JP2832177B2 - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JP2832177B2
JP2832177B2 JP6210096A JP6210096A JP2832177B2 JP 2832177 B2 JP2832177 B2 JP 2832177B2 JP 6210096 A JP6210096 A JP 6210096A JP 6210096 A JP6210096 A JP 6210096A JP 2832177 B2 JP2832177 B2 JP 2832177B2
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知樹 只腰
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体の流れを制御
する常開型の電磁弁に関し、特に、大流量の流体を制御
できる小型の電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、流体制御に関して様々な形態
の電磁弁が使用されてきているが、その一例を図面を参
照して説明する。図5は、電磁弁の第1従来例を示した
断面図である。この電磁弁51は、上部のソレノイド部
と下部の弁部とから構成され、そのソレノイド部は、コ
イル52が巻回されたコイルボビン53が磁気枠54に
囲まれ、外周面が樹脂によって形成されたカバー55に
より全体が一体化するようにモールド固定されている。
また、ソレノイド部には、コイルボビン53内には固定
鉄心56が固定され、その固定鉄心56に対して上方同
軸上に固定鉄心56に接離可能なように可動鉄心57が
嵌挿されている。
【0003】固定鉄心56は、配設されたコイル52の
中央部から下方に延設され、その下端部にはフランジが
形成され、後述する弁部を構成するボディ61にロック
ナット60によって気密に一体固定されている。また、
固定鉄心56の軸心部には貫通孔が形成され、可動鉄心
57下端に固設された弁棒58によって上下に貫かれて
いる。弁棒58は、下端がボディ61内にまで延設さ
れ、その先端には弁体62を挟持するホルダ部58aが
一体成形されている。そして、弁体62は、ホルダ部5
8a内に摺動可能な状態で挟持され、そのホルダ部58
a内に配設された第1のスプリング64によって上方か
ら付勢されている。また、ホルダ部58aの外周部に成
形された張出部58bには下方から第2のスプリング6
5が当接され、弁棒58及び可動鉄心57が上方に付勢
されている。一方、ボディ61には、弁体62に対する
弁座66が形成され、流体の流入する入力ポート67と
弁座66を介して連通する出力ポート68とが形成され
ている。
【0004】次に、このような構成をなす従来の電磁弁
51の動作について説明する。ここで、図6は、可動鉄
心のストロークSに対する弁体にかかる負荷またはその
可動鉄心に生じる吸引力の関係を表わした線図である。
コイル52が通電されると、可動鉄心57が、励磁され
た固定鉄心56との間で生じる吸引力によって吸引され
ることとなる。その際、図6のグラフPで示すように、
可動鉄心57と固定鉄心56とが最も離れた通電開始時
(吸引初期)に吸引力が最も小さく、両者が接近するに
従って急激に吸引力が上昇することが分かる。
【0005】このように通電によって可動鉄心57が固
定鉄心56に吸引されると、その可動鉄心57ととも
に、ホルダ部58aに弁体62を挟持した弁棒58が、
第2のスプリング65の付勢力に抗して下降することと
なる。そして、弁体62がストロークSb〜Saの間を
下降したところで弁座66に当接し、そこから更に両者
を気密に当接させるべく、可動鉄心57が更にSaの距
離だけ下降して固定鉄心56へ吸着される。その際、弁
体62は、弁座66から受ける反力によって第1のスプ
リング64を弾縮させながらホルダ部58a内を摺動す
ることとなる。
【0006】このようにして、ストロークSbの距離移
動する可動鉄心57を固定鉄心56へ吸引させる吸引力
に反して生じる負荷は、第1のスプリング64及び第2
のスプリング65による弾性力である。これは、図6の
グラフQで示すように、可動鉄心57がストロークSb
〜Saの間を移動する際の負荷は、第2のスプリング6
5の付勢力のみであり、吸着直前のストロークSaの間
には第1のスプリング64及び65の付勢力が働く。そ
して、この負荷は、開弁時、即ちコイル52への通電を
止めた際には、弁体62を弁座66から離間させる力と
して作用することとなる。ところで、閉弁時に入力ポー
ト67から流入した流体は出力ポート68へ流れること
なくボディ61内に滞留するため、流体圧力によって弁
体62を弁座66へ押し付ける閉弁方向に力がかかるこ
ととなる。このときの負荷を図6のグラフRに示す。急
激に負荷が減少しているのは、そこで弁体62が弁座6
6から離間し、流体が出力ポート68側へ流れ込んだこ
とを示している。
【0007】そして、コイルへの通電を断つと、第1の
スプリング64及び第2のスプリング65の弾拡力によ
って弁体62が弁座66から離間されることとなる。具
体的には、図6のグラフQに示すように、先ず第1のス
プリング64が、ホルダ部58a内を摺動する弁体62
を弁座66側へ押し付けたまま弁棒58及び可動鉄心5
7を上方へ付勢するとともに、第2のスプリング65
が、弁棒58及び可動鉄心57を上方へ付勢する。そし
て、第1のスプリング64が作用しなくなった後は、第
2のスプリング65の弾拡力のみによって可動鉄心57
を上方へ移動させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにス
プリングの付勢力によって開弁動作を行なう従来の常開
型の電磁弁には次のような問題があった。先ず、流体圧
力によって弁体62にかかる負荷は、弁座66に形成さ
れたオリフィス66aの径の自乗に比例するため、オリ
フィス66aを大きくしたのでは電磁弁51自体を大型
化する必要が生じ、電力消費量が増すこととなった。そ
の一方、オリフィス66aの径を小さくしたのでは少流
量の制御しかできず使用に不便であった。即ち、オリフ
ィス66aの径を大きくすることに伴って大きくなる負
荷に反して弁体62を持ち上げるため、第2のスプリン
グ65の付勢力を大きくする必要がある。というのも、
例えば、オリフィス66aの径を大くきした場合、図6
のグラフXで示すような負荷が弁体62に作用するが、
閉弁したままストロークSaの位置まで可動鉄心57が
移動した後は、第2のスプリング65のみが作用する
が、その付勢力よりも弁体62を押し付ける流体圧力に
よる負荷の方が大きくなってしまい、最終的に弁が開か
ないこととなってしまう。
【0009】そのため、弁体62を弁座66から離間さ
せる付勢力を有するには、それだけ第2のスプリング6
5の強度を強くする必要がありるが、それに伴って、閉
弁時に第2のスプリング65の付勢力に抗して可動鉄心
57を吸引するだけの吸引力を得ることができる大型の
コイルが必要であり、またコイルへの作動電圧も大きな
ものとなった。従って、電磁弁の設計上使用するコイル
の吸引力に対してスプリングの荷重特性が制限されるた
め、コイルの吸引力に合わせたのではオリフィスの径が
制限され流量の小さいものとなってしまった。
【0010】更に、上述した常開型の電磁弁51では、
固定鉄心56を挟んで可動鉄心57と弁体62とを弁棒
58で連結する構成をとったため、特に固定鉄心組立が
専用の構造となってしまった。そのため、通常固定鉄心
に対して同じ側に可動鉄心及び弁体が連結あるいは一体
となった構成である常閉型の電磁弁と比較した場合、ソ
レノイド部の互換性がないばかりか、その構造も複雑な
ものとなってしまい、コストアップとなるものであっ
た。
【0011】そこで、本発明は、上述した問題点を解消
すべく、小型のもので大流量の流体制御が可能な常開型
の電磁弁を提供すること、また常閉型とのソレノイド部
の共用が可能な常開型の電磁弁を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁弁は、導電
性コイルの巻回されるソレノイド部に固定的に設けられ
た固定鉄心と、ソレノイド部への通電により固定鉄心に
発生される電磁力により固定鉄心側に吸引される可動鉄
心と、その固定鉄心に吸引される可動鉄心の動きに連動
する弁体と弁本体に形成された弁座との当接または離間
によって開閉動作を行なう弁機構を有し、前記ソレノイ
ド部への通電時によって閉弁する常開型のものであっ
て、一端部が前記可動鉄心に対して遊嵌され他端部に前
記弁体を備えた弁棒と、前記可動鉄心に対して常に開弁
方向に作用する第1付勢部材と、前記弁体に対して前記
弁棒を介して閉弁方向に作用する第2付勢部材と、前記
弁座に当接した前記弁体を離間させる開弁初期には流体
圧力によって閉弁方向に作用する負荷の方が前記第1付
勢部材によって開弁方向に作用する第1付勢力より大き
い関係にあって、当該負荷を超えるべく当該開弁初期に
前記第1付勢力に加えて前記可動鉄心に対して開弁方向
に作用する第3付勢部材とを有することを特徴とする。
【0013】また、本発明の電磁弁は、導電性コイルの
巻回されるソレノイド部に固定的に設けられた固定鉄心
と、ソレノイド部への通電により固定鉄心に発生される
電磁力により固定鉄心側に吸引される可動鉄心と、その
固定鉄心に吸引される可動鉄心の動きに連動する弁体と
弁本体に形成された弁座との当接または離間によって開
閉動作を行なう弁機構を有し、前記ソレノイド部への通
電時によって閉弁する常開型のものであって、前記可動
鉄心が、前記固定鉄心と前記弁座との間に位置するもの
であって、軸方向に所定距離だけ移動可能なよう一端部
が前記可動鉄心に対して遊嵌され、前記弁座を通り抜け
た他端部に前記弁体を保持する弁棒と、前記可動鉄心を
前記弁座側に付勢する当該可動鉄心に係設された第1付
勢部材と、前記可動鉄心に対して前記弁棒を前記固定鉄
心側へ付勢する当該可動鉄心及び弁棒間に係設された第
2付勢部材と、前記可動鉄心と前記固定鉄心とが所定距
離まで接近した状態で両者に作用するよう当該可動鉄心
に係設された第3付勢部材とを有することを特徴とす
る。
【0014】また、本発明の電磁弁は、前記可動鉄心
が、軸心部を貫いて形成された挿入孔を有し、前記弁本
体と前記可動鉄心に形成された張出部との間に嵌装され
た前記第1付勢部材と、当該可動鉄心の挿入孔内を径方
向に掛け渡すよう可動鉄心に固定された第1ピンに遊嵌
された前記弁棒と、当該可動鉄心の挿入孔内にあって前
記第1ピンと前記弁棒に形成された張出部との間に嵌装
された前記第2付勢部材と、前記可動鉄心の挿入孔内に
摺動可能に嵌挿され前記固定鉄心側端部から所定量突出
するように形成された突出部材と、当該可動鉄心の挿入
孔内中央部であって当該可動鉄心の挿入孔内を径方向に
掛け渡すよう可動鉄心に固定された第2ピンに遊嵌され
た係止部材と、前記可動鉄心の挿入孔内であって前記突
出部材と前記係止部材との間に嵌装された前記第3付勢
部材とを有するものであることが望ましい。
【0015】上記構成を有する本発明の電磁弁は、導電
性コイルの巻回されるソレノイド部への通電により発生
する電磁力によって固定鉄心側に可動鉄心が吸引され、
その可動鉄心の動きに連動する弁体と弁座との当接また
は離間によって弁の開閉動作が操作される。そして、通
電によって可動鉄心が固定鉄心に吸引されると、吸引初
期には開弁方向に作用する第1付勢部材を弾縮させなが
ら移動し、続いて第3付勢部材を弾縮させ、その後弁体
が弁座に当接した時点から第2付勢部材の弾性力が弁体
に作用して当該弁体が弁座に圧接され気密に閉弁され
る。一方、ソレノイド部への通電を断つと、吸引力から
開放された可動鉄心及び弁棒には第1付勢部材に加え第
3付勢部材の付勢力が開弁方向へ働き、弁体に作用する
流体圧力による負荷に抗して弁体が弁座から離間され
る。従って、通電を開始した吸引初期には、第1付勢部
材のみが作用するが、通電を断った開弁初期には第1付
勢部材に加え第3付勢部材が作用することによって、吸
引初期の電力が少なくてすむ一方、開弁初期には流体圧
力によって作用する大きな負荷に抗して付勢力が作用す
るため、弁座のオリフィスを大きくしてもコイルや付勢
部材を大型化することなく、小型のもので大流量の流体
制御が可能な常開型の電磁弁を提供することが可能とな
った。
【0016】また、本発明の電磁弁は、前記固定鉄心に
対して前記弁座側に位置する前記可動鉄心が通電によっ
て固定鉄心に吸引されると、第1付勢部材を弾縮させな
がら移動し、続いて可動鉄心と固定鉄心とが所定距離ま
で接近した時点から第3付勢部材を弾縮させ、その後弁
体が弁座に当接した時点から弾縮される第2付勢部材が
弁体に作用して当該弁体が弁座に圧接され気密に閉弁さ
れる。一方、ソレノイド部への通電を断つと、吸引力か
ら開放された可動鉄心及び弁棒にはは第1付勢部材の付
勢力に加え、可動鉄心と固定鉄心とが所定の距離離れる
まで第2付勢部材によって開弁方向への付勢力が働き、
その間に弁体が弁座から離間される。従って、弁座のオ
リフィスを大きくしてもコイルや付勢部材を大型化する
ことなく、小型のもので大流量の流体制御が可能な常開
型の電磁弁を提供することが可能となったとともに、可
動鉄心が固定鉄心に対して弁座側に位置するので、常閉
型とのソレノイド部の共用が可能な常開型の電磁弁を提
供することが可能となった。
【0017】また、本発明の電磁弁は、コイルへの通電
によって可動鉄心が固定鉄心側へ吸引されると、吸引初
期には可動鉄心に第1付勢部材の弾性力が作用し、続い
て固定鉄心に対して可動鉄心から所定量突出する突出部
材が当接すると、第2ピンに遊嵌された係止部材との間
に嵌装された第3付勢部材によって吸引力に対する弾性
力が更に可動鉄心に作用し、その後更に弁体が弁座に当
接してもなお可動鉄心が移動することによって、第1ピ
ンと弁棒に形成された張出部との間に嵌装された第2付
勢部材による弾性力が弁体に作用して当該弁体が弁座に
圧接され気密に閉弁する。一方、ソレノイド部への通電
を断つと、吸引力から開放された可動鉄心及び弁棒に
は、第1付勢部材の付勢力に加え、閉弁時に固定鉄心に
当接し挿入孔内に入り込んでいた突出部材を可動鉄心か
ら相対的に押し出すよう第3付勢部材の付勢力が作用す
る。従って、弁座のオリフィスを大きくしてもコイルや
付勢部材を大型化することなく、小型のもので大流量の
流体制御が可能な常開型の電磁弁を提供することが可能
となり、また、可動鉄心が固定鉄心に対して弁座側に位
置するので、常閉型とのソレノイド部の共用が可能な常
開型の電磁弁を提供することが可能となった。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる電磁弁の一
実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図
1乃至図3は、本実施の形態における電磁弁を示した断
面図であり、開閉動作を経時的に示したものである。そ
こで、先ず本実施の形態における電磁弁の構成について
説明する。この電磁弁1は、上部のソレノイド部と下部
の弁部とから構成され、ソレノイド部は、コイル2が巻
回されたコイルボビン3が磁気枠4に囲まれ、外周面が
樹脂によって形成されたカバー5により全体が一体化す
るようにモールド固定されている。また、ソレノイド部
には、コイルボビン3内に上方から挿入された固定鉄心
6が固定され、その固定鉄心6に対して下方同軸上にガ
イドパイプ7内を摺動可能なよう可動鉄心8が嵌挿保持
されている。
【0019】そして、このソレノイド部と弁部とは、ソ
レノイド部の下方に延設されたガイドパイプ7と弁部を
構成するボディ21とが、フランジ30によって気密に
固定されている。また、可動鉄心8の下端部にはフラン
ジが形成され、フランジ30との間で第1スプリング1
0が縮設され、可動鉄心8が下方へ付勢されている。
【0020】ところで、可動鉄心8には、その軸心部を
貫く挿入孔8aが径を変化させた段部をもって形成され
ている。そして、最も径の大きい挿入孔8a下部には、
ボディ21内に延設される弁棒11が嵌挿されている。
具体的には、その弁棒11には径方向に貫いた貫通孔1
1aが形成される一方、可動鉄心8には挿入孔8aの中
心を通って掛け渡された第1ピン12が固定され、その
貫通孔11aを径の小さい第1ピン12が貫通するよう
に係設され、弁棒11が軸方向に所定量だけ移動可能と
なるよう構成されている。また、可動鉄心8の挿入孔8
a内壁面と弁棒11との間には、その弁棒11上端部に
形成されたフランジと第1ピン12に固定されたストッ
パ13とに当接した第2スプリング14が縮設されてい
る。従って、弁棒11が上方へ付勢され、その上端部が
挿入孔8a内の段部に当接して移動が制限されている。
【0021】一方、下端部の径より縮小した挿入孔8a
中間部には、その中心を通って掛け渡され第2ピン15
が固定され、径方向に貫いた貫通孔16aが形成された
固定バネ受16が、その貫通孔16aを第2ピン15が
貫通して配設されている。更に、可動鉄心8の挿入孔8
a上端部には、最も径の小さい開口部から所定量突出す
る突出部を有する可動バネ受17が摺動可能に嵌挿され
ている。可動バネ受17は、非磁性体により形成されて
いる。そして、この可動バネ受17と固定バネ受16と
の間には第3スプリング18が縮設され、可動バネ受1
7が第3スプリング18に付勢され挿入孔8aの段部に
押し付けられた状態で、可動バネ受17の突出部が可動
鉄心8上端から突出するよう構成されている。本実施の
形態の電磁弁1では、この第3スプリング18の強度を
変化させることにより流体圧力、即ち制御流体の流量に
対応させることができる。従って、第3スプリング18
として2本のスプリングを図示したが、2本に限定され
るわけではない。
【0022】更に、電磁弁1を構成する弁部は、上述し
たようにボディ21及びカバー22によって構成されて
いる。ボディ21は、上下に貫通した円筒体によって構
成され、その側面には入力ポート23及び出力ポート2
4形成され、ボディ21内に形成された壁面によて流路
が設けられている。入力ポート23及び出力ポート24
は、流路を介してそれぞれボディ21の下側に開口する
開口部25,26に連通されている。出力ポート24に
連通する開口部26は、上記可動鉄心8及び弁棒11と
同軸上に位置するよう形成され、そこには弁座27が下
方から嵌挿固定されている。一方、ボディ21上方には
弁棒11が通るだけの貫通孔を有する上壁28が形成さ
れ、上面には可動鉄心8からの衝撃を受けるクッション
板29が張り付けられている。
【0023】そして、このようなボディ21の下端部に
はカバー22が気密に固定され弁室31を構成してい
る。ところで、弁棒11は、その先端が弁室31内にま
で延設され、弁座27の下側にスペーサ32及びホルダ
33とともに合成ゴムからなる弁体34がナット35に
よって一体固定されている。また、カバー22内にはホ
ルダ33が摺動するガイド36が固着され、弁体34が
弁座27に対して常に垂直に当接するよう構成されてい
る。
【0024】そこで、このような構成からなる電磁弁1
は次のように作用する。ここで、図4は、可動鉄心8の
ストロークに対する弁体34にかかる負荷またはその可
動鉄心8に生じる吸引力の関係を表わした線図である。
コイル2が通電されると、可動鉄心8が、励磁された固
定鉄心6との間で生じる吸引力によって吸引されること
となる。その際、図4のグラフAで示すように、可動鉄
心8と固定鉄心6との間に生じる吸引力は、両者が最も
離れた吸引初期に最も小さく、両者が近づく従って急激
に上昇する。
【0025】通電によって可動鉄心8が固定鉄心6側へ
吸引されると、先ず第1スプリング10の付勢力にのみ
に抗して可動鉄心8が上昇することとなる。その際、弁
棒11も可動鉄心8に従って同じように上昇する。な
お、図1に示すように非通電時には可動鉄心8上端面と
固定鉄心6下端面との距離、即ちストロークS1は4m
mである。ところで、コイル2へ通電された吸引初期の
ストロークS1の時点では図4に示すように吸引力は非
常に小さいが、第1スプリング10によって下方へかか
る負荷の方が更に小さいため、小さい吸引力によっても
可動鉄心8が上昇することとなる。
【0026】そして、可動鉄心8が第1スプリング10
を弾縮しながら上昇し、図2に示すように先ず可動鉄心
8から突出した可動バネ受17が固定鉄心6に衝突す
る。このとき可動鉄心8のストロークS2は0.85m
mである。そこで、固定鉄心6に当接して可動バネ受1
7の移動が制限されると、その後のストロークS2の距
離には第1スプリング10の付勢力に加えて第3スプリ
ング18の付勢力が可動鉄心8に働くこととなる。この
ような付勢力の変化を図4のグラフBに示した。従っ
て、ストロークS1〜S2の間には第1スプリング10
が弾縮される際の弾性力が作用し、そしてストロークS
2の時点で第3スプリング18の弾性力が加わり急激に
可動鉄心8に作用する負荷が増すこととなる。しかし、
このような場合でも可動鉄心8が固定鉄心6に接近し
て、そこに生じる吸引力がそれ以上に大きくなっている
ため可動鉄心8は更に上昇することとなる。
【0027】ところで、可動バネ受17が可動鉄心8の
挿入孔8a下方にフリーな状態で嵌挿されている一方、
固定バネ受16は、第2ピン15によって可動鉄心8に
対して位置決めされている。そのため、ストロークS2
の時点から可動鉄心8が更に上昇すると、固定バネ受1
6も上昇し可動バネ受17との距離が縮まり、第3スプ
リング18が弾縮され、その弾性力が第2ピン15を介
して可動鉄心8へ作用することとなる。そして、可動バ
ネ受17が固定鉄心6に当接して可動鉄心8が移動する
ストロークS2間のストロークS3の時点で弁体34が
弁座27に当接する。ストロークS3は、0.45mm
である。従って、可動鉄心8が固定鉄心6へ当接する残
りのストロークS3の間には、第1スプリング10及び
第3スプリング18に加え第2スプリング14の弾性力
が作用することとなる。
【0028】即ち、その弁棒11は、軸方向に所定距離
だけ移動が可能なよう第1ピン12に係設されているの
で、弁体34が弁座27に当接して弁棒11の軸方向へ
の移動が制限されても、可動鉄心8は、第2スプリング
14を弾縮させながら上昇することとなる。従って、第
2スプリング14の弾性力は、第1ピン12を介して可
動鉄心8に対する負荷として作用するとともに、弁棒1
1に対して上方への付勢力としても作用するため、弁体
34が弁座27に気密に当接されることとなる。このよ
うにして、可動鉄心8が吸引され固定鉄心6に当接する
と、図3に示すように弁棒11上端面と挿入孔8aに形
成された段部との間に第2スプリング14が作用した距
離S3の隙間が生じる。
【0029】ところで、吸引時に上昇する可動鉄心8に
対して作用した第1、第2、第3スプリング10,1
4,17の弾性力は、開弁時、即ちコイル2への通電を
断った際に、弁体34を弁座27を離間させる力として
作用することとなる。一方、閉弁時に入力ポート23か
ら流入した流体は出力ポート24へ流れることなく弁室
31内に滞留するため、流体圧力によって弁体34を弁
座27へ押し付けるよう力が作用している(図4、グラ
フC)。
【0030】そこで、コイル2への通電を断つと可動鉄
心8が吸引力から解放され、第1、第2及び第3スプリ
ング10,14,18が弾拡することとなる。その際、
可動鉄心8がストロークS3だけ下降して第2スプリン
グ14が作用しなくなった後、ストロークS3〜S2の
間では、第1スプリング10の付勢力に加え第3スプリ
ング18の付勢力が作用する。従って、そのストローク
S3〜S2間で流体圧力による弁体34にかかる負荷に
抗して、その弁体34を弁座27から離間させることが
できる。従って、ストロークS2の時点で第3スプリン
グ18が作用しなくなって第1スプリング10の弾拡力
のみとなっても、すでに開弁されて弁体の閉弁方向にか
かる負荷はなくなっているため、ストロークS1まで可
動鉄心8が下降して弁体34と弁座27とが大きく離間
される。
【0031】従って、このような構成による本実施の形
態の電磁弁1によれば、第3スプリング18を設けたこ
とにより、弁座27によるオリフィス27aの径を大き
くすることによって閉弁方向への大きな負荷を超える弾
性力を得ることができた。従って、オリフィス27aの
径を大きくすることによって大流量の流体制御が可能と
なるとともに、可動鉄心8を吸引する際の吸引初期にお
ける付勢力には、負荷の小さい第1スプリング10のみ
しか作用しないため、電力消費量も少なく省エネに優れ
たものを提供することが可能となった。また、このこと
は、オリフィス27aの径に合わせて大型のコイルを用
いる必要はなく、大流量の流体制御が可能な電磁弁1の
小型化を図ることが可能となり、逆に、オリフィス27
aの径を小さくした小流量の流体制御には従来より更に
小型の電磁弁を提供することが可能となった。一方、本
実施の形態の電磁弁1では、固定鉄心6を上部に配設
し、その固定鉄心6と弁座27との間で可動鉄心8が可
動するよう配設したため、ソレノイド部の構成が常閉型
の電磁弁と共通化され、コストダウンに寄与することと
なった。
【0032】なお、本発明は、上記実施の形態で示した
ものに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない
範囲で様々な変更が可能である。例えば、上記実施の形
態では、弁棒11に対して第1ピン12を設ける一方、
固定バネ受16に対して第2ピン15を設けたが、弁棒
11に上方に開口した固定バネ受16を挿入可能な挿入
孔を形成し、弁棒11とその弁棒11内に挿入した固定
バネ受16とを共に第1ピン12で貫通して支持するよ
うにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明は、一端部が可動鉄心に対して遊
嵌され、他端部に弁体を備えた弁棒と、可動鉄心に対し
て常に開弁方向に作用する第1付勢部材と、弁体に対し
て弁棒を介して閉弁方向に作用する第2付勢部材と、弁
座に当接した弁体を離間させる開弁初期には流体圧力に
よって閉弁方向に作用する負荷の方が第1付勢部材によ
って開弁方向に作用する第1付勢力より大きい関係にあ
って、当該負荷を超えるべく当該開弁初期に第1付勢力
に加えて可動鉄心に対して開弁方向に作用する第3付勢
部材とを有するので、小型のもので大流量の流体制御が
可能な常開型の電磁弁を提供することが可能となった。
また、本発明は、可動鉄心が、前記固定鉄心と前記弁座
との間に位置するので、常閉型とのソレノイド部の共用
が可能な常開型の電磁弁を提供することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電磁弁の一実施の形態を示した
断面図でる。
【図2】本発明にかかる電磁弁の一実施の形態を示した
断面図でる。
【図3】本発明にかかる電磁弁の一実施の形態を示した
断面図でる。
【図4】実施の形態の電磁弁に関し、その可動鉄心のス
トロークに対する弁体にかかる負荷または可動鉄心に生
じる吸引力の関係を表わした線図である。
【図5】従来の電磁弁を示した断面図でる。
【図6】従来の電磁弁に関し、可動鉄心のストロークに
対する弁体にかかる負荷またはその可動鉄心に生じる吸
引力の関係を表わした線図である。
【符号の説明】
1 電磁弁 8 可動鉄心 10 第1スプリング 11 弁棒 12 第1ピン 14 第2スプリング 15 第2ピン 16 固定バネ受 17 可動バネ受 18 第3スプリング 27 弁座 34 弁体

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性コイルの巻回されるソレノイド部
    に固定的に設けられた固定鉄心と、 ソレノイド部への通電により固定鉄心に発生される電磁
    力により固定鉄心側に吸引される可動鉄心と、 その固定鉄心に吸引される可動鉄心の動きに連動する弁
    体と弁本体に形成された弁座との当接または離間によっ
    て開閉動作を行なう弁機構を有するものであって、前記
    ソレノイド部への通電時によって閉弁する常開型の電磁
    弁において、 一端部が前記可動鉄心に対して遊嵌され他端部に前記弁
    体を備えた弁棒と、 前記可動鉄心に対して常に開弁方向に作用する第1付勢
    部材と、 前記弁体に対して前記弁棒を介して閉弁方向に作用する
    第2付勢部材と、 前記弁座に当接した前記弁体を離間させる開弁初期には
    流体圧力によって閉弁方向に作用する負荷の方が前記第
    1付勢部材によって開弁方向に作用する第1付勢力より
    大きい関係にあって、当該負荷を超えるべく当該開弁初
    期に前記第1付勢力に加えて前記可動鉄心に対して開弁
    方向に作用する第3付勢部材とを有することを特徴とす
    る電磁弁。
  2. 【請求項2】 導電性コイルの巻回されるソレノイド部
    に固定的に設けられた固定鉄心と、 ソレノイド部への通電により固定鉄心に発生される電磁
    力により固定鉄心側に吸引される可動鉄心と、 その固定鉄心に吸引される可動鉄心の動きに連動する弁
    体と弁本体に形成された弁座との当接または離間によっ
    て開閉動作を行なう弁機構を有するものであって、前記
    ソレノイド部への通電時によって閉弁する常開型の電磁
    弁において、 前記可動鉄心が、前記固定鉄心と前記弁座との間に位置
    するものであって、 軸方向に所定距離だけ移動可能なよう一端部が前記可動
    鉄心に対して遊嵌され、前記弁座を通り抜けた他端部に
    前記弁体を保持する弁棒と、 前記可動鉄心を前記弁座側に付勢する当該可動鉄心に係
    設された第1付勢部材と、 前記可動鉄心に対して前記弁棒を前記固定鉄心側へ付勢
    する当該可動鉄心及び弁棒間に係設された第2付勢部材
    と、 前記可動鉄心と前記固定鉄心とが所定距離まで接近した
    状態で両者に作用するよう当該可動鉄心に係設された第
    3付勢部材とを有することを特徴とする電磁弁。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2の記載の電磁弁
    において、 前記可動鉄心が、軸心部を貫いて形成された挿入孔を有
    し、 前記弁本体と前記可動鉄心に形成された張出部との間に
    嵌装された前記第1付勢部材と、 当該可動鉄心の挿入孔内を径方向に掛け渡すよう可動鉄
    心に固定された第1ピンに遊嵌された前記弁棒と、 当該可動鉄心の挿入孔内にあって前記第1ピンと前記弁
    棒に形成された張出部との間に嵌装された前記第2付勢
    部材と、 前記可動鉄心の挿入孔内に摺動可能に嵌挿され前記固定
    鉄心側端部から所定量突出するように形成された突出部
    材と、 当該可動鉄心の挿入孔内中央部であって当該可動鉄心の
    挿入孔内を径方向に掛け渡すよう可動鉄心に固定された
    第2ピンに遊嵌された係止部材と、 前記可動鉄心の挿入孔内であって前記突出部材と前記係
    止部材との間に嵌装された前記第3付勢部材とを有する
    ことを特徴とする電磁弁。
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