JP2741524B2 - うずくり調の木目模様を有する化粧材の製造方法 - Google Patents

うずくり調の木目模様を有する化粧材の製造方法

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JP2741524B2 JP63334865A JP33486588A JP2741524B2 JP 2741524 B2 JP2741524 B2 JP 2741524B2 JP 63334865 A JP63334865 A JP 63334865A JP 33486588 A JP33486588 A JP 33486588A JP 2741524 B2 JP2741524 B2 JP 2741524B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は木目模様を有する化粧材の製造方法に関する
ものであり、例えば、杉,松,桧等の和材を研磨して春
材の柔らかな部分を削り落し、冬材の硬い部分のみを残
すことによって得られる所謂うずくり調の板目を呈する
化粧材の製造方法を提供するものである。
〔従来の技術〕
うずくり調の木目模様層を有する化粧材の製造方法に
は、 1) 木目印刷模様層が形成されている化粧材用基材に
対して、前記木目模様層のうちの冬材部を表現する印刷
模様層上に塩ビ系のゾルインキによる肉盛り印刷層を形
成し、その後、必要に応じて、前記木目模様層のうちの
冬材部を表現する印刷模様層上に、マットインキによる
艶消し印刷層を形成する方法「特開昭56−5786号公報、
特開昭56−5787号公報、特開昭56−5788号」、 2) 木目印刷模様層が形成されている化粧材用基材に
対して、前記木目模様層のうちの冬材部を表現する印刷
模様層上に熱硬化型樹脂による肉盛り印刷層をグラビア
印刷によって形成する方法「特開昭61−206648号公
報」、 等が存する。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかして、前記従来のうずくり調の木目模様を有する
化粧材の製造方法においては、そのいずれも、得られる
化粧材における春材部を表現する部分が、外観的にも、
また触感的にも平坦であるため、立体感に乏しく、天然
木に比較した場合の品質性に劣るという欠点を有してい
る。
これに対して、本発明は、表面光沢を呈する冬材部
と、艶消し状態の春材部とが表現されており、天然木に
よるうずくり調が忠実に現出されている化粧材を得る方
法を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題は、以下に記載する構成による本発明のう
ずくり調の木目模様を有する化粧材の製造方法によって
解決される。
すなわち本発明は、春材部と冬材部とを表現する木目
印刷模様層が表面に印刷されている化粧材基材に対し
て、前記木目印刷模様層のうちの春材部を表現する印刷
模様層の領域上に撥液性物質を含む印刷インキによるヘ
アライン状の柄模様層を形成し、又、冬材部を表現する
印刷模様層の領域上に光沢を有する肉盛り印刷層を形成
し、次いで、前記印刷層面にトップコート層を形成する
ことからうずくり調の木目模様を有する化粧材の製造方
法である。
上記の構成による本発明のうずくり調の木目模様を有
する化粧材の製造方法においては、冬材部を表現する印
刷模様層の領域上に形成する光沢を有する肉盛り印刷層
が、塩化ビニルゾルをバインダーとするグラビア印刷用
インキによるゲル化肉盛り印刷層、或いは熱硬化型樹脂
をバインダーとするグラビア印刷用インキによる肉盛り
印刷層からなるものてあることが好ましい。
前記構成からなる本各発明の化粧材の製造方法におい
て、化粧材用基材には、この種の基材として使用されて
いる一般のシート状物、例えば、坪量23〜300g程度の紙
質シートやパルプボードをはじめ、ポリエチレン,ポリ
プロピレン,ポリエステル等の合成樹脂製シート、各種
木材や合板等が利用される。
化粧材用基材の表面における木目模様の印刷模様層
は、通常、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やニトロセ
ルロース等をバインダーとするインキまたは塗料を、例
えば、ロールコート,グラビアコート,バーコート,エ
アナイフコート等の通常のコーテイング方法でコートす
ることによって形成されているベースコート層を介して
形成されるのが一般的である。
木目模様の印刷模様層は、例えば、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体やニトロセルロース等からなるビヒクル
に、染料や顔料等の着色剤、場合によつては、パール系
顔料や金属粉顔料を添加し、更に必要に応じて、可塑
剤,安定剤,乾燥剤,補助乾燥剤,硬化剤,増粘剤,分
散剤,充填剤等の添加剤を添加合し、溶剤・稀釈剤等で
充分に混練したインキあるいは塗料を利用し、例えば、
グラビア,オフセット,オフセットグラビア等の一般の
印刷手段で、冬材部と春材部とによる木目模様を印刷す
ることによつて形成されるものであり、特にパールイン
キ等による光輝性インキを併用して得られる木目印刷模
様層が効果的である。
前記木目模様の印刷模様層のうちの春材部を表現する
印刷模様層の領域上には、前述の通り、撥液性物質を含
有する印刷インキによるヘアライン状の柄模様層を形成
するものであり、特にラインの幅が1mm以内で、ライン
の輪郭線から隣接するラインの輪郭線までの間隔が、前
記ラインの幅の1/2〜2倍程度のヘアライン状の柄模様
層が最も好適である。
前記撥液性物質を含有する印刷インキによるヘアライ
ン状の柄模様層は、透明,着色透明,あるいは着色不透
明のいずれであっても良く、耐溶剤性,耐水性,耐摩耗
性,耐候性,耐熱性等に優れた性質を有する安定性のあ
る柄模様層を形成し得る印刷インキが利用され、例え
ば、硬化型樹脂からなるベヒクルと撥液性物質とを含有
する印刷インキによって形成されるものが好ましい。
前記硬化型樹脂をベヒクルとする印刷インキは、例え
ば、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオ
ールとイソシアネートとの反応によってポリウレタン樹
脂を生成する二液硬化型インキ、エポキシ樹脂とポリア
ミド,ポリアミンあるいは酸無水物との反応によってエ
ポキシ型樹脂を生成するエポキシ系硬化型インキ、不飽
和ポリエステルとスチレンモノマーとの混合物にパーオ
キサイド等の重合開始剤とナフテン酸コバルト等の重合
触媒とが添加されている熱硬化型インキ、メラミン樹脂
または尿素樹脂とアルキッド樹脂とにパラトルエンスル
ホン酸を添加した熱硬化型インキ、エポキシアクリレー
トまたはウレタンアクリレートにベンゾフェノンおよび
ベンゾインエーテル等の光増感を添加した電子線または
紫外線硬化型インキ等であり、前述の各樹脂によるベヒ
クル成分と、可塑剤,安定剤,分散剤,充填剤,染料や
顔料等の着色剤,溶剤,希釈剤等の混練組成物からなる
印刷インキが利用される。
なお、前記硬化型のインキ組成物は、通常、二液型で
使用されるものであり、したがって、印刷インキの使用
の直前に反応触媒,反応促進剤等を添加する方法が利用
される。
また、前記印刷インキ中に添加される撥液性物質に
は、従来公知の撥液性物質、例えば、シリコーン,ワッ
クス,弗素樹脂等が使用される。
なお、撥液性物質として使用される前記シリコーン
は、例えば、珪素原子に、メチル基,プロピル基,フェ
ニル基,アルコキシ基,アセトキシ基,ヒドロキシ基,
ハロゲン原子,金属等が任意に結合している直線状,分
岐鎖状,または環状構造をなす高分子〜低分子化合物が
使用される。
また、前記撥液性物質は、インキ組成物中に予め混合
されていても良く、あるいは、印刷インキの使用直前に
添加されても良く、インキ組成物中の固形成分において
5〜30重量%の範囲内で前記撥液性物質が含有されるよ
うに添加されるのが好ましい。
なお、前記撥液性物質を含有する印刷インキによるヘ
アライン状の柄模様層の形成は、通常の印刷インキによ
る柄模様層の形成と同様の印刷方法、すなわち、グラビ
ア印刷,オフセット印刷,凸版印刷,スクリーン印刷等
を使用して行なわれるものであり、撥液性物質を含有し
ている印刷インキ中のベヒクル成分が電子線硬化型ある
いは紫外線硬化型樹脂の場合には、前記印刷工程に続い
て、所定の電子線あるいは紫外線の照射を施して印刷層
を硬化させた後に、肉盛り印刷層及びトップコート層の
形成工程に移される。
又、前記撥液性物質を含有している印刷インキ中のベ
ヒクル成分が熱硬化型樹脂の場合には、この印刷工程後
に印刷中の溶剤を蒸発させ、ブロッキング等が発生しな
い程度に印刷層の表面を乾燥させた後に、肉盛り印刷層
及びトップコート層の形成工程に移される。
前記木目模様による印刷模様層のうちの冬材部を表現
する領域上に形成される肉盛り印刷層は、光沢を有する
印刷層として形成されるものであり、例えば、塩化ビニ
ルゾルをバインダーとする印刷インキや、硬化型樹脂を
バインダーとする印刷インキ等によって形成される。
前記肉盛り印刷層を、例えば塩化ビニルゾルをバイン
ダーとするグラビア印刷用インキによって形成する場合
には、厚さ50〜150μ程度の印刷層を形成した後、これ
を加熱処理に付して、この印刷層におけるバインダー成
分をゲル化させると共に印刷層表面の艶出しを行なうこ
とにより、光沢を有する肉盛り印刷層になし得る。
また、硬化型樹脂をバインダーとする印刷インキによ
って前記肉盛り印刷層を形成する場合には、例えば、塩
ビポリオール,アクリルポリオール,ポリエステルポリ
オール,ポリエーテルポリオール,セルロースポリオー
ル,これらの誘導体からなるポリオール等のポリオール
成分と、トリレンジイソシアネート,メチレンジイソシ
アネート,キシレンジイソシアネート,ヘキサメチレン
ジイソシアネートなどからなるイソシアネート成分との
付加生成体たるウレタン樹脂、グリプタル樹脂等のアル
キド樹脂成分と、尿素樹脂やメラミン樹脂等のアミノ樹
脂成分とに、パラトルエンスルホン酸等の酸触媒を添加
した反応生成体たる酸硬化アミノアルキド樹脂、エポキ
シ樹脂成分と、ポリアミド,エチレンジアミン,ジエチ
レントリアミン等のポリアミン成分、または無水フタル
酸等の多塩基酸とからなるエポキシ系樹脂等の二液硬化
タイプの樹脂、あるいはこれらをブロックポリマー化し
た樹脂等によるベヒクルに、主に、インキや塗料中の固
形成分割合を上げるために使用される体質顔料、例え
ば、バライト、沈降性硫酸バリウム,白亜,沈降性炭酸
カルシウム,胡粉,石膏,アルミナ白,クレー,滑石
粉,珪酸カルシウム,沈降性炭酸マグネシウム,グロス
・ホワイト,サチン白,ベントナイト等と、必要に応じ
て、沈降性シリカを焼成したマイクロシリカやテフロン
パウダー等の艶調整剤あるいはアンチブロッキング剤を
添加し、更に、任意の染料や顔料からなる着色剤、光輝
性発色剤,溶剤・稀釈剤、例えば酢酸メチル,酢酸エチ
ル,酢酸ブチル等のエステル系,トルンエン,キシレン
等の芳香族系、メタノール,エタノール,イソプロピル
アルコール等のアルコール系、メチルエチルケトン,メ
チルイソブチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン系
等の各種溶剤を添加し、充分に混練したグラビア印刷用
インキが使用される。
前記肉盛り印刷層の形成には、印刷後の乾燥工程を経
ても印刷層に十分な体積が保持され得るように、固形成
分が多く揮発成分の少ない印刷インキを使用することが
必要であり、塩化ビニルゾルをバインダーとする場合
は、例えば、 塩化ビニルペーストレジン ……100重量部 ジオクチルフタレート ……60重量部 ジアリルフタレート ……10重量部 炭酸カルシウム ……10重量部 酸化チタン ……30重量部 安定剤 ……3重量部 によるインキ組成物が好適であり、必要に応じて、透明
性のある着色顔料が添加されているインキ組成物が利用
される。また、前記組成成分に着色顔料が添加されてい
る印刷インキを使用することによって、飴色の透明感の
ある肉盛り印刷層が得られる。
硬化型樹脂をバインダーとする印刷インキの場合は、
例えば、 体質顔料 ……10〜50重量部 着色剤 ……0〜15重量部 光輝性発色剤 ……0〜15重量部 溶剤 ……20〜50重量部 に対して、ウレタン系ベヒクルの場合は、ポリオール成
分15〜35重量部とイソシアネート成分5〜35重量部を添
加したもの、アミノアルキツド系ベヒクルの場合は、該
ベヒクルを30〜60重量部添加したもの、エポキシ系ベヒ
クルの場合は、該ベヒクルを30〜50重量部添加したもの
等による印刷インキが好適である。
なお、前記硬化型樹脂をバインダーとする印刷インキ
において、無機質系の不透明な顔料を着色剤として利用
する場合には、この顔料がインキ全成分中の2重量%以
下となるようにするのが好ましく、また、無機系の透明
な顔料を使用する場合でも、10%以下に抑えておくこと
が好ましく、着色剤の配合によって、冬材部を表現する
木目模様の印刷模様層の領域上に、透明感と表面光沢と
を兼備し、かつ、天然木における冬材部が具備している
所謂飴色を呈する肉盛り印刷層を形成し得る。
また、前記肉盛り印刷層を形成するための印刷インキ
中に所望に応じて添加する光輝性発色剤は、微粉化した
雲母の表面に酸化チタンや酸化鉄をコーティングし、こ
れを薄片状や鱗片状にした粒径5〜60μ程度のパール系
顔料や、ブロンズ粉,アルミ粉,銅粉等の金属粉からな
る金属粉顔料等が利用されるが、この光輝性発色剤もイ
ンキあるいは塗料の全成分中の10%以下に抑えておくこ
とが好ましい。
さらに、前記肉盛り印刷層をグラビア印刷法によって
形成する場合には、スクリーン線数20〜100 1/inch.の
マンセンスクリーン、砂目スクリーン、渦巻きスクリー
ン、平行スクリーン等のスクリーンを使用して得られた
製版をさらに腐食することによって、腐食深度を150μ
以上に高めたグラビア印刷版を利用することが必要であ
り、肉盛り効果と十分なシャープ性とを兼備する肉盛り
印刷層を得るために、腐食深度150〜400μのものを利用
するのが好ましい。
また、前記したような深度の高いグラビア印刷版を使
用する場合には、前記印刷版における腐食セルの形状
と、印刷適性と、得られる印刷層における肉盛り効果と
の間に密接な関係がある。すなわち、セル間口の土手幅
に対する比が、4:1を越えるようになると、得られる肉
盛り印刷層にシャープ性が欠けるようになり、また、1:
1未満になると肉盛り感が十分な印刷層を形成すること
が困難になり、さらに、セル間口の深度に対する比が5
以上になると、印刷面上での印刷インキが流れ出すこと
があり、また2未満の場合には、印刷インキの転移性が
不十分になり易い等によって、品質の良好な肉盛り印刷
層の形成が困難となることがある。
したがって、セル間口の土手幅に対する比が、1:1〜
4:1、セル間口の深度に対する比が、2:1〜5:1の範囲内
にあるグラビア印刷版を利用することが好ましい。
表面に、春材部と冬材部とを表現する木目印刷模様層
が形成されている化粧材用基材に対して、所定の撥液性
物質を含有する印刷インキによるヘアライン状の柄模様
層と光沢を有する肉盛り印刷層とを形成した後には、透
明な樹脂皮膜形成用の組成物、例えば、透明皮膜形成能
を有する樹脂成分と所要の添加剤と溶剤との混練組成物
からなるコーティング剤を、例えば、ロールコート,グ
ラビアコート,バーコート,エアナイフコート,フロー
コート,ディップコート,スプレーコート等の公知の塗
工手段によって塗工し、前記印刷模様層面にトップコー
ト層を形成する。
前記トップコート層の形成は、一般的には、液状での
塗工が可能で、塗工後の冷却,溶媒の揮散,架橋等によ
って、透明〜半透明の皮膜が形成されるようなコーティ
ング剤、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ
塩化ビニル,ポリアクリル酸エステル,ポリ酢酸ビニ
ル,セルロース,ポリアミド,ポリアクリルアミド,ま
たは、これらのものの2種以上の共重合体等からなる熱
可塑性樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂,フェノ
ール・ホルムアルデヒド樹脂,尿素・ホルムアルデヒド
樹脂,アリル樹脂,不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化
型樹脂、アクリル酸エステルのポリマー,オリゴマー,
モノマー,架橋助剤等による架橋型アクリル樹脂あるい
はそのウレタン変性体からなる架橋型変性アクリル樹
脂,アクリルポリオールあるいはポリエステルポリオー
ルとポリイソシアネートとを含む架橋型ポリウレタン樹
脂,官能基を有するビニルモノマーを含む不飽和ポリエ
ステル樹脂等の架橋性樹脂によるコーティング剤が利用
される。
コーティング層を固化する手段は、前記トップコート
層形成用のコーティング剤における樹脂の種類に応じて
選択されるものであり、例えば熱可塑性樹脂によるトッ
プコート層の場合には、冷却を、また、熱硬化型樹脂の
場合は、加熱を施すものであり、更には、架橋性樹脂の
場合は、必要に応じて、紫外線や電子線の照射を行なう
ものである。
前記工程によって得られるトップコート層は、撥液性
物質を含有する印刷インキによるヘアライン状の柄模様
層と接して塗工されたコーティング剤が、前記柄模様層
の有する撥液性能によって弾かれるため、春材部を表現
する木目印刷模様層上に形成されているヘアライン状の
柄印刷模様層と対応する部分が凹部状態をなしているも
のであり、場合によっては、前記柄模様層の表面の1部
分または全部分が化粧材の表面に露出した状態となっ
て、前記柄模様層と対応する部分が凹部とされているト
ップコート層となるものである。
以上の通りの構成からなる本発明の化粧材の製造方法
において、木目印刷模様層が形成されている化粧材用基
材に対して、撥液性物質を含む印刷インキによるヘアラ
イン状の柄模様層、または、肉盛り印刷層、さらには、
トップコート層等を形成する際に、硬化型樹脂をベヒク
ルあるいは皮膜形成成分として含有する印刷インキまた
はコーティング剤を使用する場合に、前記硬化型樹脂の
硬化剤や重合触媒をその作用をブロッキングした状態で
前記印刷インキまたはコーティング剤中に含有させてお
き、印刷工程またはコーティング工程の終了後に前記ブ
ロッキングを解除し、硬化剤や触媒の作用を活性化させ
るようにすれば、印刷インキまたはコーティング剤中の
硬化剤や触媒の活性作用に起因する印刷機械やコーティ
ング装置の版詰り、ドクターや版の摩耗,腐食等が阻止
されるので、活性作用によって印刷機やコーティング装
置に悪影響を及ぼすような硬化剤や触媒が含有されてい
る印刷インキやコーティング剤を使用しても、長時間に
亙って、品質の良好な化粧剤が安定して得られるという
メリットがある。
なお、前記硬化型樹脂と、その作用がブロッキングさ
れている状態にある(ブロック化)硬化剤または触媒
と、前記硬化剤または触媒のブロッキングの解除方法と
の組み合わせ例は、次の通りである。
1] Dinonylnaphthalene Soulfonic Acid、 Dinonylnaphthalene disulfonic Acid、 p−Toluensulfonic Acid、 Dodecylbenzene Sulfonic Acid等。
2] ブロック剤R1Hとイソシアナート化合物RNCOとの間
の、付加解難反応 R−NCO+R1HR−NHCO−R1 を利用するものであり、解離反応を無触媒で行なう場合
には180〜200℃以上の加熱が必要であるが、例えば、ア
ミン類,有機化合物,金属石鹸等からなる解離触媒を作
用させる場合には、160℃以下の温度で解離させること
ができる。
なお、イソシアネナート化合物RNCOに対するブロック
剤R1Hの化合物の例は、次の通りである。
3] カプセル用材には、ゼラチン,セルロース系物質,電
解質ポリマー等が使用される。
〔実 施 例〕
以下本発明のうずくり調の木目模様を有する化粧材の
製造方法の具体的な構成を、図面実施例に基づいて説明
する。
実施例1 坪量24g/m2の薄葉紙11に、ニトロセルロース樹脂から
なるベヒクルと酸化チタン顔料とを固形成分とするグラ
ビア印刷用インキによるベースコート層12を形成し、次
いで、下記組成成分からなるグラビア印刷用インキ「I
V」によって、春材部13,13,13と冬材部14,14,14とによ
る木目の印刷模様層を形成することにより、表面に春材
部と冬材部とを表現するベタ刷りの木目印刷模様層が形
成されている化粧材用基材15を得た。
グラビア印刷用インキ「IV」 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂……30重量部 フタル酸エステル ……3重量部 顔料 ……15重量部 溶剤 ……62重量部 次いで、前記木目印刷模様層のうちの春材部13,13,13
を表現している木目印刷模様層の領域上に、下記組成成
分からなるグラビア印刷用インキ「V」によって、ヘア
ライン状の印刷層16,16,16を形成した。
グラビア印刷用インキ「V」 アミノアルキッド樹脂 ……40重量部 シリコーン ……10重量部 ブロック化されているパラトルエンスルホン酸……5
重量部 溶剤 ……40重量部 さらに、前記木目模様層のうちの冬材部14,14,14を表
現している木目印刷模様層の領域上に、下記組成成分か
らなるグラビア印刷用インキ「VI」による肉盛り印刷層
19,19,19を、腐食深度250μ,セル間口/土手幅=3,セ
ル間口/深さ=3のグラビア印刷版を利用して形成し、
続いて、150℃,20秒間の加熱処理に付すことによって、
前述の春材部を表現する木目印刷模様層上のヘアライン
状の印刷層16,16,16の硬化、及び、冬材部を表現する木
目印刷模様層上の肉盛り印刷層19,19,19中における塩化
ビニルゾルのゲル化を行なった。
グラビア印刷用インキ「VI」 塩化ビニルゾル ……60重量部 DOP ……30重量部 Ba系安定剤 ……2重量部 溶剤 ……8重量部 しかる後に、前記化粧材基材の全表面に、下記組成成
分からなるコーティング剤「VII」を、7g(dry)/m2
割合いに塗工し、さらに、150℃,30秒間の加熱,乾燥を
施すことによって、表面がトップコート層17で被覆され
ている本発明の目的製品である化粧材18を得た。
コーティング剤「VII」 アクリルポリオールイソシアネートよりなる熱硬化型
ウレタン樹脂 ……60重量部 シリカ微粉末(艶消し剤) ……8重量部 シリコーン(離型剤) ……4重量部 溶剤 ……28重量部 得られた化粧材18の表面には、ヘアライン状の柄模様
層による微妙な凹凸によって艶消しされている春材部
と、表面光沢に富み、しかも、盛り上がった状態の冬材
部との木目模様がリアルに表現されており、外観的に
も、また触感的にも、天然木によるうずくり調に酷似し
た品質の高い木目模様が表現されていた。
〔発明の作用,効果〕
本発明のうずくり調の木目模様を有する化粧材の製造
方法は、春材部と冬材部とからなる木目印刷模様が表面
に印刷されている化粧材用基材に対して、前記木目印刷
模様層のうちの春材部を表現する印刷模様層の領域上
に、撥液性物質を含有する印刷インキによるヘアライン
状の柄模様層を形成し、又冬材部を表現する木目印刷模
様層の領域上に光沢を有する肉盛り印刷層を形成する工
程と、該印刷層面にトップコート層を形成する工程とか
らなるものである。
しかして、前記本発明の化粧材の製造方法において
は、微妙な凹凸によって艶消しされている春材部と、表
面光沢に富み、しかも盛り上がった状態の冬材部とから
なる木目模様がリアルに表現されている化粧材が得ら
れ、外観的にも、また触感的にも、天然木によるうずく
り調に酷似した品質の高い木目模様を有する化粧材が得
られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法の実施例で得られた化粧材の構成
を説明する模型的断面図である。 11……薄葉紙、 12……ベースコート層、 13……木目印刷模様層のうちの春材部を表現する印刷
層、 14……木目印刷模様層のうちの冬材部を表現する印刷
層、 15……表面に木目印刷模様層が付されている化粧材用基
材、 16……撥液性物質を含有する印刷インキによるヘアライ
ン状の柄模様層、 17……トップコート層、 18……化粧材、 19……肉盛り印刷層。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】春材部と冬材部とを表現する木目印刷模様
    層が表面に印刷されている化粧材用基材に対して、前記
    木目印刷模様層のうちの春材部を表現する印刷模様層の
    領域上に撥液性物質を含む印刷インキによるヘアライン
    状の柄模様層を形成し、又、冬材部を表現する印刷模様
    層の領域上に光沢を有する肉盛り印刷層を形成し、次い
    で、前記印刷層面にトップコート層を形成することを特
    徴とするうずくり調の木目模様を有する化粧材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】冬材部を表現する印刷模様層の領域上に形
    成する光沢を有する肉盛り印刷層が、塩化ビニルゾルを
    バインダーとするグラビア印刷用インキによるゲル化肉
    盛り印刷層であることを特徴とす特許請求の範囲第1項
    記載のうずくり調の木目模様を有する化粧材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】冬材部を表現する印刷模様層の領域上に形
    成する光沢を有する肉盛り印刷層が、熱硬化型樹脂をバ
    インダーとするグラビア印刷用インキによる肉盛り印刷
    層であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    うずくり調の木目模様を有する化粧材の製造方法。
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