JP2740596B2 - 開閉弁 - Google Patents

開閉弁

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JP2740596B2
JP2740596B2 JP4241318A JP24131892A JP2740596B2 JP 2740596 B2 JP2740596 B2 JP 2740596B2 JP 4241318 A JP4241318 A JP 4241318A JP 24131892 A JP24131892 A JP 24131892A JP 2740596 B2 JP2740596 B2 JP 2740596B2
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孝二 内田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空気圧シリンダ等に供給
する空気等の流体を断続するための開閉弁に関し、さら
に詳細には2枚の有孔盤状部材を離間または当接させる
ことにより開閉を行う弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空気圧シリンダ等への空気の供給
の断続に図8に示す電磁弁が使用されている。これら電
磁弁においては、ソレノイド40内に固定された固定鉄
心41と摺動可能な可動鉄心42とを設け、さらに弁体
43と一体となっている可動鉄心41を弁座44に当接
させる方向に付勢する復帰バネ45を備える構成になっ
ている。そしてソレノイド40に通電してこれを励磁さ
せると、可動鉄心42は復帰バネ45の弾拡力に抗して
固定鉄心41に吸引されるので、弁体43が弁座44か
ら離間されて開弁する。また、ソレノイド40の通電を
オフすると、復帰バネ45の弾拡力により可動鉄心42
が固定鉄心41から引き離され、弁体43が弁座44に
当接し閉弁する。
【0003】しかし、このような弁開閉、特に開弁動作
を電磁石装置にて行うことは必ずしも理想的ではない。
その理由は、開弁動作のために必要とされる駆動力特性
と、電磁石装置が実際に発生する出力特性が一致しない
ことにある。以下具体的に説明する。まず、必要な駆動
力の特性について考察する。電磁石装置の出力以外に可
動鉄心42および弁体43にかかる力として、流体圧に
より弁体43に働く力、復帰バネ45の弾拡力、および
可動鉄心42および弁体43の自重力がある。ここで復
帰バネ45の弾拡力はほぼ一定であり、可動鉄心42お
よび弁体43の合計自重は当然一定であり、これらは閉
弁方向に働くものであるので、電磁石装置はこれらに対
抗しなければならない。
【0004】一方、流体圧により弁体43に働く力は閉
弁方向に働く。すなわち、閉弁時には、弁体43および
可動鉄心42の下面のうち弁座44より内側の部分だけ
に流体の一次圧がかかるが、開弁し始めると弁座44と
弁体43との間に生じたギャップaを通じて弁座44内
側に流体が流れ込むので、弁座44内側の流体圧が上昇
する。そしてギャップaが大きくなるほど、弁座44内
側の流体圧が上昇するので、流体圧により弁体43に働
く開弁方向の力が減少する。したがって開弁動作のため
に必要な駆動力Fは、ギャップaが0のとき(すなわち
開弁動作開始時)が最大で、弁開度ギャップaが大きく
なるほど流体圧による援助が増すので小さくなる。これ
を図9のグラフ中に示すと、カーブAのような右下がり
の特性になる。図9は弁開度ギャップaを横軸に、駆動
力Fを縦軸にとったグラフである。
【0005】次に、電磁石装置が実際に発生する出力特
性について考察する。電磁石装置が発生する力は、励磁
された固定鉄心と可動鉄心とが磁気的クーロン力により
互いに吸引し合う力であるため、図8中の鉄心ギャップ
bが小さいほど大きい。鉄心ギャップbと弁開度ギャッ
プaとは当然相補的な関係にあるので、電磁石装置の発
生出力は、必要とされる駆動力とは逆に弁開度ギャップ
aが0のとき最小であることになり、図9のグラフ中で
は右上がりの特性である。このため電磁石は、その最小
出力をもってすでに、必要とされる最大の駆動力を発生
していなければ開弁動作を開始できないので、図9中で
はカーブBのような出力特性が要求されることになる。
【0006】したがって弁開度ギャップaが大きいとき
(すなわち開弁動作の後半)には、電磁石装置は必要な
駆動力に対して大幅に過剰な出力を発生していることに
なる。このことから、電磁石装置は必要以上に強力なも
のを用いなければならず、装置が大形化し消費電力も大
きい。さらに、開弁動作終了時に最大出力が発生してい
るので、固定鉄心41と可動鉄心42とが激しく衝突
し、衝撃音を発生するばかりでなく、鉄心の機械的破損
の原因ともなる。また、電磁石装置のもう一つの欠点と
して応答性の悪さが挙げられる。このため、例えばデジ
タル制御サーボ方式により電磁弁を制御して空気圧シリ
ンダの精密な位置決めをしようとしても、充分な精度が
得られないのである。これに対して、電磁石装置のコイ
ルインダクタンスや鉄心の鉄損を減らすことにより、電
磁弁の応答性を若干改善することができるが、なお不充
分である。
【0007】上記問題を解決するために、弁の駆動機構
として、電磁石装置に比べて応答時間が極めて短いこと
が知られている、ピエゾ素子や磁歪素子(一般論として
電磁石の応答時間が10〜15msであるのに対し、ピ
エゾ素子では0.2ないし1ms、磁歪素子では0.0
1ないし0.5msとされており、応答性ははるかによ
いといえる)のような固体アクチュエータを、電磁石装
置にかえて採用することが試みられるに至っている。こ
こで、これら固体アクチュエータは図9中ではカーブC
で示される右下がりの出力特性を有すことが知られてお
り、必要な駆動力特性を無駄なく得ることが可能なので
ある。さらにカーブCの特性では、弁動作の進行にとも
ない出力が減少するので、電磁石装置における可動鉄心
と固定鉄心との衝突のような問題がない。この固体アク
チュエータを利用した開閉弁の例を図10に示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
固体アクチュエータも万能ではなく、変位が小さい(5
0μm程度)という欠点を有している。このため従来の
電磁弁の電磁石装置をそのままこれらの素子で置き換え
ると、開弁時の開弁ギャップが不足し必要な流量が得ら
れない。以下にその理由を説明する。
【0009】まず、図11のような弁形状の場合、その
流路は円形のオリフィス部(図11中Dの文字がある部
分、断面積はπD2 /4)と円筒面形部分(矢印Eで示
す弁座47と弁体46との隙間、面積はπDg、以下ペ
リフェラル部という)との直列になっていると考えるこ
とができるので、これらのうち面積が小さい方によって
全体の流量がほぼ決定されてしまうのである。すなわ
ち、両者の面積に著しい差があるときは、大きい面積を
持つ方の部分の過剰面積は流路としてはほとんど機能し
ないのである。そして図11ではg<<D/4であるた
めペリフェラル部の面積がオリフィス部の断面積より圧
倒的に小さく、ペリフェラル部が制限条件となってい
る。ここで、例えば弁径Dを大きくすると、ペリフェラ
ル部の面積が弁径Dの一次関数であるのに対しオリフィ
ス部の面積は弁径Dの二次関数であるため両者の面積の
アンバランスは増大するので、弁本体が大形化するばか
りで流量容量の増大にはつながらないのである。
【0010】さらに、図10または図11のような弁機
構の場合、図8の電磁弁と異なり、弁体には流体の一次
圧により閉弁方向の力が働く。そしてこの力はオリフィ
ス部の断面積に比例して増大するので、かかる断面積が
大きい場合、開弁動作を行う固体アクチュエータの負担
は非常に大きくなり、スムーズな動作ができなくなる。
したがってこの場合、オリフィス部の面積を拡大する
ことなく、ペリフェラル部の面積を大きくしなければな
らない。
【0011】一方固定アクチュエータを使用するための
手段として、固体アクチュエータの変位を拡大してギャ
ップg自体を大きくすることが考えられる。例えば図1
2に示すように複数の固体アクチュエータを用意し、こ
れらといわゆるてこの原理との協働による、倍変位機構
を用いることが試みられている。しかしこの種の方法は
必然的に構造が複雑化するので、コスト高と装置の大形
化とを招く。また信頼性も問題となる。これらのことか
ら、小さい開弁ギャップにて大きなペリフェラル部面積
を得られる弁機構が必要とされていたのである。
【0012】本発明は前記従来技術の問題点を解決する
ためになされたものであり、微小なギャップにて充分に
大きい流量に対応でき、したがって変位の小さい固体ア
クチュエータから倍変位機構なく直動で作動し、しかも
機械的破損のおそれなく高速作動が可能な、小形で信頼
性の高い弁機構を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るため本発明の開閉弁は、内部を流体が流れる長孔状の
連通孔が形成された盤状の弁座と、連通孔と互いに重畳
しない位置に形成された連通経路を有する盤状の弁体
と、弁体を駆動するアクチュエータとを有している。ま
た、本発明の開閉弁は、内部を流体が流れる長孔状の連
通孔が形成された盤状の弁座と、連通孔と互いに重畳し
ない位置に形成された連通経路を有する盤状の弁体と、
弁体を駆動するアクチュエータとを有し、弁座に形成さ
れた連通孔の幅が0.2mm以内である。
【0014】また、本発明の開閉弁は、内部を流体が流
れる長孔状の連通孔が形成された盤状の弁座と、連通孔
と互いに重畳しない位置に形成された連通経路を有する
盤状の弁体と、弁体を駆動するアクチュエータと、アク
チュエータを100ヘルツより高い周波数のパルス信号
で駆動する制御手段を有している。また、本発明の開閉
弁は、内部を流体が流れる長孔状の連通孔が形成された
盤状の弁座と、幅が0.2mm以内である連通孔と互い
に重畳しない位置に形成された連通経路を有する盤状の
弁体と、弁体を駆動するアクチュエータと、アクチュエ
ータを100ヘルツより高い周波数のパルス信号で駆動
する制御手段を有している。
【0015】また、本発明の開閉弁は、内部を流体が流
れる長孔状の連通孔が形成された盤状の弁座と、連通孔
と互いに重畳しない位置に形成された連通経路を有する
盤状の弁体と、弁体を駆動するアクチュエータと、アク
チュエータを電力を変化させたアナログ信号で駆動する
制御手段を有している。また、本発明の開閉弁は、内部
を流体が流れる長孔状の連通孔が形成された盤状の弁座
と、幅が0.2mm以内である連通孔と互いに重畳しな
い位置に形成された連通経路を有する盤状の弁体と、弁
体を駆動するアクチュエータと、アクチュエータを電力
を変化させたアナログ信号で駆動する制御手段を有して
いる。
【0016】
【作用】前記構成を有する本発明の弁では、アクチュエ
ータが縮状態にあるとき弁体が弁座に当接している。そ
して弁体が弁座に当接している場合、弁座の連通孔と弁
体の連通経路とは互いに重畳しない位置に形成されてい
るので、流体の入側と出側との連通は遮断されている。
アクチュエータに通電して、アクチュエータを伸状態に
すると弁体がアクチュエータ側に吸引され、弁座と弁体
との間に隙間が生じる。このとき、弁体の連通経路、弁
体と弁座との間の隙間、弁座の連通孔を通じて流体の入
側と出側とが連通する。
【0017】このとき、連通孔の幅は微小であるが、長
手方向に距離を有しているので、一定の量の流体を流す
ことが可能である。さらに、制御手段が100ヘルツよ
り高い周波数のパルス信号によりアクチュエータを駆動
するので、流量をデジタルパルス数で制御できるため、
正確な流量制御を行うことができる。あるいは、アナロ
グ方式の制御手段を採用して、アクチュエータの移動量
をコントロールすることによって、リアルタイムに流量
制御を行うことができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を具体化した開閉弁の実施例を
図面を参照して説明する。図1は本実施例の開閉弁の断
面図である。図1に示す開閉弁1は、上ケース2と下ケ
ース6とが間に中間体3を挟持しながら固定的に組み合
わされ、本体をなしている。かかる開閉弁1のうち本発
明の主要部分をなすのは、中間体3の一部として一体に
形成されている、すなわち本体に対して固定されている
弁座4と、下ケース6の内部に移動可能に挿入されてい
る弁体9であるが、説明の都合上まず開閉弁1全体の構
成および作動について説明し、後に弁座4および弁体9
について詳細な説明をする。
【0019】まず、開閉弁1全体の構成について説明す
る。開閉弁1の上ケース2の内部には、ピエゾ素子を内
蔵するアクチュエータ7が挿入されている。そして、上
ケース2の上端中央には、アジャスタ17が設けられア
クチュエータ7の上下方向の位置の微調整ができるよう
になっている。また、アクチュエータ7のピエゾ素子に
伸縮信号を印加するケーブル18は、ここを経由して上
ケース2の外部に出て、図示しない駆動回路に接続され
る。ピエゾ素子は電圧信号の印加により伸縮するので、
かかる伸縮作用にともないアクチュエータ7の下端の位
置が上下するようになっている。
【0020】開閉弁1の中間体3の中心にはベアリング
16を介して、シャフト8が上下方向に摺動可能に嵌装
されている。かかるシャフト8の下端は下ケース6の中
央に嵌装されている。またシャフト8は、その上端に当
接するアクチュエータ7の伸縮と内復帰バネ12の弾拡
力との協働により位置決めされている。また弁体9は、
外復帰バネ11の弾拡力によりシャフト8のツバ部19
に押圧される形で下ケース6の内部に挿入されている。
弁座4により、下ケース6の内部は上室20と下室21
とに分離されている。また下ケース6には、下室21に
連通する入口ポート13と上室20に連通する出口ポー
ト14とが形成され、図示しない流体源および負荷に接
続されている。
【0021】次に、以上の構成を有する開閉弁1の全体
の動作について説明する。まず、アクチュエータ7が縮
状態にあるとき内復帰バネ12の弾拡力によりシャフト
8は上方に押し上げられる。これにともない弁体9は、
外復帰バネ11の弾拡力により上方に押し上げられ、弁
座4に当接する。この状態は後述するように弁として閉
状態である。図1はこの状態を示している。
【0022】ピエゾ素子に信号を印加し、アクチュエー
タ7を伸状態にするとシャフト8は内復帰バネ12の弾
拡力に抗して下方に移動する。したがって弁体9も外復
帰バネ11の弾拡力に抗して下方に移動し、弁座4から
離間するので、弁体9と弁座4との間にギャップが生じ
る(図2参照)。この状態は後述するように弁として開
状態である。ここで、アクチュエータ7の変位量は50
μmであるので、開弁時(図2)における弁体9と弁座
4との間のギャップも50μmである。ここで、アクチ
ュエータ7に使用されているピエゾ素子は図9のグラフ
中のカーブCのような出力特性を有しているので、弁動
作の進行とともに出力が減少するため、電磁弁における
可動鉄心と固定鉄心との衝突による機械的破損や騒音発
生の問題はない。
【0023】続いて、弁座4および弁体9について詳細
な説明をする。弁座4には連通孔5が形成されており、
上室20と下室21とは連通孔5を経由して連通してい
る。そして、弁体9にも同様の連通孔10が形成されて
いる。さらに弁体9の外径は、下室21の内径より小さ
いので、下室21の内壁との間に周辺隙間15が存在し
ている。ここにおいて弁座4の連通孔5は、すべて弁体
9の外径相当部分より内側に形成されており、かつ、弁
座4の連通孔5と弁体9の連通孔10とは互いに重畳し
ない位置に形成されている。この様子を図3の部分斜視
図に示す。さらに図4は弁座4および弁体9の上面図で
ある。
【0024】したがって図1に示すように弁座4と弁体
9とが当接しているときには、弁座4のすべての連通孔
5は弁体9によって閉鎖されており、かつ、弁体9のす
べての連通孔10および周辺隙間15は弁座4により閉
鎖されていることになる。したがってこの状態では、上
室20と下室21との連通は遮断されており、弁は閉状
態である。そして図2に示すように、弁座4と弁体9と
が離間しているときには、弁座4と弁体9との間に生じ
たギャップにより、前記各連通孔の閉鎖が解かれ、上室
20と下室21との連通が回復する。このとき入口ポー
ト13から、下室21、弁体9の連通孔10または周辺
隙間15、弁座4と弁体9との間のギャップ、弁座4の
連通孔5、そして上室20を経由して出口ポート14ま
で連通している。すなわち、弁は開状態となっている。
【0025】次に、図11で考察したオリフィス部面積
とペリフェラル部面積との関係を本実施例の弁機構にお
いて考察する。本実施例の弁機構における流体の流路
は、第1のオリフィス、ギャップ、そして第2のオリフ
ィスの直列になっていると考えることができる。ここに
おいて、第1のオリフィスとは弁体9の連通孔10また
は周辺隙間15であり、第2のオリフィスとは弁座4の
連通孔5である。そしてここでは連通孔10と連通孔5
とはそれぞれ複数形成されているので、それぞれ個々の
連通孔5、連通孔10および周辺隙間15についてオリ
フィス部面積とペリフェラル部面積とのバランスがとれ
ていて、かつ、第1のオリフィスすなわち弁体9の連通
孔10および周辺隙間15の合計流量と、第2のオリフ
ィスすなわち弁座4の連通孔5の合計流量とが等しいと
きには、全体として効率よく流量容量を稼ぐことができ
る。
【0026】そこで、ある一つの連通孔5におけるオリ
フィス部面積とペリフェラル部面積とについて考察す
る。その連通孔5のオリフィス部面積とは、その連通孔
5の断面積を指し、その連通孔5のペリフェラル部面積
とは、その連通孔5の周辺長とギャップ長との積であ
る。したがって、その連通孔5の長さをl、幅をwと
し、ギャップ長をgとすれば、その連通孔5のオリフィ
ス部面積は概ねlwであり、その連通孔5のペリフェラ
ル部面積は概ね2lgであるので、w=2gとすれば、
すなわち連通孔5の幅がギャップ長の2倍程度であれ
ば、オリフィス部面積とペリフェラル部面積とがほぼ等
しくなり、その連通孔5においては両部分の面積が流路
として有効に機能していることになる。もしw>>2g
であると、図11で考察したものと同様に、オリフィス
部面積が流路として有効に機能しないばかりか、開弁動
作を行うアクチュエータ7の負担が大きくなりスムーズ
な動作ができなくなるので好ましくない。
【0027】連通孔10についても同様の考察により、
個々の連通孔10がそれぞれ、ギャップ長の2倍程度の
幅を有していれば、必要な流路を確保することができ
る。ただし連通孔10については、そのオリフィス部面
積が必要以上に大きくても、アクチュエータ7の負担を
大きくすることがないので、特に弊害はない。したがっ
て連通孔10の幅は、連通孔5と連通孔10とが重畳す
ることがないように定めればよい。
【0028】このことを考慮し本例では、個々の連通孔
5および連通孔10は、いずれもその幅が100μmと
なるように形成されている。さらにこのように、弁座4
の各連通孔5が上記したように細幅形状となっているの
で、オリフィス部面積が過剰に大きいことはなく、した
がって開弁動作開始時の固体アクチュエータ7の負担も
過大なものではない。
【0029】弁体9の周辺隙間15については、そのオ
リフィス部面積とは弁体9の外周と下室21の内壁との
隙間の総面積であり、そのペリフェラル部面積とは弁体
9の外周長とギャップ長との積である。したがって、弁
体9の外周長をbとし、弁体9の外周と下室21の内壁
とのクリアランスをcとすれば、オリフィス部面積はb
cであり、ペリフェラル部面積はbgである。よってc
=gであれば、すなわちクリアランスとギャップ長が同
程度であれば周辺隙間15は流路として有効に機能して
いることになる。そして周辺隙間15も連通孔10と同
様、その幅が必要以上に大きくても、連通孔5と重畳し
ない限り特に弊害はない。本例における弁体9は、その
半径を下室21の半径より50μm小さくして周辺隙間
15を形成したものである。
【0030】このように個々の第2オリフィス、すなわ
ち連通孔5が上述したようにについてギャップ長の2倍
程度の幅を有し、かつ、弁体9の連通孔10および周辺
隙間15の合計流量が弁座4の連通孔5の合計流量と同
程度かそれ以上であれば、すなわち、弁体9の連通孔1
0および周辺隙間15の総断面積が弁座4の連通孔5の
総断面積と同程度かそれ以上であれば、全体として流れ
の効率がよく、かつ、アクチュエータ7に過大な負担が
かからない。したがって上述の関係を保ちながら、長孔
状の連通項をふやして弁座4の連通孔5の総断面積と弁
体9の連通孔10の総断面積とを大きくすれば、弁体9
と弁座4との間のギャップを拡大することなく効率よ
く、すなわち弁装置を過度に大きくする必要なく、流量
容量の大きな開閉弁を実現できる。ここにおいて、上述
の諸数値およびそれらの間の関係が厳密なものである必
要はないことはもちろんである。
【0031】そして、本例の弁装置1では、応答時間の
短いピエゾ素子による固体アクチュエータ7を使用して
いるので、応答性が非常によい。このため、本例の弁装
置1を高速開閉作動させることにより、図5に示す空気
圧シリンダの精密位置制御に応用することができる。図
5(a)は、本例の弁装置2式による空気圧シリンダの
位置決め制御のブロック図である。図5(a)の位置決
め制御では、供給圧Ps から空気圧シリンダ51の作用
室Pp への断続を弁装置1Aが、該作用室Pp から大気
圧Pa への断続を弁装置1Bが、それぞれ受け持つ。
【0032】そしてポテンショメータ52が、空気圧シ
リンダ51のピストン56の位置を検出し、A/D変換
器53によりデジタル信号に変換され、マイクロコンピ
ュータ54に送られる。マイクロコンピュータ54で
は、図示しないROMテーブルに基づき、ピストン56
を目標位置へ駆動するべく、インタフェース55を介し
て弁装置1Aおよび弁装置1Bの固体アクチュエータ
(7Aおよび7B)へ開閉信号を送る。そして弁装置1
Aおよび弁装置1Bは、該信号の指令に基づき開閉す
る。ここにおいて、ピエゾ素子の応答時間は前述のよう
に0.2ないし1msと短いので、100ヘルツより高
い周波数のパルス信号でアクチュエータを駆動しても、
図5(b)に示す高速動作に充分追従し、空気圧シリン
ダ51の作用室Ppの圧力を所望の値にし、結果として
ピストン56の位置の精密制御が可能なのである。
【0033】また、図5(a)において、A/D変換器
53、マイクロコンピュータ54およびインタフェース
55からなるデジタル制御に替えて、アナログ制御によ
りピエゾ素子に印加するエネルギーを変化させ、弁装置
の弁間ギャップを変化させ、流量を制御することも可能
である。この場合も、ピエゾ素子の応答時間が短いこと
により、弁間ギャップは印加信号によく追随するので、
リアルタイムに流量をコントロールすることができる。
なお、アナログ制御手段の内容は、一般的なものである
ので説明は省略した。
【0034】次に、本発明の第2の実施例について図6
および図7に基づいて説明する。本例は、前記の実施例
の弁機構を三方弁に応用したものである。図6は本例に
かかる三方弁23の断面図である。図6に示す三方弁2
3は、上部分24と下部分25とが中部分26を挟持し
ながら組み合わされ、本体をなしている。
【0035】まず、かかる三方弁23全体の構成および
作動を説明し、しかるのちに本発明の主要部分を説明す
ることとする。三方弁23においては、上部分24の一
部として上弁座27が、下部分25の一部として下弁座
28が形成されており、本体内部空間は上弁座27と下
弁座28とにより、上室34、中室35、および下室3
6に分離されている。そして中部分26には、それぞれ
上室34、中室35、および下室36に連通する上出口
ポート37、入口ポート38、および下出口ポート39
が形成されている。中室35には上下2層からなる弁体
29が挿入されている。中室35の上下方向の幅は、弁
体29の全厚にアクチュエータ31の伸縮変位量を加え
たものとなっている。よって弁体29は上下方向に移動
可能であり、弁体29は前記の実施例の弁体9同様、シ
ャフト30により伝えられるアクチュエータ31の伸縮
作用と、外復帰バネ32および内復帰バネ33の弾拡力
によって位置決めされている。
【0036】したがって三方弁23は次のように動作す
る。アクチュエータ31が縮状態にあるとき、弁体29
は外復帰バネ32により上方へ移動するので、弁体29
の上層が上弁座27に当接するとともに、弁体29の下
層は下弁座28から離間する。一方、アクチュエータ3
1が伸状態にあるとき、弁体29はシャフト30により
下方に移動するので、弁体29の下層が下弁座28に当
接するとともに、弁体29の上層は上弁座27から離間
する。
【0037】そして、三方弁23における本発明として
の主要部分は、上弁座27と弁体29の上層とにそれぞ
れ、前述の開閉弁1の弁座4と弁体9とにおけるものと
同様に、互いに重畳しない位置に連通孔が形成されてお
り、これらが先の実施例で述べた特徴を有する開閉弁と
なっていること、および、下弁座28と弁体9の下層と
も同様に開閉弁となっていることである。
【0038】したがって、アクチュエータ31が縮状態
にあるとき、弁体29の上層が上弁座27に当接してい
るので、上室34と中室35とは連通しておらず、一方
弁体29の下層は下弁座28から離間しているので、中
室35と下室36とは連通している。すなわち、入口ポ
ート38と下出口ポート39とは連通しているが、上出
口ポート37は閉鎖されどことも連通していない。図6
はこの状態を示している。逆に、アクチュエータ31が
伸状態にあるとき、弁体29の上層が上弁座27から離
間しているので、上室34と中室35とは連通してお
り、一方弁体29の下層は下弁座28に当接しているの
で、中室35と下室36とは連通していない。すなわ
ち、入口ポート38と上出口ポート37とは連通してい
るが、下出口ポート39は閉鎖されどことも連通してい
ない。図7はこの状態を示している。
【0039】すなわち、三方弁23においては、アクチ
ュエータ31の状態により、入口ポート38からの連通
先が、上出口ポート37と下出口ポート39とのいずれ
であるかが決定されるのである。そしてこの三方弁23
も前記開閉弁1と同様に、機械的破損のおそれなく高速
動作が可能であることはもちろんである。
【0040】以上詳細に説明したとおり本実施例にかか
る弁機構では、微少なギャップにて充分に大きい流量に
対応でき、したがって変位の小さい固体アクチュエータ
から倍変位機構なく直動で高速動作し、機械的破損のお
それもない、小形で信頼性の高い弁を提供できる。な
お、前記実施例は本発明を限定するものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、改良
が可能であることはもちろんである。例えば前記実施例
では弁体を駆動するのに、ピエゾ素子による固体アクチ
ュエータを用いたが、磁歪素子による固体アクチュエー
タを用いてもよい。また、弁座および弁体における個々
の連通孔の形状は、図4に示した同心円状に限らず、細
幅形状のものであればどんな形状であってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明の開閉弁では、内部を流体が流れる長孔状の連通孔が
形成された盤状の弁座と、連通孔と互いに重畳しない位
置に形成された連通経路を有する盤状の弁体と、弁体を
駆動するアクチュエータとを有しているので、微小なギ
ャップにて充分に大きい流量に対応でき、したがって変
位の小さい固体アクチュエータから倍変位機構なく直動
で作動し、しかも機械的破損なく高速作動が可能な、小
形で信頼性の高い開閉弁を提供できる。
【0042】また、本発明の開閉弁は、内部を流体が流
れる長孔状の連通孔が形成された盤状の弁座と、連通孔
と互いに重畳しない位置に形成された連通経路を有する
盤状の弁体と、弁体を駆動するアクチュエータと、アク
チュエータを100ヘルツより高い周波数のパルス信号
で駆動する制御手段を有しているので、微小なギャップ
にて充分に大きい流量に対応でき、したがって変位の小
さい固体アクチュエータから倍変位機構なく直動で作動
し、デジタルパルス信号で流量をリアルタイムで制御で
きるため、所定の流量を正確に流せる小形で信頼性の高
い開閉弁を提供できる。また、デジタルパルス信号によ
る流量のリアルタイム制御以外に、固体アクチュエータ
にアナログ信号を与えることにより、弁座と弁体との間
のギャップをコントロールして流量をリアルタイム制御
することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第一実施例の開閉弁全体の閉状態
における断面図である。
【図2】第一の実施例の開閉弁全体の開状態における断
面図である。
【図3】第一の実施例の開閉弁の主要部分の部分斜視図
である。
【図4】第一の実施例の開閉弁の弁座および弁体の上面
図である。
【図5】第一の実施例の開閉弁を利用した空気圧シリン
ダの制御機構である。
【図6】本発明に係る第二の実施例の三方弁全体の断面
図である。
【図7】第二の実施例の三方弁全体の断面図である。
【図8】従来技術にかかる電磁弁の断面図である。
【図9】弁機構における弁開度と必要な駆動力、および
電磁石または固体アクチュエータの発生出力との関係を
示すグラフである。
【図10】従来技術にかかる弁機構に固体アクチュエー
タを組み合わせた弁の断面図である。
【図11】従来技術にかかる弁機構における弁座と弁体
との断面図である。
【図12】倍変位機構の一例を示す図である。
【符号の説明】
4 弁座 5 弁座の連通孔 7 固体アクチュエータ 9 弁体 10 連通孔

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を流体が流れる長孔状の連通孔が形
    成された盤状の弁座と、該連通孔と互いに重畳しない位
    置に形成された長孔状の連通経路を有する盤状の弁体と
    を有し、前記弁体が前記弁座に対して当接または離間す
    ることにより流体の流れを制御する開閉弁において、 前記弁座に形成された前記長孔状の前記連通孔の幅w
    と、前記弁座と前記弁体とが離間しているときの距離g
    とにおいて、 前記連通孔の幅約2gとなるように定めたことを特
    徴とする開閉弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する開閉弁において、 前記アクチュエータを100ヘルツより高い周波数のパ
    ルス信号で駆動することにより、前記弁体を前記弁座に
    対して前記高い周波数で当接及び離間させる制御手段を
    有することを特徴とする開閉弁。
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