示すように、正面型枠体７及び側面型枠体8,8
を拡開状態とし、それぞれ、外型枠板9,18及び内型枠板
10,19を接続する。

正面及側面の外型枠板9,18の接続には、第11図に示す
ような連結金具25を使用する。この金具25は、Ｌ形に屈
曲すると共にその両辺中間部に外方への山形突出部28を
形成した横筋27の複数本を間隔をおいて上下に配し、そ
れらを複数本の縦筋29で結合したものである。また、正
面及び側面の外型枠板10,19の接続には、第12図に示す
ような連結金具26を使用する。この連結金具26は、その
横筋27の山形突出部28を、前記の連結金具25のものとは
反対の内方へ突出形成した以外は連結金具25と構造は同
じである。

それで、正面及び側面の外型枠板9,18を接続するに
は、第13図に示すように、連結金具25の両辺部の外側に
それぞれ両外型枠板9,18の端部を嵌合し、山形突出部2
8,28をそれら各外型枠板9,18の各網目より突出させ、そ
の突出した部分内を上下に貫通して結合ピン30,30を挿
入して、互に結合するのである。また、正面及び側面の
内型枠板10,19接続するには、第14図に示すように、連
結金具26の両辺部の内側にそれぞれ両内型枠板10,19の
端部を接合し、山形突出部28,28をそれらの各内型枠10,
19の各網目より突出させ、その突出した部分内を上下に
貫通して結合ピン30,30を挿入して、互に結合するので
ある。

正面型枠体７と側面型枠体８とは、上述のようにして
組み合され、平面コ字形となって設置し、使用するので
ある。

本発明工法は、上述した型枠装置を使用して、法枠構
造物Ａと同時にテラスポケットＢの施工を行なうもので
ある。

即ち、第１図、第２図に示すように、正面型枠体７
は、その両型枠板9,10の下端を埋込型枠４に結合して立
ち上げ、その配筋体11の縦筋13,13の延長部14,14を埋込
型枠４内に突入させて主筋５等と係着させる。この場
合、第２図に示すように、正面型枠板７と結合する部分
の埋込型枠４には、打設コンクリートの流入を円滑にす
るための孔部24を設けておくのがよい。また、側面型枠
体８はその外型枠板18の下端を縦方向枠部材b₂を形成す
る埋込型枠4,4の対向する内側上部の角部に添接して結
合し、地盤上に立ち上げ、その配筋体20の立て筋13,13
の延長部14,14を埋込型枠４内に突入して主筋５等と係
着させると共に、側面の外型枠板18を埋込型枠４に結合
する。そして、正面の外型枠板９と側面の外型枠板18及
び正面の内型枠板10と側面の内型枠板19との各近接した
端部を結着するのである。その後は、両端枠体7,8及び
埋込型枠4,4にコンクリートを打設し、それらをコンク
リート中に埋設するのである。この場合、第１図の符号
31で示すように、埋込型枠４の上面に開口部31を設けて
おけば、コンクリートの打設を効果的に行なうことがで
きる。

このようにして、法枠構造物Ａの横方向枠部材1,1と
縦方向枠部材2,2及びこれに一体となったテラスポケッ
トＢの施設が同時に行なえることになるのである。

なお、テラスポケットＢを設けない横方向枠部材１の
埋込型枠４にも、前記の同様の孔部24を設けておくこと
ができる。

本発明型枠装置を既設の法枠構造物Ａに対して使用す
る場合は、正面型枠体７及び側面型枠体8,8の縦筋13,1
3,22,22と結合する鉄筋等（図示を略す）を法枠構造物
Ａに施設しておき、型枠体7,8,8の設置にあたって結合
する。そして、正面型枠体７はその外型枠板９の下端を
横方向部材１の角部に沿わして立設し、側面型枠体8,8
は縦方向枠部材2,2の対向する内面に沿わせて立設す
る。この場合、外型枠板９の下端は、横方向枠部材１に
適宜な手段で固定するのがよい。型枠体7,8,8の立設、
接続後は、コンクリートを打設し、埋設するのである。

テラスポケットＢは、所要の枠部分3,3に適宜施設
し、または全部の枠部分3,3に施設することができる。
そして、テラスポケット内には、第15図に示すように、
客土32や肥料等を充填し、適宜植生を施すのである。

（考案の効果）以上説明したように、本発明型枠装置は、縦筋と横筋
とを格子状に結合すると共に、前記縦筋に水平方向に回
動自在に連結筋を取付けて形成した配筋体の両側に、そ
の連結筋に遊着して金網状の外型枠板と内型枠板とを取
付けて、偏平に折畳み可能とした正面型枠体及び側面型
枠体とをそれぞれ形成し、前記正面型枠体の両端に、側
面型枠体を結合して、全体として平面コ字形に形成した
構成のものであるから、次のような優れた効果を奏する
ものである。

（１）別体に形成した正面型枠体と側面型枠体とを現場
で設置、結合するものであり、また、それら型枠体は型
枠板が金網製であると共に、型枠板と配筋体とが結合さ
れた構造であるため、軽量で運搬に便利であり、しかも
コンクリートに埋込みできるので、施工性がよく、型枠
の撤去作業が不要で、施工費が安価となる。

（２）正面型枠体及び側面型枠体は、いずれも偏平に折
畳めるので、輸送経費が少なくてすむと共に、足場の悪
い施工場所への搬入も容易にでき、安全性と施工能率が
良好になる。

（３）施工されたテラスポケットは、その前壁部分と側
壁部分とが一体で、しかもそれぞれ法枠構造物の横方向
枠部材及び縦方向枠部材と一体的な構造となるので、強
固なテラスポケットを施設することができる。

また、本発明の型枠施工法は、上記型枠装置を使用
し、その正面型枠体を、その内、外型枠板の下端を法枠
構造物の横方向枠部材の埋込型枠に結合して立設すると
共に、側面型枠体を法枠構造物の縦方向枠部材に、結合
して立設し、それら各型枠体の配筋体の縦筋の下部を埋
込型枠内に突入して係着し、各型枠体を互に結合した
後、上記型枠装置及び埋込型枠にコンクリートを打設
し、それらをコンクリート中に埋設するようにしたの
で、さらに、テラスポケット施工用の型枠装置を法枠構
造物を施工する埋込型枠と結合でき、法枠構造物の施工
と同時にテラスポケットの施工ができるので、一層強固
なテラスポケットを施設できると共に、全体として施工
の能率が向上し、施工経費の低減を図れる、という優れ
た効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示したもので、第１図は全体
の斜面図、第２図は側断面図、第３図は正面型枠板の正
面図、第４図は同平面図、第５図は同偏平に折畳んだ状
態の平面図、第６図は同配筋体の斜面図、第７図は側面
型枠板の正面図、第８図は同平面図、第９図は同偏平に
折畳んだ状態の平面図、第10図は同配筋体の斜面図、第
11図は外型枠板の連結具を示す斜面図、第12図は内型枠
板の連結具を示す斜面図、第13図は両外型枠板の結合状
態を示す斜面図、第14図は両内型枠板の結合状態を示す
斜面図、第15図は施工したテラスポケットの使用状態を
示す側断面図である。Ａ……法枠構造物、Ｂ……テラスポケット１……横方向枠部材、２……縦方向枠部材３……枠状部、４……埋込型枠、５……主筋７……正面型枠体、８……側面型枠体 9,18……外型枠板 10,19……内型枠板 11,20……配筋体、12,21……横筋 13,22……縦筋、14,23……延長部 15……連結筋、16……鉤部、17……環部 25,26……連結具、28……山形突出部 30……結合ピン、32……客土

フロントページの続き (56)参考文献特開昭58−78520（ＪＰ，Ａ) 実開昭54−77508（ＪＰ，Ｕ) 実開昭53−16610（ＪＰ，Ｕ) 実開昭61−173551（ＪＰ，Ｕ) 実開昭63−104437（ＪＰ，Ｕ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】縦筋と横筋とを格子状に結合すると共に、
前記縦筋に水平方向に回動自在に連結筋を取付けて形成
した配筋体の両側に、その連結筋に遊着して金網状の外
型枠板と内型枠板とを取付けて、偏平に折畳み可能とし
た正面型枠体及び側面型枠体とをそれぞれ形成し、前記
正面型枠体の両端に、側面型枠体を結合して、全体とし
て平面コ字形に形成したことを特徴とする、法枠のテラ
スポケット施工用型枠装置。
【請求項２】縦筋と横筋とを格子状に結合すると共に、
前記縦筋に水平方向に回動自在に連結筋を取付けて形成
した配筋体の両側に、その連結筋に遊着して金網状の外
型枠板と内型枠板とを取付けて、偏平に折畳み可能とし
た正面型枠体及び側面型枠体とよりなる型枠装置を使用
し、その正面型枠体を、その内、外型枠板の下端を法枠
構造物の横方向枠部材の埋込型枠に結合して立設すると
共に、側面型枠体を法枠構造物の縦方向枠部材に、結合
して立設し、それら各型枠体の配筋体の縦筋の下部を埋
込型枠内に突入して係着し、各型枠体を互に結合した
後、上記型枠装置及び埋込型枠にコンクリートを打設
し、それらをコンクリート中に埋設することを特徴とす
る、法枠とテラスポケットとの型枠施工法。