JP2832175B2 - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JP2832175B2
JP2832175B2 JP4421996A JP4421996A JP2832175B2 JP 2832175 B2 JP2832175 B2 JP 2832175B2 JP 4421996 A JP4421996 A JP 4421996A JP 4421996 A JP4421996 A JP 4421996A JP 2832175 B2 JP2832175 B2 JP 2832175B2
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知樹 只腰
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体の流れを制御
する電磁弁に関し、特に、高い圧力の流体を少ない電圧
で制御できる小型の電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、流体制御に関して様々な形態
の電磁弁が使用されてきているが、その一例を図面を参
照して説明する。図7は、電磁弁の第1従来例を示した
断面図である。この電磁弁51は、コイル52が巻回さ
れた磁気枠53に固定鉄心54が固定され、その磁気枠
53内であって固定鉄心54に対して下方同軸上には、
固定鉄心54に接離可能なように可動鉄心55が嵌挿さ
れたソレノイド部が構成されている。また、ソレノイド
部の外周面は、樹脂によって形成されたカバー56によ
り全体が一体化するようにモールド固定されている。
【0003】可動鉄心55は、その下端に弁体57が挟
持され、フランジの上面とガイドパイプ58とに当接す
るスプリング59によって下方へ付勢されている。そし
て、スプリング59に付勢される可動鉄心55の下方に
は、弁体57に対する弁座60がボディ61に形成さ
れ、更にボディ60には、流体の流入する入力ポート6
2と、弁座60の弁孔に連通する出力ポート63が形成
されている。
【0004】ところで、電磁弁は、コイルへの通電によ
って可動鉄心を吸引する瞬間の吸引初期は、固定鉄心と
可動鉄心とが最も離れた位置にあるため、その時点での
吸引力が最も弱い。従って、第1従来例の電磁弁51で
は、ボディ61内を流れる流体の圧力が高いものとなる
に従って、弁体57を弁座60へ気密に当接させている
力も大きくなる。しかし、そのように、流体圧力に比例
して可動鉄心55を下方へ付勢する力が大きくなれば、
それに反して固定鉄心54側へ吸引しようとするコイル
52への作動電圧も大きなものとする必要があるため、
圧力の高い流体への使用には大電力を必要とした。
【0005】そこで、このような問題点を解決すべく特
開平1−145484号公報に開示された電磁弁につい
て図面を参照して説明する。図8は、当該公報によって
開示された第2従来例の電磁弁の断面図である。この電
磁弁71は、可動鉄心72上端と固定鉄心73下端には
それぞれ凹部が形成され、両者を離隔するように付勢す
る第1のスプリング74が嵌装されている。一方、可動
鉄心72下端側には、弁体75と一体の弁棒76が摺動
する摺動孔72aが軸芯部に形成され、そこへ下方から
挿入された弁棒76が、同じく摺動孔72a内に嵌挿さ
れた第2のスプリング77によって、その摺動孔72a
の天井に当接するよう付勢されている。また、弁体75
に対する弁座78の形成されたボディ79には、流体の
流入する入力ポート80と、弁座78の弁孔に連通する
出力ポート81が形成されている。
【0006】このような構成からなる電磁弁71は、コ
イル52への非通電時には、第1のスプリング74によ
って下方へ付勢された可動鉄心72によって、その摺動
孔72a内に挿入された弁棒76が同じ様に下方へ付勢
される。そのため、弁棒76下端に一体に設けられた弁
体75が弁座78に当接して閉弁状態となる。一方、コ
イル52が通電されると、第1のスプリング74に付勢
さた可動鉄心72が、その力に反し励磁された固定鉄心
73の吸引力によって上昇することとなる。その際、弁
体75はボディ79内に流入する流体の圧力によって弁
座78に圧接されているため、可動鉄心72のみが上昇
し、弁体75に一体の弁棒76が摺動孔72a内を第2
のスプリング77を圧縮させながら摺動することとな
る。
【0007】そして、ある程度第2のスプリング77が
圧縮され、固定鉄心73と可動鉄心72との距離が縮ま
ると、固定鉄心73及び可動鉄心72間の吸引力が大き
くなり、弁体75にかかる弁座78側への流体圧力に反
して弁体75が弁座78から離間して開弁状態となる。
その後、縮められた第2のスプリング77が弾拡するこ
とによって更に弁棒76が上昇して、弁が大きく開くこ
ととなる。また、コイル52への通電を止めれば、第1
のスプリング74の弾拡力によって可動鉄心72及び弁
棒76は下降し、弁体75が弁座78に当接し、再び図
に示すような閉弁状態となる。
【0008】従って、第2従来例として挙げた特開平1
−145484号公報に記載された構成の電磁弁71に
よれば、固定鉄心73と可動鉄心72とが最離れた吸引
力の弱い吸引初期の段階においては、可動鉄心72のみ
が、第1のスプリング74及び第2のスプリングの付勢
力に抗して上昇する一方、固定鉄心73と可動鉄心72
との吸着直前から吸着までの吸引力が大きくなる過程に
おいて、弁体75を流体の圧力に反して上昇させ弁座7
8から離間するようにしたため、流体圧力の大きなもの
に対しても微少電力で開弁することが可能としたもので
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第2従来例の
電磁弁71では、可動鉄心72と弁体75とを独立して
移動するよう構成したため、上述したように圧力の高い
流体に使用した場合でも、第1従来例の電磁弁51に比
べて弁の開閉には微少電力で開弁が可能なものとなった
が、次のような問題点を伴うものであった。先ず、固定
鉄心73が可動鉄心72を吸引する際、コイル52への
通電が開始された吸引力の弱い吸引初期において、第1
のスプリング74と第2のスプリング77の両方を圧縮
させなければならないため、2つの加算されたバネ力に
対するコイル52への作動電圧が必要であった。
【0010】また、可動鉄心72のみ固定鉄心73の吸
引によって一旦上昇した後、可動鉄心72と固定鉄心7
3との吸着直前から吸着までの吸引力の大きい過程にお
いて弁体75を流体圧力に反して弁座から離間するが、
その際、弁棒76が第2のスプリング77を介して可動
鉄心72に引き上げられる。そのため、流体圧力が大き
ければ、その分第2のスプリング77の受ける力が大き
く圧縮する量も大きくなり、弁の開閉の繰り返しによっ
て第2のスプリング77生じる「摩耗」や「へたり」の
発生が生じ易く、電磁弁71自体が寿命の短いものとな
るおそれがある。一方、第2のスプリング77の強度を
高くしたのでは、上述したように吸引初期において第1
のスプリング74とともに第2のスプリング77をも圧
縮するため大きな吸引力が必要となって、上記効果を没
却してしまうこととなる。
【0011】また、電磁弁71を固定鉄心73等の軸線
方向に見た場合、固定鉄心73と可動鉄心72の間に第
1のスプリング74を介在するよう構成したため、その
分電磁弁71自身が大型化してしまった。また、固定鉄
心73と可動鉄心72との間に第1のスプリング74が
介在し、可動鉄心72と弁体75との間にも第2のスプ
リング77が介在するため、弁体75にかかる力のバラ
ンスがくずれ易く、弁座78に当接する弁体75の安定
性が悪くなりシール性が低下するおそれがある。
【0012】本発明は、上記問題点を解消した、少ない
電力で高い圧力の流体制御が可能で、寿命の長い、また
コンパクトな電磁弁を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性コイル
の巻回されるソレノイド部に固定的に設けられた固定鉄
心と、ソレノイド部への通電により固定鉄心に発生され
る電磁力により固定鉄心側に吸引される可動鉄心と、そ
の固定鉄心に吸引される可動鉄心の動きに連動する弁体
と弁座との当接または離間によって開閉動作を行なう弁
機構を有するものであって、下端に前記弁体を備えた弁
棒と、前記可動鉄心または前記弁棒の一方が、その他方
に開口して形成された挿入孔内に挿入され、その挿入孔
内であって可動鉄心と弁棒との間に嵌挿された第1付勢
部材と、前記可動鉄心に対して固定され、前記弁棒に対
して所定の隙間を介して遊嵌された前記第1付勢部材の
下端を支持する支持部材と、前記弁棒を前記弁座方向に
付勢する第2付勢部材とを有することを特徴とする。ま
た、本発明の電磁弁は、前記支持部材が、軸芯部を垂直
に貫通する前記可動鉄心に形成された同径の嵌入孔と、
軸芯部を垂直に貫通する前記弁棒に形成された広径の嵌
挿孔とを介して配設されたピンであることが望ましい。
【0014】上記構成を有する本発明の電磁弁は、導電
性コイルの巻回されるソレノイド部への通電により発生
する電磁力によって固定鉄心側に可動鉄心が吸引される
ため、可動鉄心の動きに連動する弁体と弁座との当接ま
たは離間によって弁の開閉動作が操作されるが、その開
弁の際、先ずソレノイド部が通電された吸引初期には、
可動鉄心のみが、支持部材を介して加わる第1付勢部材
の付勢力に抗して吸引される一方、弁棒は、第2付勢部
材により弁体が弁座に当接するよう付勢された状態を維
持し、そして、可動鉄心に固定された支持部材が遊嵌さ
れた弁棒との隙間分だけ移動した後、弁棒が、支持部材
を介して可動鉄心に引っ張られるようにして第2付勢部
材の付勢力に抗して移動する。従って、吸引初期には可
動鉄心を第1付勢部材の付勢力に反する吸引力のみでよ
いため、少ない電力で高い圧力の流体制御が可能となっ
た。
【0015】また、本発明の電磁弁は、開弁の際、支持
部材であるピンが、可動鉄心の嵌入孔内に嵌入されて固
定されているため、可動鉄心が固定鉄心に吸引されれば
ともに移動する一方、弁体に形成された広径の嵌挿孔と
の間には隙間が生じ、可動鉄心の所定距離の移動に対し
て連動することなく静止状態を維持するため、その弁棒
に加わる第2付勢部材及び流体圧力による付勢力が可動
鉄心の吸引に影響することがない。従って、吸引初期に
は可動鉄心を第1付勢部材の付勢力に反する吸引力のみ
でよいため、少ない電力で高い圧力の流体制御が可能と
なった。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の電磁弁の一実施の
形態について図面を参照して説明する。図1乃至図4
は、本実施の形態の電磁弁を示した断面図であり、図1
の閉弁状態から図4の開弁状態にかけての弁の開く様子
を示している。本実施の形態の電磁弁1は、大きく分け
て上半分のソレノイド部10と下半分の弁部20とによ
り構成される。このソレノイド部10と弁部20とは、
ソレノイド部10の下方に延設されたガイドパイプ14
と弁部20を構成するボディ21とが、ロックナット3
0によっ上下一体に固定されている。
【0017】このソレノイド部10は、中空円筒形状の
コイルボビン11の胴部に銅線が巻かれたコイル12を
有し、その外周を囲むように磁気枠13が形成されてい
る。そのコイルボビン11の円筒内には、上述したよう
にロックナット30を介してボディ21に一体に固定す
べく、下端フランジ部を有する中空円筒形状のガイドパ
イプ14が挿入固定されている。このコイルボビン11
及びガイドパイプ14からなる中空部には、その上方か
ら固定鉄心15がコイル12のほぼ中央付近まで挿入さ
れ固定されている。一方、下方からは、弁体25を備え
た弁棒3と係設された可動鉄心2が、ガイドパイプ14
内を上下方向に摺動可能に嵌挿保持されている。そし
て、ソレノイド部10の外周面は、樹脂によって形成さ
れたカバー17により全体が一体化するようにモールド
固定されている。
【0018】次に、弁部20は、電磁弁1のボディ21
内に流体を流入させる入力ポート22、ボディ21内の
流体を吐出する出力ポート23が形成され、そのボディ
21内には入力ポート22と出力ポート23とを連通す
る弁孔が形成された弁座24とが設けられている。この
弁座24は、固定鉄心15及び可動鉄心2と同軸上に形
成されている。そして、ボディ21には、弁座24を囲
むように突設された円筒形の固定部21aが上方に開口
して形成され、その固定部21aの側面に切られたネジ
にガイドパイプ14を介してロックナット30が螺設さ
れ、電磁弁1が構成されている。
【0019】また、弁部20には、ボディ21内に流入
した流体の流れを制御すべく、弁体25が弁座24に当
接する位置に配設されている。この弁体25は、可動鉄
心2に係設された弁棒3の下端部に挟持されている。可
動鉄心2は、下方に開口した挿入孔2aが形成された円
柱形状の棒材によって形成されている。一方、弁棒3
は、可動鉄心2の挿入孔2a内に挿入される上部の棒部
3aと、合成ゴム等によって成形された弁体25を挟持
した下部の弁体部3bとから構成されている。そして、
挿入孔2aに挿入された棒部3aとの間には、径の寸法
差の分だけ隙間が設けられ、そこには第1スプリング4
が嵌挿されている。また、この挿入孔2aと棒部3aと
の隙間には、第1スプリング4を上下で支持する円筒形
状のスプリング受5,6が、第1スプリング4の両端に
嵌挿されている。このスプリング受5,6は、それぞれ
ピン7,8によって位置決めされている。
【0020】上方に位置するスプリング受5は、弁棒3
を垂直に貫いて固定されたピン7によって位置決めされ
ている。一方、下方に位置するスプリング受6は、可動
鉄心2及び弁棒3を垂直に貫いたピン8によって位置決
めされている。但し、このピン8は、可動鉄心2には固
定されているが、弁棒3に対しては、棒部3aに形成さ
れたピン8の径よりも大きい寸法の貫通孔3c内をフリ
ーな状態で貫通している。従って、ピン8と弁棒3との
間には、上下方向にS1の寸法の隙間が生じることとな
る。また、弁体部3bをなす弁棒3の下端には、外側に
フランジ3dが形成され、そこへはガイドパイプ14と
の間で支持しあう第2スプリング9が、弁体25を弁座
24へ当接させるべく弁棒3を下方へ付勢するよう嵌装
されている。
【0021】次に、このような構成からなる電磁弁1の
作用について説明する。先ず、図1に示すコイル12へ
の非通電時には、第2スプリング9の弾拡力によって弁
棒3が下方に付勢され、その弁棒3に挟持された弁体2
5が弁座24に当接した状態で閉弁されている。そのた
め、入力ポート22からボディ21内に流入した流体の
流れが遮断され、出力ポート23から流出するようなこ
とはない。このような非通電時には、第2スプリング9
が、弁棒3を下方へ付勢するとともに、第1スプリング
4が、ピン8を介して可動鉄心2を下方へ付勢すること
となる。従って、ピン8は、弁棒3の貫通孔3cの下側
に当接され、上側に寸法S1の隙間が生じる。また、可
動鉄心2と固定鉄心15との間には、寸法Stの隙間が
生じている。
【0022】ここで、図5は、固定鉄心15と可動鉄心
2との距離(ストローク)に対して、固定鉄心15と可
動鉄心2との間に生じる吸引力との関係(グラフA)及
び弁棒3にかかる弁座24方向への負荷との関係(グラ
フB)を示した図である。弁棒3にかかる負荷は、主に
第2スプリング9による付勢力及び弁体25を弁座24
に気密に当接させる流体圧力である。そこで、コイル1
2への通電が行なわれると、固定鉄心15の上下方向に
発生する磁界によって、固定鉄心15は電磁石となって
可動鉄心2を吸引する吸引力が生じる。このとき図1に
示した閉弁状態では、図5から分かるように、コイル1
2への通電によって生じる吸引力よりも弁棒3にかかる
負荷のほうが大きい(P点)。
【0023】しかし、本実施の形態の電磁弁1では、こ
のように吸引力の小さい吸引初期には、貫通孔3cに生
じた隙間のS1の距離だけ弁棒3とは別に可動鉄心2の
みが吸引されて移動する。従って、固定鉄心15に吸引
された可動鉄心2は、ピン8を介して受ける第1スプリ
ング4の弾拡力に抗して上昇する。一方、弁棒3には、
フランジ3dにかかる第2スプリング9の下方への付勢
力と流体圧力が加わり、弁体25が、弁座24に当接し
た閉弁状態が維持される(図2)。
【0024】そして、図2に示したように閉弁状態のま
ま可動鉄心2がS1だけ上昇し、固定鉄心15と可動鉄
心2との距離がSt−S1となったところでは、図5に
示すように、固定鉄心15に生じる吸引力が、弁棒3に
かかる負荷を上回ることとなる(R点)。従って、貫通
孔3cに設けられる隙間の寸法S1は、第2スプリング
9のバネ力及び流体圧力による負荷と、可動鉄心2のス
トロークStを考慮する必要がある。本実施の形態の電
磁弁1では、S1=0.4mm,St=0.85mmで
ある。そこで、S1だけ上昇した可動鉄心2には、ピン
8を介して弁棒3にかかる負荷が加わることとなるが、
可動鉄心2を上昇させる吸引力が大きいため、可動鉄心
2及び弁棒3とが一体となって上昇する。このとき、弁
体25が上昇して弁座24から離間した瞬間に流体が出
力ポート23側へ流れ込むと、その流体圧力が弁棒3下
端面に上方への圧力として加わり、弁棒3にかかる負荷
が急激に下がることとなる(Q点)。
【0025】固定鉄心15に吸引されて一体に上昇する
可動鉄心2及び弁棒3は、可動鉄心2が、固定鉄心15
に直接吸引され上方に力が加わる一方、弁棒3には、第
2スプリング9によって下方へ力が加わっているため、
ピン8と貫通孔3cとは、ピン8の下側に隙間S1を設
けた関係のまま移動する。そして、そのような状態で可
動鉄心2が固定鉄心15に当接する(図3)。可動鉄心
2が固定鉄心15に当接した瞬間の弁体25と弁座24
との距離は、St−S1である。そして、可動鉄心2
は、固定鉄心15に当接した位置で吸着固定されるた
め、次の瞬間には、弁棒3が、第1スプリング4の弾拡
力によって貫通孔3cの隙間S1だけ上昇する。従っ
て、最終的に、弁体25と弁座24は、Stの距離をも
って開弁することとなる(図4)。一方、コイル12へ
の通電を止めれば、可動鉄心2と弁棒3とは図4に示し
た状態のまま下降し、弁体25が弁座24に当接するこ
とによって閉弁状態となる。
【0026】以上、このような構成による本実施の形態
の電磁弁1によれば、先ず、固定鉄心15と可動鉄心2
とが最も離れた吸引初期の状態では、コイル12への通
電によって生じる固定鉄心15の吸引力に対する負荷が
第1スプリング4のみであるため、コイル12へ印加す
る電圧は非常に小さいものでよく、電力量の削減によっ
て省エネに優れたものを提供することが可能となった。
ここで、上述した図7に示した第1従来例の電磁弁71
と比較したところ、図6に示すような結果を得ることが
できた。即ち、従来の電磁弁71では、固定鉄心と可動
鉄心とが最も離れた吸引初期からスプリング59の負荷
を受けた可動鉄心を一気に吸引するものであるため、初
期の吸引力を高めるべく大電力を必要とした。従って、
流体圧力を高めるに従って可動鉄心にかかる負荷も大き
くなるため、コイルへの作動電圧も大きくなり、図示し
たように流体圧力の増加に比例して作動電圧の値がが急
激に増加する結果となった。これに対し、本実施の形態
の電磁弁1では、流体圧力の影響は極めて小さいもので
あり、第1スプリング4の付勢力に抗して吸引すればよ
いので、図示の如く作動電圧の値を格段に小さいものと
することができた。
【0027】また、本実施の形態の電磁弁1では、初期
の吸引によって可動鉄心2が上昇した後、ピン8を介し
て弁棒3が可動鉄心2に引き上げられるようにしたた
め、第1スプリング4へかかる負荷が小さく「摩耗」や
「へたり」が非常に少なくなったことにより、電磁弁1
自体の耐用時間が向上した。
【0028】また、本実施の形態の電磁弁1では、可動
鉄心2と弁棒3との間に第1スプリング4を嵌挿する一
方、更に第2スプリング9を弁体部3bの周りに配設
し、それぞれ可動鉄心2及び弁棒3と同一高さに位置す
るよう構成したため、軸線方向のスペースに無駄な空間
をなくすことによって電磁弁1のコンパクト化を実現す
ることができた。更に、弁棒3下端に形成したフランジ
3dに直接第2スプリング9を配設し、その付勢力によ
って弁体25を弁座24に当接させるものであるため、
弁体25が弁座24へ安定した当接及び離間を繰り返す
ことによって、安定したシール性を維持することが可能
となった。
【0029】なお、本発明は、上記実施の形態のものに
限定される訳ではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様
々な変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、
弁棒3を可動鉄心2の挿入孔内に挿入するように構成し
たが、逆に弁棒3に形成した挿入孔内に可動鉄心2を挿
入するようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】本発明は、下端に前記弁体を備えた弁棒
と、可動鉄心または弁棒の一方が、他方に開口して形成
された挿入孔内に挿入され、その挿入孔内であって可動
鉄心と弁棒との間に嵌挿された第1付勢部材と、可動鉄
心に対して固定され、弁棒に対して所定の隙間を介して
遊嵌された第1付勢部材の下端を支持する支持部材と、
弁棒を弁座方向に付勢する第2付勢部材とを有するよう
構成したので、少ない電力で高い圧力の流体制御が可能
で、寿命の長い、またコンパクトな電磁弁を提供するこ
とが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁弁の一実施の形態を示した閉
弁時の断面図である。
【図2】本発明に係る電磁弁の一実施の形態を示した吸
引初期の断面図である。
【図3】本発明に係る電磁弁の一実施の形態を示した開
弁時の断面図である。
【図4】本発明に係る電磁弁の一実施の形態を示した全
開時の断面図である。
【図5】固定鉄心15と可動鉄心2との距離に対する、
両者を吸引するのに必要な吸引力との関係(グラフA)
及び弁体25にかかる弁座24方向への負荷との関係
(グラフB)を示した図である。
【図6】流体圧力に対する可動鉄心の吸引に必要な作動
電圧との関係のグラフを示した図である。
【図7】第1従来例の電磁弁を示した断面図である。
【図8】第2従来例の電磁弁を示した断面図である。
【符号の説明】
1 電磁弁 2 可動鉄心 3 弁棒 4 第1スプリング 5,6 スプリング受 7,8 ピン 9 第2スプリング 15 固定鉄心 24 弁座 25 弁体

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性コイルの巻回されるソレノイド部
    に固定的に設けられた固定鉄心と、 ソレノイド部への通電により固定鉄心に発生される電磁
    力により固定鉄心側に吸引される可動鉄心と、 その固定鉄心に吸引される可動鉄心の動きに連動する弁
    体と弁座との当接または離間によって開閉動作を行なう
    弁機構を有する電磁弁において、 下端に前記弁体を備えた弁棒と、 前記可動鉄心または前記弁棒の一方が、その他方に開口
    して形成された挿入孔内に挿入され、その挿入孔内であ
    って可動鉄心と弁棒との間に嵌挿された第1付勢部材
    と、 前記可動鉄心に対して固定され、前記弁棒に対して所定
    の隙間を介して遊嵌された前記第1付勢部材の下端を支
    持する支持部材と、 前記弁棒を前記弁座方向に付勢する第2付勢部材とを有
    することを特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電磁弁において、 前記支持部材が、 軸芯部を垂直に貫通する前記可動鉄心に形成された同径
    の嵌入孔と、 軸芯部を垂直に貫通する前記弁棒に形成された広径の嵌
    挿孔とを介して配設されたピンであることを特徴とする
    電磁弁。
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